JP5111230B2 - 空洞共振器及び高周波フィルタ - Google Patents

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Description

この発明は、マイクロ波帯やミリ波帯で用いられる空洞共振器及び空洞共振器を用いて構成される高周波フィルタに関するものである。
導電率の大きい導体などで構成した遮蔽空洞内に高周波電磁界を共振させる空洞共振器は、低損失な、すなわち、高性能な共振器として、高周波フィルタ、発振器など、さまざまな高周波回路に利用されている。空洞共振器の代表的なものとしては、遮蔽空洞の形状が直方体形状となっている矩形導波管形共振器や、遮蔽空洞が円筒形状となっている円形導波管形共振器などがある。これらの空洞共振器で共振する高周波電磁界には、さまざまな電磁界分布の形、所謂、共振モードが存在する。空洞共振器の用途に応じて適切な共振モードが選択され、その共振モードが所要の周波数で共振するように遮蔽空洞の形状が選ばれる。
共振器の電気的性能を表す指標の一つとして無負荷Q値というパラメータがあるが、この無負荷Q値は、大略、空洞共振器内における単位時間あたりの蓄積エネルギー量を空洞共振器内の電力損失量で割った値に相当し、数値が大きいほど空洞共振器が高性能であるということを示す。蓄積エネルギー量は電磁界の分布する空間の大きさ、すなわち、空洞の容積に基本的に比例し、一方、電力損失量は、遮蔽空洞の内壁面を流れる高周波電流が発生する熱損失の総量に対応する。この熱損失は、空洞の内壁面の表面が平滑と仮定すれば、空洞を形成する導体の導電率と、遮蔽空洞の内壁面を流れる高周波電流の分布から定まり、具体的には、導電率から計算される内壁面の表面抵抗値と電流密度の自乗の積を内壁面全面にて積分することで計算される。
したがって、導電率の大きい導体を使用して遮蔽空洞を作製することと、電流密度の分布が均一で疎密が少ない共振モードを用いることが熱損失を小さくする上での基本的なポイントになる。内壁面上の高周波電流の分布は遮蔽空洞内の電磁界分布に応じた分布となるから、矩形導波管形共振器や円形導波管形共振器など、代表的な形状の空洞共振器では、低損失な共振モードは既にいくつか認知されている。特に、円形導波管形共振器(円筒空洞共振器)におけるTE011モードは最も低損失な共振モードの一つとして知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2000−216602号公報
しかし、円筒空洞共振器では、原理的に、TE011モードと同じ周波数でTM111モードも共振するという問題がある。両モードの電磁界分布は大幅に異なる。したがって、内壁面上の高周波電流の集中の度合いも異なり、無負荷Q値には大きな差がある。このような理由により、従来、誘電体を含まない中空の円筒空洞共振器ではTE011モードの活用は限られていた。
一方で、遮蔽空洞の形状を概ね球形とすれば、円筒空洞共振器におけるTE011モードと類似した電磁界分布を持った共振モードを、他の共振モードと共振周波数を分離した状態で共振させることが可能である。しかし、球形の遮蔽空洞は製造が容易でなく、製造コストの増大から用途を限定する難点がある。その点、円筒空洞共振器は比較的製造が容易という利点がある。
この発明は上記のような問題点を解決するためになされたもので、不要な共振モードと混在することなく使用することが可能で、なおかつ、無負荷Q値の大きい極めて高性能な空洞共振器及び空洞共振器を用いて構成される高周波フィルタを得ることを目的とする。
この発明に係る空洞共振器は、回転対称軸に対し回転対称な形状を有する導体にて作製された遮蔽空洞に外部回路と電磁界結合するための少なくとも一つの入出力結合手段を備えて成る空洞共振器であって、前記遮蔽空洞は、前記回転対称軸の軸方向の一端側付近の部位では径寸法が一定の円筒形状でなり、かつ前記円筒形状の部位と半球形状の部位とが前記回転対称軸の軸方向で連結された半球円筒形状を有し、前記遮蔽空洞内に分布する電界成分の大半が前記回転対称軸に対し周方向の成分であり、かつ前記回転対称軸に対し同一半径の円周上において前記周方向の電界成分の振幅が略一定となる共振モードで共振し、前記径寸法は、前記共振モードの共振周波数において、波長の略1.4倍となっていることを特徴とする。

