JP5110806B2 - 画像形成装置 - Google Patents

画像形成装置 Download PDF

Info

Publication number
JP5110806B2
JP5110806B2 JP2006130089A JP2006130089A JP5110806B2 JP 5110806 B2 JP5110806 B2 JP 5110806B2 JP 2006130089 A JP2006130089 A JP 2006130089A JP 2006130089 A JP2006130089 A JP 2006130089A JP 5110806 B2 JP5110806 B2 JP 5110806B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
recording material
fixing
transfer
pressure roller
image forming
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2006130089A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2007304167A (ja
Inventor
順 浅見
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP2006130089A priority Critical patent/JP5110806B2/ja
Publication of JP2007304167A publication Critical patent/JP2007304167A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5110806B2 publication Critical patent/JP5110806B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Fixing For Electrophotography (AREA)
  • Control Or Security For Electrophotography (AREA)

Description

本発明は、電子写真方式、静電記録方式などの作像プロセスを採用した画像形成装置に関し、特に、加熱装置を備えた画像形成装置関するものである。
従来、例えば、電子写真プロセスの複写機・プリンタ等の画像形成装置には、記録材(転写材、紙等のシート)上に転写方式あるいは直接方式にて形成担持させた未定着トナー画像を永久画像として定着させるための加熱装置としての加熱定着装置が搭載される。この加熱定着方式には、熱エネルギーのみを利用するラジアントフラッシュ定着やオーブン定着方式、熱エネルギーと圧力を利用する熱ローラー方式、フィルム加熱定着方式などがある。現在は、高速性と安全性からフィルム加熱定着方式が主流である。
フィルム加熱定着方式の装置は、固定支持された加熱手段(加熱体)と、該加熱手段と摺動する摺動移動部材と、該摺動移動部材を介して前記加熱手段に圧接してニップを形成する加圧部材とを有する。ここで、加熱手段としては、セラミックヒータ(以下、ヒータと記す)を例示することができる。また、摺動移動部材としては、耐熱性樹脂フィルム(以下、フィルムと記す)を例示することができる。また、加圧部材としては、弾性加圧ローラ(以下、加圧ローラと記す)を例示することができる。そして、ニップのフィルムと加圧ローラとの間で未定着トナー画像を担持した記録材を挟持搬送させてフィルムを介したヒータからの熱により未定着トナー画像を記録材上に加熱溶融定着させるものである(例えば、特許文献1〜3参照)。
上記のようなフィルム加熱方式の装置は、装置の稼動にともなって加圧ローラの温度が上昇すると、加圧ローラのゴム部が熱膨張して、その回転周速度が増加する。そのため、転写定着間で記録材が引っ張られ、厚紙プリント時(厚い記録材のプリント時)に転写不良やブレ画像を引き起こすことがある。また、この引っ張り現象を見込んで回転周速度を遅く設定しておくと、加圧ローラの温度が低い場合などに転写定着間で記録材がたるみ、記録材のコシが弱くなることが原因でシワ(紙シワ)が発生しやすくなる。この現象は、高温多湿環境下でコシのない薄紙(薄い記録材)を通紙した場合でとくに顕著である。
このような問題に対して、従来は、転写定着間の搬送路を長くして、記録材の引っ張りやたるみ分を吸収したり、加圧ローラの熱膨張量を低減するべく、その弾性層を発泡ゴムにするなどしていた。このようにして、常にたるみすぎず、引っ張り過ぎず最適な記録材搬送状態を維持することで、ブレ画像の防止とシワの抑制を両立していた。
特開昭63−313182号公報 特開平4−44075号公報 特開平4−204980号公報
しかしながら、従来の装置では、装置の小型化やコストダウンにより、転写定着間の搬送路は徐々に短くなり、また、高速化による定着温度の上昇により、加圧ローラの熱膨張量も増大している。そのため、たるみすぎず、引っ張りすぎずの最適な記録材搬送状態を維持するのが困難な状況になっている。すなわち、ブレ画像を防止し、かつ、シワを抑制することが困難な状況になっている。
本発明は上記したような事情に鑑みてなされたものであり、記録材の厚みや画像形成装
置が設置される環境に左右されることなく、高品位の画像を得るとともに、記録材のシワを防止することを目的とする。特に、厚い記録材の画像形成時の画像のブレを防止しつつ、高温多湿環境下でコシのない薄い記録材を通紙した場合でもシワの発生を防止することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明にあっては、
像担持体上に形成されたトナー画像を転写ニップ部にて記録材に転写する画像形成手段と、
前記画像形成手段の転写部から搬送される記録材を、加熱部材及び加圧部材により互いに圧接して構成される定着ニップ部で、挟持搬送することにより、記録材に転写されている未定着のトナー画像を定着させる定着手段と、
装置が設置される環境に関する情報を検知又は予測する環境検知手段と、
前記ニップ部で搬送される記録材に関する情報を取得する記録材情報取得手段と、を備えた画像形成装置において、
前記環境検知手段により検知又は予測される情報、及び、前記記録材情報取得手段により取得される情報に応じて、前記定着手段を駆動する駆動源の駆動速度を制御する制御手段と、を備え、
前記制御手段は、少なくとも、記録材が前記転写ニップ部と前記定着ニップ部の間で弛んだ状態で搬送されるように前記駆動源の前記駆動速度を制御する第1のモードと、記録
材が前記転写部と前記定着ニップ部の間で引っ張った状態で搬送されるように前記定着手段の前記駆動源の前記駆動速度を制御する第2のモードと、を実行可能であり、
前記環境検知手段により検知又は予測される温度が所定の温度以上且つ湿度が所定の湿度以上で、更に、前記記録材情報取得手段により取得される記録材の情報が記録材の厚さが所定の厚さ以下の場合に、前記第2のモードを実行し、それ以外の場合は、前記第1の
