JP5115561B2 - 無線通信端末、方法、プログラム、記録媒体、および無線通信システム - Google Patents

無線通信端末、方法、プログラム、記録媒体、および無線通信システム Download PDF

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Description

本発明は、無線通信技術に関し、特に無線基地局の所在を確認する技術に関する。
近年、無線LAN(Local Area Network)をはじめとする様々な無線通信デバイスがパソコン、周辺機器、携帯電話、ゲーム機、家電などあらゆる装置に搭載されるようになってきた。その中でもノートパソコンや携帯電話、ゲーム機などの移動性を有する装置においてはあるアプリケーションを利用しながら移動するという場合がある。例えば、携帯電話を用いて電話中に移動する状況は容易に想像可能である。
無線により通信したまま移動することにより、無線通信端末が通信する無線基地局の電波到達範囲を超えたり、無線基地局が報知する情報に基づいてよりよい電波状況の基地局が存在したりすることにより無線通信端末が通信する基地局を切替える処理が発生する。例えば、同時に複数の接続先基地局の候補が存在する場合、現在接続している基地局に対する受信電界強度があらかじめ定められた閾値より低下したことをトリガーとしてより受信電界強度の強い基地局に対して接続し直す基地局の切替え処理が発生する。この時発生する切替え処理を一般的にハンドオーバー(Hand Over)と呼ぶ。
ハンドオーバーの発生においては次のような状況を伴う。無線通信端末が基地局を介してネットワークとIP(Internet Protocol)データ通信を行うまでには無線層で接続するためのネゴシエーション及びIP設定処理を必要とする。例えば、IP設定処理をDHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)などのように動的に設定する方法を用いた場合、無線通信端末とDHCPサーバーとの間で通常数パケットのやり取りが行われることになる。
主に大企業などではネットワーク管理を効率よく行うために、ネットワークをいくつかのサブネットに分割して設定及び管理する場合がある。この場合、ハンドオーバーしたときに他のサブネットにて設定されたIPアドレスではIP通信を行うことができないため、DHCP処理を省略することができない。
しかし、DHCPでは、このDHCPサーバーから無線通信端末にてIPアドレスを設定するのに時間がかかり、しいてはハンドオーバー時にはサービス停止時間やパケット損失が発生する。従って頻繁なハンドオーバーが発生すると、無線通信端末における通信サービスの品質が低下する問題点がある。したがって、ハンドオーバーの際、DHCPなどのサーバーへのアクセスを回避する必要がある。
しかしながら、関連技術では、特別なサーバーを必要とすることなく、ハンドオーバーを実行する前に、ハンドオーバー候補となる新たな無線基地局が、接続中の無線基地局と同じサブネットに接続されているかどうかを判別することができないという問題点があった。
例えば、文献「特許第3793193号公報」に示されるように、この種のハンドオーバー後に、データ通信を開始したままDHCP処理を実行し、DHCPサーバーが応答する情報に基づいてハンドオーバー前後でのサブネットを比較し、サブネットが同じであった場合はIPアドレスを継続して使用しデータ通信を継続させ、サブネットが異なる場合はデータ通信を中断しIPアドレス取得動作を実行し新たに取得してIPアドレスでデータ通信を再開する方式がある。
この場合、同じサブネットかどうかを判別する前にハンドオーバー前のIPアドレスを使用してデータ通信を継続してしまっているため、ネットワークに影響を与えてしまう可能性があるという問題がある。また、DHCPサーバーに対して処理を途中で終了させてしまうことによりDHCPサーバーでのリソースが無駄に消費されてしまうという問題がある。
また、この種の検出方法は、例えば文献「特開2006−093756号公報」に示されるように、無線基地局は自己が接続されているサブネットワークのアドレスを示すIP層ネットワークアドレスを報知する情報に含めることで、事前に現在接続している無線基地局と同一のサブネットに接続された無線基地局を判断し優先的に接続する方法が示されている。
しかし、無線基地局が報知する情報は第3者が容易に入手できることからIPネットワーク構成を広く公開しているに等しくセキュリティ上の脅威となりえる可能性がある。また、特にプライベートアドレスを用いたアドレス体系で構成されている場合、異なるサブネットであるが偶然にも同じアドレス体系である状況は容易に想定され、このような場合には対応できないという問題点もある。
一方、文献「"8.4.6.1 Preauthentication and RSNA key management"、"Amendment 6:Medium Access Control(MAC) Security Enhancements"、IEEE Std 802.11(tm)i-2004、pp.69-70、2004年7月23日」に示されるように、無線通信端末は現在接続中の無線基地局を介してハンドオーバー候補となる無線基地局と事前に認証のための通信を行う方法、すなわち事前認証の手続き手法がIEEE(Institute of Electrical and Electronic Engineers:米国電気電子学会):802.11グループの中でも、セキュリティについて記述しているIEEE:802.11iにて定義されている。この方法では、無線通信端末が現在接続している無線基地局を介して、ハンドオーバーの候補となる無線基地局のMACアドレスを宛先とし、データリンク層上でのデータ通信種別を識別する値としてIEEE:802.11iの事前認証である旨を表す特定の値を指定することで、無線通信端末とハンドオーバー候補となる無線基地局でのやり取りが実行される。
ただし、この場合、ハンドオーバー候補となる無線基地局がIEEE:802.11iの事前認証に対応しているのはもちろんのこと、現在接続している無線基地局においてもIEEE:802.11iの事前認証自体の機能を備えていなくてもデータリンク層上でのデータ通信種別を識別する値を認識し、特定のMACアドレスを有する無線基地局に対して適切に転送する動作を要する。これらは標準化で定義されてはいるものの、実装が必須の機能とはなっておらず全ての無線基地局に対して対応を期待することは容易ではないという問題点があった。それ以外にも、同一ESS(Extended Service Set)内でのみ有効な機能であるため、異なるESS間を跨いだ場合は有効ではないという問題点やESSに依存するという問題点もある。
また、この種の検出方法は、例えば文献「特開2006−262371号公報」に示されるように、無線基地局に関する情報を事前に収集及び設定されたAP情報サーバーをサブネット毎に設置し、無線通信端末は予め用意されたAP情報サーバーからハンドオーバー先の情報を取得する方法が示されている。しかし、サブネット毎にAP情報サーバーを用意し、予めAPに関する情報を設定しておかなければならず、拡張性及びコストの面で課題が残っている。
IPアドレスが既知ではない装置に対して無線通信端末と同一サブネットに存在するかどうかを判定する方法として、一般的にネットワークの導通確認に用いられるICMP(Internet Control Message Protocol)メッセージをベースとした応答確認やARP(Address Resolution Protocol)などを用いて、現在接続中の無線基地局を介して無線通信端末のネットワーク情報を元に想定される範囲の全てのIPアドレスに対して順に存在確認要求メッセージを送信し、その存在確認応答メッセージを元に判定する方法が考えられる。また、IPアドレスが既知ではない装置に対してIPブロードキャストを送信先として応答確認を実行する方法が考えられる。
この場合、無線通信端末は無線基地局が報知する情報から無線基地局のMACアドレスを把握することができるため、存在確認応答メッセージに含まれる送信元MACアドレスと無線基地局が報知するMACアドレスとの対応付けを試みようとする。
しかし、一般的に無線インタフェースと有線インタフェースを備えブリッジとして動作する無線基地局は、応答を有線インタフェース側から受信した場合に、もし送信先に指定されたIPアドレスが自身の有するIPアドレスであったとしても、その存在確認応答メッセージとして送信元MACアドレスに有線インタフェースが有するMACアドレスを使用するため、無線通信端末が送信する要求に対する存在確認応答メッセージが無線基地局のものであるかどうかの識別が困難であるという問題がある。
また、想定される範囲の全てのIPアドレスに対して順に応答確認メッセージを送信することは効率が悪いことは容易に推測可能であり、その分ネットワーク帯域を消費させてしまうという懸念や無線通信端末における処理の観点からも消費電力の問題があった。例えば、無線通信端末が「192.168.0.0/24」のネットワーク環境にいることを想定すると、装置のアドレスとしてはみなされないアドレス「192.168.0.0」及び「192.168.0.255」と自身のアドレス以外の253個もの応答確認メッセージを送信することになる。
効率の面からIPブロードキャストを送信先として応答確認を実行する方法では、前述のように送信元MACアドレスと無線基地局が報知するMACアドレスとの対応付けが困難であるという問題に加え、昨今のセキュリティ事情から、IPブロードキャストによる存在確認メッセージの送信行為自体が攻撃とみなされる可能性が少なからず存在するという懸念があった。
本発明はこのような課題を解決するためのものであり、特別なサーバーを必要とすることなく、無線通信端末がハンドオーバー前にハンドオーバー候補となる無線基地局が、無線通信端末が現在接続中の無線基地局と同じサブネットに接続されているかどうかを判別することができる無線通信端末、方法、プログラム、記録媒体、および無線通信システムを提供することを目的としている。
このような目的を達成するために、本発明にかかる無線通信端末は、無線通信インタフェース部を備える無線通信端末であって、無線通信インタフェース部を介して接続中の無線基地局から送信された情報から新たな無線基地局が備える無線通信インタフェースのレイヤー2アドレスを取得するアドレス取得部と、アドレス取得部で取得したレイヤー2アドレスを宛先アドレスとするとともに当該無線通信端末自身のレイヤー2アドレスを送信元アドレスとし、レイヤー3アドレスにブロードキャストもしくはマルチキャスト宛を指定した存在確認要求メッセージを生成する存在確認要求生成部と、この存在確認要求生成部で生成した存在確認要求メッセージを接続中の無線基地局を介して送信する存在確認要求送信部と、存在確認要求メッセージに対する存在確認応答メッセージを受信する存在確認応答受信部と、この存在確認応答受信部で存在確認応答メッセージを受信したときには、新たな無線基地局が接続中の無線基地局と同一サブネットに属していると判定するサブネット判定部とを備えている。
また、本発明にかかる無線通信方法は、無線通信インタフェース部を備える無線通信端末で用いる無線通信方法であって、無線通信インタフェース部を介して接続中の無線基地局から送信された情報から新たな無線基地局が備える無線通信インタフェースのレイヤー2アドレスを取得するアドレス取得ステップと、アドレス取得ステップで取得したレイヤー2アドレスを宛先アドレスとするとともに当該無線通信端末自身のレイヤー2アドレスを送信元アドレスとし、レイヤー3アドレスにブロードキャストもしくはマルチキャスト宛を指定した存在確認要求メッセージを生成する存在確認要求生成ステップと、この存在確認要求生成ステップで生成した存在確認要求メッセージを接続中の無線基地局を介して送信する存在確認要求送信ステップと、存在確認要求メッセージに対する存在確認応答メッセージを受信する存在確認応答受信ステップと、この存在確認応答受信ステップで存在確認応答メッセージを受信したときには、新たな無線基地局が接続中の無線基地局と同一サブネットに属していると判定するサブネット判定ステップとを備えている。
本発明によれば、特別なサーバーを必要とすることなく、無線通信端末がハンドオーバー前にハンドオーバー候補となる無線基地局が、無線通信端末が現在接続中の無線基地局と同じサブネットに接続されているかどうかを判別することができる。
したがって、ハンドオーバー後にIPアドレスの変更を伴うハンドオーバーがIPアドレスを伴わないハンドオーバーに優先して実行されることを回避でき、また、ハンドオーバー後の無駄なIPアドレス設定処理を省くことが可能となる。さらに、無線基地局に関する情報を予め記憶する特別なサーバーを用意する必要もない。
図1は、本発明の基本となる無線通信端末の構成を示すブロック図である。 図2は、本発明の第1の実施形態にかかる無線通信システムの構成を示すブロック図である。 図3は、本発明の第1の実施形態にかかる無線通信端末の構成を示すブロック図である。 図4は、存在確認メッセージの構成例である。 図5は、本発明の第1の実施形態にかかる無線通信端末1のハードウェア構成を示すブロック図である。 図6は、本発明の第1の実施形態にかかる無線通信システムの動作を示すシーケンス図である。 図7は、本発明の第1の実施形態にかかる無線通信端末の動作を示すフローチャートである。 図8は、本発明の第2の実施形態にかかる無線通信システムの構成を示すブロック図である。 図9は、本発明の第2の実施形態にかかる無線通信端末の構成を示すブロック図である。 図10は、本発明の第2の実施形態にかかる無線通信システムの動作を示すシーケンス図である。 図11は、本発明の第2の実施形態にかかる無線通信端末の動作を示すフローチャートである。 図12は、本発明の第3の実施形態にかかる無線通信端末の構成を示すブロック図である。 図13は、アドレスと識別子の組を示す説明図である。 図14は、本発明の第3の実施形態にかかる無線通信システムの動作を示すシーケンス図である。
次に、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
[本発明の基本構成]
まず、図1を参照して、本発明の基本となる無線通信端末について説明する。図1は、本発明の基本となる無線通信端末の構成を示すブロック図である。
この無線通信端末1は、無線基地局を介してネットワークに接続された通信装置とIPプロトコルを用いたデータ通信を行う装置である。
無線通信端末1には、主な機能部として、無線通信インタフェース部1A、アドレス取得部1B、存在確認要求生成部1C、存在確認要求送信部1D、存在確認応答受信部1E、およびサブネット判定部1Fが設けられている。
無線通信インタフェース部1Aは、無線基地局と無線通信を行う機能を有している。
アドレス取得部1Bは、当該無線通信端末1が備える無線通信インタフェース部1Aを介して無線基地局から送信された情報から無線基地局が備える無線通信インタフェースのレイヤー2アドレスを取得する機能を有している。
存在確認要求生成部1Cは、アドレス取得部1Bで取得したレイヤー2アドレスを宛先とし当該無線通信端末自身のレイヤー2アドレスを送信元として、レイヤー3アドレスにはブロードキャストもしくはマルチキャスト宛とした存在確認要求メッセージを生成する機能を有している。
存在確認要求送信部1Dは、存在確認要求生成部1Cが生成した存在確認要求メッセージを接続中の無線基地局を介して送信する機能を有している。
存在確認応答受信部1Eは、存在確認要求メッセージに対する存在確認応答メッセージを受信する機能を有している。
サブネット判定部1Fは、存在確認応答受信部1Eの受信結果に基づき、存在確認応答メッセージを受信したときに無線基地局が当該無線通信端末1と同一サブネットに属していると判定する機能を有している。
一般的な無線通信端末では、ハンドオーバー制御の際、無線基地局を切り替えた後にならないとIPネットワークアドレス情報を把握することができないため、ハンドオーバー後に接続したネットワークのIPアドレス情報を確認している。
本発明では、このハンドオーバー後の状態であればIPアドレスを把握できる点に着目し、無線通信端末1の無線通信インタフェース部1Aを介して取得した新たな無線基地局のレイヤー2アドレスを宛先として、ハンドオーバーする前に接続している無線基地局を介して存在確認要求メッセージを送信する。
すなわち、ハンドオーバーの際、アドレス取得部1Bにより、無線通信インタフェース部1Aを介して接続中の無線基地局から送信された情報から新たな無線基地局が備える無線通信インタフェースのレイヤー2アドレスを取得する。
次に、存在確認要求生成部1Cにより、レイヤー2アドレスを宛先とし当該無線通信端末自身のレイヤー2アドレスを送信元として、レイヤー3アドレスにはブロードキャストもしくはマルチキャスト宛とした存在確認要求メッセージを生成する。
続いて、存在確認要求送信部1Dにより、存在確認要求生成部1Cが生成した存在確認要求メッセージを、無線通信インタフェース部1Aから接続中の無線基地局を介して送信する。
