JP5128084B2 - 光触媒部材 - Google Patents

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Description

本発明は光触媒機能を有する光触媒部材に関し、更に詳しくは、摩擦堅牢性、特に、耐払拭性に優れた光触媒部材に関する。
近年、セラミックス、金属、合成樹脂などからなる基材の表面に光触媒層を形成し、光触媒機能を付与した種々の光触媒部材が開発されている。かかる光触媒部材は、表面に露出する光触媒粒子が紫外線等の照射による光励起によって、悪臭を分解したり、抗菌・防黴作用を発揮したり、親水性を発現したりするため、クーラーや掃除機の内部に使用されたり、カーポートの屋根材や高速道路の防音板等の用途に使用されている。
また、基材の表面に光触媒を含んだ層を形成して親水性を発現させ、この層の上に親水性又は親水化可能な保護層を形成した自己浄化性部材も提案されている(特許文献1)。
特開2001−152051号公報
しかしながら、従来の光触媒部材のように薄くて脆弱な光触媒層が表面に露出しているものは、物が当ったり擦ったりすると、その衝撃力や摩擦力で光触媒層が損傷したり剥脱したりして、光触媒機能が低下するという問題があった。
このような問題は、上記特許文献1の自己浄化性部材のように、光触媒層を親水性の保護層で被覆すると、ある程度改善されると思われる。けれども、上記特許文献1には、親水性の保護層を形成する材料が具体的に記載されていないのでよく分からないが、仮に、親水性の保護層を市販の親水性塗料等を用いて形成するような場合は、形成される親水性の保護層の硬度が概して低く、摩擦抵抗が概して大きいため、耐衝撃性等の向上には有効であるというものの、摩擦堅牢性、特に、耐払拭性の向上や、防傷性の向上には、それほどの効果が認められず、払拭を繰り返すと保護層と光触媒層が基材から剥脱して光触媒機能を損なう可能性が高いものと思われる。
本発明は上記の事情の下になされたもので、表面の摩擦堅牢性、特に、耐払拭性に優れ、表面が傷付いたり、光触媒粒子が剥脱しにくい光触媒部材を提供することを解決課題としている。
上記課題を解決するため、本発明の光触媒部材は、基材の表面に光触媒層を積層すると共に、光触媒層の表面に硬化性樹脂層を積層した光触媒部材であって、
基材が、繊維と熱硬化性樹脂と無機材とよりなる芯材層と、その上に積層一体化された樹脂含浸化粧層とよりなる化粧板であり、
硬化性樹脂層が、熱硬化性メラミン樹脂を用いて形成された厚さ20〜200nmの層であって、ブラックライトブルーランプを用いて1mW/cm2の強度の光を168時間照射した硬化性樹脂層の表面の水との接触角が35〜90°であり、且つ、硬化性樹脂層の表面におけるメチレンブルーの分解活性指数Rが3.8〜4.7[nmol/l/min]であり、
光触媒層の厚さが5〜300nmであり、
基材と光触媒層との間に保護層が形成されている、ことを特徴とするものである。
本発明の光触媒部材においては、更に、基材と保護層との間に接着剤層を形成してもよい。
本発明の光触媒部材は、光触媒層がその表面に積層された硬化性樹脂層で保護されているため、光触媒部材の摩擦堅牢性、特に、耐払拭性が向上し、防傷性も向上する。従って、繰り返し擦っても光触媒層が基材から剥脱し難く、また、光触媒部材に物が当っても光触媒層が損傷し難いので、長期に亘って安定した光触媒機能を発揮することが可能となる。特に、硬化性樹脂層が本発明の光触媒部材のように熱硬化性メラミン樹脂で形成されたものであると、このメラミン樹脂が三次元に架橋、硬化して高い表面硬度と強度を有し、しかも、表面の摩擦抵抗が小さいので、摩擦堅牢性、特に、耐払拭性の向上や、防傷性の向上が顕著になる。そして、硬化性樹脂層が厚さ20〜200nmと薄く光線透過率も高いので、可視光や紫外線を光触媒層まで良く透過させて光触媒機能を充分に発揮させることができる。
本発明の光触媒部材のように光触媒層が硬化性樹脂層で覆われていても有機物分解などの光触媒機能が発揮される理由については明らかではないが、硬化性樹脂層の厚さが10〜500nmと薄い場合には、硬化性樹脂層を透過した光により光触媒層の光触媒粒子が活性化されて発生するラジカル種や活性酸素種などが、薄い硬化性樹脂層を越えて表面側へ飛散し、悪臭成分や低分子量有機物の分解作用、抗菌・防黴作用などを行うからであると推測され、特に本発明のように硬化性樹脂層の厚さが20〜200nmであると、優れた光触媒機能が発揮される。また、表面の悪臭成分や低分子量有機物が薄い硬化性樹脂層を通過し、光触媒層と接触して分解されることも、理由の一つと考えられる。
硬化性樹脂層の厚みが20nmよりも薄く、特に10nmよりも薄くなると、硬化性樹脂層が磨滅、破損しやすくなるので、摩擦堅牢性、特に、耐払拭性を充分向上させることが難しくなり、傷も付き易くなる。逆に、200nmよりも暑く、特に500nmよりも厚くなると、ラジカル種などの光触媒作用に関与する物質が硬化性樹脂層を越えて表面側へ飛散し難くなり、また、低分子量の有機物が硬化性樹脂層を通過して光触媒層に接触することも困難となるので、光触媒機能が低下して悪臭成分や低分子量有機物の分解作用、抗菌・防黴作用等が不充分になる。
硬化性樹脂層は、熱硬化性メラミン樹脂が三次元網目状に架橋、硬化しているので分解されにくく、光触媒層による有機物分解などの光触媒作用が硬化性樹脂層に及んでいても、硬化性樹脂層は劣化し難く、長期に亘って優れた摩擦堅牢性、特に、耐払拭性と、防傷性を維持することができる。
