JP2021189207A - 電子写真感光体、電子写真画像形成方法及び電子写真画像形成装置 - Google Patents

電子写真感光体、電子写真画像形成方法及び電子写真画像形成装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2021189207A
JP2021189207A JP2020090992A JP2020090992A JP2021189207A JP 2021189207 A JP2021189207 A JP 2021189207A JP 2020090992 A JP2020090992 A JP 2020090992A JP 2020090992 A JP2020090992 A JP 2020090992A JP 2021189207 A JP2021189207 A JP 2021189207A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
resin particles
hardness
organic resin
particles
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2020090992A
Other languages
English (en)
Inventor
弘毅 ▲高▼尾
Hiroki Takao
真優子 松▲崎▼
Mayuko Matsuzaki
和裕 倉持
Kazuhiro Kuramochi
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Konica Minolta Inc
Original Assignee
Konica Minolta Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Konica Minolta Inc filed Critical Konica Minolta Inc
Priority to JP2020090992A priority Critical patent/JP2021189207A/ja
Publication of JP2021189207A publication Critical patent/JP2021189207A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Photoreceptors In Electrophotography (AREA)

Abstract

【課題】本発明の課題は、耐摩耗性や耐傷性等の機械的強度に優れ、良好なクリーニング性を長期にわたって維持することのできる電子写真感光体、電子写真画像形成方法及び電子写真画像形成装置を提供することである。【解決手段】有機樹脂粒子を含有した最表層の有機樹脂粒子10%変位硬度/最表層硬度の比率を一定範囲内に収めることを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、電子写真感光体、電子写真画像形成方法及び電子写真画像形成装置に関する。
より詳しくは、耐摩耗性や耐傷性等の機械的強度に優れ、良好なクリーニング性を長期にわたって維持することのできる電子写真感光体、電子写真画像形成方法及び電子写真画像形成装置に関する。
近年、電子写真方式の複写機やプリンターなどによる画像形成には、より一層の高耐久化及び高画質化が望まれている。
特に、高耐久化に関しては、持続可能な社会の実現に貢献するためにも要求が高まっており、感光体の耐久寿命を決定する最大の要素である耐摩耗性や耐傷性等の機械的強度は特に重要となる。
一方、高画質化に関しても、長期にわたり高画質を維持できることが必要となっており、画質に影響を及ぼす良好なクリーニング性を維持することも重要である。
そこで、感光体の長寿命化に繋がる耐摩耗性や耐傷性を向上させるとともに、感光体のクリーニング性も向上させるために、硬化型の表面層に有機樹脂粒子を含有させることが知られている。
例えば特許文献1では、感光体の表面層を、硬化樹脂中に、メラミンやベンゾグアナミンなどを重合成分とする樹脂からなる有機樹脂微粒子及び金属酸化物微粒子を含有させることが開示されている。
また、特許文献2では、感光体の表面層に、金属酸化物粒子と架橋性の重合性化合物を重合して得られた樹脂を含有したバインダー樹脂と、スチレン−アクリル樹脂、ポリスチレン又はシリコーンのような樹脂等からなる有機樹脂粒子とを含有させることが開示されている。
さらに、特許文献3では、表面層にアクリル樹脂及びメラミン樹脂などの有機樹脂粒子と、炭素数7以上の一価の炭化水素基及び重合性官能基を同一分子内に有する化合物と、重合性官能基を有する正孔輸送性化合物と、を含有させることが開示されている。
しかし、有機樹脂粒子(特にメラミン樹脂)とその他表面層樹脂部との硬度差が大きい場合、両者の減耗速度差によって有機樹脂粒子(特にメラミン樹脂)が離脱しやすくなり、クリーニング性を長期にわたって維持することができなくなるという問題があった。
特開2015−72425号公報 特開2014−219460号公報 特開2019−45862号公報
本発明は、上記問題・状況に鑑みてなされたものであり、その解決課題は、耐摩耗性や耐傷性等の機械的強度に優れ、良好なクリーニング性を長期にわたって維持することのできる電子写真感光体、電子写真画像形成方法及び電子写真画像形成装置を提供することである。
本発明者は、上記課題を解決すべく、上記問題の原因等について検討する過程において、有機樹脂粒子を含有した最表層の有機樹脂粒子10%変位硬度/最表層硬度の比率を一定範囲内に収めることによって、耐摩耗性や耐傷性等の機械的強度に優れ、良好なクリーニング性を長期にわたって維持できることを見いだし本発明に至った。
すなわち、本発明に係る上記課題は、以下の手段により解決される。
1.少なくとも感光層上に、硬化型の最表層を有する電子写真感光体であって、
前記最表層が少なくとも有機樹脂粒子を含有しており、かつ、
前記有機樹脂粒子の10%変位硬度と最表層硬度との比率(有機樹脂粒子の10%変位硬度/最表層硬度)が0.15〜0.55の範囲内である
ことを特徴とする電子写真感光体。
2.前記有機樹脂粒子の10%変位硬度が45〜80N/mmの範囲内であり、かつ、最表層硬度が150〜300N/mmの範囲内であることを特徴とする電子写真感光体。
3.前記最表層が、少なくとも重合性モノマーと、重合性基を有する導電性微粒子と、重合性基を有する電荷輸送物質とを含有する組成物で形成された硬化物であることを特徴とする第1項又は第2項に記載の電子写真感光体。
4.前記最表層硬度が、ラジカル捕捉剤により調整されていることを特徴とする第1項から第3項までのいずれか一項に記載の電子写真感光体。
5.第1項から第4項までのいずれか一項に記載の電子写真感光体を用いることを特徴とする電子写真画像形成方法。
6.第1項から第4項までのいずれか一項に記載の電子写真感光体を具備することを特徴とする電子写真画像形成装置。
本発明の上記手段により、耐摩耗性や耐傷性等の機械的強度に優れ、良好なクリーニング性を長期にわたって維持することのできる電子写真感光体、電子写真画像形成方法及び電子写真画像形成装置を提供することができる。
本発明の効果の発現機構又は作用機構については、明確にはなっていないが、以下のように推察している。
一般に感光体の最表層の硬度は150〜300N/mmの範囲内であることが多い。
最表層の硬度が大きすぎると減耗が極めて小さいため、画像印刷時の像流れが抑制できず、最表層の硬度が小さすぎると減耗が大きいため、感光体の長寿命化が達成できない。
ここで、有機樹脂粒子により最表層の表面形状に凹凸を付与することで、クリーニング性を改善させることは公知である。
しかし、有機樹脂粒子とその他樹脂部(樹脂やCTM等化合物含む。)との硬度差が大きい場合には両者の減耗速度差によって有機樹脂粒子が離脱・損耗しやすくなりクリーニング性の長期にわたる維持ができなくなることが問題となる。
一般に、トナーから遊離した外添剤は、クリーニングブレードからの鉛直方向の荷重を受けながらクリーニングブレードを通過する際に最表層を摩耗させる。
そのため、外添剤粒子の硬度が大きいほど外添剤粒子自身の摩耗が低減される。
また、最表層の硬度が大きくなるほど、最表層の摩耗度も低減され、結果としてその他樹脂部の摩耗も低減する。
以上、鋭意検討の結果、特に圧縮方向に対する強さとして、外添剤粒子自身の摩耗度(粒子の10%変位硬度)とその他樹脂部の摩耗度(有機樹脂粒子を除く最表層のユニバーサル硬度)の比率が0.15〜0.55の範囲内であることで、耐摩耗性や耐傷性等の機械的強度に優れ、良好なクリーニング性を長期にわたって維持できることを見いだし、本発明に至った。
本発明の電子写真感光体の構成の一例を示す断面図 本発明の電子写真感光体を備えるタンデム型の電子写真画像形成装置の全体構成の一例を示す模式図 感光体の評価方法を説明するための模式図(カバレッジ10%の縦帯状ベタ画像からなるテスト画像) 感光体の評価方法を説明するための模式図(カバレッジ40%の横帯状ベタ画像からなるテスト画像)
本発明の電子写真感光体は、少なくとも感光層上に、硬化型の最表層を有する電子写真感光体であって、前記最表層が少なくとも有機樹脂粒子を含有しており、かつ、前記有機樹脂粒子の10%変位硬度と最表層硬度との比率(有機樹脂粒子の10%変位硬度/最表層硬度)が0.15〜0.55の範囲内であることを特徴とする。
この特徴は、下記各実施形態に共通又は対応する技術的特徴である。
本発明の実施態様としては、前記有機樹脂粒子の10%変位硬度が45〜80N/mmの範囲内であり、かつ、最表層硬度が150〜300N/mmの範囲内であることが、画像印刷時の像流れを抑制し、感光体の長寿命化の達成の観点で好ましい。
また、前記最表層が、少なくとも重合性モノマーと、重合性基を有する導電性微粒子と、重合性基を有する電荷輸送物質とを含有する組成物で形成された硬化物であることが、反応性をより高め、効果発現の観点で好ましい。
前記最表層硬度が、ラジカル捕捉剤により調整されていることが、最表層の硬度を適切な範囲内に制御する観点で好ましい。
本発明の電子写真感光体は、電子写真画像形成方法に好適に用いられる。
また、本発明の電子写真感光体は、電子写真画像形成装置に好適に用いられる。
以下、本発明とその構成要素及び本発明を実施するための形態・態様について説明をする。なお、本願において、「〜」は、その前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用する。
<電子写真感光体>
本発明の電子写真感光体は、少なくとも感光層上に、硬化型の最表層を有する積層型電子写真感光体であって、前記最表層が少なくとも有機樹脂粒子を含有しており、かつ、前記有機樹脂粒子の10%変位硬度と最表層硬度との比率(有機樹脂粒子の10%変位硬度/最表層硬度)が0.15〜0.55の範囲内であることを特徴とする。
