JP5112913B2 - ギヤケース - Google Patents

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Description

本発明は、建設車両等のパワートレイン、その他に用いられるギヤケースに関する。
大きな推進用駆動力を必要とする建設車両等において、アクスル装置の内部に減速機構を備えたリダクション型アクスル装置が用いられている。
リダクション型アクスル装置において扱う駆動力は強大であるので、その減速機構に用いられる歯車には大きな面圧が加わる。そこで、リダクション型アクスル装置においては、遊星歯車機構が多用されている。この遊星歯車機構を用いることによって、歯車の歯面に加わる力を複数の遊星歯車によって分散することができる。
このように面圧を分散させることが可能な遊星歯車機構を用いた場合でも、ピッチ円直径が小さな太陽歯車の歯面には、多大な力が加わることになる。そのため、車両の運転状況によっては、歯面にピッチングが発生することになり、当該ピッチングによって生じた細かな破片(摩耗粉)が潤滑油に混入してしまう場合がある。
潤滑油に摩耗粉が混入していると、他の歯車の噛合部分において更なる摩耗を誘発するとともに、軸受を損傷させることになる。特に、歯車の歯面は焼き入れ処理が施されているので、歯車歯面から剥離した摩耗粉は硬度が高く、他の歯面や軸受に与える影響は甚大である。この潤滑油に含まれる摩耗粉の一部について、永久磁石を用いて捕捉する発明が複数開示されている。
例えば特許文献1(実開昭61−198753号公報)には、油圧モータと減速機とを有する無限軌道車両における走行装置用の減速機において、潤滑油供給口を塞ぐ栓に永久磁石を配した考案が示されている。特許文献1に記載されている考案によれば、油圧モータの回転によって減速機が回転するとき、潤滑油に混入している歯車の摩耗粉は潤滑油とともに移動して、移動の途中で永久磁石を配した栓に接近したときに、磁性体からなる歯車の摩耗粉が永久磁石によって吸着されて捕捉される構成となっている。この栓に配した永久磁石に吸着された磁性体は、潤滑油の交換時において栓を取り外した際に、除去することができる。
また、特許文献2(特開2001−74128号公報)には、車両の変速機におけるインプットシャフトとメインシャフトとの間に配されたパイロットニードルベアリングに対し、潤滑油を供給する潤滑油樋の底部に、半円弧形状の永久磁石を取り付けた発明が開示されている。
特許文献2に記載されている変速機の潤滑機構では、変速機ケース内の側壁に形成した潤滑油樋の一部に、永久磁石を取り付けた構成となっているので、潤滑油に混入している磁性体を、潤滑油樋に設けた永久磁石によって吸着除去することができる。
これにより、インプットシャフトとメインシャフトとの間に配されたパイロットニードルベアリングに、磁性体からなる金属粉が混入してしまう不具合を防止することができる。そして、メインシャフトのパイロット部の表面やパイロットニードルベアリングの表面の摩耗が抑止されるので、変速機を大型化することなく、変速機の寿命を大幅に延長することができるとしている。
また、特許文献3(特開平8−312754号公報)には、車両用のデファレンシャルギヤケース内に形成されたポケット部に、高粘度の潤滑油を充填するとともに、左右ドライブシャフトに連接されるサイドギヤと、長短の各ピニオンギヤと、をそれぞれ摺動回転自在に収納した速度感応型差動制限機能を有するデファレンシャル装置が開示されている。
特許文献3に記載されているデファレンシャル装置には、各歯車を内包しているポケット部と潤滑油流路を通して連通している磁性体回収室が成形されている。左右の駆動輪に差動回転が生じると、ポケット部内に配されている各ギヤの噛み合い部におけるポンプ作用によって、潤滑油が昇圧されることになる。昇圧された潤滑油は、この潤滑油流路を経由して磁性体回収室に流入する。潤滑油が磁性体回収室に流入すると、磁性体回収室内に配されているピストンが摺動し、ピストンを付勢しているコイルばねが撓んで蓄圧される。このコイルばねの撓みにより、速度感応型の作動制限機能を安定させることができる。
