JP2008041352A - ガス拡散層及び燃料電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】発電性能を低下させることなく、高温時の排水性を制御することが可能なガス拡散層、及び、当該ガス拡散層を備える燃料電池を提供する。
【解決手段】ガス拡散層10は、表面層3と導電性多孔質基材層1から成り、導電性多孔質基材層1においては、表面層3とは反対側に気孔径可変層2が備えられた構成であり、導電性多孔質基材1よりも熱膨張率が高い高熱膨張材料が、導電性多孔質基材1の一部に備えられている。ガス拡散層10に備えられる高熱膨張材料として、EPDMを使用し、EPDMとカーボンブラック粒子とを含むペーストを導電性多孔質基材に塗布し乾燥させることにより気孔径可変層2が形成される。
【選択図】図1

Description

本発明は、ガス拡散層及び燃料電池に関し、特に、高温時の排水性を制御することが可能なガス拡散層、及び、当該ガス拡散層を備える燃料電池に関する。
固体高分子型燃料電池(以下において、「PEFC(Polymer Electrolyte Fuel Cell)」と記述することがある。)は、電解質膜と、電解質膜の両面側にそれぞれ配設される電極(アノード及びカソード)とを備える膜電極接合体(以下、「MEA(Membrane Electrode Assembly)」と記述することがある。)における電気化学反応により発生した電気エネルギーを、MEAの両側にそれぞれ配設される集電体(例えば、セパレータ)を介して外部に取り出している。燃料電池の中でも、家庭用コージェネレーション・システムや自動車等に使用されるPEFCは、低温領域での運転が可能である。また、PEFCは、高いエネルギー変換効率を示し、起動時間が短く、かつシステムが小型軽量であることから、電気自動車や携帯用電源の最適な動力源として注目されている。
PEFCの単セルは、プロトン伝導性能を有するアイオノマーを備える電解質膜と、少なくとも触媒層を備えるカソード及びアノードと、を具備し、その理論起電力は1.23Vである。しかし、かかる低起電力では、電気自動車等の動力源として不十分であるため、通常は、単セルを直列に積層して積層体を形成し、この積層体における積層方向の両端にエンドプレート等を配置して形成されるスタック形態の燃料電池が使用される。そして、接触抵抗を低減する等の観点から、スタック形態の燃料電池の両端側からは、締結圧力が加えられる。
PEFCの運転時には、アノードに水素含有ガス(以下、「水素」という。)が、カソードに酸素含有ガス(以下、「酸素」という。)が、それぞれ供給される。アノードへと供給された水素は、アノードの触媒層(以下、「アノード触媒層」ということがある。)に含まれる触媒上でプロトンと電子に分離し、水素から生じたプロトンは、アノード触媒層及び電解質膜を通ってカソードの触媒層(以下、「カソード触媒層」ということがある。)へと達する。一方、電子は、外部回路を通ってカソード触媒層へと達し、PEFCでは、かかる過程を経ることにより、電気エネルギーを取り出すことが可能になる。そして、カソード触媒層へと達したプロトン及び電子と、カソード触媒層へと供給される酸素とが反応することにより、水が生成される。
PEFCの運転時に生成された水は、例えば、電解質膜等を含水状態に保つために利用され得る。一方で、PEFCが高負荷で運転されると、単セルの温度が上昇し、水が蒸発しやすい。蒸発した水は、単セルへと供給される水素及び/又は酸素とともに、単セル外へと排出されやすいため、単セルの温度が上昇すると電解質膜等が乾燥しやすい。ここで、少なくとも電解質膜に備えられる上記アイオノマーは、含水状態下でプロトン伝導性能を発現するため、電解質膜等が乾燥すると、プロトン伝導性能が低下し、PEFCの発電性能が低下する。そのため、PEFCの発電性能を向上させるには、高負荷運転時等における電解質膜等の乾燥を抑制することが重要である。
電解質膜等の乾燥を抑制することを目的とした技術は、これまでに開示されてきている。例えば、特許文献1には、膜電極アセンブリ、および膜電極アセンブリと共に配置された多孔性ガス拡散材料層を備え、多孔性ガス拡散層上の局在領域での多孔性ガス拡散材料の孔隙率が、多孔性ガス拡散層に隣接する膜電極アセンブリ上の対応領域でのトリガ状態に応じて第1の値から第2の値まで変化する、燃料電池が開示されている。そして、この燃料電池によれば、燃料電池膜電極アセンブリに生じる傾向があるホットスポットを抑制できる、としている。
特表2005−508069号公報
特許文献1に開示されている技術によれば、ガスの供給を抑制することで過剰昇温の抑制が可能になると考えられる。しかし、ガスの供給が抑制されると、ガスの供給が抑制された箇所で電気化学反応が生じ難くなるため、特許文献1に開示されている技術では、燃料電池の発電性能が低下しやすいという問題があった。
