JP5125709B2 - 画像形成方法及び画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は電子写真方式を用いた画像形成方法及び画像形成装置に関するものである。
近年の電子写真画像形成プロセス、特にカラー画像形成においては、色重ねによる高品質な色再現性を実現するために感光体上に現像された1次画像を一旦中間転写体上に転写した後、最終の印字媒体に転写、定着する画像形成プロセスが広く用いられている(特許文献1〜3)。
又、トナーに関しては高解像度画像を達成するために重合法により形成された8.0μm未満の小径トナーを使用するのが主流となっている。小粒径トナーは、質量の割には表面積が大きく、感光体表面や中間転写体表面に付着する傾向が強く、相対的に転写率が低くなる傾向が高い。そのためトナー表面の粘着性を下げ転写効率を改善する対策として、トナーに外添剤を添加し、トナー表面を外添剤(金属酸化物微粒子)で処理する方法が広く用いられている。
しかし、中間転写体を使用するプロセスではトナー表面の金属酸化物処理だけでは十分な転写効率、画像品質が得られないため、さらに感光体表面に金属石鹸(脂肪酸金属塩)を直接塗布したり、現像剤中に金属石鹸を含有させたりして感光体と中間転写体表面に、ごく薄い金属石鹸の膜を形成することで感光体表面とトナーの直接接触を少なくすることで、所望の転写効率、画像品質を達成している。
特開2000−206801号公報 特開2006−259581号公報 特開2003−165857号公報
しかしながら、感光体表面にトナーの外添剤である金属石鹸(脂肪酸金属塩)と金属酸化物が並存すると、中間転写体による押圧力と相まって、感光体表面に彗星状の付着物が発生しやすくなることがわかった。特に印字枚数が増加して現像剤中の外添剤(金属酸化物)の遊離が進むと彗星状付着物のサイズが大きくなり最終画像上に画像欠陥として現れる。
彗星状付着物は金属酸化物、金属石鹸のいずれか一方だけが存在する場合には深刻な問題とはならないことから、両方の化合物が存在する系に発生する特殊な課題と言える。
彗星状付着物は感光体の磨耗量が多い場合は感光体の減耗に従って発生が抑制される。しかし、感光体の長寿命化を目的に耐磨耗性に優れ感光体磨耗量の少ない保護層を設置した感光体の場合、従来の感光体に比べて非常に磨耗量が少なくなるため、顕著な数で、サイズの大きい彗星状付着物が発生する。
本発明は、上記課題を解決する為になされた。即ち、本発明の目的は、小粒径トナーを用い長期間の使用によっても、感光体表面に彗星状の付着物の発生がなく、中間転写体を用いての画像形成においても中抜け、感光体表面の傷が発生しない、画像形成方法とそれを適用した画像形成装置を提供することにある。
本発明者らは、上記の彗星状付着物と画像欠陥の発生を抑止するため鋭意研究を行った結果、下記構成を用いることで目的を達成することが出来ることがわかった。
(1)導電性支持体上に少なくとも感光層及び保護層をこの順に積層した電子写真感光体上に現像されたトナーを中間転写体に転写する工程を有する画像形成方法において、前記トナーが少なくとも金属酸化物と金属石鹸を外添してなるトナーであり、且つ、前記保護層が少なくともアクリロイル基またはメタクリロイル基を有する光硬化型アクリル系化合物を反応させて得られる樹脂成分、及び、メチルハイドロジェンポリシロキサンまたは反応性有機ケイ素化合物で表面処理されたアルミナ粒子を含有することを特徴とする画像形成方法。
(2)前記光硬化型アクリル系化合物のアクリロイル基またはメタクリロイル基の数が3以上であることを特徴とする前記(1)記載の画像形成方法。
(3)前記光硬化型アクリル系化合物の硬化性反応基当量が1000以下であることを特徴とする前記(1)又は(2)記載の画像形成方法。
(4)前記(1)〜(3)のいずれか1項記載の画像形成方法により、画像形成することを特徴とする画像形成装置。
本発明により、小粒径トナーを用い長期間の使用によっても、感光体表面に彗星状の付着物の発生がなく、中間転写体を用いての画像形成においても中抜け、感光体表面の傷が発生しない、画像形成方法とそれを適用した画像形成装置を提供することができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
本願発明の画像形成方法は、導電性支持体上に少なくとも感光層及び保護層をこの順に積層した電子写真感光体上に現像されたトナーを中間転写体に転写する工程を有する画像形成方法であり、前記トナーが少なくとも金属酸化物と金属石鹸を外添してなるトナーであり、且つ、前記保護層が少なくとも硬化性化合物を反応させて得られる樹脂成分、及び、アルミナ粒子を含有することを特徴とする。
本願発明の上記画像形成方法が、彗星状付着物が発生しない理由は明確ではないが、本発明者らは、硬化性化合物と反応させて得られる保護層は、感光体と中間転写体にはさまれたトナーの外添剤による変形の挙動が、従来の熱可塑性樹脂などの保護層と異なること、また、感光体表面近傍に存在するアルミナ粒子が、現像剤中の金属石鹸あるいは金属酸化物に対する感光体表面の付着力を大幅に低減した結果と推測している。
本発明の構成では、電子写真感光体(以下、単に感光体ともいう)の機械的強度及び耐刷性を向上させ、感光層の表面を保護することを目的とした保護層が形成されている。該保護層は少なくとも硬化性化合物を反応して得られる樹脂成分、及び、アルミナ粒子を含有する。
〔感光体の層構成〕
本発明の感光体は、導電性支持体上に、少なくとも感光層及び保護層を順次積層したもので、その層構成は、特に制限されるものではなく、具体的には、以下に示すような層構成を挙げることができる。
1)導電性支持体上に、感光層として電荷発生層と電荷輸送層、及び保護層を順次積層した層構成、
2)導電性支持体上に、感光層として電荷輸送材料と電荷発生材料とを含む単層、及び保護層を順次積層した層構成、
3)導電性支持体上に、中間層、感光層として電荷発生層と電荷輸送層、及び保護層を順次積層した層構成、
4)導電性支持体上に、中間層、感光層として電荷輸送材料と電荷発生材料とを含む単層、及び保護層を順次積層した層構成。
本発明の感光体は、上記何れの層構成でもよいが、これらの中では、導電性支持体上に、中間層、電荷発生層、電荷輸送層、保護層を設けて作製されるものが好ましい。
これらの中間層、電荷発生層、電荷輸送層、保護層の塗布方法としては、浸漬コーティング法、スプレーコーティング法、スピンナーコーティング法、ビードコーティング法、ブレードコーティング法、ビームコーティング法、スライドホッパー法などを用いることができる。
〔保護層〕
本発明の保護層は、少なくとも硬化性化合物を反応させて得られる樹脂成分、及び、該表面層中にアルミナ粒子を含有した構成である。
(硬化性化合物)
本発明の硬化性化合物は、紫外線や電子線等の活性線照射により重合(硬化)して、ポリスチレン、ポリアクリレート等、一般に感光体のバインダー樹脂として用いられる樹脂となるモノマーが好適であり、特に、スチレン系モノマー、アクリル系モノマー、メタアクリル系モノマー、ビニルトルエン系モノマー、酢酸ビニル系モノマー、N−ビニルピロリドン系モノマーが好ましい。
中でも、少ない光量あるいは短い時間での硬化が可能であることからアクリロイル基またはメタクリロイル基を有する光硬化型アクリル系化合物(以下、アクリル化合物ともいう)が特に好ましい。
本発明においては、これらのモノマーを単独で用いても、混合して用いてもよい。
以下に光硬化型アクリル系化合物(以下、アクリル化合物ともいう)の例を示す。
本発明においてアクリル系化合物とは、アクリロイル基(CH=CHCO−)またはメタクリロイル基(CH=CCHCO−)を有する化合物である。また、以下にいうAc基数(アクリロイル基数)とはアクリロイル基またはメタクリロイル基の数を表す。
Figure 0005125709
Figure 0005125709
Figure 0005125709
Figure 0005125709
Figure 0005125709
Figure 0005125709
但し、上記においてR及びR′はそれぞれ下記で示される。
Figure 0005125709
KAYARAD MANDA(日本化薬(株)製、分子量312、2官能アクリルモノマー):B−1。
また、各種の反応性オリゴマーも使用することができる。例えば、エポキシアクリレートオリゴマー、ウレタンアクリレートオリゴマー、ポリエステルアクリレートオリゴマー、不飽和ポリエステル樹脂を使用することができる。具体的には下記に挙げられる。
Figure 0005125709
KAYARAD DPCA120(日本化薬(株)製、分子量1947、6官能ジペンタエリスリトール誘導体のヘキサアクリレート):B−2
E8402(ダイセルサイテック(株)製、分子量1000、2官能ウレタンアクリレート):B−3。
上記の硬化性化合物については、日本化薬(株)、ダイセルサイテック(株)、東和合成化学工業社等で製造され、市販されている。
本発明においては、硬化性化合物は官能基が3以上であること好ましく、5以上が特に好ましい。又、硬化性反応基等量、即ち「硬化性化合物分子量/官能基数」は1000以下であることが好ましく、500以下が特に好ましい。これにより、架橋密度が高くなり、感光体の耐摩耗性が向上する。これより大きな値となると感光体の高耐久性等に問題を生じることもある。
本発明においては、硬化性反応基当量の異なる2種類以上の硬化性化合物を混合して使用してもよい。
(アルミナ粒子)
