JP5127921B2 - 異形断面コイルばね - Google Patents

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Description

本発明は異形断面コイルばねに関し、詳しくは異形断面のコイル素線をコイリングしてから疲労強度改善処理を施してなる異形断面コイルばねに関する。
一般に、コイルばねは断面が円形のコイル素線によって作られる。この種のコイルばねにコイル軸方向の荷重が作用すると、コイル素線の断面周上に発生する表面応力はコイルの外周側よりも内周側で大きくなる。このコイル素線の断面周上に発生する表面応力は、コイル素線が湾曲している影響(ねじり力)に加えて剪断力の影響を受けて発生するからである。このため、この種のコイルばねでは、表面応力の高くなるコイル内周側で、折損の原因となるクラックが発生しやすい。
そこで、コイル軸方向の荷重が作用したときに発生する、コイル素線の断面周上における表面応力の偏りをできるだけ少なくするために、コイル素線の断面を卵形に近い異形断面とした異形断面コイルばねが知られている(例えば、特開昭59−190528号公報を参照)。
この異形断面コイルばねは、図8に示されるように、コイル素線80のコイル軸方向に沿う縦 断面において、コイル内周側に卵形部81を有し、コイル外周側に扁平部82を有している。すなわち、コイル素線80の縦断面輪郭線が曲線部分(C−B−A−E−D)と直線部分(C−D)とにより構成されている。なお、コイル素線80の縦断面輪郭線のうち最もコイル中心軸に近い部位が、異形断面コイルばねの最内側端Aとされる。また、
本明細書において、「コイル内周側」とは、特に断らない限り、コイル素線のコイル軸方向に沿う縦断面におけるコイル内周側(コイルばねの中心側)のことであり、「コイル内周側」とは、特に断らない限り、コイル素線のコイル軸方向に沿う縦断面におけるコイル内周側(コイルばねの中心側)のことであり、
この異形断面コイルばねでは、コイルばねの最外側部に扁平部82を設けることで、軸方向荷重が作用したときの応力分担をコイル外周側で大きくすることができ、その結果軸方向荷重が作用したときの表面応力をコイル素線80の断面周上において均等化できると、記載されている。
ところで、コイルばね(異形断面ばねを含む)は、一般に、疲労強度を向上させる為にショットピーニング処理等の疲労強度改善処理が施される。しかし、コイルばねには、その立体的構造(コイル素線の重なり具合など)により、 ショットピーニング処理しやすい部位(例えば、図8に示す最内側端A付近)と処理し難い部位(例えば、図8に示す最内側端AからB端又はE端に向かう途中の部位からB端又はE端付近)が存在する。このため、ショットピーニング処理等によるコイルばねの疲労強度改善度合は、コイル素線の断面周方向に同等とはなり得ない。
一般のコイルばねに対して、ショットピーニング等の疲労強度 改善処理を施した場合の、コイル内周側(A端からB端付近まで)における疲労強度割合の分布を図9に示す。なお、図9では、極座標系において、偏角θが0°となる位置(A端)がコイルの中心軸に一番近い位置である。また、B端は偏角θが90°となる位置にあり、E端は偏角θが270°となる位置にある。なお、疲労強度割合とは、偏角θが0°である位置(A端)の疲労強度を1.0(100%)とした場合の、偏角が各角度である位置の疲労強度の割合である。
また、図9から理解できるように、一般のコイルばねに疲労強度改善 処理を施した場合、疲労強度割合は、コイルばねのA側(最内側端)からB端(或はE端)側に向かって低下する。つまり、コイル素線の断面周方向において、コイル中心軸に一番近い部位(A端側、0°付近)から断面周方向に沿って、B端或いはE端に向かうほど、ショットピーニング処理の難易度が増すことに連れて疲労強度の改善度合が低下する。このことは、従来の異形断面コイルばねでも同様である。
ところが、従来の異形断面コイルばねにおいては、コイル素線80の縦断面輪郭線(断面形状)を所定の異形状にすることで、軸方向荷重が作用したときの表面応力分布の偏りを改善しようとしているが、ショットピーニング処理等の疲労 強度改善処理後の疲労強度までは考慮していない。このため、従来の異形断面コイルばねにおける等応力設計断面輪郭線は、等疲労強度断面線とはなり得ない。つまり、コイル素線80の断面周方向において、コイル内周側に疲労強度の低い部位が存在する。