モードを実行することを特徴とする。
以上説明したように、本発明によれば、記録材の厚みや画像形成装置が設置される環境に左右されることなく、高品位の画像を得るとともに、記録材のシワを防止することが可能となる。また、厚い記録材の画像形成時の画像のブレを防止しつつ、高温多湿環境下でコシのない薄い記録材を通紙した場合でもシワの発生を防止することが可能となる。
以下に図面を参照して、この発明を実施するための最良の形態を例示的に詳しく説明する。ただし、この実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状それらの相対配置などは、発明が適用される装置の構成や各種条件により適宜変更されるべきものであり、この発明の範囲を以下の実施の形態に限定する趣旨のものではない。なお、記録材に関する説明において、説明の便宜上、「紙」という表現を用いる場合がある(例えば、厚い記録材を厚紙とし、薄い記録材を薄紙とする)。
本発明に係る実施形態では、加熱装置に専用の駆動源(定着モータ)を用いて、その駆動速度を増速、又は、減速することで、転写定着間における記録材Pの搬送状態を変更制御するものである。例えば、シワが発生しやすい高温多湿環境下でコシのない薄紙を通紙した場合は、通常時よりも駆動源の駆動速度を増速させ、また、ブレが発生しやすい厚紙を通紙する場合には、通常時よりも駆動源の駆動速度を減速させるものである。このようにして、環境や紙種に応じて各種弊害を防止する最適な搬送状態に変更制御するものである。
本発明の実施例1では、画像形成装置に内蔵された加熱装置に、専用の駆動モータで加圧ローラの回転周速度(以下、回転速度という)のみを制御できる機構を有する。そして、その駆動速度を、環境検知手段と記録材情報取得手段からの情報をもとに制御すること
を特徴とする。ここで、環境検知手段は、画像形成装置が設置される環境に関する情報を検知又は予測するものであって、本実施例では温湿度を検知している。また、記録材情報取得手段は、定着ニップで挟持搬送される記録材に関する情報を取得するものであって、記録材の坪量や厚さを指定するプリントコマンド等の情報や、記録材の厚さを検知する検知手段からの情報を取得するものである。
そして、本実施例においては、高温多湿環境で、かつ、薄紙プリントを実行したと判断した場合に限り、通常時よりも2%速くする制御シーケンスを持つことを特徴とする。
以下に本実施例の詳細について説明する。
(1)画像形成装置
図1は本実施例に係る画像形成装置の一例を示す概略断面図である。本実施例の画像形成装置は、転写式電子写真プロセス利用のレーザービームプリンタである。
通例、電子写真方式における画像形成動作は、画像形成手段により以下のプロセスにて行われる。すなわち、給送カセット1から記録材Pが給送ローラ2で給送された後、転写部Tに至る記録材の搬送路(紙パス)3の途中に設けられたトップセンサ4にて記録材Pの先端が認識され、これに同期して像担持体としての感光体ドラム5上に画像が形成される。
6は記録材搬送ローラである。感光体ドラム5は矢印の時計方向に所定の周速度にて回転駆動され、その周面が帯電ローラ7によってマイナスの所定電位に一様に帯電される。その感光体ドラム5の一様帯電面に対してレーザー光学系8によってレーザービーム走査露光Lがなされて、記録材Pの搬送に同期して、感光体ドラム5上に画像情報に対応した静電潜像が形成される。その静電潜像が現像器9でネガトナーによってトナー画像として現像される。感光体ドラム5上のトナー画像は、転写部Tにおいて記録材Pを介して転写部材としての転写ローラ10からネガトナーと逆の極性のプラス電圧を印加することで、記録材P上に転写される。
11は転写ローラ10に対するバイアス印加手段としての転写バイアス印加電源である。転写部Tを出た記録材Pは感光体ドラム5の面から分離され、搬送路12を通って、加熱装置としての加熱定着装置13に導入され、記録材P上に転写されたトナー画像は熱と圧をかけられることで記録材P上に永久画像として固着される。加熱定着装置13を出た記録材Pは搬送路14を通って排出ローラ15により排出トレイ16にプリントとして排出される。また、転写部Tにおいて記録材の分離後に感光体ドラム5上に残ったトナーと紙粉はクリーナー17によって除去され、感光体ドラム5は繰り返して作像に供される。
18は、プリンタ本体に対して着脱交換自在なプロセスカートリッジである。本実施例のプリンタにおいては、プロセスカートリッジ18に、感光体ドラム5、帯電ローラ7、現像器9、クリーナー17の4器を包含させてある。なお、感光体ドラム5、帯電ローラ7、レーザー光学系8、現像器9、転写ローラ10は、画像形成手段を構成している。
(2)加熱定着装置13
図2は加熱定着装置13の概略断面図である。本実施例の加熱定着装置13は、例えば特開平4−44075〜44083号公報等に開示されている、加圧回転体駆動方式(テンションレスタイプ)のフィルム加熱方式の加熱装置である。
19は加熱手段(加熱体)としてのセラミックヒータ(以下、ヒータと記す)である。このヒータ19は図2が示されている紙面に対して略垂直方向を長手方向とする細長薄板
状のセラミック基板と、この基板面に具備させた通電発熱体層を基本構成とするものである。そして、通電発熱体層に対する通電により全体に急峻な立ち上がり特性で昇温する、低熱容量のヒータである。
20は上記のヒータ19を固定支持させたヒータ支持体兼フィルムガイドである。このフィルムガイド20は横断面略半円弧状樋型で、図2が示されている紙面に対して略垂直方向を長手方向とする耐熱・断熱性部材である。ヒータ19はこのフィルムガイド20の下面に長手方向に沿って形成具備させた溝部にヒータ表面側を下向きに露呈させて嵌め入れて耐熱性接着剤等により固定して配設してある。
21は回転体としての円筒状(エンドレス)の耐熱性フィルム(以下、定着フィルムと記す)であり、上記のヒータ19を含むフィルムガイド20にルーズに外嵌させてある。ここで、ヒータ19・フィルムガイド20・定着フィルム21は、加熱部材を構成している。
定着フィルム21としては、耐熱性のあるPTFE、PFA、FEPの単層、あるいはポリイミド、ポリアミドイミド、PEEK、PES、PPS等の外周表面にPTFE、PFA、FEP等をコーティングした複合層フィルムが好ましい。フィルム膜厚は100μm以下、好ましくは50μm以下20μm以上であるとよい。これにより、熱容量を小さくしてクイックスタート性を向上させることができる。金属製フィルムも使用できる。