また、硬化性樹脂層の表面の水との接触角が上記のように35〜90°であると、親水性に劣り水の濡れ性が悪いため、光触媒作用の一つである親水性化による自己浄化の作用は実質的に発揮されないが、悪臭成分、低分子量有機物等の分解作用や抗菌・防黴作用などの光触媒作用は充分発揮することができ、タバコのヤニを分解したり、シックハウス症候群の原因となるVOCガスの分解等の効果も得ることができる。さらに、撥油性の熱硬化性メラミン樹脂を用いて硬化性樹脂層を形成しているので、台所などの油を使用する環境で使用しても油汚れを拭き取りやすくなり、光触媒による有機物分解作用と相乗して油汚れ防止効果を発揮できる。
特に、硬化性樹脂層の表面におけるメチレンブルーの分解活性指数Rが3.8〜4.7[nmol/l/min]であると、硬化性樹脂層の表面における悪臭成分や低分子量有機物の分解作用、及び、抗菌・防黴作用を十分発揮することができる。
一方、光触媒層の厚さが5〜300nmであると、光触媒層に達する光エネルギー量が少なくても上記光触媒機能を発揮させるに足る量の光触媒粒子を含有させることができ、光触媒層のクラックの発生を防止することもできる。特に、厚さが5〜35nmであると、光触媒層の内部残留応力が小さくなるので、たとえ基材が熱伸縮の大きい熱可塑性合成樹脂からなるものであっても、熱伸縮に伴って光触媒層にクラックが発生することはない。従って、クラックで生じる光散乱により光触媒部材の外観が白濁することはないので、表面美観を長期に亘って保持することができ、光触媒部材が透明性を有する部材であれば、その透明性を長期に亘って保つことが可能となり、着色された部材であれば、初期の色相を長期に亘って保つことが可能となる。また、厚さが35〜300nmであると、硬化性樹脂層を通して表面で光触媒機能を発揮させるに十分な光触媒粒子を含有させることができる。
また、基材として、ガラス繊維やカーボン繊維、紙などの繊維と熱硬化性樹脂と無機材とよりなる芯材層と、その上に積層一体化された樹脂含浸化粧層とからなる化粧板を用いると、該化粧板は芯材層の繊維により熱伸縮を小さくすることができるため、光触媒層にも硬化性樹脂層にもクラックが発生しない光触媒部材を得ることができる。そして、樹脂含浸化粧層の模様や図柄を硬化性樹脂層と光触媒層を通して目視できる化粧光触媒部材とすることができる。また、化粧板は難燃性ないし不燃性とすることが容易であるので、そのような化粧板を使用して光触媒層と硬化性樹脂層を積層すれば、難燃性ないし不燃性の光触媒部材を得ることができる。
さらに、基材と光触媒層との間に保護層を形成すると、光触媒作用で劣化し易い樹脂からなる基材を使用した場合でも、保護層によって光触媒層の光触媒作用が基材に及ばないように保護されるため、光触媒作用による基材の劣化を防止することができる。そして、この保護層と基材との間に接着剤層を形成したものは、保護層と直接接着できない基材を用いた場合でも,ラミネートや転写などの手段により、保護層と光触媒層と硬化性樹脂層を同時に基材に積層して保護層と基材を接着剤層で接着することができ、しかも、接着剤層が保護層で保護されるため、光触媒作用によって接着剤層が劣化することもない。
以下、図面に基づいて、本発明の具体的な実施形態と参考形態を説明する。
図1は本発明の一参考形態に係る光触媒部材を示す断面図である。
この光触媒部材Aは、基材1の片側の表面に、保護層2と光触媒層3と硬化性樹脂層4をこの順で積層してなる板状の部材である。この実施形態では各層2,3,4を基材1の片面に積層しているが、基材1の両面に積層しても勿論よく、また、基材1が光触媒作用によって変質、劣化し難いガラス、セメント、無機材、石、セラミックス、金属などである場合は保護層2を省略してもよい。
基材1は、合成樹脂(熱可塑性樹脂や硬化性樹脂など)、ガラス、セメント、無機材、石、セラミック、金属など如何なる素材で形成されていてもよい。熱可塑性樹脂としてはポリカーボネートやポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、スチレン系樹脂などの単独又は混合若しくは共重合樹脂が用いられる。また、硬化性樹脂としては、熱や紫外線や電子線などの照射、重合開始剤や触媒などの添加で硬化するアクリル系樹脂、メラミン系樹脂、フェノール系樹脂、ジアリルフタレート系樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、シリコーン系樹脂などが用いられる。または、これらの樹脂を組み合わせて用いることもできる。さらに、基材1としては、これらの樹脂にガラス繊維などの無機繊維、カーボン繊維や紙などの有機繊維、無機フィラーを配合した複合素材、或は、繊維補強化粧材なども用いられる。
上記の各種素材からなる基材1の中でも、透光性を有する樹脂、例えばポリカーボネート樹脂からなる基材1は、透明性に優れるうえに耐衝撃性にも優れているので、光触媒機能を有する屋根材、カーポート、道路防音板、腰板などの建築資材用又は道路資材用の光触媒部材Aの基材1として好ましく使用される。このようなポリカーボネート樹脂からなる基材1の厚さや形状については特に限定されないが、上記の屋根材、カーポート、腰板などに使用する光触媒部材Aの場合は、厚さが0.5〜4mmで平板状または波板状または折半状の基材1が好適に用いられ、また、道路防音板に使用する光触媒部材Aの場合は、厚さが4〜10mmの平板状の基材1が好適に用いられる。そして、熱線吸収機能、熱線反射機能、耐候性機能、電磁波吸収機能、電磁波反射機能、制電機能、ハードコート機能などを更に付与した基材1も好適に用いられる。
また、上記のガラス繊維や無機フィラーなどを配合した複合素材からなる基材1や、繊維補強化粧板からなる基材1は、繊維や無機フィラーなどが含有されているため熱伸縮が小さく、それ故、光触媒層2を大きく熱伸縮させてクラックを発生させることがないので、好ましく使用される。これらの基材1は、その厚さが1〜10mm程度であると、十分な強度を有する。