[電子写真感光体の基本構成]
図1は、本発明の電子写真感光体の構成の一例を示す断面図である。
図1(a)は、第1の構成の電子写真感光体101Aを示す断面図であり、導電性支持体102上に、中間層103を形成し、その上に、感光層104を設け、最表面に、本発明に係る最表層105が形成されている構成で、最表層105は、少なくとも有機樹脂粒子を含有しており、かつ、前記有機樹脂粒子の10%変位硬度と最表層硬度との比率(有機樹脂粒子の10%変位硬度/最表層硬度)が0.15〜0.55の範囲内である。
また、図1(b)は、第2の構成の電子写真感光体101Bを示す断面図であり、導電性支持体102上に、中間層103を形成し、その上に、電荷発生層106及び電荷輸送層107により構成されている感光層104が形成され、最表面に、本発明に係る最表層105が形成されている構成で、最表層105は、少なくとも有機樹脂粒子を含有しており、かつ、前記有機樹脂粒子の10%変位硬度と最表層硬度との比率(有機樹脂粒子の10%変位硬度/最表層硬度)が0.15〜0.55の範囲内である。
以下に、本発明の電子写真感光体の主要構成要素の詳細について説明する。
1.最表層
本発明に係る最表層は、少なくとも有機樹脂粒子を含有しており、かつ、前記有機樹脂粒子の10%変位硬度と最表層硬度との比率(有機樹脂粒子の10%変位硬度/最表層硬度)が0.15〜0.55の範囲内であることを特徴とする。
ここで、有機樹脂粒子の10%変位硬度とは、圧縮試験において、1粒子に負荷速度0.223mN/秒で試験力をかけた際に、変位量が粒子径の10%に達した時点の試験力である。
また、本発明に係る最表層の硬度とはユニバーサル硬度(N/mm)である。
前記有機樹脂粒子の10%変位硬度が45〜80N/mmの範囲内であり、かつ、最表層硬度が150〜300N/mmの範囲内であることが、画像印刷時の像流れを抑制し、感光体の長寿命化の達成の観点で好ましい。
また、前記最表層が、少なくとも重合性モノマーと、重合性基を有する導電性微粒子と、重合性基を有する電荷輸送物質とを含有する組成物で形成された硬化物であることが、反応性をより高め、効果発現の観点で好ましい。
前記最表層の硬度がラジカル捕捉剤により調製されていることが、最表層の硬度を適切な範囲内に制御する観点で好ましい。
(1.1)有機樹脂粒子
本発明に係る有機樹脂粒子の10%変位硬度は、最表層に含有される有機樹脂粒子の種類、数平均一次粒子径、表面修飾方法、形状、含有割合等によって制御することができる。
本発明に用いられる有機樹脂粒子としては、アミノ樹脂粒子(例えばメラミン樹脂粒子及びベンゾグアナミン樹脂粒子や、アセトグアナミン、グアナミン、CTUグアナミンから選択されるモノマーを含有、硬化させたメラミン粒子等)、フッ素樹脂粒子、シリコーン樹脂粒子、アクリル樹脂粒子、オレフィン系樹脂粒子(例えばポリスチレン樹脂粒子等)、フェノール樹脂、その他、異種混合樹脂粒子などが挙げられるが、本発明の効果発現の観点からはメラミン樹脂粒子が好ましい。
メラミン樹脂粒子は、少なくともメラミンに由来の構成単位を含む樹脂の粒子であり、具体的にはメラミンとホルムアルデヒドとの重縮合物や、メラミンと、ベンゾグアナミンと、ホルムアルデヒドとの共重縮合物等が挙げられる。
フッ素樹脂粒子としては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリ3フッ化エチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化ビニル、ポリフルオロアルキルビニルエーテル、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリヘキサフルオロプロピレン、ポリジフルオロジクロロエチレンまたはこれの共重合体等が挙げられる。
シリコーン樹脂粒子としては、オルガノポリシロキサン、例えばメチル水素ポリシロキサン、ジメチルポリシロキサン、メトキシポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、シクロヘキシルポリシロキサン等が挙げられる。
アクリル樹脂粒子としては、アクリル酸エステルあるいはメタクリル酸エステルの重合体、アクリル酸エステルあるいはメタクリル酸エステルとスチレンの共重合体等が挙げられ、架橋構造を有していてもよい。
ポリスチレン樹脂粒子としては、スチレンの重合体が挙げられ、架橋構造を有していてもよい。
ベンゾグアナミン樹脂粒子としては、ベンゾグアナミンとホルムアルデヒドとの重縮合物等が挙げられる。
オレフィン系樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリヘキセン等が挙げられる。
市販されている有機樹脂粒子の具体例としては、例えば、以下の化合物が挙げられる。
メラミン樹脂粒子:エポスターS、エポスターS6、エポスターS12、エポスターM30(以上、株式会社日本触媒社製)、オプトビーズ2000M、オプトビーズ3500M(以上、日産化学株式会社製)等。
フッ素樹脂粒子:KTL−1N(株式会社喜多村製)、ポリミストF5A(ソルベイスペシャルティポリマーズジャパン株式会社製)等。
シリコーン樹脂粒子:トスパールXC99−A8808、トスパール120(以上、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製)、KMP−605(信越化学工業株式会社製)等。
アクリル樹脂粒子:エポスターMA1002、エポスターMA1004、エポスターMA2003(以上、株式会社日本触媒社製)、FS102、FS201(以上、日本ペイント・インダストリアルコーティングス株式会社製)等。
ポリスチレン樹脂粒子:SX−130H、KSR−3A(以上、綜研化学株式会社製)等。
ベンゾグアナミン樹脂粒子:エポスターMS(株式会社日本触媒社製)等。
を挙げることができる。
(1.1.1)メラミン樹脂粒子
本発明に用いられる有機樹脂粒子としては、メラミン樹脂粒子が好ましい。
メラミン樹脂粒子を用いた場合、樹脂との相溶性の観点から、耐久時の粒子脱落を抑制することができるため、長期にわたり良好なクリーニング性を維持することが可能となる。
(1.1.2)有機樹脂粒子の数平均一次粒子径
本発明に用いられる有機樹脂粒子の数平均一次粒子径は、0.08〜3.00μmの範囲内である。
有機樹脂粒子の数平均一次粒子径は、0.20〜2.50μmの範囲内であることが好ましく、0.30〜1.50μmの範囲内であることがさらに好ましい。
有機樹脂粒子の数平均一次粒子径が0.20μm以上であれば、良好なクリーニング性を得ることができ、0.30μm以上であればさらに良好なクリーニング性を得ることが可能となる。
一方、有機樹脂粒子の数平均一次粒子径が2.50μm以下であれば、最表層の形成時に硬化阻害がより抑制され、1.50μm以下であれば硬化阻害がさらに抑制されるため、良好な耐傷性を得ることができる。
有機樹脂粒子の数平均一次粒子径は、以下の方法で測定される数平均一次粒子径と定義する。
まず、走査型電子顕微鏡(日本電子株式会社製)により、倍率30000倍で撮影された試料(有機樹脂粒子等)の拡大写真をスキャナーに取り込む。
次いで、得られた写真画像から、凝集した有機樹脂粒子を除く300個の有機樹脂粒子像を、ランダムに自動画像処理解析システム ルーゼックスAP ソフトウエアVer.1.32(株式会社ニレコ製)を使用して2値化処理して、当該有機樹脂粒子像のそれぞれの水平方向フェレ径を算出する。
そして、当該有機樹脂粒子像のそれぞれの水平方向フェレ径の平均値を算出して数平均一次粒子径とする。
ここで、水平方向フェレ径とは、上記有機樹脂粒子像を2値化処理したときの外接長方形の、x軸に平行な辺の長さをいう。
(1.1.3)有機樹脂粒子の表面修飾剤
本発明の有機樹脂粒子は、表面修飾剤で表面修飾処理してもよい。表面修飾処理は原料となる未処理の有機樹脂粒子に、表面修飾剤により表面修飾処理を施すことで可能となる。
表面修飾剤で表面修飾処理された有機樹脂粒子は、表面修飾剤由来の化学種(被覆層)及び有機樹脂粒子を含む表面被覆樹脂粒子となると考えられる。なお、表面修飾処理された有機樹脂粒子は、その表面上の少なくとも一部に表面修飾剤由来の化学種(被覆層)を有していればよい。
本発明において、有機樹脂粒子の表面修飾処理に適用する表面修飾剤としては、特に制限はなく、従来公知のものを用いることができる。表面修飾剤の具体例としては、例えば、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、フッ素系表面修飾剤、シリコーン鎖を有する表面修飾剤等が挙げられる。
表面修飾剤は、単独でも又は2種以上組み合わせても用いることができる。また、表面修飾剤は、合成品であってもよいし、市販品であってもよい。
(1.1.4)有機樹脂粒子の形状
上記有機樹脂粒子の形状は、特に制限されるものではなく、例えば、球状、断面楕円形状、針状、円盤状、不定形状などが挙げられる。クリーニング性向上の観点から、球状が好ましい。
(1.1.5)有機樹脂粒子の含有割合
有機樹脂粒子は、硬化樹脂100質量部に対して3〜50質量部の割合で含有されることが好ましく、より好ましくは3〜30質量部である。有機樹脂粒子の含有割合が上記範囲内であることにより、良好なクリーニング性を確保することができる。
(1.1.6)有機樹脂粒子部とその他樹脂部との判定方法
測定部が有機樹脂粒子部かその他樹脂部かは、後述する最表層硬度測定の際の押し込み試験後に、押し込み部をAFM(原子間力顕微鏡)やSEM(走査電子顕微鏡)等で表面観察を行うことで判定できる。
測定部が有機樹脂粒子部かその他樹脂部か判定が困難な場合は、最表層硬度測定の際に、有機樹脂粒子を除外した塗布層を作製し、その層の硬度を測定してもよい。
(1.2)最表層硬度
本発明に係る最表層の硬度(ユニバーサル硬度)は、後述する重合性モノマーや無機フィラー、酸化防止剤の量等によって制御することができる。
前記有機樹脂粒子の10%変位硬度が45〜80N/mmの範囲内であり、かつ、最表層硬度が150〜300N/mmの範囲内であることが、画像印刷時の像流れを抑制し、感光体の長寿命化の達成の観点で好ましい。
また、最表層硬度は170〜270N/mmの範囲内であることがより好ましく、180〜250N/mmの範囲内であることがさらに好ましい。
最表層硬度は、有機樹脂粒子に対し上記の範囲内にあることにより、減耗量を適切な範囲におさめることができ、像流れを抑制することができる。
本発明に係る最表層硬度は、押し込み試験、ナノインテンデーション等により測定することができる。
例えば「フィッシャースコープHM2000」により試験荷重下でダイヤモンド四角錐のビッカース圧子に荷重Fをかけて第1又は第2の電荷輸送層表面を押し込んだときの、押し込み深さh及び荷重Fから下記式(A)によりユニバーサル硬さ(HU[N/mm])として求めることができる。