また、従来の異形断面コイルは、少ない作画パラメータ数でコイル素線80の縦断面輪郭線を設計している。作画パラメータ数が少ないと、縦断面輪郭線を細かく調整しつつ設計することができない。このため、従来の異形断面コイルでは、疲労強度改善処理による疲労強度改善度合の周方向分布を考慮した上で、縦断面輪郭線を細かく調整しようとしても、それに十分に対応することができない。
本発明は上記した実情に鑑みてなされたものであり、コイル素線の断面周方向に沿ってより均等且つ高い疲労強度を有する異形断面コイルばねを提供することを課題とする。
本発明者は、縦断面輪郭線を細かく調整しつつ 設計することを可能とするために、新たに断面パラメータを細分化した縦断面輪郭線の式を創作した。また、疲労強度改善処理が表面応力分布に及ぼす影響を調べ、コイル素線の断面周方向における疲労強度改善度合の分布を実験等により求めた。そして、コイル素線の断面周方向における疲労強度改善度合の分布を加味しつつ、前記縦断面輪郭線の新たな式におけるパラメータ値を有限要素法(FEM)で検討、算出して、等疲労強度断面線に近づくようにコイル素線の縦断面輪郭線を設計し、本発明を完成した。さらに、縦断面輪郭線のうちコイル外周側の形状は、コイル内周側の表面応力分布にさほど影響を与えないことを確認した。
(1)こうして完成した本発明の異形断面コイルばねは、異形断面を有するコイル素線をばね形状にコイリングしてから、ショットピーニング処理を含む疲労強度改善処理を施してなる異形断面コイルばねであって、極と、該極からコイル中心軸に向かってコイル半径方向に延びる始線とを有する極座標系において、前記コイル素線のコイル軸方向に沿う縦断面輪郭線は、前記極を中心とするとともに前記コイル半径方向を長径方向とする略楕円形をなし、かつ、前記縦断面輪郭線の長径側最大径を2LR、前記縦断面輪郭線の短径側最大径を2SR、前記長径方向における中心オフセット係数をΔbとするとともに、前記極を原点、前記始線をx軸の正の部分とする直交座標系において、内側x軸係数をnxr、内側y軸係数をnyrとしたとき、前記縦断面輪郭線のコイル内周側部分が下記(1)式及び(2)式で表されることを特徴とする。
x=(LR−Δb)cosnxrθ+Δb …(1)
y=SRsinnyrθ …(2)
(ただし、前記(1)式及び(2)式において、θは前記極座標系の偏角であり、かつ、0°≦θ<90°、270°≦θ<360°、0.7≦nxr≦0.9、0.8≦nyr≦1.0、0.1SR≦Δb≦0.3SRである。)
ここで、前記コイル軸方向とは異形断面コイルばねの 中心軸方向のことである。また、前記コイル半径方向とは異形断面コイルばねの中心軸方向と垂直な方向のことである。
前記略楕円形とは、幾何学的に定義される楕円形ではなく、楕円形に近似した形状をいう。この略楕円形の輪郭線は、所定の式に基づいて決定され、曲線部のみからなるもの及び曲線部と直線部とからなるものの双方を含む。
本発明の異形断面コイルばねでは、コイル素線の縦断面輪郭線のコイル内周側部分が前記(1)式及び(2)式で表される。すなわち、本発明の異形断面コイルばねでは、縦断面輪郭線のコイル内周側部分を設計するために、中心オフセット係数Δb、内側x軸係数nxr及び内側y軸係数nyrという3つのパラメータを含む新たな式が用いられる。これにより、縦断面輪郭線のコイル内周側部分を細かく調整しつつ設計することが可能となる。
また、前記(1)式及び(2)式における中心オフセット係数Δb、内側x軸係数nxr及び内側y軸係数nyrの3つのパラメータの範囲は、ショットピーニング処理を含む疲労強度改善処理が表面応力分布に及ぼす影響を考慮して、コイル内周側部分の断面周方向において疲労強度がより均等且つ高くなるように設定されている。
したがって、本発明の異形断面コイルばねは、コイル素線の断面周方向のうちでコイル内周側部分において、より均等且つ高い疲労強度を有する。
(2)前記直交座標系において、外側x軸係数をnxl、外側y軸係数をnylとしたとき、前記縦断面輪郭線のコイル外周側部分が下記(3)式及び(4)式で表されることが好ましい。
x=−{(LR−Δb)|cosnxlθ|−Δb} …(3)
y=SRsinnylθ …(4)
(ただし、前記(3)式及び(4)式において、90°≦θ<270°、0.8≦nxl≦1.6、0.3≦nyl≦0.6であり、Δbは前記(1)式及び(2)式におけるΔbの値に等しい。)
この構成によると、コイル素線の断面輪郭線のコイル外周側 部分が前記(3)式及び(4)式で表される。すなわち、縦断面輪郭線のコイル外周側部分を設計するために、中心オフセット係数Δb、外側x軸係数nxl及び外側y軸 係数nylという3つのパラメータを含む新たな式が用いられる。これにより、縦断面輪郭線のコイル外周側部分を細かく調整しつつ設計することが可能となる。