そこで本発明は、発電性能を低下させることなく、高温時の排水性を制御することが可能なガス拡散層、及び、当該ガス拡散層を備える燃料電池を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明は以下の手段をとる。すなわち、
請求項1に記載の発明は、導電性多孔質基材を備え、導電性多孔質基材よりも熱膨張率が高い高熱膨張材料が、導電性多孔質基材の一部に備えられることを特徴とする、ガス拡散層である。
ここに、「導電性多孔質基材よりも熱膨張率が高い高熱膨張材料」とは、JIS C2161:1997「電気絶縁用粉体塗料試験方法」に規定される方法で測定される、高熱膨張材料の熱膨張率の値が、導電性多孔質基材の熱膨張率の値よりも大きいことを意味する。換言すれば、高温時(例えば、80℃以上等)に、導電性多孔質基材よりも膨張しやすい材料(高熱膨張材料)を意味する。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のガス拡散層において、導電性多孔質基材に炭素材料が備えられ、高熱膨張材料が有機高分子材料であることを特徴とする。
ここに、「炭素材料」の具体例としては、炭素繊維やカーボンブラック等を挙げることができる。さらに、「有機高分子材料」とは、上記炭素材料よりも熱膨張率が高く、かつ、燃料電池運転時における単セル内の環境に耐え得る材料を意味する。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載のガス拡散層において、有機高分子材料が、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(以下、「EPDM」という。)であることを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、電解質膜、該電解質膜の一方の側に備えられるアノード触媒層、及び、該電解質膜の他方の側に備えられるカソード触媒層、を備える膜電極構造体(以下、「MEA」ということがある。)と、該膜電極構造体の一方の側に備えられる第1集電体、及び、該膜電極構造体の他方の側に備えられる第2集電体と、第1集電体と膜電極構造体との間に配設される第1ガス拡散層、及び/又は、第2集電体と膜電極構造体との間に配設される第2ガス拡散層と、を具備し、第1ガス拡散層、及び/又は、第2ガス拡散層が、請求項1〜3のいずれか1項に記載のガス拡散層であることを特徴とする、燃料電池である。
ここに、「電解質膜」は、プロトンを伝導するポリマー(プロトン伝導性ポリマー)を有していれば特に限定されるものではないが、含フッ素高分子を骨格として少なくともスルホン酸基、ホスホン酸基、及びリン酸基のうち一種を有するポリマーを有することが好ましい(例えば、Nafion等(Nafionは米国デュポン社の登録商標)。このほか、ポリオレフィンのような炭化水素を骨格とするポリマーを有していても良い。加えて、触媒層はプロトン伝導性ポリマーと触媒材料とを備えていれば、その形態は特に限定されない。触媒材料は、アノード及びカソードにおいて水素の酸化反応及び酸素の還元反応に触媒作用を有するものであれば、特に限定されるものでなく、具体例としては、担体としての炭素(例えば、カーボンブラック等)に担持された白金のほか、白金黒粒子、又はこれらの合金等を例示することができる。さらに、触媒層に含まれるプロトン伝導性ポリマーは、電解質膜に含まれるプロトン伝導性ポリマーと同等のものを使用することができる。加えて、「第1集電体」及び「第2集電体」の具体例としては、セパレータ等を挙げることができ、「第1集電体」及び「第2集電体」を構成する材料の具体例としては、カーボン材料、導電性樹脂のほか、チタン合金やステンレス鋼等に代表される金属を挙げることができる。
また、「第1集電体と膜電極構造体との間に配設される第1ガス拡散層、及び/又は、第2集電体と膜電極構造体との間に配設される第2ガス拡散層」とは、第1集電体とMEAとの間、及び、第2集電体とMEAとの間にガス拡散層が備えられる場合(以下、「形態A」という。)には、第1ガス拡散層及び第2ガス拡散層を意味する。このほか、第1集電体とMEAとの間にのみガス拡散層が備えられ、第2集電体とMEAとの間にガス拡散層が備えられない場合(以下、「形態B」という。)には、第1ガス拡散層を意味し、第1集電体とMEAとの間にガス拡散層が備えられず、第2集電体とMEAとの間にのみガス拡散層が備えられる場合(以下、「形態C」という。)には、第2ガス拡散層を意味する。さらに、「第1ガス拡散層、及び/又は、第2ガス拡散層が、請求項1〜3のいずれか1項に記載のガス拡散層である」とは、上記形態Aの場合には、第1ガス拡散層及び第2ガス拡散層(以下、「形態A1」という。)、又は、第1ガス拡散層のみ(以下、「形態A2」という。)、若しくは、第2ガス拡散層のみ(以下、「形態A3」という。)が、上記請求項1〜3のいずれか1項に記載のガス拡散層であることを意味する。これに対し、上記形態Bの場合には、第1ガス拡散層が上記請求項1〜3のいずれか1項に記載のガス拡散層であることを意味し、上記形態Cの場合には、第2ガス拡散層が上記請求項1〜3のいずれか1項に記載のガス拡散層であることを意味する。