測定条件は、ビッカース圧子(四角錐圧子、角度136°)、押し込み速度0.4mN/sec、押し込み加重2mN、保持時間5秒、測定環境20℃、50%RHとする。
式(A):HU(ユニバーサル硬さ)=F/(26.45×h
(1.2.1)重合性モノマー
本発明に係る重合性モノマーは、重合性基を有し、紫外線、可視光線、電子線等の活性線の照射により、又は加熱等のエネルギーの付加により、重合(硬化)して、一般に感光体のバインダー樹脂として用いられる樹脂となる化合物である。
重合性モノマーとしては、ラジカル重合反応を経て硬化するラジカル重合性モノマーであることが好ましい。
重合性モノマーとしては、例えば、スチレン系モノマー、アクリル系モノマー、メタクリル系モノマー、ビニルトルエン系モノマー、酢酸ビニル系モノマー、N−ビニルピロリドン系モノマー等が挙げられる。
バインダー樹脂としては、例えば、ポリスチレン、ポリアクリレート等が挙げられる。
重合性モノマーが有する重合性基は、炭素−炭素二重結合を有し、重合可能な基であることが好ましい。
重合性基は、少ない光量又は短い時間での硬化が可能であることから、アクリロイルオキシ基(CH=CHCOO−)又はメタクリロイルオキシ基(CH=C(CH)COO−)であることが特に好ましい。
重合性モノマーは、公知の方法で合成することができ、また市販品としても入手することができる。
(1.2.2)ラジカル捕捉剤
ラジカル捕捉剤としては、公知の化合物を用いることができ、例えば、フェノール系化合物(好ましくは、ヒンダードフェノール系化合物)、ヒンダードアミン系化合物、ジフェニルアミン系化合物、リン原子含有化合物(好ましくは、ホスファイト系化合物)、及び、硫黄原子含有化合物が挙げられる。
なお、ラジカル捕捉能を持つ官能基としては、上述したラジカル捕捉剤中のラジカル捕捉する基を意図し、例えば、フェノール性水酸基、窒素原子含有基(例えば、ニトロソアミン基、窒素原子含有複素環基(例:2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル基))、リン原子含有基(例えば、ホスファイト基(P−(O−*)3で表される基))、及び、硫黄原子含有基(例えば、スルフィド基、硫黄原子含複素環基)が挙げられる。
窒素原子含有複素環基は、窒素原子を含む環状の基であり、芳香族性であっても、非芳香族性であってもよい。窒素原子含有複素環基は、窒素原子以外の他のヘテロ原子を含んでいてもよい。硫黄原子含有複素環基は、硫黄原子を含む環状の基であり、芳香族性であっても、非芳香族性であってもよい。硫黄原子含有複素環基は、硫黄原子以外の他のヘテロ原子を含んでいてもよい。
フェノール系化合物としては、例えば、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、及び、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)が挙げられる。
ヒンダードアミン系化合物としては、1,2,2,6,6,−ペンタメチルピペリジニルメタクリレート、2,2,6,6,−テトラメチルピペリジニルメタクリレート、及び、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジン)セバケートが挙げられる。
ジフェニルアミン系化合物としては、ジフェニルアミン、p,p’−ジブチルジフェニルアミン、及び、p,p’−ジ−tert−ブチルジフェニルアミンが挙げられる。
硫黄原子含有化合物としては、例えば、フェノチアジン、ジラウリル−3,3’−チオジプロピオネート、及び、ジミリスチル−3,3’−チオジプロピオネートが挙げられる。
リン原子含有化合物としては、例えば、トリフェニルホスファイト、ジフェニルイソデシルホスファイト、フェニルジイソデシルホスファイト、及び、トリス(ノニルフェニル)ホスファイトが挙げられる。
また、ラジカル捕捉剤の市販品としては、例えば、スミライザーGM(住友化学工業株式会社製)、スミライザーGS(住友化学工業株式会社製)、IRGAFOS 168(BASFジャパン株式会社)、AO−412S(株式会社ADEKA製)、Q−1301(富士フイルム和光純薬株式会社)が挙げられる。
(1.2.3)無機フィラー
本発明の最表層は無機フィラーを含有してもよい。無機フィラーを含有する場合、適用可能な無機フィラーとしては、特に制限はないが、例えば、酸化マグネシウム、酸化鉛、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化タンタル、酸化インジウム、酸化ビスマス、酸化イットリウム、酸化コバルト、酸化銅、酸化マンガン、酸化セレン、酸化鉄、酸化ジルコニウム、酸化ゲルマニウム、二酸化チタン、酸化ニオブ、酸化モリブデン、酸化バナジウム、銅アルミ複合酸化物及びアンチモンをドープした酸化スズ等を挙げることができる。その中でも、酸化アルミニウム(Al)、酸化スズ(SnO)、二酸化チタン(TiO)、銅アルミ複合酸化物(CuAlO)が好ましい。
上記無機フィラーは、1種であってもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。また、無機フィラーは、合成品であってもよいし、市販品であってもよい。
また、本発明に係る無機フィラーにおいては、絶縁材料からなる芯材の表面に導電性金属酸化物が付着されてなる複合微粒子であってもよい。
すなわち、無機フィラーが、絶縁材料から構成される芯材(コア)の表面に、上述したような無機フィラーからなる外殻(シェル)を有する、コア・シェル構造の複合微粒子であってもよい。
(コア・シェル構造の複合粒子)
上記コア・シェル構造を有する複合粒子を構成する芯材(コア)の材料の例としては、硫酸バリウム、酸化アルミニウム及びシリカが挙げられる。
コア・シェル構造の複合微粒子の好ましい例としては、硫酸バリウムからなる芯材と、酸化スズからなる外殻と、を有する複合粒子が挙げられる。なお、芯材の数平均一次粒子径と、外殻の厚みとの比率は、使用する芯材及び外殻の種類、ならびにこれらの組み合わせに応じて、適宜設定すればよい。
(無機フィラーの数平均一次粒子径)
無機フィラーの数平均一次粒子径は、10〜200nmの範囲内であることが好ましい。無機フィラーの数平均一次粒子径が10nm以上であれば、十分な耐傷性を得ることができる。
一方、無機フィラーの数平均一次粒子径が200nm以下であれば、最表層の形成時に無機フィラーを溶剤に分散させる際に、分散液中で無機フィラーの沈降が生じることなく、安定して感光体を製造することができる。
また、有機樹脂粒子のクリーニング性向上効果は、有機樹脂粒子とトナーが接触する際に発揮されるため、無機フィラーの数平均一次粒子径は、有機樹脂粒子よりも小さいことが好ましい。
無機フィラーが凝集する場合は、二次粒径が有機樹脂粒子よりも小さいことが好ましい。無機フィラーが凝集する場合は、通常一次粒子が2〜3個凝集すると考えられるため、二次粒径としては最大で数平均一次粒子径の2.5倍程度を考えればよい。
例えば、数平均一次粒子径が20nmの無機フィラーの場合、二次粒径としては最大で50nm程度を考えればよい。
無機フィラーの数平均一次粒子径は、以下の方法で測定される数平均一次粒子径と定義する。
まず、走査型電子顕微鏡(日本電子株式会社製)により撮影された試料(無機フィラー等)の30000倍の拡大写真を撮影する。
具体的には、走査型電子顕微鏡(日本電子株式会社製)により、倍率30000倍で撮影された試料(無機フィラー等)の拡大写真をスキャナーに取り込む。
次いで、得られた写真画像から、凝集した無機フィラーを除く300個の無機フィラー像を、ランダムに自動画像処理解析システム ルーゼックスAP ソフトウエアVer.1.32(株式会社ニレコ製)を使用して2値化処理して、当該無機フィラー像のそれぞれの水平方向フェレ径を算出する。
そして、当該無機フィラー像のそれぞれの水平方向フェレ径の平均値を算出して数平均一次粒子径とする。
ここで、水平方向フェレ径とは、上記無機フィラー像を2値化処理したときの外接長方形の、x軸に平行な辺の長さをいう。
また、上記無機フィラーの数平均一次粒子径の測定は、表面修飾剤由来の化学種(被覆層)を含まない無機フィラーについて、行うものとする。
無機フィラーは、表面修飾処理を施しても、無機フィラーに対して誤差範囲の厚さ(大体、無機フィラー径に対して1/10000程度の厚さ)になると考えられ、このため、表面修飾処理を施すことによっては、平均一次粒子径の変化がないとする。
(無機フィラーの表面修飾剤)
また、無機フィラーは表面修飾剤で表面修飾処理してもよい。表面修飾処理は原料となる未処理の無機フィラーに、表面修飾剤により表面修飾処理を施すことで可能となる。
表面修飾剤で表面修飾処理された無機フィラーは、表面修飾剤由来の化学種(被覆層)及び無機フィラーを含む表面被覆フィラーとなると考えられる。なお、表面修飾処理された無機フィラーは、その表面上の少なくとも一部に表面修飾剤由来の化学種(被覆層)を有していればよい。
表面修飾剤で無機フィラーの表面修飾処理を行うと、無機フィラーは効率的に疎水化されることとなる。
このように表面修飾処理された無機フィラーと、二種類の重合性モノマーとを用いて組成物を調製し、その重合硬化物で感光体の最表層を形成すると、当該表面修飾処理された無機フィラーは、重合性モノマーとの相溶性が向上するため分散性に対して有利となる。また、無機フィラーが、重合性基を有することが好ましい形態の一つである。
本発明において、無機フィラーの表面修飾処理に適用する表面修飾剤としては、特に制限はなく、従来公知のものを用いることができる。表面修飾剤の具体例としては、例えば、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、フッ素系表面修飾剤、シリコーン鎖を有する表面修飾剤等が挙げられる。
表面修飾剤は、単独でも又は2種以上組み合わせても用いることができる。また、表面修飾剤は、合成品であってもよいし、市販品であってもよい。市販されている表面修飾剤の具体例としては、例えば、以下の化合物が挙げられる。
本発明においては、当該重合性基は、炭素−炭素二重結合を有し、重合可能な基である。無機フィラーが有していても良い重合性基は、一種でもそれ以上でも良く、互いに同じであっても異なっていても良く、また、重合性硬化物を形成する重合性モノマーが有する重合性基と同じであっても異なっていても良い。
重合性基を有する無機フィラーは、例えば、重合性基を有する化合物よりなる表面修飾剤によって無機フィラーを表面修飾処理することで得ることができる。
重合性基を有する無機フィラーを用いると、無機フィラーと重合性モノマーが重合し、より機械的強度を得られやすくなるとともに、無機フィラーが脱落しにくくなるため長期にわたり効果を発揮しやすくなる。
(無機フィラーの形状)
上記無機フィラーの形状は、特に制限されるものではなく、例えば、球状、断面楕円形状、針状、円盤状、不定形状などが挙げられる。分散性等の観点から、球状又は断面楕円形状等が好ましい。