そして、左右の駆動輪の差動回転が収束した場合には、各ギヤの噛み合い部において昇圧された潤滑油は減少するので、撓んだコイルばねの付勢力によってピストンは戻され、磁性体回収室に流入した潤滑油は潤滑油流路を経由してポケット部内に戻されることになる。
この一連の過程において、潤滑油に混入していた磁性体は、磁性体回収室に配されている永久磁石によって吸着される。したがって、高粘度の潤滑油に混入している磁性体を効果的に除去することができるとしている。
実開昭61−198753号公報(図1) 特開2001−74128号公報(図1) 特開平8−312754号公報(図1)
特許文献1に記載されている走行装置用減速機では、給油口を塞ぐ栓に磁石を配しているために、偶然給油口の近くに浮遊してきた磁性体しか捕捉することができない。このため、磁石による磁性体の捕捉効率が低く、捕捉されなかった磁性体によって、軸受や歯車同士の噛合面に損傷が発生してしまう危険性が高くなる。
また、特許文献2に記載されている変速機の潤滑機構も、インプットシャフトとメインシャフトとの間に配されたパイロットニードルベアリングに対しては、磁性体の混入を防止することができるが、他の軸受や歯車同士の噛合面、シンクロナイザーリングの摺動部等に摩耗粉を含む潤滑油が供給されて、損傷が発生してしまう危険性が高くなる。
同様に、特許文献3に記載されているデファレンシャル装置においても、歯車同士の噛合部から直接磁性体回収室に潤滑油を導入する構成にはなっていないので、潤滑油に混入している磁性体により、他の歯車同士の噛合面や軸受を損傷させてしまう危険性が高い。
本発明は上述した不具合を解決するためになされたものであり、歯車同士の噛合部にて発生する磁性体の摩耗粉を効率よく捕捉することができ、磁性体の摩耗粉が混入した潤滑油が循環することによって発生する軸受や歯車の噛合面の損傷を軽減させることのできるギヤケースを提供することを目的としている。
前述の目的を達成すべく本発明は、複数の歯車同士を噛合させて動力を伝達するギヤケースにおいて、前記ギヤケース内に配される少なくとも一つの第1歯車と、当該第1歯車と噛合する第2歯車との噛合部に対峙した前記ギヤケースの側壁部位に形成され、前記第1歯車及び第2歯車の回転時に前記噛合部から側方に噴出する潤滑油を受け入れる流入開口部と、前記側壁部内に形成した磁性体回収室と、前記流入開口部から流入した潤滑油を、前記磁性体回収室に導入する導入流路と、前記磁性体回収室に導入した潤滑油を、前記
ギヤケース内に排出する排出流路と、前記磁性体回収室内に配された磁石と、前記磁性体回収室に形成された点検用開口部を塞ぐ着脱可能な回収室蓋とを備えている。
また上記発明にあって、前記第1歯車は、遊星歯車機構における太陽歯車であり、前記第2歯車は、前記太陽歯車に噛合する遊星歯車であり、前記ギヤケースの側壁部位は、前記遊星歯車と共に公転するキャリアの側壁部位であり、前記流入開口部は、前記キャリアの側壁部位に開口している。
また、前記キャリアの側壁部位は、前記キャリアに対して着脱可能なキャリアカバーとして構成されてなることが好ましい。
本発明では、歯車同士の噛合部に対峙するギヤケースの側壁部位に、噛合部から側方に噴出する潤滑油を受け入れる流入開口部を設け、この流入開口部から導入流路を経由して磁石を配置した磁性体回収室に潤滑油を導入し、磁性体を除去した後の潤滑油を、排出流路からギヤケース内に排出するようにした。
本発明によれば、摩耗粉が発生しやすい歯車同士の噛合部から、摩耗粉を含んだ潤滑油を直接受け入れて、磁性体の摩耗粉を捕捉するように構成している。これにより、潤滑油に含まれている磁性体の摩耗粉が他の歯車の噛合部分や軸受に到達し、その歯車の噛合部分や軸受に悪影響を与える前に捕捉することができる。
