JP5104606B2 - 物理量検出回路 - Google Patents
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Description
そして、物理量検出回路を1個の半導体チップ(ワンチップ)上に集積化されたモノリシックIC(Integrated Circuit)によって構成した場合には、ダイオードを負帰還抵抗として用いれば、抵抗体の薄膜や不純物拡散層を負帰還抵抗として用いるのと比べて、半導体チップ上における負帰還抵抗の占有面積を小さくした上で高抵抗値を容易に実現できる。
言い換えれば、ダイオードを高抵抗の負帰還抵抗として用いる物理量検出回路の検出精度は高温になると低下するという問題がある。
検出対象の物理量に応じて電荷量が変化する第1素子(101)と、
その第1素子(101)の電荷量の変化に応じた出力電圧を生成する負帰還増幅回路(FB)とを備え、
前記負帰還増幅回路(FB)は、
前記第1素子(101)が反転入力端子に接続され、負帰還動作を行って出力端子から前記出力電圧を出力する演算増幅器(102)と、
その演算増幅器(102)の負帰還経路に接続された負帰還容量(103)と、
前記負帰還経路にて前記負帰還容量(103)と並列接続された負帰還抵抗とを備えた物理量検出回路であって、
前記負帰還抵抗は、複数個のダイオード(104〜107)の直列接続による合成抵抗から成り、
前記負帰還経路に流れる負帰還電流を検出する負帰還電流検出手段(108、121)と、
その負帰還電流検出手段(108、121)が検出した負帰還電流と設定電流値とを比較し、負帰還電流が設定電流値よりも少なくなると、直列接続される前記ダイオード(104〜107)の個数を増やすことにより、前記負帰還抵抗の抵抗値を増大させる負帰還抵抗制御手段(109〜112)と
を備えた物理量検出回路(100、600〜900)を技術的特徴とする。
請求項1に記載の物理量検出回路において、
前記負帰還抵抗制御手段(109〜112)は、前記負帰還電流が設定電流値よりも少なくなる度に、直列接続される前記ダイオード(104〜107)の個数を段階的に増やすことにより、前記負帰還抵抗の抵抗値を段階的に増大させることを技術的特徴とする。
請求項1または請求項2に記載の物理量検出回路において、
前記負帰還電流検出手段(108、121)は、前記負帰還経路に挿入された負帰還電流検出用抵抗(108)の両端間電圧に基づいて負帰還電流を検出することを技術的特徴とする。
検出対象の物理量に応じて電荷量が変化する第1素子(101)と、
その第1素子(101)の電荷量の変化に応じた出力電圧を生成する負帰還増幅回路(FB)とを備え、
前記負帰還増幅回路(FB)は、
前記第1素子(101)が反転入力端子に接続され、負帰還動作を行って出力端子から前記出力電圧を出力する演算増幅器(102)と、
前記演算増幅器(102)の負帰還経路に接続された負帰還容量(103)と、
前記負帰還経路にて前記負帰還容量(103)と並列接続された負帰還抵抗とを備えた物理量検出回路であって、
前記負帰還抵抗は、複数個のダイオード(104〜107)の直列接続による合成抵抗から成り、
物理量検出回路が置かれた環境温度を検出する温度検出手段(202、203、302)と、
その温度検出手段(202、203、302)が検出した環境温度と設定温度とを比較し、環境温度が設定温度より高くなると、直列接続される前記ダイオード(104〜107)の個数を増やすことにより、前記負帰還抵抗の抵抗値を増大させる負帰還抵抗制御手段(109〜111、201、301、401、501)と
を備えた物理量検出回路(200、300、400、500)を技術的特徴とする。
請求項4に記載の物理量検出回路において、
前記設定温度は段階的に複数設定されており、
前記負帰還抵抗制御手段(109〜111、401、501)は、前記環境温度が段階的な複数の設定温度より高くなる度に、直列接続される前記ダイオード(104〜107)の個数を段階的に増やすことにより、前記負帰還抵抗の抵抗値を段階的に増大させること技術的特徴とする。
請求項4に記載の物理量検出回路において、
前記負帰還抵抗制御手段(109〜111、201、301、401、501)は、前記環境温度が設定温度以下になると、直列接続される前記ダイオード(104〜107)の個数を減らすことにより、前記負帰還抵抗の抵抗値を減少させることを技術的特徴とする。
請求項6に記載の物理量検出回路において、
前記設定温度は段階的に複数設定されており、