(1.2.4)酸化防止剤
酸化防止剤としては、公知の酸化剤を用いることができる。例えばフェノール系化合物、ハイドロキノン系化合物、トコフェロール系化合物またはアミン系化合物などが挙げられる。これらの中でも、ヒンダードフェノール誘導体又はヒンダードアミン誘導体、若しくはこれらの混合物が好適に用いられる。なお、具体的には、特開2000−305291号報に記載されている酸化防止剤などが挙げられる。
2.感光層
本発明の感光体では、中間層と最表層との間に、感光層を有する。より詳しくは、感光層は、電荷発生層と電荷輸送層とで構成されている。
(2.1)電荷発生層
感光体を構成する感光層における電荷発生層は、電荷発生物質及びバインダー樹脂(以下、「電荷発生層用バインダー樹脂」ともいう。)が含有されてなるものである。
電荷発生物質としては、例えば、スーダンレッド、ダイアンブルーなどのアゾ原料、ピレンキノン、アントアントロンなどのキノン顔料、キノシアニン顔料、ペリレン顔料、インジゴ及びチオインジゴなどのインジゴ顔料、ピランスロン、ジフタロイルピレンなどの多環キノン顔料、フタロシアニン顔料などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらの中でも、多環キノン顔料、チタニルフタロシアニン顔料が好ましい。これらの電荷発生物質は、1種単独でも又は2種以上を混合して用いてもよい。
電荷発生層用バインダー樹脂としては、公知の樹脂を用いることができ、例えば、ポリスチレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、ポリカーボネート樹脂、シリコーン樹脂、メラミン樹脂、及びこれらの樹脂の内二つ以上を含む共重合体樹脂(例えば、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体樹脂)、ポリ−ビニルカルバゾール樹脂などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらの中でも、ポリビニルブチラール樹脂が好ましい。これら電荷発生層用バインダー樹脂は、1種単独でも又は2種以上を混合して用いてもよい。
電荷発生層中の電荷発生物質の含有割合は、電荷発生層用バインダー樹脂100質量部に対して1〜600質量部の範囲内であることが好ましく、より好ましくは50〜500質量部の範囲内である。
電荷発生層の層厚は、電荷発生物質の特性、電荷発生層用バインダー樹脂の特性、含有割合などにより異なるが、おおむね0.01〜5μmの範囲内であることが好ましく、より好ましくは0.05〜3μmの範囲内である。
(2.2)電荷輸送層
感光体を構成する感光層における電荷輸送層は、電荷輸送物質及びバインダー樹脂(以下、「電荷輸送層用バインダー樹脂」ともいう。)が含有されてなるものである。
(2.2.1)電荷輸送物質
本発明に係る最外層形成用組成物は、さらに電荷輸送物質を含有してもよい。
電荷輸送物質としては、特に制限されず、公知のものを用いることができる。
その例としては、カルバゾール誘導体、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、チアゾール誘導体、チアジアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、イミダゾロン誘導体、イミダゾリジン誘導体、ビスイミダゾリジン誘導体、スチリル化合物、ヒドラゾン化合物、ピラゾリン化合物、オキサゾロン誘導体、ベンズイミダゾール誘導体、キナゾリン誘導体、ベンゾフラン誘導体、アクリジン誘導体、フェナジン誘導体、アミノスチルベン誘導体、トリアリールアミン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、スチルベン誘導体、ベンジジン誘導体等が挙げられる。
これらの中でも、トリアリールアミン誘導体が好ましい。トリアリールアミン誘導体としては、下記一般式(1)で表されるものが好ましい。
Figure 2021189207
[上記一般式(1)中、R、R、RおよびRは、それぞれ独立して、炭素数1〜7のアルキル基、又は炭素数1〜7のアルコキシ基を表す。k、l及びnは、それぞれ独立して、0〜5の整数を示し、mは0〜4の整数を示す。ただし、k、l、n又はmが2以上である場合においては、複数存在するR、R、R及びRは、互いに同一のものであっても、異なるものであってもよい。これらの中でも、R、R、R及びRは、それぞれ独立して、炭素数1〜3のアルキル基であることが好ましい。また、k、l、nおよびmは、それぞれ独立して、0〜1の整数であることが好ましい。]
上記一般式(1)で表される化合物としては、例えば特開2015−114454号公報に記載のものを使用できる。
また、公知の合成方法、例えば特開2006−143720号公報で開示されている方法などで合成することができる。
(2.2.2)非反応性電荷輸送物質
最表層には、非反応性電荷輸送物質が含有されることが好ましい。
本発明において、非反応性電荷輸送物質とは、最表層を形成する際に、重合性化合物や金属酸化物微粒子の反応性有機基と反応しないものをいう。
この非反応性電荷輸送物質は、最表層中の電荷キャリアを輸送する電荷輸送性を有するものであり、短波長領域での吸収を示さず、かつ、分子量も450以下(好ましくは、320〜420の範囲内)のものが多く、最表層の硬化樹脂の空隙に入り込むことが可能である。このため、最表層の耐摩耗性を低下させることなく、電荷輸送層からのスムーズな電荷キャリアの注入を可能とし、最表層表面に電荷を輸送することができる。
非反応性電荷輸送物質としては、例えば上記一般式(1)で表わされる化合物が挙げられる。
Figure 2021189207
Figure 2021189207
Figure 2021189207
一般式(1)で表わされる化合物は、公知の合成方法、例えば特開2006−143720号公報など開示されている方法で合成することができる。
(2.2.3)電荷輸送層用バインダー樹脂
電荷輸送層用バインダー樹脂は、公知の樹脂を用いることができ、ポリカーボネート樹脂、ポリアクリレート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、スチレン−アクリルニトリル共重合体樹脂、ポリメタクリル酸エステル樹脂、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体樹脂などが挙げられるが、ポリカーボネート樹脂が好ましい。さらにはBPA(ビスフェノールA)型、BPZ(ビスフェノールZ)型、ジメチルBPA型、BPA−ジメチルBPA共重合体型のポリカーボネート樹脂などが耐クラック、耐磨耗性、帯電特性の点で好ましい。これら電荷輸送層用バインダー樹脂は1種単独で又は2種以上を混合して用いてもよい。
電荷輸送層中の電荷輸送物質の含有割合は、電荷輸送層用バインダー樹脂100質量部に対して10〜500質量部の範囲内であることが好ましく、より好ましくは20〜250質量部の範囲内である。
電荷輸送層の層厚は、電荷輸送物質の特性、電荷輸送層用バインダー樹脂の特性及び含有割合などによって異なるが、5〜40μmの範囲内であることが好ましく、より好ましくは10〜30μmの範囲内である。
電荷輸送層中には、酸化防止剤、電子導電剤、安定剤、シリコーンオイルなどを添加してもよい。酸化防止剤については特開2000−305291号公報、電子導電剤は特開昭50−137543号公報、同58−76483号公報などに開示されているものが好ましい。
3.導電性支持体
本発明の感光体を構成する導電性支持体は、導電性を有するものであれば特に制限されず、例えば、アルミニウム、銅、クロム、ニッケル、亜鉛、ステンレスなどの金属をドラム又はシート状に成形したもの、アルミニウムや銅などの金属箔をプラスチックフィルムにラミネートしたもの、アルミニウム、酸化インジウム、酸化スズなどをプラスチックフィルムに蒸着したもの、導電性物質を単独又はバインダー樹脂とともに塗布して導電層を設けた金属、プラスチックフィルム及び紙などが挙げられる。
4.中間層
本発明の感光体には、導電性支持体と感光層との間にバリアー機能と接着機能を有する中間層を設けることもできる。種々の故障防止などを考慮すると、中間層を設けるのが好ましい。
このような中間層は、例えば、バインダー樹脂(以下、「中間層用バインダー樹脂」ともいう。)及び必要に応じて導電性粒子や金属酸化物粒子が含有されてなるものである。
中間層用バインダー樹脂としては、特に制限されず、例えば、カゼイン、ポリビニルアルコール、ニトロセルロース、エチレン−アクリル酸コポリマー、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ゼラチンなどが挙げられる。これらの中でもアルコール可溶性のポリアミド樹脂が好ましい。これら中間層用バインダー樹脂は1種単独で又は2種以上を混合して用いてもよい。
中間層には、抵抗調整の目的で各種の導電性粒子や金属酸化物粒子を含有させることができる。例えば、アルミナ、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化スズ、酸化アンチモン、酸化インジウム、酸化ビスマスなどの各種金属酸化物粒子を用いることができる。また、スズをドープした酸化インジウム、アンチモンをドープした酸化スズ及び酸化ジルコニウムなどの導電性粒子(超微粒子)を用いることができる。
このような導電性粒子又は金属酸化物粒子の数平均一次粒子径は、0.3μm以下であることが好ましく、より好ましくは0.1μm以下である。
これら導電性粒子又は金属酸化物粒子は、1種単独でも又は2種以上を混合して用いてもよい。2種以上を混合した場合には、固溶体又は融着の形をとってもよい。
導電性粒子又は金属酸化物粒子の含有割合は、バインダー樹脂100質量部に対して20〜400質量部の範囲内であることが好ましく、より好ましくは50〜350質量部の範囲内である。
中間層の層厚は、0.1〜15μmの範囲内であることが好ましく、より好ましくは0.3〜10μmの範囲内である。
[電子写真感光体の製造方法]
本発明の感光体を製造する方法としては、導電性支持体上の感光層上に、重合性化合物を含有する未硬化膜を形成する工程と、前記未硬化膜に光照射して硬化樹脂を含有する最表層を形成する工程とを備え、その他、特に制限されないが、下記工程を有する製造方法で製造されることが好ましい。
工程(1):導電性支持体の外周面に中間層形成用の塗布液を塗布し、乾燥することにより、中間層を形成する工程、
工程(2):導電性支持体の外周面に、又は工程(1)により導電性支持体上に形成された中間層の外周面に、電荷発生層形成用の塗布液を塗布し、乾燥することにより電荷発生層を形成する工程、
