JP5105888B2 - ガス拡散電極、燃料電池及びガス拡散電極の製造方法 - Google Patents

ガス拡散電極、燃料電池及びガス拡散電極の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は燃料電池用ガス拡散電極、燃料電池及びガス拡散電極の製造方法に関するものである。
固体高分子型燃料電池は、エネルギー変換効率が高いこと、クリーンであること、静かであること、運転温度が100℃以下であることなどから、将来のエネルギー生成装置として期待されている。
また固体高分子型燃料電池はエネルギー密度が高く、運転温度が低いことから、近年では、自動車や家庭用発電機などの用途だけではなく、携帯電話、ノート型パソコン、デジタルカメラなど携帯用電気機器などの用途も検討されている。固体高分子型燃料電池は、従来のリチウムイオン二次電池に比べ携帯機器を長時間駆動できる可能性があり、注目を集めている。
固体高分子型燃料電池は、一般的には、膜電極接合体(以下、「MEA」)を導電性セパレータで挟持した構造となっている。MEAは固体高分子電解質膜を一対の多孔質なガス拡散電極で挟持した構造となっている。
一般に固体高分子型燃料電池は、発電時間の経過に伴って次第にフラッディング現象により電圧が低下し、終には発電が停止するという問題点を有している。
フラッディング現象とは、反応で生じる水がガス拡散電極の空隙内に滞留するために、反応物質である燃料ガスの供給が妨げられて、電圧低下や発電反応停止が生じる現象である。特に水が生成するカソード側のガス拡散電極でフラッディングが起きやすい。このため、ガス拡散電極からの生成水の散逸性を向上させることが燃料電池の性能安定性を左右する重要な要素となる。
このため、通常はガス拡散電極はポリテトラフルオロエチレン(PTFE)などの疎水性樹脂が添加されており、空孔内が疎水化されている。
更に自動車用途や家庭用発電機用途の燃料電池では、ブロアーや温湿度制御機器などの補機用いて、ガス拡散電極を適切な温湿度環境に維持することが行われている。
しかし携帯用電気機器用の燃料電池では、補機の消費電力と電池寸法を抑えるために、できるだけ補機を用いずに、小型化・軽量化を図ることが求められる。
このため温湿度制御機器は使用しないことが求められ、またファンやブロアーは、使用しないか、使用する場合でもできるだけ低風量なものを使用することが好ましい。このように携帯機器用燃料電池のガス拡散電極には、低風量でもフラッディングを起こさないことが求められる。
このため携帯用電気機器用燃料電池のガス拡散電極では、低風量であってもフラッディングに対処できる機能が求められている。
ガス拡散電極の例としては、炭素繊維シートに、触媒を担持したものがある。(例えば特許文献1〜6)炭素繊維シートとしては直径数μmの炭素繊維からなるカーボンペーパーやカーボンクロスが最も多く用いられている。炭素繊維は、燃料電池反応による生成水を迅速に排出する目的のため、PTFEなどの疎水性樹脂がコーディングされ、疎水化処理されていることが一般的である。
しかしこのような構成では、ガス拡散電極とセパレータとの界面は繊維質であるため、ピーク空孔径が数10μm以上と大きい。このため毛管力が弱く、十分な排水性が得られないので、フラッディングが起きやすいという問題点がある。
この問題点を解決するため、最近主流になっているのが、(1)炭素繊維からなる炭素繊維層、(2)炭素微粒子層(以下、「MPL」)、と(3)白金を担持したカーボン微粒子からなる触媒層の、3層を積層した構造のガス拡散電極である。((例えば、特許文献5〜7、またはELAT(米国登録商標)、E−TEK社製)
現在は、前記(1)炭素繊維層と(2)MPLを積層したものが、ガス拡散層として複数のメーカーから市販されているため、本明細書ではこれをガス拡散層(以下、「GDL」)と呼称する。(市販例:商品名LT−1200W(E−TEK社)、Avcarb2120(バラード社、カーベル(登録商標、ジャパンゴアテックス株式会社))
前記GDLでは繊維層とMPLの界面は必ずしも明確でなく、MPLが繊維層中に一部浸入したり、炭素繊維間にもMPLと同様の組成を有する炭素微粒子が配置されていたりすることが多い。
MPLは、PTFEなどの疎水性樹脂をバインダーとして含んだ炭素微粒子からなる。炭素微粒子はアセチレンブラックなどを黒鉛化したものが用いられることが多い。
MPLの空孔径分布は0.1〜数μm程度であるので透水性が低く、触媒層からの排水をある程度妨げる働きをする。このためMEA中の電解質が保湿されるという効果を奏する。またMPLは繊維層で滞留した生成水が触媒層に逆流することを防ぐという効果も奏する。
このようにガス拡散電極を3層構造とすることにより、GDLの一部で生成水が滞留しても、触媒層への給気は保たれるので、フラッディングを抑制できる。
しかしながら特許文献8によれば、前記GDLでは、GDL/セパレータ界面は繊維質であり、かつこの界面が親疎水性界面であることから、この界面で生成水が滞留しやすくフラッディングが生じやすいという問題点が指摘されている。
特許文献8には、この界面にMPLと同じ組成から成る層を設けることによって、この問題を解決できることが示されている。また特許文献9にも、同様の構造のガス拡散電極が開示されている。
一方、特許文献10及び11には、スパッタ法やイオンプレーディング法などの気相成膜法を用いて、従来よりも薄い触媒層を形成する方法が開示されている。
このように最近、スパッタ法などの製法を用いて、薄膜の触媒層を形成する手法が開発されてきている。このような薄膜触媒層は従来よりも触媒層の膜厚が小さいため、反応ガスや生成水などの拡散距離が短く、物質拡散性に優れるので、少量の触媒金属量でも高い発電性能を得られるという利点を有する。
また製造時に必要な有機溶剤量が従来よりも少なくて済むため、環境負荷が少ないという利点も有する。
特開1996−106915号公報 特表1999−510311号公報 特表2002−534773号公報 特開2006−032170号公報 特許第3773325号 特許第3444530号 特許第3594533号 特開2002−343369号公報 米国特許660538号明細書 特開2006−49278号公報 特表2001−51959号公報
しかし特許文献10及び11に示されているスパッタ法などを用いて形成される薄膜触媒層は、担体を用いないため、空孔容積が従来の白金担持カーボン触媒層よりも小さくなっている。