また、専用の磁性体回収室を形成しているので、磁性体回収室内部には、大きくて磁力の強力な磁石を配置することができる。また、ギヤケース内部において攪拌された磁性体の摩耗粉も、磁性体回収室に流入した際には磁石によって回収することができる。
また、磁性体回収室に形成された点検用開口部を塞ぐための、着脱可能な回収室蓋を備えることができる。この回収室蓋を潤滑油の交換時などにおいて開けることにより、磁性体回収室内に捕捉されている磁性体の除去及び磁石の清掃を、容易に行うことができる。
また、噛合部から側方に噴出する潤滑油を受け入れる流入開口部を、遊星歯車の公転運動と共に回転するキャリアの側壁部位に開口させることにより、流入開口部は、常時噛合部から側方に噴出する潤滑油を受け入れることができる。
また、キャリアの側壁部位を、キャリアに対して着脱可能なキャリアカバーとして構成することによって、磁性体回収室自体の清掃を容易に行うことが可能となる。
以下、ギヤケース内に設置した摩耗粉回収室の代表的な実施形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。
図1は、本発明に係るリダクション型アクスル装置10(ギヤケース)の平面断面図である。
図1に示すように、リダクション型アクスル装置10は、車両のデファレンシャルギヤユニットから駆動力を取り出すドライブシャフト34と、ドライブシャフト34の端部に形成した太陽歯車52Aから入力した回転を減速して遊星歯車54Aのキャリア57Aから出力する第1遊星歯車機構と、第1遊星歯車機構のキャリア57Aとスプライン嵌合した太陽歯車52Bから動力を入力して遊星歯車54Bのキャリア57Bから減速後の動力を出力する第2遊星歯車機構とを備えている。
第2遊星歯車機構のキャリア57Bから出力された動力は、ホイールフランジ62に伝達され、ホイール取付ボルト60を介して取り付けられる車両のホイール(図示せず。)に伝達されて車両が駆動される。このホイールフランジ62は、ホイールハブ61に締結されている部品である。
ホイールハブ61は、ホイールベアリング64により、サイドアクスルハウジング36に対して回動自在に軸支されているので、ホイールフランジ62もサイドアクスルハウジング36に対して回動自在な構成となっている。サイドアクスルハウジング36は、車両の車体側にサスペンションを介して懸架される部材である。
第1遊星歯車機構は、太陽歯車52Aと、太陽歯車52Aに噛合して自転しながら太陽歯車52Aの周囲を公転する複数の遊星歯車54Aと、遊星歯車54Aを回動自在に軸支する遊星歯車軸受59Aと、遊星歯車軸受59Aの内輪を固定する遊星軸56Aと、複数の遊星軸56Aを保持するキャリア57Aとから構成される。また第1遊星歯車機構は、複数の遊星歯車54Aに対して外周から噛合している内歯の外輪歯車58Aと、外輪歯車58Aを固定するインナーハブ37とを備えている。インナーハブ37は、前記サイドアクスルハウジング36に固定されている。
第2遊星歯車機構は、太陽歯車52Bと、太陽歯車52Bに噛合して自転しながら太陽歯車52Bの周囲を公転する複数(図1に示す実施例では、4個。)の遊星歯車54Bと、遊星歯車54Bを回動自在に軸支する遊星歯車軸受59Bと、遊星歯車軸受59Bの内輪を固定する遊星軸56Bと、複数の遊星軸56Bを保持するキャリア57Bと、複数の遊星歯車54Bに対して外周から噛合している内歯の外輪歯車58Bとから構成される。外輪歯車58Bは、第1遊星歯車機構の外輪歯車58Aと同様にインナーハブ37に固定されている。
リダクション型アクスル装置10の内部には、潤滑油が貯留されている。遊星歯車54A及び遊星歯車54Bが公転すると、貯留されている潤滑油が掻き上げられて、遊星歯車54Aや遊星歯車54Bを含む各部を潤滑する。このうち、遊星歯車54Bの歯面に付着した潤滑油は、遊星歯車54Bが半回転自転した後に、遊星歯車54Bと太陽歯車52Bとの歯面を潤滑することになる。これらの歯面に付着していた潤滑油は、遊星歯車54Bと太陽歯車52Bとが噛合することにより、その噛合部において側方に噴出する。
