JP5116096B2 - 車両用エンジンの燃料噴射制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両用エンジンの燃料噴射制御装置に関し、特に、未燃ガスの排出による三元触媒の温度上昇を防止するのに好適な車両用エンジンの燃料噴射制御装置に関する。
従来、電子燃料噴射装置を備えたエンジンを搭載した車両において、燃料噴射を停止させたり、予定回数の噴射毎に燃料噴射を間引いたりしてエンジンの出力を低下させて車速を制限する方法が知られる。例えば、特許文献1に記載された車両用エンジンの車速制限装置では、燃料噴射の間引きを行う際、あるいは間引き状態から定常の噴射状態への復帰する時に、燃料噴射の間引き回数を段階的に変化させるようにしている。こうして、燃料噴射の間引きおよび間引きからの復帰を段階的に行うことによってエンジン出力トルクの急激な変化を抑制することができる。
特開昭64−32047号公報
一般に、燃料噴射では空気との混合状態を良くするため、あるいはドライバビリティの向上のため、燃料噴射弁から噴射された燃料を一旦吸気管内の壁面に付着させ、この付着させた燃料が、吸気弁を開いたときに空気と共に燃焼室に吸入されるようにすることがある。このように吸気管ないし吸気ポートに付着した燃料は、1回の吸気行程ですべてが燃焼室に流入することなくわずかに残留する。
燃料噴射の休止時であっても吸気弁の開弁動作は行われるので、車速制限装置において、燃料噴射の休止直前のサイクルで噴射されて吸気管に付着残留している燃料が開弁時に燃焼室に流入することがある。この流入燃料はわずかな量であるため空気との混合比が理論空燃比とはならず、爆発行程で燃焼せず、未燃ガスを発生させて三元触媒の温度を上昇させることがある。そこで、燃料噴射の停止又は間引き前のサイクルで吸気ポートに付着残留する燃料を低減することが求められる。
本発明の目的は、上記課題を解消して要望に応え、車速制限時の未燃ガスの発生を抑制することができる車両用エンジンの燃料噴射制御装置を提供することにある。
上記課題を解決するための本発明は、車速が速度制限値を超えたときに、エンジンの気筒に対する燃料噴射を休止させることによって車速が所定の最高速度を超過しないように車速制限制御手段を設けたエンジンの燃料噴射制御装置において、車速制限制御中は、燃料噴射が休止される気筒に対する該休止直前の燃料噴射に関して、燃料噴射時期を車速制限制御前と比べて吸気弁開弁期間寄りに遅延させる遅延手段を備えた点に第1の特徴がある。
また、本発明は、前記遅延手段が、燃料噴射が休止される気筒に関して、少なくとも燃料噴射の休止直前を含む複数回の該気筒に関する燃料噴射について前記燃料噴射時期の遅延を実施する点に第2の特徴がある。
また、本発明は、車速制限制御中は、前記燃料噴射を休止させる割合を予定の最大割合に向けて段階的に増大する燃料カット制御部を備えている点に第3の特徴がある。
さらに、本発明は、前記燃料カット制御部が、車速制限制御によって車速が速度制限値以下に低下したときは、前記燃料噴射を休止させる割合を段階的に低減する点に第4の特徴がある。
上記第1の特徴を有する本発明によれば、燃料噴射時間を吸気弁の開弁時間に少なくとも一部で重ならせることができる。したがって、噴射された燃料のうち、燃焼室に直接流入させる分が生じ、吸気管壁面に付着する分を少なくすることができる。したがって、その後の燃料噴射休止サイクルでは、燃焼室に流入する燃料をほとんどなくすることができるので、未燃焼ガスをなくして三元触媒の温度上昇を抑制することができる。
第2の特徴を有する本発明によれば、燃料噴射休止サイクルの複数回前のサイクルから吸気管壁に付着する燃料を少なくすることによって、より確実に燃料噴射休止サイクルで燃焼室へ燃料が流入するのを防止することができる。