このため触媒層に滞留する生成水が少量であっても、容易にフラッディングが起こるという問題点がある。このため特許文献5〜9に記載の構成のGDLを用いた場合、MPLが触媒層からの排水を妨げるので、薄膜触媒層がフラッディングしやすくなるという問題点がある。
また前記薄膜触媒層を特許文献1〜4に記載されているような構成のガス拡散電極に適用した場合には、前記したように毛管力が弱いので十分な排水性が得られず、やはりフラッディングが起きやすいという問題点がある。
従来技術では上記のような問題があり、スパッタ法やイオンプレーティング法によって形成される薄膜触媒層のフラッディングを抑制し、かつ製造コストのかからない技術が求められていた。
本発明は以上のような事情に鑑みて構成されたもので、ガス拡散電極のフラッディングを抑えた固体高分子型燃料電池用ガス拡散電極及びその製法を提供するものである。
また本発明は、上記のガス拡散電極を用いて、安定な発電特性を有する固体高分子型燃料電池を低コストで提供するものである。
本発明は上述した課題を解決するために鋭意検討を行ってなされたものであり、下述する構成のものである。
すなわち、本発明は、導電性繊維からなる膜と、該膜の一方の面に接して存在する導電性微粒子からなる層と、触媒と、を有するガス拡散電極において、前記導電性繊維からなる膜は、前記触媒を担持している領域と、前記触媒を担持していない領域からなり,前記触媒を担持している領域は、前記導電性繊維からなる膜の前記導電性微粒子からなる層と接している面とは反対側の面を含んで存在していることを特徴とするガス拡散電極である。ここで「一方の面」、「他方の面」というのは、導電性繊維からなる膜の主面とでもいうべき面であって、導電性繊維からなる膜の形状を直方体に近似できる場合には、3組の対向する面のうち最も面積の大きい一対の面のことである。なお、導電性繊維からなる膜が円柱に近似できるときには、「一方の面」、「他方の面」は、上面と下面とになるのが通常である。導電性繊維からなる膜を直方体や円柱に近似できない場合であっても、常識的に判断することができる。なお、現実にはそれぞれの面は凹凸を有するものである。
前記触媒は、前記触媒を担持している領域の導電性繊維に直接担持されていることが好ましい。
また、前記導電性繊維からなる膜の前記触媒を担持している領域及び前記触媒を担持していない領域並びに前記導電性微粒子からなる層は、いずれも疎水剤を含有していることが好ましい。
また、前記触媒を担持している領域の前記一方の面とは垂直な方向の厚さが20μm以上であることが好ましく、前記触媒を担持していない領域の前記一方の面とは垂直な方向の厚さが50μm以上であることが好ましい。ここで、「前記一方の面とは垂直な方向」というのは、「一方の面」を平面に近似した場合にその平面に垂直な方向という意味である。これは、一般的にしばしば使用される「膜厚方向」と同義である。
前記触媒は、酸化反応性スパッタリング又は反応性イオンプレーティングによって前記導電性繊維上に形成されたものであることが好ましい。
前記触媒は、酸化白金を還元して得られたものであることが好ましい。
また、本発明は、一対のガス拡散電極と、該一対のガス拡散電極に狭まれた電解質膜と、を少なくとも有する燃料電池において、該一対のガス拡散電極の少なくとも一方が、上述したいずれかに記載のガス拡散電極であり、前記触媒を担持している領域が前記電解質膜に接していることを特徴とする燃料電池である。
また、本発明は、導電性繊維からなる膜と、該膜の一方の面に接して存在する導電性微粒子からなる層と、触媒と、を有するガス拡散電極の製造方法において、前記導電性繊維からなる膜の、前記導電性微粒子からなる層とは接していない面側に、触媒又はその前駆体を酸化反応性スパッタリング又は反応性イオンプレーティングによって形成することによって、前記導電性繊維からなる膜に前記触媒又はその前駆体を担持している領域と前記触媒又はその前駆体を担持していない領域を形成する工程を有することを特徴とするガス拡散電極の製造方法である。
前記工程において前記導電性繊維からなる膜に酸化白金からなる触媒前駆体を形成した後に、該酸化白金を還元して触媒とする工程をさらに有することが好ましい。
本発明は上記のガス拡散電極を用いて、安定な発電特性を有する固体高分子型燃料電池を提供するものである。さらにシンプルな製法であるため、燃料電池を低コストで提供できる。
本発明によれば、ガス拡散電極のフラッディングを抑制することができるため、燃料電池を長時間安定に駆動させることができる。
以下、図面を用いて、本発明のガス拡散電極の好適な実施の形態及び本発明の燃料電池の好適な実施の形態について説明する。ただし、本発明の範囲は特許請求の範囲によって定まるものであり、以下の記載は本発明の範囲を限定するものではない。たとえば、以下に記載されている材質、寸法、形状、配置、製造条件等は、この発明の範囲を限定するものではない。
図1は、本発明のガス拡散電極を用いた燃料電池単セルの断面構成の一例を示す模式図である。図1に示す燃料電池単セルは、MEA(膜電極接合体)14の一方にアノード側セパレータ4とアノード側集電板5とが順に配置されており、MEA14の他方にカソード側セパレータ6とカソード側集電板7とが順に配置されている。MEA14は固体高分子電解質膜(以下、単に「電解質膜」という場合がある)1を、アノード側ガス拡散電極2とカソード側ガス拡散電極3で挟んだ構成となっている。
本例の燃料電池は、アノード側ガス拡散電極2に水素が供給され、カソード側ガス拡散電極3に空気もしくは酸素が供給されるものである。したがって、アノード側ガス拡散電極を水素極、カソード側ガス拡散電極を空気極(あるいは酸素極)と呼ぶこともできる。
本例のアノード側ガス拡散電極2は、電解質膜1に近い側から順に、触媒層10、導電性微粒子層(以下、「微細孔層(MPL)」という場合がある)9、導電性繊維からなる層(以下、「導電性繊維層」という場合がある)8が積層されて構成される。
一方、本例のカソード側ガス拡散電極3は、電解質膜1に近い側から順に、導電性繊維層11、MPL9が積層されて構成される。導電性繊維層11は触媒を担持している領域(以下、「触媒担持層」という場合がある)12と触媒を担持していない領域(以下、「触媒非担持層」という場合がある)13に分かれている。本例では、触媒担持層12の導電性繊維11は触媒を直接担持している。また、本例の導電性繊維層11、MPL9は、いずれも疎水剤としてフッ素系の樹脂を含有している。