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の燃料電池において、第1ガス拡散層の第1集電体側、及び/又は、第2ガス拡散層の第2集電体側に、高熱膨張材料が備えられることを特徴とする。
ここに、「第1ガス拡散層の第1集電体側、及び/又は、第2ガス拡散層の第2集電体側に、高熱膨張材料が備えられる」とは、上記形態A1の場合には、第1ガス拡散層の第1集電体側及び第2ガス拡散層の第2集電体側に、高熱膨張材料が備えられることを意味する。このほか、上記形態A2又は上記形態Bの場合には、第1ガス拡散層の第1集電体側に高熱膨張材料が備えられ、上記形態A3又は上記形態Cの場合には、第2ガス拡散層の第2集電体側に高熱膨張材料が備えられることを意味する。
請求項1に記載の発明によれば、高熱膨張材料が導電性多孔質基材の一部に備えられる。そのため、高温時におけるガスの拡散性を確保しつつ、膨張した高熱膨張材料によって排水性を制御することが可能な、ガス拡散層を提供できる。
請求項2に記載の発明によれば、導電性多孔質基材に炭素繊維等の炭素材料が備えられ、高熱膨張材料として有機高分子材料が用いられる。そのため、上記効果を奏するガス拡散層を容易に得ることができる。
請求項3に記載の発明によれば、有機高分子材料としてEPDMが用いられる。EPDMは、熱膨張率が大きく、導電性多孔質基材に備えられる炭素材料の熱膨張率との差が大きいため、高温時の水の移動を容易に制御し得るガス拡散層を提供できる。
請求項4に記載の発明によれば、アノード側及び/又はカソード側に本発明のガス拡散層が備えられる。そのため、高温時におけるガスの拡散性を確保して発電性能の低下を抑制しつつ、膨張した高熱膨張材料によって排水性を制御して発電性能を向上させることが可能な、燃料電池を提供できる。
請求項5に記載の発明によれば、ガス拡散層の集電体側に、高熱膨張材料が備えられる。そのため、上記効果に加え、さらに、フラッディングの発生を抑制することが可能な燃料電池を提供できる。
PEFCを用いて電気エネルギーを得るには、MEAで電気化学反応を生じさせる必要があり、電気化学反応を生じさせるためには、アノード触媒層で生じたプロトンがカソード触媒層へと移動する必要がある。かかる観点から、PEFCの電解質膜、アノード触媒層、及び、カソード触媒層には、プロトン伝導性能を有する物質が備えられ、当該物質として、パーフルオロスルホン酸系のアイオノマー等が知られている。このアイオノマーは、含水状態下でプロトン伝導性能を発現するため、PEFCの運転時には、MEAを含水状態に保つことが必要とされる。ところが、高負荷運転時等には、単セルの温度が上昇し、特に、単セルのガス流路入口近傍においてMEAが乾燥しやすい。MEAの乾燥を抑制する従来技術としては、例えば、ガスの供給を抑制する技術等が存在するが、ガスの供給が抑制されると電気化学反応が生じ難くなり、PEFCの発電性能が低下しやすいという問題があった。そのため、PEFCの発電性能を低下させることなくMEAの乾燥を抑制可能な技術が求められている。
本発明は、かかる観点からなされたものであり、その第1の要旨は、基材の一部に高熱膨張材料が備えられる形態とすることで、ガスの拡散性を確保しつつ排水性を制御することが可能なガス拡散層を提供することにある。さらに、第2の要旨は、上記ガス拡散層が備えられる形態とすることで、ガスの拡散性を確保しつつ排水性を制御することが可能な燃料電池を提供することにある。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施形態について具体的に説明する。
1.ガス拡散層
図1は、本発明のガス拡散層の形態例を拡大して示す概略図である。図2及び図3は、図1に破線で示す部位の拡大図であり、本発明を容易に理解可能とするため、高熱膨張材料が備えられる箇所の構造をより具体的に示し、それ以外の箇所の構造は簡略化して示している。なお、図2、図3は本発明の概念をわかり易く説明するための概略図であり、図2は60℃の温度環境下におけるガス拡散層の形態を、図3は90℃の温度環境下におけるガス拡散層の形態を、それぞれ示している。