その後、存在確認応答受信部1Eにより、存在確認要求メッセージに対する存在確認応答メッセージを、無線通信インタフェース部1Aを介して受信する。
これに応じて、サブネット判定部1Fにより、存在確認応答受信部の受信結果に基づき、存在確認応答メッセージを受信したときに新たな無線基地局が当該無線通信端末と同一サブネットに属していると判定する。
これにより、事前に無線基地局の情報が設定された情報サーバーを必要とすることなく、新たな無線基地局と無線通信端末が接続中の無線基地局とが同じサブネットに属しているか否かをハンドオーバー前に把握することが可能となる。
ここで、ハンドオーバー候補となっている無線基地局の中から同一サブネットに属している無線基地局を優先的にハンドオーバー先として選択してもよい。さらに、事前に把握している同一サブネット判定結果に基づき、同一サブネットに属する無線基地局へハンドオーバーした場合はハンドオーバー前のIP通信設定を継続して利用し、異なるサブネットに属する無線基地局へハンドオーバーした場合はハンドオーバー後にIP通信設定を再取得して利用するようにしてもよい。
[第1の実施形態]
次に、図2を参照して、本発明の第1の実施形態にかかる無線通信システムについて説明する。図2は、本発明の第1の実施形態にかかる無線通信システムの構成を示すブロック図である。
この無線通信システムは、LAN回線またはWAN(Wide Area Network)回線などを結ぶネットワーク7,8,9、ネットワーク7に接続された無線基地局2、ネットワーク8に接続された無線基地局3、ネットワーク9に接続された無線基地局4、ネットワーク7、ネットワーク8及びルーター6に接続されたハブ5、ネットワーク7及びネットワーク8とネットワーク9のサブネットを分割するルーター6、および無線基地局2を介して伝送媒体に無線を利用してネットワークに接続する無線通信端末1を備えている。
無線基地局2は、IEEE:802.11の規格に準拠した基地局としての機能を有し、無線通信端末からの接続ネゴシエーション要求に応じて接続ネゴシエーションを実行し、接続ネゴシエーションが完了すると無線通信端末1とネットワーク7に接続された装置との間でのデータ通信を中継する機能等を備える。
より具体的には、無線基地局2は、IEEE:802.11の規格に準拠した無線通信端末1との間に通信路を確立する機能と、必要に応じて無線通信端末1との間で認証を行う機能と、必要に応じて無線通信端末1との間の通信路の暗号化を行う機能と、無線通信端末1の管理機能と、確立した通信路を介して無線通信端末とデータ通信を行う機能と、無線通信端末1とネットワーク7との間のデータを中継する機能とを備える。
無線基地局3は、無線基地局2と同等の機能に加え、ネットワーク8に接続された装置とインターネットプロトコル(IP)を用いた通信を行う機能等を備える。さらに、無線基地局3は、無線基地局3に送信されたフレームを受信すると無線基地局3内にて処理する機能を備える。
より具体的には、無線基地局3が有するインタフェースに付与されたMAC(Media Access Control)アドレス宛に送信されたフレームを受信すると、フレーム種別を識別し、種別に適応したプロトコルスタックへ渡し、プロトコルスタックにて処理を実行する。例えば、フレーム種別がIPプロトコルであった場合、IPを処理するプロトコルスタックに渡されて処理されることとなる。無線基地局3が有するMACアドレス以外にも、ブロードキャスト宛すなわち「FF:FF:FF:FF:FF:FF」宛に送信されたフレームに関しても同様に処理する機能を備える。
さらに、無線基地局3は、無線基地局3宛に送信された存在確認要求メッセージを受信すると、送信元アドレスに対して存在確認応答を返信する機能を備える。無線基地局3宛以外にもブロードキャスト宛で存在確認要求を受信した場合でも同様に存在確認応答メッセージを返信する機能を備える。より具体的には、無線基地局3に設定されるIPアドレス宛か、もしくはIPアドレスを構成するネットワーク部分とホスト部分のうちホスト部分が全て"1"であるIPアドレス宛か、もしくは全て"1"であるIPアドレス宛である場合である。
例えば、無線基地局3のIPアドレスが「192.168.0.10」であり、サブネットアドレスが「255.255.255.0」だとすると、「192.168.0.10」宛はもちろんのこと、「192.168.0.255」及び「255.255.255.255」宛がこれに該当する。なお、ホスト部分が全て"1"及び全て"1"の箇所はホスト部分が全て"0"及び全て"0"であった場合においても同様の処理を行う機能を備えていてもかまわない。また、無線基地局3に設定されるIPアドレスは静的に設定されてもかまわないし、DHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)などにより動的に設定されてもかまわなく、設定方法はここでは要求しない。
なお、無線基地局3が備える機能は、本発明に特別な機能ではなく一般的な装置において有する機能である。また、無線基地局2は、無線基地局3における機能を備えていてもかまわないが、特に本発明において必要とする機能ではない。
無線基地局4は、無線基地局2と同等の機能を備える構成であっても良いし、無線基地局3と同等の機能を備える構成であっても良い。
無線通信端末1は、IEEE:802.11の規格に準拠した端末としての機能を有し、無線基地局2を介してネットワークに接続された装置とIPプロトコルを用いた通信を行う機能等を備える。より具体的には、無線通信端末1は、IEEE:802.11の規格に準拠した端末として概略次のような機能を備える。すなわち、無線通信端末1は、IEEE:802.11の規格に準拠した無線基地局を検索する機能と、無線基地局との間に通信路を確立する機能と、必要に応じて無線基地局との間で認証を行う機能と、必要に応じて無線基地局との間の通信路の暗号化を行う機能と、確立した通信路を介して無線基地局とデータ通信を行う機能とを含む。
無線通信端末1は、無線基地局2を介してネットワーク通信を行うにあたり、無線基地局2と無線物理層を用いて接続ネゴシエーションを行う。この際、無線通信端末1と無線基地局2との間において、必要に応じて認証処理などが追加で行われる場合がある。無線通信端末1は、接続ネゴシエーションが完了すると、無線基地局2を介したネットワーク通信が可能となる。なお、無線通信端末1がIPプロトコルを用いた通信を行うにあたり、固定的にIPアドレスを設定する機能を有してもよいし、DHCPなどを用いて動的にIPアドレスを設定する機能を有してもよいし、設定方法はここでは要求しない。
さらに無線通信端末1は、無線基地局2を介しネットワーク上の装置に対して存在確認要求メッセージを送信する機能を有し、存在確認要求メッセージに対する存在確認応答メッセージを受信する機能を有する。
ハブ5は、一般的なリピータハブとしての機能であってもよいし、スイッチングハブとしての機能であってもよく、データリンク層(レイヤー2)データを中継する機能を有する。すなわち、一方のインタフェースにて受信したデータリンク層データを他のインタフェースを介して転送する機能を有し、リピータハブの場合は、送信先レイヤー2アドレス(MACアドレス)に限らずすべてのインタフェースへ転送する機能を有し、スイッチングハブの場合はMACアドレスとこれまでの通信状況から特定のインタフェースにのみ転送する機能を有し、またインタフェースを特定できない場合はすべてのインタフェースへ転送する機能を有する。本構成ではどちらの構成であってもかまわない。
ルーター6は、ネットワーク層やトランスポート層のデータを一方のネットワークへ中継する機能等を有し、ネットワーク層やトランスポート層のプロトコルを解析して転送する機能を有し、ネットワーク層のアドレスを見てどの経路へ転送するべきか、もしくは転送しないかを判断する機能を有する。また、ルーター6は、ネットワーク7及びネットワーク8で構成されるサブネットと、ネットワーク9で構成されるサブネットを分割する機能を有する。
[無線通信端末]
次に、図3を参照して、本発明の第1の実施形態にかかる無線通信端末の構成について説明する。図3は、本発明の第1の実施形態にかかる無線通信端末の構成を示すブロック図である。
無線通信端末1は、主な機能部として、通信制御部101、無線通信インタフェース部102、インターネット通信部103、IP設定処理部104、ネットワークアクセス制御部105、サブネット判定部106、存在確認要求送信部107、存在確認応答受信部108、および記憶部109を備え、これら機能部が相互にデータ通信可能に接続されている。
通信制御部101は、無線通信インタフェース部102を介した無線基地局との通信路の管理やデータの送受信指示を行う機能等を備えており、より詳細には、無線基地局を検索する機能と、無線通信インタフェース部102から無線基地局に対して接続要求を送信することにより無線基地局との通信路を確立するための接続ネゴシエーションを担う機能と、データの暗号化/復号などの一連のセキュリティ処理の役割を担う機能と、通信路が確立した無線基地局との間におけるデータの送受信を実現する機能とを備える。
この通信制御部101におけるデータの送受信を担う機能は、無線通信端末1が送受信するデータに関して送受信機能を要する機能部との受け渡しを実現する機能を備えており、より詳細には、無線通信インタフェース部102を介して無線基地局から受信したデータを各機能部に対して渡す機能と、各機能部から受け取ったデータを無線通信インタフェース部102を介して無線基地局へ送信する機能とを備える。また、通信制御部101は、受信したデータに関して予め各機能部によって特定されたデータのみを抽出して各機能部に対して受け渡す機能を備えていてもよく、例えばインターネット通信部103からはIPパケットのみを受け渡すように指定された場合、受信したデータのうちIPパケットのみをインターネット通信部103へ受け渡すこととなる。
さらに、通信制御部101は、ネットワークアクセス制御部105からの指示に従って無線基地局への接続処理を実行する機能を備えており、より詳細には、ネットワークアクセス制御部105から指定された無線基地局への接続要求に基づいて該無線基地局への接続処理を実現する機能と、接続処理が完了した時点でその旨をネットワークアクセス制御部105へ通知する機能と、ネットワークアクセス制御部105からの切断要求に基づいて無線基地局との切断処理を実現する機能とを備える。
さらに、通信制御部101は、無線基地局の検索結果をネットワークアクセス制御部105へ通知する機能を備えており、より詳細には、ネットワークアクセス制御部105からの無線基地局検索要求に基づき、無線通信インタフェース部102を介して無線基地局に対して無線基地局の情報を送信する旨のフレームを送信する機能と、無線通信インタフェース部102より受け取った無線基地局の情報を収集する機能と、収集した無線基地局の情報をネットワークアクセス制御部105に対して通知する機能とを備える。
また、通信制御部101は、無線基地局に対して無線基地局の情報を送信する旨のフレームを送信することなしに無線基地局が定期的に送信する報知情報を収集する機能をも備えていてもかまわないし、どちらか一方の機能を備えてもかまわない。ここで収集される無線基地局の情報には、例えばIEEE:802.11ではESSID(Extended Service Set Identifier)などの無線基地局が属するネットワークの識別子、BSSID(Basic Service Set Identifier)などの無線基地局固有の識別子、チャネル情報、受信電界強度、などが含まれる。
また、通信制御部101は、ネットワークアクセス制御部105から無線基地局の検索要求を受けると、ネットワークアクセス制御部105に対して検索結果で応答する機能を備えていてもよく、より詳細には、ネットワークアクセス制御部105から無線基地局を検索するよう要求を受けると無線通信インタフェース部102を介して無線基地局に対して無線基地局の情報を送信する旨のフレームを送信する機能とを備える。
無線通信インタフェース部102は、無線媒体を介したデータの送受信を行う機能等を備えており、より詳細には、通信制御部101から受け取ったデータを無線を介して送信する機能と、無線を介して受信したデータを通信制御部101へ受け渡す機能とを備える。この無線通信インタフェース部102は、受信したデータが無線通信端末自身の有するMACアドレス宛であるか、もしくはブロードキャスト及びマルチキャスト宛である場合に自身が処理するべきデータであると判断して通信制御部101へ受け渡す機能を備える。
インターネット通信部103は、IPプロトコルに基づくデータ通信処理を担う機能等を備えており、より詳細には、通信制御部101に対してIPパケットを送信するよう要求する機能と、通信制御部101から受信したIPパケットを受け取る機能と、IP設定処理部104より通知されるIPパケットの送受信に用いる無線通信端末自身のIPアドレスなどに関する情報に基づいてIPパケットの送受信を実現する機能とを備える。また、インターネット通信部103は、通信制御部101に対して受信するデータの中からIPパケットのみを受け渡す旨を設定する機能を備えていてもよい。
IP設定処理部104は、IPプロトコルに基づくデータ通信に必要となるIPアドレスなどに関する情報をインターネット通信部103へ設定し、IPデータ通信制御を行う機能等を備えており、より詳細には、IPデータ通信を行うために必要となる情報、すなわち無線通信端末のIPアドレスやサブネットマスク、デフォルトゲートウェイ、DNS(Domain Name System)サーバーアドレスなどをインターネット通信部103へ通知する機能と、ネットワークアクセス制御部105に対してインターネット通信部103への設定が完了した旨、すなわちIPデータ通信が可能である旨を通知する機能と、ネットワークアクセス制御部105からの要求に応じてIPデータ通信を停止する機能とを備えている。
ここで必要となるIPアドレスなどに関する情報は、事前に有するような構成であってもよいし、動的に取得するような構成であってもよく、より詳細には、事前に有する場合その情報をインターネット通信部103へ設定し、動的に取得する場合IP設定処理部104はIP設定取得処理を実現する機能を備え、取得したIPアドレスなどに関する情報をインターネット通信部103へ設定する。この動的にIP設定取得処理を実現する機能は、例えばDHCPなどのようにステートフルな自動設定手段を用いて構成されてもよいし、IPv6(IPバージョン6)が用いられる場合はIPv6が備えるステートレスな自動設定手段を用いて構成されてもよい。また、IPアドレスなどに関する情報、予め設定された情報を用いるか、もしくは動的設定手段を用いるかは、ネットワークアクセス制御部105から通知される構成であってもかまわないし、図示せぬパラメータ記憶部にこれらの情報が格納されており、記憶部から情報を取得する構成であってもかまわない。
さらに、IP設定処理部104は、インターネット通信部103へ設定したIPアドレス情報などを管理する機能を備え、より詳細には、インターネット通信部103へ設定したIPアドレス情報などを保持しておく機能と、ネットワークアクセス制御部105や存在確認要求送信部107、存在確認応答受信部108など外部からのIPアドレス情報の取得要求に対してIPアドレス情報を通知する機能とを備える。
ネットワークアクセス制御部105は、無線基地局との接続状態を制御する機能等を備えており、より詳細には、通信制御部101から無線基地局の検索結果を取得する機能と、検索結果からどの無線基地局へ接続するかを選択する機能と、選択した無線基地局に対して接続処理を実行するように通信制御部101に対して制御する機能と、IP設定処理部104に対してIPデータ通信の開始及び停止などを制御する機能とを備える。また、ネットワークアクセス制御部105は、通信制御部101に対して無線基地局の検索実行を要求する機能を備えていてもよい。さらに、ネットワークアクセス制御部105は、無線通信接続状態及びIPデータ通信接続状態を管理する機能を備えている。
さらに、ネットワークアクセス制御部105は、検索結果に含まれる無線基地局に対して現在接続している無線基地局とのサブネット関係をサブネット判定部106に対して要求する機能を備えており、より詳細には、通信制御部101より取得した無線基地局の検索結果から無線基地局固有の識別子、すなわちレイヤー2アドレスを抽出する機能と、抽出した無線基地局固有の識別子をサブネット判定部106へ通知する機能と、サブネット判定部106から指定した無線基地局固有の識別子に対する同一サブネット判定結果を受け取る機能とを備えている。例えば、IEEE:802.11ではネットワークアクセス制御部105は検索結果から無線基地局固有の識別子としてBSSIDすなわちMACアドレスを抽出し、MACアドレスをサブネット判定部106へ通知すると、通知したMACアドレスに対するサブネット関係結果すなわち同一サブネットに存在するか否かを受け取る。