すなわち、本例は、カソード側ガス拡散電極のみを本発明のガス拡散電極とした例である。もっとも、ガス拡散電極の配置構成はこれに限定されるものではない。例えば、両方の電極を本発明のガス拡散電極としてもよいし、アノード側ガス拡散電極のみを本発明のガス拡散電極としてもよい。もっとも、水が生成するカソード側のガス拡散電極でフラッディングが起きやすいことからすれば、少なくともカソード側ガス拡散電極を本発明のガス拡散電極とすることが好ましい。
次に各部材の材料について説明する。
セパレータ4及び6の材料としては、導電性と耐酸性に優れた材料が好適に用いられる。好適な材料の具体例としては、カーボン、SUS(ステンレス)、金で被覆したSUS、カーボンで被覆したSUS、金で被覆したアルミニウム、カーボンで被覆したアルミニウムを挙げることができる。
また集電板5及び7の材料としては、導電性と耐酸化性に優れた材料が好適に用いられる。好適な材料の具体例としては、セパレータと同様、カーボン、SUS(ステンレス)、金で被覆したSUS、カーボンで被覆したSUS、金で被覆したアルミニウム、カーボンで被覆したアルミニウムを挙げることができる。なお、セパレータと集電板を一体とすることもできる。
固体高分子電解質膜1としては、アノード側からカソード側に向かってプロトン(H)が移動しやすい材料が好適に用いられる。プロトンが電解質膜中をカソード側に向かって移動する場合には水分子を媒体として電解質中の親水性部分を移動する場合が多いので、固体高分子電解質膜は水分子を保有する機能(保水機能)も有していることが好ましい。また、固体高分子電解質膜は、未反応の反応ガス(水素および酸素)を通さないことが好ましい。
固体高分子電解質膜1には、このような機能を有する材料のうち、諸条件を考慮して任意の材料を選択して使用することができる。
そのような材料としては、スルホン酸基を有する高分子やリン酸基などを有する高分子を挙げることができる。中でも、スルホン酸基を有するパーフルオロカーボン重合体を好適に使用することができる。パーフルオロスルホン酸重合体の例としては、ナフィオン(登録商標、デュポン社製)が挙げられる。
前述したように、本例のカソード側ガス拡散電極3は、電解質膜1に近い側から順に、導電性繊維層11、MPL9が積層されて構成されている。また、導電性繊維層11は電解質1に近い側の触媒を担持している領域(触媒担持層)12と電解質膜に遠い側の触媒を担持していない領域(触媒非担持層)13に分かれている。すなわち、本例のカソード側ガス拡散電極3は本発明のガス拡散電極である。
以下、本発明のガス拡散電極の好適な形態について、本例のカソード側ガス拡散電極3を例にとって説明する。
まず、MPL9としては、炭素微粒子からなる層が好適に用いられる。より具体的な例としては、炭素微粒子と撥水性樹脂の混合物からなる多孔質で撥水性を有する導電体をMPLとすることが好ましい。炭素微粒子としては、例えばケッチェンブラック、アセチランブラック、カーボンナノチューブ、カーボンナノファイバーまたは針状黒鉛など、あるいはこれらを混合したものなどを使用することができる。
一般には、MPLは、前記炭素微粒子とPTFEなどの撥水性樹脂と界面活性剤と溶媒とからなるスラリーを導電性繊維層に塗布し、350〜380℃で焼成して界面活性剤と溶媒を除去することで得られる。スラリーの塗布方法としては、スクリーンプリント法やスプレーコーティング法を用いることができる。
このためMPL9と導電性繊維層の界面は必ずしも明確でなく、MPLが導電性繊維層中に一部浸入している場合が多い。
MPL9は生成水の排水を妨げる働きをするので、MEA中の電解質膜を保湿することができる。
MPLが厚いほど電解質膜を保湿する効果が大きくなるが、同時にガス拡散電極からの排水量が小さくなるためフラッディングが起こりやすくなってしまう。電解質膜の保湿とフラッディング防止を両立させるという観点から、MPLの厚さは40〜180μm程度が好ましく、60〜100μmの範囲がより好ましい。
また、MPL9は、GDL3とセパレータ6との界面で生成水を滞留しにくくするという効果を奏する。何故ならセパレータ6に接してMPL9が存在することにより、GDL/セパレータ界面で凝縮する生成水が細かい水滴となり、水体積あたりの蒸発面積が大きくなって蒸発しやすくなるからである。
また、一般的な構成ではセパレータ流路(図1中セパレータ4、6に存在する白抜きの部分)に面するGDL表面が繊維質で凹凸があったのに対し、本発明の構成では比較的平滑なMPL表面がセパレータ流路に面している。このため生成水の水滴によって覆われる前記界面の面積が従来よりも小さい。このため、セパレータ流路を流れる空気が比較的低流量であっても水滴を除去することが可能となり、フラッディングが起こりにくくなっている。
カソード側ガス拡散電極3は、導電性繊維層11の片面にMPL9を積層し、導電性繊維層11のMPL9とは反対の面に触媒を成膜して導電性繊維層11の一部を触媒担持層12にすることで得られる。
具体的には、導電性繊維層11にMPL9を積層した後、導電性繊維層11のMPLと反対側の面にスパッタリングやイオンプレーティング法などによって触媒を成膜することで、導電性繊維層11中に触媒担持層12と触媒非担持層13が形成される。触媒担持層12の厚さは、20μm以上であることが好ましい。
触媒を成膜するにあたっては、酸化雰囲気中で行う反応性スパッタリング(酸化反応性スパッタリング)や反応性イオンプレーティングで導電性繊維上に触媒の酸化物を成膜することが好ましい。この場合、成膜後に触媒酸化物の還元処理を行うことで、触媒金属を担持した触媒担持層12が得られる。ここで、触媒酸化物は触媒前駆体である。このようにすることにより、非反応性スパッタなどを使用した場合に比べて、大きな比表面積を有する触媒が得られる。触媒酸化物としては、酸化白金(白金酸化物)あるいは白金と他の金属との複合酸化物を好適に用いることができる。
このような方法で得られる好適な触媒としては、特開2006−49278号公報に記載の樹枝状構造を有する触媒が挙げられる。
前記のような触媒担持層12に疎水剤を添加するには、特開2006−332041に記載の公知技術を使用することが特に好ましい。この方法は、白金酸化物の触媒作用で加水分解反応を起こし重合可能基を生成する疎水性置換基を有するSi化合物を、白金酸化物に接触させた後に、このSi化合物を白金酸化物の近傍で重合反応させることで、疎水剤を白金酸化物表面に生じさせ、その後に白金酸化物を還元するという方法である。この方法によれば、触媒担持層12の触媒層のみにメチルシロキサンなどからなる疎水剤を簡便に添加することができる。