保護層2は、光触媒層3の光触媒作用が基材1に及ぶのを阻止して基材1を保護する役目を果たすものである。かかる保護層2の好ましい例としては、シリカなどの無機物と、ポリジメチルシロキサン等のシリコーン樹脂、アクリル樹脂、フッ素樹脂などのバインダー樹脂とを均一に混合した組成物や、シリコーン樹脂とアクリル樹脂との混合物や共重合樹脂のように無機物と有機物とからなる組成物で形成した無機−有機物の層、或は、シリコーン樹脂で形成した層、或は、アモルファスの酸化チタン等の金属酸化物で形成した層などを挙げることができる。
この保護層2の厚みは0.1〜10μmに形成することが好ましく、0.1μmより薄くなると、光触媒作用の効果的な遮断が困難になり、光触媒作用が基材1に及んで基材1を劣化させるという不都合が生じる。一方、10μmより厚くしても、光触媒作用遮断効果の更なる向上がみられないので、材料の無駄使いとなる。保護層2のより好ましい厚みは、0.5〜5μmである。
なお、この保護層2は、基材1が光触媒作用によって劣化を生じないガラス、セメント、無機材、石、セラミックス、金属などからなる場合には、形成する必要がない。
光触媒層3は、光触媒粒子と、シリカもしくはシリコーン樹脂と、必要に応じて1質量%以下の分散剤やバインダーとを、均一に分散させて形成した層であって、これに含有されている光触媒粒子により、悪臭成分や低分子量有機物を分解したり、抗菌・防黴作用を発揮したり、親水性を発現させるなどの光触媒作用を行うものである。但し、この光触媒部材Aは、光触媒層3の表面に親水性に劣る硬化性樹脂層4を積層しているので、親水性化による自己浄化作用は発揮されない。
光触媒層3に分散させる光触媒粒子としては、紫外線で活性化する粒子、可視光で活性化する粒子のいずれもが使用可能である。前者の紫外線活性化粒子としては、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化錫、SrTiO、WOなどの金属酸化物が用いられる。その中でも、酸化チタン、特にアナターゼ型酸化チタンは、光触媒機能が高く、入手もし易いので、最も好ましく用いられる。
後者の可視光活性化粒子としては、例えば、上記の金属酸化物の粒子に、窒素、フッ素、硫黄、炭素などをドーピングした光触媒粒子、或は、白金担持、酸素欠陥、ブルッカイト型などの光触媒粒子が使用される。これらの光触媒粒子が可視光により光触媒機能を発揮する機構は明らかではないが、例えば、酸化チタンに窒素をドーピングした光触媒粒子の場合は、Ti―N、或はTi―O―Nの化学結合が生じ、可視光を吸収して光触媒機能を発揮すると考えられる。これらの可視光活性化粒子の中でも、酸化チタン、特にアナターゼ型酸化チタンに窒素をドーピングした光触媒粒子は、アナターゼ型酸化チタン自体が他の粒子より活性が高く入手が容易であり、しかも、可視光を吸収して高い光触媒機能を発揮するので、極めて好ましく使用される。
さらに、上記の紫外線活性化粒子又は可視光活性化粒子に、アパタイト、ゼオライト、シリカ(二酸化ケイ素)、アルミナ、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化チタン、リン酸ジルコニウム、ジルコニア、マグネシア、カルシアなどの無機材を網状もしくは多孔質状に被覆してなる網状被覆型光触媒粒子なども好ましく使用される。上記の無機材は、数オングストローム〜数μmの厚さで、0.1〜5.0質量%となるように光触媒粒子に被覆され、網状被覆型光触媒粒子の直径が500μm以下、好ましくは50μm以下、更に好ましくは0.001〜20μmとされている。このような網状被覆型光触媒粒子は、被覆網目を通じて可視光が光触媒粒子に到達して光触媒機能を発揮する。上記の網状被覆型光触媒粒子の中でも、ゼオライト又はシリカの多孔質材で酸化チタンを被覆した光触媒粒子は、ゼオライトやシリカが悪臭成分を捕獲し、酸化チタンの光触媒作用で悪臭成分を分解するので、悪臭成分の分解効果が顕著であり、極めて好ましい。
上述した光触媒粒子は、光触媒層3の中に均一に分散させて5〜99質量%含有させることが好ましい。5質量%未満では、光触媒機能を発揮させることが困難になり、99質量%以上より多く含有させると光触媒層が脆くなって層の形成が困難になる。光触媒粒子の更に好ましい含有率は、紫外線活性化光触媒粒子を含有させる場合には5〜50質量%、可視光活性化光触媒粒子を含有させる場合には5〜99質量%、網状被覆型光触媒粒子を含有させる場合には5〜80質量%である。
光触媒層3中に光触媒粒子と共に含有させる前記シリカとしては、シリカ前駆体、水ガラスなどのシリカを主体とした無機材料が用いられる。また、このシリカに代えてシリコーン樹脂を光触媒粒子と共に含有させて光触媒層3を形成してもよいし、シリカとシリコーン樹脂との混合物を光触媒粒子と共に含有させて光触媒層3を形成してもよい。これらのシリカ、シリコーン樹脂、両者の混合物は光触媒層3に95〜1質量%含有される。
硬化性樹脂層4を透過して光触媒層3に到達する光はエネルギー量が小さいので、光触媒層3にはその小さなエネルギー量で光触媒機能を発揮できる量の光触媒粒子を含有させる必要があり、そのためには光触媒層3の厚みを5〜300nmの厚さにすることが好ましい。5nmより薄くなると、光触媒粒子量が不足して光触媒機能を発揮することが困難になり、また、300nmより厚くしても、光触媒機能の更なる向上が見られず、むしろ長期間使用するうちに光触媒層3にクラックが発生するなどの不都合が生じる。紫外線等の光触媒を活性化させる光が十分得られる環境で使用する材料ならば光触媒層3の厚さを5〜35nmと薄く設定できるが、十分な光が期待できない使用環境の場合には光触媒層3の厚さを35〜300nm、好ましくは50〜200nmに設定して光触媒粒子の含有量を多くしないと光触媒機能を発揮させることが難しい。