工程(3):導電性支持体の外周面、又は中間層上に形成された電荷発生層の外周面に電荷輸送層形成用の塗布液を塗布し、乾燥することにより電荷輸送層を形成する工程、
工程(4):電荷発生層上に形成された電荷輸送層の外周面に、最表層形成用の塗布液を塗布し、重合し、硬化させることにより最表層を形成する工程。
各層を形成するための塗布液中の各成分の濃度は、各層の層厚や生産速度に合わせて適宜選択される。
各層を形成するための塗布液において、導電性粒子や金属酸化物粒子等の粒子や電荷発生物質等の分散手段としては、超音波分散機、ボールミル、サンドミル、ホモミキサーなどを使用することができるが、これらに限定されるものではない。
各層を形成するための塗布液の塗布方法としては、特に制限されないが、例えば、浸漬コーティング法、スプレーコーティング法、スピンナーコーティング法、ビードコーティング法、ブレードコーティング法、ビームコーティング法、スライドホッパー法、円形スライドホッパー法などの公知の方法が挙げられる。
塗膜の乾燥方法は、溶媒の種類、層厚に応じて適宜選択することができるが、熱乾燥、又は自然乾燥が好ましい。
以下、各層の形成工程の詳細を説明する。
〈工程(1):中間層の形成〉
中間層は、溶媒中に中間層用バインダー樹脂を溶解させて、中間層形成用塗布液を調製し、必要に応じて導電性粒子や金属酸化物粒子、分散剤やレベリング剤等の他の成分を分散又は溶解させた後、当該塗布液を導電性支持体上に一定の層厚に塗布して塗膜を形成し、当該塗膜を乾燥することにより形成することができる。
中間層形成用塗布液は、浸漬コーティング法を用いて塗布することが好ましい。
中間層の形成工程において使用する溶媒としては、導電性粒子や金属酸化物粒子を良好に分散し、中間層用バインダー樹脂、特にポリアミド樹脂を溶解するものが好ましい。具体的には、メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、tert−ブタノール、sec−ブタノール(2−ブタノール)などの炭素数1〜4のアルコール類が、ポリアミド樹脂の溶解性と塗布性能に優れ好ましい。また、保存性、粒子の分散性を向上するために、前記溶媒と併用でき、好ましい効果を得られる助溶媒としては、ベンジルアルコール、トルエン、ジクロロメタン、シクロヘキサノン、テトラヒドロフランなどが挙げられる。
〈工程(2):電荷発生層の形成〉
電荷発生層は、溶媒中に電荷発生層用バインダー樹脂を溶解させた溶液中に、電荷発生物質を分散して、電荷発生層形成用塗布液を調製し、当該塗布液を中間層上に一定の層厚に塗布して塗膜を形成し、当該塗膜を乾燥することにより形成することができる。
電荷発生層形成用塗布液は、浸漬コーティング法を用いて塗布することが好ましい。
電荷発生層の形成に用いられる溶媒としては、例えば、トルエン、キシレン、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、メチルエチルケトン、シクロヘキサン、酢酸エチル、酢酸tert−ブチル、メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、tert−ブタノール、sec−ブタノール(2−ブタノール)、メチルセロソルブ、4−メトキシ−4−メチル−2−ペンタノン、エチルセロソルブ、テトラヒドロフラン、1−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、ピリジン、ジエチルアミンなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
〈工程(3):電荷輸送層の形成〉
電荷輸送層は、溶媒中に電荷輸送層用バインダー樹脂及び電荷輸送物質を溶解させた、電荷輸送層形成用塗布液を調製し、当該塗布液を電荷発生層上に一定の層厚に塗布して塗膜を形成し、当該塗膜を乾燥することにより形成することができる。
電荷輸送層形成用塗布液は、浸漬コーティング法を用いて塗布することが好ましい。
電荷輸送層の形成に用いられる溶媒としては、例えば、トルエン、キシレン、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸エチル、酢酸ブチル、メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、tert−ブタノール、sec−ブタノール(2−ブタノール)、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、ピリジン、ジエチルアミンなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
〈工程(4):最表層の形成〉
最表層は、重合性モノマーと、有機樹脂粒子と、表面修飾剤で処理された無機フィラーと、必要に応じて重合開始剤、特定のラジカル捕捉剤、潤滑剤及び電荷輸送物質等の他の成分を公知の溶媒に添加して、最表層形成用塗布液を調製し、この最表層形成用塗布液を工程(3)により形成された電荷輸送層の外周面に塗布して塗膜を形成し、この塗膜を乾燥し、紫外線や電子線などの活性線を照射することによって塗膜中の重合性化合物成分を重合させ、硬化されることにより最表層を形成することができる。
最表層形成用塗布液は、円形スライドホッパー塗布装置を用いてスライドホッパー法にて塗布することが好ましく、例えば、特開2015−114454号公報など開示されている方法で塗布することができる。
最表層の形成に用いられる溶媒としては、重合性化合物、金属酸化物粒子等を溶解又は分散させることができればいずれのものも使用でき、例えば、メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、tert−ブタノール、sec−ブタノール(2−ブタノール)、ベンジルアルコール、トルエン、キシレン、ジクロロメタン、メチルエチルケトン、シクロヘキサン、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、テトラヒドロフラン、1−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、ピリジン、ジエチルアミンなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
重合性化合物を反応させる方法としては、特に制限されないが、例えば、電子線開裂で反応する方法、ラジカル重合開始剤を添加して、光、熱で反応する方法等が挙げられる。
硬化樹脂成分は、硬化処理として塗膜に活性線を照射し、ラジカルを発生させて重合し、かつ分子間及び分子内で架橋反応による架橋結合を形成して硬化することにより、生成される。活性線としては紫外線や電子線がより好ましく、紫外線が使用しやすく特に好ましい。
紫外線光源としては、紫外線を発生する光源であれば制限なく使用できる。例えば、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、カーボンアーク灯、メタルハライドランプ、キセノンランプ、フラッシュ(パルス)キセノンなどを用いることができる。
照射条件はそれぞれのランプによって異なるが、活性線の照射量は、好ましくは5〜500mJ/cmの範囲内、より好ましくは5〜100mJ/cmの範囲内である。
ランプの電力は、好ましくは0.1〜5kWの範囲内であり、より好ましくは0.5〜4kWの範囲内であり、さらに好ましくは0.5〜3kWの範囲内である。
必要な活性線の照射量を得るための照射時間としては、0.1秒間〜10分間が好ましく、作業効率の観点から0.1秒間〜5分間がより好ましい。
最表層の形成の工程においては、活性線を照射する前後、及び活性線を照射中に乾燥を行うことができ、乾燥を行うタイミングはこれらを組み合わせて適宜選択できる。
(最表層の硬化装置及び条件)
本発明では、最表層塗布後の光照射条件により、感光体の長軸方向における表面硬度を調製することができる。
光照射装置によって、感光体の表面硬度が変えられる理由として、表面硬度は、感光体に照射する光の積算照射光量と相関があり、積算照射光量は、(積算照射光量)=(感光体ドラム面の単位面積当たりの照射光量)×(単位面積当たりの照射時間)で決定されるため、(i)照射光量又は(ii)照射時間を変えることで、感光体の表面硬度を変えることができる。
例として、特開2013−57787号公報で記載されている光照射装置を用いた場合、感光体ワークを下方から上方へ引き上げる際に、任意の位置で(i)光の照射強度を変える、又は(ii)ワークの引き上げ速度を変える、すなわち、照射時間を変えることにより、感光体の長軸方向で感光体ドラム面の積算照射光量を変えることができ、感光体の表面硬度を変えることができる。特に、(ii)のワーク引き上げ速度を変える手段の方が、制御性の観点から好ましい。
<電子写真画像形成方法>
本発明に係る電子写真画像形成方法は、少なくとも、
1)電子写真感光体の表面を帯電する帯電工程と、
2)当該電子写真感光体の表面を露光することにより、静電潜像を形成する露光工程と、
3)当該静電潜像をトナーにより顕像化しトナー画像を形成する現像工程と、
4)当該トナー画像を転写媒体に転写する転写工程と、
を有し、1)〜4)で使用する電子写真感光体が本発明の電子写真感光体であることが好ましい。
また、必要に応じて
5)残存トナーを除去するクリーニング工程と、
6)残存電荷を除去する除電工程を有していてもよい。
本発明の電子写真感光体(以下、単に感光体ともいう。)は、電子写真方式の公知の種々の画像形成方法において用いることができる。例えば、モノクロの画像形成方法やフルカラーの画像形成方法に用いることができる。フルカラーの画像形成方法では、イエロー、マゼンタ、シアン、及びブラックの各々に係る4種類のカラー現像装置と、一つの感光体とにより構成される4サイクル方式の画像形成方法や、各色に係るカラー現像装置及び感光体を有する画像形成ユニットを、それぞれ色別に搭載するタンデム方式の画像形成方法など、いずれの画像形成方法も用いることができる。
本発明に係る電子写真画像形成方法としては、具体的には、本発明の感光体を使用して、感光体上に帯電装置にて帯電(帯電工程)し、像露光(露光工程)することにより形成された静電潜像を、現像装置を用いて現像(現像工程)することにより顕像化させてトナー画像を得る。このトナー画像をコピー用紙又は転写ベルト等の転写媒体上に転写(転写工程)し、その後、除電工程を経て、次の画像形成のサイクルが行われる。転写ベルト等の転写媒体上に転写されたトナー画像は、コピー用紙上に転写され、コピー用紙上に転写されたトナー画像を接触加熱方式等の定着処理によってコピー用紙に定着(定着工程)させることにより、可視画像を得る。転写工程の後、感光体上に残留したトナー(転写残トナー)は、ゴムブレード等により除去(クリーニング工程)される。このクリーニング工程は、除電工程の前でも後であってもよいが、除電工程が光照射による除電の場合は、クリーニング工程の後の方が、感光体上に残留するトナーが除電光の吸収を妨げることがないので、効果的に除電が行えるので好ましい。