ガス拡散電極をフッ素樹脂溶液に含浸処理する従来の疎水化方法を使用することも可能である。しかしこの場合、MPL9及び触媒非担持層13にも新たにフッ素樹脂が添加されその分だけ細孔が塞がれてガス拡散性が多少低下することを防止するためには、特開2006−332041に記載の方法を用いる方がより好ましい。
触媒非担持層13の厚さは、15μm以上であることが好ましく、30μm以上であることがより好ましい。触媒非担持層13の厚さを15μm以上にすることでガス拡散電極でのフラッディングを抑制することが可能となり、30μm以上にすることでさらにフラッディングを抑制することができる。
導電性繊維層11としては、炭素繊維からなる織布や不織布を好適に用いることができる。炭素繊維間にMPLと同様の組成を有する炭素微粒子などが配置されているものも好ましく用いることができる。導電性繊維層11としては、例えばカーボンクロスやカーボンペーパー、またはエレクトロスピニング法によって形成される樹脂ナノファイバーを炭化処理したシート状材料などに、PTFEなどの撥水性樹脂を含浸処理したものを、好ましく用いることができる。
導電性繊維層11は、少なくとも片面の表面から少なくとも20μmまでの深さの領域において、モード径10μm〜100μmの空隙を有しているものが好ましい。導電性繊維層がこのような空隙を有していると、触媒粒子を繊維層の表面から20μm以上の深さにある導電性繊維にまで担持させることができる。ガス拡散電極3が10μm以下の空隙しか有していないと、触媒をガス拡散電極3の表面近傍にしか担持させることができず、本発明の効果が小さい。
反対に、繊維層11が100μm以上の空隙を有していると、触媒が繊維層11の奥深くまで担持されてしまい、触媒非担持層13の厚みが薄くなってしまう。
導電性繊維層11中にモード径が10μm以上の空隙が形成されるようにするという観点からは、導電性繊維層11を構成する導電性繊維として、直径1μm〜10μmのものを用いることが好ましい。
酸化剤として空気もしくは酸素を用いる場合、カソード側触媒層として機能すべき触媒担持層12に含まれる触媒には、酸素を還元する能力が求められる。
そのような機能を有する触媒の材質としては、白金、またはロジウム、ルテニウム、イリジウム、パラジウム、オスミニウム等の白金族金属と白金との合金を挙げることができる。また、触媒の形状としては、樹枝状の形状や直径2〜10nmの微粒子の集合体を挙げることができる。
本発明のガス拡散電極は、上述したように、導電性繊維層11を、炭素繊維上に触媒を担持した触媒担持層12と、触媒非担持層13に分け、かつMPL9が触媒非担持層13に接するようにしているものである。言い換えると、本発明のガス拡散電極は、導電繊維層11のガス給気側であるセパレータ側にMPLを設けていることを特徴とする。
ガス拡散電極をこのような構造にすることで、触媒担持層12で生成した水は、触媒非担持層13へと導かれ、そこで滞留した後、MPL9の細孔を通過してセパレータ側に排出される。すなわち、触媒非担持層13は生成水のバッファーとして作用する。
触媒非担持層13が存在することにより、触媒層中で凝縮した生成水が触媒層を覆わずに蒸発できる面積が増加するため、本発明のガス拡散電極ではフラッディングが起こりにくい。
触媒非担持層13が無い場合、すなわち触媒担持層12とMPL9が直接接する場合、触媒層中で凝縮した水はすべて、再度蒸発するまでの間、触媒層を覆って存在する。このため給気が妨げられる触媒が多くなり、結果として燃料電池電圧が低下する恐れがある。
さらに上述したような触媒担持層12では、電極面積あたりの触媒成膜面積は、従来の一般的なガス拡散電極に比べて広くなっている。このため、同じ量の触媒を担持させた場合に、従来よりも触媒層の平均厚みを薄くすることができる。すなわち、触媒担持量が等しい場合には、本発明のガス拡散電極は、従来のガス拡散電極と比べて触媒層内部の空孔から迅速に排水が行われるので、従来のガス拡散電極よりもフラッディングしにくくなっている。
また従来は触媒層からの排水経路は触媒層の膜厚方向であったのに対し、本発明のガス拡散電極では触媒層が導電性繊維に担持されて触媒担持層となっているので、排水経路は触媒層の表面となっている。より具体的には、触媒担持層中の繊維と空隙との界面に沿って触媒層が存在している。また、MPLは疎水化された多孔質体であるので、従来の構成では、生成水が触媒層からMPLに移動するには、MPLの疎水性細孔内に水を押し込むための大きな圧力が必要であった。これに対し、本発明のガス拡散電極では、水は触媒層の表面を移動して排水されるので、触媒非担持層13までの水の移動抵抗は小さい。したがって、触媒層から迅速に水が排出される。
このため、本発明のガス拡散電極は触媒層中に生成水が滞留しにくくなっている。
一方、前述したように、本例では、アノード側ガス拡散電極2としては、触媒層10、微細孔層(MPL)9、導電性繊維層8が積層された電極を用いている。これは、比較的一般的な電極であり、その構成部材である触媒層10、MPL9、炭素繊維層8としては、種々の一般的な材料を適宜選択して用いることができる。
本例で好適に用いられるアノード側触媒層10は、触媒とプロトン伝導性電解質とからなる多孔質層である。
燃料として水素を用いる場合、アノード側触媒層10に含まれる触媒には、水素を酸化する能力が求められる。
そのような機能を有する触媒の材質としては、白金、またはロジウム、ルテニウム、イリジウム、パラジウム、オスミニウム等の白金族金属と白金との合金を挙げることができる。また、触媒の形状としては、樹枝状の形状や直径2〜10nmの微粒子の集合体を挙げることができる。
アノード側触媒層10の製造方法としては、触媒の微粒子を炭素微粒子上に分散担持したものをプロトン伝導性電解質及び溶媒などからなるスラリーを、PTFEなどのシート上に塗布・乾燥した後、固体電解質膜1に熱転写する方法を挙げることができる。その場合、触媒層にPTFEなどの撥水剤を混合するとさらに好ましい。スラリーの塗布方法としては、スクリーンプリント法やスプレーコーティング法を用いることができる。
アノード側繊維層8はMPL9とともに、燃料電池反応を効率良く行わせるために、燃料ガスを燃料極の電極反応領域へ、面内で均一に充分に供給するとともに、アノード電極反応によって生じる電荷を単セル外部に放出させる役割を担うものである。