第3、第4の特徴を有する本発明によれば、燃料噴射休止によるエンジンの出力変化が急激に生じないようにして、車速制限開始時および車速制限終了時に乗員に違和感を感じさせることがないようにできる。
以下、図面を参照して本発明の一実施形態を説明する。図2は、本発明の一実施形態に係る燃料噴射制御装置を適用した自動二輪車用4サイクル4気筒ガソリンエンジンの要部システム構成図である。エンジン1は、4つの気筒2を備え、各気筒2には、吸気マニホルド(吸気管)3と排気マニホルド4とが接続されている。吸気マニホルド3の各分岐管3a、3b、3c、3dには、それぞれ燃料噴射弁(インジェクタ)5が設けられる。吸気マニホルド3の集合管31には、スロットルバルブ6aを有するスロットルボディ6が設けられ、スロットルバルブ6aには、スロットル開度θTHを検出するスロットルセンサ7が接続される。さらに集合管31の管壁には負圧センサ8および吸気温センサ9が取り付けられる。一方、排気マニホルド4の集合管41には酸素濃度センサ10が設けられ、その下流には三元触媒11が設けられる。三元触媒11は、排気ガス中のHC、CO、NOx等の浄化を行う。
エンジン1には、クランク角センサ12とカム角センサ13とエンジン温度センサ14とが設けられる。クランク角センサ12は図示しないクランク軸に関して設けられ、所定クランク角度毎にクランクパルスを出力する。カム角センサ13は図示しない吸気弁または排気弁を開閉するカム軸に関して設けられ、4つの気筒のうち特定の気筒の圧縮上死点でカムパルスを出力するように設定される。他の気筒の圧縮上死点は各気筒間の相対クランク角に基づいて判定される。エンジン温度センサ14は、エンジン1のウォータジャケット壁に設けられ、冷却水温の検出信号を出力する。さらに、この燃料噴射制御装置には、図示しない車輪に設けられた車速センサ15も含まれる。
上記各センサの出力信号は、マイクロコンピュータを備えた電子制御ユニット(ECU)16に入力され、燃料噴射量および燃料噴射時期の制御に使用されるほか、点火時期制御等にも使用される。
ECU16では、燃料噴射制御や点火時期制御とともに、車速制限制御を行う。車速制限制御とは、車速が予め設定した速度制限値を超過した時に、4つの気筒に対する燃料噴射を所定の割合で休止し、これによってエンジン出力を低下させ、車速を所定の最高速度以下に制限する制御をいう。
図3は、複数気筒の燃料噴射サイクルを示す図である。図3において、♯1〜♯4は気筒の識別符号である。図示のように、車速が速度制限値未満である場合は、♯1、♯2、♯4、♯3の順番にすべての気筒に対して燃料噴射を行い、この順序の繰り返しを維持する。そして、車速が速度制限値以上になったときに、このサイクルで行われている燃料噴射を所定の割合で休止(燃料カット)する。
図4は、燃料カットする気筒の例を示す図である。図4において、符号○は燃料噴射が通常に実施される気筒を示し、符号×は燃料カットされる気筒を示している。図4(a)の例では、車速制限制御に入ると、第1気筒♯1の燃料噴射を予定回数(ここでは2回)毎にカットしている。また、図4(b)の例では、第1気筒♯1および第2気筒♯2の燃料噴射を予定回数(ここでは2回)毎にカットしている。
このように、車速制限制御では予定の気筒に対する燃料カットを行ってエンジン出力を制限するが、燃料カットをしても、前回の燃料噴射時に吸気管に付着して残留している少量の燃料が、燃料カット時のサイクルで燃焼室に流入して未燃焼ガスを発生させる。そこで、本実施形態では、燃料カットを行う以前のサイクルで吸気管に燃料が付着して残留しないように、次の燃料噴射制御を行う。
図1は、燃料噴射時期を示すタイムチャートである。図1(a)は、通常走行時つまり速度制限値未満の車速で車両が走行しているときの燃料噴射時期と吸気弁開弁時期との関係を示し、図1(b)は速度制限値以上の車速で走行しているとき、つまり車速制限制御中の燃料噴射時期と吸気弁開弁時期との関係を示す。
