JP5124412B2 - 詰め替え容器 - Google Patents
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このような問題を解決するための手段として、例えば下記特許文献1に示されるように、詰め替え容器を、気密性を有する袋体とすることで、内容物の詰め替えに際し、内容物を詰め替え容器である袋体ごと容器体内に収納することが提案されている。
例えば、容器体を傾けて容器体から内容物を取り出す際、容器体から取り出される内容物の量が、容器体の傾きだけではなく容器体内に収納された袋体の形状に依存するので、内容物を適量取り出すことが難しいという問題があった。また、容器体が例えばガラス等の透明な材質で形成されている場合、容器体の外側から袋体が透けて見えることで見栄えが悪くなり、しかも容器体が透明であっても内容物が袋体に収容されているので内容物の残量を確認することが困難であるという問題もあった。
本発明に係る詰め替え容器は、内容物が充填された有底筒状の容器本体を備える詰め替え容器であって、前記容器本体の口部は、容器軸方向に沿った前記容器本体の外側の外側開口部がシール材により閉塞された外筒部と、前記外筒部の内側に容器軸方向に沿った移動を規制された状態で配設されると共に、前記シール材に容器軸方向に沿った前記容器本体の内側から対向する刃部を有する内筒部と、を備え、前記外筒部には、径方向の外側に突出した押し当て部が備えられ、前記外筒部は、容器軸方向に沿って屈曲変形可能であることを特徴とするものである。
以上より、本発明に係る詰め替え容器によれば、詰め替え容器内の内容物を容易且つ短時間で移し替えることができる。
また、詰め替え容器を容器体側に押し込む際に、容器体の口部の開口端縁から押し当て部に作用する力が、環状の押し当て部を介して外筒部の全周に亘って伝達されるので、外筒部の屈曲変形を容器軸回りの位置によらず安定させて高精度にすることができる。これにより、シール材に刃部が押し当てられる際のシール材の姿勢を安定したものとすることが可能となり、刃部によるシール材の破断を円滑且つ確実なものとすることができる。
また、環状の押し当て部を容器体の口部の開口端縁に押し当てることで、容器体の内部と外部との連通を押し当て部によって効果的に抑えることが可能となるので、詰め替え容器内の内容物を容器体内に移し替える際、内容物が外気に触れるのをより一層抑制することができる。
図1は、本発明に係る詰め替え容器の一実施形態の半断面図である。図2は、図1に示す詰め替え容器の使用方法を説明するための図である。図3は、図1に示す詰め替え容器の使用方法を説明するための図である。
なお、図示の例では、容器本体2及びキャップ4は、それぞれの中心軸線が共通軸上に位置された状態で配設されている。以下、この共通軸を容器軸Oと称し、容器軸Oに沿ってキャップ4側を上側、容器本体2側を下側と称する。
胴部6の上端部6aは、その外径が、胴部6において上端部6aより下側に位置する部分の外径より小さくなっている。この上端部6aには、前記キャップ4の下端部が係脱可能に係合されている。
肩部7は、胴部6の上端部6aの上端に連設されており、上側に向かうに連れて漸次縮径している。また、肩部7には、その下面から下側に向けて突出されたリブ7aが、容器軸O回りに間隔をあけて複数設けられている。前記リブ7aは、例えば肩部7に容器軸Oを中心として放射状に凹凸部を形成して、この肩部7を容器軸O回りに波打ち形状とすることによって形成することができる。
図示の例では、外筒部9は、上側の端部である外側端部9dと前記内側端部9bとの間に位置する部分が径方向の外側に膨出するように形成されている。即ち、外筒部9の外側端部9dの下端には、前記押し当て部11が連設されており、この押し当て部11は、径方向の外側に向かうに連れて漸次下側に向かうように形成されている。また、押し当て部11の下端には、上側から下側に向かうに従い漸次縮径する環状体に形成され、下端が前記内側端部9bの上端と連なる連結環部12が連設されている。また、図示の例では、押し当て部11と連結環部12との連結部分12aの縦断面視形状は、凸曲面状となっている。