本発明では、アルミナ粒子を感光体の保護層に用いることから、アルミナ粒子の表面に存在する水酸基を封鎖処理したものを用いることが好ましい。
アルミナ粒子は、表面の疎水化処理の効果が出やすい焼成強化したものが好ましい。焼成強化アルミナでは、充分な強度を持たせるために、通常500℃以上、好ましくは1000℃以上の温度で焼成したものを用いる。焼成時間は、好ましくは5時間以上、更に好ましくは10時間以上である。上述の温度条件でアルミナを焼成することによって、アルミナ粒子の表面に存在している水酸基等の官能基が分解され、アルミニウム酸化物となる。また、この結果アルミナ粒子の比表面積が小さくなり、シラン化合物等により疎水化処理を、効果的的に行うことが出来る。
本発明において、アルミナ粒子の表面処理とは、アルミナ粒子表面を有機化合物、有機金属化合物、フッ素化合物、反応性有機ケイ素化合物等によって被覆し、疎水化をおこなうことである。アルミナ粒子表面が有機化合物、有機金属化合物、フッ素化合物、反応性有機ケイ素化合物等によって被覆されていることは、光電子分光法(ESCA)、オージェ電子分光法(Auger)、2次イオン質量分析法(SIMS)や拡散反射FI−IR等の表面分析手法を複合的に用いることにより高精度に確認される。
本発明に用いられるアルミナ粒子の数平均一次粒径は1〜300nmの範囲が好ましい。特に好ましくは3〜100nmである。粒径が小さい場合は耐摩耗性が十分でなく、また粒径が大きい場合には書き込み光を散乱させるたり、粒子が光硬化を阻害し耐摩耗性が十分でなく成る可能性がある。
尚、アルミナ粒子の数平均粒径は透過型電子顕微鏡観察によって2000倍に拡大し、ランダムに100個の粒子を一次粒子として観察し、画像解析によってフェレ方向平均径としての測定値である。
保護層中のアルミナ粒子の割合は、硬化性アクリル系化合物100質量部に対して1〜200質量部、特に好ましくは10〜80質量部である。
保護層は、上記硬化性化合物及びアルミナ粒子の他に、必要に応じて重合開始剤、フィラー、滑剤粒子及び酸化防止剤等を配合した塗布液を塗布し、反応させて硬化膜を形成できる。
本発明の硬化性化合物を反応させる際には、電子線開裂で反応する方法、ラジカル重合開始剤を添加して、光、熱で反応する方法などが用いられる。重合開始剤は光重合開始剤、熱重合開始剤のいずれも使用することができる。また、光、熱の両方の開始剤を併用することもできる。
重合開始剤としては、ジエトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタノン−1、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、2−メチル−2−モルフォリノ(4−メチルチオフェニル)プロパン−1−オン、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム等のアセトフェノン系またはケタール系光重合開始剤、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル等のベンゾインエーテル系光重合開始剤、ベンゾフェノン、4−ヒドロキシベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、2−ベンゾイルナフタレン、4−ベンゾイルビフェニル、4−ベンゾイルフェニールエーテル、アクリル化ベンゾフェノン、1,4−ベンゾイルベンゼン等のベンゾフェノン系光重合開始剤、2−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン等のチオキサントン系光重合開始剤が挙げられる。
その他の光重合開始剤としては、エチルアントラキノン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルフェニルエトキシホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,4−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキサイド、メチルフェニルグリオキシエステル、9,10−フェナントレン、アクリジン系化合物、トリアジン系化合物、イミダゾール系化合物が挙げられる。また、光重合促進効果を有するものを単独または上記光重合開始剤と併用して用いることもできる。例えば、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、安息香酸(2−ジメチルアミノ)エチル、4,4′−ジメチルアミノベンゾフェノン等が挙げられる。
これらの重合開始剤は1種または2種以上を混合して用いてもよい。重合開始剤の含有量は、アクリル系化合物の100質量部に対し0.1〜20質量部、好ましくは0.5〜10質量部である。
また、膜強度の向上や抵抗調整のために各種フィラーを添加することもできる。フィラーとしてはシリカ、アルミナ、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化スズ、酸化アンチモン、酸化インジウム、酸化ビスマス等の各種金属酸化物、スズをドープした酸化インジウム、アンチモンをドープした酸化スズ及び酸化ジルコニウムなどの超微粒子を用いることができる。これら金属酸化物を1種類もしくは2種類以上混合して用いてもよい。2種類以上混合した場合には固溶体または融着の形をとってもよい。フィラーの粒径は、数平均一次粒径が1〜300nmのものが好ましい。特に、好ましくは3〜100nmのものである。保護層中のフィラーの割合は、アクリル系化合物100質量部に対して1〜100質量部、特に好ましくは10〜80質量部である。
又、本発明の保護層には、さらに各種の電荷輸送物質を含有させることも出来る。
本発明に用いる保護層において、各種の滑剤粒子を加えることができる。例えば、フッ素原子含有樹脂粒子を加えることができる。フッ素原子含有樹脂粒子としては、四フッ化エチレン樹脂、三フッ化塩化エチレン樹脂、六フッ化塩化エチレンプロピレン樹脂、フッ化ビニル樹脂、フッ化ビニリデン樹脂、二フッ化二塩化エチレン樹脂、及びこれらの共重合体の中から1種あるいは2種以上を適宜選択するのが好ましいが、特に四フッ化エチレン樹脂及びフッ化ビニリデン樹脂が好ましい。保護層中の滑剤粒子の割合は、アクリル系樹脂100質量部に対して、好ましくは5〜70質量部、より好ましくは10〜60質量%である。滑剤粒子の粒径は、平均一次粒径が0.01μm〜1μmのものが好ましい。特に好ましくは、0.05μm〜0.5μmのものである。樹脂の分子量は適宜選択することができ、特に制限されるものではない。
保護層のアルミナ粒子等の分散手段としては、超音波分散機、ボールミル、サンドグラインダー及びホモミキサー等が使用できるが、これらに限定されるものではない。
本発明においては、前記保護層中に耐候性を向上させる目的で酸化防止剤などの添加物を加えてもよい。酸化防止剤は、電荷輸送層に添加するものと同様のものを選択できる。
本発明においては、硬化性化合物に加え、また他の樹脂、例えば、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリウレタン、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、アルキド樹脂及び塩ビ−酢ビ共重合体などの樹脂と混合して用いることもできる。
保護層を形成するための溶媒としては、メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、t−ブタノール、sec−ブタノール、ベンジルアルコール、トルエン、キシレン、メチレンクロライド、メチルエチルケトン、シクロヘキサン、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、テトラヒドロフラン、1−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、ピリジン及びジエチルアミン等を挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本発明の保護層は、塗布後、自然乾燥または熱乾燥を行った後、活性線を照射して反応させることが好ましい。
塗布方法は、中間層、感光層と同様の、浸漬コーティング法、スプレーコーティング法、スピンナーコーティング法、ビードコーティング法、ブレードコーティング法、ビームコーティング法、スライドホッパー法などの公知の方法を用いることができる。
本発明の感光体は、塗膜に活性線を照射してラジカルを発生して重合し、かつ分子間及び分子内で架橋反応による架橋結合を形成して硬化し、硬化樹脂を生成することが好ましい。活性線としては紫外線や電子線が特に好ましい。
紫外線光源としては、紫外線を発生する光源であれば制限なく使用できる。例えば、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、カーボンアーク灯、メタルハライドランプ、キセノンランプ、フラッシュ(パルス)キセノン等を用いることができる。照射条件はそれぞれのランプによって異なるが、活性線の照射量は、通常5〜500mJ/cm、好ましくは5〜100mJ/cmである。ランプの電力は、好ましくは0.1kW〜5kWであり、特に好ましくは、0.5kW〜3kWである。
電子線源としては、電子線照射装置に格別の制限はなく、一般にはこのような電子線照射用の電子線加速機として、比較的安価で大出力が得られるカーテンビーム方式のものが有効に用いられる。電子線照射の際の加速電圧は、100〜300kVであることが好ましい。吸収線量としては、0.5〜10Mradであることが好ましい。