22は加圧部材としての弾性加圧ローラ(以下、加圧ローラ)であり、その外径は端部ほど太い逆クラウン形状であり、芯金22aとシリコンゴム等の離型性の良い耐熱ゴム層22bからなり、芯金22aの両端部を回転自由に軸受け支持させて配設してある。この加圧ローラ22の上側に上記のヒータ19・フィルムガイド20・定着フィルム21のアセンブリを、ヒータ19側を下向きにして加圧ローラ22に並行に配置し、フィルムガイド20を不図示の付勢部材で下方に押圧させている。このことで、ヒータ19の下面を定着フィルム21を介して加圧ローラ22の上面にローラ弾性層の弾性に抗して圧接させて加熱部としての所定幅の定着ニップ部Nを形成させてある。ここで、ヒータ19・フィルムガイド20・定着フィルム21のアセンブリと、加圧ローラ22は、定着手段を構成している。
加圧ローラ22は不図示の駆動手段により図に示す矢印の反時計方向に所定の回転速度にて回転駆動される。
定着フィルム21は、この加圧ローラ22の回転駆動により、次のようにして図に示す矢印の時計方向に従動して回転する。すなわち、定着フィルム21は定着ニップ部Nでの加圧ローラ表面(非通紙時)もしくは記録材表面(通紙時)との圧接摩擦力により定着フィルム内面がヒータ19の下向き面に密着して摺動しながらフィルムガイド20の外回りを従動回転状態になる。
加圧ローラ22が回転駆動されると、それに伴って円筒状の定着フィルム21が従動回転状態になり、またヒータ19に通電がなされる。そして、ヒータ19が迅速に昇温して所定の定着温調温度に達した後に、定着ニップ部Nの定着フィルム21と加圧ローラ22との間に未定着トナー画像tを担持した記録材Pが導入される。その後、定着ニップ部Nにおいて記録材Pのトナー画像担持側面が定着フィルム21の外面に密着して定着フィルム21と一緒に定着ニップ部Nを挟持搬送されていく。
この際、記録材Pがスムーズに定着ニップ部Nに突入するために定着装置入り口には入り口ガイド23が設けてある。記録材Pは定着ニップ部Nを通過することで、ヒータ19
の熱を定着フィルム21を介して受けて記録材P上の未定着トナー画像tが記録材P上に加熱・加圧されて溶融定着される。
定着フィルム21は、薄肉で熱容量が小さく、かつ熱応答性が良いため、ヒータ19の熱応答を、ほぼそのまま定着ニップ部N内に反映する事ができる。よって、ヒータオン時より短時間の定着温度到達が達成され、これに伴う省電力が実現される。
定着ニップ部Nを抜けた記録材Pは定着フィルム21の面から曲率分離して排出搬送され、排出センサ24及び排出ローラ対をなす排出コロ25aと排出ローラ25bとのニップ部に導かれる。排出センサ24は通例、定着装置内を記録材Pが所定の時間で通過するかをモニタすることでジャム発生の有無を監視するために設けてある。また通例、排出ローラ対25a・25bは記録材Pを、次のステップである排出口へ、安定して搬送するために設けてある。
(3)加圧ローラ22の駆動方法(図3)
図3は、本実施例における加圧ローラ22の駆動手段を示す概略断面図である。
加圧ローラ22は、駆動源としての定着モータM2の駆動を受け回転され、耐熱性フィルム21がこれに伴って従動回転する。記録材Pは加圧ローラ22と耐熱性フィルム21との圧接部N(ニップ部)にて挟持、搬送され、記録材P上のトナー像が加熱加圧されて記録材上に定着される。
加圧ローラ22を駆動する定着モータM2は、他の駆動系とは独立して設けられたものであり、駆動速度を変更可能に構成されている。つまり、感光体ドラム5、転写ローラ10、記録材搬送のための各ローラは、駆動速度(システム速度)を一定に保つようメインモータM1によって駆動される。これに対して、加圧ローラ22の駆動速度は、システム速度とは独立して可変制御可能なように、別の定着モータM2にて駆動される。
定着モータM2の駆動制御は、CPU28の指令に基づき、モータM2の駆動回路29で制御される。CPU28は、装置全体の様々な制御を司っており、図示しないROMに格納されているプログラムを読み出し、それに基づいて駆動制御を実行する。ここで、CPU28、駆動回路29は、制御手段を構成している。
(4)定着モータM2の駆動制御(概要)
本実施例におけるモータM2の駆動制御は、環境検知手段による温湿度情報と、記録材情報取得手段による紙種(記録材の種類)に関するメディア検知情報をもとに、通常時の駆動制御と高温多湿時の駆動制御の二つに分けられる。以下に、通常時の駆動制御、高温多湿時の駆動制御について記述する。
(i)通常時の駆動制御
本例における通常時の駆動制御は、本体の動作時間が0.1sec経過するごとに所定の係数を加算していき、その積算値に応じて速度を変化させる方式である。以下、これを「係数駆動制御」と呼称する。
下記の表1は、本例の係数駆動制御における、係数を示す一覧表である。
通常時の駆動制御では、プリント動作を数段階に分割し、その分割された時間(動作状態或いは動作段階という)ごとに異なる係数を定める。数段階とは、例えば予備加熱時間(ヒータ19が通電を開始してから排出センサ24がオンするまでの時間)、通紙時間(排出センサ24がオンしてからオフするまでの時間)、紙間時間(排出センサ24がオフ
してからオンするまでの時間)などである。
係数は加圧ローラ22の温度が上昇する場合をプラス、下降する場合をマイナスとする。予備加熱時間と紙間時間では、ヒータ19の通電により加圧ローラ22の温度は上昇する。通紙時間では、記録材Pが加圧ローラ22を通過する際に加圧ローラ22の熱を奪うため加圧ローラ22の温度は下降する。また、係数の大きさは温度の上昇度合いによる。
下記の表2は、加算された係数の積算値とモータM2の減速率の関係を示す。
減速率はモータM2の駆動速度1000rpmを基準速度として、数式:100×(1−駆動速度/基準速度)で示される。例えば、基準速度1000rpmに対し、980rpmで駆動した場合に、その減速率は2%となる。本例では、係数が加算されて積算値が250増加するほど、モータM2の駆動速度が0.1%ずつ減速するように制御している。
例えば、加熱定着装置13が冷えているような駆動開始状態で、A4記録材を連続で100枚プリントした場合、1枚目プリント時のモータM2の駆動速度は、基準速度に対して減速率0%で回転する。その後、1枚目プリント時に、予備加熱時間は7sec、通紙時間は1.5sec、紙間時間は0.5secが経過し、1枚目プリント終了時の積算値は505にまで増える。ここで、1枚目プリント終了時の積算値505は、7×7sec/0.1sec−1.5sec/0.1sec+0.5sec×6/100msecにより求められる。
その結果、2枚目のモータM2の駆動速度は、表2にならい、減速率0.2%で回転することになる。
その後、100枚目プリント終了時には、1枚目からの累積で予備加熱時間は7sec、通紙時間は150sec、紙間時間は49.5secになり、積算値は1710にまで増える。このため、101枚目プリント時のモータM2の駆動速度は、基準速度に対して減速率0.6%で回転することになる。
その他、プリント時間が長いモードでプリントする場合、例えば両面の連続プリントのように紙間時間が長い場合や厚紙専用モードのように予備加熱時間や紙間時間が長い場合においては、プリント時間が長い分だけ係数を加算される回数が増える。このため、プリント枚数が増えると積算値は最大で7500近くまで達し、減速率は最大で2.9%になる。
Figure 0005110806