また、前述のとおり、コイル素線の縦断面輪郭線のうちコイル 外周側の形状は、コイル内周側の表面応力分布にさほど影響を与えないことが、本発明者の実験等により判明している。そこで、前記(3)式及び(4)式における中心オフセット係数Δb、外側x軸係数nxl及び外側y軸係数nylの3つのパラメータの範囲は、縦断面輪郭線のうちコイル外周側の部分が直線又は直線に近い線を一部に含むように設定されている。すなわち、縦断面輪郭線のコイル外周側部分が前記(3)式及び(4)式で表されるコイル素線は、コイル外周側に平坦面又はほぼ平らな面を有する。これにより、縦断面輪郭線の形状がコイル内周側とコイル外周側とで異なるコイル素線となる。このため、このコイル素線をコイルばね形状にコイリングする際に、コイル素線の「コイル内周側になる」側と「コイル外周側になる」側とを簡単に識別することができ、その作業効率が向上するとともに、高い疲労強度を持つ異形断面コイルばねを確実に製造することができる。
さらに、前記(3)式及び(4)式における中心オフセット係数Δb、外側x軸係数nxl及び外側y軸係数nylの3つのパラメータの範囲は、コイル外周側部分の断面周方向において疲労強度がより均等且つ高くなるようにも設定されている。このため、この 異形断面コイルばねは、コイル素線の断面周方向の全体において、より均等且つ高い疲労強度を有する。
(3)前記縦断面輪郭線が、少なくとも10°≦θ≦70°及び290°≦θ≦350°の前記偏角の範囲において、等疲労強度断面線又は等疲労強度近似断面線となっていることが好ましい。
ここで、前記等疲労強度近似断面線とは、疲労強度がある一定の許容範囲(平均値から±10%)内に維持された断面線である。
(4)本発明の異形断面コイルばねにおいて、コイルの重心径をD、コイルの丸線換算径をdとしたとき、ばね指数(D/d)が3.0〜6.0であることが好ましい。
(5)本発明の異形断面コイルばねは、自動車用 マニュアルトランスミッションのクラッチダンパー又はオートマチックトランスミッションロックアップダンパーに使用されることが好ましい。
図1は、実施例に係る異形断面コイルばねの縦断面輪郭線を極座標系で示したものである。 図2は、従来の疲労強度改善処理実施後の異形断面コイルばねの表面応力を加味した疲労強度割合の分布及び本実施形態の疲労強度改善処理実施後の異形断面コイルばねの表面応力を加味した疲労強度割合の分布を比較したものである。 図3は、実施例に係る異形断面コイルばねの縦断面輪郭線の調整可能な領域を示すものである。 図4は、実施例に係る異形断面コイルばねのコイル素線の縦断面輪郭線のコイル内周側部分の表面応力分布を示すものである。 図5は、比較例に係る異形断面コイルばねの縦断面輪郭線のコイル内周側部分の表面応力分布を示すものである。 図6は、実施例及び比較例に係る異形断面コイルばねの中心オフセット係数Δbが異形断面コイルばねの内周側の表面応力分布に及ぼす影響を示すものである。 図7は、実施例に係る異形断面コイルばねの外側x軸係数nxl、外側y軸係数nylが異形断面コイルばねの内周側の表面応力分布に及ぼす影響を示すものである。 図8は、従来の「異形断面」コイルばねの縦断面を示すものである。 図9は、一般のコイルばねに疲労強度改善 処理を実施した後のコイルばねの疲労強度割合の分布を示すものである。
本実施形態の異形断面コイルばねは、コイル素線をばね形状にコイリングしてなるものである。更に、コイリング形成された異形断面コイルばねに対して疲労強度改善処理が行われる。なお、疲労強度改善処理は少なくともショットピーニング処理を含み、その他の処理工程を有するものである。
また、本実施形態の異形断面コイルばねのコイル素線は異形断面である。具体的には、図1に示すように、本実施形態の異形断面コイルばねのコイル素線1の縦断面輪郭線10は、極Oと、極Oからコイル中心軸に向かってコイル半径方向に延びる始線OXとを有する極座標系において、極Oを中心とするとともにコイル半径方向を長径方向とする略楕円形をなす。なお、図1は、本実施形態の異形断面コイルばねのコイル素線1のコイル軸方向に沿う縦断面輪郭線10を示すものである。
また、コイル素線1の縦断面輪郭線10は内周側部分101と外周側部分102とを備え、外周側部分102は、さらに、二つの曲線部分1021と、その間に形成されたほぼ直線の直線部分1022とを備える。