次に、第2遊星歯車機構の側方を覆うキャリアカバー57Fと、その構造について説明する。
キャリアカバー57Fは、キャリア57Bの側部に締結されるカバー部材であり、第1遊星歯車機構及び、第2遊星歯車機構の整備点検を行う際などには、取り外すことが可能な構成となっている。キャリアカバー57Fの一部には、リダクション型アクスル装置10の内部に貯留しておく潤滑油を注入するとともに、注入した潤滑油の液面を確認する際の点検口として利用することが可能な給油口57Eを開口させてある。また、この給油口57Eには、潤滑油の供給や液面の点検後に封止しておくための給油プラグ57Cが螺入されている。
図1に示すキャリアカバー57Fの中央部は、リダクション型アクスル装置10における太陽歯車52Bの右端部に隣接する位置まで、突出した形状を有している。円盤状のキャリアカバー57Fの中央部において、遊星歯車54Bと太陽歯車52Bとの噛合部に対峙した側壁部(ギヤケースの側壁部位)には、流入開口部40Aが開口している。この流入開口部40Aは、遊星歯車54B及び太陽歯車52Bの回転時に、遊星歯車54Bと太陽歯車52Bとの噛合部から側方に噴出する潤滑油を受け入れるための開口部である。ギヤケースの側壁部位に対応するキャリアカバー57Fの中央部には、導入流路40と磁性体回収室41とが形成されている。導入流路40は、流入開口部40Aから磁性体回収室41に連通する通し孔である。
磁性体回収室41の内部には、S極及びN極に分極させた磁石44を配置してある。また、磁性体回収室41の中心寄りには、リダクション型アクスル装置10の内部と連通する排出流路42が開設されている。図1に示す実施例では、排出流路42の左側開口部は、太陽歯車52Bの中央部に開設されている戻り流路45に向かって開口している。なお、導入流路40及び排出流路42は、キリ穴として後加工により開設してもよいし、鋳抜きにより予め開設させておくこともできる。
図1に示すように、キャリアカバー57Fに形成した磁性体回収室41の右側部は開口端となっている。回収室蓋57Dは、この開口端を塞ぐための蓋である。また、太陽歯車52Bと太陽歯車52Aとの間には、スラストワッシャ46が配されている。このスラストワッシャ46の中央部にも、潤滑油を通すワッシャ流路46Aが開設されている。更に、潤滑油を、太陽歯車52Bと太陽歯車52Aとの間に形成される隙間を通してリダクション型アクスル装置10のケース内に戻すためのワッシャ流路46Bが、スラストワッシャ46の側壁に、中央部から外周に向けて放射状に開設されている。
次に、潤滑油が磁性体回収室41に流入し、磁石44が潤滑油中に含まれる磁性体を吸着して捕捉し、潤滑油が磁性体回収室41から排出される過程について説明する。
図1に示すように、太陽歯車52Bと遊星歯車54Bとが回転すると、その回転に伴って、潤滑油の貯留部から遊星歯車54Bより潤滑油が掻き上げられる。その潤滑油は、太陽歯車52Bと遊星歯車54Bとの噛合部から側方に噴出する。この、側方に噴出した潤滑油は、キャリアカバー57Fの側壁部に開口している流入開口部40Aから受け入れられて、キャリアカバー57Fに開設されている導入流路40を通って磁性体回収室41に流入する。
磁性体回収室41に流入した潤滑油は、磁石44の近傍を通過する。このとき、潤滑油に混入している磁性体は、磁石44周辺の磁力線が集中する部分に吸着されて捕捉される。磁性体回収室41に流入した潤滑油は、キャリアカバー57Fに開設されている排出流路42を通って、太陽歯車52B中心部に開設されている戻り流路45に流入する。更に、スラストワッシャ46に開設されているワッシャ流路46A、及びワッシャ流路46Bを経由して、太陽歯車52Aと遊星歯車54Aとの噛合面や、太陽歯車52Aとキャリア57Aとがスプライン結合している部分に供給され、潤滑を行なった後にリダクション型アクスル装置10内部の油貯留部(油溜め等)に戻る。