Figure 0005110806

下記の表3は、初期サーミスタ26の検知温度と記録材1枚目のモータM2の減速率の関係を示す。
本例の駆動制御では、間欠プリント時、例えばプリント終了後、本体が停止してすぐのプリント等のように加熱定着装置13が暖まっている状態の時には、次のようにして制御を行う。すなわち、プリント開始直前における静止時のヒータ19の温度(初期サーミスタ26の検知温度)に基づいて、記録材1枚目の駆動速度を決定するなどの制御を行う。
例えば、プリント開始直前で加熱定着装置13が冷えている場合には、サーミスタの検知温度(初期サーミスタ26の検知温度)が50℃未満となり、この場合、表3よりモータM2の減速率は0.00%であるから、表2の積算値は0から係数が加算される。また、前回のプリント終了後、本体の休止時間が短い場合、例えば初期サーミスタ26の検知温度が100℃の状態でプリントが開始される場合には、表3に従って減速率が1.0%に決定され、表2の減速率1.0%の積算値2501からのプリントとなる。
以上説明してきた駆動制御を用いれば、熱膨張で加圧ローラ22の外径が変動した場合でも、モータM2の駆動速度を変更制御することで、加圧ローラ22の回転速度を常に一定にすることができる。したがって、転写定着間における記録材搬送をプリント履歴やプリントモードによらず、常に所望の記録材搬送状態に維持することができる。
Figure 0005110806

図14は従来例における転写定着間の記録材搬送状態を示す概略図である。
従来では、本例のように加圧ローラ22の熱膨張、熱収縮に対応して加圧ローラ22の
回転速度を一定に保つことができない。そのため、記録材搬送状態は、加圧ローラ22の熱膨張量に応じて搬送状態A,B,Cの間で常に変動することになる。したがって、搬送状態Aのように引っ張り搬送のときに厚紙がプリントされるとブレ画像が発生するおそれがあり、また、搬送状態Cのようにたるみ搬送のときに薄紙がプリントされるとシワが発生するおそれがある。
一方、図4は本例の通常時における転写定着間の記録材搬送状態を示す概略図である。
本例の通常時では、本体動作により加圧ローラ22が熱膨張、熱収縮した場合でも、常に加圧ローラ22の回転速度を一定に保つことで、転写定着間を搬送される記録材を引っ張りすぎず、弛みすぎずの所望の搬送状態Bに維持することができる。したがって、引っ張りすぎによる厚紙プリント時の画像ブレを防止し、また、弛みすぎによる搬送不良やシワの発生を抑制することができる。
しかし、本例の駆動制御で搬送状態Bを維持した場合でも、高温多湿環境下でコシのない薄紙を通紙すると、シワが発生するおそれがある。
そこで、本例では、環境予測手段による温湿度情報と紙種を判別するメディア検知情報をもとに、通常時の駆動制御と高温多湿時の駆動制御を切り分けて制御している。
以下に高温多湿時の駆動制御について説明する。
(ii)高温多湿時の駆動制御
本例における高温多湿時の駆動制御でも、基本的な制御は通常時と同じく係数駆動制御を用いている。通常時と異なるのは、高温多湿を検知した上で、薄紙プリントが実行された場合に限り、通常時よりも駆動速度を2%速くしている点である。すなわち、積算値0のときの減速率を−2.0%にしている。このとき、係数駆動制御における積算値と減速率の関係、及び、初期検知温度と減速率の関係は、下記の表5,6に示した通りとなる。ただし、係数は通常時と同様で、表1に示した通りである。
なお、高温多湿環境の判別は、印加転写電圧制御例として特開平2−123385号公報に開示されるATVC制御を用いて行う。ATVC制御とは、転写時に転写ローラに印加する転写バイアスを最適化する手段である。ATVC制御は、画像形成装置の前回転中に、転写ローラから感光体ドラムに所望の定電流バイアスを印加し、そのときのバイアス値から抵抗値検知手段により転写ローラの抵抗値を検知させ、その抵抗値に応じた転写バイアスを印加する制御である。
本例における環境検知では、上記の制御において、定電流バイアスを印加したときの転写ローラの抵抗値、又は、バイアス値Vから高温多湿環境を判別する。
表4に本例のATVC制御において、4.5μAの定電流バイアスを印加した場合の各環境下における転写ローラの抵抗値、及び、バイアス値Vを示す。表4より、出力電圧V、及び、転写ローラの抵抗値はともに、高温多湿になるほど値が小さくなるのがわかる。したがって、本例では、この出力電圧Vが0.5kV未満、もしくは転写ローラの抵抗値が0.5×10Ω以下の場合に、高温多湿環境と判断する。
Figure 0005110806