図1では、エンジンの2回転つまり4サイクルに相当するクランク角度720度を32分割したステージ(図1中の数字はステージを示す)に対応させて燃料噴射時期および吸気弁開弁時期を示している。図1(a)において、燃料噴射は第5ステージで開始し、第18ステージで終了している。そして、この燃料噴射が終了した後の第19ステージから第30ステージでは、吸気弁が開弁している。すなわち、燃料噴射時期と吸気弁開弁時期とは互いに完全にずれている。これは、早めに燃料を噴射して十分な混合気の状態を作るためである。吸気弁が閉じている時、つまりステージ5〜18の間に噴射された燃料は吸気管の内壁面に付着するので、その後にステージ19で吸気弁を開くことによって、一旦吸気管の内壁面に張り付いた燃料が吸気と良く混合して燃焼室に給送される。しかし、この図1(a)に示したタイミングでは、既述のように、吸気管内に少量の燃料が張り付いたまま残留し、燃料休止タイミングで燃焼室に流入する。
そこで、本実施形態では、図1(b)に示すように、車速制限制御中は燃料噴射開始時期を遅らせて、燃料噴射時間が吸気弁開弁時間と一部重なるようにしている。つまり、第14ステージから第27ステージの間で燃料噴射を行い、第19ステージから第30ステージの間で吸気弁が開いている。
このように燃料噴射時期を遅らせることにより、燃料噴射開始後、吸気弁が開くまでに(ステージ14〜18で)噴射された燃料は、一部が一旦吸気管内壁に張り付いた後燃焼室に流入するが、吸気弁が開いた後(ステージ19〜27)で噴射される燃料の多くは燃焼室に直接流入する。したがって、噴射された燃料のうち、吸気管内壁に付着する分を少なくすることができる。これにより、未燃焼ガスの発生を抑制して三元触媒の温度上昇を抑制することができる。
燃料噴射時期を遅らせるのは、燃料カットするサイクルの直前、または直前およびそのさらに前のサイクルにおいてである。
図4に戻って車速制限制御のタイミングを具体的に説明する。図4(a)において、タイミングt1で車速が速度制限値を超えて車速制限制御が開始された場合を想定する。この場合、タイミングt1の次に第1気筒♯1の燃料噴射時期が訪れるタイミングt2、t3では燃料噴射時期を遅らせて燃料噴射を行う。そして、その次に第1気筒♯1の燃料噴射時期が訪れるタイミングt4では燃料カットを行う。
その後も、車速が速度制限値を超えたままであると、さらに、車速制限制御の1サイクルを実行する。つまり、その次に第1気筒の燃料噴射時期が訪れるタイミングt5等で燃料噴射時期を遅らせた燃料噴射を行い、その直後の、第1気筒♯1の燃料噴射時期では、さらに2回目の燃料カットを行う。
第1回目の遅延噴射が行われるタイミングt2から車速制限制御が開始され、タイミングt5の手前で車速制限制御の1サイクルが終了する。つまり、この例では12回の燃料噴射タイミングが車速制限制御の1サイクルであり、そのうちの1回だけ燃料カットを行っている。
図4(b)においても同様に、タイミングt1で車速が速度制限値を超えて車速制限制御が開始された場合を想定する。この場合、タイミングt1の次に第1気筒♯1、第2気筒♯2の燃料噴射時期が訪れるタイミングt2、t3ならびにt4、t5で燃料噴射時期を遅らせて燃料噴射を行う。そして、その次に第1気筒♯1、第2気筒♯2の燃料噴射時期が訪れるタイミングt6、t7で燃料カットを行う。
その後も、車速が速度制限値を超えたままであると、さらに、その次に第1気筒および第2気筒の燃料噴射時期が訪れるタイミングt8等で燃料噴射時期を遅らせた燃料噴射を行い、その直後の、第1気筒♯1および第2気筒♯2の燃料噴射時期では、さらに第1気筒♯1および第2気筒♯2について第2回目の燃料カットを行う。つまり、図4(b)の例では車速制限制御の1サイクル中、2回燃料カットを行っている。