前記極座標系において、縦断面輪郭線10の長径側最大径を2LR、縦断面輪郭線10の短径側最大径を2SR、長径方向における中心オフセット係数をΔbとするとともに、極Oを原点、始線OXをx軸の正の部分とする直交座標系において、 内側x軸係数をnxr、内側y軸係数をnyrとしたとき、本実施形態の異形断面コイルばねのコイル素線1の縦断面輪郭線10のコイル内周側部分101が前記(1)式及び(2)式で表される。
ここで、本実施形態の異形断面コイルばねは、前記(1)式及び(2)式において、0°≦θ<90°、270°≦θ<360°、0.7≦nxr≦0.9、0.8≦nyr≦1.0、0.1SR≦Δb≦0.3SRとされている。
内側x軸係数nxr、内側y軸係数nyr及び中心オフセット係数Δbを上記範囲とすることにより、ショットピーニング処理を含む疲労強度改善処理が表面応力分布に及ぼす影響が考慮され、コイル内周側部分101の断面周方向において 疲労強度がより均等且つ高くなるように設定できる。また、0.7≦nxr≦0.85、0.9≦nyr≦1.0、0.15SR≦Δb≦0.25SRであることは、より好ましい。
また、外側x軸係数をnxl、外側y軸係数をnylとしたとき、本実施形態の異形断面コイルばねのコイル素線1の縦断面輪郭線10のコイル外周側部分102は前記(3)式及び(4)式で表される。
ここで、本実施形態の異形断面コイルばねは、前記(3)式及び(4)式において、90°≦θ<270°、0.8≦nxl≦1.6、0.3≦nyl≦0.6とされ、Δbは前記(1)式及び(2)式におけるΔbの値に同等とされている。
外側x軸係数nxl、外側y軸係数nylを上記範囲とすることにより、コイル外周側部分102の断面周方向において疲労強度がより均等かつ高くなるように設定できる。
このように、nxr、nyr、nxl、nyl、Δbの5つのパラメータを上記所定範囲に設定することにより、本実施形態の異形断面コイルばねは、コイル素線1の縦断面輪郭線10の周方向の全体において、より均等且つ高い疲労強度を有することができる。つまり、コイル素線1の縦断面輪郭線(断面形状)10を細かく調整することで、表面応力に対する疲労強度改善処理の悪影響を軽減することができ、結果的に、図2に示すように、本 実施形態の異形断面コイルばね(実線で示す)のコイル素線1の断面周方向に沿って、より均等かつ高い疲労強度を持つ異形断面コイルばねが実現できる。図2は、本実施形態の異形断面コイルばね(実線で示す)及び従来の異形断面コイルばね(点線で示す)について、表面応力を加味した疲労強度割合を比較したものである。なお、「表面応力を加味した疲労強度割合」における「表面応力を加味した」とは、断面周方向の応力の変化を加味したことを意味し、ここでの「表面応力」は表面に生じる剪断応力を意味する。
図2に示すように、従来品(点線で示す)では、コイル素線の 縦断面輪郭線の周上において、表面応力を加味した疲労強度割合は、偏角θが10°〜70°の間で、40°付近を底とする谷状になっている。
一方、図9にも示したように、一般のコイルばねでは、ショット ピーニング等の疲労強度改善処理を実施した場合、コイル素線のコイル内周側における疲労強度割合は、偏角θが約10°以上になると減少し、特に偏角θが10°から45°付近の間では、疲労強度割合が急激に減少している。この結果、図2に示すように、従来の異形断面コイルばねでは、表面応力を加味した疲労強度割合の低下は、偏角θが10°付近から60°付近までの部分に集中しやすく、特に偏角θが10°付近から45°までの範囲には急激な低下傾向が見られる(図2に点線で示す)。
これに対して、本実施形態の異形断面コイルばね( 実線で示す)は、コイル素線1の断面周方向全体、特に内周側部分101(0°≦θ<90°、270°≦θ<360°も同様)において、周方向により均等な、表面応力を加味した疲労強度割合が得られている。よって、本実施形態の異形断面コイルばねは、より均等かつ高い疲労強度を有している。
また、上記5つのパラメータを用いることにより、本実施形態の異形断面コイルばねでは、コイル素線1の縦断面輪郭線10を表面応力分布がより均等にかつ高くなるように自由に設定することができる(図3に示す)。図3は、上記5つのパラメータを所定範囲に設定することにより、本実施形態の異形断面コイルばねのコイル素線1の縦断面輪郭線10(断面形状)の調整可能な領域の一例を示す。
具体的には、図3に示すように、本実施形態の異形断面コイルばねでは、内側x軸係数nxr、内側y軸係数xyr及び中心オフセット係数Δbを所定範囲に設定することにより、コイル素線1の縦断面輪郭線10の内周側部分101においてより均等かつ高い疲労強度を維持することができ、また、外側x軸係数nxl、外側y軸係数nylを所定範囲に設定することにより、縦断面輪郭線10の外周側部分102の直線部分1022の長さ等を自由に調整することができる。