また、高温多湿環境の判別には、画像形成装置本体又は加熱定着装置13本体に内蔵の環境センサ27で行ってもよい。その際、環境センサ27は装置本体内外の温度と湿度を検出し、例えば、検知温度が32.5℃以上、かつ湿度が85%以上の場合を高温多湿環境と判断する。
一方、薄紙プリントの判別はユーザーが指定したプリントコマンドが坪量70g以下の紙種に該当した場合に、薄紙プリントと判断する。また、薄紙プリントの判別には、給送部もしくは排出部に具備した不図示のメディアセンサ等で記録材の厚みや粗さを測定し、その測定情報をもとに判別してもよい。これらの検知情報はプリント開始以前にCPU28に送信され、高温多湿環境でかつ薄紙プリントであると判断した場合、CPU28の指令に基づき、モータM2の駆動速度を通常時よりも2%速くする。
Figure 0005110806

Figure 0005110806

図5は、高温多湿時に薄紙プリントが実行された場合の転写定着間における記録材搬送
状態を示す概略図である。
この場合、本体動作により加圧ローラ22が熱膨張、熱収縮した場合でも、常に加圧ローラ22の回転速度を一定に保ち、かつ、通常時よりもモータM2の駆動速度を2%速くすることで、転写定着間の記録材搬送を引っ張り気味の所望の搬送状態Aにしている。これにより、高温多湿時にコシのない薄紙がプリントされた場合でもシワを完全に抑制することができる。
(5)定着モータM2の駆動制御(フローチャート)
図6は、本例における定着モータM2の動作を説明するためのフローチャートであり、上記(4)で説明した動作をまとめたものとなっている。なお、本フローチャートの動作の制御はCPU28によって実行される。
ステップS1で印刷要求がされると、ステップS2において積算値がリセットされているかが判断される。電源を立ち上げて最初の印刷の場合には当然に積算値は「0」となっている。また、既に何回か印刷がなされている場合には積算値はリセットされていない限り何らかの値を示している。積算値がリセットされて「0」の場合には処理はステップS3に移行し、リセットされていない場合には処理はステップS4に移行する。
ステップS3では、サーミスタ26の温度を検知し、ステップS5においてこの検知温度によってモータM2の駆動速度を決定する。つまり、表2により検知温度に対応した減速率に設定される。例えば検知温度が50℃未満なら減速率は0.00%である。
一方、ステップS4では図示しないメモリ(例えばRAM)に格納されている積算値を読み出(検知)し、ステップS5においてこの積算値によってモータM2の駆動速度を決定する。つまり、表3により検知された積算値に対応した減速率に設定される。例えば、初期積算値が260の場合、減速率は0.10%となる。
次に、ステップS6で環境検知と紙種検知が行われる。ステップS6の検知結果により、高温多湿環境、及び、薄紙プリントを判別した場合、ステップS5で決定したモータM2の駆動速度に対して、2%加速した値を駆動速度として再決定する。つまり、表4により検知された積算値に対応した減速率に設定される。例えば、初期積算値が260の場合、減速率は−1.90%となる。
このようにステップS7でモータM2の初期駆動速度が再決定されると、処理はステップS8に移行し、ヒータをONし、加圧ローラ22を加熱する。続いてステップS9において係数加算を行い、積算値を取得する。
表1に、100msec(単位時間)毎に加算すべき制御係数が示されているが、印刷ジョブの各ページ毎に各動作段階(予備加熱時、通紙時、紙間時)の動作時間と制御係数を乗算し、それらを加算して積算値を取得する。
上述のように、例えば1枚目で予備加熱時間が7sec、通紙時間が1.5sec、紙間時間が0.5secの場合には、積算値は505(=7×7sec/0.1sec−1×1.5sec/0.1sec+6×0.5sec/0.1sec)となる。
そして、ステップS10では、ステップS9で取得した積算値が表2で示される各範囲について、前回の積算値の範囲が今回の積算値の範囲に変更が生じた(各範囲の上限及び下限閾値をまたぐ)かを判断する。変更が生じた場合には、処理はステップS11に移行し、そこで表2、もしくは表4にならい、各積算値の範囲に対応する減速率によってモー
タM2の駆動速度が制御される。ただし、変更が生じない場合にはステップS11をスキップし、ステップS12に移行する。
ステップS12では、ヒータ19をOFFするか(加圧ローラ22の加熱を止めるか)否かが判断される。つまり、あるジョブの印刷が終了していない(連続通紙)場合には次のページの印刷動作が継続されるため、係数加算処理であるステップS9に処理が戻る。そして、積算値を取得しさらにモータ速度制御(ステップS11)が実行される。また、あるジョブの印刷が終了した(間欠通紙)場合には、処理はステップS13に移行する。
ステップS13では、ヒータOFFの時間が所定時間(例えば40sec)を超えてないかが判断される。ここでは、加圧ローラ22が加熱を止めたため冷えてしまい、取得した積算値が次の印刷動作でそのまま使えるか否かが判断される。
ステップS13で所定時間超えるまでに再度の印刷指示がなされれば、処理はステップS4に戻り印刷処理が開始される。そのとき使用される初期積算値は前回の印刷動作中に得られた値となる。一方、所定時間を超えても再度の印刷指示がなされない場合には処理はステップS15に移行し、積算値がリセットされる。これは、加圧ローラ22の温度が対応する減速率(表3)と積算値が対応する減速率(表2)との解離が大きくなりすぎてしまっているからである。ステップS16では、再度の印刷指示がなされたかが判断され、なされなければ処理は終了する。指示がなされれば処理はステップS3に戻り、印刷処理が続行される。
(6)評価
本実施例では、モータ駆動速度を速めた場合の転写定着間における搬送状態の変化と、通常時に対してモータM2の駆動速度を速めた場合のシワ発生数、及び、厚紙を通紙した場合のブレ画像の程度を評価した。結果を表7に示す。
表7中の搬送状態A,B,Cは転写定着間における記録材の弛み状態を示すレベルであり、図14中の搬送状態A,B,Cと同じランク指標である。搬送状態A,B,Cは、それぞれ引っ張り系、わずかなたるみ系、たるみ系である。測定は、常温常湿環境にてA4紙を連続50枚、プロセススピード201mm/secで通紙し、目視で各搬送状態を選定し、該当する枚数を計測した値である。
表7中のシワ発生数は、通常環境、及び、高温高湿環境にて、薄紙A4紙を連続50枚、プロセススピード201mm/secで通紙し、シワに該当する場合を計測した値である。
表7中のブレ画像の結果は、○が発生なし、△が軽微、×が発生、××がひどく発生した場合である。測定は、常温常湿環境にて坪量128gの厚紙を連続5枚通紙し、もっとも程度の悪いもので評価した結果である。
表7より、モータ駆動速度が通常時の場合、搬送状態は常にたるみすぎず、引っ張りすぎずに、適度なたるみ搬送状態B付近を維持することがわかる。このとき、シワは50枚中で48枚発生する。これを防止するため、駆動速度を通常時に比べて2%以上速めた場合、その搬送状態は常にA又はBの引っ張り搬送になり、このときシワは完全に抑制されることがわかる。
したがって、シワの抑制には、モータM2の駆動速度を速めて、定着で記録材を上流側に引っ張る構成が好ましいといえる。しかし、これとは対照的に、駆動速度を速めるほど、厚紙通紙時にブレが発生するようになる。そこで本例では、シワが発生しやすいとされ
る、高温多湿環境でかつ、コシのない薄紙をプリントした場合のみ、モータM2の駆動速度を2%速めることにした。
Figure 0005110806