またカソード側のガス拡散電極から逆拡散によって膜を透過してくる生成水を単セル外部に効率よく排出する役割も有する。
アノード側繊維層8は導電性繊維と疎水性樹脂からなる多孔質導電体であり、導電性繊維として炭素繊維を好ましく用いることができる。また炭素繊維の他にも、発泡金属または金属繊維を用いることもできる。
繊維層8の具体例としては、例えばカーボンクロスやカーボンペーパー、またはエレクトロスピニング法によって形成される樹脂ナノファイバーを炭化処理したシート状材料などに、PTFEを含浸処理したものを好ましく用いることができる。
なお繊維層8中の導電性繊維間にMPLと同様の組成を有する炭素微粒子が配置されているものも好ましく用いることができる。
本発明のガス拡散電極を用いた燃料電池単セルの作製方法としては、様々な方法が挙げられるが、図1に示した構成の場合を例として、以下にその一例を挙げて説明する。なお、本発明は下記の製法になんら限定されるものではない。
(1)カソード側ガス拡散電極を作製する。
ガス拡散電極基材として疎水化処理が施されたカーボンペーパーの片面にMPL層9が形成されたものを準備する。カーボンペーパーの炭素繊維層側の面に、反応性スパッタ法により多孔質白金酸化物層を形成する。引き続き、特開2006−332041に記載の公知技術に従い、触媒層を疎水化する。すなわち、得られた多孔質白金酸化物層を、疎水性置換基を含むSi化合物の気体とを接触させることによって、触媒表面上に疎水剤を形成する。その後加熱によって、疎水剤の重合反応を促進しても良い。
(2)白金酸化物層を還元処理する
つづいて、このガス拡散電極を水素雰囲気中に投入し、白金酸化物層を還元処理することによってカソード側触媒担持層12を形成し、カソード側ガス拡散電極(図1中の11と11に隣接する9で示される部分との一体物)を得る。
さらにその後、得られたガス拡散電極にNafion溶液(5wt%,和光純薬製)を希釈したものを適量滴下し、その後真空中にて溶媒を揮発させることで、触媒表面にプロトンパスを形成する。
(3)アノード用の触媒層シートを準備する。
PTFEシート上に、ドクターブレードを用いて白金担持カーボン触媒層を形成して、アノード用触媒層シートを作成する。触媒層の厚さは20〜40μmの範囲が好ましい。ここで使用する触媒スラリーは、白金担持カーボン(Jhonson Matthey製、HiSPEC4000)及びNafion、PTFE、IPA(イソプロピルアルコール)、水の混錬物である。
(4)MEAを作成する。
工程(2)及び(3)で得られたカソード側ガス拡散電極及びアノード用触媒層シートによって、固体高分子電解質膜(Dupont製、Nafion112)1を挟みこんでホットプレスを行う。さらにアノード用触媒層シートのPTFEシートを剥離した後、MPL付きカーボンクロス(E−TEK製 LT1400−W:図1中の8と8に隣接する9で示される部分との一体物)をアノード側触媒層に重ねる。これにより、本発明のガス拡散電極をカソードに具備したMEA14が得られる。
(5)単セルを作成する。
(4)で準備したMEA14をカーボンセパレータ4、6及び集電板5、7で図1のように挟み込み、燃料電池単セルを作製する。
本発明はこの単セル構成の固体高分子型燃料電池に限定されるものではなく、単セルを複数スタックした構成の固体高分子型燃料電池にも適用可能である。
次に、具体的な実施例を示し、本発明を詳細に説明する。
(実施例1及び比較例1)
実施例1は、実施形態の中の図1に示した構成からなる固体高分子型燃料電池を作製した例である。
以下、本実施例に係わる固体高分子型燃料電池の製造工程を詳細に説明する。
(工程1)
カソード用ガス拡散電極の基板として、カーボンペーパー(E−TEK製 LT1200―N)を用いた。LT1200−Nは炭素繊維層の一面にMPLが塗工されており、他面は炭素繊維層が露出した構造となっている。炭素繊維層はカーボンペーパーからなっているが、炭素繊維間にはMPLと同様の炭素微粒子とフッ素樹脂からなるマイクロポーラス部が存在している。
LT1200−Nの炭素繊維層からなる面に、反応性スパッタ法により、多孔質白金酸化物層を形成した。反応性スパッタは、全圧5Pa、酸素流量比(QO2/(QAr+QO2))85%、基板温度25℃、RF投入パワー5.4W/cmの条件にて行った。
(工程2)
引き続き、特開2006−332041に記載の公知技術に従い、この多孔質白金酸化物層とカーボンペーパーの複合体を、25℃で2,4,6,8−テトラメチルシクロテトラシロキサンの蒸気(分圧0.05Pa)と5分間接触させた。これにより、白金酸化物表面上にメチルシロキサン重合体を生成した。
続いて得られた触媒層に2%H/He雰囲気0.1MPaにて30分間の還元処理を施し、多孔質白金触媒層―ガス拡散層複合体を得た。Pt担持量は0.6mg/cmであった。
カーボンペーパーの炭素繊維に多孔質白金触媒層が担持された様子を図2〜図4の走査電子顕微鏡写真に示す。図2〜図4において白く見えるのが白金触媒である。
図2は(工程2)で得られた触媒担持カーボンペーパーの構造を示す倍率250倍の走査電子顕微鏡写真であり、図3及び図4はその表面部を拡大したものである(図3は倍率1000倍、図4は倍率5000倍)。図3及び4から判るように、白金触媒は繊維層内の炭素繊維及びマイクロポーラス部を覆うように薄膜状に担持され、多孔質な触媒層を形成していた。
また図5及び図6は、(工程2)で得られたカーボンペーパーの空隙内部の様子を示す走査電子顕微鏡写真である。手前に見える表面近くの炭素繊維だけでなく、内部の炭素繊維にも触媒が担持されていることが判る。図5(倍率3000倍)では炭素繊維の一部には触媒が被覆されていないように見えているが、拡大して観察したところ、図6(倍率30000倍)に示すように、この部分にも薄い多孔質白金触媒層が形成されていることが確認できた。
さらに図5の空隙内部を奥深くまで観察したところ、空隙底部まで白金触媒で覆われており、繊維層表面から80μm程度の深さの空隙内にも白金触媒が担持されていた。ただし空隙底部では触媒層の厚みは比較的薄くなっていた。
LT1200−Nの厚さは約210μmであり、触媒担持層の厚さが約80μm、さらにMPLの厚みは約80μmであるので、このガス拡散電極における触媒非担持層の厚さは約50μmと見積もられる。