図5は、車速制限制御のためのECU16の要部機能を示すブロック図であり、気筒♯1〜♯4に共通するものである。図1において、回転数算出部17は、クランク角センサ12から出力されるクランクパルスの周期に基づいてエンジン回転数Neを算出する。燃料噴射量算出部18は、エンジン回転数Neとスロットルセンサ7で検出されるスロットル開度θTHとに基づいて、燃料噴射時間Tiで代表される燃料噴射量を算出する。算出方法は燃料噴射時間Tiとエンジン回転数Neおよびスロットル開度θTHとの関係を示すマップを使用するものでもよいし、所定の算出式により算出するものでもよく、いずれも周知の方法を使用することができる。また、燃料噴射時間Tiはエンジン温度センサ14で検出されるエンジン温度や吸気温センサ9で検出される吸気温度等によって補正することができる。
燃料噴射時期決定部19は、エンジン回転数Neとスロットル開度θTHとに基づいて燃料噴射開始時期を決定する。燃料噴射タイミングも、エンジン回転数Neやスロットル開度θTH以外のパラメータ、例えば、エンジン温度等によって補正することができる。
燃料噴射時期決定部19には、クランク角センサ12およびカム角センサ13からクランクパルスおよびカムパルスが入力され、これらの入力信号に基づいて算出される各気筒のクランク角が、前記燃料噴射時期と一致したときに燃料噴射指令を出力する。ドライバ20は、燃料噴射指令が入力されたときに、前記燃料噴射時間Tiだけインジェクタ5に電流を流して燃料を噴射させる。
さらに、本実施形態では、車速が所定の最高速度を超えるのを防止するための最高速度制限制御機能を含む。最高速度制限制御のために、燃料噴射時期決定部19から出力する燃料噴射指令を休止させる燃料カット制御部21と、燃料噴射時期を遅延させる遅延手段22と、燃料カットおよび燃料噴射時期遅延対象の気筒を検出する気筒判定部23とが設けられる。
車速判定部23は、車速が所定の最高速度を超えないように車速センサ15で検出された自動二輪車の車速が予定の速度制限値以上になった場合に、燃料カット制御部21と遅延手段22とに車速検出信号を入力する。気筒判別部24はカムパルスとクランクパルスとに基づいて気筒判別を行う。燃料カット制御部21は、気筒判別部23からの気筒識別信号に基づいて予め決定されている燃料カット対象の気筒を判断し、燃料カット指令を出力する。遅延手段22は、気筒識別信号に基づいて燃料噴射時期を遅延させる予定の気筒を判断し、遅延指令を出力する。
燃料噴射指令は、燃料カット指令によって休止され、ドライバ20に入力されない。また、燃料噴射指令は、遅延指令によって遅延されてドライバ20に入力される。
次に、図4(a)に示した車速制限制御の動作を図6、図7のフローチャートを参照して説明する。図6において、ステップS1では、車速センサ15の出力信号から車速Vを算出する。ステップS2では、車速Vが予定の速度制限値VLMT以上か否かを判定する。ステップS2が肯定ならばステップS3に進んで車速制限制御中であることを示す制御中フラグを立てる。そして、ステップS4に進んで車速制限制御を行う。
ステップS2が否定ならば、ステップS5に進んで車速制限制御中か否かを判断する。車速制限制御中か否かは、制御中フラグによって判断する。車速制限制御中であったならばステップS6に進んで車速制限制御を解除する。車速制限制御の解除では、燃料カットや燃料カット前の燃料噴射時期の遅延制御を終えて、通常に気筒識別毎に当該気筒に対する燃料噴射を行う。ステップS6で、車速制限制御が解除されたならば、最高速度近くの高速走行ではない通常の走行状態であるので、この処理を抜ける。