この発明に係る高周波フィルタは、前記空洞共振器を複数個用いて構成したことを特徴とする。
この発明によれば、TE011系の共振モードをはじめとする、低損失性の見込める共振モードが単独で共振することでき、製造が比較的容易で、不要な共振モードと混在することなく使用可能で、なおかつ、無負荷Q値の大きい極めて高性能な空洞共振器を得られる。また、極めて通過帯域幅の狭い帯域通過フィルタまたは阻止帯域幅の狭い帯域阻止フィルタが実現できる。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1に係る空洞共振器を示す斜視図であり、図2は、図1に示したA−A’での断面図である。これらの図に示す実施の形態1に係る空洞共振器は、回転対称軸3に対して回転対称な形状を有する導体にて作製された遮蔽空洞2に、外部回路と電磁界結合するための入出力結合手段1a及び1bを備えるものであって、遮蔽空洞2は、回転対称軸3の軸方向の一端側付近の部位(回転対称軸3と交差する遮蔽空洞の端部4a側部位)が一定の径寸法を有する円筒形状の部位5となっており、その他の部位(回転対称軸3と交差する遮蔽空洞の端部4b側部位)が円筒形状5の径寸法以下の径寸法を有する回転対称な半球形状の部位6となっている。
この遮蔽空洞2は、半球形状の部位6の回転対称軸3の軸方向の他端側端部4bから円筒形状の部位5にかけての径寸法が回転対称軸3の軸方向に連続的に変化し、かつ遮蔽空洞2の内壁面が空洞内側に突出する部位を持たないように形成されており、円筒形状の部位5と半球形状の部位6とが回転対称軸3の軸方向で連結されて半球円筒形状を形成している。
上述したごとく形状の遮蔽空洞2を構成するための第一部材7と第二部材8は、いずれも、導電率の大きい導体、あるいは金属や誘電体で形成された部材に導電率の高い導体でメッキをするなどして構成される。第一部材7は、遮蔽空洞2の円筒形状の部位5を構成する側の円形開口部10を除いた部分を一体形成してなり、円形開口部10を塞ぐように平板状の第二部材8を第一部材7と密着させて、遮蔽空洞2を構成している。円筒形状の部位5の高さ寸法をd、直径を2aとすると、言うまでも無く、半球形状の部位6の半径はaである。
また、図3に、本空洞共振器で共振させる共振モードの概略の電磁界分布を示す。(a)が回転対称軸3を含む縦断面での分布、(b)が(a)に示したz軸のz=dでの横断面での電磁界分布を表す。基本的に、円形空洞共振器におけるTE011モードと類似した分布の共振モードで、ここでは、円形空洞共振器などの共振モードと区別するためTE011hモードと呼ぶことにする。この共振モードは、遮蔽空洞2内に分布する電界成分の大半が回転対称軸3に対し周方向の成分であり、かつ回転対称軸3に対し同一半径の円周上において周方向の電界成分の振幅が略一定となるモードである。なお、入出力結合手段1は、本実施の形態1では、少なくとも遮蔽空洞2と接する一部分が、TE011hモードの共振周波数において基本モードが遮断となる断面寸法を有する円形導波管とし、外部回路との結合が極めて小さい結合手段を採用している。
次に、本構造における共振モードの無負荷Q値と共振周波数の計算値を図4に示す。図4に示す計算結果は、有限要素法により求めたものである。図4に示す結果によれば、本実施の形態1に係る空洞共振器では、TE011hモードが単独で共振し、円形空洞共振器のようにその他のモードが同じ周波数で共振することがない。本計算結果によれば、少なくとも5%程度の周波数だけ、TE011hモードから不要モードを分離することができるということがわかる。
また、図5に示す従来の円筒空洞共振器における共振モードの無負荷Q値と共振周波数の計算結果との比較によれば、無負荷Q値の値に関しては、円筒空洞共振器のTE011モードと同等以上となる。なお、図5に示す計算結果は、有限要素法により求めたものである。