サブネット判定部106は、ネットワークアクセス制御部105から通知されるMACアドレスを有する装置が無線通信端末の属しているサブネットと同一サブネットに属しているか否かを判定する機能等を備えており、より詳細には、ネットワークアクセス制御部105からMACアドレスを取得する機能と、受け取ったMACアドレスを送信先として存在確認要求メッセージを送信する旨をMACアドレスと共に存在確認要求送信部107に対して要求する機能と、送信した存在確認要求メッセージに対する存在確認応答メッセージがあったかどうかを存在確認応答受信部108より取得する機能と、存在確認応答メッセージがあった場合には同一サブネットに属していると判定し存在確認応答メッセージがなかった場合には同一サブネットに属していないと判定する機能とを備える。
また、サブネット判定部106は、タイムアウト機能を備えてもよい。このタイムアウト機能は、サブネット判定部106が存在確認要求メッセージを送信する旨を存在確認要求送信部107に対して要求してからある一定時間以上たっても存在確認応答受信部108より存在確認応答メッセージがない場合にはタイムアウトとして扱い、その時点で存在確認応答メッセージがなかったものとして見なす機能である。このタイムアウト値は、予めサブネット判定部106にて保持する構成でもよいし、ネットワークアクセス制御部105など外部から指定される構成であってもかまわないし、図示せぬパラメータ記憶部に値が格納されており記憶部から値を取得する構成であってもかまわない。
存在確認要求送信部107は、通知されるMACアドレスを宛先とした存在確認要求メッセージを通信制御部101を介して送信する機能等を備えており、より詳細には、サブネット判定部106からMACアドレスを受け取る機能と、受け取ったMACアドレスを送信先とし、無線通信端末自身のMACアドレスを送信元とし、データリンク層データのペイロード部分が存在確認要求メッセージであることを示し、ペイロード部分には存在確認要求メッセージを含むデータリンク層でやり取りされるデータリンク層データを生成する機能と、通信制御部101を介して送信する機能とを備える。
無線通信端末自身のMACアドレスは、予め保持する構成でもよいし、通信制御部101もしくは無線通信インタフェース部102より取得する構成であってもよいし、図示せぬパラメータ記憶部に記憶されており読み込む構成であってもよい。
図4は、存在確認メッセージの構成例である。この図4に示されるように、サブネット判定部106から受け取ったMACアドレスを宛先MACアドレスA1−1とし、無線通信端末自身のMACアドレスを送信元MACアドレスA1−2とする。
特に、存在確認要求メッセージは、図4に示されるように、IP上で実現されるパケットであり、IPヘッダーA2−1中における送信元IPアドレスA3−2には無線通信端末自身のIPアドレス、例えば「192.168.1.125」で構成され、宛先IPアドレスA3−3にはIPブロードキャストアドレス、例えば「255.255.255.255」で構成され、IPペイロード部の種別を示すプロトコル番号A3−1はICMPで構成され、IPペイロード部A2−2はICMP:Echo Requestメッセージで構成される。
したがって、この存在確認要求メッセージは、IPプロトコル上で通信されるデータをカプセル化していて、IPヘッダーの送信先IPアドレスにはブロードキャストもしくはマルチキャストが指定されているデータから構成されており、具体例としては、 ICMP:Echo Requestメッセージをカプセル化したデータである。
宛先IPアドレスA3−3として指定されるブロードキャストアドレスは、「255.255.255.255」以外にも「0.0.0.0」や、無線通信端末が属しているサブネット内宛のブロードキャスト、すなわち無線通信端末1のIPアドレスが「192.168.1.125」でサブネットマスクが「255.255.255.0」である場合は「192.168.1.255」もしくは「193.168.1.0」等で構成されてもかまわない。また、IPv6である場合は、同様にIPv6でのブロードキャストアドレスにて構成されることは容易に想定可能である。無線通信端末1自身のIPアドレスは、予め存在確認要求送信部107にて保持する構成であってもよいし、IP設定処理部104から取得する構成であってもよい。無線通信端末1にて通信に用いているIPアドレスという点では、IP設定処理部104から取得するのが望ましい構成である。
存在確認要求メッセージは、ICMP:Echo Requestメッセージ以外にも、IP上で実現が可能であり、要求に対して応答が期待できるプロトコルに基づいた要求データであってもよい。なお、この場合も、宛先IPアドレスにはブロードキャストアドレスを指定する。さらに、存在確認要求メッセージは、データリンク層で実現が可能であり、要求に対して応答が期待できるプロトコルに基づいた要求データであってもよい。この場合も、データリンク層での送信元アドレスには無線通信端末自身のMACアドレスで構成され、宛先アドレスにはサブネット判定部106より受け取ったMACアドレスで構成される。
存在確認応答受信部108は、無線通信インタフェース部102で受信し通信制御部101を介して取得したデータが存在確認要求送信に対する存在確認応答メッセージであった場合にはサブネット判定部106に対してその旨を通知する機能等を備えており、より詳細には、通信制御部101を介して無線通信インタフェース部102で受信したデータを取得する機能と、取得したデータを解析した後、解析したデータが存在確認応答受信部108にて予め保持するフィルタリングルールと比較してルールに合致する場合はサブネット判定部106に対して存在確認応答を受信した旨を通知し、合致しない場合は取得したデータを破棄する機能とを備える。
この存在確認応答受信部108におけるフィルタリングルールは、存在確認要求送信部107において送信する存在確認要求メッセージに対する存在確認応答メッセージを抽出するように構成される。例えば、存在確認要求送信部107で送信した存在確認要求メッセージがICMP:Echo Requestメッセージである場合、ICMP:Echo Replyメッセージが存在確認応答メッセージとなる。
この場合、フィルタリングルールは、無線通信端末自身へ送信されたIPパケットで、かつIPペイロード部の種別を示す値がICMPで、かつIPペイロード部がICMP:Echo Replyメッセージであるデータを抽出するよう構成される。なお、このフィルタリングルールは、ICMP:Echo Replyに限らず存在確認要求送信部107で用いた存在確認要求メッセージに対応する存在確認応答メッセージを抽出するよう構成されてもよい。
また、存在確認応答受信部108は、サブネット判定部106に対して存在確認応答メッセージを受信した旨を通知する際に、受信した旨のみを通知するよう構成されてもよいし、存在確認応答メッセージそのものを付与してサブネット判定部106へ渡すよう構成されてもよい。
記憶部109は、上述した各部の処理を実現するためのプログラムを記憶する機能を備える。
また、ネットワークアクセス制御部105、インターネット通信部103、IP設定処理部104、通信制御部101のうちのいずれか1つあるいは複数の組合せがアドレス取得部1Bを構成する。
ここで、図5を参照して、無線通信端末1のハードウェア構成の説明をする。図5は、本発明の第1の実施形態にかかる無線通信端末1のハードウェア構成を示すブロック図である。
図5を参照すると、本発明による無線通信端末1は、一般的なコンピュータ装置と同様のハードウェア構成によって実現することができ、CPU(Central Processing Unit、中央処理演算装置)401、RAM(Random Access Memory)等のメインメモリであり、データの作業領域やデータの一時退避領域に用いられる主記憶部402、ネットワーク7や無線基地局2と無線通信を行い無線ネットワークを介してデータの送受信を行う通信制御部403、液晶ディスプレイ、プリンタやスピーカ等の提示部404、キーボードやキーパッド、ポインティングデバイス等の入力部405、周辺機器と接続してデータの送受信を行うインタフェース部406、ROM(Read Only Memory)、磁気ディスク、半導体メモリ等の不揮発性メモリから構成されるハードディスク装置である補助記憶部407(記憶部109)、本情報処理装置の上記各構成要素を相互に接続するシステムバス408等を備えている。
本発明による無線通信端末1は、その動作を、無線通信端末内部にそのような機能を実現するプログラムを組み込んだ、LSI(Large Scale Integration)等のハードウェア部品からなる回路部分を実装してハードウェア的に実現することは勿論として、上記した各構成要素の各機能を提供するプログラムを、コンピュータ処理装置上のCPU401で実行することにより、ソフトウェア的に実現することができる。
すなわち、CPU401は、補助記憶部407(記憶部109)に格納されているプログラムを、主記憶部402にロードして実行し、無線通信端末の動作を制御することにより、上述した各機能をソフトウェア的に実現する。なお、無線基地局が上述のような構成を有し、上述したような無線基地局の各機能をハードウェア的又はソフトウェア的に実現してもよい。
[第1の実施形態の動作]
次に、図6および図7を参照して、本発明の第1の実施形態にかかる無線通信システムおよび無線通信端末の動作について説明する。図6は、本発明の第1の実施形態にかかる無線通信システムの動作を示すシーケンス図である。図7は、本発明の第1の実施形態にかかる無線通信端末の動作を示すフローチャートである。
なお、図6、図7に示す処理は、無線通信端末1が有するCPU401が記憶部109に記憶されたプログラムを主記憶部402に移して実行することで実現される。
まず、無線通信端末1は、無線基地局2を介してネットワーク上の装置とのデータ通信が可能な状態となっている(ステップB1)。このとき無線通信端末1は、無線基地局2に対して接続要求を行うことで無線基地局2との接続ネゴシエーションを行った結果、通信路の確立が完了し、通信路を介して無線基地局2とのデータ通信が可能となる(ステップC1−C4)。
例えば、無線通信端末1と無線基地局2との間の接続ネゴシエーションは、IEEE:802.11接続ネゴシエーションであり、さらにWEP(Wired Equivalent Privacy)を用いる暗号化通信であってもよいし、IEEE 802.1X認証の結果、接続が許可され動的に設定されたWEPキーを用いた暗号化通信であってもよいし、もしくはWPA(Wi-Fi Protected Access)、WPA2(WPA version2)を用いたよりセキュリティが強化された接続であり、TKIP(Temporal Key Integrity Protocol)やAES(Advanced Encryption Standard)に基づくCCMP(Counter-mode CBC-MAC Protocol)と呼ばれる暗号化アルゴリズムを用いた暗号化通信であってもよい。
このとき、無線通信端末1のネットワークアクセス制御部105と通信制御部101は次のように動作し、ネットワークアクセス制御部105は、通信制御部101から取得した無線基地局の検索結果を取得し、検索結果から接続する無線基地局2を選択すると通信制御部101に対して選択した無線基地局2へ接続するように要求し、通信制御部101は、指定された無線基地局への接続処理を実施することにより無線基地局2への接続処理が実行される。なお、通信制御部101は、無線基地局2との接続処理が完了するとネットワークアクセス制御部105に対して完了した旨の通知を行う。
次に、無線通信端末1は、無線基地局2との間の接続ネゴシエーションが完了すると、IPプロトコルに基づくデータ通信を行うための準備としてIPアドレスなどの設定を実施する(ステップB2、ステップC5)。
このとき、無線通信端末1のネットワークアクセス制御部105とIP設定処理部104、インターネット通信部103はそれぞれ次のように動作する。
ネットワークアクセス制御部105は、通信制御部101から無線基地局との接続処理が完了した旨の通知を受けると、IP設定処理部104に対してIPデータ通信を行うために必要となる設定を実施する旨の要求を行い、IP設定処理部104から設定が完了した旨の通知を受けてIPデータ通信を行う準備が出来たことを把握する(ステップC5)。
IP設定処理部104は、IPデータ通信を行うために必要となる設定を実施する旨の要求を受けると、インターネット通信部103に対してIPアドレスなどの設定を行う(ステップC5)。このIPアドレスなどの情報には、無線通信端末1のIPアドレス、サブネットマスク、デフォルトゲートウェイ、DNSサーバーアドレスなどが含まれる。設定するIPアドレスなどの情報を事前に有している場合は、それらの情報をインターネット通信部103に対して設定する。設定するIPアドレスなどの情報を有しておらず、動的に取得する場合は、IPアドレス情報取得処理を実行し、結果取得したIPアドレスなどの情報をインターネット通信部103へ設定する。
動的に取得する場合、IP設定処理部104は通信制御部101を介してIP取得処理のためのデータのやり取りを実行する。例えば、DHCPを用いてIPアドレスの取得を試みる場合、それらのやり取りに必要なデータの交換は通信制御部101を介して実現される。IP設定処理部104は、インターネット通信部103へのIPアドレスなどの設定が完了すると、それらIPアドレスなどの情報を記憶しておき、かつIPアドレスなどの設定が完了しIPデータ通信の準備が完了した旨をネットワークアクセス制御部105へ通知する。
インターネット通信部103は、IP設定処理部104からの設定に基づいてIPデータ通信を実行するための設定を完了し、設定が完了すると通信制御部101を介したIPデータ通信が可能となる(ステップC5)。例えば、無線通信端末1のIPアドレスは「192.168.1.125」、サブネットマスク「255.255.255.0」などで設定が完了し、それらを用いたIPデータ通信が可能となる。
このとき、無線通信端末1においてIPアドレスなどを動的に取得する場合、無線通信端末1と図示せぬIP設定装置間でのIP取得処理のためのデータのやり取りは、無線基地局2を介してネットワーク上に存在するIP設定装置との間でデータのやり取りが行われる。
次に、無線通信端末1は、無線基地局2と接続中の状態において、より通信品質のよい無線基地局を検出するために無線基地局2とは切断せずに接続したままの状態にて、他の無線基地局を検索する動作を行う(ステップB3、ステップC1)。なお、無線基地局を検索する動作は定期的に実行する動作でもよいし、特定のイベント例えば現在接続中の無線基地局2において受信信号レベルがある一定の閾値よりも低下したことをトリガーとして検索動作を行ってもよい。
次に、無線通信端末1は、無線基地局2と接続し通信可能な状態であるときに検索結果を取得する(ステップB4、ステップC2)と検索結果から無線基地局固有の識別子を抽出し(ステップC6)、抽出した無線基地局固有の識別子を基に無線基地局3に対して存在確認要求メッセージを送信する(ステップB5 、ステップC7)。
このとき、無線通信端末1のネットワークアクセス制御部105とサブネット判定部106、存在確認要求送信部107はそれぞれ次のように動作する。
ネットワークアクセス制御部105は、無線接続処理が完了しIPデータ通信が可能となっている状態を把握しており、IPデータ通信が可能である状態のときに無線基地局の検索結果を取得すると(ステップC1、C2)、検索結果から無線基地局固有の識別子を取得し(ステップC6)、サブネット判定部106に対して無線基地局固有の識別子を通知する。この無線基地局固有の識別子は例えばIEEE:802.11の場合、無線基地局3が報知するBSSIDとなる。
通常、無線基地局は無線インタフェースに付与されたMACアドレスをBSSIDとして用いるため、例えば、無線基地局3が報知するBSSIDが「00:00:4C:00:01:01」であった場合、このMACアドレスは「00:00:4C:00:01:01」となり、無線基地局4が報知するBSSIDが「00:00:4C:00:02:01」であった場合、このMACアドレスは「00:00:4C:00:02:01」となる。なお、ネットワークアクセス制御部105は、サブネット判定部106からの返答を以って無線基地局3,4が現在接続している無線基地局と同じサブネットに属しているか否かを特定することができる。
さらに、ネットワークアクセス制御部105は、無線基地局の検索結果から無線基地局固有の識別子を取得したときに、すでにサブネット判定部106によってサブネット判定結果を取得し同じサブネットに属していることがわかっている場合は、サブネット判定部106に対して無線基地局固有の識別子を通知しないよう構成されてもよい。
サブネット判定部106は、ネットワークアクセス制御部105からMACアドレスを受け取ると存在確認要求送信部107に対して存在確認要求メッセージを送信する旨要求するとともにMACアドレスを通知する。サブネット判定部106は、存在確認要求送信部107に対して存在確認要求送信を通知すると、存在確認応答受信部108からの応答を待つ動作となる。さらに、サブネット判定部106はタイムアウト値を持ち、存在確認要求送信部107に対して存在確認要求送信を要求すると同時に、タイムアウトのカウントを開始する。