図7は、車速制限制御の詳細を示すフローチャートである。図7のステップS401では、カム角センサ13によるカムパルスに基づく気筒識別信号により、第1気筒♯1を識別したか否かを判断する。ステップS402では、気筒カウンタのカウンタ値C1を「1」に設定する。気筒カウンタとは、燃料噴射サイクルにおいて4気筒のうち何番目の気筒であるかを示すものであり、カウンタ値C1が「4」になれば「1」にリセットされる循環カウンタである。カウンタ値C1「1」は、図3に示した燃料噴射サイクルの噴射順序に従えば、第1番目の気筒、つまり、図3の噴射順序では第1気筒♯1を示す。同様に、カウンタ値C1「2」は第2気筒♯2を示し、カウンタ値C1「3」は第4気筒♯4を示し、カウンタ値C1「4」は第3気筒♯3を示す。
ステップS403では、遅延噴射カウンタのカウンタ値C2を「0」に初期化する。遅延噴射カウンタは燃料噴射時期を遅らせた燃料噴射(遅延噴射)を行った回数を計数するカウンタである。この遅延噴射カウンタはカウンタ値C2が「2」になれば「0」にリセットされる。
ステップS404では、カウンタ値C1が第1気筒♯1を示す「1」であるか否かを判断する。最初はカウンタ値C1がステップS402で初期化されて「1」であるので、ステップS404は肯定となる。ステップS404が肯定のときは、ステップS405に進み、カウンタ値C2が「2」か否かを判断する。遅延噴射が2回行われたならばステップS405は肯定となってステップS406に進み、当該気筒に対する燃料カットを実施する。つまり燃料噴射を行わない。遅延噴射が2回行われるまではステップS405が否定となってステップS407に進み、図1(b)に示した遅延噴射を行う。ステップS408ではステップS407の遅延噴射に応じてカウンタ値C2をインクリメント(+1)する。
ステップS406で燃料カットした後、あるいは遅延噴射後、ステップS408でカウンタ値C2をインクリメントした後は、ステップS410に進んでカウンタ値C1をインクリメントする。ステップS404でカウンタ値C1が「1」でないと判断された場合は、ステップS409に進んで、通常に燃料噴射を実行し、ステップS410に進む。
ステップS411では、カウンタ値C1が「4」か否かの判断がなされる。つまり1サイクル4気筒分の燃料噴射制御が終了したか否かが判断される。ステップS411が否定ならばステップS404に進む。ステップS411が肯定ならばメインルーチン(図6)に戻り、車速判断を行う。
図7の動作を図4(a)に対応付けると、図4(a)のタイミングt2、t3では、ステップS404が肯定、ステップS405が否定となるのでステップS407の遅延噴射を行う。そして、この2回の遅延噴射が行われた後はカウンタ値C2が「2」になるので、タイミングt4で燃料カットが実施される。図4(a)におけるタイミングt2、t3、t4、t5以外、つまり第1気筒以外の各気筒の燃料噴射は、ステップS404の判断が否定になるので、遅延を行わず通常の燃料噴射が実施される。
図4(b)の車速制限制御も、図6のフローチャートに示した処理を変形して実施できる。図4(b)の車速制限制御においては、図6のカウンタ値C2がリセットされる値を変形して対応できる。
図8は、図4(b)の車速制限制御に対応するフローチャートである。図8において、図7と同一の処理は説明を簡略化する。図8において、ステップS501では、第1気筒♯1を識別したか否かを判断する。ステップ502では、気筒カウンタのカウンタ値C1を「1」に設定する。
ステップS503では、遅延噴射カウンタのカウンタ値C2を「0」に初期化する。この例では、遅延噴射カウンタはカウンタ値C2が「4」になれば「0」にリセットされるようにする。図4(b)に示すように4回の遅延噴射が行われれば、その後に、タイミングt6、t7で燃料カットを行うようにするためである。