図1に示すように、本発明のガス拡散層10は、表面層3と基材層1から成り、基材層1においては、表面層3とは反対側に気孔径可変層2が備えられた構成である。
ここで、表面層3は撥水性並びに良好な導電性及び通気性を有し、かつ、燃料電池内の環境に耐え得る物質により形成することができる。具体例としては、撥水性樹脂と導電性物質の混合物等を挙げることができ、撥水性樹脂としては、ポリテトラフルオロエチレン樹脂(PTFE)やテトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)等のフッ素系樹脂を挙げることができる。また、導電性物質としてはカーボンブラックやグラファイト等を挙げることができる。ここで、表面層3は、ガス拡散層10が燃料電池に組み込まれる際に、触媒層との接触を良好にする等の目的で形成される層である。
また、基材層1は、良好な導電性及び通気性を有し、かつ、燃料電池内の環境に耐え得る物質により形成することができる。具体例としては、カーボンペーパー等の導電性多孔質不織布、カーボンクロス等の導電性多孔質織布、その他、発泡金属、焼結金属等の導電性多孔質金属を挙げることができる。基材層1は、燃料電池を安定的に発電させるために、撥水性樹脂と導電性物質を含浸塗工されるものが好ましい。撥水性樹脂と導電性物質は、表面層3のものと同等のものを使用することができる。
また、気孔径可変層2は、粒子状のEPDMと導電性物質を基材層2に含浸塗布させること等により形成される。導電性物質は、表面層3のものと同等のものを使用することができる。
図2に示すように、気孔径可変層2には、カーボンペーパーを構成する炭素繊維21、21、…と、粒子状のEPDM22、22、…と、カーボンブラック粒子23、23、…と、が備えられている。60℃の温度環境下では、EPDM22、22、…はそれほど膨張しないため、ガス拡散層10の厚み方向(図2の紙面上下方向)へ、ガス及び水が容易に移動できる。
これに対し、図3に示すように、90℃の温度環境下では、EPDMが膨張し、膨張したEPDM22x、22x、…となる。このようにしてEPDMが膨張すると、気孔径可変層2に備えられる気孔が、図2の場合と比較して小さくなるため、ガス拡散層10の厚み方向(図3の紙面上下方向)への水の移動を抑制できる。
本発明において、基材1の一部に気孔径可変層2が備えられていれば、基材1に占める気孔径可変層2の割合は特に限定されるものではない。ただし、気孔径可変層2の割合を過度に増加させると、排水性抑制効果を向上させることが可能になる反面、ガスの拡散性が低下する虞がある。そのため、ガスの拡散性を確保しつつ排水性抑制効果を向上させる等の観点からは、基材1に占める気孔径可変層2の割合の上限を50%とすることが好ましい。なお、粒子状のEPDM22、22、…、及びカーボンブラック粒子23、23、…を含有するペーストを基材1に塗布し乾燥させることにより気孔径可変層2が形成される場合には、基材1へ塗布するペーストの粘度を調整する等の方法により、基材1の内部へと浸入するペーストの度合いを制御することで、気孔径可変層2の上記割合を制御できる。
また、本発明において、基材1の一部に気孔径可変層2が備えられていれば、気孔径可変層2が備えられる部位は特に限定されない。ただし、本発明のガス拡散層10がPEFCに備えられる場合には、上述のように、MEAの、ガスの入口側が乾燥しやすい。そのため、ガスの入口近傍に相当する箇所(例えば、図1の紙面右側がガス入口側、同左側がガス出口側であって、基材1の紙面左右方向の長さをLとするとき、基材1の右端から、L/3の領域等)を含む、基材1の一部に、気孔径可変層2が備えられる形態とすることが好ましい。
さらに、本発明のガス拡散層に備えられる高熱膨張材料として、EPDMを使用し、EPDMとカーボンブラック粒子とを含むペーストを導電性多孔質基材に塗布し乾燥させることにより気孔径可変層が形成される場合、当該ペーストに含まれる、EPDMとカーボンブラックとの比率は特に限定されるものではない。ただし、EPDMは絶縁体であり、多量のEPDMを添加し過ぎるとガス拡散層の電子伝導性が低下する虞がある。そのため、ガス拡散層の電子伝導性の低下を抑制する等の観点からは、ペーストに含まれるEPDMとカーボンブラック粒子との総質量を100質量部とするとき、EPDMは40質量部以下とすることが好ましい。
2.燃料電池
図4は、本発明の燃料電池の形態例を概略的に示す断面図であり、燃料電池の一部を拡大して示している。図4において、図1に示す部材と同様の構成を採るものには、図1で使用した符号と同符号を付し、その説明を適宜省略する。以下、図1〜図4を参照しつつ、本発明の燃料電池について説明する。