除電工程においては、交流除電(AC除電)又は光除電のどちらでもよいが、交流除電では、交流電源の設置が必要になり、スペースの問題、又は装置が大がかりになるなどの問題があり、光除電の方が好ましい。
<電子写真画像形成装置>
次いで、具体的な電子写真画像形成方法について、電子写真画像形成装置を用いて説明する。
本発明において、電子写真画像形成装置は、本発明の感光体を使用して、感光体上に帯電装置にて帯電する帯電手段、像露光することにより形成された静電潜像を形成する露光手段、現像装置を用いて現像することにより顕像化させてトナー画像を得る現像手段、このトナー画像を用紙又は転写ベルト等の転写媒体上に転写する転写手段、及び除電手段を有している。コピー用紙上に直接転写されたトナー画像及び転写ベルト等の転写媒体を経て用紙上に転写されたトナー画像は接触加熱方式等の定着処理によってコピー用紙に定着する定着手段により可視画像を得る。転写の後、感光体上に残留したトナー(転写残トナー)は、クリーニングブレード等のクリーニング手段によりにより除去される。
図2は、本発明の電子写真感光体を備えるタンデム型の電子写真画像形成装置の構造を示す断面模式図である。
図2に示す画像形成装置100は、タンデム型カラー画像形成装置と称せられるもので、4組の画像形成部(画像形成ユニット)10Y、10M、10C、10Bkと、中間転写体ユニット7と、給紙手段21及び定着手段24とからなる。電子写真画像形成装置の本体Aの上部には、原稿画像読み取り装置SCが配置されている。
4つの画像形成ユニット10Y、10M、10C、10Bkは、感光体1Y、1M、1C、1Bkを中心に、帯電手段2Y、2M、2C、2Bkと、露光手段3Y、3M、3C、3Bkと、回転する現像手段4Y、4M、4C、4Bk、一次転写手段としての一次転写ローラー5Y、5M、5C、5Bk、及び感光体1Y、1M、1C、1Bkをクリーニングするクリーニング手段6Y、6M、6C、6Bkより構成されている。
なお、本発明の電子写真画像形成装置は、感光体1Y、1M、1C、1Bkとして、各々上記説明した本発明の感光体を用いる。
画像形成ユニット10Y、10M、10C、10Bkは、備えるトナーの色がそれぞれイエロー(Y)色、マゼンタ(M)色、シアン(C)色、ブラック(Bk)色というように異なることを除き同じ構成である。よって、以下では、画像形成ユニット10Yを例にして詳細に説明する。
画像形成ユニット10Yは、像形成体である感光体1Yの周囲に、帯電手段2Y、露光手段3Y、現像手段4Y、クリーニング手段6Yを有し、感光体1Y上にイエロー(Y)のトナー像を形成するものである。
帯電手段2Yは、感光体1Yの表面を一様に負極性に帯電させる手段である。帯電手段2Yとしては、例えば、コロナ放電型の帯電器が用いられる。
露光手段3Yは、帯電手段2Yにより一様な電位を与えられた感光体1Y上に、画像信号(イエロー)に基づいて露光を行い、イエローの画像に対応する静電潜像を形成する手段である。この露光手段3Yとしては、感光体1Yの軸方向にアレイ状に発光素子を配列したLEDと結像素子とから構成されるもの、又は、レーザー光学系などが用いられる。
現像手段4Yは、例えばマグネットを内蔵し現像剤を保持して回転する現像スリーブ(図示せず)及び感光体と、この現像スリーブとの間に直流及び/又は交流バイアス電圧を印加する電圧印加装置よりなるものである。
現像手段4Yは、例えばマグネットを内蔵し現像剤を保持して回転する現像スリーブ、及び当該現像スリーブと感光体との間に直流及び/又は交流バイアス電圧を印加する電圧印加装置よりなるものである。
定着手段24は、例えば、内部に加熱源を備えた加熱ローラーと、この加熱ローラーに定着ニップ部が形成されるよう圧接された状態で設けられた加圧ローラーとにより構成されてなる熱ローラー定着方式のものが挙げられる。
クリーニング手段6Yは、クリーニングブレードより構成されている。なお、このクリーニングブレードより上流側にブラシローラーを設けてもよい。
また、感光体1Yの表面に滑剤を供給する(塗布する)滑剤供給手段(図示せず)を設けてもよい。滑剤供給手段は、例えば、一次転写ローラー5Yの下流側かつクリーニング手段6Yの上流側に設けることができる。ただし、クリーニング手段6Yの下流側であってもよい。
画像形成装置100としては、感光体と、現像手段、クリーニング手段などの構成要素をプロセスカートリッジ(画像形成ユニット)として一体に結合して構成し、この画像形成ユニットを装置本体に対して着脱自在に構成してもよい。また、帯電手段、露光手段、現像手段、転写手段及びクリーニング手段の少なくとも一つを感光体とともに一体に支持してプロセスカートリッジ(画像形成ユニット)を形成し、装置本体に着脱自在の単一画像形成ユニットとし、装置本体のレールなどの案内手段を用いて着脱自在の構成としてもよい。
無端ベルト状中間転写体ユニット7は、複数のローラーにより巻回され、回動可能に支持された半導電性エンドレスベルト状の第2の像担持体としての無端ベルト状中間転写体70を有する。
画像形成ユニット10Y、10M、10C及び10Bkより形成された各色の画像は、一次転写手段としての一次転写ローラー5Y、5M、5C及び5Bkにより、回動する無端ベルト状中間転写体70上に逐次転写されて、合成されたカラー画像が形成される。給紙カセット20内に収容された転写材(定着された最終画像を担持する画像支持体:例えば普通紙、透明シートなど)Pは、給紙手段21により給紙され、複数の中間ローラー22A、22B、22C、22D、及びレジストローラー23を経て、二次転写手段としての二次転写ローラー5bに搬送され、転写材P上に二次転写してカラー画像が一括転写される。カラー画像が転写された転写材Pは、定着手段24により定着処理され、排紙ローラー25に挟持されて機外の排紙トレイ26上に載置される。ここで、中間転写体や転写材などの感光体上に形成されたトナー画像の転写支持体を総称して転写媒体という。
一方、二次転写手段としての二次転写ローラー5bにより転写材Pにカラー画像を転写した後、転写材Pを曲率分離した無端ベルト状中間転写体70は、クリーニング手段6bにより残留トナーが除去される。
画像形成処理中、一次転写ローラー5Bkは常時、感光体1Bkに当接している。他の一次転写ローラー5Y、5M及び5Cはカラー画像形成時にのみ、それぞれ対応する感光体1Y、1M及び1Cに当接する。
二次転写ローラー5bは、ここを転写材Pが通過して二次転写が行われる時にのみ、無端ベルト状中間転写体70に当接する。
また、装置本体Aから筐体8を支持レール82L、82Rを介して引き出し可能にしてある。
筐体8は、画像形成部10Y、10M、10C及び10Bkと、無端ベルト状中間転写体ユニット7とからなる。
画像形成部10Y、10M、10C及び10Bkは、垂直方向に縦列配置されている。感光体1Y、1M、1C及び1Bkの図示左側方には無端ベルト状中間転写体ユニット7が配置されている。無端ベルト状中間転写体ユニット7は、ローラー71、72、73及び74を巻回して回動可能な無端ベルト状中間転写体70、一次転写ローラー5Y、5M、5C及び5Bk、並びにクリーニング手段6bとからなる。
<トナー及び現像剤>
本発明において、「トナー母体粒子」とは、「トナー粒子」の母体を構成するものである。「トナー母体粒子」は、少なくとも結着樹脂と着色剤とを含むものであり、その他必要に応じて、離型剤(ワックス)、荷電制御剤などの他の構成成分を含有してもよい。「トナー母体粒子」は、外添剤の添加によって「トナー粒子」と称される。そして、「トナー」とは、「トナー粒子」の集合体のことをいう。
本発明において、画像形成装置に適用するトナーとしては、特に制限されず、公知の各種トナーを用いることができる。
トナーとしては、粉砕トナー及び重合トナーのいずれを用いることもできるが、高い画質の画像が得られる観点から、重合トナーを用いることが好ましい。
トナーの平均粒径は、特に制限されないが、体積基準のメジアン径で2〜8μmの範囲内であることが好ましい。この範囲とすることにより、解像度をより高くすることができる。
また、トナー母体粒子には、外添剤として、平均粒径10〜300nm程度のシリカ及びチタニアなどの無機粒子、0.2〜3μm程度の研磨剤等を適宜量、外添剤として外部添加することができる。
トナーを二成分現像剤として使用する場合において、キャリアとしては、鉄などの強磁性金属、強磁性金属とアルミニウム及び鉛などの合金、フェライト及びマグネタイトなどの強磁性金属の化合物などの従来公知の材料からなる磁性粒子を用いることができる。これらの中でも、特にフェライトが好ましい。
キャリアとしては、さらに樹脂により被覆されているもの、又は樹脂中に磁性粒子を分散させたいわゆる樹脂分散型キャリアを用いることが好ましい。被覆用の樹脂組成としては、特に限定はないが、例えば、シクロヘキシルメタクリレート−メチルメタクリレート共重合体などを用いることが好ましい。
キャリアの体積基準のメジアン径は15〜100μmの範囲内が好ましく、25〜60μmの範囲内がより好ましい。
二成分現像剤に含まれるトナーの濃度は、4.0〜8.0質量%の範囲内であることが好ましい。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、下記実施例において、特記しない限り、操作は室温(25℃)で行われた。また、特記しない限り、「%」及び「部」は、それぞれ、「質量%」及び「質量部」を意味する。
[有機樹脂粒子1〜5の作製]
以下に示すように有機樹脂粒子1〜5を作製した。
有機樹脂粒子1〜5における樹脂組成と仕込比は表Iのとおりである。
ここで、有機樹脂粒子1〜5における10%変位硬度は、微小圧縮試験機MCT−510(島津製作所製)を用いて測定した。
測定結果は後述する表IIのとおりである。
試験方法としては、試料台に有機樹脂粒子を極微量散布後、X方向とY方向の径を測定してその平均を粒子径とし、1粒ずつ、圧縮試験を行った。
試験は各樹脂粒子について5回の測定を行い平均値で評価した。また、サイド観察キットにより、圧縮中の試料の様子も観察した。
なお、10%変位硬度は、圧縮試験において、1粒子に負荷速度0.223mN/秒で試験力をかけた際に、変位量が上記粒子径の10%に達した時点の試験力に相当する硬度である。
Figure 2021189207
〔有機樹脂粒子1の作製〕
撹拌機、還流コンデンサー及び温度計を装備した100mLの反応フラスコに、メラミン4.51g、アセトグアナミン1.53g、37%ホルマリン11.58g、20質量%水性シリカゾル[日産化学工業(株)製、スノーテックス(登録商標)ST−N(商品名)、平均粒子径12nm、pH9.5]0.93g、水37.1g、及び25%アンモニア水67.2μLを仕込んだ。
その後、上記混合物を撹拌しながら昇温し、温度を70℃に保ち、30分反応させてメラミン樹脂の初期縮合物の水溶液を調製した。