また、本実施形態の異形断面コイルばねのコイル素線1は、外側x軸係数nxl、外側y軸係数nylを上記範囲に調整することで、コイル外周側に平坦面又はほぼ平らな面を有する。これにより、縦断面輪郭線10の形状がコイル内周側とコイル外周側とで異なるコイル素線1となるため、このコイル素線1を異形断面コイルばね形状にコイリングする際に、コイル素線1の「コイル内周側になる」側と「コイル外周側になる」側とを簡単に識別することができ、その作業効率が向上するとともに、高い疲労強度を持つ異形断面コイルばねを確実に製造することができる。
また、本実施形態の異形断面コイルばねのコイルの重心径をDとし、コイルの丸線換算径をdとしたとき、ばね指数(D/d)を3.0〜6.0とすることができる。なお、重心径とは、異形断面の重心位置におけるコイル径のことである。また、丸線換算径とは、異形断面の断面積と断面積が同一の真円線の直径のことである。
ここで、ばね指数(D/d)が3.0以下である場合には、加工上の問題で成形が難しく、また、ばね指数(D/d)が6.0以上である場合には、異形線による表面応力分散効果が薄れ、また、疲労強度の低下割合が図9に示す程ではなくなる。
本実施形態の異形断面コイルばねは、例えば、 以下の4つのステップにより製造することができる。まず、異形断面コイルばねの基本形状を予め設定する。そして、疲労強度改善処理が表面応力分布に及ぼす影響を調べる為に、コイル素線の断面周方向における疲労強度改善度合の分布を実験などにより求める。次に、疲労強度改善度合の分布の実験データから上記各パラメータ値が所定範囲内となるように検討、算出し、等疲労強度断面線に近づくようにコイル素線の縦断面輪郭線を設計する。最終的に設計された縦断面輪郭線(断面形状)のコイル素線を用いてコイリング加工し、更に疲労強度改善処理を行うことにより異形断面コイルばねを製造する。
以下、本実施形態の異形断面コイルばねの製造 方法における上記の4つのステップをより具体的に説明する。
まず、異形断面コイルばねを製造するには、異形断面コイルばねの基本形状が必要なため、予めその基本形状を決定する。
そして、コイル素線1(断面形状を問わない)を前記基本形状にコイリング加工して、実験用コイルばねとする。実際に異形断面コイルばねを製造する際に行う疲労強度改善処理を実験用コイルばねに施す。コイル素線1の重なり具合によって発生する疲労強度改善度合の分布を調べる。具体的には、疲労強度改善処理を施す前後のコイル素線の断面周方向における表面応力分布をそれぞれ求め、その差異により疲労強度割合の分布を求める。なお、ここでは、実験により疲労強度改善度合の分布を調べる方法を採用したが、この他には、例えば、パソコンにおけるシミュレーションにより疲労強度割合を調べる方法も採用できる。
次に、疲労強度改善処理による疲労強度改善度合の分布の実験データに応じて、有限要素法(FEM)により、(1)式〜(4)式に用いるパラメータ値を最適化し、等疲労強度断面線に近づくようにコイル素線の縦断面輪郭線10を設計する。
最後に、最終的に設計された縦断面輪郭線10(断面形状)を持つコイル素線1を実際にコイリング加工し、疲労強度改善処理を行って異形断面コイルばねを製造する。
このように製造された本実施形態の異形断面コイルばねは、好ましくは自動車用マニュアルトランスミッションのクラッチダンパー又はオートマチックトランスミッションロックアップダンパーに使用される。
(実施例)
本実施例の異形断面コイルばねのコイル素線1の 縦断面輪郭線(断面形状)10は、図1に示す極座標系において、前記(1)式〜(4)式で表される。
図1に示すように、本実施例の異形断面コイルばねのコイル素線1の縦断面輪郭線10は、内周側部分101と外周側部分102とを備えている。また、外周側部分102は、二つの曲線部分1021と、その間に形成されたほぼ直線の直線部分1022とを備えている。
また、本実施例では、前記(1)式〜(4)式を満たす縦断面輪郭線10を有するコイル 素線1をコイリング加工し、一定条件のショットピーニング処理を行い、コイルばねを製造した。
なお、コイリング加工の条件は、オイルテンパー線を用い、冷間にてコイリング成形を行い、さらにコイリング時の残留応力除去のため、450℃で均熱30分以上の低温焼きなましを行うものであった。また、ショットピーニング処理の条件は、粒径φ0.6mm(HV550)にて30分の1段ショットピーニング処理を行った後、ねじり降伏点を回復させるために、225℃で均熱15分以上の低温焼きなましを行うものであった。