図4に示すように、本発明の燃料電池40(以下、「単セル40」ということがある。)は、電解質膜41と、該電解質膜41の一方の側に備えられるアノード42と、同他方の側に備えられるカソード43と、アノード42側に備えられる第1集電体(以下、「セパレータ」という。)45と、カソード43側に備えられる第2集電体(以下、「セパレータ」という。)46と、を備えている。アノード42には、アノード触媒層42aと第1ガス拡散層10が、カソード43には、カソード触媒層43aと第2ガス拡散層10が、それぞれ備えられ、MEA44には、電解質膜41と、アノード触媒層42aと、カソード触媒層43aが、備えられている。さらに、セパレータ45には、水素が流通可能なガス流路47、47、…が備えられ、セパレータ46には、酸素が流通可能なガス流路48、48、…が備えられている。以下、アノード42に備えられる第1ガス拡散層10を「アノード拡散層42b」、カソード43に備えられる第2ガス拡散層10を「カソード拡散層43b」と表記する。
燃料電池40において、電解質膜41は、例えば、パーフルオロスルホン酸系のアイオノマー(以下、単に「アイオノマー」という。)を備える固体高分子膜により構成されている。さらに、アノード触媒層42a及びカソード触媒層43aには、例えば、担体としての炭素(例えば、カーボンブラック等)に担持された白金触媒と、アイオノマーが備えられている。かかる構成の燃料電池40の運転時には、ガス流路47、47、…を介して供給された水素が、アノード触媒層42aに備えられる白金触媒上でプロトンと電子に分離し、このようにして生じたプロトンは、アノード触媒層42a及び電解質膜41を経て、カソード触媒層43aに備えられる白金触媒上へと達する。一方、アノード触媒層42aで生じた電子は、外部回路を経由してカソード触媒層43aに備えられる白金触媒上へと達する。そして、ガス流路48、48、…を介して供給された酸素と、上記プロトン及び電子がカソード触媒層43aに備えられる白金触媒上で反応することにより、水が生成される。
このように、燃料電池40の運転時には水が生成されるが、水の生成反応を生じさせるためには、プロトンが、アノード触媒層42aからカソード触媒層43aへと伝導される必要がある。アノード触媒層42a、電解質膜41、及び、カソード触媒層43aに備えられるアイオノマーは、含水状態下でプロトン伝導性能を発現するため、通常、ガス流路47、47、…には加湿された水素が供給され、ガス流路48、48、…には加湿された酸素が供給される。そして、燃料電池40の運転時に生成された水は、ガス流路48、48、…を介して供給される酸素と共に、ガス流路48、48、…の出口から排出され得る。さらに、電解質膜41を介してカソード触媒層43aからアノード触媒層42aへと浸透した水は、ガス流路47、47、…を介して供給される水素と共に、ガス流路47、47、…の出口から排出され得る。燃料電池40から排出された水は、その後、例えば、単セル40の外部に備えられる加湿器(不図示)へと回収され、ガス流路47、47、…を介して供給される水素、及び/又は、ガス流路48、48、…を介して供給される酸素を加湿する際に利用され得る。
ここで一般に、燃料電池の運転時に生成された水は、ガス流路内を流通する水素や酸素とともに、ガス流路の入口側から出口側へと移動する。一方で、MEAに過剰の水が含まれると、アノード触媒層及びカソード触媒層におけるガスの拡散が阻害され、発電性能が低下する。そのため、燃料電池の定常運転時には、相対湿度100%未満の水素及び酸素が供給される。したがって、ガス流路の出口側と比較して、ガス流路の入口側は乾燥しやすく、入口側から移動してきた水が排出されるガス流路の出口側には水が溜まりやすい。この傾向は、特に、燃料電池の高負荷運転時に顕著となる。それゆえ、本発明の燃料電池40では、アノード42及びカソード43に、アノード拡散層42b及びカソード拡散層43bが備えられている。燃料電池40に、アノード拡散層42b及びカソード拡散層43bが備えられていれば、高温時に、アノード拡散層42b及びカソード拡散層43bの厚み方向(図4の紙面上下方向)への水の移動が抑制される。そのため、ガス流路47、47、…へと供給される水素、及び/又は、ガス流路48、48、…へと供給される酸素とともに単セル40の外へと持ち去られる水の量を低減する(排水性を制御する)ことが可能になり、高温時におけるMEA44の乾燥を抑制することが可能になる。また、アノード拡散層42b及びカソード拡散層43bには、基材1の一部にEPDM22、22、…が備えられているので、従来の燃料電池のようにアノード拡散層及び/又はカソード拡散層の全体が熱膨張することに起因する、ガス拡散性の低下を抑制することができる。したがって、本発明によれば、ガス拡散性を確保しつつ高温時の排水性を制御することが可能な、燃料電池40を提供できる。