必要な活性線の照射量を得るための照射時間としては、0.1秒〜10分が好ましく、アクリル系化合物の硬化効率または作業効率の観点から0.1秒〜5分がより好ましい。
活性線としては、紫外線が使用しやすく特に好ましい。
本発明の感光体は、活性線を照射する前後、及び活性線を照射中に乾燥を行うことができ、乾燥を行うタイミングはこれらを組み合わせて適宜選択できる。
乾燥の条件は、溶媒の種類、膜厚などのよって適宜選択できる。乾燥温度は、好ましくは室温〜180℃であり、特に好ましくは80℃〜140℃である。乾燥時間は、好ましくは1分〜200分であり、特に好ましくは5分〜100分である。
保護層の膜厚は好ましくは0.2〜10μmであり、より好ましくは0.5〜6μmである。
〔導電性支持体〕
本発明で用いる支持体は導電性を有するものであればいずれのものでもよく、例えば、アルミニウム、銅、クロム、ニッケル、亜鉛及びステンレスなどの金属をドラムまたはシート状に成形したもの、アルミニウムや銅などの金属箔をプラスチックフィルムにラミネートしたもの、アルミニウム、酸化インジウム及び酸化スズなどをプラスチックフィルムに蒸着したもの、導電性物質を単独またはバインダー樹脂と共に塗布して導電層を設けた金属、プラスチックフィルム及び紙などが挙げられる。
〔中間層〕
本発明においては、導電層と感光層の中間にバリアー機能と接着機能をもつ中間層を設けることもできる。
中間層はカゼイン、ポリビニルアルコール、ニトロセルロース、エチレン−アクリル酸コポリマー、ポリアミド、ポリウレタン及びゼラチンなどのバインダー樹脂を公知の溶媒に溶解し、浸漬塗布などによって形成できる。中でもアルコール可溶性のポリアミド樹脂が好ましい。
また、中間層の抵抗調整の目的で各種の導電性微粒子や金属酸化物を含有させることができる。例えば、アルミナ、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化スズ、酸化アンチモン、酸化インジウム、酸化ビスマス等の各種金属酸化物。スズをドープした酸化インジウム、アンチモンをドープした酸化スズ及び酸化ジルコニウムなどの超微粒子を用いることができる。
これら金属酸化物を1種類もしくは2種類以上混合して用いてもよい。2種類以上混合した場合には、固溶体または融着の形をとってもよい。このような金属酸化物の平均粒径は好ましくは0.3μm以下、より好ましくは0.1μm以下である。
中間層に使用する溶媒としては、無機粒子を良好に分散し、ポリアミド樹脂を溶解するものが好ましい。具体的には、エタノール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、t−ブタノール、sec−ブタノール等の炭素数2〜4のアルコール類が、ポリアミド樹脂の溶解性と塗布性能に優れ好ましい。また、保存性、粒子の分散性を向上するために、前記溶媒と併用し、好ましい効果を得られる助溶媒としては、メタノール、ベンジルアルコール、トルエン、メチレンクロライド、シクロヘキサノン、テトラヒドロフラン等が挙げられる。
バインダー樹脂の濃度は、中間層の膜厚や生産速度に合わせて適宜選択される。
無機粒子などを分散したと時のバインダー樹脂に対する無機粒子の混合割合は、バインダー樹脂100質量部に対して無機粒子20〜400質量部が好ましく、さらに好ましくは50〜200部である。
無機粒子の分散手段としては、超音波分散機、ボールミル、サンドグラインダー及びホモミキサー等が使用できるが、これらに限定されるものではない。
中間層の乾燥方法は、溶媒の種類、膜厚に応じて適宜選択することができるが、熱乾燥が好ましい。
中間層の膜厚は、0.1〜15μmが好ましく、0.3〜10μmがより好ましい。
〔電荷発生層〕
本発明に用いられる電荷発生層は、電荷発生物質とバインダー樹脂を含有し、電荷発生物質をバインダー樹脂溶液中に分散、塗布して形成したものが好ましい。
電荷発生物質は、スーダンレッド及びダイアンブルーなどのアゾ原料、ビレンキノン及びアントアントロンなどのキノン顔料、キノシアニン顔料、ペリレン顔料、インジゴ及びチオインジゴなどのインジゴ顔料、フタロシアニン顔料などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらの電荷発生物質は単独、もしくは公知の樹脂中に分散する形態で使用することができる。
電荷発生層のバインダー樹脂としては、公知の樹脂を用いることができ、例えば、ポリスチレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、ポリカーボネート樹脂、シリコーン樹脂、メラミン樹脂、並びにこれらの樹脂の内2つ以上を含む共重合体樹脂(例えば、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体樹脂)及びポリ−ビニルカルバゾール樹脂等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
電荷発生層の形成は、バインダー樹脂を溶剤で溶解した溶液中に分散機を用いて電荷発生物質を分散して塗布液を調製し、塗布液を塗布機で一定の膜厚に塗布し、塗布膜を乾燥して作製することが好ましい。
電荷発生層に使用するバインダー樹脂を溶解し塗布するための溶媒としては、例えば、トルエン、キシレン、メチレンクロライド、1,2−ジクロロエタン、メチルエチルケトン、シクロヘキサン、酢酸エチル、酢酸ブチル、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、テトラヒドロフラン、1−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、ピリジン及びジエチルアミン等を挙げられるが、これらに限定されるものではない。
電荷発生物質の分散手段としては、超音波分散機、ボールミル、サンドグラインダー及びホモミキサー等が使用できるが、これらに限定されるものではない。
バインダー樹脂に対する電荷発生物質の混合割合は、バインダー樹脂100質量部に対して電荷発生物質1〜600質量部が好ましく、さらに好ましくは50〜500部である。電荷発生層の膜厚は、電荷発生物質の特性、バインダー樹脂の特性及び混合割合等により異なるが好ましくは0.01〜5μm、より好ましくは0.05〜3μmである。なお、電荷発生層用の塗布液は塗布前に異物や凝集物を濾過することで画像欠陥の発生を防ぐことができる。前記顔料を真空蒸着することによって形成すこともできる。
〔電荷輸送層〕
本発明の感光体に用いられる電荷輸送層は、電荷輸送物質とバインダー樹脂を含有し、電荷輸送物質をバインダー樹脂溶液中に溶解、塗布して形成される。
電荷輸送物質は、例えば、カルバゾール誘導体、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、チアゾール誘導体、チアジアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、イミダゾロン誘導体、イミダゾリジン誘導体、ビスイミダゾリジン誘導体、スチリル化合物、ヒドラゾン化合物、ピラゾリン化合物、オキサゾロン誘導体、ベンズイミダゾール誘導体、キナゾリン誘導体、ベンゾフラン誘導体、アクリジン誘導体、フェナジン誘導体、アミノスチルベン誘導体、トリアリールアミン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、スチルベン誘導体、ベンジジン誘導体、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリ−1−ビニルピレン及びポリ−9−ビニルアントラセン等を2種以上混合して使用してもよい。
電荷輸送層用のバインダー樹脂は、公知の樹脂を用いることができ、ポリカーボネート樹脂、ポリアクリレート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、スチレン−アクリルニトリル共重合体樹脂、ポリメタクリル酸エステル樹脂及びスチレン−メタクリル酸エステル共重合体樹脂等が挙げられるが、ポリカーボネートが好ましい。更にはBPA、BPZ、ジメチルBPA、BPA−ジメチルBPA共重合体等が耐クラック、耐磨耗性、帯電特性の点で好ましい。
電荷輸送層の形成は、バインダー樹脂と電荷輸送物質を溶解して塗布液を調製し、塗布液を塗布機で一定の膜厚に塗布し、塗布膜を乾燥して作製することが好ましい。
上記バインダー樹脂と電荷輸送物質を溶解するための溶媒としては、例えば、トルエン、キシレン、メチレンクロライド、1,2−ジクロロエタン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸エチル、酢酸ブチル、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、ピリジン及びジエチルアミン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
バインダー樹脂に対する電荷輸送物質の混合割合は、バインダー樹脂100質量部に対して電荷輸送物質10〜500質量部が好ましく、さらに好ましくは20〜100質量部である。
電荷輸送層の膜厚は、電荷輸送物質の特性、バインダー樹脂の特性及び混合割合等により異なるが好ましくは5〜40μmで、さらに好ましくは10〜30μmである。