この光触媒層3は、基材1が熱伸縮の大きい合成樹脂、特に熱可塑性合成樹脂からなるものであると、基材1の熱伸縮に伴って伸縮しようとし、一定以上の応力が光触媒層3に生じるとクラックを発生することになるが、光触媒層3の厚さが上記のように5〜35nmであると、伸縮に伴う内部応力が小さくなるので、クラックの発生を防止することができる。光触媒部材Aが透明であるか又は着色したものである場合にクラックが発生すると、光散乱により白濁して透明性や色相などの初期外観を保つことができなくなるが、光触媒層3を上記の厚さにしてクラックの発生を防止すると、初期の透明性や色相などを保つことができるようになる。
これに対し、基材1が、無機繊維や有機繊維と硬化性樹脂と無機材とよりなる芯材層と樹脂含浸化粧層とからなる後述の化粧板や、合成樹脂にガラス繊維などを混合した繊維強化複合材などのように熱伸縮の小さい基材である場合には、基材1の伸縮が小さいので、光触媒層3の伸縮も小さくて、その厚さを300nmにしてもクラックが発生することはない。
以上のことから、光触媒粒子に豊富に紫外線等の光触媒を活性化させる光が得られる環境で、基材1が熱可塑性樹脂などの熱伸縮の大きい基材である場合には、光触媒層3の厚さを5〜35nmに設定するのが好ましく、一方、光触媒を活性化させる紫外線等の光を十分に得られない環境下で、基材1が上記の化粧板や繊維強化複合材などの熱伸縮の小さい基材である場合には、光触媒層3の厚さを35〜300nmに設定するのが好ましいことが分かる。
硬化性樹脂層4は、熱、光、電子線、水分、触媒、重合開始剤などによって硬化する合成樹脂からなる層であって、樹脂ポリマーが三次元網目状に架橋、硬化した表面硬度の高い摩擦堅牢性を有する層である。この硬化性樹脂層4は、光を透過させて光触媒層3まで到達させる必要があるので、透明ないし透光性を有することが必要であり、特に透明であることが好ましい。具体的な硬化性樹脂としては、メラミン系樹脂、フェノール系樹脂、ジアリルフタレート系樹脂、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリイミド系樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、シリコーン系樹脂などの単独又は混合若しくは共重合樹脂が用いられ、これらの中でも、透明性が良好で表面硬度の高い熱硬化性アクリル系樹脂、熱硬化性メラミン系樹脂、熱硬化性フェノール系樹脂などの熱硬化性樹脂が好ましく用いられる。また、難燃性ないし不燃性の光触媒部材Aを得る場合は、熱硬化性メラミン系樹脂や熱硬化性フェノール系樹脂が用いられ、特に、結合エネルギーが高く光触媒に分解されにくく、また表面硬度が高く透明性に優れた熱硬化性メラミン樹脂は極めて好ましく使用される。また、対傷自己治癒性のあるウレタンアクリレート系樹脂も好適に用いられる。
この硬化性樹脂層4は、光触媒層3の光触媒機能が該層4を越えて表面側で発揮できるようにする必要があるので、厚さを500nm以下にする必要がある。500nmより厚くなると、光触媒層3の光触媒作用が強くても、硬化性樹脂層4の表面側で光触媒作用が充分に発揮されなくなる。一方、硬化性樹脂層4が薄くなりすぎると、摩擦堅牢性、特に、耐払拭性が低下し、硬化性樹脂層4の強度や防傷性も低下するので、少なくとも10nmの厚さを確保することが必要である。従って、硬化性樹脂層4の厚さは10〜500nmに設定することが必要であり、光触媒作用の低下を極力抑え且つ摩擦堅牢度を高めるためには、20〜200nmの厚さに設定することが好ましい。さらに、35〜200nmの厚さにすることがより好ましい。なお、この硬化性樹脂層4には光触媒層3の光触媒作用が常に及んでいるが、この硬化性樹脂層4は前記のように硬化性樹脂が三次元網目状に架橋、硬化して分解されにくいため、光触媒作用を受けて短期間のうちに変質、劣化するようなことはない。
この硬化性樹脂層4の表面の水との接触角は、硬化性樹脂層4に対して、ブラックライトブルーランプを用いて1mW/cm2の強度の光を168時間照射し、その直後に、硬化性樹脂層の表面の水との接触角を測定した場合に、35〜90°であることが好ましく、この程度の接触角であると、光触媒作用の一つである親水性化による自己浄化作用は発揮されないが、悪臭成分、低分子量有機物などの分解作用や抗菌・防黴作用は充分に発揮することができる。また、この程度の接触角であると、光触媒作用がそれほど強くないので、該光触媒層3に直接硬化性樹脂層4が積層されていても、硬化性樹脂層4が分解しにくいことと相俟って、長期間経過しても硬化性樹脂層4が変質、劣化する恐れは殆どない。
また、硬化性樹脂層4の表面における悪臭成分や低分子量有機物を分解したり、抗菌・防黴作用を発揮する作用は、後述する実施例で記載したメチレンブルーのメチレンブルー分解試験を調べたところ、分解活性示数Rは3.8〜4.7[nmol/l/min]であり、十分に作用を奏することができる。
なお、この硬化性樹脂層4には、必要に応じて、帯電防止機能、導電機能、熱線反射機能、熱線吸収機能、電磁波吸収機能、電磁波反射機能、ハードコート機能、酸化防止機能、撥水機能、撥油機能、対傷自己治癒機能などを付与してもよい。また、光触媒層3の光触媒粒子として前述の可視光活性化粒子を含有させる場合は、光触媒作用を阻害しない程度で、紫外線吸収剤を硬化性樹脂層4に含有させて耐候性機能を付与してもよい。
このような光触媒部材Aは、例えば次の方法で製造することができる。