図7、図8は転写定着間で記録材を引っ張り搬送した場合の記録材に働く力の大きさ、及び力の方向を示す模式図である。
図7に示すように、加圧ローラ22は端部が太い逆クラウン形状をしている。そのため、加圧ローラ22が記録材Pに与える搬送力Fは、記録材の収縮を妨げながら長手外側方向へも働くことになる。図8に示すように、搬送力Fは搬送下流方向への力Fbと長手外側方向への力Faの合力で成り立つ。したがって、モータM2の駆動速度を増し、加圧ローラ22の回転速度が速くなれば、加圧ローラ22の記録材搬送力FがF”に増えることにより、長手外側方向への力FaもF”aへと増えることになる。長手外側方向への力が増えれば、記録材が熱収縮する力fを抑制することができ、シワの発生を押えることができる。なお、加圧ローラ22がストレートローラでも、記録材を搬送方向に引っ張ることで記録材にコシがつくため、シワに効果は見られる。
以上のように、本実施例では、画像形成装置に加圧ローラ22の回転速度のみを駆動制御できる機構、すなわち、専用の駆動モータを設けているので、転写定着間における記録材の搬送状態を変更制御することができる。これにより、加圧ローラ22が熱膨張、熱収縮した場合でも、常に加圧ローラ22の回転速度を一定に保ち、転写定着間における記録材搬送状態を安定させることができる。
そして、本実施例では、環境検知情報やメディア情報をもとに、その駆動速度を変更制御することとしている。すなわち、通常時はわずかにたるむ搬送状態を維持し、また、シワが発生しやすい高温多湿環境下でコシのない薄紙を通紙した場合は、通常時よりも加熱装置の駆動速度を増速させ、完全に引っ張る搬送状態を維持することとしている。
このように、環境や紙種に応じて各種弊害を防止する最適な搬送状態に制御できるので、搬送状態においてトレードオフの関係にある、厚紙プリント時の画像ブレと高温多湿環境下でコシのない薄紙をプリントした場合のシワの問題を完全に両立することができる。
以下、本発明の実施例2について説明する。なお、実施例1と同様の構成部分については同一の符号を付して、その説明は省略する。
本実施例では、実施例1の駆動制御シーケンスに加え、次のような制御シーケンスを持つことを特徴とする。それは、記録材の坪量を指定するプリントコマンド、もしくは、記
録材の厚みを判別するメディア検知手段等の情報をもとに、厚紙がプリントされると判断した場合に、その駆動速度を、通常時よりも1〜2%ほど遅くする制御シーケンスである。
図9は、本実施例における画像形成装置の概略断面図である。図10は、本実施例の厚紙通紙時における転写定着間の記録材搬送状態を示す概略図である。
本実施例では、記録材Pを給送カセット1だけでなく装置本体側面に備えたマルチトレイ119からも記録材Pを給送することができる。マルチトレイ119から給送された記録材Pは、給送カセット1からの給送と異なり、記録材が湾曲することなく、ほぼストレートに転写T、加熱定着装置13まで搬送される。したがって、図1に示す実施例1のように、給送カセット1からの給送のみの画像形成装置と比較して、コシが強く、坪量の多い厚紙を通紙することが可能である。
しかしながら、マルチトレイ119からこのような厚紙を通紙すると、転写部Tや現像部9などで画像がブレてしまうおそれがある。この現象は記録材Pの後端が搬送ローラ6を抜けたときの衝撃で、転写部T、又は現像部9が振動してしまうことによる。実施例1でも述べた通り、このブレの現象は、転写定着間12で記録材をたるませることで改善できる。特に、マルチトレイ119からの給送に限定される坪量163g/mm以上の厚紙ブレを防止するには、図10に示す搬送状態を、搬送状態Cにまでたるませることが好ましい。
そこで、本実施例では、加圧ローラ22を駆動する駆動制御として、実施例1の通常時モード(第1のモード)、高温多湿モード(第2のモード)(薄紙プリント)に加えて、厚紙モード(第3のモード)も選定できるようにする。厚紙を検知するのは、実施例1と同様で、給送部120に備えた不図示の検知手段で行う。
厚紙モード選定時のモータM2の駆動速度は、表8、表9、表10に従う駆動制御シーケンスにより、通常時に比べて常に1%減速する。これにより、転写定着間の搬送状態は、常に図10に示す搬送状態Cにまでたるませることができる。
Figure 0005110806

Figure 0005110806

Figure 0005110806

表11に厚紙モード選定時の転写定着間における搬送状態と、厚紙ブレの発生状況を示す。
表11より、厚紙モード(通常時−1.0%)を選定時、搬送状態は常にたるみ系となり、坪量163g/mm以上の厚紙ブレを完全に防止できることがわかる。一方で、薄紙モードを選定した場合は、実施例1の表7に従い、搬送状態を引っ張り系にすることで、シワを防止することができる。
Figure 0005110806