電荷輸送層中には酸化防止剤、電子導電剤、安定剤等を添加してもよい。酸化防止剤については特願平11−200135号、電子導電剤は特開昭50−137543号、同58−76483号等に記載のものがよい。
〔トナーの作製方法〕
トナーの製造方法としては、特に限定されるものではないが、乳化会合法による方法が好ましく用いられる。特にミニエマルジョン重合粒子を乳化重合によって多段重合構成とした樹脂粒子を会合(凝集・融着)する製造方法が好ましい。
以下、ミニエマルジョン重合会合法によるトナーの作製方法の一例について詳細に説明する。このトナーの作製方法では、以下の工程を経て作製される。
(1)離型剤をラジカル重合性単量体に溶解或いは分散する溶解/分散工程
(2)離型剤を溶解/分散させた重合性単量体溶液を溶液媒体中で液滴化し、ミニエマルジョン重合して樹脂粒子の分散液を調製する重合工程
(3)含有する溶液媒体中で着色剤を分散させる着色剤分散工程
(4)溶液媒体中で樹脂粒子と着色剤粒子を会合させて会合粒子を得る凝集・融着工程
(5)会合粒子を熱エネルギーにより熟成して形状を調整しトナー粒子とする熟成工程
(6)トナー粒子の分散液を、冷却する冷却工程
(7)冷却されたトナー粒子の分散液から当該トナー粒子を固液分離し、当該トナー母体から界面活性剤などを除去する洗浄工程
(8)洗浄処理されたトナー粒子を、乾燥する乾燥工程
(9)乾燥処理されたトナー粒子に、外添剤を添加する工程
以下、各工程について説明する。
(1)溶解/分散工程
この工程は、ラジカル重合性単量体に離型剤を溶解或いは分散させて、当該離型剤のラジカル重合性単量体溶液を調製する工程である。
(2)重合工程
この重合工程の好適な一例においては、界面活性剤を含有した溶液媒体中に、前記離型剤を溶解或いは分散したラジカル重合性単量体溶液を添加し、機械的エネルギーを加えて液滴を形成させ、次いで水溶性のラジカル重合開始剤からのラジカルにより当該液滴中において重合反応を進行させる。尚、前記溶液媒体中に、核粒子として樹脂粒子を添加しておいても良い。
この重合工程により、離型剤と結着樹脂とを含有する樹脂粒子が得られる。かける樹脂粒子は、着色された粒子であっても良く、着色されていない粒子であっても良い。着色された樹脂粒子は、着色剤を含有する単量体組成物を重合処理することにより得られる。又、着色されていない樹脂粒子を使用する場合には、後述する凝集工程において、樹脂粒子の分散液に、着色剤粒子の分散液を添加し、樹脂粒子と着色剤粒子とを凝集させることで着色粒子とすることができる。
(3)着色剤粒子の分散工程
この工程は、界面活性剤を含有する溶液媒体中に着色剤粒子を添加し、分散装置を用いて着色剤粒子を溶液媒体中に分散させる工程である。
着色剤粒子を分散する工程に用いられる分散装置としては、特に限定されず公知のものを用いることができる。好ましい分散装置としては超音波分散機、機械的ホモジナイザー、マントンゴーリン、圧力式ホモジナイザー等の加圧分散機、サンドグラインダー、ゲッツマンミル、ダイヤモンドファインミル等の媒体型分散機等を挙げることができる。
尚、着色剤は表面改質されていても良い。着色剤の表面改質法は溶媒中に着色剤粒子を分散させ、その分散液中に表面改質剤を添加し、この系を昇温することにより反応させる。反応修了後、着色剤粒子を濾別し、同一の溶媒で洗浄濾過を繰り返した後、乾燥することにより、表面改質剤で処理された着色剤が得られる。
本発明に記載の効果を更に好ましく得る観点から、トナー製造工程時、溶液媒体中に分散された着色剤の平均分散径が2〜300nmであることが好ましく、2〜200nmであることがより好ましい。着色剤の平均分散径は、化合物の種類や量、界面活性剤の量、分散装置の回転数、分散時間等により制御することができる。
(4)凝集・融着工程
凝集工程は、重合工程により得られた樹脂粒子と着色剤粒子を用いて着色粒子を形成する工程である。又、当該凝集工程においては、樹脂粒子や着色剤粒子とともに、離型剤粒子や荷電制御剤などの内添剤粒子なども凝集させることができる。
好ましい凝集方法は、樹脂粒子と着色剤粒子とが存在している水中に、アルカリ金属塩やアルカリ土類金属塩等からなる塩析剤を臨界凝集濃度以上の凝集剤として添加し、次いで、前記樹脂粒子のガラス転移温度以上であって、且つ前記離型剤の融解ピーク温度(℃)以上の温度に加熱することで凝集を行う方法である。
(5)熟成工程
熟成は、熱エネルギー(加熱)により行う方法が好ましい。
具体的には、会合粒子を含む液を、加熱撹拌することにより、会合粒子の形状を所望の円形度になるまで、加熱温度、撹拌速度、加熱時間により調整し、トナー粒子とするものである。
(6)冷却工程
この工程は、前記トナー粒子の分散液を冷却処理(急冷処理)する工程である。冷却処理条件としては、1〜20℃/minの冷却速度で冷却する。冷却処理方法としては特に限定されるものではなく、反応容器の外部より冷媒を導入して冷却する方法や、冷水を直接反応系に投入して冷却する方法を例示することができる。
(7)洗浄工程
この固液分離・洗浄工程では、上記の工程で所定温度まで冷却されたトナー粒子の分散液から当該トナー粒子を固液分離する固液分離処理と、固液分離されたトナーケーキ(ウェット状態にあるトナー粒子をケーキ状に凝集させた集合物)から界面活性剤や塩析剤などの付着物、熟成工程で用いたアルカリ剤を除去する洗浄処理とが施される。
洗浄処理は、濾液の電気伝導度が10μS/cmになるまで水洗浄する。濾過処理方法としては、遠心分離法、ヌッチェ等を使用して行う減圧濾過法、フィルタープレス等を使用して行う濾過法などがあり、特に限定されるものではない。
(8)乾燥工程
この工程は、洗浄処理されたトナーケーキを乾燥処理し、乾燥されたトナー粒子を得る工程である。この工程で使用される乾燥機としては、スプレードライヤー、真空凍結乾燥機、減圧乾燥機などを挙げることができ、静置棚乾燥機、移動式棚乾燥機、流動層乾燥機、回転式乾燥機、撹拌式乾燥機などを使用することが好ましい。乾燥された着色粒子の水分は、5質量%以下であることが好ましく、更に好ましくは2質量%以下とされる。尚、乾燥処理されたトナー粒子同士が、弱い粒子間引力で凝集している場合には、当該凝集体を解砕処理しても良い。ここに、解砕処理装置としては、ジェットミル、ヘンシェルミキサー、コーヒーミル、フードプロセッサー等の機械式の解砕装置を使用することができる。
トナーの体積基準におけるメディアン径(D50)は、下記の測定方法にて測定して得られる。
コールターマルチサイザー3(コールター社製)に、データ処理用ソフト「Software V3.51」を搭載したコンピューターシステム(コールター社製)を接続した装置を用いて測定、算出する。
測定手順としては、トナー0.02gを、界面活性剤溶液20ml(トナーの分散を目的として、例えば界面活性剤成分を含む中性洗剤を純水で10倍希釈した界面活性剤溶液)で馴染ませた後、超音波分散を1分間行い、トナー分散液を作製する。このトナー分散液を、サンプルスタンド内のISOTONII(コールター社製)の入ったビーカーに、測定器表示濃度が5%〜10%になるまでピペットにて注入する。この濃度範囲にすることにより、再現性のある測定値が得られる。測定機において、測定粒子カウント数を25000個、アパチャ−径を50μmにし、測定範囲である1〜30μmの範囲を256分割しての頻度値を算出する。体積積算分率が大きい方から50%の粒子径を体積基準メディアン径とする。
次に、トナー粒子を構成する材料について説明する。
(結着樹脂)
結着樹脂を構成する重合性単量体として使用されるものは、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、p−クロロスチレン、3,4−ジクロロスチレン、p−フェニルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレンの様なスチレン或いはスチレン誘導体、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル等のメタクリル酸エステル誘導体、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸フェニル等の、アクリル酸エステル誘導体、エチレン、プロピレン、イソブチレン等のオレフィン類、塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニル、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン等のハロゲン系ビニル類、プロピオン酸ビニル、酢酸ビニル、ベンゾエ酸ビニル等のビニルエステル類、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル等のビニルエーテル類、ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルヘキシルケトン等のビニルケトン類、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドール、N−ビニルピロリドン等のN−ビニル化合物、ビニルナフタレン、ビニルピリジン等のビニル化合物類、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド等のアクリル酸或いはメタクリル酸誘導体がある。これらビニル系単量体は単独或いは組み合わせて使用することができる。