一つの方法は、予め、液状の硬化性樹脂(例えば、液状のメラミン樹脂)と、保護層用塗料(例えば、シリカとバインダー樹脂を混合、分散させた塗料、ポリシロキサンとアクリル樹脂を混合、分散させた塗料、シリコーン樹脂とアクリル樹脂との共重合樹脂を主成分とする塗料など)と、光触媒層用塗料(例えば、光触媒粒子と、シリカ又はシリコーン樹脂と、必要に応じて1質量%以下の分散剤とを溶剤又は水に混合、分散させた塗料)を調製する。そして、ディップコート、スプレーコート、スピンコート、ロールコート、バーコート等の方式を用いて、基材1の表面に保護層用塗料を塗布、乾燥して保護層2を形成し、その上に光触媒層用塗料を塗布、乾燥して光触媒層3を形成し、更にその上に液状の硬化性樹脂を塗布、硬化させて硬化性樹脂層4を形成することにより、光触媒部材Aを得る方法である。
もう一つの方法は、予め、剥離フィルムの上に上記の液状硬化性樹脂を塗布、硬化させて硬化性樹脂層4を形成し、その上に上記の光触媒層用塗料を塗布、乾燥して光触媒層3を形成し、更にその上に上記の保護層用塗料を塗布、乾燥して保護層2を形成することにより、転写フィルムを作製する。そして、この転写フィルムを保護層2が基材1側となるようにして基材1(例えば、熱可塑性樹脂板など)に重ね、ホットプレスにより一体化した後、剥離フィルムを除去して光触媒部材Aを得る方法である。
以上のような構成の光触媒部材Aは、基材1が例えば熱可塑性樹脂板などである場合には、熱曲げ加工や常温での曲げ加工が可能であり、板状のまま、或は、曲げ加工されて、前述の建築資材や道路資材として使用されたり、空気清浄器、クーラー、冷蔵庫などの電機器具の内装部材として使用される。そして、自然光や照明光、照射光が光触媒層3に当たると、光触媒粒子が活性化されて光触媒作用が硬化性樹脂層4を越えて部材表面側で発揮され、悪臭成分、低分子量有機物等の分解作用や、抗菌・防黴作用が行われる。しかも、この光触媒部材Aは、光触媒層3が硬化性樹脂層4で被覆されているため、その表面を繰り返し拭き掃除したり、物が当たったりしても、光触媒層3が剥脱したり傷付いたりすることがなく、長期に亘って良好な光触媒機能を発揮することができる。
図2は本発明の他の参考形態に係る光触媒部材を示す断面図である。
この光触媒部材Bは、基材1と保護層2との間に更に接着剤層5が形成されたものである。この接着剤層5は、ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、熱可塑性エポキシ系樹脂、シリコーン系樹脂などの接着性樹脂の中から、基材1と保護層2の双方に良好に接着するものを選択して形成することが好ましい。この接着剤層5の厚さは0.1〜50μm程度に形成することが好ましく、0.1μmより薄くなると、接着力が乏しくなって剥離する恐れがあり、50μmより厚くしても、接着力の更なる向上が見られないので、材料の無駄使いとなる。接着剤層5のより好ましい厚さは1〜10μmである。
この光触媒部材Bにおける接着剤層以外の構成は、前述した光触媒部材Aと同様であるので、説明を省略する。
このような光触媒部材Bは、例えば次の方法で製造される。即ち、アクリル系樹脂などの接着性樹脂からなるフィルムを準備し、この接着性樹脂フィルムに、光触媒部材Aの製造に用いた前記の保護層用塗料、光触媒層用塗料、液状硬化性樹脂をこの順で塗布、乾燥、硬化させて、保護層2、光触媒層3、硬化性樹脂層4をそれぞれ形成したラミネートフィルムを作製する。そして、このラミネートフィルムを基材1に重ね合せてホットプレスにより一体化すると、光触媒部材Bが得られる。
尚、基材の上に、接着性樹脂塗料、保護層用塗料、光触媒層用塗料、液状硬化性樹脂をこの順で塗布、乾燥、硬化させて光触媒部材Bを製造してもよいことは言うまでもない。
さらに、接着性樹脂塗料、保護層用塗料、光触媒層用塗料、液状硬化性樹脂をこの順で塗布、乾燥、硬化させた転写フィルムを作製して基材に転写する方法を用いてもよい。
このような光触媒部材Bも、前記の光触媒部材Aと同様の作用効果を奏する。そして、基材1と保護層2とが直接接合できない場合でも、接着剤層5を介して剥離しないように接着一体化することができる。
図3は本発明の一実施形態に係る光触媒部材を示す断面図である。
この光触媒部材Cは、基材1として、無機繊維や有機繊維からなる繊維と熱硬化性樹脂と無機材とからなる芯材層1aと、その上に積層された樹脂含浸化粧層1bとよりなる化粧板10を使用し、その表面に、接着剤層5、保護層2、光触媒層3、硬化性樹脂層4をこの順に積層して一体化した板状の部材である。
化粧板10としては、例えば、ガラス繊維に熱硬化性メラミン樹脂、熱硬化性フェノール樹脂などの熱硬化性樹脂を含浸させると共に、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、タルクなどの無機材とガラス繊維を全体の95〜80質量%となるように含有させて芯材層1aを形成し、この芯材層1aの表面に、酸化チタンを含有する化粧紙に熱硬化性メラミン樹脂などの熱硬化性樹脂を60〜150質量%となるように含浸させた樹脂含浸化粧層1bを積層したものなどが好ましく使用される。このように、芯材層1aの無機材量と樹脂含浸化粧層1bの熱硬化性樹脂量とを上記の範囲にすると、難燃性乃至不燃性の化粧板10とすることができる。
なお、保護層2、光触媒層3、硬化性樹脂層4、接着剤層5は、前述した光触媒部材A又は光触媒部材Bのそれらと同じであるので、説明を省略する。