次に、温度を70℃に維持したまま、得られた初期縮合物の水溶液に5質量%パラトルエンスルホン酸水溶液3.59gを添加した。
約5分後に、反応系内が白濁して共縮重合アミノ樹脂粒子が析出した。
その後、温度を90℃まで昇温して3時間硬化反応を続けた。
冷却後、得られた反応液を濾過、乾燥して白色の硬化樹脂粒子を得た。
〔有機樹脂粒子2の作製〕
撹拌機、還流コンデンサー及び温度計を装備した30mLの反応フラスコに、メラミン0.50g、グアナミン0.52g、37%ホルマリン1.93g、20質量%水性シリカゾル[日産化学工業(株)製、スノーテックス(登録商標)ST−N(商品名)、平均粒子径12nm、pH9.5]0.17g、水6.17g、及び25%アンモニア水20μLを仕込んだ。
その後、上記混合物を撹拌しながら昇温し、温度を70℃に保ち、30分反応させてメラミン樹脂の初期縮合物の水溶液を調製した。
次に温度を70℃に維持したまま、得られた初期縮合物の水溶液に5質量%パラトルエンスルホン酸水溶液0.58gを添加した。
約2分後に反応系内が白濁して共縮重合アミノ樹脂粒子が析出した。
その後、温度を90℃まで昇温して3時間硬化反応を続けた。
冷却後、得られた反応液を濾過、乾燥して白色の硬化樹脂粒子を得た。
〔有機樹脂粒子3の作製〕
撹拌機、還流コンデンサー及び温度計を装備した100mLの反応フラスコに、ベンゾグアナミン0.30g、アセトグアナミン0.30g、メラミン1.81g、37%ホルマリン4.13g、20質量%水性シリカゾル[日産化学工業(株)製、スノーテックス(登録商標)ST−N(商品名)、平均粒子径12nm、pH9.5]0.38g、水39.7g、及び25%アンモニア水0.024gを仕込んだ。
その後、上記混合物を撹拌しながら80℃へ昇温し、さらに5分間撹拌してメラミン樹脂の初期縮合物の水溶液を調製した。
次に温度を80℃に維持したまま、得られた初期縮合物の水溶液に5質量%パラトルエンスルホン酸水溶液1.41gを添加した。
約3分後に反応系内が白濁して共縮重合アミノ樹脂粒子が析出した。
その後、温度90℃まで昇温して3時間硬化反応を続けた。
冷却後、得られた反応液を濾過、乾燥して白色の硬化樹脂粒子を得た。
〔有機樹脂粒子4の作製〕
撹拌機、還流コンデンサー及び温度計を装備した500mLの反応フラスコに、ベンゾグアナミン5.00g、37%ホルマリン6.50g、20質量%水性シリカゾル[日産化学工業(株)製、スノーテックス(登録商標)ST−N(商品名)、平均粒子径12nm、pH9.5]0.78g、水355.1g、及び25%アンモニア水56μLを仕込んだ。
その後、上記混合物を撹拌しながら95℃へ昇温し、ベンゾグアナミン樹脂の初期縮合物の水分散液を調製した。
次に温度を95℃に維持したまま、得られた初期縮合物の水分散液に5質量%パラトルエンスルホン酸水溶液2.92gを添加した。
添加直後に反応系内が白濁してベンゾグアナミン樹脂粒子が析出した。
その後、温度を95℃に保ち、3時間硬化反応を続けた。
冷却後、得られた反応液を濾過、乾燥して白色の硬化樹脂粒子を得た。
〔有機樹脂粒子5の作製〕
撹拌機、還流コンデンサー及び温度計を装備した200mLの反応フラスコに、CTUグアナミン0.50g、アセトグアナミン4.50g、37%ホルマリン9.04g、20質量%水性シリカゾル[日産化学工業(株)製、スノーテックス(登録商標)ST−N(商品名)、平均粒子径12nm、pH9.5]0.78g、水65.6g、及び25%アンモニア水56μLを仕込んだ。
その後、上記混合物を撹拌しながら90℃まで昇温しアセトグアナミン樹脂の初期縮合物の水溶液を調製した。
次に温度を90℃に維持したまま、得られた初期縮合物の水溶液に5質量%パラトルエンスルホン酸水溶液2.92gを添加した。
約10分後に反応系内が白濁して共縮重合アミノ樹脂粒子が析出した。
その後、温度90℃のまま3時間硬化反応を続けた。
冷却後、得られた反応液を濾過、乾燥して白色の硬化樹脂粒子を得た。
<有機樹脂粒子分散液PD−(1)〜(5)の調製>
〔有機樹脂粒子分散液PD−(1)の調製〕
下記構成成分を超音波ホモジナイサー(US−150AT、日本精機製作所社製)を用いて、振幅を30μmに設定し120分間分散させた。
有機樹脂粒子1: 150質量部
2−ブタノール 850質量部
〔有機樹脂粒子分散液PD−(2)〜(5)の調製〕
上記有機樹脂微粒子分散液PD−(1)の調製において、使用する有機樹脂粒子を有機樹脂粒子2〜5にそれぞれ変更した以外は同様にして、有機樹脂粒子分散液PD−(2)〜(5)を調製した。
[導電性微粒子1の作製]
メタノール40mLに、母体としての酸化スズ(数平均一次粒子径:20nm)20gを加え、超音波ホモジナイサーを用いて120分間分散させた。
次いで、重合性基を有する反応性有機基含有表面修飾剤として、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業株式会社製、商品名:KBM503)1g及びトルエン40mLを加え、室温で2時間撹拌した。
次いで、エバポレーターによって溶剤を除去した後、120℃で1時間加熱することにより、反応性有機基含有表面修飾剤(KBM503)により表面修飾処理が施された、重合性基を有する導電性微粒子1を作製した。
<導電性微粒子分散液FD−1の調製>
下記構成成分を超音波ホモジナイサー(US−150AT、日本精機製作所社製)を用いて、振幅を30μmに設定し120分間分散させた。
導電性微粒子1 200質量部
2−ブタノール 800質量部
〔感光体1の作製〕
A.導電性支持体の準備
円筒形アルミニウム支持体の表面を切削加工し、導電性支持体を準備した。
B.中間層の形成
下記成分を下記分量で混合し、分散機としてサンドミルを用いて、バッチ式で10時間の分散を行い、中間層用塗布液を調製した。
当該塗布液を浸漬塗布法によって、導電性支持体の表面に塗布し、110℃で20分間乾燥し、層厚2μmの中間層を導電性支持体上に形成した。
なお、ポリアミド樹脂としてX1010(ダイセルデグサ社製)を使用した。
また、酸化チタン粒子としてSMT500SAS(テイカ社製)を使用した。
ポリアミド樹脂 10質量部
酸化チタン粒子 11質量部
エタノール 200質量部
C.電荷発生層の形成
下記成分を下記分量で混合し、循環式超音波ホモジナイザー(RUS−600TCVP;株式会社日本精機製作所製)を用いて、19.5kHz、600Wにて循環流量40L/時間で0.5時間にわたって分散することにより、電荷発生層形成用塗布液を調製した。
当該塗布液を浸漬塗布法によって、中間層の表面に塗布し、乾燥させて、層厚0.3μmの電荷発生層を形成した。
なお、下記に記載の電荷発生物質は、Cu−Kα特性X線回折スペクトル測定で8.3°、24.7°、25.1°、26.5°に明確なピークを有するチタニルフタロシアニン及び(2R,3R)−2,3−ブタンジオールの1:1付加体と、未付加のチタニルフタロシアニンとの混晶を使用した。
また、ポリビニルブチラール樹脂としてエスレックBL−1(積水化学工業社製、「エスレック」は、同社の登録商標)を使用した。
また、混合液として、3−メチル−2−ブタノン/シクロヘキサノン=4/1(体積比)を使用した。
電荷発生物質 24質量部
ポリビニルブチラール樹脂 12質量部
混合液 400質量部
D.電荷輸送層の形成
下記成分を下記分量で混合した電荷輸送層形成用塗布液を、浸漬塗布法によって電荷発生層の表面に塗布し、120℃で70分間乾燥することにより、層厚24μmの電荷輸送層を電荷発生層上形成した。
なお、ポリカーボネート樹脂としてユーピロンZ300(三菱ガス化学社製、ビスフェノールZ型ポリカーボネート)を使用した。
また、酸化防止剤としてIRGANOX1010(BASF社製、「IRGANOX」は同社の登録商標)を使用した。
下記構造式(2)で表される電荷輸送物質 50質量部
ポリカーボネート樹脂 100質量部
酸化防止剤 5質量部
テトラヒドロフラン/トルエン(体積比8/2)混合液 600質量部
シリコーンオイル「KF−96」(信越化学工業(株)製) 0.05質量部
Figure 2021189207
E.最表層の形成
次いで、下記分量で混合した最表層塗布液を分散機としてサンドミルを用いて5時間分散した後、重合開始剤(商品名:Omnirad819(BASF社製))10質量部を加え、遮光下で撹拌して溶解させ、最表層形成用塗布液を調製した。
モノマー:メタクリルモノマー(商品名:SR350) 100質量部
有機樹脂粒子1:10%変位硬度75(N/mm) 5質量部
電荷輸送物質:下記例示化合物C−5 10質量部
Figure 2021189207
酸化防止剤:(商品名:スミライザーGS) 5質量部
THF 100質量部
2−ブタノール 400質量部
この最外層形成用塗布液を、電荷輸送層の表面に、円形スライドホッパー塗布機を用いて塗布した。
次いで、塗布した最外層塗膜に、メタルハライドランプを用いて紫外線(主波長:365nm)を1分間照射して(紫外線照度:16mW/cm、積算光量:960mJ/cm)、最外層塗膜を硬化させることにより、層厚5.0μmの最外層を電荷輸送層上に形成し、感光体1を作製した。
〔感光体2〜12、15〜19の作製〕
樹脂種、電荷輸送物質、有機樹脂粒子、導電性微粒子を表IIのとおり、最表層の有機樹脂粒子10%変位硬度/最表層硬度の比率を酸化防止剤(スミライザーGS)の量を適宜調整しながら表IIのとおりに調整した他は、感光体1と同様に感光体2〜12、15〜19を作製した。
〔感光体13の作製〕
樹脂、溶媒を下記分量で混合した保護層塗布液をCSH(円形スライドホッパー塗布機)塗布で層厚が5μmとなるよう作製し120℃で70分間乾燥した以外は感光体1と同様の方法により感光体13を作製した。
前記構造式(2)で表される電荷輸送物質 50質量部
ポリカーボネート樹脂 100質量部
酸化防止剤 5質量部
テトラヒドロフラン/トルエン(体積比8/2)混合液 1500質量部
シリコーンオイル「KF−96」(信越化学工業(株)製) 0.15質量部
〔感光体14の作製〕
樹脂を表IIのとおり変更した以外は感光体13と同様の方法により感光体14を作製した。
[感光体1〜19の最表層硬度の測定]
感光体1〜19の最表層高度は、前述した最表層硬度(1.1)に記載した方法により測定した。
Figure 2021189207
[評価用画像形成装置の作製]
フルカラー印刷機(bizhub PRESS C1070、コニカミノルタ社製)を用いて、上記作製した感光体を画像形成ユニットのブラック(K)の位置に配置して、評価用の画像形成装置を作製した。
[耐久試験]
耐久試験は、23℃、50%RH環境下で、図3に示すカバレッジ10%の帯状ベタ画像からなるテスト画像をA4横送りにおいて50万枚連続印刷した。
その後、下記評価試験を実施した。
[クリーニング性の評価試験]
10℃、20%RH環境下で、図4に示すカバレッジ40%の横帯状ベタ画像からなるテスト画像をA4横送りにおいて2万枚連続印刷した。