又、樹脂を構成する重合性単量体としてイオン性解離基を有するものを組み合わせて用いることが更に好ましい。例えば、カルボキシル基、スルフォン酸基、リン酸基等の置換基を単量体の構成基として有するもので、具体的には、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、ケイ皮酸、フマール酸、マレイン酸モノアルキルエステル、イタコン酸モノアルキルエステル、スチレンスルフォン酸、アリルスルフォコハク酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルフォン酸、アシッドホスホオキシエチルメタクリレート、3−クロロ−2−アシッドホスホオキシプロピルメタクリレート等が挙げられる。
更に、ジビニルベンゼン、エチレングリコールジメタクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート等の多官能性ビニル類を使用して架橋構造の樹脂とすることもできる。
これら重合性単量体はラジカル重合開始剤を用いて重合することができる。この場合、懸濁重合法では油溶性重合開始剤を用いることができる。この油溶性重合開始剤としては、2,2′−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル、1,1′−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2′−アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ系又はジアゾ系重合開始剤、ベンゾイルパーオキサイド、メチルエチルケトンペルオキサイド、ジイソプロピルペルオキシカーボネート、クメンヒドロペルオキサイド、t−ブチルヒドロペルオキサイド、ジ−t−ブチルペルオキサイド、ジクミルペルオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルペルオキサイド、ラウロイルペルオキサイド、2,2−ビス−(4,4−t−ブチルペルオキシシクロヘキシル)プロパン、トリス−(t−ブチルペルオキシ)トリアジンなどの過酸化物系重合開始剤や過酸化物を側鎖に有する高分子開始剤などを挙げることができる。
又、乳化重合法を用いる場合には水溶性ラジカル重合開始剤を使用することができる。水溶性重合開始剤としては、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩、アゾビスアミノジプロパン酢酸塩、アゾビスシアノ吉草酸及びその塩、過酸化水素等を挙げることができる。
(連鎖移動剤)
樹脂の分子量を調整するためには、一般的に用いられる連鎖移動剤を用いることが可能である。用いられる連鎖移動剤としては、特に限定されるものではなく例えばn−オクチルメルカプタン、n−デシルメルカプタン、tert−ドデシルメルカプタン等のメルカプタン、n−オクチル−3−メルカプトプロピオン酸エステル等のメルカプトプロピオン酸エステル、ターピノーレン、四臭化炭素及びα−メチルスチレンダイマー等が使用される。
(着色剤)
本発明に用いられる着色剤は、特に限定はなく一般に使用されている着色剤を使用することができる。
尚、これらの着色剤は必要に応じて単独もしくは2つ以上を選択併用しても良い。又、着色剤の添加量はトナー全体に対して1〜30質量%、好ましくは2〜20質量%の範囲に設定するのが良い。
(離型剤)
本発明に用いられる離型剤は、公知の化合物を用いることができる。
このようなものとしては、例えば、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックスなどのポリオレフィンワックス、パラフィンワックス、サゾールワックスなどの長鎖炭化水素系ワックス、ジステアリルケトンなどのジアルキルケトン系ワックス、カルナウバワックス、モンタンワックス、トリメチロールプロパントリベヘネート、ペンタエリスリトールテトラベヘネート、ペンタエリスリトールジアセテートジベヘネート、グリセリントリベヘネート、1,18−オクタデカンジオールジステアレート、トリメリット酸トリステアリル、ジステアリルマレエートなどのエステル系ワックス、エチレンジアミンベヘニルアミド、トリメリット酸トリステアリルアミドなどのアミド系ワックスなどが挙げられる。
トナーに含有される離型剤の量は、トナー全体に対し1〜20質量%が好ましく、3〜15質量%がより好ましい。
(荷電制御剤)
本発明に係るトナーには、必要に応じて荷電制御剤を添加することができる。荷電制御剤としては、公知の化合物を用いることができる。
〔現像剤〕
本発明のトナーは、一成分現像剤、二成分現像剤として用いることができる。
一成分現像剤として用いる場合は、非磁性一成分現像剤、或いはトナー中に0.1μm〜0.5μm程度の磁性粒子を含有させ磁性一成分現像剤としたものが挙げられ、いずれも使用することができる。
又、キャリアと混合して二成分現像剤として用いることができる。キャリアとしては、鉄、フェライト、マグネタイト等の金属、それらの金属とアルミニウム、鉛等の金属との合金等の従来から公知の磁性粒子を用いることができる。特にフェライト粒子が好ましい。上記キャリアの粒子径は、質量平均粒子径で20〜100μmが好ましく、20〜70μmがより好ましい。
キャリアの粒子径の測定は、代表的には湿式分散機を備えたレーザ回折式粒度分布測定装置「ヘロス(HELOS)」(シンパティック(SYMPATEC)社製)により測定することができる。
キャリアは、磁性粒子が更に樹脂によりコートされているもの、或いは樹脂中に磁性粒子を分散させたいわゆる樹脂分散型キャリアが好ましい。コート用の樹脂としては、特に限定は無いが、例えば、オレフィン系樹脂、スチレン系樹脂、スチレン−アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂、エステル系樹脂或いはフッ素含有重合体系樹脂等が用いられる。又、樹脂分散型キャリアを構成するための樹脂としては、特に限定されず公知のものを使用することができ、例えば、スチレン−アクリル系樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素系樹脂、フェノール樹脂等を使用することができる。これらの中では、スチレン−アクリル樹脂でコートしたコートキャリアが外部添加剤の離脱防止や耐久性を確保できより好ましい。
〔金属酸化物(外添剤)〕
本発明に係るトナーに外部添加される金属酸化物を構成する材料としては、例えば、シリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、チタン酸バリウム、チタン酸アルミニウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸マグネシウム、酸化マグネシウム、酸化セリウム、酸化亜鉛、酸化クロム、酸化セリウム、酸化アンチモン、酸化タングステン、酸化スズ、酸化テルル、酸化マンガン、等が挙げられる。
更に、上記金属酸化物に疎水化処理を行ったものでもよい。疎水化のための処理には、各種チタンカップリング剤、シランカップリング剤等の所謂カップリング剤によって疎水化処理することが好ましく、更に高級脂肪酸金属塩によって疎水化処理することも好ましく使用される。トナー中の金属酸化物の添加量としては0.10〜10.0質量%が好ましく、更には0.50〜5.0質量%が好ましい。
金属酸化物は、個数平均粒径が3.0〜300nmの粒子として添加されるものであるが、80〜300nm粒径のものと、より粒径の小粒径外添剤を併用しても構わない。
個数平均粒径の測定方法としては、下記の如き方法がある。
走査型電子顕微鏡にて3万倍写真を撮影し、この写真画像をスキャナーにより取り込む。画像処理解析装置LUZEX AP(ニレコ製)にて、該写真画像のトナー表面に存在する外添剤について2値化処理し、無機微粒子1種につき100個についての水平方向フェレ径を算出、その平均値を個数平均粒径とする。なお、無機微粒子がいくつかの凝集体としてトナー表面に存在する場合は、該凝集体を形成する一次粒子の粒子径を測定するものとする。
〔金属石鹸〕
上記無機外添剤の他に本発明のトナーには金属石鹸(滑剤)が添加されている。例えばステアリン酸の亜鉛、アルミニウム、銅、マグネシウム、カルシウム等の塩、オレイン酸の亜鉛、マンガン、鉄、銅、マグネシウム等の塩、パルミチン酸の亜鉛、銅、マグネシウム、カルシウム等の塩、リノール酸の亜鉛、カルシウム等の塩、リシノール酸の亜鉛、カルシウムなどの塩等の高級脂肪酸の金属塩が挙げられる。これら金属石鹸の添加量は、トナーに対して0.01〜5質量%程度が好ましい。
尚、金属石鹸は前記した離型剤等のようにトナー粒子中に添加される場合もあり、本発明はそれを削除するものではない。
〔金属酸化物・金属石鹸の添加〕
金属酸化物・金属石鹸のトナーへの外添加方法としては、タービュラーミキサー、ヘンシェルミキサー、ナウターミキサー、V型混合機などの種々の公知の混合装置を使用することができる。
〔中間転写体〕
中間転写体は、感光体から1次転写された中間転写体上のトナーを転写材へ2次転写した後、中間転写体上に転写されずに残った転写残トナーをクリーニング部材(例えば、クリーニングブレードやファーブラシ)によりクリーニングされる。中間転写体の表面が、クリーニング部材により中間転写体表面を傷つけることなく、転写残トナーが良好にクリーニングされると、多数枚プリントしてもクリーニング不良に伴うプリント画像汚れがなく、高品質のトナー画像を継続して得ることができる。