前記負帰還抵抗制御手段(109〜111、401、501)は、前記環境温度が段階的な複数の設定温度以下になる度に、直列接続される前記ダイオード(104〜107)の個数を段階的に減らすことにより、前記負帰還抵抗の抵抗値を段階的に減少させることを技術的特徴とする。
請求項4〜7のいずれか1項に記載の物理量検出回路において、
前記温度検出手段(202、203、302)は、一定電流が流された感温ダイオード(202)または感温抵抗(302)の両端間電圧に基づいて環境温度を検出することを技術的特徴とする。
請求項1〜8のいずれか1項に記載の物理量検出回路において、
前記負帰還抵抗制御手段(121、201、301、401、501)は、
前記複数個のダイオード(104〜107)に対してそれぞれ並列接続されたスイッチ(109〜111)を備え、
任意のスイッチ(109〜111)を開くことにより、そのスイッチに並列接続されたダイオード(105〜107)を前記負帰還経路に接続させることを技術的特徴とする。
請求項1〜9のいずれか1項に記載の物理量検出回路において、
前記ダイオード(104〜107)は、PN接合ダイオード(104〜107)またはダイオード接続されたトランジスタ(604〜607、804〜807)から成ることを技術的特徴とする。
請求項1の物理量検出回路(100、600、700、800、900)において、負帰還抵抗制御手段(109〜112)は、負帰還電流検出手段(108、121)が検出した負帰還電流と設定電流値とを比較し、負帰還電流が閾値である設定電流値よりも少なくなると、直列接続されるダイオード(104〜107)の個数を増やすことにより、演算増幅器(102)の負帰還抵抗の抵抗値を増大させる。
また、直列接続されるダイオード(104〜107)の個数は、前記作用・効果を確実に得られるように、カット・アンド・トライにより実験的に最適個数を見つけて設定すればよい。
請求項2において、負帰還抵抗制御手段(109〜112)は、負帰還電流が設定電流値よりも少なくなる度に、直列接続されるダイオード(104〜107)の個数を段階的に増やすことにより、負帰還抵抗の抵抗値を段階的に増大させる。
従って、請求項2では、負帰還抵抗の抵抗値の段階的な増大により、負帰還抵抗の抵抗値の自動的な補正・調整をより細かく行うことが可能になるため、請求項1の前記作用・効果を更に高めることができる。
尚、前記段階の数については、前記作用・効果を確実に得られるように、カット・アンド・トライにより実験的に最適な数を見つけて設定すればよい。
請求項3において、負帰還電流検出手段(108、121)は、演算増幅器(102)の負帰還経路に挿入された負帰還電流検出用抵抗(108)の両端間電圧に基づいて負帰還電流を検出する。
従って、請求項3によれば、簡単な構成で確実に負帰還電流を検出可能なことから、物理量検出回路の低コスト化を図ることができる。
尚、負帰還電流検出用抵抗(108)の抵抗値は、前記作用・効果を確実に得られるように、カット・アンド・トライにより実験的に最適値を見つけて設定すればよい。
請求項4の物理量検出回路(200、300、400、500)において、負帰還抵抗制御手段(109〜111、201、301、401、501)は、温度検出手段(202、203、302)が検出した環境温度と設定温度とを比較し、環境温度が閾値である設定温度より高くなると、直列接続されるダイオード(104〜107)の個数を増やすことにより、演算増幅器(102)の負帰還抵抗の抵抗値を増大させる。
また、直列接続されるダイオード(104〜107)の個数は、前記作用・効果を確実に得られるように、カット・アンド・トライにより実験的に最適個数を見つけて設定すればよい。
請求項5では、閾値である設定温度が段階的に複数設定されている。
そして、請求項5において、負帰還抵抗制御手段(109〜111、401、501)は、環境温度が段階的な複数の設定温度より高くなる度に、直列接続されるダイオード(104〜107)の個数を段階的に増やすことにより、負帰還抵抗の抵抗値を段階的に増大させる。
尚、前記段階の数については、前記作用・効果を確実に得られるように、カット・アンド・トライにより実験的に最適な数を見つけて設定すればよい。
請求項6において、負帰還抵抗制御手段(109〜111、201、301、401、501)は、環境温度が設定温度以下になると、直列接続されるダイオード(104〜107)の個数を減らすことにより、負帰還抵抗の抵抗値を減少させる。
従って、請求項6によれば、環境温度が変化しても負帰還抵抗の抵抗値を常に最適値に近く保持させることが可能になるため、請求項4の前記作用・効果を更に高めることができる。
請求項7では、閾値である設定温度が段階的に複数設定されている。