本実施の形態1に係る空洞共振器において、TM111系モードとTE011系モードを周波数的に分離できるのは、図6と図7の円筒空洞共振器における電磁界分布を見ると判るように、TM111モードは空洞の両端部(z=0、d付近)に電磁界が集まる分布を有しているのに対し、TE011モードは空洞の中央部(z=d/2付近)に電磁界が集まっており、このため、空洞の端部での形状変化に対する周波数変化の仕方が両モードで異なるためと捉えることができる。
次に、球形空洞共振器におけるTE011系モードと比較してみる。図8に、同じく10GHzでTE011系モードが共振する球形空洞共振器の計算結果を示す。球形空洞共振器の場合、互いに直交する構造的対称面が3つ存在するため、3つのTE011系モードが縮退することになり、同一の周波数で3つのモードが共振しうる。本実施の形態1の半球円筒空洞共振器におけるTE011hモード共振の無負荷Q値は、球形空洞共振器におけるTE011系モードのそれに対して10%程度しか劣らない。
これは、遮蔽空洞2の形状を半球円筒形としたことで、回転対称形状の空洞の径寸法が回転対称軸3の軸方向に連続的に変化し、且つ、内壁面が空洞内側に突出する部位が無いため、TE011系モードの電磁界分布に偏りを生じることがなく、この結果、内壁面上を流れる周方向の電流の密度が局所的に上昇することが無いためと考えられる。なお、これらの計算結果では、入出力結合手段の影響や、空洞を構成する部材間の接触面での接触抵抗等は一切考慮していない。
ところで、空洞を製造することを考えた場合、たとえば金属などの切削加工により空洞を構成する部材を製造する場合、加工性を考えると空洞を構成する部材は2つ以上に分割することが必要になる。2つ以上の部材を組み合わせて空洞を形成すると、必ず、部材間に接触面ができ、この接触面の存在が共振器内の電力損失を増加させ、結果的に無負荷Q値の低下を引き起こす。電力損失の発生は接触面での接触抵抗をゼロにできないことに起因している。この問題は低損失な空洞共振器を構成する場合ほど無視できない問題となる。接触面を横切る形で空洞内壁面の電流が流れると接触抵抗により部材間で電位差が生じ、損失が大きくなることから、空洞内壁面の電流の方向と平行に接触面が形成されるように空洞の分割面の位置を選ぶのがよい。TE011系の共振モードでは空洞内壁面の高周波電流は、回転対称軸に関して周方向にその大半が流れるため、回転対称軸3と垂直な面で空洞を分割すると無負荷Q値の劣化が少なくなる。
上記の観点から、本実施の形態1では、空洞を形成する部材をz=0の面で2つに分けており、接触面における接触抵抗による無負荷Q値の劣化が少ない利点があるが、これに加えて第二部材8を平板状としたため、第一部材7と第二部材8の位置あわせが基本的に不要という利点がある。これは、遮蔽空洞2の一部が円筒空洞形状をしているために実現できる利点である。
一方、空洞が球形をしていると空洞の分割が難しい。どの断面で空洞を分割しても、3つの縮退モードのうちの2つに対応する電流が接触面を横切ることになるため、3つの共振モードのうちの2つの共振モードの無負荷Q値が劣化し、3つの共振モードで性能に差が生じる。このため、接触面での接触抵抗によるQ値劣化の無いモードを利用するには、無負荷Q値劣化の起きる共振モードの共振周波数を劣化の無い共振モードの共振周波数から大きくずらすために空洞の形状を修整するなど、対策が必要となる。加えて、部材の位置あわせを厳密に行わないと、空洞の形状が一定に保てないため、共振周波数がばらついてしまう難点もある。
以上のように、本実施の形態1に係る空洞共振器によれば、遮蔽空洞2の形状が半球円筒形状をしているため、TE011系のTE011hモードを他の共振モードと分離して単独で共振させることが可能であり、かつ、半球部分は遮蔽空洞2の中央部から端部に向かって径の変化に不連続が無いため、空洞内壁面上に電流の集中して流れる部位がほとんど無く、極めて低損失な空洞共振器を実現できるという効果がある。