各実施例に基づき、上記(1)式〜(4)式に係るパラメータである内側x軸係数nxr、内側y軸係数nyr、外側x軸係数nxl、外側y軸係数nyl及び中心オフセット係数Δbが、コイル素線1の断面周方向の表面応力分布に及ぼす影響について検討した。
(実施例1〜6)
実施例1〜6では、前記(1)式〜(4)式において、外側x軸係数nxl、外側y軸係数nyl及び中心オフセット係数Δbを固定し、内側x軸係数nxr、内側y軸係数nyrを表1に示すように変化させて、異形断面コイルばねのコイル素線1の(内周側部分101)の 表面応力分布をパソコンでシミュレーションした(図4に示す)。なお、図4は、実施例1〜6のコイル素線1の縦断面輪郭線10(内周側部分101)における、シミュレーションされた表面応力分布を示す。この表面応力分布は、コイリング加工した時点(ショットピーニング処理前)でのコイル素線1についてのものである。
Figure 0005127921
図4に示す実施例1〜6から理解できるように、内側x軸係数nxrを0.7〜0.9の範囲に、内側y軸係数nyrを0.8〜1.0の範囲にすることにより、偏角θが10°付近から45°付近までの間に、断面周上における表面応力の所定の減少傾向が得られた。また、偏角θが45°を過ぎてもほぼ平坦な曲線(表面応力分布)が得られた。特に、内側x軸係数nxrを0.7〜0.8の範囲とし、かつ、内側y軸係数nyrを0.9〜1.0の範囲とした実施例1〜4では、偏角θが10°付近から45°付近までの間において、偏角θが増加するにつれて表面応力が徐々に減少した。コイリング加工した時点でこのような表面応力分布を持つコイル素線1に対して、ショットピーニングなどの疲労強度改善処理を実施することにより、コイル素線1のコイル内周側部分において表面応力が周方向に不均等になることを有効に抑制することができ、したがって、周方向により均等な表面応力を加味した疲労強度割合を得ることができた(図2に 実線で示す)。
即ち、ショットピーニング等の疲労強度改善処理による、コイル素線1の縦断面輪郭線10の周方向における疲労強度の改善度合の差異(特に10°<θ<45°の範囲内)を予め考慮し、内側x軸係数nxr、内側y軸係数nyrを用いて異形断面コイルばねの縦断面輪郭線10(断面形状)を細かく操作することによって、周方向により均等な、表面応力を加味した疲労強度割合を有する異形断面コイルばねを設計することができた。よって、より均等かつ高い疲労強度を持つ異形断面コイルばねを製造することができた。また、本実施例の異形断面コイルばねの表面応力を加味した疲労強度割合の値は、図2に示すように、偏角θが10°〜70°の範囲内おいて、周方向にほぼ均等になっていた。
(比較例1〜11)
以下、比較例として、内側x軸係数nxr、内側y軸係数nyrを所定範囲外に設定した場合に、これらがコイル素線の断面周方向に沿った表面応力の分布に及ぼす影響について検討した。
比較例1〜11は、実施例1と基本的に同様であるが、内側x軸係数nxr、内側y軸係数nyrの設定を所定 範囲外に変更した例である。なお、比較例1〜11では、nxr、nyrを表2に示すように変化させて、異形断面コイルばねのコイル素線1の(内周側部分101)の 表面応力分布をパソコンでシミュレーションした(図5に示す)。図5は、比較例1〜11のコイル素線1の縦断面輪郭線10(内周側部分101)における、シミュレーションされた表面応力分布を示す。
Figure 0005127921
図5から理解できるように、比較例2〜9に示す異形断面コイルばねでは、コイル素線1の縦断面輪郭線10の周方向(内側部分101)に沿って偏角θが0°〜20°の範囲内において、表面応力の分布が増加傾向にある。このため、これらの異形断面コイルばねに対してショットピーニング処理を実施しても、表面応力を加味した疲労強度割合を周方向に有効に均等化することができず、等疲労強度(近似)断面線になり得ない。
また、図5から理解できるように、比較例1、10、11に示す異形 断面コイルばねでは、コイル素線1の縦断面輪郭線10の周方向(内側部分101)に沿って偏角θが10°〜45°の範囲内において、表面応力の分布が減少傾向にあるが、偏角θが45°を過ぎると急激に上昇する傾向にあり、その度合いが大きい。このため、これらの異形断面コイルばねに対してショットピーニング処理を実施しても、表面応力を加味した疲労強度割合を周方向に有効に均等化することができず、等疲労強度(近似)断面線になり得ない。