その後、得られたガス拡散電極に1wt%のNafion溶液(和光純薬工業製5%溶液をイソプロパノールで1%に希釈したもの)を触媒面積1cm当たり8μl滴下し、真空中にて溶媒を揮発させることで、触媒表面にプロトンパスを形成した。
このようにして、繊維層内に触媒担持層と触媒非担持層を有し、MPLが触媒非担持層に接して設置された構成のガス拡散電極を得た。
(工程3)
アノード側触媒層を作成するため、PTFEシート上に、ドクターブレード法にて白金担持カーボン層を約20μmの厚さに形成した。ここで使用する触媒スラリーは、白金担持カーボン(Jhonson Matthey製、HiSPEC4000)1質量部、Nafion0.07質量部、IPA1質量部、水0.4質量部の混錬物である。このときのPt担持量は0.3mg/cmであった。
(工程4)
(工程2)で作製したカソード側触媒担持層を有するガス拡散電極及び(工程3)で作成したアノード側触媒層(白金担持カーボン層)付きPTFEをそれぞれ4cmの面積で切り出した。そして、触媒担持層及び白金担持カーボン層が内側になるようにして固体高分子電解質膜(Dupont製Nafion112)を挟み、4MPa、150℃、10minのプレス条件でホットプレスを行った。その後白金担持カーボン層からPTFEシートを剥離した。
(工程5)
MPL付GDL(E−TEK製LT1200−W)のMPL側の面を、(工程4)で準備したMEAのアノード側触媒層に接するように積層してMEAを形成した。さらにこのMEAをカーボンセパレータで図1のような配置で挟み、燃料電池単セルを作製した。
比較例1として、(工程1)において、カーボンパーパーのMPL側の面に多孔質白金酸化物層をスパッタで形成した以外は、すべて同様にして作成した単セルを作製し、同条件で発電試験を行った。多孔質白金触媒層のPt担持量は実施例1と同じく0.6mg/cmであった。
比較例1では、触媒成膜面であるMPLは空孔径が小さいため、スパッタされた白金酸化物粒子はほとんどMPL中に侵入せず、その結果、多孔質白金触媒層はMPL面上に厚さ約2μmで層状に形成されていた。
以上の工程によって作製した単セルのアノード側セパレータに水素ガスをデッドエンドで供給し、カソード側セパレータに空気を所定の温湿度と風量で供給して、セル温度40℃にて発電試験を行った。
図7に、カソード側に空気(40℃、相対湿度100%)を70ccmで供給した場合に得られた燃料電池の電流−電圧特性を示す。電流値のスィ―プレートは、0.1mA/cm/sとした。
実施例1では電極面積が4cmであるので、空気流量70ccmという条件は、400mA/cmにおいて、発電に必要な酸素量の2.5倍を供給していることに相当する。すなわち流入する空気の湿度が100%であり、かつ空気流量が比較的小さいため、生成水がカソードから除去されにくく、このためカソードでのフラッディングが起こり易い条件となっている。
またこの条件ではアノード側がデッドエンドであるので、アノード側からの水分蒸発は起こらない。さらにカソード側の供給空気の湿度は100%RHであるので、カソード側ガス拡散電極からの水蒸発量も小さい状態となっている。すなわち、この条件ではセル外への水分移動が抑制されているので、カソードでのフラッディングが起こり易い。
さらに測定時の電流値のスィ―プレートが小さく、それだけ測定時の発電時間が長くなり多くの水が生成されるので、高電流密度において燃料電池がフラッディングを起こし易い。
このようにフラッディングが起こり易い条件で、実施例1と比較例1のガス拡散電極を比較することで、各々のガス拡散電極がフラッディングにどれだけ耐えられるかを評価することができる。
図7において、まずフラッディングにより電圧が0.5Vに低下する時の電流密度を比較すると、実施例1の単セルが300mA/cm以上であったのに対し、比較例1では186mA/cmしか得られなかった。すなわち実施例1のガス拡散電極は、比較例1のガス拡散電極と比較して、拡散分極による電圧低下が大幅に抑えられ、フラッディングが抑制されていた。
次に単セルのアノード電極側に水素ガスを20sccm流し、カソード電極側にNガスを40sccm流し、電池温度80℃にてサイクリックボルタンムグラム測定を行った。これにより、カソード側触媒層の、単位電極面積当たりのH吸着面積、即ち有効表面積を測定した。
実施例1の触媒層の電極単位面積(1cm)当たりの有効表面積は168cmであり、比較例1の触媒層の有効表面積は208cmであった。すなわち、実施例1では有効表面積が比較例1の約81%程度になっていた。
すなわち、実施例1のガス拡散電極は、比較例1より有効表面積が小さいにも関わらず、比較例1のガス拡散電極よりもフラッディングしにくく、かつ高い電圧を維持できていた。
このことは、実施例1のガス拡散電極が、効率的に三相界面を形成し得ていることで、フラッディングしやすい条件下でも燃料電池出力の安定性が向上し、かつ触媒利用率が向上したことを示す。
次に、ドライ環境での発電特性を比較するため、カソード側に空気を40℃、相対湿度21%、流量600ccmの条件で供給し、電流密度450mA/cmでの連続発電試験を行った。
この条件では、カソード側に乾燥した空気を大風量で供給しているため、固体高分子電解質が乾燥してドライアウトが起こり易い。
このような条件下で、実施例1と比較例1のガス拡散電極を比較することで、各々のガス拡散電極がドライアウトにどれだけ耐えられるかを評価することができる。
図8は、その結果得られた燃料電池出力の時間変化を示す。図8に示されているように、実施例1では、240mW/cmの出力が得られるのに対し、比較例1では206mW/cmの出力しか得られなかった。
また電流密度450mA/cmでインピーダンス測定を行い、溶液抵抗成分Rsを測定したところ、比較例1が321mΩ・cmに対し、実施例1では286mΩ・cmであった。
このことは、実施例1のガス拡散電極が、比較例1よりも保湿性に優れているため、電解質の乾燥が抑えられ、内部抵抗増加による出力損失が抑制されたことを示す。
次に、カソード側環境の温湿度変動に対する出力変動を調べるため、温度と湿度を(1)40℃100%RH、(2)60℃100%RH、(3)40℃57%RHとして、発電試験を行った。またセル温度は供給空気の温度と等しくなるようにして測定を行った。
図9は、カソード側の供給空気の風量を70ccm、電流値のスィ―プレート10mA/cm/sとして得られた、燃料電池の電流−電圧特性を示す。なお図9における(1)の条件のデータは、図7と同一のものである。