また、遮蔽空洞2を形成する部材を第一部材7と第二部材8に分割し、後者を平板状の部材として半球円筒状の空洞の円筒側の端部を構成する部材として用いたので、部材間に生じる隙間(接触面)が空洞内壁面を流れるTE011hモードの電流方向と平行になり、隙間の接触抵抗により生じる電力損失が小さく、無負荷Q値の劣化が少ないという効果がある。
また、第一部材7と第二部材8との部材間の位置あわせが不要で、アセンブリも容易であり、この結果、低コストに低損失な空洞共振器が実現可能になるという効果がある。さらには、入出力結合手段1a及び1bを円形導波管の基本モードが遮断となる断面寸法の円形導波管としているため、低損失共振器を活用する際に多くのケースで必要になる微弱な結合を有する入出力結合手段を実現しやすく、且つ、第一部材の側方から空洞に向かって切り穴を開けるだけでよく、入出力結合手段1a及び1bも含めて製造が容易になるという効果もある。
なお、本実施の形態1に係る空洞共振器では、円筒空洞と半球空洞の組み合わせにより遮蔽空洞2を構成したが、TE011系のモードを単独で共振させるためには、前述のように、TE011系とTM111系のモードの空洞形状に対する共振周波数変化の違いを利用すれば良いので、半球部分の形状はこの限りでなくとも良く、たとえば、円錐形状など、空洞の中央部から端部にかけて回転半径が減少する形状で、且つ、空洞の内側に突出する部位を持たない形状であれば、同様な効果が見込めることは言うまでもない。
上述した実施の形態1における効果を整理して示すと、次のとおりである。
(1)回転対称軸3に対し回転対称な形状を有する導体にて作製された遮蔽空洞2に外部回路と電磁界結合するための少なくとも一つの入出力結合手段1a及び1bを備えて成る空洞共振器であって、遮蔽空洞2は、回転対称軸の軸方向の一端側付近の部位では径寸法が一定の円筒形状の部位5でなり、その他の部位では円筒形状の径寸法以下の径寸法を有する回転対称な半球形状の部位6でなるので、TE011系の共振モード(円筒空洞共振器におけるTE011モードに類似した電磁界分布の共振モード)をはじめとする、低損失性の見込める共振モードが単独で共振する低損失な空洞共振器を得られる。
(2)遮蔽空洞2内に分布する電界成分の大半が回転対称軸3に対し周方向の成分であり、かつ回転対称軸3に対し同一半径の円周上において周方向の電界成分の振幅が略一定となる共振モードで共振するので、TE011系の共振モードとTM111系の共振モードとが周波数的に分離し、前者が単独で共振する低損失な空洞共振器を得られる。
(3)遮蔽空洞2は、その他の部位の回転対称軸3の軸方向の他端側端部から円筒形状の部位5にかけての径寸法が回転対称軸3の軸方向に連続的に変化し、かつ遮蔽空洞2の内壁面が空洞内側に突出する部位を持たないので、内壁面上を流れる電流の集中する部位が殆ど無く、低損失な空洞共振器を得られる。
(4)遮蔽空洞は、円筒形状の部位5と半球形状の部位6とが回転対称軸3の軸方向で連結された半球円筒形状でなるので、空洞内の内壁面の軸方向の形状変化が連続であり、且つ、内壁面が空洞内側に突出する部位を持たないことに加え、空洞の径の軸方向の変化がTE011系モードの電磁界分布の形状に対応している。このため、極めて低損失な空洞共振器を得ることができる。
(5)円筒形状の部位5を構成する側の円形開口でなる端部を除いた部分を導体から成る第一部材7で一体形成し、第一部材7の円形開口部10を塞ぐように導体から成る平板状の第二部材8を第一部材7と密着させて、遮蔽空洞2を構成するので、空洞の製造がしやすく、且つ、アセンブリも容易な空洞共振器を得られる。この結果、低コストに低損失な空洞共振器を得られる。
(6)入出力結合手段1a及び1bは、遮蔽空洞2と接する一部分が、共振モードの共振周波数において基本モードが遮断となる断面寸法を有する円形導波管で構成されているので、機械加工による製作が容易であり、また、低損失共振器に必要となることが多い微弱な入出力結合量を簡単に実現することができるという効果がある。
実施の形態2.