ステップS504では、カウンタ値C1が第1気筒♯1を示す「1」であるか否かを判断する。最初はカウンタ値C1がステップS502で初期化されて「1」であるので、ステップS504は肯定となる。ステップS504が肯定のときは、ステップS505に進み、カウンタ値C2が「4」か否かを判断する。ステップS505が肯定の場合、2気筒に対する遅延噴射がそれぞれ2回、合計4回行われているので、ステップS506に進んで、当該気筒に対する燃料カットを実施する。
遅延噴射が4回行われていないときはステップS505は否定になるので、ステップS507に進んで図1(b)に示した遅延噴射を行う。ステップS508ではステップS407の遅延噴射に応じてカウンタ値C2をインクリメントする。
ステップS506で燃料カットした後、あるいは遅延噴射後、ステップS508でカウンタ値C2をインクリメントした後は、ステップS510に進んでカウンタ値C1をインクリメントする。ステップS504でカウンタ値C1が「1」でないと判断された場合は、ステップS509に進んで、カウンタ値C1が第2気筒♯2を示す「2」であるか否かが判断される。ステップS509が否定ならば、第1気筒♯1でも、第2気筒♯2でもないので、ステップS510に進んで、通常に燃料噴射を実行し、ステップS511に進む。
ステップS512では、カウンタ値C1が「4」か否かの判断により、1サイクル分の燃料噴射制御が終了したか否かが判断される。ステップS512が否定ならばステップS504に進む。ステップS512が肯定ならばメインルーチン(図6)に戻り、車速判断を行う。
上述の例では、燃料カットする前に燃料カットする気筒に関してそれぞれ2回分の燃料噴射時に燃料噴射時期を遅延させるようにしたが、燃料カットの直前つまり図4(a)のタイミングt3、または図4(b)のタイミングt4、t5でのみ、燃料噴射時期を遅延させるようにしてもよい。
また、上述の例では、燃料カットの割合は1/12または2/12としたが、これに限らない。例えば、図4(b)の車速制限制御の1サイクルにおいて、燃料カットをする気筒をさらに増やし、タイミングt6、t7の直後の気筒♯4または♯3に関しても燃料カットを行い、燃料カット割合を3/12または4/12とすることができる。
さらに、車速制限制御において、固定した燃料カット割合で車速を制限するのではなく、徐々に燃料カット割合を増やしていってもよい。小さい燃料カット割合では車速を速やかに低減させることができないことがある一方、予め大きい燃料カット割合としたのでは、急激に車速が低減して乗員に違和感を与えることがあるからである。
図9は、段階的に燃料カット割合を増やしていく例を示す図である。図9(a)では、10回の燃料噴射をすべて通常に行った場合を示す。図9(b)は10回の燃料噴射動作の1回だけ燃料カットを行った場合を示す。図9(c)は10回の燃料噴射動作の2回燃料カットを行った場合を示す。図9(d)は10回に燃料噴射動作のうち3回燃料カットを行った場合を示す。
図9に示す燃料カット割合の切り替えは、図9(a)から図9(d)の割合までの切り替えが完了するまで続けてもよいし、車速が速度制限値以下になったときには、図9(d)の割合つまり最終目標割合まで切り替えず、途中で終了しても良い。
これらのいずれの場合も、少なくとも直前1回の当該気筒の燃料噴射は噴射時期を遅らせて吸気管の壁面に張り付く燃料量を低減するように制御する。図9において、燃料噴射時期を遅らせた気筒には黒○印を付けてある。
車速制限制御中に車速が速度制限値以下に戻った場合も、1度で燃料カットを終えるのではなく、徐々に燃料カットする気筒の割合を減らしていくように制御するのがよい。つまり図9の(d)に示した制御から(a)に示した制御に移行させる。