存在確認要求送信部107は、サブネット判定部106から存在確認要求送信要求と共にMACアドレスを受け取ると、受け取ったMACアドレスを送信先とし、無線通信端末自身のMACアドレスを送信元とし、データリンク層データのペイロード部分が存在確認要求メッセージであることを示し、ペイロード部分には存在確認要求メッセージを含むデータリンク層でやり取りされるデータを生成し通信制御部101を介して無線基地局2に対して送信する(図6のステップB5、図7のC7)。
例えば、サブネット判定部106からMACアドレス「00:00:4C:00:01:01」を受け取るとこのMACアドレスを宛先に指定し、無線通信端末自身のMACアドレスが「00:00:4C:00:00:01」だとするとこのMACアドレスを送信元に指定した存在確認要求メッセージを送信することになる。なお、存在確認要求メッセージは予め保持するような構成であってもよい。
このデータリンク層でやり取りされる存在確認要求メッセージは、例えば図4に示されるように構成されており、IPヘッダー中における送信元IPアドレスには無線通信端末自身のIPアドレス、例えば「192.168.1.125」で構成され、宛先IPアドレスにはIPブロードキャストアドレス、例えば「255.255.255.255」で構成され、IPペイロード部の種別を示す値がICMPで構成され、IPペイロード部はICMP:Echo Requestメッセージで構成される。
このとき無線基地局2、ハブ5、ルーター6及び無線基地局4は次のように動作する。
無線基地局2は、無線通信端末1からの存在確認要求メッセージを受信すると送信先MACアドレスから転送先を判定する。無線基地局2は、MACアドレスを備える装置が接続されているポートを把握している場合はそのポートに対して転送する動作を行い、もしポートを把握していない場合は全てのポートに対して転送する。ここでポートとは、物理的もしくは仮想的に接続されているインタフェース部を意図しており、すなわち、無線基地局2は、無線基地局2に接続している全ての無線通信端末宛及び有線で接続されている場合はネットワーク7宛へ転送する。
例えば、送信先MACアドレスが「00:00:4C:00:01:01」である場合、以前に「00:00:4C:00:01:01」を送信元とするデータを受信したことがあるときには受信したときのインタフェースへ転送し、そうではない場合は全てのインタフェースへ転送する。すなわち、ネットワーク7を介してハブ5へも届けられることになる。送信先MACアドレスが「00:00:4C:00:02:01」である場合も同様となる。
ハブ5は、ネットワーク7を介してデータを受信すると、宛先MACアドレスに基づいて転送先ポートすなわちネットワークを決定し受信したデータの転送を行う。すなわち、無線基地局2から存在確認要求メッセージを受信すると、宛先に指定されたMACアドレスを送信元とするデータを以前に受け取ることによりどのネットワークへ転送すればよいかを把握している場合はそのネットワークに対して転送し、そうではない場合は全てのネットワークに対して存在確認要求メッセージを送信する。この場合、ネットワーク8及びルーター6に対して存在確認要求メッセージが転送される。
ルーター6は、ネットワーク7、8を介してデータを受信すると、データの宛先MACアドレスから自身で処理すべきかどうかを判定する。データの宛先MACアドレスが自身宛かもしくはブロードキャスト、マルチキャスト宛である場合はネットワーク層やトランスポート層のプロトコルを解析して適切なネットワークへ転送するが、そうではない場合は受信したデータを単に破棄する。すなわち、ネットワーク7、8を介して受信したデータの送信先MACアドレスが「00:00:4C:00:01:01」であり、ルーターが有するインタフェースのMACアドレスがこれ以外、すなわち例えば「00:00:4C:10:00:00」であるとき、受信したデータは破棄され、ネットワーク9へは転送されない。なお、受信したデータの送信先MACアドレスが「00:00:4C:00:02:01」である場合も同様となる。
無線基地局3は、ネットワーク8を介してデータを受信すると、データの宛先MACアドレスから自身で処理すべきかどうかを判定し、データの宛先MACアドレスが自身宛かもしくはブロードキャスト、マルチキャスト宛である場合はフレーム種別を識別し、種別に適応したプロトコルスタックへ渡し、プロトコルスタックにて処理を実行する。自身で処理すべきデータではない場合は受信したデータを単に破棄する。
すなわち、ネットワーク8を介して受信したデータの送信先MACアドレスが「00:00:4C:00:01:01」であった場合、このMACアドレスは無線基地局3が備えるインタフェースに付与されたMACアドレスであるため、無線基地局3にて取得され、フレーム種別に応じて処理されることになる。さらに、この存在確認要求メッセージの送信先IPアドレスはブロードキャストが指定されているため、無線基地局にて処理すべきIPデータとして取り扱う。一方、ネットワーク8を介して受信したデータの送信先MACアドレスが「00:00:4C:00:02:01」であった場合、このMACアドレスは無線基地局3が備えるインタフェースに付与されたMACアドレスではないため無線基地局3は受信した存在確認要求メッセージを処理せずに単に破棄する。
無線基地局3は、この存在確認要求メッセージを受信すると送信元に対して存在確認応答メッセージにて応答する。すなわち、無線通信端末1から送信されたICMP:Echo Requestメッセージに対する応答としてICMP:Echo Replyメッセージを送信元である無線通信端末1に対して送信される。このとき、ICMP:Echo Replyメッセージの送信先IPアドレスにはICMP:Echo Requestメッセージの送信元である無線通信端末1のIPアドレス「192.168.1.125」が指定され、すなわち、ハブ5、無線基地局2を介して無線通信端末1へ届けられる。
なお、無線基地局3が送信するICMP:Echo Replyメッセージの送信元MACアドレスには無線基地局3が備えるインタフェースに付与されたMACアドレスが指定されるが、このMACアドレスは無線基地局3が備える無線インタフェースに付与されたMACアドレスで構成されるかもしれないし、LANなどに接続された有線インタフェースに付与されたMACアドレスで構成されるかもしれないし、それ以外に無線基地局3が備えるインタフェースに付与されたMACアドレスで構成されるかもしれない。
次に、無線通信端末1は、送信した存在確認要求メッセージに対する存在確認応答メッセージの受信結果に応じてサブネット判定を実施することで、無線通信端末1は検索結果から取得した無線識別子を有する無線基地局が無線通信端末1と同一サブネットに存在するか否かを判定することが可能となる(ステップB6、ステップC8−C10)。
このとき無線通信端末1の通信制御部101、存在確認応答受信部108、サブネット判定部106、ネットワークアクセス制御部105はそれぞれ次のように動作する。
通信制御部101は、無線基地局から受信したデータを存在確認応答受信部108などへ受け渡す。すなわち、無線通信端末が備えるIPアドレス「192.168.1.125」宛に送信された存在確認応答メッセージを受信した場合は存在確認応答受信部108へ渡される。
存在確認応答受信部108は、通信制御部101から受け取った受信データに対して存在確認要求送信部107にて送信した存在確認要求メッセージに対応する応答であるかどうかを判定し、解析した結果が存在確認応答メッセージである場合にはサブネット判定部106に対して受信した旨を通知し、解析した結果が存在確認応答メッセージではなかった場合にはそのまま破棄する。
すなわち、存在確認要求メッセージがICMP:Echo Requestメッセージである場合、それに対する応答であるICMP:Echo Replyメッセージであるかどうかを解析するようフィルタリングルールが設定されおり、ICMP:Echo Replyメッセージを受信するとサブネット判定部106に対して存在確認応答メッセージを受信した旨を通知する。このとき、受信した旨と同時に、受信した存在確認応答メッセージ自体も通知してもかまわない。なお、存在確認要求メッセージはICMP:Echo Requestメッセージ以外である場合、それに対応した存在確認応答メッセージであるかどうかを解析するようフィルタリングルールが設定され、同様に受信した場合はサブネット判定部106に対して通知することも可能である。
サブネット判定部106は、存在確認応答受信部108から存在確認応答メッセージを受信した旨の通知を受けると(ステップC8)、ネットワークアクセス制御部105から先に通知されたMACアドレスを有する装置において無線通信端末1が属しているサブネットと同一サブネットに属していると判定し(ステップC9)、その旨をネットワークアクセス制御部105に対して通知し、先に開始していたカウンタをリセットし停止する。すなわち、ネットワークアクセス制御部105から通知されたMACアドレスが「00:00:4C:00:01:01」であった場合、無線基地局3からの存在確認応答メッセージを受信することになり同一サブネットに属していると判定し、その旨がネットワークアクセス制御部105へ通知される。
一方、ネットワークアクセス制御部105から通知されたMACアドレスが「00:00:4C:00:02:01」である場合、無線基地局3からの存在確認応答メッセージはもちろんのこと無線基地局4からの存在確認応答メッセージも得られない。
サブネット判定部106は、先に開始したカウンタが保持するカウンタ閾値を超える(ステップC8)と存在確認応答メッセージが得られなかったと見なし、ネットワークアクセス制御部105から先に通知されたMACアドレスを有する装置において無線通信端末1が属しているサブネットと異なるサブネットに属していると判定し(ステップC10)、その旨をネットワークアクセス制御部105に対して通知し、先に開始していたカウンタをリセットし停止する。なお、このカウンタ閾値はサブネット判定部106において予め設定されていてもよいし、図示せぬパラメータ記憶部に格納されておりそこから読み込む構成であってもよい。
ネットワークアクセス制御部105は、サブネット判定部106からのサブネット判定結果を以って、先にサブネット判定部106に対して要求したMACアドレスを有する装置が、無線通信端末1が属するサブネットと同一に属しているか否かを知ることが可能となる。
なお、ネットワークアクセス制御部105は、要求したMACアドレスに対するサブネット判定部106からのサブネット判定結果を記憶しておくことで無線基地局の検索結果からすでにサブネット判定の結果済み無線基地局に対して再びサブネット判定を実施しないことも可能である。また、無線通信端末1が現在接続している無線基地局とは別の無線基地局へ接続を切り替えた場合、改めてサブネット判定を実行する構成であってもよい。
[第1の実施形態の効果]
このように、本実施形態は、無線通信インタフェースを介して接続中の無線基地局から送信された情報から新たな無線基地局のレイヤー2アドレスを取得し、このレイヤー2アドレスを宛先アドレスとした存在確認要求メッセージを生成して、接続中の無線基地局を介して送信し、当該存在確認要求メッセージに対する存在確認応答メッセージを受信したときには、新たな無線基地局が接続中の無線基地局と同一サブネットに属していると判定するように構成されている。
これにより、予め無線基地局に関する情報を保持した情報サーバーを必要とすることなく、無線通信端末がハンドオーバー前にハンドオーバー候補となる無線基地局が、無線通信端末が現在接続中の無線基地局と同じサブネットに接続されているかどうかを判別することができる。
したがって、ハンドオーバー後にIPアドレスの変更を伴うハンドオーバーがIPアドレスを伴わないハンドオーバーに優先して実行されることを回避でき、また、ハンドオーバー後の無駄なIPアドレス設定処理を省くことが可能となる。
また、本実施形態では、無線通信端末が接続している無線基地局を介してデータリンク層により新たな無線基地局が報知する無線基地局固有の識別子であるMACアドレスを取得してデータリンク層データの宛先とし、IPブロードキャスト宛にて存在確認要求メッセージを送信するように構成されている。
このため、IPアドレスを事前に知ることなしに新たな無線基地局に対して存在確認要求メッセージを送信することが可能である。
また、存在確認応答メッセージの送信元MACアドレスが存在確認要求メッセージの送信先MACアドレスと異なる場合であっても、存在確認要求に対する存在確認応答の対応付けが可能である。
このため、無線通信プロトコルへの変更を必要とせずに無線通信端末1にて無線基地局に対する無線通信端末との同一サブネット判定を実行することができ、かつ他のネットワーク上の装置に対して影響を与えずに実現できるという効果が得られる。
また、本実施形態では、無線通信端末が送信する存在確認要求メッセージは通信機能を有する装置が一般的に備えているプロトコルに準拠するように構成されているため、無線基地局及び中継装置においては特別な機能を必要とせずに既存の無線通信システムへ適用することが可能である。
このため、無線通信端末のみでの対応でよく、導入コストを抑えることができるという効果が得られる。当然、無線基地局に関する情報を保持したサーバーを別途要する必要も全くない。
[第2の実施形態]
次に、図8を参照して、本発明の第2の形態にかかる無線通信システムについて説明する。図8は、本発明の第2の実施形態にかかる無線通信システムの構成を示すブロック図であり、図2と同じまたは同等部分には同一符号を付してある。
本実施形態にかかる無線通信システムは、図2に示された第1の実施形態における無線通信システムの構成に加え、ハブ5に接続されたIP設定装置10と、ネットワーク11と、ネットワーク11に接続された通信装置12とを備える点で異なる。
本実施形態において、IP設定装置10は、IPアドレスなどネットワークで使用される情報を管理し、IPプロトコルを用いた通信を行う装置に対してそれらの情報を通知する機能を有する。より具体的には、IP設定装置10は無線通信端末1からの要求に基づいてやり取りを開始し、無線通信端末1とのやり取りを実行することで無線通信端末1に対してIPデータ通信を行うために必要となる情報、すなわち、無線通信端末1のIPアドレスやサブネットマスク、デフォルトゲートウェイ、DNSサーバーアドレスなどを通知する機能を備えている。例えば、IP設定装置10はDHCPサーバーで構成されてもよい。なお、IP設定装置10は無線通信端末1と同じサブネットに存在するか、もしくは無線通信端末1と同じサブネットには無線通信端末1とIP設定装置10を中継する図示せぬ装置を設置し、IP設定装置10は異なるサブネットに設置される構成でもかまわない。
本実施形態において、通信装置12は、IPプロトコルを用いて通信する機能を有し、より詳細には、ネットワーク11を介してIPプロトコルに基づいたデータのやり取りを無線通信端末1と行う機能を備えている。例えば、通信装置12はIPプロトコル上で音声通話をする機能を有しており、無線通信端末1と音声通話を行う機能を有していても良いし、通信装置12はIPプロトコル上で映像配信を行う機能を有しており無線通信端末1に対して映像配信を行う機能を有していても良い。なお、通信装置12は、ネットワーク11へ接続している装置と通信できればよく、どこに接続されているかはここでは問わない。
次に、図9を参照して、本発明の第2の実施形態にかかる無線通信端末の構成について説明する。図9は、本発明の第2の実施形態にかかる無線通信端末の構成を示すブロック図であり、図3と同じまたは同等部分には同一符号を付してある。
本実施形態における無線通信端末1は、図3に示された第1の実施形態における無線通信端末1の構成に加え、アプリケーション110を備える点、およびネットワークアクセス制御部105とIP設定処理部104の機能において一部異なる点以外は、第1の実施形態における無線通信端末1の構成と同様である。
アプリケーション110は、IPプロトコルをベースとした通信アプリケーションプログラムである。アプリケーション110の種類は限定しないが、特にリアルタイム性が要求される音声通話アプリケーションやテレビ電話アプリケーション、映像受信アプリケーションなどにおいて有効である。なお、アプリケーション110はインターネット通信部103においてIPデータの送受信の準備が完了するとインターネット通信部103を介してIPデータのやり取りが可能となる。
なお、これらネットワークアクセス制御部105及びIP設定処理部104の機能は、次に記述する点において第1の実施形態における無線通信端末1の各部機能と一部異なっている。