又、中間転写体は、その表面に低表面エネルギー層を設けることで、さらなる2次転写効率の向上や異物付着の抑制を図ることができる。
本発明の中間転写体は、以下の特性を有するものが好ましい。
1.樹脂基体の外周に、弾性層を設け、その上に表面層を設けた構造
2.表面層の層厚が、10〜500nm、好ましくは30〜300nm
3.中間転写体表面のナノインデンテーション法による測定したヤング率が、0.1〜5.0GPa、好ましくは0.1〜1.0GPa
4.中間転写体表面のナノインデンテーション法により測定したヤング率が弾性層のナノインデンテーション法により測定したヤング率より0.0〜2.0GPa大きい、好ましくは0.0〜1.0GPa大きい。
上記特性とすることで、多数枚プリントを行っても、高い転写特性が確保でき、文字画像の中抜けが無く、クリーニング部材により傷が付かず、高品質のトナー画像を得ることができる。
本発明の中間転写体は、樹脂基体の外周に弾性層を設け、その上に表面層を設けたものがよい。尚、表面層は、1層以上の硬質層、又は1層以上の硬質層と低表面エネルギー層で構成される。
(樹脂基体)
樹脂基体は、クリーニング部材であるクリーニングブレードから中間転写体に加わる負荷で中間転写体が変形することを回避し、転写部への影響を低減させる剛性を有するものである。樹脂基体は、ナノインデンテーション法により測定したヤング率が5.0〜15.0GPaの範囲内の材料を用いて形成することが好ましく、8.0〜15.0GPaの範囲内の材料がより好ましい。
この様な性能を発現する材料として、例えば、ポリカーボネート、ポリフェニレンサルファイド、ポリフッ化ビニリデン、ポリイミド、ポリエーテル、エーテルケトン等の樹脂材料が挙げられ、これらの中ではポリイミド、ポリカーボネート、ポリフェニレンサルファイドが好ましい。これらの樹脂材料のナノインデンテーション法により測定したヤング率は5.0GPaを超えるものであり、厚み50〜200μmで、樹脂基体としての機械特性を満足する。
本発明に係る樹脂基体は、樹脂材料に導電性物質を添加して、電気抵抗値(体積抵抗率)を10〜1011Ω・cmに調製したシームレスベルトやドラムが好ましい。
樹脂材料に添加する導電性物質としては、カーボンブラックを使用することができる。カーボンブラックとしては、中性又は酸性カーボンブラックを使用することができる。導電性物質の使用量は、使用する導電性物質の種類によっても異なるが中間転写体の体積抵抗値及び表面抵抗値が所定の範囲になるように添加すれば良く、通常、樹脂材料100質量部に対して10〜20質量部、好ましくは10〜16質量部である。
(弾性層)
本発明に係る弾性層は、クロロプレンゴム、ニトリルゴム、スチレン−ブタジエンゴム、シリコーンゴム、ウレタンゴムのうち少なくとも1つから形成することができる。
又、弾性層は、前述の樹脂材料と弾性材料とをブレンドした材料を用いて形成した層でもよい。弾性材料としては、例えば、ポリウレタン、塩素化ポリイソプレン、ニトリルゴム、クロロプレンゴム、エチレン−プロピレン−ジエンゴム、水素添加ポリブタジエン、ブチルゴム、シリコーンゴム等が挙げられる。これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
弾性層のナノインデンテーション法で測定したヤング率は、0.1〜2.0GPaが好ましく、0.1〜1.0GPaがより好ましい。
弾性層の膜厚は、100〜500μmが好ましい。
本発明に係る弾性層は、弾性材料に導電性物質を分散させて、電気抵抗値(体積抵抗率)を10〜1011Ω・cmに調製した層が好ましい。
弾性層に添加する導電性物質としては、カーボンブラック、酸化亜鉛、酸化スズ、炭化ケイ素等を使用することができる。カーボンブラックとしては、中性又は酸性カーボンブラックを使用することができる。導電性物質の使用量は、使用する導電性物質の種類によっても異なるが弾性層の体積抵抗値及び表面抵抗値が所定の範囲になるように添加すれば良く、通常、弾性材料100質量部に対して10〜20質量部、好ましくは10〜16質量部である。
(表面層)
表面層は、硬質層、又は硬質層と低表面エネルギー層で構成される。
表面層を積層した中間転写体表面のナノインデンテーション法により測定したヤング率は、0.1〜5.0GPa、好ましくは0.1〜2.0GPa、より好ましくは0.1〜1.0GPaである。
(硬質層)
本発明に係る硬質層は、金属酸化物膜、ケイ素膜、或いは炭素膜であることが好ましい。具体的には、酸化ケイ素、酸化窒化ケイ素、窒化ケイ素、酸化チタン、酸化窒化チタン、窒化チタン又は酸化アルミニウム等の金属酸化物膜が挙げられ、これらの中では酸化ケイ素膜が好ましい。又、それらの混合物からなる無機化合物も好ましい。
本発明における硬質層は1層以上あれば良い。硬質層の層は、弾性層直上から、弾性層から最も離れた硬質層の表面に向かって、徐々に硬度が高くなる、或いは徐々に密度が高くなるような構造としても良い。
硬質層の膜厚は、10〜500nm、好ましくは20〜400nm、より好ましくは30〜300nmである。
膜厚は、「MXP21(マックサイエンス社製)」を用いて測定して得られた値である。具体的な膜厚の測定は、以下の方法で行うことができる。
X線源のターゲットには銅を用い、42kV、500mAで作動させる。インシデントモノクロメータには多層膜パラボラミラーを用いる。入射スリットは0.05mm×5mm、受光スリットは0.03mm×20mmを用いる。2θ/θスキャン方式で0から5°をステップ幅0.005°、1ステップ10秒のFT法にて測定を行う。得られた反射率曲線に対し、マックサイエンス社製Reflectivity Analysis Program Ver.1を用いてカーブのフィッティングを行い、実測値とフィッティングカーブの残差平方和が最小になるように各パラメータを求める。各パラメータから積層膜の膜厚を求める。
硬質層の膜厚が10nm未満であると耐久性や表面強度が不足するため、厚紙への転写などにより擦り傷が発生し、最終的には薄膜が不均一に摩耗し転写率の低下や転写ムラが発生しやすくなる。1000nmを越えると密着性や屈曲耐性が不足するため多数枚使用において、割れや剥離が生じ易くなる上、成膜に必要な時間も増加するため生産上の観点からも好ましくない。
(低表面エネルギー層)
本発明に係る低表面エネルギー層は、フッ素又はケイ素を含有する層である。低表面エネルギー層の膜厚は、1〜10nmが好ましい。表面エネルギー層の形成方法は特に限定されないが、フッ素又はケイ素を含有する塗布液を硬質層の上に塗布して形成することができる。
次に、本発明の中間転写体を用いた画像形成方法、画像形成装置について説明する。
〔画像形成方法、画像形成装置〕
本発明の中間転写体は、電子写真方式の複写機、プリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置に好適に用いられる。画像形成方法は、感光体の表面に担持されたトナー像をその表面に1次転写し、転写されたトナー像を保持し、保持したトナー像を記録紙等の転写材の表面に中間転写体を用いて2次転写するものであれば良い。中間転写体は、ベルト状のものでも、ドラム状のものでもでも良い。
本発明の中間転写体を有する画像形成装置について、タンデム型フルカラー複写機を例に取り説明する。
図1は、カラー画像形成装置の1例を示す断面構成図である。
このカラー画像形成装置1は、タンデム型フルカラー複写機と称せられるもので、自動原稿送り装置13と、原稿画像読み取り装置14と、複数の露光手段13Y、13M、13C、13Kと、複数組の画像形成部10Y、10M、10C、10Kと、中間転写体ユニット17と、給紙手段15及び定着手段124とから成る。
画像形成装置の本体12の上部には、自動原稿送り装置13と原稿画像読み取り装置14が配置されており、自動原稿送り装置13により搬送される原稿dの画像が原稿画像読み取り装置14の光学系により反射・結像され、ラインイメージセンサCCDにより読み込まれる。
ラインイメージセンサCCDにより読み取られた原稿画像を光電変換されたアナログ信号は、図示しない画像処理部において、アナログ処理、A/D変換、シェーディング補正、画像圧縮処理等を行った後、露光手段13Y、13M、13C、13Kに各色毎のデジタル画像データとして送られ、露光手段13Y、13M、13C、13Kにより対応する第1の像担持体としてのドラム状の感光体(以下感光体とも記す)11Y、11M、11C、11Kに各色の画像データの潜像を形成する。
画像形成部10Y、10M、10C、10Kは、垂直方向に縦列配置されており、感光体11Y、11M、11C、11Kの図示左側方にローラ171、172、173、174を巻回して回動可能に張架された半導電性でシームレスベルト状の第2の像担持体である本発明の中間転写体(以下中間転写ベルトと記す)170が配置されている。
そして、本発明の中間転写ベルト170は図示しない駆動装置により回転駆動されるローラ171を介し矢印方向に駆動されている。
イエロー色の画像を形成する画像形成部10Yは、感光体11Yの周囲に配置された帯電手段12Y、露光手段13Y、現像手段14Y、1次転写手段としての1次転写ローラ15Y、クリーニング手段16Yを有する。
マゼンタ色の画像を形成する画像形成部10Mは、感光体11M、帯電手段12M、露光手段13M、現像手段14M、1次転写手段としての1次転写ローラ15M、クリーニング手段16Mを有する。
シアン色の画像を形成する画像形成部10Cは、感光体11C、帯電手段12C、露光手段13C、現像手段14C、1次転写手段としての1次転写ローラ15C、クリーニング手段16Cを有する。
