JP5108813B2 - 複合撚糸及びこの複合撚糸を用いた織編物 - Google Patents
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Description
[式中、L1は、検尺機で0.044cN/dtexの張力下で作製した11110dtexの輪奈状カセの輪奈に金棒を通して金棒を水平にした状態でカセの下端部に10gの重りを取り付けて5分間放置後、金棒を水平にした状態で90℃の水槽内にカセを浸漬して30分間加熱処理し、次いで、水槽からカセを引き上げて10gの重りを取り外し、乾燥後、再度10gの重りをカセの下端部に取り付けて5分間放置したときのカセの全長を示し、
L2は、カセの全長L1を測定後、カセから10gの重りを取り外し、代わりに1000gの重りをカセの下端部に取り付けて5分間放置したときのカセの全長を示す]。
[式中、L1は、長さ15cm及び幅2.5cmの布帛の長さ方向の一方の端部の中央(幅方向の中央)に5gの重りを取り付け、重りを付けた端部を下にして布帛を垂直に吊した状態で1分間放置したときの布帛の長さを示し、
L2は、長さL1を測定後、5gの重りを布帛の端部から取り去り、代わりに300gの重りを同じ箇所に取り付けて垂直に吊した状態で3分間放置したときの布帛の長さを示す]
回復率(%)=[(L3−L1)/L1]×100
[式中、L1は、前記に同じであり、
L3は、長さL2を測定後、300gの重りを布帛の端部から取り去り、布帛を平坦なところに5時間放置し、その後、5gの重りを同じ箇所に取り付けて垂直に吊した状態で1分間放置したときの布帛の長さを示す]。
本発明の複合撚糸は、紡績糸、水不溶性フィラメント糸及び水溶性糸を撚り合わせた複合撚糸であって、複合撚糸の撚り方向が紡績糸の撚り方向と同一方向である。
紡績糸は、水(熱水)に溶解しない繊維から形成された紡績糸であれば、特に限定されず、合成繊維、半合成繊維、再生繊維、天然繊維のいずれであってもよい。合成繊維としては、例えば、ポリエステル系繊維(ポリエチレンテレフタレート繊維、ポリトリメチレンテレフタレート繊維、ポリブチレンテレフタレート繊維、ポリエチレンナフタレート繊維などのポリC2−4アルキレンアリレート繊維など)、ポリアミド系繊維(ポリアミド6、ポリアミド66、ポリアミド11、ポリアミド12、ポリアミド610、ポリアミド612などの脂肪族ポリアミド系繊維、脂環族ポリアミド系繊維、ポリフェニレンイソフタルアミド、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド、ポリp−フェニレンテレフタルアミドなどの芳香族ポリアミド系繊維など)、ポリオレフィン系繊維(ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリC2−4オレフィン繊維など)、アクリル系繊維(アクリロニトリル−塩化ビニル共重合体などのアクリロニトリル単位を有するアクリロニトリル系繊維など)、水(熱水)不溶性のポリビニルアルコール系繊維(エチレン−ビニルアルコール系共重合体繊維など)、ポリ塩化ビニル系繊維(ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−アクリロニトリル共重合体の繊維など)、ポリ塩化ビニリデン系繊維(塩化ビニリデン−塩化ビニル共重合体、塩化ビニリデン−酢酸ビニル共重合体などの繊維)などが挙げられる。
水不溶性フィラメント糸(長繊維)としては、水不溶性でゴム弾性を有さない長繊維であれば特に限定されず、例えば、前記紡績糸で例示の合成繊維、半合成繊維、天然繊維の長繊維を、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらのうち、熱処理により撚糸工程で付与された撚りの形態を保持でき、耐久性のあるキックバック性を発現できる点から、ポリプロピレンフィラメント糸、アクリロニトリル系フィラメント糸、ポリエステルフィラメント糸、ポリプロピレンフィラメント糸などの合成繊維が好ましく、ポリエステルフィラメント糸(例えば、ポリエチレンテレフタレートなどのポリC2−4アルキレンアリレートフィラメント糸など)、ポリアミドフィラメント糸(例えば、ポリアミド6などの脂肪族ポリアミドフィラメント糸など)が特に好ましい。
[式中、L1は、検尺機で0.044cN/dtexの張力下で作製した11110dtexの輪奈状カセの輪奈に金棒を通して金棒を水平にした状態でカセの下端部に10gの重りを取り付けて5分間放置後、金棒を水平にした状態で90℃の水槽内にカセを浸漬して30分間加熱処理し、次いで、水槽からカセを引き上げて10gの重りを取り外し、乾燥後、再度10gの重りをカセの下端部に取り付けて5分間放置したときのカセの全長を示し、
L2は、カセの全長L1を測定後、カセから10gの重りを取り外し、代わりに1000gの重りをカセの下端部に取り付けて5分間放置したときのカセの全長を示す]。
水溶性糸としては、親水性溶媒に対する溶解性を有していれば特に限定されないが、特に、大気圧下で、水の沸騰温度(約100℃)までの温度で水(熱水)に対して溶解する糸が好ましい。このような水溶性糸を含む複合撚糸から得られた織編物は、水溶性糸を水などの親水性溶媒で容易に溶解除去でき、取扱性などにも優れている。特に、水溶性糸としては、水溶性糸自体を単独で温度80℃以上(特に90℃以上)の熱水に浸漬して30分間放置したときに、浸漬前の水溶性糸の質量に対して、85質量%以上(特に95質量%以上)が前記熱水に溶解する水溶性糸(水不溶性の残渣が15質量%未満、特に5質量%未満である水溶性糸)が好ましい。水溶性糸の水溶解性が低いと、複合撚糸を用いて製造した織編物を水で処理しても、複合撚糸中の水溶性糸を充分に溶解除去できず、織編物に充分な伸縮性などを付与するのが困難となる。
本発明の複合撚糸において、紡績糸、水不溶性フィラメント糸、水溶性糸の本数(糸本数)は、撚糸機のクリル本数の制限、品質管理の点から、紡績糸が1〜3本(好ましくは1〜2本)、水不溶性フィラメント糸が1〜2本(好ましくは1本)、水溶性糸が1〜2本(好ましくは1本)であり、通常、紡績糸1本、水不溶性フィラメント糸1本及び水溶性糸1本を撚り合わせて(上撚をかけて)複合撚糸が形成される。紡績糸、水不溶性フィラメント糸及び水溶性糸を撚り合わせる際の撚糸機の種類も、特に制限されず、例えば、ダブルツイスター、リングツイスター、アップツイスターなどの汎用の撚糸機を使用できる。
本発明の織編物(布帛)は前記複合撚糸を用いて得られるが、複合撚糸はトルクを有しており、トルクが強すぎる場合には、織編工程を円滑に行うために、熱処理工程を設けてトルクを減少させてもよい。熱処理温度は、紡績糸、水不溶性フィラメント糸、水溶性糸の種類、複合撚糸のトルクの強さなどに応じて適宜選択できる。ポリエステル繊維やポリアミド繊維などの合成繊維の場合には、熱処理によりトルクが減少し易く、熱処理工程を設けることにより織編工程の通過性が向上する。熱処理温度は、例えば、合成繊維を構成する合成樹脂の融点又は軟化点よりも5℃以上低い温度、例えば、10〜100℃(特に20〜80℃)程度低い温度あってもよい。
本発明では、複合撚糸を用いて製造した織編物から、複合撚糸中の水溶性糸を親水性溶媒で抽出除去することにより、高い伸縮性を有する布帛(伸縮性布帛)が得られる。親水性溶媒としては、水の他、アルコール類(メタノール、エタノール、イソプロパノールなど)、ケトン類(アセトンなど)、エーテル類(テトラヒドロフランなど)、セロソルブ類(メチルセロソルブ、エチルセロソルブなど)、カルビトール類(カルビトール、ジエチレングリコールジメチルエーテルなど)などが挙げられる。これらの親水性溶媒は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらの親水性溶媒のうち、水、エタノールなどのC1−3アルコール類、アセトンなどのケトン類、水と他の親水性溶媒との混合溶媒などが好ましく、通常、水が使用される。
[式中、L1は、長さ15cm及び幅2.5cmの布帛の長さ方向の一方の端部の中央(幅方向の中央)に5gの重りを取り付け、重りを付けた端部を下にして布帛を垂直に吊した状態で1分間放置したときの布帛の長さを示し、
L2は、長さL1を測定後、5gの重りを布帛の端部から取り去り、代わりに300gの重りを同じ箇所に取り付けて垂直に吊した状態で3分間放置したときの布帛の長さを示す]
回復率(%)=[(L3−L1)/L1]×100
[式中、L1は、前記に同じであり、
L3は、長さL2を測定後、布帛を平坦なところに5時間放置し、その後、5gの重りを同じ箇所に取り付けて垂直に吊した状態で1分間放置したときの布帛の長さを示す]。
検尺機で0.044cN/デシテックスの張力下で11110dtexの輪奈状カセ(全長50cm)を作製した。得られたカセの輪奈に金棒を通し、金棒を水平にした状態でカセの下端部に10gの重りを取り付けて初荷重をかけ、空気中(25℃、65%RH)で5分間放置した。その後、金棒を水平にした状態で90℃の恒温水槽内にカセを浸漬して30分間加熱処理した。次いで、恒温水槽からカセを引き上げて10gの重りを取り外した。さらに、10gの重りを取り外して荷重を除き、紙の水分を紙に吸収させた後、室温(25℃)で4時間乾燥した。乾燥後のカセに対して、再度10gの重りをカセの下端部に取り付けて空気中(25℃、65%RH)で5分間放置し、カセの全長(cm)を測定した。この長さをL1とした。
得られた平織生地から、長さ15cm及び幅2.5cmの寸法で試験片を切り取った。切り取った試験片の長さ方向の一方の端部の中央(幅方向の中央)に5gの重りを取り付けて、重りを付けた端部を下にして試験片を垂直に吊してその状態で1分間放置し、そのときの試験片の長さ(L1)を測定した。
長さ(L2)を測定後、前記300gの重りを布帛の端部から取り去り、試験片を平らなところに5時間放置し、その後、5gの重りを同じ箇所に取り付けて垂直に吊してその状態で1分間放置し、そのときの試験片の長さ(L3)(cm)を測定して、下記式から平織生地の経方向の回復率(%)を求めた。
伸長率及び回復率(キックバック性)は、平織生地の経方向及び緯方向について測定した。すなわち、経方向では、生地の経方向が長さ方向となるように切り取った試験片で測定し、緯方向では、生地の緯方向が長さ方向となるように切り取った試験片で測定した。
ウール紡績糸(Z撚:600回/m、ウール100%、ウール番手48番、日本毛織(株)製)、ポリエステル長繊維(捲縮伸張率:10%、33デシテックス/12フィラメント、(株)クラレ製、「クラベラ」)、ビニルアルコール系水溶性糸(80℃の水に溶解する糸、56デシテックス/12フィラメント、(株)クラレ製、「水溶性ビニロン」)の3種の糸を、ダブルツイスター(村田機械(株)製、「36M」)を用いて、Z600回/mとなるように上撚をかけて撚糸し、複合撚糸を作製した。
ウール双糸(ウール番手60番、日本毛織(株)製)を経糸として使用し、実施例1で得られた複合撚糸を緯糸として使用して、経25本/cm、緯22本/cmの平織生地を製織した(複合撚糸の混率45質量%)。この生地を実施例1と同様に溶解除去及び乾燥処理し、伸長率及び回復率を測定したところ、伸長率は経方向10%及び緯方向23%、回復率は経方向65%及び緯方向78%であり、緯方向に良好な伸縮性とキックバック性を有していた。
ウール双糸(ウール番手60番、日本毛織(株)製)を経糸として使用し、実施例1で得られた複合撚糸と前記ウール双糸とを、緯糸として複合撚糸:ウール双糸=1:4(本数比)で使用して、経25本/cm、緯22本/cmの平織生地を製織した(複合撚糸の混率9質量%)。この生地を実施例1と同様に溶解除去及び乾燥処理し、伸長率を測定したところ、伸長率は経方向10%及び緯方向15%であり、伸縮性に劣る生地であった。
ウール紡績糸(Z撚:600回/m、ウール100%、ウール番手48番、日本毛織(株)製)、ポリエステル長繊維(捲縮伸張率:10%、33デシテックス/12フィラメント、(株)クラレ製、「クラベラ」)、ビニルアルコール系水溶性糸(80℃の水に溶解する糸、56デシテックス/12フィラメント、(株)クラレ製、「水溶性ビニロン」)の3種の糸を、ダブルツイスター(村田機械(株)製、「36M」)を用いて、Z1000回/mとなるように上撚をかけて撚糸し、複合撚糸を作製した。実施例1と同様にして、それぞれの糸の質量比を求めたところ、紡績糸/長繊維/水溶性糸=70/11/19であった。
ウール紡績糸(Z撚:600回/m、ウール100%、ウール番手48番、日本毛織(株)製)、ポリエステル長繊維(捲縮伸張率:10%、33デシテックス/12フィラメント、(株)クラレ製、「クラベラ」)、ビニルアルコール系水溶性糸(80℃の水に溶解する糸、56デシテックス/12フィラメント、(株)クラレ製、「水溶性ビニロン」)の3種の糸を、ダブルツイスター(村田機械(株)製、「36M」)を用いて、Z200回/mとなるように上撚をかけて撚糸し、複合撚糸を作製した。実施例1と同様にして、それぞれの糸の質量比を求めたところ、紡績糸/長繊維/水溶性糸=70/11/19であった。
ウール紡績糸(Z撚:600回/m、ウール100%、ウール番手48番、日本毛織(株)製)、ポリエステル長繊維(捲縮伸張率:10%、33デシテックス/12フィラメント、(株)クラレ製、「クラベラ」)、ビニルアルコール系水溶性糸(80℃の水に溶解する糸、56デシテックス/12フィラメント、(株)クラレ製、「水溶性ビニロン」)の3種の糸を、ダブルツイスター(村田機械(株)製、「36M」)を用いて、Z1400回/mとなるように撚糸し、複合撚糸を作成しようとしたが、糸切れが多く撚糸が困難であった。
綿紡績糸(Z撚:600回/m、綿100%、綿番手20番、都築紡績(株)製、「TS20単糸」)、ポリエステル長繊維(捲縮伸張率:20%、84デシテックス/36フィラメント、帝人ファイバー(株)製、「テトロン」)、ビニルアルコール系水溶性糸(80℃の水に溶解する糸、56デシテックス/12フィラメント、(株)クラレ製、「水溶性ビニロン」)の3種の糸を、ダブルツイスター(村田機械(株)製、「36M」)を用いて、Z400回/mとなるように上撚をかけて撚糸し、複合撚糸を作製した。実施例1と同様にして、それぞれの糸の質量比を求めたところ、紡績糸/長繊維/水溶性糸=68/19/13であった。
綿紡績糸(Z撚:1500回/m、綿100%、綿番手120番、Royal Textile Mills Ltd.(インド)社製、「Royal 120」)、ポリエステル長繊維(捲縮伸張率:10%、33デシテックス/12フィラメント、(株)クラレ製、「クラベラ」)、ビニルアルコール系水溶性糸(80℃の水に溶解する糸、390デシテックス/84フィラメント、(株)クラレ製、「水溶性ビニロン」)の3種の糸を、ダブルツイスター(村田機械(株)製、「36M」)を用いて、Z1000回/mとなるように上撚をかけて撚糸し、複合撚糸を作製した。実施例1と同様にして、それぞれの糸の質量比を求めたところ、紡績糸/長繊維/水溶性糸=10/7/83であった。
綿紡績糸(Z撚:700回/m、綿100%、綿番手30番、都築紡績(株)製、「TS30単糸」)、ポリエステル長繊維(捲縮伸張率:22%、333デシテックス/96フィラメント、LEALEA(台湾)社製)、ビニルアルコール系水溶性糸(80℃の水に溶解する糸、56デシテックス/12フィラメント、(株)クラレ製、「水溶性ビニロン」)の3種の糸を、ダブルツイスター(村田機械(株)製、「36M」)を用いて、Z900回/mとなるように上撚をかけて撚糸し、複合撚糸を作製した。実施例1と同様にして、それぞれの糸の質量比を求めたところ、紡績糸/長繊維/水溶性糸=34/57/9であった。
綿双糸(綿番手30番、都築紡績(株)製)を経糸として使用し、実施例4で得られた複合撚糸と綿双糸(綿番手30番、都築紡績(株)製)とを、緯糸として、複合撚糸:綿双糸=1:1(本数比)で使用して、経23本/cm、緯18本/cmの平織生地を製織した(複合撚糸の混率21質量%)。この生地を実施例1と同様に溶解除去及び乾燥処理し、伸長率及び回復率を測定したところ、伸長率は経方向10%及び緯方向20%、回復率は経方向35%及び緯方向80%であり、緯方向に良好な伸縮性とキックバック性を有していた。
綿紡績糸(Z撚:600回/m、綿100%、綿番手20番、都築紡績(株)製、「TS20単糸」)、ポリエステル長繊維(捲縮伸張率:25%、84デシテックス/36フィラメント、帝人ファイバー(株)製、「テトロン」)、ビニルアルコール系水溶性糸(80℃の水に溶解する糸、56デシテックス/12フィラメント、(株)クラレ製、「水溶性ビニロン」)の3種の糸を、ダブルツイスター(村田機械(株)製、「36M」)を用いて、S1000回/mとなるように上撚をかけて撚糸し、複合撚糸を作製した。実施例1と同様にして、それぞれの糸の質量比を求めたところ、紡績糸/長繊維/水溶性糸=68/19/13であった。
Claims (9)
- 紡績糸、水不溶性フィラメント糸及び水溶性糸を、前記紡績糸の撚り方向と同一の方向に撚り合わせた複合撚糸であって、前記紡績糸と前記水不溶性フィラメント糸との割合(質量比)が、前者/後者=90/10〜70/30である複合撚糸。
- 複合撚糸の撚数が、紡績糸の撚数に対して0.3〜2倍である請求項1記載の複合撚糸。
- 紡績糸及び水不溶性フィラメント糸の総量と、水溶性糸との割合(質量比)が、前者/後者=95/5〜50/50である請求項1又は2記載の複合撚糸。
- 紡績糸が単糸、複数の単糸を引き揃えた糸、双糸又は合撚糸であり、
水不溶性フィラメント糸が、ゴム弾性を有さず、かつ下記に示す捲縮伸長率が5%以上のフィラメント糸であり、
水溶性糸が、水溶性のフィラメント糸である請求項1〜3のいずれかに記載の複合撚糸。
捲縮伸長率(%)=(L2−L1)/L2×100
[式中、L1は、検尺機で0.044cN/dtexの張力下で作製した11110dtexの輪奈状カセの輪奈に金棒を通して金棒を水平にした状態でカセの下端部に10gの重りを取り付けて5分間放置後、金棒を水平にした状態で90℃の水槽内にカセを浸漬して30分間加熱処理し、次いで、水槽からカセを引き上げて10gの重りを取り外し、乾燥後、再度10gの重りをカセの下端部に取り付けて5分間放置したときのカセの全長を示し、
L2は、カセの全長L1を測定後、カセから10gの重りを取り外し、代わりに1000gの重りをカセの下端部に取り付けて5分間放置したときのカセの全長を示す]。 - 請求項1〜4のいずれかに記載の複合撚糸を含む織編物。
- 複合撚糸の割合が20質量%以上である請求項5記載の織編物。
- 請求項5又は6記載の織編物から、織編物を構成する複合撚糸中の水溶性糸を親水性溶媒に溶解させて除去する布帛の製造方法。
- 請求項7記載の方法により得られた布帛。
- 紡績糸及び水不溶性フィラメント糸を撚り合わせた複合撚糸を含み、かつ下記に示す伸長率及び回復率が、それぞれ15%以上及び50%以上である布帛であって、前記紡績糸と前記水不溶性フィラメント糸との割合(質量比)が、前者/後者=90/10〜70/30であり、前記複合撚糸の撚りが撓みを有し、前記複合撚糸の撚り方向が前記紡績糸の撚り方向と同一方向であり、かつ前記複合撚糸の撚数が、前記紡績糸の撚数に対して0.5〜2倍である布帛。
伸長率(%)=[(L2−L1)/L1]×100
[式中、L1は、長さ15cm及び幅2.5cmの布帛の長さ方向の一方の端部の中央(幅方向の中央)に5gの重りを取り付け、重りを付けた端部を下にして布帛を垂直に吊した状態で1分間放置したときの布帛の長さを示し、
L2は、長さL1を測定後、5gの重りを布帛の端部から取り去り、代わりに300gの重りを同じ箇所に取り付けて垂直に吊した状態で3分間放置したときの布帛の長さを示す]
回復率(%)=[(L3−L1)/L1]×100
[式中、L1は、前記に同じであり、
L3は、長さL2を測定後、300gの重りを布帛の端部から取り去り、布帛を平坦なところに5時間放置し、その後、5gの重りを同じ箇所に取り付けて垂直に吊した状態で1分間放置したときの布帛の長さを示す]
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