アノード拡散層42b及びカソード拡散層43bに備えられるEPDM22、22、…は、アノード拡散層42b及びカソード拡散層43bを構成する基材1、1の一部のみに備えられていれば、備えられるべき箇所は特に限定されるものではない。ただし、上述のように、MEA44は、ガス流路入口側が特に乾燥しやすいため、少なくとも、ガス流路47、47、…の入口側、及び、ガス流路48、48、…の入口側を含む箇所に、EPDM22、22、…が備えられることが好ましい。ここで、「ガス流路入口側」とは、セパレータ45、46に備えられるガス流路の全長をLとするとき、例えば、ガス流路の入口から長さL/3迄の領域と対向する、ガス拡散層の部位を意味する。
さらに、基材1、1の一部のみにEPDM22、22、…が備えられていれば、EPDM22、22、…が備えられるべきアノード拡散層42b及びカソード拡散層43bの厚さ方向の位置は、特に限定されない。ただし、MEA44と接触する側の面にEPDM22、22、…が備えられると、MEA44からアノード拡散層42b及びカソード拡散層43bへの水の移動が抑制されるため、MEA44が、いわゆるフラッディング状態になりやすい。そのため、ガス拡散性を確保しつつ高温時の排水性を制御可能という上記効果に加えて、さらに、フラッディングの発生を抑制可能とする等の観点からは、アノード拡散層42bのセパレータ45側の面、及び、カソード拡散層43bのセパレータ46側の面に、EPDM22、22、…を備える気孔径可変層2、2が備えられる形態とすることが好ましい。
なお、本発明の燃料電池に関する上記説明では、アノード42及びカソード43に、本発明のガス拡散層(アノード拡散層42b及びカソード拡散層43b)が備えられる形態を例示したが、本発明は当該形態に限定されるものではなく、アノード又はカソードにのみ本発明のガス拡散層が備えられる形態とすることも可能である。ただし、単セルが高温状態にさらされると、MEAは、アノード側及びカソード側で乾燥しやすい。そのため、発電性能を低下させることなく、高温時の排水性を制御可能とする観点からは、アノード及びカソードに本発明のガス拡散層(アノード拡散層42b及びカソード拡散層43b)が備えられる形態の燃料電池40とすることが好ましい。
1.サンプルの作製
1.1.実施例1
<基材層の作製>
カーボンブラック粒子(電気化学工業社製、アセチレンブラック)と繊維状カーボン(昭和電工株式会社製、VGCF(「VGCF」は昭和電工株式会社の登録商標。以下同じ。))とPTFE粒子と分散剤(界面活性剤)を水に分散させることにより、ペーストを調整した。その後、このペーストを、カーボンペーパー(東レ株式会社製、TGP−H−060)に含浸塗布し、200μm厚の基材層を作製した。ペーストの塗布量は、1mg/cmとした。
<表面層の作製>
上記工程により作製した基材層の一方の面に、カーボンブラック粒子(電気化学工業社製、アセチレンブラック)と繊維状カーボン(昭和電工株式会社製、VGCF)とPTFE粒子と分散剤(界面活性剤)を水に分散させることにより調整したペーストを塗布し、表面層を形成させた。ペーストの塗布量は、4mg/cmとした。その後、360℃の熱処理を実施し、基材層及び表面層を備えるガス拡散層を作製した。
<気孔径可変層の作製>
カーボンブラック粒子と有機高分子粒子(EPDMラテックス)と分散剤(界面活性剤)を水に分散させることにより、ペーストを調整した。その後、表面層が形成されている面と反対側の基材層の面に、ペーストを含浸塗布し、130℃で乾燥させることにより、50μm厚の気孔径可変層を備える、実施例1にかかるガス拡散層を作製した。ペーストの塗布量は、1.2mg/cmとした。
1.2.実施例2
上記実施例1と同様の手順で、基材層及び表面層を備えるガス拡散層を作製した。一方で、カーボンブラック粒子と有機高分子粒子(EPDMラテックス)と分散剤(界面活性剤)を水に分散させることにより、ペーストを調整した。その後、表面層が形成されている面と反対側の基材層の面にペーストを含浸塗布し、130℃で乾燥させることにより、100μm厚の気孔径可変層を備える、実施例2にかかるガス拡散層を作製した。ペーストの塗布量は、2.4mg/cmとした。
1.3.比較例1
上記実施例1と同様の手順で、基材層及び表面層を備えるガス拡散層を作製した。一方で、カーボンブラック粒子(電気化学工業社製、アセチレンブラック)とPTFE粒子と分散剤(界面活性剤)を水に分散させることにより、ペーストを調整した。そして、実施例1にかかるガス拡散層と気孔率(ガス拡散層の全細孔体積をV1、細孔を含めての全体積をV2とするときのV1/V2の比。以下において同じ。)をそろえるため、表面層が形成されている面と反対側の基材層の面に、上記ペーストを含浸塗布し、360℃の熱処理を実施して、比較例1にかかる拡散層を作製した。ペーストの塗布量は、1.5mg/cmとした。