黒色画像を形成する画像形成部10Kは、感光体11K、帯電手段12K、露光手段13K、現像手段14K、1次転写手段としての1次転写ローラ15K、クリーニング手段16Kを有する。
トナー補給手段141Y、141M、141C、141Kは、現像装置14Y、14M、14C、14Kにそれぞれ新規トナーを補給する。
ここで、1次転写ローラ15Y、15M、15C、15Kは、図示しない制御手段により画像の種類に応じて選択的に作動され、それぞれ対応する感光体11Y、11M、11C、11Kに中間転写ベルト170を押圧し、感光体上の画像を転写する。
この様にして、画像形成部10Y、10M、10C、10Kにより感光体11Y、11M、11C、11K上に形成された各色の画像は、1次転写ローラ15Y、15M、15C、15Kにより、回動する中間転写ベルト170上に逐次転写されて、合成されたカラー画像が形成される。
即ち、中間転写ベルトは感光体の表面に担持されたトナー画像をその表面に1次転写され、転写されたトナー画像を保持する。
又、給紙カセット151内に収容された記録媒体としての転写材Pは、給紙手段15により給紙され、次いで複数の中間ローラ122A、122B、122C、122D、レジストローラ123を経て、2次転写手段としての2次転写ローラ117まで搬送され、2次転写ローラ117により中間転写体上の合成されたトナー画像が転写材P上に一括転写される。
即ち、中間転写体上に保持したトナー画像を被転写物の表面に2次転写する。
ここで、2次転写手段6は、ここを転写材Pが通過して2次転写を行う時にのみ、転写材Pを中間転写ベルト170に圧接させる。
カラー画像が転写された転写材Pは、定着装置124により定着処理され、排紙ローラ125に挟持されて機外の排紙トレイ126上に載置される。
一方、2次転写ローラ117により転写材Pにカラー画像を転写した後、転写材Pを曲率分離した中間転写ベルト170は、クリーニング手段8により残留トナーが除去される。
ここで、中間転写体は前述したような回転するドラム状のものに置き換えても良い。
次に、中間転写ベルト170に接する1次転写手段としての1次転写ローラ15Y、15M、15C、15K、と、2次転写ローラ117の構成について説明する。
1次転写ローラ15Y、15M、15C、15Kは、例えば外径8mmのステンレス等の導電性芯金の周面に、ポリウレタン、EPDM、シリコーン等のゴム材料に、カーボン等の導電性物質を分散させたり、イオン性の導電材料を含有させたりして、体積抵抗が10〜10Ω・cm程度のソリッド状態又は発泡スポンジ状態で、厚さが5mm、ゴム硬度が20〜70°程度(アスカー硬度C)の半導電弾性ゴムを被覆して形成される。
2次転写ローラ117は、例えば外径8mmのステンレス等の導電性芯金の周面に、ポリウレタン、EPDM、シリコーン等のゴム材料に、カーボン等の導電性物質を分散させたり、イオン性の導電材料を含有させたりして、体積抵抗が10〜10Ω・cm程度のソリッド状態又は発泡スポンジ状態で、厚さが5mm、ゴム硬度が20〜70°程度(アスカー硬度C)の半導電弾性ゴムを被覆して形成される。
〔転写材〕
本発明に用いられる転写材としては、トナー画像を保持する支持体で、通常画像支持体、転写材或いは転写紙といわれるものである。具体的には薄紙から厚紙までの普通紙、アート紙やコート紙等の塗工された印刷用紙、市販されている和紙やはがき用紙、OHP用のプラスチックフィルム、布等の各種転写材を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
次に、本発明の代表的な実施態様を示し、本発明の構成と効果につき更に説明する。
尚、特に断りがない限り、文中の「部」は質量部を表し、「%」は質量%を表す。
〔着色粒子の作製〕
(コア用樹脂粒子の調製)
《コア用樹脂粒子1の調製》
(1)第1段重合
撹拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入装置を取り付けた反応容器において、スチレン110.9質量部、n−ブチルアクリレート52.8質量部、メタクリル酸12.3質量部の混合液に離型剤としてパラフィンワックス「HNP−57」(日本精鑞社製)を93.8質量部添加し、80℃に加温し溶解した。
一方、ポリオキシエチレン(2)ドデシルエーテル硫酸ナトリウム2.9質量部をイオン交換水1340質量部に溶解させた界面活性剤溶液を調製した。
この界面活性剤溶液を80℃に加熱した後、循環経路を有する機械式分散「クレアミックス」(エムテクニック社製)により、上記重合性単量体溶液を2時間混合分散させ、分散粒子(245nm)を有する乳化粒子を含む乳化液を調製した。
次いで、イオン交換水1460質量部を添加した後、重合開始剤(過硫酸カリウム)6質量部をイオン交換水142質量部に溶解させた開始剤溶液と、n−オクチルメルカプタン1.8質量部とを添加し、温度を80℃とした後、この系を80℃にて3時間にわたり加熱、撹拌することによって重合(第1段重合)を行い、樹脂粒子を調製した。これを「樹脂粒子C1」とする。
(2)第2段重合(外層の形成)
上記のようにして得られた「樹脂粒子C1」に、過硫酸カリウム5.1質量部をイオン交換水197質量部に溶解させた開始剤溶液を添加し、80℃の温度条件下にスチレン282.2質量部、n−ブチルアクリレート134.4質量部、メタクリル酸31.4質量部、n−オクチルメルカプタン4.93質量部からなる単量体混合液を1時間かけて滴下した。滴下終了後、2時間にわたり加熱撹拌することにより第2段重合(外層の形成)を行った後、28℃まで冷却し、「コア用樹脂粒子1」を得た。
尚、コア用樹脂粒子1の重量平均分子量は21,300であった。「コア用樹脂粒子1」を構成する複合樹脂粒子の質量平均粒径は180nmであった。又、この樹脂粒子のTgは39℃であった。
(シェル用樹脂粒子の調製)
撹拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入装置を付けた反応容器にポリオキシエチレン(2)ドデシルエーテル硫酸ナトリウム2.0質量部をイオン交換水3000質量部に溶解させた界面活性剤溶液を仕込み、窒素気流下230rpmの撹拌速度で撹拌しながら、内温を80℃に昇温させた。
この界面活性剤溶液に、重合開始剤(過硫酸カリウム:KPS)10質量部をイオン交換水200質量部に溶解させた開始剤溶液を添加し、スチレンを528質量部、n−ブチルアクリレートを176質量部、メタクリル酸を120質量部、n−オクチルメルカプタンを22質量部からなる単量体混合液を3時間かけて滴下し、この系を80℃にて1時間にわたり加熱、撹拌することによって重合を行い樹脂粒子を調製した。これを「シェル用樹脂粒子」とする。
尚、シェル用樹脂粒子の重量平均分子量は12,000、質量平均粒径は120nm、Tgは53℃であった。
〔着色剤分散液の作製〕
着色剤「リーガル330R」(キャボット社製)420質量部を用いて着色剤粒子の分散液を調製した。これを、「着色剤分散液C1」とする。この着色剤分散液中の着色剤粒子の平均分散径を動的光散乱式粒度分析計「マイクロトラックUPA150」(日機装(株)製)を用いて測定したところ、150nmであった。
〔着色粒子の作製〕
(着色粒子1の作製)
《コア部の形成》
420.7質量部(固形分換算)の「コア用樹脂粒子1」とイオン交換水900質量部と「着色剤粒子分散液C1」200質量部とを、温度センサー、冷却管、窒素導入装置、撹拌装置を取り付けた反応容器に入れて撹拌した。容器内の温度を30℃に調製した後、この溶液に5モル/Lの水酸化ナトリウム水溶液を加えてpHを9に調整した。
次いで、塩化マグネシウム・6水和物2質量部をイオン交換水1000質量部に溶解した水溶液を、撹拌下、30℃にて10分間かけて添加した。3分間放置した後に昇温を開始し、この系を60分間かけて65℃まで昇温した。その状態で「コールターマルチサイザー3」(コールター社製)にて会合粒子の粒径を測定し、粒子の体積基準におけるメディアン系(D50)が5.5μmになった時点で、塩化ナトリウム40.2質量部をイオン交換水1000質量部に溶解した水溶液を添加して粒径成長を停止させ、更に熟成処理として液温度70℃にて1時間にわたり加熱撹拌することにより融着を継続させ、「コア部1」を形成した。
「コア部1」の円形度を「FPIA2100」(システックス社製)にて測定したところ0.930であった。
《シェル層の形成(シェリング操作)》
次いで、65℃において「シェル用樹脂粒子」を50質量部(固形分換算)添加し、更に塩化マグネシウム・6水和物2質量部をイオン交換水1000質量部に溶解した水溶液を、10分間かけて添加した後、70℃(シェル化温度)まで昇温し、1時間にわたり撹拌を継続し、「コア部1」の表面に「シェル用樹脂粒子」の粒子を融着させた後、75℃で20分熟成処理を行い、シェル層を形成した。
ここで、塩化ナトリウム40.2質量部を加え、8℃/分の条件で30℃まで冷却し、「トナー母体粒子を含有する水溶液」を得た。
《洗浄、乾燥工程》
トナー母体粒子を含有する水溶液をバスケット型遠心分離機「MARKIII 型式番号60×40」(松本機械社製)で固液分離し、トナー母体粒子のウェットケーキを形成した。該ウェットケーキを、前記バスケット型遠心分離機で濾液の電気伝導度が5μS/cmになるまで水洗浄し、その後「フラッシュジェットドライヤー」(セイシン企業社製)に移し、水分量が0.5質量%となるまで乾燥して「着色粒子1」を作製した。着色粒子1は、コア・シェル構造を有する体積基準におけるメディアン径(D50)が6.5μm、Tgが39.5℃の粒子であった。