このような光触媒部材Cは、例えば次の方法で製造される。即ち、剥離フィルムの上に前記の液状硬化性樹脂を塗布、硬化させて硬化性樹脂層4を形成し、その上に前記の光触媒層用塗料を塗布、乾燥して光触媒層3を形成し、更にその上に前記の保護層用塗料を塗布、乾燥して保護層2を形成し、更に接着性樹脂を溶剤に溶解して得た接着剤層用塗料を塗布、乾燥して接着剤層5を形成することにより、前記の転写フィルムを作製する。一方、前記芯材層1aと前記樹脂含浸化粧層1bとを重ね合わせてホットプレスして化粧板10を作製する。そして、化粧板10の表面に転写フィルムの接着剤層5が重なるように転写フィルムを重ね合わせて熱圧して接合一体化し、その後、剥離フィルムを除去すると、光触媒部材Cが得られる。
上記の製造方法で、化粧板10を作製する際に、転写フィルムを未硬化の樹脂含浸化粧層1bの上に、上記の転写フィルムの接着剤層5が重なるように転写フィルムを重ね合わせ、ホットプレスにより化粧板10の含浸樹脂を硬化させると同時に、樹脂含浸化粧層1bと保護層2を接合し、その後、剥離フィルムを除去しても、光触媒部材Cが得られる。そのため、この製法においては樹脂含浸化粧層1bの未硬化樹脂により保護層2が該樹脂含浸化粧層1bと接合するのであれば、接着剤層5は省略することができる。
尚、化粧板10の上に、接着性樹脂塗料、保護層用塗料、光触媒層用塗料、液状硬化性樹脂をこの順で塗布、乾燥、硬化させたり、或は保護層用塗料、光触媒層用塗料、液状硬化性樹脂をこの順で塗布、乾燥、硬化させたりして光触媒部材Cを製造してもよいことは言うまでもない。
さらに、接着性樹脂塗料、保護層用塗料、光触媒層用塗料、液状硬化性樹脂をこの順で塗布、乾燥、硬化させたラミネートフィルムを作製してホットプレスにより一体化して光触媒部材Cを製造してもよい。
上記の方法で得られる光触媒部材Cは、基材1となる化粧板10が難燃性ないし不燃性とすることが容易であり、表面の硬化性樹脂層4も高耐熱性のメラミン樹脂の層であるため、難燃性ないし不燃性の光触媒部材となり、硬化性樹脂層4と光触媒層3を通して樹脂含浸化粧層1bの模様や図柄を目視できるので、内装材等の建築資材として好適に使用される。そして、前述の光触媒部材AやBと同様に、光触媒層3の光触媒作用によって悪臭成分等の分解や、抗菌・防黴の機能が発揮され、しかも、光触媒層3が硬化性樹脂層4で被覆されているので、拭き掃除を繰り返したり物が当たったりしても、光触媒層3の剥脱や損傷がなく、長期間に亘って良好な光触媒作用を保つことができる。
以上の光触媒部材A,B,Cはいずれも平板状(プレート状、シート状、フィルム状を含む)に形成されているが、本発明は平板状の光触媒部材に限定されるものではなく、例えば、パイプ又は棒体を基材1として、その外周面に各層2,3,4,5を形成したものや、三次元立体形状の基材1の表面に各層2,3,4,5を形成したものなど、所望形状の光触媒部材とすることができる。
次に、本発明の更に具体的な実施例を説明する。
[実施例1]
基材として、ガラス繊維に熱硬化性メラミン樹脂を含浸させると共に無機材としての水酸化アルミニウム、炭酸カルシウムとを含有させた芯材層と、酸化チタンを含有する化粧紙に熱硬化性メラミン樹脂を含浸させた樹脂含浸化粧層とをホットプレスによって積層一体化してなる化粧板を準備した。
一方、接着剤層用塗料として、日本ポリウレタン工業(株)製のウレタン接着剤ニッポラン2301を準備し、保護層用塗料として、ポリジメチルシロキサンとアクリル樹脂とを均一に混合した塗料を準備し、光触媒層用塗料として、窒素をドープした可視光応答型光触媒酸化チタン4質量%と、シリカ0.5質量%を、アルコール系分散液で均一に分散させた塗料を準備した。また、硬化性樹脂層を形成するための熱硬化性メラミン樹脂液も準備した。
そして、ポリエチレンテレフタレートよりなる剥離フィルムの表面に、上記の熱硬化性メラミン樹脂液を塗布、硬化させて厚さ100nmの硬化性樹脂層を形成し、その上に上記の光触媒層用塗料を塗布、乾燥して厚さ100nmの光触媒層を形成し、更にその上に上記の保護層用塗料を塗布、乾燥して厚さ3.0μmの保護層を形成し、そして更にその上に上記の接着剤用塗料を塗布、乾燥して厚さ5.0μmの接着剤層を形成することにより、転写フィルムを作製した。
この転写フィルムを、その接着剤層が上記化粧板の樹脂含浸化粧層の上に重なるように、化粧板に重ねて、プレス成形機にセットし、温度140℃、圧力10kgf/cmの条件で、3分間熱圧着して、化粧板と転写フィルムを接合し、しかる後、プレス成形機から取出して剥離フィルムを除去することによって、化粧板の表面に接着剤層と保護層と光触媒層と硬化性樹脂層をこの順で積層一体化した平板状の光触媒部材を作製した。
得られた光触媒部材の硬化性樹脂層を通して光触媒層に、ブラックライトブルー(BLB)ランプにて1±0.05mW/cmの紫外線を168時間照射した。一定時間毎に、光触媒部材をマイクロシリンジを用いて表面の硬化性樹脂層にイオン交換水20mlを滴下し、その表面の水滴の接触角を画像処理接触角度計(協和界面科学(株)製、CA−A)を用いて3点法で各3箇所を測定し、その平均値を求めた。その結果、接触角は照射前の接触角は88°であったが、24時間後、48時間後、72時間後、120時間後、168時間後には、夫々86°、84°、84°、82°、81°であった。この水との接触角と、紫外線照射時間との関係について得られたデータをプロットしたグラフを、図5に示す。
また、得られた光触媒部材について、JIS R 1703−2に基づいた以下のメチレンブルー分解試験を行うことにより有機物分解性を調べたところ、分解活性示数Rは4.1[nmol/l/min]であり、光触媒層がメラミン硬化性樹脂層で被覆されているにも拘わらず、良好な分解作用を発揮することが確認された。このメチレンブルー分解試験で得られた、メチレンブルー試験液濃度C(t)[μmol/l]と、紫外線照射時間(分)との関係についてのデータをプロットしたグラフを、図4に示す。