図5に示す比較例1〜11から理解できるように、比較例2〜9では、偏角θが10°付近からの表面応力の分布に低下傾向が見られないため、疲労強度改善処理後の表面応力を加味した疲労強度割合の均等化に不利である。また、比較例1、10、11では、偏角θが10°付近から表面応力の分布は低下する傾向にあるが、45°を過ぎると、急激に上昇する傾向になり、同様に疲労強度改善処理後の表面応力の均等化に不利である。
さらに、内側x軸係数nxrが0.7よりも小さいとき、偏角θが45°を過ぎると表面応力が急激に上昇する傾向になりやすく、一方、内側x軸係数nxrは0.9よりも大きいとき、偏角θが0°付近での表面応力を加味した疲労強度割合が下がり過ぎる傾向になりやすい。
図5に示す比較例1〜11と図4に示す実施例1〜6を比較してみると、 実施例1〜6の異形断面コイルばねの(内周側)表面応力分布は、偏角θが10°付近から45°付近までは所定の低下傾向になっており、そして45°を過ぎても、急激に上昇する傾向にならないため、疲労強度改善処理後の表面応力を加味した疲労強度割合の均等化に有利であることが分かった。
(実施例7〜9)
実施例7〜9は、基本的に実施例1と同様であり、更に内側x軸係数nxr、内側y軸係数nyrを0.75、1.0にそれぞれ固定し、中心オフセット係数Δbの設定を変更した例である。
実施例7〜9では、Δbを表3に示すように変更させた上で、異形断面コイルばねのコイル素線1の(内周側部分101)の表面応力分布をパソコンでシミュレーションした(図6に示す)。なお、図6は、実施例7〜9のコイル素線1の縦断面輪郭線10(内側周部分101)における、シミュレーションされた表面応力分布を示す。
Figure 0005127921
図6から理解できるように、実施例7〜9の異形断面コイルばねでは、コイル素線1の縦断面輪郭線10の周方向(内側)に沿って偏角θが10°〜45°の範囲内において、表面応力の分布は所定の減少傾向にある。また、偏角θが45°付近の表面応力は0°付近の表面応力よりも低いことが分かる。このため、中心オフセット係数Δbを所定の範囲に設定することにより、ショットピーニング処理により有効な表面応力を加味した疲労強度割合の向上を促進することができ、コイル素線1の縦断面輪郭線10に対して、表面応力を加味した疲労強度割合を等疲労強度(近似)断面線になるように微調整することができる。
(比較例12、13)
以下、Δbを所定範囲外に設定してシミュレーションを行った比較例について説明する。
比較例12、13は、実施例7〜9と基本的に同様であり、中心オフセット係数Δbの設定を所定範囲外に変更した例である。
比較例12、13では、Δbを表4に示すように変更させた上で、異形断面コイルばねのコイル素線1の(内周側部分101)の表面応力分布をパソコンでシミュレーションした(図6に示す)。
Figure 0005127921
図6から理解できるように、比較例12、13の異形断面コイルばねでは、コイル素線1の縦断面輪郭線10の周方向(内側)に沿って偏角θが10°〜45°の範囲内において、表面応力の分布は所定の減少傾向が見られない。また、偏角θが45°付近の表面応力は0°付近の表面応力よりも高いことが分かる。このため、この異形断面コイルばねでは、ショットピーニング処理による表面応力を加味した疲労強度割合の有効な向上にならず、等疲労強度(近似)断面線になり得ない。
また、図6に示す実施例7〜9と比較例12、13を比較して理解できるように、中心オフセット係数Δbを所定範囲内に調整することで、コイル素線1の縦断面輪郭線10(断面形状)が調整され、表面応力曲線の傾き具合を細かく補正することができる。
一方、中心オフセット係数Δbは、0.3SRを超えると、偏角θが45°付近の表面応力が0°付近の表面応力よりも大きくなり、疲労強度改善処理後の表面応力を加味した疲労強度割合の均等化に不利である。
(実施例10〜18)
実施例10〜18では、前記(1)式〜(4)式において、内側x軸係数nxr、内側y軸係数nyr及び中心オフセット係数Δbを固定し、外側x軸係数nxl、外側y軸係数nylを表5に示すように変化させて、異形断面コイルばねの表面応力分布をパソコンでシミュレーションした(図7に示す)。なお、図7は、実施例10〜18の異形断面コイルばねの縦断面輪郭線10の外周側部分102における、シミュレーションされた表面応力 分布を示す。
Figure 0005127921