また、外筒部9において外側端部9dの内径及び外径は、内側端部9bの内径及び外径それぞれよりも若干大きくなっている。また、外側端部9dの上端部及び下端部は、外筒部9の他の部分より厚肉に形成されて剛性が高められている。
図示の例では、位置決めガイド部11aは、筒状に形成され、押し当て部11における容器軸O方向の中間部分に、容器軸Oと同軸に配設されている。そして、押し当て部11は、前記位置決めガイド部11aと、位置決めガイド部11aの上端から外側端部9dの下端まで延びる第1環部11bと、位置決めガイド部11aの下端から下側に延びる第2環部11cと、により構成されている。
以上のように位置決めガイド部11aを備える押し当て部11によれば、この押し当て部11に所定の筒状体を押し当てるときに、位置決めガイド部11aの外周面と前記筒状体の内周面とを接触させながら径方向の位置を調整して位置決めすることで、前記筒状体が外筒部9の外側開口部9aを径方向の外側から囲うように位置決めすることができる。
図示の例では、外筒部9に上側から力が作用した場合、連結環部12と押し当て部11との連結部分12a及び連結環部12と内側端部9bとの連結部分12bに応力が集中して、外筒部9は、これら連結部分12a、12bを起点として容器軸O方向に屈曲変形可能とされている。
図示の例では、内筒部10は、その下側の端部である内側端部10aが外筒部9の内側端部9b内に挿入されている。また、内筒部10の内側端部10aは、その外径が、内筒部10において内側端部10aより上側に位置する部分の外径より小さくなっていると共に、外筒部9の内側端部9b内に嵌合されている。
図示の例では、刃部13は、上側に頂角が向く三角形状の複数の三角刃13aが容器軸O回り全周に亘って連続的に配置された鋸刃状に形成されている。また図示の例では、各三角刃13aは、下側から上側に向かうに連れて径方向の肉厚が薄くなっており、シール材8をより破断させやすくなっている。
図示の例では、内筒部10は、その刃部13の下端が押し当て部11の内周縁部11dより上方に位置するように押し当て部11に挿通されている。また、内筒部10は、その外周面が押し当て部11の内周縁部11dと摺接した状態で挿通されている。また、内筒部10は、押し当て部11の内周縁部11dと摺接している部分である挿通部分10bより下側の部分で、且つ前記内側端部10aより上側の部分である中間部分10cの外径が、前記挿通部分10bの外径と同等となっている。
以上のように内筒部10を構成することで、外筒部9が容器軸O方向に沿って屈曲変形したときに、押し当て部11は、その内周縁部11dが内筒部10の前記中間部分10cの外周面上を摺動し、内筒部10によって容器軸O方向に沿った移動を案内される。
以下では、この詰め替え容器1内の内容物Fを、詰め替え容器1とは異なる筒状の容器体20に移し替える場合について説明する。
次いで、図2に示すように、この詰め替え容器1を倒立姿勢にした状態で、内容物Fを使い切った後の容器体20の口部21の開口端縁22に、外筒部9の押し当て部11を位置決めしながら押し当てる。
この際、容器体20の口部21の内周面を、外筒部9の外側端部9dの外周面に接触させながら、容器体20の口部21の径方向の内側に外筒部9の外側開口部9aが位置するように位置決めすることができる。しかも、図示の例では、押し当て部11には、位置決めガイド部11aが備えられているので、より確実且つ容易に詰め替え容器1を位置決めすることができる。
この際、外筒部9が屈曲変形しつつ、押し当て部11の内周縁部11dが係止凸部10dを容器軸O方向に沿った容器本体2の外側から内側に乗り越えて移動し、押し当て部11に対する係止凸部10dの係止が解除される。これにより、押し当て部11の容器軸O方向に沿った容器本体2の内側への移動の規制が解除される。
ここで、内筒部10が、外筒部9の内側端部9b内に容器軸O方向に沿った移動を規制された状態で挿入されているので、外筒部9の外側端部9dと内側端部9bとの接近に併せて、外筒部9の外側開口部9aを閉塞するシール材8と、内筒部10の刃部13とも容器軸O方向に沿って接近する。