本実施形態のネットワークアクセス制御部105は、実施形態1での機能に加えて、無線基地局2から他の無線基地局3、4へ接続を切り替える機能と、先に実行済みの検索結果の無線基地局3に対するサブネット判定部106からのサブネット判定結果に応じて無線基地局3へ切り替えた後のIP設定処理部104への通知内容を切り替える機能とを備えており、より詳細には、無線基地局2へ接続している間に取得した無線基地局の検索結果に基づいて他の無線基地局3へ接続することを選択する機能と、他の無線基地局3へ切り替えることを選択した場合に現在の無線基地局2と切断することを通信制御部101に対して通知する機能と、同時にIP設定処理部104に対してIP通信を停止するよう通知する機能と、選択した無線基地局3への切り替え要求を通信制御部101に対して行う機能と、新しい基地局3への接続が完了したことを検出するとIP設定処理部104に対してすでに実行済みの新しく接続した無線基地局3に対するサブネット判定結果に応じてIPアドレス情報などを継続利用してIPデータ通信を再開するのか、IPアドレス情報などを再設定した上でIPデータ通信を再開するのかを決定し通知する機能とを有する点で実施形態1の構成とは異なる。
本実施形態のIP設定処理部104は、実施形態1での機能に加えて、ネットワークアクセス制御部105からのIPデータ通信開始要求と共にIPアドレス情報などの継続利用情報を受け取る機能と、受け取った継続利用情報に応じてIPアドレス情報などを再設定するか否かを動的に変更する機能とを有する。
より詳細には、ネットワークアクセス制御部105からIPアドレス情報などを継続して理由する旨と共にIPデータ通信の開始要求を受け取ると、以前に使用していたIPアドレス情報などを用いてすぐにIPデータ通信を再開するようインターネット通信部103を制御し、ネットワークアクセス制御部105からIPアドレス情報などを再設定する旨と共にIPデータ通信の開始要求を受け取ると、通常最初にIPアドレスなどを設定する場合と同様に取得した情報に基づいてインターネット通信部103にIPアドレスなどの情報を再設定しIPデータ通信を再開するようインターネット通信部103を制御する機能を有する点で実施形態1の構成とは異なる。
なお、IPアドレス情報などを継続して利用する場合、IP設定処理部104が保持する以前の通信に用いていたIPアドレス情報などを用いてインターネット制御部へ設定するような構成でもよいし、インターネット通信部103がIPデータ通信の停止する旨要求を受けた場合であっても設定されたIPアドレス情報などを覚えたままにしておくことで継続して利用することができる構成であってもよく、どちらの構成でもよい。
無線通信端末1は、第1の実施形態と同様に、CPU401が記憶部109に記憶されたプログラムを主記憶部402に移して実行することで、上述した各部の処理を実現する。
[第2の実施形態の動作]
次に、図10および図11を参照して、本発明の第2の実施形態にかかる無線通信システムおよび無線通信端末の動作について説明する。図10は、本発明の第2の実施形態にかかる無線通信システムの動作を示すシーケンス図である。図11は、本発明の第2の実施形態にかかる無線通信端末の動作を示すフローチャートである。以下では、本発明の第1の実施形態の動作と異なる点を中心に説明する。
なお、本実施形態に示す処理は、第1の実施形態と同様に、無線通信端末1が有するCPU401が記憶部109に記憶されたプログラムを主記憶部402に移して実行することで実現される。
まず、図10を参照すると、無線通信端末1は、最初に無線基地局2と接続ネゴシエーションを行い、無線基地局2を介してネットワーク上の装置とのデータ通信が可能となる動作については実施形態1と同様の動作である(ステップD1)。
次に、無線通信端末1は、無線基地局2との接続ネゴシエーションが完了すると、IPプロトコルに基づくデータ通信を行うための準備としてIP設定装置10とのやり取りにてIPアドレスなどの設定を取得する(ステップD2)。なお、このときの動作については、実施形態1にてIPアドレスなどの情報を動的に取得する場合と同様の動作である。すなわち、動的に取得したIPアドレスなどの情報の設定が完了しIPデータ通信を行う準備が整う(ステップD3)。なお、このとき、無線通信端末1のIP設定処理部104は動的に取得しインターネット通信部103へ設定したIPアドレスなどの情報を保持するような構成であってもかまわない。
次に、無線通信端末1は、IPデータ通信の準備が完了すると通信装置12とのデータ通信を開始する(ステップD4)。例えば、無線通信端末1におけるアプリケーション110が音声通話アプリケーションで、同様に通信装置が音声通話アプリケーションを備える装置であった場合、無線通信端末1と通信装置の間でIPプロトコル上でやり取りされる音声通話が開始される(ステップD4)。なお、無線通信端末1と通信装置との間で行われるデータ通信は、音声通話アプリケーション以外にも、テレビ電話アプリケーションであってもよいし、無線通信端末1側が映像受信アプリケーションで通信装置側が映像配信アプリケーションであってもよいし、ここで特に限定はしないが、リアルタイム性が要求されるアプリケーションにおいて特に有効である。
このとき無線通信端末1におけるアプリケーション110は、インターネット通信部103を介して音声通話のためのIPデータを通信装置とやり取りすることで音声通話が実現される。このとき用いられる無線通信端末1のIPアドレスは、先にIP設定処理部104によって動的に取得されインターネット通信部103に対して設定されたIPアドレスである。例えば、無線通信端末1のIPアドレスは「192.168.1.125」、サブネットマスクが「255.255.255.0」、ルーターのIPアドレスが「192.168.1.254」とするとデフォルトゲートウェイは「192.168.1.254」が設定される。
なお、ここで開始した無線通信端末1と通信装置12間のデータ通信はこの後も引き続き継続して行われるものとする。
次に、無線通信端末1は、無線基地局2を介して通信装置12とIPデータ通信している状態において、より通信品質のよい無線基地局を検出するために無線基地局2とは切断せずに接続したままの状態にて、他の無線基地局を検索する動作については実施形態1と同様の動作である(ステップD5)。
次に、無線通信端末1は、無線基地局2と接続している状態で検索結果を取得すると(ステップD6)、検索結果から無線基地局固有の識別子を抽出し、抽出した無線基地局固有の識別子を基に無線基地局に対して存在確認要求メッセージを送信する動作(ステップD7)、及び送信した存在確認要求メッセージに対する存在確認応答メッセージの受信結果に応じてサブネット判定を実施することで、無線通信端末1は検索結果から取得した無線識別子を有する無線基地局が無線通信端末1と同一サブネットに存在するか否かを判定する動作については実施形態1と同様の動作である(ステップD8)。
すなわち、無線通信端末1のサブネット判定部106は、ネットワークアクセス制御部105から通知されたMACアドレスが「00:00:4C:00:01:01」であった場合、無線基地局3からの存在確認応答メッセージを受信することになり同一サブネットに属していると判定し、その旨をネットワークアクセス制御部105へ通知し、一方、ネットワークアクセス制御部105から通知されたMACアドレスが「00:00:4C:00:02:01」である場合、無線基地局3からの存在確認応答メッセージはもちろんのこと無線基地局4からの存在確認応答メッセージも得られずにタイムアウト処理により異なるサブネットに属していると判定し、その旨をネットワークアクセス制御部105へ通知する。
このとき、無線通信端末1のネットワークアクセス制御部105は、サブネット判定部106へ要求したMACアドレスに対するサブネット判定結果を取得すると、次のようにして、結果を取得したMACアドレスを有する無線基地局に対するIPアドレスなどの情報を継続して利用するか否かの判定を行う。すなわち、ネットワークアクセス制御部105は、サブネット判定部106へ要求したMACアドレスに対するサブネット判定結果として同一サブネットである旨の結果を受け取ると、このMACアドレスを有する無線基地局に対して現在接続している無線基地局から接続を切り替えた場合に現在接続している無線基地局との通信で使用しているIPアドレスなどの情報を無線基地局を切り替えた後においてもそのまま継続して利用することを示すIPアドレス継続情報をオンと判定し無線基地局の検索結果と共に記憶しておく。
一方、ネットワークアクセス制御部105は、サブネット判定部106へ要求したMACアドレスに対するサブネット判定結果として異なるサブネットである旨の結果を受けると、このMACアドレスを有する無線基地局に対してはIPアドレス継続情報をオフと判定し無線基地局の検索結果と共に記憶しておく。例えば、MACアドレス「00:00:4C:00:01:01」を有する無線基地局3に対してはIPアドレス継続情報がオンと記憶され、MACアドレス「00:00:4C:00:02:01」を有する無線基地局4に対してはIPアドレス継続情報がオフと記憶される。
次に、無線通信端末1は、無線基地局の検索結果から他の無線基地局へ接続を切り替えることを選択すると、無線基地局の切り替え処理を開始する。例えば、無線通信端末1は無線基地局2へ接続している状態で無線基地局3もしくは無線基地局4へ接続を切り替えることを選択する(ステップD22もしくはD23)。なお、無線通信端末1が無線基地局を切り替える判断については、接続している無線基地局2との間の受信電界強度が予め有する閾値を下回ったことをきっかけとして切り替え処理を開始するように構成されていてもよいし、接続している無線基地局2よりもより受信電界強度が強い無線基地局が検出された時点で切り替え処理を開始するように構成されていてもよいし、もしくはこれ以外をきっかけとして切り替え処理を開始するように構成されていてもよいし、特に制限はしない。
無線通信端末1は、無線基地局の切り替え処理を開始すると、まずIPデータ通信を停止し(ステップD9もしくはD15)、現在接続している無線基地局2との無線切断処理(ステップD10、D11もしくはD16、D17)、そして切り替え先となる新しい無線基地局3もしくは無線基地局4との無線接続処理を実行する(ステップD12もしくはD18)。なお、接続中の無線基地局との無線切断処理(ステップD11もしくはD17)については省略することも可能である。
なお、無線通信端末1においては通信装置12との間でIPデータ通信中の状態であるが、無線通信端末1においてIPデータ通信を停止した時点もしくは無線基地局2と切断された時点でこのIPデータ通信は中断されることとなる。例えば、音声通話中である場合は音声の途切れが発生する結果となり、テレビ電話中である場合は映像の停止及び音声の途切れなどが発生することになる。
このとき、無線通信端末1のネットワークアクセス制御部105、IP設定処理部104はそれぞれ次のように動作する。
ネットワークアクセス制御部105は、無線基地局の切り替えを決定するとIP設定処理部104に対してIPデータ通信を停止する旨を要求し(ステップE1)、次に通信制御部101に対して現在接続している無線基地局との切断処理を実行するよう要求し、引き続き切り替え先となる新しい無線基地局との接続ネゴシエーションを実施するよう制御する(ステップE2)。例えば、現在接続している無線基地局2と切断処理を実施、無線基地局3もしくは無線基地局4との接続ネゴシエーションを実施することで無線基地局3もしくは無線基地局4を介したデータ通信が可能な状態となる。
IP設定処理部104は、ネットワークアクセス制御部105からのIPデータ通信停止要求に基づきインターネット通信部103をそのように制御する(ステップE1)。なお、このときインターネット通信部103は設定されているIPアドレスなどの情報は維持したままIPデータ通信の通過を停止するような構成であってもよいし、IP設定処理部104がインターネット通信部103へ設定したIPアドレスなどの情報を保持しておく構成であってもよい。
次に、無線通信端末1は、新しい無線基地局3もしくは無線基地局4との接続ネゴシエーションが完了しIPプロトコルに基づくデータ通信を行うための準備としてIP設定処理を開始すると、先に実行済みの無線基地局3もしくは無線基地局4に対するIPアドレス継続情報オン/オフに基づき、切り替え後の無線基地局3もしくは無線基地局4を介したIPデータ通信に用いるIPアドレスなどの情報を設定し直すか否かを判断した上でIP設定処理を実行しIPデータ通信を再開する。すなわち、無線通信端末1は、新しく接続した無線基地局3に対するIPアドレス継続情報がオンである場合、無線基地局を切り替える前に使用していたIPアドレスなどの情報を用いてすぐにIPデータ通信を再開する(ステップD13、D14)。
一方、無線通信端末1は、新しく接続した無線基地局4に対するIPアドレス継続情報がオフである場合、最初に接続した場合と同様にIP設定装置とのやり取りにてIPアドレスなどの設定を取得し(ステップD19)、取得した情報を用いて再設定後にIPデータ通信が再開される(ステップD20、D21)。なお、IPアドレス継続情報のオン/オフ情報が存在しない場合はオフであると見なす。
このとき、無線通信端末1のネットワークアクセス制御部105、IP設定処理部104、インターネット通信部103はそれぞれ次のように動作する。
ネットワークアクセス制御部105は、通信制御部101から新しい無線基地局との接続処理が完了した旨の通知を受けると、IP設定処理部104に対してIPデータ通信を行うために必要となる設定を実施する旨と共に先に取得している無線基地局に対するIPアドレス継続情報を通知する。IP設定処理部104から設定が完了した旨の通知を受けてIPデータ通信を行う準備が出来たことを把握する。
IP設定処理部104は、IPデータ通信を行うために必要となる設定を実施する旨の要求を受けると、ネットワークアクセス制御部105から一緒に通知されるIPアドレス継続情報に基づき次のように動作する(ステップE3)。すなわち、IP設定処理部104は、ネットワークアクセス制御部105からIPアドレス継続情報がオンで通知されるとこれまで使用していたIPアドレスなどの情報を用いてすぐにIPデータ通信を再開するようにインターネット通信部103を制御する(ステップE4)。
例えば、これまで使用していた無線通信端末1のIPアドレスが「192.168.1.125」、サブネットマスクが「255.255.255.0」、デフォルトゲートウェイが「192.168.1.254」にてすぐにIPデータ通信を再開する。なお、IP設定処理部104が維持しているIPアドレスなどの情報を再びインターネット通信部103へ設定することにより実現することも可能であり、インターネット通信部103がIPアドレスなどの情報を削除せずに維持したままIPデータ通信が停止し、IP設定処理部104からのIPデータ通信再開要求に基づきこれまで使用していたIPアドレスなどの情報にてIPデータ通信を再開するような構成であってもよい。
一方、IP設定処理部104は、ネットワークアクセス制御部105からIPアドレス継続情報がオフで通知されるとこれまで使用していたIPアドレスなどの情報ではなく、最初に設定した場合と同様にIP設定装置とのやり取りにてIPアドレスなどの設定を取得し(ステップE5)、取得した値をインターネット通信部103へ設定することによりIPデータ通信が再開される(ステップE6)。なお、このときの動作については、実施形態1にてIPアドレスなどの情報を動的に取得する場合と同様の動作である。すなわち、動的に取得したIPアドレスなどの情報の設定が完了しIPデータ通信を行う準備が整う。
この結果、例えば、無線通信端末1にはIPアドレスが「192.168.55.125」、サブネットマスクが「255.255.255.0」、デフォルトゲートウェイが「192.168.55.254」にて設定され、無線基地局の切り替え前とは異なるIPアドレスを用いてIPデータ通信が再開される。なお、IPアドレスなどを再取得した結果、無線基地局を切り替える前に使用していたIPアドレスと結果的に同じであってもかまわない。
インターネット通信部103は、IP設定処理部104からの設定に基づいてIPデータ通信を実行するための設定を完了し、設定が完了すると通信制御部101を介したIPデータ通信が可能となる(ステップE4もしくはE6)。このとき、すでにIPアドレスなどの情報が設定されIPデータ通信可能な状態でIP設定処理部104からの要求によりIPデータ通信を中断している場合、IP設定処理部104からのIPデータ通信再開する旨の要求を受けるとこれまで使用していたIPアドレスなどの情報を用いてIPデータ通信をすぐに再開する構成となっていてもよい。
すなわち、例えば無線通信端末1は、無線基地局2に接続している状態において、MACアドレス「00:00:4C:00:01:01」を有する無線基地局3に対してはIPアドレス継続情報をオンと記憶しており、無線通信端末1が無線基地局2から無線基地局3へ切り替えた場合、無線通信端末1は無線基地局2との接続で用いていた「192.168.1.125」を継続して利用しIPデータ通信をすぐに再開する動作となる(ステップD22)。
一方、例えば無線通信端末1は、無線基地局2に接続している状態において、MACアドレス「00:00:4C:00:02:01」を有する無線基地局4に対してはIPアドレス継続情報をオフと記憶しており、無線通信端末1が無線基地局2から無線基地局4へ切り替えた場合、無線通信端末1は無線基地局2との接続で用いていた「192.168.1.125」ではなく、無線基地局4に接続後に新たに取得した例えば「192.168.2.126」に再設定しIPデータ通信を再開する動作となる(ステップD23)。