図9から判るように、実施例1は比較例1よりも明らかに、温湿度が変動した場合の電圧変動が小さく、同じ電流密度では常に高い電圧が得られることが判る。
またいずれの条件においても実施例1のセルでは限界電流密度が比較例1のセルより高いことが判る。
このことは実施例1のガス拡散電極が比較例1よりも高出力密度で、かつカソード側の温湿度変動に対して安定性が高いことを示す。
このように実施例1のガス拡散電極は、フラッディング抑制効果のみならず、電解質膜の保湿効果や、カソード雰囲気の温湿度変動に対する安定性など、燃料電池の安定性を向上させる好ましい他の効果をも有していた。
(実施例2)
実施例1において、ガス拡散電極の基板として、カーボンペーパー(バラード社製 Avcarb2120)を用いた以外は、すべて同様にして燃料電池単セルを作製した。
Pt量は、実施例1と同じく、0.6mg/cmであった。
実施例2のガス拡散電極の空隙内部を奥深くまで観察したところ、空隙底部まで白金触媒で覆われており、繊維層表面から80μm程度の深さの空隙内にも白金触媒が担持されていた。
ここでAvcarb2120の厚さは約260μmであり、触媒担持層の厚さが約80μm、さらにMPLの厚みは約80μmであるので、このガス拡散電極における触媒非担持層の厚さは約100μmと見積もられた。
(比較例2)
比較例1において、ガス拡散電極の基板として、カーボンペーパー(バラード社製 Avcarb2120)を用いた以外は、比較例1とすべて同様にして燃料電池単セルを作製した。Pt量は、実施例2と同じく、0.6mg/cmであった。
(実施例3)
実施例1において、ガス拡散電極の基板として、カーボンペーパー(バラード社製 Avcarb1120)を用いた以外は、すべて実施例1と同様にして燃料電池単セルを作製した。Pt量は、実施例2と同じく、0.6mg/cmであった。
実施例2及3のガス拡散電極の空隙内部を奥深くまで観察したところ、空隙底部まで白金触媒で覆われており、繊維層表面から80μm程度の深さの空隙内にも白金触媒が担持されていた。
ここでAvcarb1120の厚さは約200μmであり、MPL層の組成・厚みはAvcarb2120と同様であった。このため実施例3のガス拡散電極においては、触媒担持層の厚さが約80μm、さらにMPLの厚みは約80μmであったので、触媒非担持層の厚さは約40μmと見積もられた。
(比較例3)
比較例1において、ガス拡散電極の基板として、カーボンペーパー(バラード社製 Avcarb1120)を用いた以外は、比較例1とすべて同様にして燃料電池単セルを作製した。Pt量は、実施例2と同じく、0.6mg/cmであった。
実施例2及び3、比較例2及び3で作製した単セルを、実施例1と同様に、アノード側セパレータに水素ガスをデッドエンドで供給し、カソード側セパレータに空気を所定の温湿度と風量で供給して、セル温度40℃にて発電試験を行った。
図10は、カソード側に空気(40℃、相対湿度100%)を70ccmで供給した場合に得られた、実施例2及び比較例2の単セルの電流−電圧特性を示す。さらに図11に、同条件における実施例3及び比較例2の単セルの電流−電圧特性を示す。
ここで電流値のスィ―プレートは、0.1mA/cm/sとした。この条件は実施例1で上述したように、フラッディングが起こりやすい条件である。
図10において、フラッディングにより電圧が0.5Vに低下する時の電流密度を比較すると、実施例2の単セルが約270mA/cmであったのに対し、比較例2では約200mA/cmしか得られなかった。すなわち実施例2のガス拡散電極は比較例2に比べて、拡散分極による電圧低下が大幅に抑えられ、フラッディングが抑制されていた。
図11において、フラッディングにより電圧が0.5Vに低下する時の電流密度を比較すると、実施例3の単セルが約170mA/cmであったのに対し、比較例3では約150mA/cmしか得られなかった。すなわち実施例3のガス拡散電極は比較例3に比べて、拡散分極による電圧低下が抑えられ、フラッディングが抑制されていた。
次に、実施例1と同様にして、実施例2及び3、比較例2及び3の触媒層の電極単位面積1cm)当たりの有効表面積を測定した。実施例2では146cm、実施例3では151cm、比較例2では192cm、比較例3では201cmであった。
すなわち実施例2及び3のガス拡散電極は、比較例2及び3より有効表面積が小さいにも関わらず、比較例2及び3の場合よりもフラッディングしにくく、かつ高い電圧を維持できていた。
このことは、実施例2及び3のガス拡散電極が、効率的に三相界面を形成し得ていることで、フラッディングしやすい条件下でも燃料電池出力の安定性が向上し、かつ触媒利用率が向上したことを示す。
ここで実施例1〜3の結果を比較すると、触媒非担持層の厚さが50μm以上である実施例1及び2の方が実施例3よりも、0.5Vにおける電流密度が高いことが判る。このことは本発明のガス拡散電極では、触媒非担持層の厚みが少なくとも50μm以上である方が好ましいという事実を示す。
なお触媒非担持層の厚みは実施例1の方が実施例2よりも小さいにも関わらず、実施例1の方が高い電流密度が得られるのは、実施例1の方がMPL層の平均空孔径が小さく、MPL層中の毛管力が強いためである。
(実施例4)
実施例1において、ガス拡散電極の基板として、MPL付きカーボン不織布(Freudenberg社製 H2315 Ix6)を用いた以外は、すべて同様にして燃料電池単セルを作製した。Pt量は、実施例1と同じく、0.6mg/cmであった。
実施例4のガス拡散電極の空隙内部を奥深くまで観察したところ、空隙底部まで白金触媒で覆われており、繊維層表面から60μm程度の深さの空隙内にも白金触媒が担持されていた。
ここでH2315 Ix6の厚さは約200μmであり、触媒担持層の厚さが約60μm、さらにMPLの厚みは約80μmであったので、このガス拡散電極における触媒非担持層の厚さは約60μmと見積もられた。
(比較例4)
実施例1において、ガス拡散電極の基板として、カーボン不織布(Freudenberg社製H2315 I3C1)を用いた以外は、すべて同様にして燃料電池単セルを作製した。
H2315 I3C1は、H2315 Ix6においてMPLが設けられていないカーボン不織布である。Pt量は、実施例4と同じく、0.6mg/cmであった。
実施例4及び比較例4で作製した単セルを、実施例1と同様に、アノード側セパレータに水素ガスをデッドエンドで供給し、カソード側セパレータに空気を所定の温湿度と風量で供給して、セル温度40℃にて発電試験を行った。