(メチレンブルー分解試験)
光触媒部材を60mm角の大きさに切断して3個の試験片を作製し、各試験片の上に円筒形のセルをシリコーングリースで液密的に取付けて、各セルにメチレンブルー吸着液(メチレンブルー三水和物を精製水に0.02mmol/l濃度となるように溶解させた液)を35mlを注入し、カバーガラスで蓋をして、吸着飽和状態になるまでメチレンブルーを吸着させる。そして、セル中のメチレンブルー吸着液を新しいメチレンブルー試験液0.01mmolに交換して、真上から各試験片に1±0.05mW/cmの紫外線を20分照射し、照射後直ちにメチレンブルー試験液の600〜700nmの波長域での吸光スペクトルを分光光度計で測定し、測定に使用した液をすみやかにセルに戻して再び紫外線を照射する。このような手順で紫外線を20分照射して吸光スペクトルを測定する作業を、照射時間の合計が3時間になるまで9回繰り返す。そして、次の手順で分解活性示数を求める。
即ち、紫外線t分照射後の吸光スペクトルのピークトップにおける吸光度Abs(t)を読み取る(t=20,40,60,80,100,120,140,160,180)と共に、初期吸光スペクトルのピークトップにおける吸光度を読み取ってこれをAbs(0)とする。そして、Abs(0)を用いて、下記の式(1)より、吸光度を濃度に換算するための換算係数Kを求め、この換算係数Kを用いて、下記の式(2)より、吸光度Abs(t)を、t分後のメチレンブルー試験液濃度C(t)[μmol/l]に換算し、図4に示すように、縦軸にC(t)[μmol/l]を、横軸に紫外線照射時間(分)をとって、3個の試験片のそれぞれについてデータをプロットする。そして、各試験片について求めた傾き(最も傾きが大きくなる4点を選んで最小二乗法で直線近似した傾き)をa(n=1,2,3)とし、下記の式(3)により分解活性示数Rを求める。
K=10[μmol/l]/Abs(0) …式(1)
C(t)=K×Abs(t)[μmol/l] …式(2)
R=|(a+a+a)/3|×10[nmol/l/] …式(3)
また、得られた光触媒部材を切断して作製した3個の試験片について、以下の方法で耐払拭性を調べたところ、払拭しない初期においても試験片はすべて硝酸銀の呈色反応を示し、払拭回数が500回であっても、3000回に達しても試験片はすべて硝酸銀の呈色反応を示した。このことから、光触媒層がメラミン硬化性樹脂層で被覆されていても、光触媒部材表面では光触媒作用を発揮されていることがわかった。そして、メラミン硬化性樹脂層で被覆された光触媒層は、3000回払拭しても磨滅、剥脱されないことが分かった。
(耐払拭試験)
染色堅牢度試験用摩擦試験機(JIS L 0823)を平板用に改良し、この試験機に錘(200g)と摩擦用白綿布かなきん3号(JIS L 0862)を取付け、試験片を500回、及び3000回払拭する。そして、各試験片を0.1Nの硝酸銀溶液に浸漬し、ブラックライトブルーランプにて1±0.05mW/cmの紫外線を5時間照射し、各試験片の表面における銀の析出の有無(硝酸銀の呈色反応の有無)によって、試験片の光触媒層の有無を判断する。
[実施例2]
基材として、ガラス繊維に熱硬化性メラミン樹脂を含浸させると共に無機材としての水酸化アルミニウム、炭酸カルシウムを含有させた芯材層用シートと、酸化チタンを含有する化粧紙に熱硬化性メラミン樹脂を含浸させた樹脂含浸化粧層用シートとを準備した。
実施例1と同じ保護層用塗料、光触媒層用塗料、熱硬化性メラミン樹脂液を準備した。
そして、ポリエチレンテレフタレートよりなる剥離フィルムの表面に、上記の熱硬化性メラミン樹脂液を塗布、硬化させて厚さ100nmの硬化性樹脂層を形成し、その上に上記の光触媒層用塗料を塗布、乾燥して厚さ100nmの光触媒層を形成し、更にその上に上記の保護層用塗料を塗布、乾燥して厚さ3μmの保護層を形成することにより、転写フィルムを作製した。
上記未硬化の芯材層用シートと未硬化の樹脂含浸化粧層用シートとを重ねるとともに、上記転写フィルムを、その樹脂含浸化粧層用シートの上に重ねて、プレス成形機にセットし、温度140℃、圧力80kgf/cmの条件で、15分間熱圧着して、芯材層用シートと樹脂含浸化粧層用シートとの熱硬化性メラミン樹脂を硬化させると同時に、樹脂含浸化粧層用シートと転写フィルムの保護層を接合し、しかる後、プレス成形機から取出して剥離フィルムを除去することによって、化粧板の表面に保護層と光触媒層と硬化性樹脂層をこの順で積層一体化した平板状の光触媒部材を作製した。
得られた光触媒部材の硬化性樹脂層を通して光触媒層に、実施例1と同様にブラックライトブルー(BLB)ランプにて紫外線を168時間照射した後に、実施例1で用いた方法と同じ方法で水の接触角を測定した。その結果、照射前は87°であった接触角は、168時間照射後には83°となり親水性は示さなかった。
また、得られた光触媒部材について、実施例1と同じ方法で有機物分解性を調べたところ、分解活性示数Rは3.8[nmol/l/min]であり、光触媒層がメラミン樹脂層で被覆されているにも拘わらず、良好な分解作用を発揮することが確認された。
また、得られた光触媒部材を切断して作製した3個の試験片について、耐払拭性を調べたところ、払拭しない初期においても試験片はすべて硝酸銀の呈色反応を示し、払拭回数が3000回に達しても、試験片はすべて硝酸銀の呈色反応を示した。このことから、本製法により得られた光触媒部材であっても、その表面では光触媒作用を発揮されていることがわかった。そして、メラミン硬化性樹脂層で被覆された光触媒層は、3000回払拭しても磨滅、剥脱されないことが分かった。