1.4.比較例2
上記実施例1と同様の手順で、基材層及び表面層を備えるガス拡散層を作製した。その後、実施例2にかかるガス拡散層と気孔率をそろえるため、表面層が形成されている面と反対側の基材層の面に、カーボンブラック粒子(電気化学工業社製、アセチレンブラック)とPTFE粒子と分散剤(界面活性剤)を水に分散させて調整したペーストを含浸塗布し、360℃の熱処理を実施して、比較例2にかかる拡散層を作製した。ペーストの塗布量は、3.0mg/cmとした。
2.燃料電池の作製
<MEAの作製>
触媒(全質量に対する白金質量の割合が60%の白金担持カーボン)と電解質溶液(米国デュポン社製、Nafion溶液)を、水とエタノールとプロピレングリコールの混合溶媒に分散させることによりペーストを調整し、当該ペーストをPTFEシート上へ塗布した後、100℃で乾燥させることにより、触媒層を備える触媒塗布シートを作製した。その後、電解質膜(米国デュポン社製、Nafion)の両面側に、上記触媒塗布シートの触媒層と電解質膜とが接触するように、触媒塗布シートを配置し、130℃で熱プレスをすることにより、電解質膜と触媒塗布シートとを接合させた。その後、触媒塗布シートからPTFEシートを剥がし、MEAを作製した。なお、電解質膜と触媒層との接触面の面積は、36cmであった。
<燃料電池の作製>
上記工程により作製したMEAの両側に、実施例1にかかるガス拡散層をそれぞれ配置して、MEAとガス拡散層とを備える積層体を作製し、当該積層体の両側に、サーペンタイン形状のガス流路を備えるセパレータを配置することにより、実施例1にかかる燃料電池を作製した。さらに、実施例1にかかるガス拡散層に代えて実施例2にかかるガス拡散層を配置したほかは、実施例1にかかる燃料電池の作製手順と同様にして、実施例2にかかる燃料電池を作製した。また、実施例1にかかるガス拡散層に代えて比較例1にかかるガス拡散層を配置したほかは、実施例1にかかる燃料電池の作製手順と同様にして、比較例1にかかる燃料電池を作製し、実施例1にかかるガス拡散層に代えて比較例2にかかるガス拡散層を配置したほかは、実施例1にかかる燃料電池の作製手順と同様にして、比較例2にかかる燃料電池を作製した。
3.ガス拡散層の物性評価
実施例1にかかるガス拡散層、実施例2にかかるガス拡散層、比較例1にかかるガス拡散層、及び、比較例2にかかるガス拡散層の気孔率を、水銀ポロシメータ(ユアサアイオニクス社製、型番PoreMaster−60)を用いて測定した。加えて、実施例1にかかるガス拡散層及び実施例2にかかるガス拡散層については、さらに、SEM−EDX(日本電子社製、型番JSM−5610LV、JED−2201)を用いて、気孔径可変層の厚さを測定した。これらの結果を表1にあわせて示す。
Figure 2008041352
4.燃料電池の性能評価
実施例1にかかる燃料電池を80℃に保ち、相対湿度100%の水素及び空気を当該燃料電池のアノード側及びカソード側へそれぞれ供給し、電流密度を1.0A/cmに保持して、電圧を測定した(以下、当該条件の試験を「80℃フル加湿試験」という。)。一方、実施例1にかかる燃料電池を90℃に保ち、露点が60℃となるように加湿した水素及び空気を当該燃料電池のアノード側及びカソード側へそれぞれ供給し、電流密度を1.0A/cmに保持して、電圧を測定した(以下、当該条件の試験を「90℃加湿試験」という。)。実施例2にかかる燃料電池、比較例1にかかる燃料電池、及び、比較例2にかかる燃料電池に対しても、上記80℃フル加湿試験及び90℃加湿試験をそれぞれ実施した。これらの結果を表2にあわせて示す。
Figure 2008041352
5.結果
実施例1にかかる燃料電池と比較例1にかかる燃料電池の80℃フル加湿試験の結果より、気孔径可変層を設けても、本発明の燃料電池によれば、従来の燃料電池と同様の発電性能を発現し得ることが確認された。さらに、実施例1にかかる燃料電池と比較例1にかかる燃料電池の90℃加湿試験の結果より、本発明(実施例1)によれば、従来の燃料電池(比較例1)と比較して、90℃運転時の発電性能が向上することが確認された。
一方、実施例2にかかる燃料電池と比較例2にかかる燃料電池の80℃フル加湿試験の結果より、気孔径可変層を設けても、本発明の燃料電池によれば、従来の燃料電池と同等の発電性能を発現し得ることが確認された。さらに、実施例2にかかる燃料電池と比較例2にかかる燃料電池の90℃加湿試験の結果より、本発明(実施例2)によれば、従来の燃料電池(比較例2)と比較して、90℃運転時の発電性能が向上することが確認された。