また、上記実施形態では、燃料噴射時期は、車速制限制御中と車速制限制御中でない場合との二つの場合に応じてエンジン回転数Neとスロットル開度θTHとに基づいて決定した。この燃料噴射時期は、行程判別により行程が確定していて吸気弁の開弁タイミングが明確な場合に決定できる。しかし、近年、部品数の削減のためカムパルサを廃止し、吸気負圧とクランクパルス等に基づいて行程判別することがある。このように、カムパルサを使用しないエンジンでは、行程判別ができずに吸気弁の開弁タイミングが不明な場合が存在する。そこで、このようなカムパルサを備えていないエンジンにおいては、車速制限制御中に行程が不明になったとき、行程が確定するまでは、上記二つの場合とは異なった、予め設定された別の燃料噴射時期を使用する。例えば、クランク角720度を所定角度で分割して形成したステージのうち、予め設定したステージで燃料を噴射する。
上述の実施形態は、本発明の一実施形態であり、本発明はこれに限定されない。例えば、燃料カット割合は任意に変形できるし、燃料カットする気筒や、燃料噴射時期を遅延させる気筒の判別手法は、図6〜図8に示した処理に限定されない。要は、車速が予定の速度制限値を超過した場合に、燃料カットされる気筒に関して、少なくとも直前のサイクルを含むそれ以前のサイクルにおいて燃料噴射時期を吸気弁の開弁期間寄りに、通常時よりもずらす制御が行われればよい。
本発明の一実施形態に係る燃料噴射制御装置の燃料噴射時期と吸気弁の開弁時期との関係を示す図である。 本発明の燃料噴射制御装置を適用したエンジンのシステム構成図である。 複数気筒の燃料噴射サイクルを示す図である。 燃料カットする気筒の例を示す図である。 車速制限制御のためのECUの要部機能を示すブロック図である。 車速制限制御の動作を示すフローチャートである。 車速制限制御の詳細動作(その1)を示すフローチャートである。 車速制限制御の詳細動作(その2)を示すフローチャートである。 段階的に燃料カット割合を増やしていく例を示す図である
符号の説明
1…エンジン、 2…気筒、 3…吸気マニホルド(吸気管)、 4…排気マニホルド、 5…燃料噴射弁(インジェクタ)、 7…スロットルセンサ、 12…クランク角センサ、 13…カム角センサ、 15…車速センサ、 16…ECU

Claims (3)

  1. 車速が速度制限値を超えたときに、エンジンの気筒に対する燃料噴射を休止させることによって車速が所定の最高速度を超過しないように車速制限制御手段を設けたエンジンの燃料噴射制御装置において、
    車速制限中は、燃料噴射が休止される気筒に対する該休止直前の燃料噴射に関して、燃料噴射時期を車速制限前と比べて吸気開弁期間寄りに遅延させる遅延手段を備え、
    前記遅延手段が、燃料噴射中に吸気弁を開き、前記吸気弁が開いている間に燃料噴射が終了するように燃料噴射開始時期を遅らせる構成を含んでおり、かつ、燃料噴射が休止される気筒に関して、少なくとも燃料噴射の休止直前を含む複数回の該気筒に関する燃料噴射について前記燃料噴射時期の遅延を実施するように構成されることを特徴とするエンジンの燃料噴射制御装置。
  2. 車速制限制御中は、前記燃料噴射を休止させる割合を予定の最大割合に向けて段階的に増大する燃料カット制御部を備えていることを特徴とする請求項1記載のエンジンの燃料噴射制御装置。
  3. 前記燃料カット制御部が、車速制限制御によって車速が速度制限値以下に低下したときは、前記燃料噴射を休止させる割合を段階的に低減することを特徴とする請求項1記載のエンジンの燃料噴射制御装置。
JP2008051140A 2008-02-29 2008-02-29 車両用エンジンの燃料噴射制御装置 Active JP5116096B2 (ja)

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