なお、この画像の一番上と一番下の印字部(帯部)は感光体の回転軸方向に垂直な方向(周方向)ではカバレッジが100%となり、中央の2本の印字部(帯部)は感光体の回転軸方向に垂直な方向(周方向)ではカバレッジが50%となる。
その後、ユニットから感光体を外し、滑剤塗布ブラシの汚染を目視で確認した。
上記の評価後の滑剤塗布ブラシについて、以下の評価基準によりランク付けを行った。
ここでは評価ランクとして、ランクA〜Cを合格とし、ランクD〜Eを不合格とした。
(評価基準)
A:滑剤塗布ブラシの汚染はなく良好。(合格)
B:周方向のカバレッジ100%に当たる画像に対応する領域のみ滑剤塗布ブラシに白色の汚染が認められるが、実用上問題なし。(合格)
C:周方向のカバレッジ100%に当たる画像に対応する領域に加え、50%に当たる領域にも滑剤塗布ブラシに白色の汚染が認められるが、実用上問題なし。(合格)
D:周方向のカバレッジ100%に当たる画像に対応する領域のみ滑剤塗布ブラシにトナーによる汚染が認められ、実用上問題がある。(不合格)
E:周方向のカバレッジ100%に当たる画像に対応する領域に加え、50%に当たる領域にも滑剤塗布ブラシにトナーによる汚染が認められ、実用上問題がある。(不合格)
[減耗性評価の試験;耐摩耗性評価]
耐久試験前後における感光体の最表層の層厚減耗量により評価した。
具体的には、最表層の層厚は、均一層厚部分(塗布の先端部及び後端部の層厚変動部分を層厚プロフィールを作製して除く)をランダムに10ヶ所測定し、その平均値を最表層の層厚とする。
層厚測定器は渦電流方式の層厚測定器「EDDY560C」(HELMUT FISCHER GMBTE CO社製)を用い、耐久試験前後の最表層の層厚の差を層厚減耗量(μm)として算出した。
感光体の減耗量について以下の評価基準によりランク付けを行った。
ここでは、評価ランクとして層厚減耗量が4μm未満であれば実用可能(合格)と評価した。
(評価基準)
A 1μm以内:実用上問題なし(合格)
B 1〜2.5μm:実用上問題なし(合格)
C 2.5〜4μm:実用上問題なし(合格)
D 4〜5μm:実用上問題あり(不合格)
E 5μm以上:実用上問題あり(不合格)
<像流れ評価の試験;耐傷性評価>
高温高湿環境(温度30℃、湿度85%RH)で、印字率5%相当の文字チャートを2000枚連続で印字した後に電源を切り、8時間放置した後に電源を入れ、A3ハーフトーン画像を20枚連続で印字した。
像流れについては、以下の評価基準によりランク付けを行った。
ここでは、評価ランクとしてハーフトーン画像が放置前のレベルに回復したときの枚数によって評価した。
(評価基準)
A: 3枚目以内に回復。(合格)
B: 7枚目以内に回復。(合格)
C: 20枚目以内に回復。(合格)
D: 40枚目以内に回復。(不合格)
E: 50枚目以降に回復。(不合格)
以上表IIに示した評価結果のとおり、実施例の方が比較例より優れていることがわかる。
1Y、1M、1C、1Bk 感光体
2Y、2M、2C、2Bk 帯電手段
3Y、3M、3C、3Bk 露光手段
4Y、4M、4C、4Bk 現像手段
5Y、5M、5C、5Bk 一次転写ローラー
5b 二次転写ローラー
6Y、6M、6C、6Bk、6b クリーニング手段
7 中間転写体ユニット
8 筐体
10Y、10M、10C、10Bk 画像形成ユニット
20 給紙カセット
21 給紙手段
22A、22B、22C、22D 中間ローラー
23 レジストローラー
24 定着手段
25 排紙ローラー
26 排紙トレイ
70 中間転写体
71、72、73、74 ローラー
77 中間転写体
82L、82R 支持レール
100 画像形成装置
A 本体
SC 原稿画像読み取り装置
P 転写材
101A、101B 電子写真感光体
102 導電性支持体
103 中間層
104 感光層
105 最表層
106 電荷発生層
107 電荷輸送層

Claims (6)

  1. 少なくとも感光層上に、硬化型の最表層を有する電子写真感光体であって、
    前記最表層が少なくとも有機樹脂粒子を含有しており、かつ、
    前記有機樹脂粒子の10%変位硬度と最表層硬度との比率(有機樹脂粒子の10%変位硬度/最表層硬度)が0.15〜0.55の範囲内である
    ことを特徴とする電子写真感光体。
  2. 前記有機樹脂粒子の10%変位硬度が45〜80N/mmの範囲内であり、かつ、最表層硬度が150〜300N/mmの範囲内であることを特徴とする電子写真感光体。
  3. 前記最表層が、少なくとも重合性モノマーと、重合性基を有する導電性微粒子と、重合性基を有する電荷輸送物質とを含有する組成物で形成された硬化物であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の電子写真感光体。
  4. 前記最表層硬度が、ラジカル捕捉剤により調整されていることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の電子写真感光体。
  5. 請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載の電子写真感光体を用いることを特徴とする電子写真画像形成方法。
  6. 請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載の電子写真感光体を具備することを特徴とする電子写真画像形成装置。
JP2020090992A 2020-05-26 2020-05-26 電子写真感光体、電子写真画像形成方法及び電子写真画像形成装置 Pending JP2021189207A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020090992A JP2021189207A (ja) 2020-05-26 2020-05-26 電子写真感光体、電子写真画像形成方法及び電子写真画像形成装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020090992A JP2021189207A (ja) 2020-05-26 2020-05-26 電子写真感光体、電子写真画像形成方法及び電子写真画像形成装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2021189207A true JP2021189207A (ja) 2021-12-13

Family

ID=78849512

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020090992A Pending JP2021189207A (ja) 2020-05-26 2020-05-26 電子写真感光体、電子写真画像形成方法及び電子写真画像形成装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2021189207A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2024085019A1 (ja) * 2022-10-19 2024-04-25 キヤノン株式会社 電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び電子写真装置

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2024085019A1 (ja) * 2022-10-19 2024-04-25 キヤノン株式会社 電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び電子写真装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2010107962A (ja) 有機感光体、有機感光体の製造方法、画像形成装置及びプロセスカートリッジ
JP6146432B2 (ja) 電子写真感光体
JP5391672B2 (ja) 有機感光体、画像形成装置及びプロセスカートリッジ
JPWO2010018725A1 (ja) 有機感光体、画像形成装置及びプロセスカートリッジ
JP5584974B2 (ja) 有機感光体、画像形成装置及びプロセスカートリッジ
JP5900451B2 (ja) 電子写真感光体、画像形成装置および画像形成方法
JP2021189207A (ja) 電子写真感光体、電子写真画像形成方法及び電子写真画像形成装置
JP2011043542A (ja) 有機感光体、画像形成装置及びプロセスカートリッジ
JP2010139618A (ja) 有機感光体、画像形成装置及びプロセスカートリッジ
JP2009193016A (ja) 画像形成装置及び画像形成方法
JP6060706B2 (ja) 有機感光体および画像形成装置
JP7287105B2 (ja) 電子写真感光体
JP2011095528A (ja) 画像形成装置
JP7351131B2 (ja) 電子写真感光体及び電子写真画像形成装置
JP2009009108A (ja) 有機感光体、画像形成装置、及びプロセスカートリッジ
JP2009237165A (ja) 電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び画像形成装置
JP2010164952A (ja) 電子写真感光体と画像形成装置
JP6561488B2 (ja) 電子写真感光体と電子写真画像形成装置
JP7404981B2 (ja) 電子写真感光体、電子写真画像形成装置及び電子写真画像形成方法
JP7484451B2 (ja) 有機感光体、電子写真画像形成装置及び有機感光体の製造方法
JP2005107471A (ja) 電子写真感光体、それを用いた電子写真方法、電子写真装置、及び電子写真用プロセスカートリッジ
JP2021144137A (ja) 電子写真感光体及びその製造方法並びに画像形成装置
JP2002341574A (ja) 電子写真感光体、電子写真感光体の製造方法、画像形成方法、画像形成装置及びプロセスカートリッジ
JP7151492B2 (ja) 電子写真感光体及び電子写真感光体の製造方法
JP2010175800A (ja) 有機感光体と画像形成装置及びプロセスカートリッジ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20230317

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20231106

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20231114

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20240507