このように、本実施例では、加圧ローラ22を駆動する駆動制御として、通常時モード
、高温多湿かつ薄紙プリントモード(通常時+2.0%)、厚紙モード(通常時−1.0%)の3モードを設けている。そして、その各モードを装置本体の環境検知手段や紙種検知手段で自動判別することにより、コシのない薄紙で発生しやすいシワと、マルチカセットから給送されるようなとくに坪量の多い厚紙のブレを完全に両立することができる。
以下、本発明の実施例3について説明する。なお、実施例1,2と同様の構成部分については同一の符号を付して、その説明は省略する。
本実施例では、実施例1の駆動制御シーケンスに加え、プリントコマンドで自動両面の薄紙が選定された場合に、その駆動速度を、通常時よりも3%速くする制御シーケンスを持つことを特徴とする。
図11は、本実施例における画像形成装置の概略断面図である。図12は、本実施例の厚紙通紙時における転写定着間の記録材搬送状態を示す概略図である。
本実施例の画像形成装置は記録材Pを自動で両面印刷する自動両面機構を備えている。そして、1面目の先端が排出部15を抜け、1面目の後端が加熱定着装置13を抜けて排出部15の直前まで搬送されたタイミングで、その搬送方向がスイッチバックし、記録材Pは1面目の後端が2面目の先端となり搬送ローラ220の方向に搬送される。
このとき、2面目搬送中の記録材Pは、1面目と2面目の吸湿状況の違いにより、先端でカールや波打ちをしたまま搬送されることがある。このような傾向は、とくにコシのない薄紙をプリントしたときに発生しやすい。それゆえ、コシのない薄紙を自動両面でプリントした場合、2面目において、とくにシワが発生しやすくなる。
そこで、本実施例では、加圧ローラ22を駆動する駆動制御として、実施例1、2の通常時モード、高温多湿モード(薄紙プリント)、厚紙モードに加えて、自動両面の薄紙プリント時も選定できるようにする。
薄紙を検知するのは、実施例1と同様で、給送部220に備えた不図示の検知手段、又は、プリントコマンドで坪量70g以下を推奨するモードを選択された場合とする。自動両面で薄紙モード選定時のモータM2の駆動速度は、表12、表13、表14に従う駆動制御シーケンスにより、通常時に比べて常に3%増速する。すなわち、積算値0の減速率を−3.0%にしている。これにより、転写定着間の搬送状態は、常に図12に示す搬送状態Aの引っ張り系にすることができる。
Figure 0005110806

Figure 0005110806

Figure 0005110806

表15に自動両面で薄紙モード選定時の転写定着間における搬送状態と、シワの発生状況を示す。表15より、自動両面で薄紙モード選定時、搬送状態は常に引っ張り系となり、コシのない薄紙を自動両面でプリントした場合でもシワを抑制できることがわかる。
Figure 0005110806

このように、本実施例では、加圧ローラ22を駆動する駆動制御として、通常時モード、高温多湿かつ薄紙プリントモード(通常時+2.0%)、厚紙モード(通常時−1.0%)、自動両面の薄紙プリントモードの4モードを設けている。そして、その各モードを装置本体の環境検知手段や紙種検知手段で自動判別することにより、薄紙のシワと厚紙のブレを完全に両立することができる。
以下、本発明の実施例4について説明する。なお、実施例1〜3と同様の構成部分については同一の符号を付して、その説明は省略する。
本実施例では、実施例1〜3の駆動制御シーケンスに関して、装置本体もしくはカートリッジに内蔵のメモリタグによる通紙履歴情報に応じて、その駆動速度を変更制御する制
御シーケンスを持つことを特徴とする。
図13は、本実施例における画像形成装置の概略断面図である。
本実施例の画像形成装置は、装置本体もしくはプロセスカートリッジ18に通算の通紙枚数、もしくは感光体ドラム5の通算回転数を記憶する記憶手段としてのメモリタグ301が搭載されている。本実施例では、このメモリタグの情報をもとに、加圧ローラ22の駆動速度を変更制御する。なお、本実施例では、メモリタグ301は、感光体ドラム5の通算回転数を記憶するものであるが、これに限らず画像形成装置に設けられた回転体の通算回転数を記憶するものであればよい。
加圧ローラ22の外径は、装置本体寿命まで通紙を繰り返すと記録材やフィルムとの摺擦により徐々に細くなる。そのため、加圧ローラ22の回転速度を一定に保つには、通紙による外径縮小にあわせて、加圧ローラ22の駆動速度も増速することが好ましい。
本実施例では、加圧ローラ22に外径25mmのローラを用いている。この加圧ローラ22を装置本体寿命まで通紙した場合、その外径は2%ほど減少し、24.5mmに縮小する。
そこで、本実施例の駆動制御では、実施例1〜3に記載の駆動制御シーケンスに加えて、装置本体寿命である5万枚に対して、1万枚経過するごとに加圧ローラ22の駆動速度を0.4%ずつ増速している。これにより、装置本体寿命である5万枚が経過するまでの間、常に加圧ローラ22の摺擦による外径縮小を見込んで、その回転速度を一定に保つことができる。
このように、本実施例では、加圧ローラ22を駆動する駆動制御として、通常時モード、高温多湿かつ薄紙プリントモード(通常時+2.0%)、厚紙モード(通常時−1.0%)、自動両面の薄紙プリントモードの4モードを設けている。
そして、その各モードを装置本体の環境検知手段や紙種検知手段で自動判別するだけでなく、装置本体もしくはカートリッジに内蔵のメモリタグによる通紙履歴情報に応じて、その駆動速度を増速することとしている。これにより、装置本体初期から寿命に至るまで安定して薄紙のシワと厚紙のブレを完全に両立することができる。
本発明の実施例1に係る画像形成装置を説明する概略断面図。 本発明の実施例1に係る加熱定着装置の概略断面図。 本発明の実施例1に係る加圧ローラの駆動手段を示す概略模型図。 本発明の実施例1に係る通常時における転写定着間の記録材搬送状態を示す概略図。 本発明の実施例1に係る高温多湿時に薄紙プリントが実行された場合の転写定着間における記録材搬送状態を示す概略図。 本発明の実施例1に係る定着モータM2の動作を説明するためのフローチャート。 本発明の実施例1に係る引っ張り搬送時に記録材に働く力の大きさ、向きを表す概略図。 本発明の実施例1に係る引っ張り搬送時に記録材に働く力の大きさ、向きを表す概略図。 本発明の実施例2に係る画像形成装置を説明する概略断面図。 本発明の実施例2に係る厚紙通紙時における転写定着間の記録材搬送状態を示す概略図。 本発明の実施例3に係る画像形成装置を説明する概略断面図。 本発明の実施例3に係る厚紙通紙時における転写定着間の記録材搬送状態を示す概略図。 本発明の実施例4に係る画像形成装置を説明する概略断面図。 従来例に係る転写定着間の記録材搬送状態を示す概略図。
符号の説明
1 給送カセット
5 感光体ドラム
7 帯電ローラ
9 現像器
10 転写ローラ
13 加熱定着装置
21 定着フィルム
22 加圧ローラ
27 環境センサ
29 駆動回路
M2 定着モータ