更にこの際、外筒部9は、連結環部12と押し当て部11との連結部分12a及び連結環部12と内側端部9bとの連結部分12bを起点として屈曲変形させられるので、これら連結部分12a、12bより容器軸O方向に沿った容器本体2の外側に位置する外筒部9の外側端部9dと容器体20との容器軸O方向に沿った相対的な位置関係は大きく変化せず、詰め替え容器1は、その内筒部10が容器体20内に進入するように移動する。
また、押し当て部11が環状に形成されているので、詰め替え容器1を倒立姿勢にした状態で容器体20の口部21の開口端縁22に押し当て部11を押し当てる際、この押し当て部11を前記開口端縁22に全周に亘って押し当てることができる。これにより、詰め替え容器1を容器体20側に押し込む作業が容易となり、詰め替え容器1内の内容物Fをより一層容易且つ短時間で移し替えることができる。
また、環状の押し当て部11を容器体20の口部21の開口端縁22に押し当てることで、容器体20の内部と外部との連通を押し当て部11によって効果的に抑えることが可能となるので、詰め替え容器1内の内容物Fを容器体20内に移し替える際、内容物Fが外気に触れるのをより一層抑制することができる。
例えば、キャップ4は前記実施形態に示したものに限られず、図4から図6に示すようなキャップ31を用いても構わない。
図4は、本発明に係る詰め替え容器の変形例の半断面図である。図5は、図4に示す詰め替え容器の使用方法を説明するための図である。図6は、図4に示す詰め替え容器の使用方法を説明するための図である。
また、図示の例では、第1、第2及び第3弱化部35、36は、キャップ31を構成する他の部分よりも薄肉にすることで破断可能に形成されている。
従って、このキャップ31を備える詰め替え容器30によれば、図5及び図6に示すように、詰め替え容器30内の内容物Fを容器体20に移し替える際、前述のように操作して周壁部32を上側に向けて開口させた状態で、容器本体2の押し当て部11を容器体20の口部21の開口端縁22に押し当てることができる。
なお、前記実施形態及び前記変形例では、いずれもキャップ4、31を備える詰め替え容器1、30としたが、キャップ4、31はなくても構わない。
また、刃部は、前述したいずれの場合であっても、内筒部10の全周に亘って形成されていなくても良い。
また、前記実施形態では、内筒部10は、環状の押し当て部11の径方向の内側に挿通されているものとしたが、これに限られない。また、前記実施形態では、内筒部10は、内筒部10の外周面上を押し当て部11の内周縁部11dに摺動させることで、この押し当て部11を容器軸O方向に沿って案内する構成としたが、押し当て部11が案内されれば摺動させる構成としなくても良い。
また、前記実施形態では、連結環部12と押し当て部11との連結部分12a及び連結環部12と内側端部9bとの連結部分12bを起点として容器軸O方向に屈曲変形可能としたが、これに限られない。例えば、外筒部において押し当て部より下側に位置する部分を筒状に形成すると共に、前記部分に容器軸方向に沿って屈曲変形可能な蛇腹状の屈曲部を形成することで、外筒部を屈曲変形可能としても良い。
2 容器本体
3 容器本体の口部
8 シール材
9 外筒部
9a 外筒部の外側開口部
10 内筒部
11 押し当て部
13 刃部
F 内容物
O 容器軸
Claims (3)
- 内容物が充填された有底筒状の容器本体を備える詰め替え容器であって、
前記容器本体の口部は、容器軸方向に沿った前記容器本体の外側の外側開口部がシール材により閉塞された外筒部と、前記外筒部の内側に容器軸方向に沿った移動を規制された状態で配設されると共に、前記シール材に容器軸方向に沿った前記容器本体の内側から対向する刃部を有する内筒部と、を備え、
前記外筒部には、径方向の外側に突出した押し当て部が備えられ、
前記外筒部は、容器軸方向に沿って屈曲変形可能であることを特徴とする詰め替え容器。 - 請求項1に記載の詰め替え容器であって、
前記押し当て部は、環状に形成されていることを特徴とする詰め替え容器。 - 請求項2に記載の詰め替え容器であって、
前記内筒部は、前記押し当て部の径方向の内側に挿通されていると共に、前記外筒部が屈曲変形したときに前記押し当て部の容器軸方向に沿った移動を案内する構成とされていることを特徴とする詰め替え容器。
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