したがって、無線通信端末1は、IPデータ通信が再開されると、アプリケーション110によって動作中であるIPデータ通信が再開されることになる(ステップD14もしくはD21)。例えば、無線通信端末1において通信装置12と音声通話を行っている場合には音声通話が再開され、テレビ電話を行っている場合にはテレビ電話が再開され、映像受信を行っている場合は映像受信が再開される。
なお、無線通信端末1におけるアプリケーション110はここでは制限されない。また、ここでは詳細について記述しないが、アプリケーション110によっては無線基地局の切り替えに伴う無線通信端末1のIPアドレスの変更があった場合に通信装置12との間で制御信号のやり取りが必要になる場合もあるが、そのような制御信号もIPデータ通信と含めることができるため、ここではそのような制御信号なども含めてIPデータ通信が再開されることを意図する。
なお、本実施形態では動的IP取得に場合について記述したが、これに制限するわけではない。ただし、動的IP取得の場合に特に有用である。
さらに、本実施形態は、上述した第1の実施形態と組み合わせることが可能である。
[第2の実施形態の効果]
このように、本実施形態では、サブネット判定部の判定結果に基づき、同一サブネットと判定されたときはIPアドレス情報を継続して利用すると判定し、異なるサブネットと判定されたときはIPアドレス情報を再取得すると判定し、無線基地局の切り替え直前にIPデータ通信を中断し、無線基地局の切り替え完了後、IPアドレス情報を継続利用する場合には、無線基地局の切り替え前に使用していたIPアドレス情報を用いてすぐにIPデータ通信を再開し、IPアドレス情報を再設定する場合には、無線基地局の切り替えた後に再取得したIPアドレス情報を用いてIPデータ通信を再開するように構成されている。
したがって、無線基地局の切り替え前に、切り替え後のIPアドレス情報の再取得要否を確認でき、無線基地局の切り替えの前後において無線通信端末1が同じサブネットに属することが期待できる場合はIPアドレスなどの情報を再取得することなしにIPデータ通信をすぐに再開することが可能である。
このため、無線通信端末1が無線基地局に接続する毎に動的にIPアドレスなどの情報を取得する動作を要する状況において、データ通信中に無線基地局の切り替えが発生した場合においても従来に比べて通信品質の劣化を低減させられるという効果が得られる。
さらに、無線通信端末1において無線基地局を切り替える前の時点で無線基地局を切り替え後のIPアドレス設定取得判定を実行するよう構成されているため、無線基地局の切り替え後において無線基地局を介すデータ通信を要した確認処理を必要としない。
このため、無線通信端末1は無線基地局を切り替えた後に使用してよいかどうかを判断できないIPアドレスを用いた通信を行うことにより起こりうるネットワークへの影響を排除できるという効果が得られる。
また、本実施形態では、無線通信端末1において予め設定されたIPアドレス設定取得方法に基づくIPアドレス設定取得処理実行の前に、サブネット判定結果に基づくIPアドレス継続情報に基づいてIPアドレス設定取得処理の実行判定を行うように構成されている。
このため、無線通信端末1に予め設定されたIPアドレス設定取得方法に関わらず利用することが可能である。したがって、予め無線通信端末1に設定されたIPアドレス設定取得方法に関わらず効果が得られる。
さらにまた、無線通信端末1において接続する可能性のある全ての無線基地局に対して、それぞれの総当りとなる組み合わせにおいて事前にIPアドレス継続情報を設定しておくことで本実施形態と同様の効果を得ることは理論上可能であるが、全ての組み合わせについて事前に入力すること、例えば1つの無線基地局の設定を変更した場合にそれぞれの組み合わせについて設定を変更しなければいけないこと、さらに無線通信端末1において新規に無線基地局に対する設定を追加した場合への対応などを想定すると、これを実現するのは現実的ではないことは容易に考えられ、本実施形態では事前の設定を要することなく動的に実現可能であり、ユーザーもしくは管理者に対して困難な設定を必要としないという効果が得られる。
さらに、無線通信端末1において、接続する複数の無線基地局毎に異なるIPアドレス設定取得方法を保持するような構成も可能である。この場合であっても、同様にサブネット判定結果に基づくIPアドレス継続情報に基づいてIPアドレス設定取得処理の実行判定を行うように構成されている。
このため、無線通信端末1が例えば複数のESSIDに対してそれぞれ異なりうるIPアドレス設定取得方法が設定されている場合でも利用することが可能である。したがって、無線基地局の切り替え前後においてESSIDが同じであっても異なる場合であっても変わらずに効果が得られる。
なお、無線通信端末1が複数の無線基地局毎に異なるIPアドレス設定取得方法を保持するような構成において、無線通信端末1のIP設定処理部104はIPアドレス設定取得方法に関する情報に加えてIPアドレス継続情報を受け入れるかどうかの情報も保持するような構成となっていてもよい。
すなわち、IP設定処理部104は、IPアドレス継続情報を受け入れるよう設定されている場合は上述したような動作となるが、IPアドレス継続情報を受け入れないよう設定されている場合はネットワークアクセス制御部105からのIPアドレス継続情報の有無に関わらずIP設定処理部104が有するIPアドレス設定取得方法に基づいてIPアドレスなどの情報の設定が行われる。
これによって、無線通信端末1が有する複数の無線基地局に対する設定情報において、設定情報毎に本実施形態におけるIPアドレス継続動作を変更することが可能となる。なお、このIPアドレス継続情報を受け入れるかどうかの判定処理はネットワークアクセス制御部105が行う構成であってもよく、この場合、ネットワークアクセス制御部105は無線基地局の検索結果を取得した時点で予め設定された無線基地局毎の設定情報に含まれるIPアドレス継続情報に基づいて、サブネット判定処理を実行しないことによりIPアドレス継続が行われないような構成でもよい。
また、無線通信端末1はIPアドレス継続情報に基づくIPアドレス設定取得処理判定より前に予め無線通信端末1に設定されたIPアドレス設定取得処理に基づき実行する構成も可能であり、もしくは予め無線通信端末1に設定されたIPアドレス設定取得情報が動的に取得するであった場合にIPアドレス継続情報を反映するような構成も可能である。
これにより、無線通信端末1においてある無線基地局に対しては予め設定されたIPアドレスなどを使用するような構成である場合に、ユーザーの意図を反映して特定したIPアドレスなどの情報を使用することも可能となる。
また、本実施形態では、無線通信端末1が動的にIP取得方法はDHCPを用いた構成となっているが、IPv6の場合にはIPv6が備える自動アドレス設定機能に基づいて構成されてもよい。より詳細には、ルーターが定期的にもしくは端末からの要請に基づいてRA(Router Advertisement)と呼ばれるネットワークアドレス情報を含むルーター広告を送信しており、無線通信端末1はこのRAに含まれるプレフィックス情報と端末が備える一意のインタフェースIDに基づいてIPアドレスを生成し、生成したIPアドレスの一意性を確認するためにネットワーク上に同じIPアドレスを有する装置が存在しないかを確認することによって、最終的に無線通信端末1のIPアドレスが決定する。
これにより、DHCPの場合と同様にIPアドレス継続情報に基づいてIPv6の場合においてはIPv6が備える自動アドレス設定機能を省略することができ、しいては無線基地局切り替え時のデータロスを減少させることが可能となる。
また、本実施形態において、ハンドオーバー制御の際、ハンドオーバー前に接続していた無線基地局から一度切断し、再び連続して同じ無線基地局に接続した場合は、サブネット判定部106により同一サブネットであると判定し、ネットワークアクセス制御部105で、IPアドレス情報を継続して利用すると判定するよう構成してもよい。
[第3の実施形態]
次に、図12を参照して、本発明の第3の実施形態にかかる無線通信端末について説明する。図12は、本発明の第3の実施形態にかかる無線通信端末の構成を示すブロック図であり、図9と同じまたは同等部分には同一符号を付してある。
図9に示された第2の実施形態における無線通信端末1と比較して、本実施形態における無線通信端末1のサブネット判定部106に、存在確認要求とそれに対応する存在確認応答を識別するために用いられる存在確認照合部111を備える点と、ネットワークアクセス制御部105、サブネット判定部106、存在確認要求送信部107、及び存在確認応答受信部108の機能において一部異なる点以外は、第2の実施形態における無線通信端末1の構成と同様である。
図13は、アドレスと識別子の組を示す説明図であり、存在確認照合部111がアドレスと識別子の組を記憶する様子を示している。
サブネット判定部106が備える存在確認照合部111は、存在確認応答受信部108から取得する存在確認要求とそれに対応する存在確認応答を識別するために用いられる機能を備えており、より詳細には、MACアドレスと共に一意に識別するための識別子を決定しそれらを組にして記憶する機能と(図13のF1)、存在確認要求送信部107に対して存在確認要求送信を要求するときにMACアドレスと共に対応する識別子を通知する機能と、存在確認応答受信部108からの存在確認応答と共に識別子を取得する機能と、識別子を基に対応するMACアドレスを比較する機能とを備える。
なお、存在確認照合部111は、存在確認応答受信部108からの応答やサブネット判定部106にけるタイムアウトによって記憶しているMACアドレス及び識別子の組を削除するような構成であってもよい。これによって、使用済み識別子を新規に使用することが可能となる。すなわち、一意に識別可能な値の選択にあたっては、現在有効となっている識別子の中から一意に選択できる構成であってよい。
また、これらネットワークアクセス制御部105、サブネット判定部106、存在確認要求送信部107、及び存在確認応答受信部108が備える機能は、次に記述する点において第2の実施形態における無線通信端末1での各部機能と一部異なっている。
本実施形態のネットワークアクセス制御部105は、無線基地局の検索結果から取得した無線基地局固有の識別子に対するサブネット判定について複数のサブネット判定を同時に要求する機能と、それに伴い複数の判定結果を同時に取得する機能と、取得した判定結果に対応する無線基地局のうちから所定の無線基地局選択条件に基づき選択した1つの無線基地局との接続に切り替える機能とをさらに有する点で、実施形態1及び実施形態2とは異なる。
より詳細には、サブネット判定部106に対してあるMACアドレスに対するサブネット判定を要求した後にその結果を受け取る前に引き続き他のMACアドレスに対するサブネット判定を要求する機能と、それに伴いMACアドレスと関連付けられた結果を取得することで対応するMACアドレスを識別する機能と、無線通信端末1が接続する無線基地局を切り替える際に無線基地局の検索結果とサブネット判定結果に基づいて同一サブネットに属している無線基地局を異なるサブネットに属している無線基地局に優先して選択する機能とを有する。
なお、ネットワークアクセス制御部105からサブネット判定部106への要求及び結果取得について、複数の要求を同時に行い、複数の結果を同時に取得するような構成であってもよいし、それぞれ単一の要求を順に行い、結果が判明したものから順に結果を取得するような構成であってもよいし、それらが組み合わさっている構成であってもよい。
本実施形態のサブネット判定部106は、複数のサブネット判定を同時に実行する機能を備える点で実施形態1及び実施形態2とは異なっており、より詳細には、上記存在確認照合部111を利用してMACアドレス毎に結果を判定する機能と、ネットワークアクセス制御部105に対してはMACアドレスとそのMACアドレスに対するサブネット判定結果を対にして通知する機能とを有する。
さらに、サブネット判定部106が備えるタイムアウト値はサブネット判定中のMACアドレス毎に有する構成であってもよく、このため、各判定中のMACアドレス毎に異なるタイミングで実行することも可能となり、別々に要求される場合に対応することが可能となる。さらに、サブネット判定部106は、ネットワークアクセス制御部105からの要求を複数同時に受けるとことができるように構成されていてもかまわないし、サブネット判定結果が得られた順番にネットワークアクセス制御部105に対して結果を通知する構成であってもよいし、複数の結果を同時に通知するような構成であってもよい。
本実施形態の存在確認要求送信部107は、存在確認要求を送信する旨の通知を受けるとMACアドレスと共に受け取った識別子を送信する存在確認要求メッセージに挿入する機能をさらに有する点で、実施形態1及び実施形態2とは異なる。
より詳細には、存在確認応答において存在確認要求と同じデータにて構成される応答が期待される存在確認要求メッセージの適切な箇所に識別子を挿入する機能を備える。
例えば、存在確認要求メッセージがICMP:Echo Requestメッセージで構成される場合、ICMP:Echo Requestメッセージの識別子フィールド(図4のA3−6)にて実現される。もしくは、シーケンス番号を示すフィールド(図4のA3−7)にて実現されてもかまわない。また、識別子及びシーケンス番号を示すフィールド以外でも構成可能であり、ICMP:Echo Requestメッセージのペイロード部分で構成することも可能である(図4のA3−8)。このように識別子やシーケンス番号を示すフィールドでのサイズ制限や数字の制約を受けずに実現することも可能である。なお、ここではICMP:Echo Requestメッセージで構成する場合について記述したがこれに制限するわけではなく、ICMP:Echo Requestメッセージ同様に存在確認応答が期待できるメッセージであれば特に制限はしない。
本実施形態の存在確認応答受信部108は、存在確認応答メッセージを受信した旨を通知する際に存在確認応答メッセージに含まれる識別子を抽出し、受信結果と共に識別子を通知する機能をさらに有している点で実施形態1及び実施形態2とは異なる。より詳細には、存在確認応答において存在確認要求と同じデータにて構成される応答が期待される存在確認応答メッセージの適切な箇所から識別子を抽出する機能を備える。すなわち、存在確認要求送信部107にて挿入された識別子に対して、この識別子が存在確認応答メッセージに含まれるであると期待される箇所から抽出する機能を備える。
例えば、存在確認応答メッセージがICMP:Echo Replyメッセージで構成される場合、ICMP:Echo Replyメッセージの識別子を示すフィールドにて実現される。もしくは、シーケンス番号を示すフィールドにて実現されてもかまわない。また、識別子やシーケンス番号を示すフィールド以外でも構成可能であり、ICMP:Echo Replyメッセージのペイロード部分で構成することも可能である。なお、ここではICMP:Echo Replyメッセージで構成する場合について記述したがこれに制限するわけではなく、存在確認要求送信部107で送信される存在確認要求メッセージに対する存在確認応答メッセージであれば特に制限はしない。
なお、存在確認要求送信部107にて送信する存在確認要求メッセージの種別、及び存在確認応答受信部108にて受信したと判定する存在確認要求メッセージの種別に対応したフィルタリングルールの種別、さらに存在確認要求メッセージ及び存在確認応答メッセージにて指定する識別子の箇所については、予め存在確認要求送信部107及び存在確認応答受信部108にて維持するような構成であってもよいし、図示せぬパラメータ記憶部に格納されておりパラメータ記憶部から読み込むような構成であってもよい。
さらに、サブネット判定部106がこれらの種別を把握しており、サブネット判定部106から存在確認要求送信部107に対しては送信する存在確認要求メッセージ自体を受け渡し、存在確認応答受信部108からは受信した存在確認応答メッセージ自体を取得する構成であり、サブネット判定部106にて存在確認要求メッセージと存在確認応答メッセージの比較を実現するような構成であってもかまわない。
無線通信端末1は、第1の実施形態と同様に、CPU401が記憶部109に記憶されたプログラムを主記憶部402に移して実行することで、上述した各部の処理を実現する。
[第3の実施形態の動作]
次に、図14を参照して、本発明の第3の実施形態にかかる無線通信システムの動作について説明する。図14は、本発明の第3の実施形態にかかる無線通信システムの動作を示すシーケンス図である。以下では、本発明の第1および第2の実施形態の動作と異なる点を中心に説明する。
なお、本実施形態に示す処理は、第1の実施形態と同様に、無線通信端末1が有するCPU401が記憶部109に記憶されたプログラムを主記憶部402に移して実行することで実現される。