[実施例3]
基材として、実施例1と同じ化粧板を準備した。
さらに、実施例1と同じ接着剤層用塗料、保護層用塗料、光触媒層用塗料、熱硬化性メラミン樹脂液を準備した。
そして、上記の化粧板の上に接着剤層用塗料を塗布、乾燥して厚さ0.5μmの接着剤層を形成し、その上に上記の保護層用塗料を塗布、乾燥して厚さ3.0μmの保護層を形成し、更にその上に上記の光触媒層用塗料を塗布、乾燥して厚さ100nmの光触媒層を形成し、そして更にその上に上記の熱硬化性メラミン樹脂液を塗布、硬化させて厚さ100nmの硬化性樹脂層を形成することにより、化粧板の表面に接着剤層と保護層と光触媒層と硬化性樹脂層をこの順で形成した平板状の光触媒部材を作製した。
得られた光触媒部材の硬化性樹脂層を通して光触媒層に、実施例1と同様に、ブラックライトブルー(BLB)ランプを168時間照射した後に、実施例1で用いた方法と同じ方法で水の接触角を測定した。その結果、照射前は84°であった接触角は、168時間照射後には78°となり、実施例1及び実施例2よりも低下したが、自己浄化作用を奏する接触角までは低下しなかった。
また、得られた光触媒部材について、実施例1と同じ方法で有機物分解性を調べたところ、分解活性示数Rは4.7[nmol/l/min]であり、光触媒層がメラミン硬化性樹脂層で被覆されているにも拘わらず、良好な分解作用を発揮することが確認された。
また、得られた光触媒部材を切断して作製した3個の試験片について、耐払拭性を調べたところ、払拭しない初期においても試験片はすべて硝酸銀の呈色反応を示し、払拭回数が3000回に達しても、試験片はすべて硝酸銀の呈色反応を示した。このことから、本製法により得られた光触媒部材であっても、その表面では光触媒作用を発揮されていることがわかった。そして、メラミン硬化性樹脂層で被覆された光触媒層は、3000回払拭しても磨滅、剥脱されないことが分かった。
[比較例1]
実施例1で作製した転写フィルムに代えて、剥離フィルムの表面に厚さ100nmの光触媒層と厚さ3.0μmの保護層と厚さ5.0μmの接着剤層を積層した転写フィルムを作製した以外は実施例1と同様にして、化粧板の表面に保護層と光触媒層を積層一体化した比較例1の光触媒部材(表面に硬化性樹脂層のないもの)を作製した。
この光触媒部材について、実施例1と同様にして、水との接触角、分解活性示数、耐払拭性を調べた。そして、水との接触角と、紫外線照射時間との関係について得られたデータをプロットしたグラフを図5に併記すると共に、メチレンブルー試験液濃度C(t)[μmol/l]と、紫外線照射時間(分)との関係について得られたデータをプロットしたグラフを図4に併記した。その結果、水との接触角は照射前には60°であったが、24時間照射の段階で10°となり、48時間照射すると4°まで低下し、実施例1ないし3の光触媒部材よりも親水性が増している。また、分解活性示数は6.5[nmol/l/min]で、実施例の光触媒部材よりも大きくなっていた。これは比較例1の光触媒部材の光触媒層が露出している分だけ、実施例1ないし3の光触媒部材よりも光触媒作用が強く発揮されるためと考えられる。また、この比較例1の光触媒部材の試験片はすべて、500回払拭したときに、硝酸銀の呈色反応がなく、既に光触媒層が磨滅、剥脱しており、耐払拭性に劣るものであった。
以上の実施例1ないし3と比較例1の結果をまとめると、以下の表1のようになる。
Figure 0005128084
この表1を見ると、硬化性樹脂層を有する実施例1ないし3は、比較例1に比べて水との接触角は非常に大きく、親水性は呈していない。また、分解活性示数については、比較例1に比べて低いが、光触媒層が硬化性樹脂層で被覆されているにも拘わらず、良好な有機物分解作用を発揮している。そして、光触媒層が硬化性樹脂層で被覆されていることから、高い耐払拭性を示し、光触媒層が磨滅、剥脱することなく、長期に亘って安定した有機物分解作用を奏することが可能となっている。
本発明の一参考形態に係る光触媒部材を示す断面図である。 本発明の他の参考形態に係る光触媒部材を示す断面図である。 本発明の一実施形態に係る光触媒部材を示す断面図である。 実施例1と比較例1のメチレンブルー分解試験で得られたデータをプロットしたもので、メチレンブルー試験液濃度C(t)[μmol/l]と紫外線照射時間(分)との関係を示したグラフである。 実施例1と比較例1の光触媒部材について、水との接触角[°]と紫外線照射時間(時)との関係を示したグラフである。
符号の説明
1 基材
1a 芯材層
1b 樹脂含浸化粧層
2 保護層
3 光触媒層
4 硬化性樹脂層
5 接着剤層
A,B,C 光触媒部材

Claims (2)

  1. 基材の表面に光触媒層を積層すると共に、光触媒層の表面に硬化性樹脂層を積層した光触媒部材であって、
    基材が、繊維と熱硬化性樹脂と無機材とよりなる芯材層と、その上に積層一体化された樹脂含浸化粧層とよりなる化粧板であり、
    硬化性樹脂層が、熱硬化性メラミン樹脂を用いて形成された厚さ20〜200nmの層であって、ブラックライトブルーランプを用いて1mW/cm2の強度の光を168時間照射した硬化性樹脂層の表面の水との接触角が35〜90°であり、且つ、硬化性樹脂層の表面におけるメチレンブルーの分解活性指数Rが3.8〜4.7[nmol/l/min]であり、
    光触媒層の厚さが5〜300nmであり、
    基材と光触媒層との間に保護層が形成されている、
    ことを特徴とする光触媒部材。
  2. 基材と保護層との間に接着剤層が形成されている請求項1に記載の光触媒部材。
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