Claims (1)

  1. 像担持体上に形成されたトナー画像を転写ニップ部にて記録材に転写する画像形成手段と、
    前記画像形成手段の転写部から搬送される記録材を、加熱部材及び加圧部材により互いに圧接して構成される定着ニップ部で、挟持搬送することにより、記録材に転写されている未定着のトナー画像を定着させる定着手段と、
    装置が設置される環境に関する情報を検知又は予測する環境検知手段と、
    前記ニップ部で搬送される記録材に関する情報を取得する記録材情報取得手段と、を備えた画像形成装置において、
    前記環境検知手段により検知又は予測される情報、及び、前記記録材情報取得手段により取得される情報に応じて、前記定着手段を駆動する駆動源の駆動速度を制御する制御手段を備え、
    前記制御手段は、少なくとも、記録材が前記転写ニップ部と前記定着ニップ部の間で弛んだ状態で搬送されるように前記駆動源の前記駆動速度を制御する第1のモードと、記録
    材が前記転写部と前記定着ニップ部の間で引っ張った状態で搬送されるように前記定着手段の前記駆動源の前記駆動速度を制御する第2のモードと、を実行可能であり、
    前記環境検知手段により検知又は予測される温度が所定の温度以上且つ湿度が所定の湿度以上で、更に、前記記録材情報取得手段により取得される記録材の情報が記録材の厚さが所定の厚さ以下の場合に、前記第2のモードを実行し、それ以外の場合は、前記第1の
    モードを実行することを特徴とする画像形成装置。
JP2006130089A 2006-05-09 2006-05-09 画像形成装置 Expired - Fee Related JP5110806B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006130089A JP5110806B2 (ja) 2006-05-09 2006-05-09 画像形成装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006130089A JP5110806B2 (ja) 2006-05-09 2006-05-09 画像形成装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007304167A JP2007304167A (ja) 2007-11-22
JP5110806B2 true JP5110806B2 (ja) 2012-12-26

Family

ID=38838161

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006130089A Expired - Fee Related JP5110806B2 (ja) 2006-05-09 2006-05-09 画像形成装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5110806B2 (ja)

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010072489A (ja) * 2008-09-19 2010-04-02 Fuji Xerox Co Ltd 画像形成装置
JP5558953B2 (ja) * 2010-07-27 2014-07-23 キヤノン株式会社 画像形成装置
JP5945515B2 (ja) * 2012-04-17 2016-07-05 株式会社沖データ 画像形成装置
JP5869505B2 (ja) * 2013-02-27 2016-02-24 株式会社東芝 画像形成装置
JP6938226B2 (ja) * 2017-05-31 2021-09-22 キヤノン株式会社 画像形成装置
JP7467841B2 (ja) * 2019-08-26 2024-04-16 コニカミノルタ株式会社 動作設定選択装置、画像形成装置、動作設定選択方法及びプログラム
JP7306187B2 (ja) * 2019-09-25 2023-07-11 沖電気工業株式会社 画像形成装置及び画像形成方法

Family Cites Families (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH01312555A (ja) * 1988-06-10 1989-12-18 Fuji Xerox Co Ltd 画像定着方法
JP2932548B2 (ja) * 1989-12-22 1999-08-09 富士ゼロックス株式会社 用紙搬送装置
JPH04138485A (ja) * 1990-09-28 1992-05-12 Canon Inc 画像形成装置
JPH07261584A (ja) * 1994-03-23 1995-10-13 Canon Inc 加熱装置及び画像形成装置
JP3670701B2 (ja) * 1995-02-28 2005-07-13 株式会社リコー 画像形成装置
JP2002046887A (ja) * 2000-07-28 2002-02-12 Kyocera Mita Corp 転写前ローラおよびそれを用いた画像形成装置
JP2003084507A (ja) * 2001-09-12 2003-03-19 Konica Corp 画像形成装置
JP2004035177A (ja) * 2002-07-02 2004-02-05 Murata Mach Ltd 画像形成装置
JP2004333827A (ja) * 2003-05-07 2004-11-25 Canon Inc 画像形成装置
JP2005099071A (ja) * 2003-09-22 2005-04-14 Canon Inc 画像形成装置の定着装置
JP2006010753A (ja) * 2004-06-22 2006-01-12 Canon Inc 加熱定着装置及び画像形成装置
JP4369327B2 (ja) * 2004-08-19 2009-11-18 シャープ株式会社 画像形成装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2007304167A (ja) 2007-11-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8027607B2 (en) Image forming apparatus
JP5110806B2 (ja) 画像形成装置
JP5598238B2 (ja) 画像形成装置
JP7114389B2 (ja) 定着装置
JP2004184814A (ja) 加熱装置
JP5063105B2 (ja) 画像形成装置
CN107065472B (zh) 成像设备
JP2009151118A (ja) 画像加熱装置
JP2008040420A (ja) 画像加熱装置
JP5510104B2 (ja) 画像形成装置
JP2007079037A (ja) 画像加熱装置
JP4898258B2 (ja) 画像形成装置
JP6632291B2 (ja) 画像加熱装置
JP4594013B2 (ja) 画像形成装置
JP5305742B2 (ja) 加熱装置
JP5516143B2 (ja) 画像形成装置
JP2011253000A (ja) 画像形成装置
JP5486770B2 (ja) 画像形成装置
JP6422356B2 (ja) 画像形成装置
JP2006317512A (ja) 加熱定着装置
JP6766586B2 (ja) 定着装置および画像形成装置
JP2007058083A (ja) 画像形成装置における制御方法
JP3605069B2 (ja) 画像形成装置
JP2006038920A (ja) 画像形成装置
JP2012013994A (ja) 画像形成装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20090511

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110802

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20111003

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120117

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120319

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20121002

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20121009

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20151019

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20151019

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees