JP5106435B2 - 係留装置 - Google Patents

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Description

本発明は、係留装置、特に、岸壁間の水域に船艇等の浮遊体を係留する係留装置に関する。
従来から、港湾や湖沼、河川の船舶等の浮体を係留させる場合は、湾岸や湖岸、河岸あるいはこれらの近傍水域に杭やクリート等の係止部を設置して、この係止部に係留索を結束して浮遊体を係留することが行われている。
このような簡易な係留手段として、特許文献1において、湾岸に設置された桟橋の近傍水域に立設された杭に船舶を係留させる係留装置が開示されている。この特許文献1で開示される係留装置を、図6に基づいて説明する。
図6は、係留装置100を説明する図である。図示のように、係留装置100は、桟橋105の近傍水域に立設された杭101にリング103が嵌装され、このリング103にフロート102が対向配置して取り付けられる。フロート102は、ロープ104を介して桟橋105に設置されたクリート105aに連結されている。船舶Sを係留する場合、この係留装置100と平行に船舶Sを配置し、船舶Sの船尾とリング103との間を第1係留索106aで連結し、船舶Sの船頭とクリート105aとの間を第2係留索106bで連結して係留する。この構成によると、第2係留索104bを介してリングに連結された船舶Sは、フロート102が連結されたリング103が水位変動に追従するので、杭101が立設可能な湾岸及び湖岸、河岸等の近傍水域における小規模な水位変動に追従しつつ船舶Sを係留することができる。
特許文献2として、ダム湖に浮体を係留させる係留装置が開示されている。この特許文献1で開示される係留装置を、図7に基づいて説明する。
図7は、係留装置110を説明する図である。図示のように、係留装置110は、ダム湖の湖岸に設置された接続部114と浮体Fの底部との間に懸架される係留索112に滑車113を介して重錘115が設置されることで係留索112が緊張するように構成される。この構成によれば、係留索112、滑車113、重錐115をダム湖等の水域に水没させて係留装置110を構成しており、陸上設備及び水中設備をなくしているので、ダム湖等の水域の周辺景観の美観を保持することができる。
特開2001−310793号公報 特開平10−204850号公報
上記の特許文献1に記載された係留装置100によると、杭101は水底に立設されて常に水と接しており、また、フロート102及びロープ104は常に水面に接しているので、早期の腐蝕進行による部材の劣化が懸念される。その結果、新たな係留装置100を設置する必要性が生じるので、設備コストが増大することも懸念される。
一方、上記特許文献2に記載された係留装置110によると、水域周辺環境の美観は保持できるものの、係留索112、滑車113及び重錘115のいずれもが水中設備として形成されているので、上記の特許文献1と同様に早期の腐蝕進行による部材の劣化が懸念される。また、流木等の水面漂流物が係留索112に絡まることで係留索112が切断されてしまうことが懸念される。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、水没する設備をなくして水と常時接触した状態とすることに起因する腐蝕を回避できる係留装置を提供することにある。
上記目的を達成するための請求項1に記載の発明による係留装置は、岸壁間の水域に浮く船艇を係留する係留装置において、前記水域を挟んで対向する前記岸壁の間で、かつ前記水域の上方空域にて懸架された第1張架体と、該第1張架体に係合されて、前記船艇を係留する係留索の一端を保持する係留索保持部と、該係留索保持部を前記岸壁の一方と前記水域の中央領域の上方位置との間で移動させる係留索保持部移動機構と、を備えたことを特徴とする。
この構成によると、係留装置を構成する第1張架体及び第1張架体に係合された係留索保持部、この係留索保持部を移動させる係留索保持部移動機構が陸上設備及び空域設備として構成され、水域に水没していないので、係留装置が水と常時接触した状態とすることに起因する早期の腐蝕進行による劣化を防止することで、係留装置の耐久性の向上を得ることができる。また、水域に漂流する漂流物が水面設備及び水中設備に付着するおそれがないので、装置故障の可能性も大幅に削減される。
しかも、係留索保持部移動機構の操作によって、船艇を、水域の中央領域に簡易に移動させて係留することが可能となるので、大規模な水位変動に対しても船艇が水域の底に接触、衝突することを的確に防止することができる。すなわち、一般的に、岸壁に囲まれた水域では、岸側から中央領域に向かって漸次深くなっており、岸壁の近傍で船艇を係留する場合、比較的小さい水位変動でも上記のような船艇の接触、衝突のおそれがあるが、これが回避される。更に、船艇を水域の中央領域に係留することで、岸壁付近で集中的に船艇を係留することに基づく混雑状態を解消して、水域における船艇の活動を円滑に実行することができる。
請求項に記載の発明による係留装置は、請求項に記載の係留装置において、前記係留索保持部移動機構は、前記水域の中央領域で前記第1張架体に設けられた回転体と、前記対向する岸壁の一方に設置されて索の繰り出し及び巻き取りを行う巻取繰出部と、該巻取繰出部と前記回転体との間で往復張架された第2張架体と、を備え、前記第2張架体に前記係留索保持部を固定するとともに前記巻取繰出部による前記第2張架体の繰り出し及び巻き取り動作で前記係留索保持部を移動させることを特徴とする。
この構成は、請求項の内容を具体的に明らかにしたものであり、第1張架体に回転体を固定設置するとともに岸壁に巻取繰出部を設置し、この間に第2張架体を往復張架させて第2張架体に係留索保持部を固定するという簡単な構成で、係留索保持部を水域の中央水域に移動させることが可能となる。
請求項に記載の発明による係留装置は、請求項1または2に記載の係留装置において、前記係留索保持部移動機構は、前記第1張架体の軸線方向に複数設置され、前記水域の中央領域と前記岸壁の一方との間に設けられた第1係留索保持部移動機構と、前記中央水域において該第1係留索保持部移動機構と隣接配置され、該中央水域と前記岸壁の他方との間に設けられるとともに前記第1係留索保持部移動機構の第2張架体に対して相対的に移動する第2張架体を有する第2係留索保持部移動機構と、を備えたことを特徴とする。
この構成によると、第1張架体を共有化して複数の係留索保持部移動機構を設置することができるので、空域を有効活用して複数の船艇を水域に係留させることができる。更に、複数の船艇を水域の中央水域に係留することが可能となるので、岸壁付近で集中的に船艇を係留することに基づく混雑状態を解消して、水域における船艇の活動を円滑に実行することができる。
請求項4に記載の発明による係留装置は、請求項1〜のいずれか1項に記載の係留装置において、前記係留索保持部は、前記保持する係留索を該係留索側に常時引き込む方向に付勢することを特徴とする。
この構成によると、係留索保持部は、係留索を係留索保持部側に常時引き込む方向に付勢しているので、船艇に連結された係留索が常時緊張状態で保持されることとなるので、降雨出水等により水位が著しく変動しても船艇を確実に係留位置に係留保持する。
この発明によれば、係留装置を構成する第1張架体及び第1張架体に係合された係留索保持部が陸上設備及び空域設備として構成され、水域に水没していないので、係留装置が水と常時接触した状態とすることに起因する早期の腐蝕進行による劣化を防止することで、係留装置の耐久性の向上を得ることができる。また、水域に漂流する漂流物が水面設備及び水中設備に付着するおそれがないので、装置故障の可能性も大幅に削減される。
本発明の第1実施の形態に係る係留装置の概要を説明する図である。 同じく、第1実施の形態に係る係留装置を使用して浮遊体を水域に係留させる状態を説明する図である。 水域の水位が変動した場合における第1実施の形態に係る係留装置の状態を説明する図である。 本発明の第2実施の形態に係る係留装置の概要を説明する図である。 本発明の他の実施の形態について説明する図である。 従来の係留装置の概要を説明する図である。 同じく、従来の係留装置の概要を説明する図である。
次に、本発明の実施の形態について図に基づいて詳細に説明する。なお、本発明の一実施の形態として、水域が、降雨出水等により水位が著しく変動する水力発電所の貯水池である場合を例として説明する
(第1実施の形態)
まず、第1実施の形態について図1〜図3に基づいて説明する。
図1(a)は、本発明の第1実施の形態の概要を説明する図であり、図1(b)は、図1(a)の矢線Aで示す部分の拡大図である。図示のように、貯水池1は、水域の周辺の整備されていない岸壁2と、この岸壁2と同様に整備されていない水底3とを有する水域である。岸壁2は、断面視において、後述する巻揚機14が設置された第1傾斜面2a及びこの第1傾斜面2aと対向する第2傾斜面2bを備える。水面L1は水位が変動する貯水池1の最高水位時における水面であり、船舶Sが浮かべられている。
係留装置10は、このような船舶S等の浮遊体を係留する装置であり、第1傾斜面2aと第2傾斜面2bとの間に張設された第1張架体である固定ワイヤロープ11、固定ワイヤロープ11に連結されるとともに、係留索保持部であるリール装置16が固定された係留索保持部移動機構12を備える。
固定ワイヤロープ11は、軸線に複数のスチール製のストランドを捩り巻いて形成される。この固定ワイヤロープ11は、貯水池1のほぼ中央の水域に該当する船舶Sの第2係留位置5の上方を通過して第1傾斜面2a及び第2傾斜面2bに設置された固定部2cと2dとの間に架け渡されるとともに、固定部2cと2dとの間の第2係留位置5の領域内に、後述する滑車装置13が吊下された状態で緊張が保持されて張設される。固定部2c、2dは、本実施の形態では第1傾斜面2a及び第2傾斜面2bに埋設されたコンクリートブロックによって形成される。
係留索保持部移動機構12は、回転体である滑車装置13、巻取繰出部である巻揚機14、第2張架体である移動ワイヤロープ15、係留索保持部であるリール装置16、Uボルト17を備えて形成され、貯水池1の第2係留位置5の上方を通過して張設される固定ワイヤロープ11における第2係留位置5の対応位置に滑車装置13が固定されるとともに、第1傾斜面2aに設置された固定部2cの近傍、本実施の形態では、固定部2cのコンクリートブロックと基礎部分を共有して巻揚機14が設置される。巻揚機14と滑車装置13との間には、移動ワイヤロープ15が設置され、その所定箇所にはリール装置16がUボルト17を介して固定される。そして、リール装置16には船舶S等の浮体を係留する係留索16aが巻回収容される。
巻揚機14は、第1ドラム14a、第2ドラム14b、運転切換部14cを具備して一体形成され、移動ワイヤロープ15の基端が第1ドラム14aに連結され、移動ワイヤロープ15は滑車装置13に巻回して折り返されて、その先端が更に第2ドラム14bに連結される。運転切換部14cの操作により、第1ドラム14aによって移動ワイヤロープ15の基端側が第1傾斜面2aへ近接する順方向へ送られるとともに、運転切換部14cの切換操作により、第2ドラム14bによって移動ワイヤロープ15の基端側が第1傾斜面2aから離間する逆方向へ送られる。なお、巻揚機14は、配電設備が備わっていない山間部の貯水池1で稼動可能な空圧式あるいは油圧式のものを使用することが好適である。
巻揚機14に連結された移動ワイヤロープ15の所定位置には、リール装置16がUボルト17で固定される。このリール装置16には図示しないリール部が収容されるとともに、係留索16aがリール部に巻回されて収容される。このリール部は、係留索16aをリール装置に巻き取る方向に、図示しないスプリングによって付勢される。また、係留索16aの先端にはフック16bが取り付けられており、船舶Sの舳先に形成された図示しない係止部に係止する。
次に、本実施の形態に係る係留装置10を使用した船舶Sの係留手順について説明する。
図2(a)及び(b)は、船舶Sを、係留装置10を使用して第1傾斜面2aの近傍水域に該当する第1係留位置4に係留させる状態、及び貯水池1のほぼ中央の水域に該当する第2係留位置5に係留させる状態を説明する図である。
図2(a)で示すように、移動ワイヤロープ15にUボルト17を介して固定されたリール装置16から係留索16aを引き出して、係留索16aの先端に取り付けられたフック16bを第1傾斜面2aの近傍水域に停泊する船舶Sの係止部に係止させる。この状態において、船舶Sが第1係留位置4において係留される。
そして、図2(b)で示すように、船舶Sが係留索16aのフック16bに係合された状態で巻揚機14を、船舶Sを第1係留位置4から離間させて第2係留位置5に近接させる順方向に駆動させると、この駆動に追従して移動ワイヤロープ15の基端側が第1傾斜面2aに近接する方向へ送られるので、移動ワイヤロープ15に固定されたリール装置16を介して連結される船舶Sが、矢線Bで示す第2係留位置5方向に移動される。この状態において、船舶Sが第2係留位置5において係留される。
図3は、貯水池1の水位が変動したときの係留装置10の状態を説明する図である。図示のように、水面L2はダムの放流等によって貯水池1の水位が変動幅hだけ低水位となった状況における水面である。貯水池1の水位の低下により、係留索16aに接続された船舶Sの重量によってリール装置16に巻回収容された係留索16aがリール装置16に巻き取る方向に付勢するスプリングの付勢力に抗して水位の変動幅h分が引き出され、水位の低下に追従して船舶Sが下降する。このとき、リール装置16内に巻き取る方向に付勢するスプリングの付勢力と船舶Sに作用する浮力との和は船舶Sの重量と等しいので、係留索16は緊張状態が保持されて船舶Sは第2係留位置5に係留保持される。
一方、貯水池1の水位の上昇により、船舶Sに作用する浮力によって係留索16aがリール装置16内に巻き取る方向に付勢するスプリングの付勢力に追従して巻き取られ、水位の上昇に追従して船舶Sが上昇する。このとき、リール装置16内に巻き取る方向に付勢するスプリングの付勢力と船舶Sに作用する浮力との和は船舶Sの重量と等しいので、係留索16aは緊張状態が保持されて船舶Sは第2係留位置5に係留保持される。
第2係留位置5に係留されている船舶Sを使用する場合は、船舶Sを第2係留位置5から第1係留位置4に移動させて第1傾斜面2aに接岸させる。すなわち、巻揚機14の運転切換部14aの操作によって、巻揚機14を、船舶Sを第2係留位置5から離間させて第1係留位置4に近接させる逆方向に駆動させると、この駆動に追従して移動ワイヤロープ15の基端側が第1傾斜面2aから離間する方向へ送られるので、移動ワイヤロープ15に固定されたリール装置16が矢線Cで示す第1係留位置4方向に移動される。この状態において、船舶Sが第1係留位置4において係留される。
以上のような構成とすることにより、係留装置10を構成する固定ワイヤロープ11、及び固定ワイヤロープ11に固定される滑車装置13、この滑車装置13と対向する第1傾斜面2aの対応位置に設置された巻揚機14、巻揚機14と滑車装置13との間に巻回される移動ワイヤロープ15、移動ワイヤロープ15に固定されるとともに係留索16aを巻回収容するリール装置16、を有して構成される係留索連結装置12が陸上設備及び空域設備として形成されて、貯水池1に水没していないので、設備が水と常時接触した状態とすることに起因する早期の腐蝕進行による設備の劣化を防止することで、係留装置10の耐久性の向上を得た上で船舶Sを係留させることができる。また、陸上設備及び空域設備によって係留装置10を形成しており、水域に水没していないので、水域に漂流する流木やその他の漂流物が水中設備及び水面設備、例えば係留索16aなどに絡まって係留索16aを切断するおそれがなく、故障の可能性が大幅に減少する。また、耐久性を得るとともに簡単な構成で形成できるので、設備コストを削減することができる。
貯水池1の水位変動が生じない場合や短時間だけ係留する場合は、第1係留位置4においてリール装置16に巻回収容される係留索16aに取り付けられたフック17を船舶Sの係合部に係止させるだけで簡易に係留することが可能である。その一方で、出水等によって貯水池1の水位が著しく変動する場合は、移動ワイヤロープ15によって船舶Sを第2係留位置5に係留させておくことにより、水位低下に伴って、整備されていない第1傾斜面2aに船舶Sが座礁することを回避することができる。
更に、係留索16aを介して船舶Sを係留するリール装置16は、係留索16aをリール装置16内に巻き取る方向にスプリングによって付勢されており、船舶Sに連結された係留索16aを常時緊張状態で保持しているので、降雨出水等により水位が著しく変動しても船舶Sを転覆させることなく第2係留位置5において確実に係留保持する。また、係留索16aを巻回するリール部がリール装置16内に巻き取る方向にスプリングによって付勢されているので、強風及び強風による波浪によって船舶Sが一時的に第2係留位置5の領域外へ誘導されても、係留索16aをリール装置16に巻き取る方向の付勢力によって第2係留位置5に再度係留保持される。
(第2実施の形態)
次に、図4によって本発明の第2実施の形態について説明する。
図4は、本実施の形態に係る係留装置30を説明する図である。なお、図4において図1〜3と同様の要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。図示のように、係留装置30は、第1傾斜面2a、第2傾斜面2bに埋設された固定部2cと2dとの間に張設された固定ワイヤロープ11と、第1傾斜面2a側から第2係留位置5まで船舶S1を移動させて係留させる第1係留索保持部移動機構12と、第2傾斜面2b側から貯水池1のほぼ中央の水域に該当する第4係留位置7まで船舶S2を移動させて係留させる第2係留索保持部移動機構22と、を備える。
第1係留索保持部移動機構12は、回転体である滑車装置13、巻取繰出部である巻揚機14、第2張架体である移動ワイヤロープ15、係留索保持部であるリール装置16、Uボルト17を備えて形成される。
第2係留索保持部移動機構22は、回転体である滑車装置23、巻取繰出部である巻揚機24、第2張架体である移動ワイヤロープ25、係留索保持部であるリール装置26、Uボルト27を備えて形成され、貯水池1の第4係留位置7の上方を通過して張設される固定ワイヤロープ11の軸線上において、固定ワイヤロープ11における第4係留位置7の対応位置に滑車装置23が第1係留索保持部移動機構12の滑車装置13と隣接配置されて固定されるとともに、第2傾斜面2bに設置された固定部2dの近傍、本実施の形態では、固定部2cのコンクリートブロックと基礎部分を共有して巻揚機24が設置される。巻揚機24と滑車装置23との間には移動ワイヤロープ25が設置され、その所定箇所にはリール装置26がUボルト27を介して固定される。そして、リール装置26には船舶S2等の浮遊体を係留する係留索26aが巻回収容される。
巻揚機24は、第1ドラム24a、第2ドラム24b、運転切換部24cを具備して一体形成され、移動ワイヤロープ25の基端が第1ドラム24aに連結され、移動ワイヤロープ25は滑車装置23に巻回して折り返されて、その先端が更に第2ドラム24bに連結される。運転切換部24cの操作により、第1ドラム24aによって移動ワイヤロープ25の基端側が第2傾斜面2bへ近接する順方向へ送られるとともに、運転切換部24cの切換操作により、第2ドラム24bによって移動ワイヤロープ25の基端側が第2傾斜面2bから離間する逆方向へ送られる。
なお、第2係留索保持部移動機構22の滑車装置23は第1係留索保持部移動機構12の滑車装置13、移動ワイヤロープ25は移動ワイヤロープ15、リール装置26はリール装置16、Uボルト27はUボルト17、にそれぞれ対応するので、上述した点を除いて、その詳細な説明を省略する。
次に、本実施の形態に係る係留装置30を使用した船舶S1及び船舶S2の係留手順について説明する。まず、第1係留索保持部移動機構12の移動ワイヤロープ15にUボルト17を介して固定されたリール装置16から係留索16aを引き出して、係留索16aの先端に取り付けられたフック16bを第1傾斜面2aの近傍水域に停泊する船舶S1の係止部に係合させる。この状態において、船舶S1が第1係留位置4において係留される。
そして、船舶S1が係留索16aのフック16bに係合された状態で巻揚機14を、船舶S1を第1係留位置4から離間させて第2係留位置5に近接させる順方向に駆動させると、この駆動に追従して移動ワイヤロープ15の基端側が第1傾斜面2aに近接する方向へ送られるので、移動ワイヤロープ15に固定されたリール装置16が矢線Bで示す第2係留位置5方向に移動される。この状態において、船舶S1が第2係留位置5において係留される。
この第1係留索連結装置12と同様の手順に従って、船舶S2は第2係留索連結装置22によって第2傾斜面2bの近傍水域である第3係留位置6に係留される。そして、船舶S2が係留索26aのフック26bに係合された状態で巻揚機26を船舶S2を第3係留位置6から離間させて、貯水池1のほぼ中央の水域に該当する船舶S2の第4係留位置7に近接させる順方向に駆動させることで、リール装置26が矢線Dで示す第4係留位置7に移動されて、船舶S2が第4係留位置7に係留される。
貯水池1の水位が、ダムの放流等によって下降する場合は、係留索16a、16bに接続された船舶S1、S2の重量によってリール装置16、26に巻回収容された係留索16a、26aがリール装置16、26内に巻き取る方向に付勢するスプリングの付勢力に抗して水位の変動幅分が引き出され、水位の低下に追従して船舶S1、S2が下降する。このとき、リール装置16、26内に巻き取る方向に付勢するスプリングの付勢力と船舶S1、S2に作用する浮力との和は船舶S1、S2の重量と等しいので、係留索16、26は緊張状態が保持されて船舶S1、S2は第2係留位置5及び第4係留位置7に係留保持される。
一方、貯水池1の水位の上昇により、船舶S1及び船舶S2に作用する浮力によって係留索16a、26aがリール装置16、26内に巻き取る方向に付勢するスプリングの付勢力に追従して巻き取られ、水位の上昇に追従して船舶S1及び船舶S2が上昇する。このとき、リール装置16、26内に巻き取る方向に付勢するスプリングの付勢力と船舶S1及び船舶S2に作用する浮力との和は船舶S1及び船舶S2の重量と等しいので、係留索16a、26aは緊張状態が保持されて船舶S1及び船舶S2は第2係留位置5及び第4係留位置7に係留保持される。
第2係留位置5及び第4係留位置7に係留されている船舶S1及び船舶S2を使用する場合は、船舶S1を第2係留位置5から第1係留位置4に移動させて第1傾斜面2aに接岸させるとともに、船舶S2を第4係留位置7から第3係留位置6に移動させて第2傾斜面2bに接岸させる。すなわち、巻揚機14の運転切換部14aの操作によって、船舶S1を第2係留位置5から離間させて第1係留位置4に近接させる逆方向に移動ワイヤロープ15を送ると、移動ワイヤロープ15に固定されたリール装置16が矢線Cで示す第1係留位置4方向に移動される。この状態において、船舶S1が第1係留位置4において係留される。また、巻揚機24の運転切換部24aの操作によって、船舶S2を第4係留位置7から離間させて第3係留位置6に近接させる逆方向に移動ワイヤロープ25を送ると、移動ワイヤロープ25に固定されたリール装置26が矢線Eで示す第3係留位置6方向に移動される。この状態において、船舶S2が第3係留位置6において係留される。
以上のような構成とすることにより、第1実施の形態の係留装置10と同様に、第1係留索保持部移動機構12及び第2係留索保持部移動機構22を構成する全ての設備が陸上設備及び空域設備として構成され、貯水池1に水没していないので、設備が水と常時接触した状態とすることに起因する早期の腐蝕進行による設備の劣化を防止することで、係留装置10の耐久性の向上を得た上で船舶Sを係留させることができるという第1実施の形態と同様の効果が得られる。
更に、固定ワイヤロープ11を第1係留索保持部移動機構12と共有化して第2係留索保持部移動機構22を設置することができるので、空域を有効活用して船舶S2を係留させることができる。従って、1以上の船舶S1、S2を第2係留位置5及び第4係留位置7に係留させることが可能となるので、岸壁付近で集中的に船舶を係留することに基づく混雑状態を解消して、貯水池1における船舶の航行を円滑に実行することができる。
なお、本発明は上記実施の形態に限定されることはなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。例えば」、上記第1実施の形態及び第2実施の形態では、係留装置10、30が適用される水域を降雨出水等により水位が著しく変動する水力発電所の貯水池1である場合を例として説明したが、貯水池1に限定されず、船舶Sを係留する必要のある水域であれば湖沼、河川、港湾等において適用可能である。

更に、貯水池1を上方からみた図5で示すように、第2実施の形態に係る係留装置30を互いに隣接させて平行に配置して船舶S1〜S4を係留するように構成してもよい。この場合、互いの係留装置30の間隔は、それぞれの船舶S1〜S4が衝突しない間隔を隔てて設置される。なお、図5では2基の係留装置30を互いに隣接配置した例を示したが、船舶が衝突しない範囲で設置できる限り、これ以上の係留装置30を設置してもよい。
また、本実施の形態では、固定ワイヤロープ11の岸壁2への固定は、コンクリートブロックで構成された固定部2c、2dで固定されることを例として説明したが、岸壁に支柱を立設してこの支柱に固定ワイヤロープ11を固定してもよい。
2 岸壁
2a 第1傾斜面
2b 第2傾斜面
4 第1係留位置
5 第2係留位置
6 第3係留位置
7 第4係留位置
10 係留装置
11 固定ワイヤロープ
12 係留索保持部移動機構、第1係留索保持部移動機構
13、23 滑車装置
14、24 巻揚機
15、25 移動ワイヤロープ
16、26 リール装置
16a、26a 係留索
22 第2係留索保持部移動機構

Claims (4)

  1. 岸壁間の水域に浮く船艇を係留する係留装置において、
    前記水域を挟んで対向する前記岸壁の間で、かつ前記水域の上方空域にて懸架された第1張架体と、
    該第1張架体に係合されて、前記船艇を係留する係留索の一端を保持する係留索保持部と、
    該係留索保持部を前記岸壁の一方と前記水域の中央領域の上方位置との間で移動させる係留索保持部移動機構と、
    を備えたことを特徴とする係留装置。
  2. 前記係留索保持部移動機構は、
    前記水域の中央領域で前記第1張架体に設けられた回転体と、
    前記対向する岸壁の一方に設置されて索の繰り出し及び巻き取りを行う巻取繰出部と、
    該巻取繰出部と前記回転体との間で往復張架された第2張架体と、を備え、
    前記第2張架体に前記係留索保持部を固定するとともに前記巻取繰出部による前記第2張架体の繰り出し及び巻き取り動作で前記係留索保持部を移動させることを特徴とする請求項に記載の係留装置。
  3. 前記係留索保持部移動機構は、
    前記第1張架体の軸線方向に複数設置され、
    前記水域の中央領域と前記岸壁の一方との間に設けられた第1係留索保持部移動機構と、
    前記中央水域において該第1係留索保持部移動機構と隣接配置され、該中央水域と前記岸壁の他方との間に設けられるとともに前記第1係留索保持部移動機構の第2張架体に対して相対的に移動する第2張架体を有する第2係留索保持部移動機構と、
    を備えたことを特徴とする請求項1または2に記載の係留装置。
  4. 前記係留索保持部は、
    前記保持する係留索を該係留索側に常時引き込む方向に付勢することを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の係留装置。
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