まず、図14を参照すると、無線通信端末1は、最初に無線基地局2と接続ネゴシエーションを行い(ステップG1)、引き続きIP設定処理を行うことによって(ステップG2)、無線基地局2を介してネットワーク上の装置とのIPデータ通信が可能となる動作については実施形態1及び実施形態2と同様の動作である(ステップG3)。なお、IPアドレス設定取得方法は、予め記憶しているIPアドレスなどの情報を設定するような構成であってもよいし、動的にIPアドレスなどの情報を取得するような構成であってもよい。
次に、無線通信端末1は、引き続き通信装置との間でデータ通信を開始する動作は第2の実施形態と同様である(ステップG3)。なお、ここで開始した無線通信端末1と通信装置12間のデータ通信はこの後も引き続き継続しているものとする。なお、無線通信端末1と通信装置12間のデータ通信はこのタイミングに限らず、以後のハンドオーバー実施の前に開始されていることを意図しておりこのタイミングに制限しない。
次に、無線通信端末1は、無線基地局2を介して通信装置とIPデータ通信をしている状態において、より通信品質のよい無線基地局を検出するために無線基地局2とは切断せずに接続したままの上体にて、他の無線基地局を検索する動作については実施形態1及び実施形態2と同様の動作である(ステップG4、G5)。
次に、無線通信端末1は、無線基地局2に接続している状態で検索結果を取得する(ステップG6、G7)と検索結果から無線基地局固有の識別子を抽出し、抽出した無線基地局固有の識別子を基に無線基地局に対して存在確認要求メッセージを送信する動作、及び送信した存在確認要求メッセージに対する存在確認応答メッセージの受信結果に応じてサブネット判定を実施することで無線基地局が無線通信端末1同一サブネットに存在するか否かを判定する動作については実施形態1及び実施形態2と同様の動作であるが、検索結果から取得した複数の無線基地局に対して同時にサブネット判定を実施することができる点が実施形態1及び実施形態2とは異なる動作となる(ステップG8、G9)。
これは、実施形態1及び実施形態2の構成の場合、同時に複数の存在確認要求メッセージを送信すると、送信した存在確認要求に対応する存在確認応答メッセージの識別が困難となってしまうため、順番に無線基地局に対して1つずつサブネット判定を実施する必要があった。すなわち、複数の無線基地局が存在する場合、全ての無線基地局に対してサブネット判定を実施し完了するまでにそれ相当の時間を要するという問題があった。
このとき、無線通信端末1のネットワークアクセス制御部105、サブネット判定部106、存在確認照合部111、存在確認要求送信部107、及び存在確認応答受信部108はそれぞれ次のように動作する。
ネットワークアクセス制御部105は、無線基地局の検索結果を取得し検索結果に複数の無線基地局が含まれる場合には、それら全ての無線基地局に対する固有の識別子を抽出しサブネット判定部106に対してサブネット判定を実施する旨の要求を行う。なお、このとき、検索結果からすべてを同時に通知してもよいし、1つの要求に対する結果を得る前に連続して引き続き要求を行ってもよい。
例えば、無線基地局3及び無線基地局4を検出したとすると、サブネット判定部106に対しては、MACアドレス「00:00:4C:00:01:01」とMACアドレス「00:00:4C:00:02:01」の2つが共に通知される。
サブネット判定部106及び存在確認照合部111は、ネットワークアクセス制御部105からサブネット判定を実施する旨の要求を受けると、受け取ったMACアドレスそれぞれに対してサブネット判定を実施する。存在確認照合部111は、MACアドレスとそれに組となる一意に識別可能な識別子を選択しそれらを組として記憶しておく(図13のF1、F2、F3)。受け取ったMACアドレスが複数存在する場合には、それぞれのMACアドレスに対して一意に識別可能な識別子を選択し同様に記憶しておく。
サブネット判定部106は各MACアドレスと付与された識別子を通知すると共に存在確認要求メッセージ送信部に対して存在確認要求メッセージを送信する旨を要求する。なお、サブネット判定部106はMACアドレスと識別子の組を複数保持している場合にはそれらを順に存在確認要求送信部107へ通知することによりそれら全てに対して存在確認要求メッセージが送信される。サブネット判定部106は存在確認要求送信部107へ要求を行うと各識別子に対応付けられたカウンタを開始し始める。
例えば、サブネット判定部106及び存在確認照合部111は、ネットワークアクセス制御部105からMACアドレス「00:00:4C:00:01:01」とMACアドレス「00:00:4C:00:02:01」の2つを通知されると、存在確認照合部111においてそれぞれMACアドレスに対して管理され一意となる識別子が選択される。ここではMACアドレス「00:00:4C:00:01:01」には識別子"1"が選択され(図13のF4、F5)、MACアドレス「00:00:4C:00:02:01には識別子"2"が選択され記憶される(図13のF6、F7)。すなわち、MACアドレス「00:00:4C:00:01:01」と識別子"1"の組、MACアドレス「00:00:4C:00:02:01」と識別子"2"の組で、それぞれ存在確認要求送信部107へ引き続き送信要求が実施される。
存在確認要求送信部107は、サブネット判定部106から受け取ったMACアドレスを基に実施形態1及び実施形態2と同様にしてデータリンク層でやり取りされるデータを生成するが、さらに一緒に受け取った識別子をデータに対して挿入したのち通信制御部101を介して送信される。例えば、存在確認要求メッセージがICMP:Echo Requestメッセージで構成される場合、識別子は識別子フィールドへ挿入される。
すなわち、MACアドレス「00:00:4C:00:01:01」と識別子"1"を受け取った場合には、識別子フィールドに識別子"1"が指定され、宛先MACアドレスが「00:00:4C:00:01:01」で構成されたIPブロードキャストICMP:Echo Requestメッセージが送信され(ステップG8)、MACアドレス「00:00:4C:00:02:01」と識別子"2"を受け取った場合には、識別子フィールドに識別子"2"が指定され、宛先MACアドレスが「00:00:4C:00:02:01」で構成されたIPブロードキャストICMP:Echo Requestメッセージが送信されることになる(ステップG9)。
存在確認応答受信部108は、実施形態1及び実施形態2と同様に、受信したデータにおいて存在確認応答メッセージと判定した場合にはサブネット判定部106へ通知する点では同様の動作となるが、本実施形態においてはさらに存在確認応答メッセージから識別子を抽出し、抽出した識別子と共にサブネット判定部106に対して結果を通知する。
すなわち、存在確認要求送信部107において宛先MACアドレスが「00:00:4C:00:01:01」で送信した場合については存在確認応答メッセージを受信し(ステップG10)、識別子を示すフィールドから識別子"1"を抽出し、サブネット判定部106へ受信した旨と共に識別子"1"を通知する動作となる。一方、存在確認要求送信部107において宛先MACアドレスが「00:00:4C:00:02:01」で送信した場合については存在確認応答メッセージを受信しない。
サブネット判定部106は、存在確認応答受信部108からの結果に基づいてサブネット判定結果をネットワークアクセス制御部105へ通知する。また、存在確認応答受信部108からの結果が得られずにタイムアウトした場合は同一サブネットではないと判定される点は実施形態1及び実施形態2と同様の動作となる(ステップG11)。
なお、サブネット判定部106は、カウンタを各識別子毎に保有し、存在確認応答受信部108からの結果通知を受けて識別子を基にして応答が得られたMACアドレスを判定しサブネット判定を実施する。
すなわち、存在確認応答受信部108から受信した旨の結果と共に識別子が"1"である旨の通知を受けると存在確認照合部111にて記憶している情報を基にMACアドレス「00:00:4C:00:01:01」に対する応答であると判断しネットワークアクセス制御部105に対してはMACアドレス「00:00:4C:00:01:01」と共に同一サブネットである旨の判定結果を通知する動作となる。一方、存在確認応答受信部108から識別子が"2"を示す受信結果を得られずに識別子"2"のカウンタがタイムアウトするとMACアドレス「00:00:4C:00:02:01」に対しては応答がなかったものと見なしネットワークアクセス制御部105に対してはMACアドレス「00:00:4C:00:02:01」と共に同一サブネットではない旨の判定結果を通知する動作となる。なお、サブネット判定結果が得られた後、結果が得られたMACアドレス及び識別子の組について記憶から削除する動作であってもかまわない。
この結果、ネットワークアクセス制御部105は、無線基地局3と無線基地局4に対するサブネット判定結果を取得する。すなわち、MACアドレス「00:00:4C:00:01:01」を有する無線基地局3は無線通信端末1が接続している無線基地局と同一サブネットに存在しており、MACアドレス「00:00:4C:00:02:01」を有する無線基地局4は無線通信端末1が接続している無線基地局と異なるサブネットに存在していると把握することができる。
次に、無線通信端末1は、無線基地局の検索結果から他の無線基地局へ接続を切り替えることを選択すると、先に実施したサブネット判定結果に基づいて無線通信端末1が接続している無線基地局と同一サブネットに存在している無線基地局を優先的に切り替え先無線基地局となるような選択動作を行う。
すなわち、無線通信端末1が無線基地局へ接続中に他の無線基地局へ接続を切り替える場合は、無線基地局選択条件として、無線基地局の検索結果の中から無線通信端末1が接続している無線基地局と同一サブネットに存在している無線基地局を優先的に接続先と判定する条件がある。この場合、まず同一サブネットに存在している無線基地局の中から接続先無線基地局を選択する。同一サブネットに存在している無線基地局の中で接続先となる無線基地局が存在しない場合、もしくは同一サブネットに存在している無線基地局が存在しない場合には同一サブネットに存在していない無線基地局の中から接続先となる無線基地局を選択する動作を行う。すなわち、無線基地局3と無線基地局4では、無線基地局3が優先的に選択されることとなる。
なお、無線通信端末1が無線基地局を切り替える判断については、接続している無線基地局との間の受信電界強度が予め有する閾値を下回ったことをきっかけとして切り替え処理を開始するように構成されていてもよいし、接続している無線基地局よりもより受信電界強度が強い無線基地局が検出された時点で切り替え処理を開始するように構成されていてもよいし、もしくはこれ以外をきっかけとして切り替え処理を開始するように構成されていてもよいし、特に制限はしない。
また、無線通信端末1が接続先無線基地局であると選択する際の他の無線基地局選択条件としては、受信電界強度が最も強い無線基地局を優先して接続するような選択基準でもよいし、無線基地局へ接続するための設定情報を持っているかどうかで判断してもよいし、予め保持する一定の受信電界強度以上であることを基に判断してもよいし、特に制限はしない。すなわち、無線基地局3が切り替え先に値する無線基地局であった場合には無線基地局3が切り替え先無線基地局として選択されることになり、無線基地局3が切り替え先無線基地局として該当しなかった場合に初めて無線基地局4に選択権が回ってくることになる。
以後、無線通信端末1は、選択した無線基地局への切り替え処理を実施した後の動作については実施形態2の場合と同様の動作となる。すなわち、無線通信端末1は、無線通信端末1が接続している無線基地局2と同一サブネットに存在している無線基地局3へ切り替え処理を実施した場合はIP設定処理が短縮される動作となる。一方、無線基地局4へ切り替え処理を実施した場合はIP設定処理が短縮されない通常動作となる。
これによって、無線通信端末1は、無線通信端末1が接続している無線基地局2と同じサブネットに属している無線基地局3を優先的に接続先として選択することが可能となり、不用なIPアドレスなどの再設定処理によるIPデータ通信の遮断の発生及び通信品質の低下を削減することが可能となる。
なお、本実施形態は、上述した第1もしくは第2の実施形態のどちらかもしくはどちらとも組み合わせることが可能である。
[第3の実施形態の効果]
このように、本実施形態では、ネットワークアクセス制御部において、接続中の無線基地局との接続を、新たな無線基地局のうちから所定の無線基地局選択条件に基づき選択した1つの無線基地局との接続に切り替えるハンドオーバー制御を行うように構成されている。
また、その際、サブネット判定部によるサブネット判定結果に基づき検索した無線基地局の中から無線通信端末1が接続中の無線基地局と同じサブネットに属している無線基地局を優先的に切り替え先の無線基地局と選択するように構成されている。
したがって、無線基地局を切り替えた後でも同じIPアドレスなどの情報を用いてIPデータ通信を継続する割合を高くすることが可能である。このため、無線基地局の切り替えに伴う不用なIPアドレスの変更を防ぎ、無線基地局を切り替えることによる通信品質の低下を最大限抑えることができるという効果が得られる。
さらに、例えばIPデータ通信上で音声通話を行っている最中に無線基地局の切り替えが発生した場合、無線基地局の切り替えによってはIPアドレスの変更が発生し、これに伴い音声通話アプリケーション110においてIPアドレスの変更に伴う制御信号のやり取りを必要とし、変更後のIPアドレスに基づいた音声通話を再開するまでには相当のロスは避けられないが、これらを予め避けることができるという効果が得られる。
また、本実施形態では、存在確認要求メッセージと存在確認応答メッセージで同じ値となることが期待されるフィールドに対して識別子を付与するように構成されているため、複数の存在確認要求メッセージを同時に送信した場合でも存在確認応答メッセージとの対応付けが可能である。このため、サブネット判定を1つずつ順に実行する場合と比較して複数のサブネット判定を同時に実行することができるため、結果を早急に得ることができるという効果が得られる。これは、無線基地局の検索結果が多数存在する場合や、無線基地局を切り替えるまでに十分な時間がない場合に特に有効である。
[第4の実施形態]
次に、本発明の第4の実施形態にかかる無線通信端末について説明する。以下では、本実施形態が、第1の実施形態の変形例であるため、両者の異なる点を中心に説明する。
第1の実施形態にかかる無線通信端末1において、通信制御部101及び通信インタフェース部は、無線LAN(IEEE:802.11)の技術を用いた構成となっていたが、本実施形態における通信制御部101は、WiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access)の技術を用いた構成となっている。
すなわち、本実施形態の通信制御部101が備える無線基地局が送信する報知情報を収集する機能は、無線基地局が送信するDownlink Channel Descriptor(DCD)メッセージもしくはDownlink Access Definition(DL-MAP)メッセージを収集する機能を備え、例えば、これらのメッセージから無線基地局固有の識別子を示すBase Station ID(BSID)を取得する。
なお、本実施形態は、第2の実施形態及び第3の実施形態の変形例とすることも可能である。
このため、本実施形態によれば、無線LAN(IEEE:802.11)の技術を用いた構成例である第1の実施形態から第3の実施形態と同様の効果がWiMAX(IEEE 802.16)の技術を用いた構成であっても得られることが可能となる。
無線通信端末1は、第1の実施形態と同様に、CPU401が記憶部109に記憶されたプログラムを主記憶部402に移して実行することで、上述した各部の処理を実現する。
[第5の実施形態]
次に、本発明の第5の実施形態にかかる無線通信端末について説明する。以下では、本実施形態が、第1の実施形態の変形例であるため、両者の異なる点を中心に説明する。
第1の実施形態にかかる無線通信端末1において、存在確認要求送信部107から送信する存在確認要求メッセージがIPv6プロトコルで構成され、その送信先IPアドレスは無線通信端末1がルーター6から受信したルーター広告メッセージ(Router Advertisement)にて取得したネットワークアドレスのプレフィックス部分と、サブネット判定部106から取得したMACアドレスを組み合わせて生成したIPアドレスを用いる点で、上述の実施形態とは異なる。
なお、本実施形態は、第2の実施形態から第4の実施形態の変形例とすることも可能である。
このように、本実施形態によれば、特定のIPアドレスを送信先とした存在確認メッセージにて構成することが可能であり、UDP以外にもTCPプロトコルを用いて存在確認を実施することが可能となる。なお、この場合は、例えばTCPによるコネクション型通信の特徴を利用してSYNメッセージに対するACK+SYNメッセージによる応答やRESETメッセージによる応答を用いた存在確認を加えて実施することが可能となる。