図12は、カソード側に空気(40℃、相対湿度100%)を70ccmで供給した場合に得られた、実施例4及び比較例4の単セルの電流−電圧特性を示す。電流値のスィ―プレートは、0.1mA/cm/sとした。この条件は実施例1で上述したように、フラッディングが起こりやすい条件である。
図12において、フラッディングにより電圧が0.5Vに低下する時の電流密度を比較すると、実施例4の単セルが約220mA/cm以上であったのに対し、比較例4では約150mA/cmしか得られなかった。すなわち実施例4のガス拡散電極は比較例4のガス拡散電極に対し、拡散分極による電圧低下が大幅に抑えられ、フラッディングが抑制されていた。
図12の結果から、ガス拡散電極にMPLが設置されていない比較例4では、本発明の効果が十分に得られず、出力低下やフラッディングが起こりやすいことが判る。
本発明のガス拡散電極は、ガス拡散電極のフラッディングを抑制することができるので、固体高分子型燃料電池を高出力で長時間駆動させることができる。
また本発明のガス拡散電極を用いた燃料電池は、高出力かつシンプルな構造であるためコストが安く、携帯電話やノート型パソコン、デジタルカメラなど携帯用電気機器用の燃料電池として様々な環境下で利用することができる。
本発明のガス拡散電極を用いて作製した固体高分子型燃料電池の単セルの断面構成を表す模式図の一例である。 本発明の実施例1のガス拡散電極の構造を示す走査電子顕微鏡写真(倍率250倍:図中下右部の白点群の左端から右端までの長さが120μm)である。 本発明の実施例1のガス拡散電極の構造を示す走査電子顕微鏡写真(倍率1000倍:図中下右部の白点群の左端から右端までの長さが30μm)である。 本発明の実施例1のガス拡散電極の構造を示す走査電子顕微鏡写真(倍率5000倍:図中下右部の白点群の左端から右端までの長さが6μm)である。 本発明の実施例1のガス拡散電極の構造を示す走査電子顕微鏡写真(倍率3000倍:図中下右部の黒線の左端から右端までの長さが12μm)である。 本発明の実施例1のガス拡散電極の構造を示す走査電子顕微鏡写真(倍率30000倍:図中下右部の白点群の左端から右端までの長さが1μm)である。 本発明の実施例1及び比較例1の固体高分子型燃料電池の電流−電圧特性を示す図である。 本発明の実施例1及び比較例1の固体高分子型燃料電池の出力の時間変化を示す図である。 本発明の実施例1及び比較例1の固体高分子型燃料電池の電流−電圧特性を示す図である。 本発明の実施例2及び比較例2の固体高分子型燃料電池の電流−電圧特性を示す図である。 本発明の実施例3及び比較例3の固体高分子型燃料電池の電流−電圧特性を示す図である。 本発明の実施例4及び比較例4の固体高分子型燃料電池の電流−電圧特性を示す図である。
符号の説明
1 固体高分子電解質膜
2 アノード側ガス拡散電極
3 カソード側ガス拡散電極
4 アノード側セパレータ
5 アノード側集電板
6 カソード側セパレータ
7 カソード側集電板
8 アノード側繊維層
9 MPL
10 アノード側触媒層
11 カソード側繊維層
12 カソード側触媒担持層
13 カソード側触媒非担持層
14 MEA(膜電極接合体)

Claims (10)

  1. 導電性繊維からなる膜と、該膜の一方の面に接して存在する導電性微粒子からなる層と、触媒と、を有するガス拡散電極において、
    前記導電性繊維からなる膜は、モード径10μm乃至100μmの空隙を有し該空隙内部に前記触媒を担持している領域と、前記触媒を担持していない領域からなり,前記触媒を担持している領域は、前記導電性繊維からなる膜の前記導電性微粒子からなる層と接している面とは反対側の面を含んで存在していることを特徴とするガス拡散電極。
  2. 前記触媒は、前記触媒を担持している領域の導電性繊維に直接担持されていることを特徴とする請求項1に記載のガス拡散電極。
  3. 前記導電性繊維からなる膜の前記触媒を担持している領域及び前記触媒を担持していない領域並びに前記導電性微粒子からなる層は、いずれも疎水剤を含有していることを特徴とする請求項1又は2に記載のガス拡散電極。
  4. 前記触媒を担持している領域の前記一方の面とは垂直な方向の厚さが20μm以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のガス拡散電極。
  5. 前記触媒を担持していない領域の前記一方の面とは垂直な方向の厚さが50μm以上であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のガス拡散電極。
  6. 前記触媒が酸化反応性スパッタリング又は反応性イオンプレーティングによって前記導電性繊維上に形成されたものであることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のガス拡散電極。
  7. 前記触媒が酸化白金を還元して得られたものである請求項1〜6のいずれかに記載のガス拡散電極。
  8. 一対のガス拡散電極と、該一対のガス拡散電極に狭まれた電解質膜と、を少なくとも有する燃料電池において、
    該一対のガス拡散電極の少なくとも一方が、請求項1〜7のいずれかに記載のガス拡散電極であり、
    前記触媒を担持している領域が前記電解質膜に接していることを特徴とする燃料電池。
  9. 導電性繊維からなる膜と、該膜の一方の面に接して存在する導電性微粒子からなる層と、触媒と、を有するガス拡散電極の製造方法において、
    少なくとも一部にモード径10μm乃至100μmの空隙を有する導電性繊維からなる膜を用意する工程と、
    前記導電性繊維からなる膜の、前記導電性微粒子からなる層とは接していない面側に、触媒又はその前駆体を酸化反応性スパッタリング又は反応性イオンプレーティングによって形成することによって、前記導電性繊維からなる膜に、前記空隙内部に前記触媒又はその前駆体を担持している領域と前記触媒又はその前駆体を担持していない領域を形成する工程を有することを特徴とするガス拡散電極の製造方法。
  10. 前記工程において前記導電性繊維からなる膜に酸化白金からなる触媒前駆体を形成した後に、該酸化白金を還元して触媒とする工程をさらに有することを特徴とする請求項9に記載のガス拡散電極の製造方法。
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