また、各燃料電池の80℃フル加湿試験の結果及び90℃加湿試験の結果を比較すると、実施例1にかかる燃料電池では、電圧の差が0.12Vであり、実施例2にかかる燃料電池では、電圧の差が0.07Vであった。これに対し、比較例1にかかる燃料電池では、電圧の差が0.20Vであり、比較例2にかかる燃料電池では、電圧の差が0.12Vであった。ガス拡散層の気孔率の値を揃えた、実施例1にかかる燃料電池の結果と比較例1にかかる燃料電池の結果を比較すると、実施例1にかかる燃料電池の方が、温度上昇に伴う性能低下が抑制された。同様に、実施例2にかかる燃料電池の結果と比較例2にかかる燃料電池の結果を比較すると、実施例2にかかる燃料電池の方が、温度上昇に伴う性能低下が抑制された。これは、気孔径可変層を備える、実施例1にかかる燃料電池及び実施例2にかかる燃料電池では、MEAの乾燥が抑制された結果、プロトン伝導性能の低下が抑制されたためであると考えられる。
他方、実施例1にかかる燃料電池と実施例2にかかる燃料電池の、80℃フル加湿試験及び90℃加湿試験の結果を比較すると、80℃フル加湿試験の結果は実施例1にかかる燃料電池の方が優れており、90℃加湿試験の結果は実施例2にかかる燃料電池の方が優れていた。これは、実施例2にかかる燃料電池には、実施例1にかかる燃料電池よりも多くのEPDMが含まれ、EPDMは絶縁体であることから、実施例1にかかる燃料電池は実施例2にかかる燃料電池よりも良好な発電性能を示したと考えられる。これに対し、温度が90℃へ上昇すると、MEAに含まれる水分が蒸発しやすくなってMEAが乾燥しやすくなるが、実施例2にかかる燃料電池には実施例1にかかる燃料電池よりも多くのEPDMが備えられていたため、MEAの乾燥を抑制する効果が増し、その結果、実施例1にかかる燃料電池よりも良好な発電性能を示したと考えられる。
以上より、本発明によれば、発電性能を低下させることなく、高温時の排水性を制御することが可能なガス拡散層、及び、当該ガス拡散層を備える燃料電池を提供することができる。
本発明のガス拡散層の形態例を拡大して示す概略図である。 60℃の温度環境下におけるガス拡散層の形態例を拡大して示す概略図である。 90℃の温度環境下におけるガス拡散層の形態例を拡大して示す概略図である。 本発明の燃料電池の形態例を概略的に示す断面図である。
符号の説明
1 基材(導電性多孔質基材)
2 気孔径可変層
3 表面層
10 ガス拡散層
21 炭素繊維
22、22x EPDM(高熱膨張材料)
23 カーボンブラック粒子
40 燃料電池(単セル)
41 電解質膜
42 アノード
42a アノード触媒層
42b アノード拡散層(第1ガス拡散層)
43 カソード
43a カソード触媒層
43b カソード拡散層(第2ガス拡散層)
44 MEA(膜電極構造体)
45 セパレータ(第1集電体)
46 セパレータ(第2集電体)
47、48 ガス流路

Claims (5)

  1. 導電性多孔質基材を備え、前記導電性多孔質基材よりも熱膨張率が高い高熱膨張材料が、前記導電性多孔質基材の一部に備えられることを特徴とする、ガス拡散層。
  2. 前記導電性多孔質基材に炭素材料が備えられ、前記高熱膨張材料が有機高分子材料であることを特徴とする、請求項1に記載のガス拡散層。
  3. 前記有機高分子材料が、エチレン−プロピレン−ジエンゴムであることを特徴とする、請求項2に記載のガス拡散層。
  4. 電解質膜、前記電解質膜の一方の側に備えられるアノード触媒層、及び、前記電解質膜の他方の側に備えられるカソード触媒層、を備える膜電極構造体と、前記膜電極構造体の一方の側に備えられる第1集電体、及び、前記膜電極構造体の他方の側に備えられる第2集電体と、前記第1集電体と前記膜電極構造体との間に配設される第1ガス拡散層、及び/又は、前記第2集電体と前記膜電極構造体との間に配設される第2ガス拡散層と、を具備し、
    前記第1ガス拡散層、及び/又は、前記第2ガス拡散層が、請求項1〜3のいずれか1項に記載のガス拡散層であることを特徴とする、燃料電池。
  5. 前記第1ガス拡散層の前記第1集電体側、及び/又は、前記第2ガス拡散層の前記第2集電体側に、前記高熱膨張材料が備えられることを特徴とする、請求項4に記載の燃料電池。
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JP2020013662A (ja) * 2018-07-13 2020-01-23 地方独立行政法人東京都立産業技術研究センター 金属空気電池または燃料電池のガス拡散電極に使用されるガス拡散層とそれを用いたガス拡散電極およびその製造方法

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