無線通信端末1は、第1の実施形態と同様に、CPU401が記憶部109に記憶されたプログラムを主記憶部402に移して実行することで、上述した各部の処理を実現する。
[第6の実施形態]
次に、本発明の第6の実施形態にかかる無線通信端末について説明する。以下では、本実施形態と、前述した各実施形態との相違点を中心に説明する。
第6の実施形態における、サブネット判定部106、存在確認要求送信部107、及び存在確認応答受信部108が次のような動作を行う点で、前述の各実施形態とは異なっている。
すなわち、前述した各実施形態におけるサブネット判定部106は、ネットワークアクセス制御部105より存在確認実施の旨要求を受けると上述の実施形態では1種類の存在確認メッセージで実施するよう構成されていたが、本実施形態におけるサブネット判定部106は、1つのMACアドレスに対して異なる複数の存在確認メッセージで実施する点で、両者は異なる。
本実施形態における存在確認要求送信部107は、サブネット判定部106から通知されるMACアドレスとともにメッセージ種別も一緒に通知されると、通知されたメッセージ種別に応じて異なる存在確認要求メッセージを送信する点で、上述の実施形態とは異なる。
また、本実施形態における存在確認応答受信部108は、存在確認応答メッセージを受信するとサブネット判定部106に対して受信した旨に加えメッセージ種別を通知する点で上述の実施形態とは異なる。
[第6の実施形態の動作]
次に、本発明の第6の実施形態にかかる無線通信端末の動作について説明する。
無線通信端末1のサブネット判定部106は、ネットワークアクセス制御部105より存在確認実施の旨要求を受けると、存在確認要求送信部に対してMACアドレスは同一のままでメッセージ種別の異なる存在確認要求メッセージを送信するよう存在確認要求送信部107に対して複数の要求を実施する。なお、これら要求は、連続して引き続き実施する構成であっても良いし、1つの要求に対する応答があってから次の要求を実施するような構成であってもかまわない。
存在確認要求送信部107は、サブネット判定部106からの要求にしたがって指定されたメッセージ種別にて存在確認メッセージを送信する。
存在確認応答受信部108は、存在確認応答メッセージを受信するとサブネット判定部106に対して受信した旨に加えメッセージ種別を通知する。
次に、サブネット判定部106は、要求した複数のメッセージ種別の異なる存在確認要求メッセージのうち1つでも存在確認応答があった場合には同一サブネットに属していると判定し、存在確認要求メッセージを送信してから一定時間経過しても存在確認応答メッセージを受信しなかった場合には異なるサブネットに属していると判定する。
このため、特定の存在確認要求メッセージに対応していない場合においても別の存在確認要求メッセージを利用することが可能であり、様々な無線基地局における対応が期待することができ、より広い範囲で本実施の効果が期待することが可能となる。
なお、本実施形態は、上述した第1から第5の実施形態の中の1つもしくはどれとも組み合わせることが可能である。
無線通信端末1は、第1の実施形態と同様に、CPU401が記憶部109に記憶されたプログラムを主記憶部402に移して実行することで、上述した各部の処理を実現する。
以上好ましい実施形態をあげて本発明を説明したが、本発明は必ずしも、上記実施形態に限定されるものではなく、その技術的思想の範囲内において様々に変形して実施することができる。
例えば、上記実施形態及び実施形態では、無線LAN(IEEE:802.11)の技術を用いた構成例が記載されているが、無線LANに限らず、Bluetooth(登録商標)、UWB(Ultra Wide Band)、3G(3rd Generation:第3世代の携帯電話方式)等の技術を用いて構成してもよい。
本発明によれば、無線インタフェースを備える通信端末を要するネットワークにおいて、接続中の基地局を切り替える際に適用可能であり、特に基地局間を頻繁に移動する状況において特に有効である。

Claims (25)

  1. 無線通信インタフェース部を備える無線通信端末であって、
    前記無線通信インタフェース部を介して接続中の無線基地局とは別の新たな無線基地局が備える無線通信インタフェースのレイヤー2アドレスを取得するアドレス取得部と、
    前記アドレス取得部で取得したレイヤー2アドレスを宛先アドレスとするとともに当該無線通信端末自身のレイヤー2アドレスを送信元アドレスとし、レイヤー3アドレスにブロードキャストもしくはマルチキャスト宛を指定した存在確認要求メッセージを生成する存在確認要求生成部と、
    この存在確認要求生成部で生成した存在確認要求メッセージを前記接続中の無線基地局を介して送信する存在確認要求送信部と、
    前記存在確認要求メッセージに対する存在確認応答メッセージを受信する存在確認応答受信部と、
    この存在確認応答受信部で前記存在確認応答メッセージを受信したときには、前記新たな無線基地局が前記接続中の無線基地局と同一サブネットに属していると判定するサブネット判定部と
    を備えることを特徴とする無線通信端末。
  2. 請求項1に記載の無線通信端末において、
    前記存在確認要求送信部は、前記レイヤー2アドレスを宛先アドレスとした複数の異なる種別の存在確認要求メッセージを送信し、
    前記サブネット判定部は、前記存在確認応答受信部において、前記異なる種別の複数の存在確認要求メッセージのうちどれか1つのメッセージに対する存在確認応答メッセージを受信したときには、前記新たな無線基地局が前記接続中の無線基地局と同一サブネットに属していると判定する
    ことを特徴とする無線通信端末。
  3. 請求項1に記載の無線通信端末において、
    前記サブネット判定部は、前記存在確認応答メッセージを前記存在確認応答受信部により受信する前に、前記存在確認要求メッセージを送信した時点から予め設定された時間が経過した場合、前記新たな無線基地局が前記接続中の無線基地局とは異なるサブネットに属していると判定することを特徴とする無線通信端末。
  4. 請求項1に記載の無線通信端末において、
    前記存在確認要求送信部が送信する存在確認要求メッセージは、IPプロトコル上で通信されるデータをカプセル化していて、IPヘッダーの送信先IPアドレスにはブロードキャストもしくはマルチキャストが指定されているデータであることを特徴とする無線通信端末。
  5. 請求項1に記載の無線通信端末において、
    前記存在確認要求送信部が送信する存在確認要求メッセージは、IPプロトコル上で通信されるデータをカプセル化していて、IPヘッダーの送信先IPアドレスにはIPv6プロトコルでルーターが広告しているルーター広告メッセージのネットワークプレフィックス部とレイヤー2アドレスとを組み合わせたIPアドレスであることを特徴とする無線通信端末。
  6. 請求項4に記載の無線通信端末において、
    前記存在確認要求送信部が送信するIPプロトコル上で通信されるデータは、ICMP:Echo Requestメッセージであり、
    前記存在確認応答受信部が受信する存在確認応答メッセージは、ICMP:Echo Replyメッセージをカプセル化しているデータである
    ことを特徴とする無線通信端末。
  7. 請求項1に記載の無線通信端末において、
    前記存在確認要求メッセージは、上位層のデータをカプセル化しているデータリンク層で通信されるデータであって、当該上位層データを受信した通信装置が前記データを送信した当該無線通信端末に対して同じく当該上位層データの応答となる上位層データをカプセル化しているデータリンク層で通信されるデータで応答するデータであり、
    前記存在確認応答メッセージは、前記通信装置が応答したデータである
    ことを特徴とする無線通信端末。
  8. 請求項1に記載の無線通信端末において、
    前記存在確認要求生成部は、前記アドレス取得部で取得したレイヤー2アドレスを宛先とし当該無線通信端末自身のレイヤー2アドレスを送信元としたデータリンク層要求データであって、当該データリンク層要求データを受信した通信装置が前記データを送信した当該無線通信端末に対して同じく当該データリンク層データの応答となるデータリンク層応答データで応答するデータである存在確認要求メッセージを生成し、
    前記サブネット判定部は、前記存在確認応答メッセージを前記存在確認応答受信部にて受信することなく前記存在確認要求メッセージを送信した時点からの経過時間が予め設定された時間を越えたときに前記新たな無線基地局が異なるサブネットに属していると判定する
    ことを特徴とする無線通信端末。
  9. 請求項1に記載の無線通信端末において、
    無線通信端末間で一意に識別可能な識別子を抽出する識別子選択部をさらに備え、
    前記存在確認要求送信部は、前記識別子選択部によって選択された識別子を存在確認要求メッセージの一部に挿入し、
    前記存在確認応答受信部は、存在確認応答メッセージを受信すると存在確認応答メッセージの一部に挿入されている識別子を取り出し、
    前記サブネット判定部は、前記存在確認要求メッセージに挿入された識別子と存在確認応答メッセージから抽出された識別子を比較することで存在確認要求メッセージと存在確認応答メッセージの対応付けを行う
    ことを特徴とする無線通信端末。
  10. 請求項1に記載の無線通信端末において、
    ハンドオーバー制御の際、接続中の無線基地局との接続を、前記新たな無線基地局のうちから所定の無線基地局選択条件に基づき選択した1つの無線基地局との接続に切り替えるハンドオーバー制御を行うネットワークアクセス制御部をさらに備える
    ことを特徴とする無線通信端末。
  11. 請求項10に記載の無線通信端末において、
    前記無線基地局選択条件として、前記サブネット判定部の結果に基づいて同一サブネットに属していると判定された新たな無線基地局の中から選択し、同一サブネットに属していると判定された新たな無線基地局の中に該当する無線基地局が存在しない場合は、異なるサブネットに属していると判定された新たな無線基地局の中から選択するという条件を使用することを特徴とする無線通信端末。
  12. 請求項10に記載の無線通信端末において、
    前記アドレス取得部は、前記新たな無線基地局ごとに前記レイヤー2アドレスと共にその受信電界強度を取得し、
    前記無線基地局選択条件として、前記新たな無線基地局のうち、予め設定した閾値よりも高く、かつ前記受信電界強度が最も高い無線基地局を選択するという条件を使用する
    ことを特徴とする無線通信端末。
  13. 請求項10に記載の無線通信端末において、
    前記サブネット判定部の判定結果に基づき、同一サブネットと判定されたときはIPアドレス情報を継続して利用すると判定し、異なるサブネットと判定されたときはIPアドレス情報を再取得すると判定するIP継続判定部と、
    前記ネットワークアクセス制御部によって無線基地局の切り替えが実施される直前にIPデータ通信を中断し、無線基地局の切り替えが完了すると前記IP継続判定部の判定結果に基づき、IPアドレス情報を継続して利用すると判定されたときには無線基地局を切り替える前に使用していたIPアドレス情報を使用してすぐにIPデータ通信を再開し、IPアドレス情報を再設定すると判定されたときには無線基地局を切り替えた後にIPアドレス情報を再取得し、再取得したIPアドレス情報を用いてIPデータ通信を再開する制御を行うIP接続制御部と
    をさらに備えることを特徴とする無線通信端末。
  14. 請求項13に記載の無線通信端末において、
    前記サブネット判定部は、ハンドオーバー制御の際、ハンドオーバー前に接続していた無線基地局から一度切断し、再び連続して同じ無線基地局に接続した場合は同一サブネットであると判定し、
    前記IP継続判定部は、前記IPアドレス情報を継続して利用すると判定する
    ことを特徴とする無線通信端末。
  15. 請求項13に記載の無線通信端末において、
    前記IP接続制御部は、ネットワーク上に接続された通信装置とのやり取りを通して前記IPアドレス情報を動的に取得することを特徴とする無線通信端末。
  16. 請求項15に記載の無線通信端末において、
    前記IP接続制御部は、DHCPプロトコルを用いて前記IPアドレスを動的に取得することを特徴とする無線通信端末。
  17. 請求項15に記載の無線通信端末において、
    前記IP接続制御部は、IPv6が備える自動アドレス設定部を用いて前記IPアドレスを動的に取得することを特徴とする無線通信端末。
  18. 請求項13に記載の無線通信端末において、
    前記IP接続制御部は、前記IPアドレス情報として予め当該無線通信端末に設定されているものを用いることを特徴とする無線通信端末。
  19. 請求項13に記載の無線通信端末において、
    前記IPアドレス情報は、IPアドレス、サブネットマスク、デフォルトゲートウェイ、およびDNSサーバーアドレスを含むことを特徴とする無線通信端末。
  20. 請求項1に記載の無線通信端末において、
    前記レイヤー2アドレスは、前記新たな無線基地局のMACアドレスであることを特徴とする無線通信端末。
  21. 請求項1に記載の無線通信端末において、
    データ通信中にハンドオーバー制御を行うことを特徴とする無線通信端末。
  22. 無線通信インタフェース部を備える無線通信端末で用いる無線通信方法であって、
    前記無線通信インタフェース部を介して接続中の無線基地局とは別の新たな無線基地局が備える無線通信インタフェースのレイヤー2アドレスを取得するアドレス取得ステップと、
    前記アドレス取得ステップで取得したレイヤー2アドレスを宛先アドレスとするとともに当該無線通信端末自身のレイヤー2アドレスを送信元アドレスとし、レイヤー3アドレスにブロードキャストもしくはマルチキャスト宛を指定した存在確認要求メッセージを生成する存在確認要求生成ステップと、
    この存在確認要求生成ステップで生成した存在確認要求メッセージを前記接続中の無線基地局を介して送信する存在確認要求送信ステップと、
    前記存在確認要求メッセージに対する存在確認応答メッセージを受信する存在確認応答受信ステップと、
    この存在確認応答受信ステップで前記存在確認応答メッセージを受信したときには、前記新たな無線基地局が前記接続中の無線基地局と同一サブネットに属していると判定するサブネット判定ステップと
    を備えることを特徴とする無線通信方法。
  23. 無線通信インタフェース部を備える無線通信端末のコンピュータに、
    前記無線通信インタフェース部を介して接続中の無線基地局とは別の新たな無線基地局が備える無線通信インタフェースのレイヤー2アドレスを取得するアドレス取得ステップと、
    前記アドレス取得ステップで取得したレイヤー2アドレスを宛先アドレスとするとともに当該無線通信端末自身のレイヤー2アドレスを送信元アドレスとし、レイヤー3アドレスにブロードキャストもしくはマルチキャスト宛を指定した存在確認要求メッセージを生成する存在確認要求生成ステップと、
    この存在確認要求生成ステップで生成した存在確認要求メッセージを前記接続中の無線基地局を介して送信する存在確認要求送信ステップと、
    前記存在確認要求メッセージに対する存在確認応答メッセージを受信する存在確認応答受信ステップと、
    この存在確認応答受信ステップで前記存在確認応答メッセージを受信したときには、前記新たな無線基地局が前記接続中の無線基地局と同一サブネットに属していると判定するサブネット判定ステップと
    を実行させるプログラム。
  24. 無線通信インタフェース部を備える無線通信端末のコンピュータに、
    前記無線通信インタフェース部を介して接続中の無線基地局とは別の新たな無線基地局が備える無線通信インタフェースのレイヤー2アドレスを取得するアドレス取得ステップと、
    前記アドレス取得ステップで取得したレイヤー2アドレスを宛先アドレスとするとともに当該無線通信端末自身のレイヤー2アドレスを送信元アドレスとし、レイヤー3アドレスにブロードキャストもしくはマルチキャスト宛を指定した存在確認要求メッセージを生成する存在確認要求生成ステップと、
    この存在確認要求生成ステップで生成した存在確認要求メッセージを前記接続中の無線基地局を介して送信する存在確認要求送信ステップと、
    前記存在確認要求メッセージに対する存在確認応答メッセージを受信する存在確認応答受信ステップと、
    この存在確認応答受信ステップで前記存在確認応答メッセージを受信したときには、前記新たな無線基地局が前記接続中の無線基地局と同一サブネットに属していると判定するサブネット判定ステップと
    を実行させるプログラムを記録した記録媒体。
  25. 請求項1に記載の無線通信端末を含む無線通信システム。
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