〔現像剤の作製〕
重合法により作製したトナー母体に対して、表1記載の金属酸化物、金属石鹸を投入しヘンシェルミキサーにより撹拌してトナー1〜7を作製した。金属酸化物及び金属石鹸の添加量はトナー母体に対する質量%を表す。
Figure 0005125709
大径シリカ:NAX50(日本アエロジル社製)
小径シリカ:R805 (日本アエロジル社製)
チタニア :STT30S(チタン工業社製)
〔感光体の作製〕
(感光体1の作製)
下記の様に感光体1を作製した。
まず、φ30の円筒状アルミニウム基体(切削加工によりJISB0601規定の十点平均表面粗さRz=0.81μmに加工済み)を準備した。
〈中間層の形成〉
バインダー樹脂(下記化合物N−1) 1部
エタノール/n−プロピルアルコール/THF(45:20:35体積比) 20部
を混合し攪拌溶解後、
酸化チタン(疎水化表面処理を行った数平均粒径35nmの酸化チタン) 4.2部
を混合し、該混合液をビーズミルで分散し中間層塗布液を作製した。この塗布液を濾過した後、前記円筒状アルミニウム基体上に浸漬塗布法で塗布し、乾燥膜厚およそ2μmの中間層を形成した。
Figure 0005125709
〈電荷発生層の形成〉
チタニルフタロシアニン顔料(Cu−Kα特性X線回折スペクトル測定で、少なくともブラッグ角2θ=27.3°の位置に最大回折ピークを有するチタニルフタロシアニン顔料) 20部
ポリビニルブチラール(BX−1、積水化学(株)製) 10部
メチルエチルケトン 700部
シクロヘキサノン 300部
を混合し、サンドミルを用いて10時間分散し、電荷発生層塗布液を調製した。この塗布液を前記中間層の上に浸漬塗布法で塗布し、乾燥膜厚0.3μmの電荷発生層を形成した。
〈電荷輸送層の形成〉
下記成分を混合し、溶解して電荷輸送層塗布液を調製した。この塗布液を前記電荷発生層の上に浸漬塗布法で塗布し、120℃で70分乾燥後して乾燥膜厚20μmの電荷輸送層を形成した。
電荷輸送物質(下記化合物B) 50部
ポリカーボネート樹脂「ユーピロン−Z300」(三菱ガス化学社製) 100部
酸化防止剤 2,6−ジターシャリブチル4−メチルフェノール 8部
テトラヒドロフラン/トルエン(体積比8/2) 750部
Figure 0005125709
〈保護層の形成〉
下記硬化性材料(1) 1.0部
を、
1−プロパノール 5.1部
メチルイソブチルケトン 2.4部
の混合溶媒に溶解した。さらに、
フッ素樹脂微粒子(平均粒径300nm) 0.6部
アルミナ粒子1(メチルハイドロジェンポリシロキサンで表面処理された数平均粒径:50nmのアルミナ粒子) 0.6部
を加え、超音波ホモジナイザーで15分間分散して硬化性材料とフッ素樹脂微粒子、アルミナ粒子を含有する分散液を得た。同分散液に
ラジカル硬化開始剤(化合物D) 0.05部
を加え保護層塗布液を調製した。
Figure 0005125709
硬化性材料(1):下記(イ)と(ロ)の質量比3/7の混合物
(イ)例示化合物(30) ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート(分子量466.5、4官能、商品名アロニックスM−408、東亞合成化学工業社製)
(ロ)例示化合物(39)(分子量450、2官能、商品名Ebecryl E−4858、ダイセルサイテック社製)
上記保護層塗布液を前記の感光層上に円形スライドホッパー法で塗布した。塗布後10分間室温乾燥した後、2kWの高圧水銀灯から100mm離れた位置に感光ドラムを位置し回転させながら3分間光照射し保護層を反応させて硬化した。光硬化後に120℃で30分間の加熱乾燥を行い、2μmの保護層を設置した電子写真感光体を作製し、感光体1とした。
(感光体2作製)
硬化性材料を下記(2)にして、アルミナ粒子1:0.6部を、アルミナ粒子2:0.8部とした以外は感光体1の作製と同様にして感光体2を作製した。
硬化性材料(2):
例示化合物(7) ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(分子量547、6官能、商品名KAYARAD DPHA、日本化薬社製)
(感光体3の作製)
アルミナ粒子1:0.6部を、アルミナ粒子3:0.4部とした以外は感光体1の作製と同様にして感光体3を作製した。
(感光体4の作製)
硬化性材料を下記(3)にした以外は感光体1に作製と同様にして感光体4を作製した。
硬化性材料(3):
例示化合物(31) ペンタエリスリトールテトラアクリレート(分子量352.3、4官能、商品名アロニックスM−450、東亞合成化学工業社製)
(感光体5の作製)
アルミナ粒子1を0.8部とした以外は感光体1の作製と同様にして感光体5を作製した。
(感光体6の作製)
硬化性材料を下記(4)にした以外は感光体1に作製と同様にして感光体6を作製した。
硬化性材料(4):
ウレタントリアクリレート(分子量1500、3官能、商品名Ebecryl 9260、ダイセルサイテック社製)
(感光体7の作製)
硬化性材料を下記(5)にした以外は感光体1に作製と同様にして感光体7を作製した。
硬化性材料(5):
ウレタンジアクリレート(分子量5000、2官能、商品名Ebecryl 230、ダイセルサイテック社製)
(比較用感光体1作製)
感光体1の作製において、電荷輸送層の形成までは同様にして中間層、電荷発生層、電荷輸送層の積層感光体を形成した。
次いで、下記成分を混合し、溶解して保護層塗布液を調製した。この塗布液を前記電荷輸送層上に円形スライドホッパー法で塗布し、120℃で70分乾燥後して乾燥膜厚5μmの保護層を形成した。
電荷輸送物質(化合物B) 20部
ポリカーボネート樹脂「ユーピロン−Z300」(三菱ガス化学社製) 30部
酸化防止剤 2,6−ジターシャリブチル4−メチルフェノール 8部
アルミナ粒子1 6部
テトラヒドロフラン/トルエン(体積比8/2) 750部
この感光体を比較感光体1とした。
(比較感光体2の作製)
感光体1の作製において、アルミナ粒子1を添加しない以外は同様にして感光体を作製し、この感光体を比較感光体2とした。
(比較感光体3に作製)
感光体1の作製において、アルミナ粒子1の代わりにアンチモン酸亜鉛(CX−Z210IP 粒径15nm)を用いた以外は同様にして感光体を作製し、この感光体を比較感光体3とした。
(比較感光体4の作製)
感光体1の作製において、アルミナ粒子1の代わりにアンチモンドープ酸化スズ微粒子(T−1、三菱マテリアル社製)を用いた以外は同様にして感光体を作製し、この感光体を比較感光体4とした。
表2に感光体サンプルの構成を示した。なお、金属酸化物粒子の添加量は、比較感光体1についてはポリカーボネート樹脂に対する質量%、それ以外は、硬化性化合物に対する質量%を表す。
Figure 0005125709
表2中、
アルミナ粒子1は、メチルハイドロジェンポリシロキサンで表面処理された数平均粒径:50nmのアルミナ粒子
アルミナ粒子2は、ヘキサメチルジシラザンで表面処理された数平均粒径:10nmのアルミナ粒子
アルミナ粒子3は、トリメチルメトキシシランで表面処理された数平均粒径:100nmのアルミナ粒子
〔性能評価〕
常温常湿環境下(20℃、50%RH)において、コニカミノルタビジネステクノロジーズ社製bizhub C−351のトナー、感光体を作製したトナー1〜8、感光体1〜7、比較感光体1〜4を表3に示すとおりに入れ替えて5000枚の連続実写後に以下の項目を評価した。
評価項目は、「中抜け」「彗星状欠陥」「感光体傷」であり、いずれも下記基準でおこなった。
◎:全く認められず
○:認められるが、実用上問題なし
△:認められるが、何とか実用化可能
×:実用上問題あり
Figure 0005125709
表3に示された結果から明らかな如く、本発明内の実施例は何れの特性も良好であるが、本発明外の比較例は少なくとも何れかの特性に問題があることがわかる。
本発明の中間転写体が使用可能な画像形成装置の一例を示す断面構成図。
符号の説明
1 カラー画像形成装置
10Y、10M、10C、10K 画像形成部
11Y、11M、11C、11K ドラム状の感光体(感光体とも記す)
13Y、13M、13C、13K 露光手段
17 中間転写体ユニット
170 中間転写体(中間転写ベルト)

Claims (4)

  1. 導電性支持体上に少なくとも感光層及び保護層をこの順に積層した電子写真感光体上に現像されたトナーを中間転写体に転写する工程を有する画像形成方法において、前記トナーが少なくとも金属酸化物と金属石鹸を外添してなるトナーであり、且つ、前記保護層が少なくともアクリロイル基またはメタクリロイル基を有する光硬化型アクリル系化合物を反応させて得られる樹脂成分、及び、メチルハイドロジェンポリシロキサンまたは反応性有機ケイ素化合物で表面処理されたアルミナ粒子を含有することを特徴とする画像形成方法。
  2. 前記光硬化型アクリル系化合物のアクリロイル基またはメタクリロイル基の数が3以上であることを特徴とする請求項1記載の画像形成方法。
  3. 前記光硬化型アクリル系化合物の硬化性反応基当量が1000以下であることを特徴とする請求項1又は2記載の画像形成方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項記載の画像形成方法により、画像形成することを特徴とする画像形成装置。
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