図1に示されている歯車のうち、最も歯面に加わる力が大きいのは、ピッチ円直径が小さく、減速後の増大したトルクを伝達しなければならない太陽歯車52Bである。したがって、太陽歯車52Bの歯面が最も損傷を生じやすく、摩耗粉が発生しやすい部位である。本発明では、この太陽歯車52Bと遊星歯車54Bとの噛合部に対峙するキャリアカバー57Fの側壁部位から潤滑油を磁性体回収室41に導入する構成を採用しているので、磁性体の摩耗粉が他の歯車の噛合部分や軸受に供給されて悪影響を及ぼす前に、捕捉することができる。
また、キャリアカバー57Fに開設した流入開口部40Aは、遊星歯車54Bの公転と共に回転する部材であるので、常に太陽歯車52Bと遊星歯車54Bとの噛合部に対峙する側壁部位に流入開口部40Aが配されることとなる。したがって、太陽歯車52Bと遊星歯車54Bとが回転している間は、常に噛合部から側方に噴出する潤滑油を磁性体回収室41に導入させることができる。そして、より多くの摩耗粉を、磁性体回収室41に配した磁石44を用いて摩耗粉発生直後に捕捉することができる。
また、リダクション型アクスル装置10のケース内に貯留されている潤滑油に摩耗粉が含まれている場合には、その摩耗粉は潤滑油とともに遊星歯車54Bにより掻き上げられ、太陽歯車52Bと遊星歯車54Bとの噛合部から側方に噴出し、磁性体回収室41に導入され、捕捉される。
磁性体回収室41において多くの磁性体が捕捉された場合や、リダクション型アクスル装置10の内部に対する整備点検を行う際には、磁性体回収室41の右側部の開口端を塞いでいる回収室蓋57Dを開ける。そして、磁性体回収室41内部の清掃と、磁石44に吸着されている磁性体の除去を容易に行うことができる。なお、図1に示した磁石44として、直方体形状の永久磁石を用いることもできるし、円環形状の永久磁石を用いることもできる。
次に、図2を用いて磁性体回収室に配置した磁石の他の実施例について説明する。なお、図1に示したものと同一の構成については同一の符号を付して、その説明を省略する。
図2は、磁石48が発する磁力線を、ヨーク47、及び磁性体で成形した回収室蓋57D、キャリアカバー157F内に透過させて、集中した磁力線をヨーク47の外周部に発生させる実施例を示す、磁性体回収室141の断面図である。なお、ヨーク47及び磁石48は円環形状の部材であり、図2ではその中心線で切除した断面として表している。また、図2に示す実施例では、磁石48の内側に存在するキャリアカバー157Fの中央円柱部にて磁力線がショートカットしてしまうことを防止するために、ヨーク47及び磁石48の内側に円筒形状の非磁性体49を配置してある。
図2に示す実施例では、ヨーク47の外周と、キャリアカバー157Fにおける磁性体回収室141内面との間において磁力線を集中させることができるので、より確実に磁性体の摩耗粉を回収することができる。
図1に示すリダクション型アクスル装置10では、2段の遊星歯車機構を用いて動輪の駆動力を向上させる実施例を示したが、本発明は1段の遊星歯車機構を配したギヤケースにも適用することができる。遊星歯車機構が1段配されているギヤケースの場合には、図1に示した太陽歯車52Aと遊星歯車54Aとの噛合面や、太陽歯車52Aとキャリア57Aとがスプライン結合している部分に潤滑油を供給する必要は無い。したがって、図3に示すように、排出流路242を、磁性体回収室241の側方に向けて開口させることもできる。
図3は、排出流路242を、磁性体回収室241から側方(半径方向)に向けて開口させた実施例を示す、磁性体回収室241の断面図である。なお、図1に示したものと同一の構成については同一の符号を付して、その説明を省略する。
図3に示す磁性体回収室241は、遊星歯車機構における太陽歯車と遊星歯車との噛合部に対峙する位置に配したキャリアカバー257Fの側壁内部に形成されている。