図9は、この発明の実施の形態2を示す空洞共振器の斜視図であり、図10は、図9におけるA−A’位置における縦断面図である。これらの図において、実施の形態1と同一部分は同一符号を付してその説明は省略する。新たな符号として、9は、平板状導体からなる第二部材8の第一部材7側の主面に設けられた、直径2bの円筒形状の凹みを示す。なお、上記凹み9のb寸法は、第一部材7に形成された円筒空洞部分の半径aよりも小さな値としている。
本実施の形態2の空洞共振器の動作は、基本的に実施の形態1の空洞共振器と同様であるが、本実施の形態2では、第二部材8に凹み9を設けている点が異なる。凹み9を設けるとともに、さらに、円筒形状の凹み9の直径を第一部材7の円筒部分の直径よりも小さくしているため、空洞の下方だけでなく上方でも空洞の容積が絞られる形となっている。このため、実施の形態1の空洞共振器よりも球形空洞共振器に形状が近くなり、この結果、TE011系共振モードの近隣に発生する不要モードの共振周波数を、実施の形態1の空洞共振器よりも、TE011系モードの共振周波数からさらに遠ざけることができる。ただし、第一部材7と第二部材8の位置あわせは必要となる。また、上記の凹みを設けることにより、遮蔽空洞の内壁の一部が空洞内側へ突出する形状となるため、TE011系共振モードの無負荷Q値は凹みを設けない場合に比べ低下する。
上述したように、実施の形態2によれば、第二部材8の遮蔽空洞2側の主面に、回転対称軸3に対して回転対称な形状を有し円筒形状の径寸法より小さな径を有する凹み9を設けたので、遮蔽空洞2の形状が球形に近づくため、TE011系の共振モードと近隣の不要モードの周波数間隔が広がり、不要モードの影響をより受けにくい使い易い低損失空洞共振器が得られる。
なお、上記実施の形態1及び2における空洞共振器を複数個用いて高周波フィルタを構成することができ、極めて通過帯域幅の狭い帯域通過フィルタ、または阻止帯域幅の狭い帯域阻止フィルタが実現できる。
この発明の実施の形態1に係る空洞共振器を示す斜視図である。 図1に示す空洞共振器のA−A’断面図である。 図1の空洞共振器の共振モードの概略の電磁界分布を示す図である。 図1の空洞共振器に関わる有限要素法による計算結果をまとめた表を示す図である。 図4と比較した従来の円筒空洞共振器における共振モードの無負荷Q値と共振周波数の計算結果をまとめた表を示す図である。 実施の形態1に係る空洞共振器における電磁界分布を示す図である。 実施の形態1に係る空洞共振器における電磁界分布を示す図である。 TE011系モードが共振する球形空洞共振器の計算結果を示す図である。 この発明の実施の形態2係る空洞共振器を示す斜視図である。 図9の空洞共振器のA−A'断面図である。
符号の説明
1a,1b 入出力結合手段、2 遮蔽空洞、3 回転対称軸、4a,4b 回転対称軸3と交差する遮蔽空洞2の端部、5 遮蔽空洞2の一部分を構成する円筒形状の部位、6 遮蔽空洞2の一部分を構成する半球形状の部位、7 第一部材、8 第二部材、9 第二部材に設けた凹み、10 第一部材に形成された円形開口部。

Claims (4)

  1. 回転対称軸に対し回転対称な形状を有する導体にて作製された遮蔽空洞に外部回路と電磁界結合するための少なくとも一つの入出力結合手段を備えて成る空洞共振器であって、
    前記遮蔽空洞は、前記回転対称軸の軸方向の一端側付近の部位では径寸法が一定の円筒形状でなり、かつ前記円筒形状の部位と半球形状の部位とが前記回転対称軸の軸方向で連結された半球円筒形状を有し、
    前記遮蔽空洞内に分布する電界成分の大半が前記回転対称軸に対し周方向の成分であり、かつ前記回転対称軸に対し同一半径の円周上において前記周方向の電界成分の振幅が略一定となる共振モードで共振し、
    前記径寸法は、前記共振モードの共振周波数において、波長の略1.4倍となっている
    ことを特徴とする空洞共振器。
  2. 請求項1に記載の空洞共振器において、
    前記円筒形状の部位を構成する側の円形開口でなる端部を除いた部分を導体から成る第一部材で一体形成し、前記第一部材の前記円形開口を塞ぐように導体から成る平板状の第二部材を前記第一部材と密着させて、前記遮蔽空洞を構成する
    ことを特徴とする空洞共振器。
  3. 請求項1または2に記載の空洞共振器において、
    前記入出力結合手段は、前記遮蔽空洞と接する一部分が、共振モードの共振周波数において基本モードが遮断となる断面寸法を有する円形導波管で構成されている
    ことを特徴とする空洞共振器。
  4. 請求項1からまでのいずれか1項に記載の空洞共振器を複数個用いて構成した
    ことを特徴とする高周波フィルタ。
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