図7から理解できるように、実施例10〜18の異形断面コイルばねでは、コイル素線1の縦断面輪郭線10の周方向において、外側x軸係数nxl、外側y軸係数nylは、縦断面輪郭線10の外周側部分102の表面応力分布にさほど影響を与えないことが分かる。なお、nxl、nylを設定することにより、コイル素線の縦断面輪郭線10の外周側部分102の形状を決定することができる。
図7に示す実施例10〜18から理解できるように、外側x軸係数nxl、外側y軸係数nylを変化させることにより外周側の表面応力分布を微調整することができる。また、図3にも示したように、外側x軸係数nxl及び外側y軸係数nylを調整することにより、異形断面コイルばねのコイル素線1の縦断面輪郭線10の外周側部分102の線形を曲線から直線或いは直線に近い線形に設定することができる。これにより、縦断面輪郭線10の形状がコイル内周側101とコイル外周側102とで異なるコイル素線1となる。このため、このコイル素線1をコイルばね形状にコイリングする際に、コイル素線1の「コイル内周側になる」側と「コイル外周側になる」側とを簡単に識別することができ、異形断面コイルばねの生産効率が向上する。
このように、内側x軸係数nxr、内側y軸係数nyr及び(原点の)中心オフセット係数Δbを所定の範囲で適宜に設定することにより、コイル素線1の縦断面輪郭線(断面形状)の内周側部分101を細かく調整することができる。また、外側x軸係数nxl、外側y軸係数nyl及び中心オフセット係数Δbを所定の範囲で適宜に設定することにより、コイル素線1の縦断面輪郭線1の外側部分102を細かく調整することができる。これにより、本実施例の異形断面コイルばねのコイル素線1の断面周方向に、より均等かつ高い疲労強度を有することができ、コイル内周側における表面応力が高くなることによる折損の発生が有効に抑制され、コイルばねの疲労寿命が長くなる。
本発明の異形断面コイルばねは、自動車用マニュアルトランスミッションのクラッチダンパー又はオートマチックトランスミッションロックアップダンパーなどに好適に用いられる。

Claims (5)

  1. 異形断面を有するコイル素線をばね形状にコイリングしてから、ショットピーニング処理を含む疲労強度改善処理を施してなる異形断面コイルばねであって、
    極と、該極からコイル中心軸に向かってコイル半径方向に延びる始線とを有する極座標系において、前記コイル素線のコイル軸方向に沿う縦断面輪郭線は、前記極を中心とするとともに前記コイル半径方向を長径方向とする略楕円形をなし、かつ、前記縦断面輪郭線の長径側最大径を2LR、前記縦断面輪郭線の短径側最大径を2SR、前記長径方向における中心オフセット係数をΔbとするとともに、前記極を原点、前記始線をx軸の正の部分とする直交座標系において、内側x軸係数をnxr、内側y軸係数をnyrとしたとき、
    前記縦断面輪郭線のコイル内周側部分が下記(1)式及び(2)式で表されることを特徴とする異形断面コイルばね。
    x=(LR−Δb)cosnxrθ+Δb …(1)
    y=SRsinnyrθ …(2)
    (ただし、前記(1)式及び(2)式において、θは前記極座標系の偏角であり、かつ、0°≦θ<90°、270°≦θ<360°、0.7≦nxr≦0.9、0.8≦nyr≦1.0、0.1SR≦Δb≦0.3SRである。)
  2. 前記直交座標系において、外側x軸係数をnxl、外側y軸 係数をnylとしたとき、
    前記縦断面輪郭線のコイル外周側部分が下記(3)式及び(4)式で表される請求の範囲第1項に記載の異形断面コイルばね。
    x=−{(LR−Δb)|cosnxlθ|−Δb} …(3)
    y=SRsinnylθ …(4)
    (ただし、前記(3)式及び(4)式において、90°≦θ<270°、0.8≦nxl≦1.6、0.3≦nyl≦0.6であり、Δbは前記(1)式及び(2)式におけるΔbの値に等しい。)
  3. 前記縦断面輪郭線が、少なくとも10°≦θ≦70°及び290°≦θ≦350°の前記偏角の範囲において、等疲労強度 断面線又は等疲労強度近似断面線となっている請求の範囲第1項又は第2項に記載の異形断面コイルばね。
  4. コイルの重心径をD、コイルの丸線換算径をdとしたとき、
    ばね指数(D/d)が3.0〜6.0である請求の範囲第1項ないし第3項のいずれか1項に記載の異形断面コイルばね。
  5. 自動車用マニュアルトランスミッションの クラッチダンパー又はオートマチックトランスミッションロックアップダンパーに使用される請求の範囲第1項ないし第4項のいずれか1項に記載の異形断面コイルばね。
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