磁性体回収室241には、太陽歯車と遊星歯車との噛合部に対峙する位置に開口させた流入開口部40Aと、流入開口部40Aを介して潤滑油を磁性体回収室241に導入する導入流路40と、磁性体回収室241から側方に向けて半径方向に開口させた排出流路242とが開設されている。磁性体回収室41の右側部に形成した整備点検用の開口端は、止め栓257Dにより塞がれている。
ギヤケース内に配されている太陽歯車と遊星歯車とが回転すると、その回転に伴って、潤滑油の貯留部から掻き上げられた潤滑油が、歯車同士の噛合部から側方に噴出する。その側方に噴出した潤滑油は、キャリアカバー257Fの側壁部に開口している流入開口部40Aから受け入れられて、キャリアカバー257Fに開設されている導入流路40を通って磁性体回収室241に流入する。
磁性体回収室241に流入した潤滑油は、磁石244の近傍を通過する。このとき、潤滑油に混入している磁性体は、磁石244周辺の磁力線が集中する部分に吸着されて捕捉される。磁性体回収室241に流入した潤滑油は、キャリアカバー257Fの半径方向に開設されている排出流路242を通って、ギヤケース内部の油貯留部(油溜め等)に戻る。このようにして、潤滑油に混入している磁性体を効率良く捕捉することができるので、軸受や歯車の噛合面の損傷を軽減することができる。
本発明に係る磁性体回収室を配したギヤケースは、上述のように遊星歯車機構を備えたギヤケースに適用することができるほか、公転することなく回転のみが許容されている歯車減速機構のギヤケースにも適用することが可能である。
本発明に係るリダクション型アクスル装置(ギヤケース)の平面断面図である。 磁性体回収室に配置した磁石の他の実施例について説明する図である。 磁性体回収室に開設した排出流路の他の実施例について説明する図である。
符号の説明
10・・・リダクション型アクスル装置、34・・・ドライブシャフト、36・・・サイドアクスルハウジング、37・・・インナーハブ、40・・・ 導入流路、40A・・・流入開口部、41,141,241・・・磁性体回収室、42,242・・・排出流路、44,48,244・・・磁石、45・・・戻り流路、46・・・スラストワッシャ、46A,46B・・・ワッシャ流路、47・・・ヨーク、49・・・非磁性体、52A,52B・・・太陽歯車、54A,54B・・・遊星歯車、56A,56B・・・遊星軸、57A,57B・・・キャリア、57D・・・回収室蓋、57F,157F,257F・・・キャリアカバー、58A,58B・・・外輪歯車、59A,59B・・・遊星歯車軸受、60・・・ホイール取付ボルト、61・・・ホイールハブ、62・・・ホイールフランジ、64・・・ホイールベアリング、257D・・・止め栓

Claims (2)

  1. 複数の歯車同士を噛合させて動力を伝達するギヤケースにおいて、
    前記ギヤケース内に配される少なくとも一つの第1歯車と、当該第1歯車と噛合する第2歯車との噛合部に対峙した前記ギヤケースの側壁部位に形成され、前記第1歯車及び第2歯車の回転時に前記噛合部から側方に噴出する潤滑油を受け入れる流入開口部と、
    前記側壁部内に形成した磁性体回収室と、
    前記流入開口部から流入した潤滑油を、前記磁性体回収室に導入する導入流路と、
    前記磁性体回収室に導入した潤滑油を、前記ギヤケース内に排出する排出流路と、
    前記磁性体回収室内に配された磁石と、
    前記磁性体回収室に形成された点検用開口部を塞ぐ着脱可能な回収室蓋とを備え、
    前記第1歯車は、遊星歯車機構における太陽歯車であり、前記第2歯車は、前記太陽歯車に噛合する遊星歯車であり、前記ギヤケースの側壁部位は、前記遊星歯車と共に公転するキャリアの側壁部位であり、前記流入開口部は、前記キャリアの側壁部位に開口してなる、
    ことを特徴とするギヤケース。
  2. 前記キャリアの側壁部位は、前記キャリアに対して着脱可能なキャリアカバーとして構成されてなることを特徴とする請求項1に記載のギヤケース。
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