そして、請求項7において、負帰還抵抗制御手段(109〜111、401、501)は、環境温度が段階的な複数の設定温度以下になる度に、直列接続されるダイオード(104〜107)の個数を段階的に減らすことにより、負帰還抵抗の抵抗値を段階的に減少させる。
尚、前記段階の数については、前記作用・効果を確実に得られるように、カット・アンド・トライにより実験的に最適な数を見つけて設定すればよい。
請求項8において、温度検出手段(202、203、302)は、一定電流が流された感温ダイオード(202)または感温抵抗(302)の両端間電圧に基づいて環境温度を検出する。
従って、請求項8によれば、簡単な構成で確実に環境温度を検出可能なことから、物理量検出回路の低コスト化を図ることができる。
請求項9において、負帰還抵抗制御手段(109〜111、121、201、301、401、501)は、複数個のダイオード(105〜107)に対してそれぞれ並列接続されたスイッチ(109〜111)のうち、任意のスイッチを開くことにより、そのスイッチに並列接続されたダイオードを演算増幅器(102)の負帰還経路に接続させる。
従って、請求項9によれば、直列接続されるダイオードの個数を簡単な構成で確実に増減させることが可能なことから、物理量検出回路の低コスト化を図ることができる。
請求項10のように、ダイオード(104〜107)としては、PN接合ダイオード(104〜107)またはダイオード接続されたトランジスタ(604〜607、804〜807)を用いればよい。
上術した[課題を解決するための手段][発明の効果]に記載した( )内の符号等は、上述した[背景技術]と後述する[発明を実施するための最良の形態]に記載した構成部材・構成要素の符号等に対応したものである。
そして、[課題を解決するための手段][発明の効果]に記載した構成部材・構成要素と、[発明を実施するための最良の形態]に記載した構成部材・構成要素との対応関係は以下のようになっている。
請求項1の「負帰還抵抗制御手段」は、スイッチ109〜111およびスイッチ切替制御回路112に該当する。
請求項4の「負帰還抵抗制御手段」は、スイッチ109〜111およびスイッチ切替制御回路201,301,401,501に該当する。
請求項5,7の「負帰還抵抗制御手段」は、スイッチ109〜111およびスイッチ切替制御回路401,501に該当する。
「温度検出手段」は、感温ダイオード202または感温抵抗302および定電流源203に該当する。
図1は、第1実施形態の物理量検出回路100の概略構成を示す回路図である。
物理量検出回路100は、第1素子101、演算増幅器102、負帰還容量(コンデンサ)103、PN接合ダイオード104〜107、負帰還電流検出用抵抗108、スイッチ109〜111、スイッチ切替制御回路112から構成されている。
尚、第1素子101は、マイクロマシニング技術を用いて作製すればよい。
すなわち、直列接続された各ダイオード104〜107および負帰還電流検出用抵抗108と、負帰還容量103とは、演算増幅器102の負帰還経路にて並列接続されている。
尚、負帰還電流検出用抵抗108は各ダイオード104,105の間に接続されている。
すなわち、演算増幅器102の反転入力端子に向けて各ダイオード104〜107のカソードが接続され、演算増幅器102の出力端子に向けて各ダイオード104〜107のアノードが接続されている。
尚、各スイッチ109〜111は定常状態では閉じられている。
ここで、各スイッチ109〜111がそれぞれ開いている場合、各ダイオード105〜107は±数十mVの電圧範囲において、抵抗値が数百MΩの高抵抗の負帰還抵抗として機能する。
また、各スイッチ109〜111がそれぞれ閉じている場合、各ダイオード105〜107は各スイッチ109〜111を介して短絡されるため負帰還抵抗として機能しない。
尚、直流電源VCCと、その電圧VCCには、説明を分かり易くするため同一符号を用いている。
物理量検出回路100が検出対象とする特定の物理量(例えば、力、重量、加速度、圧力など)が第1素子101に印加されると、第1素子101の可動電極板が可動し、第1素子101の両電極板の間隔が変化して静電容量値も変化する。
そして、第1素子101の各電極板のいずれか一方には直流電圧VBBが印加されているため、第1素子101の静電容量値が変化すると、第1素子101に蓄積されている電荷量も変化する。
すなわち、第1素子101の電荷量は物理量に応じて変化し、出力電圧Voは物理量に対応する。
そして、ダイオード104は±数十mVの電圧範囲において、抵抗値が数百MΩの高抵抗の負帰還抵抗として機能する。
そこで、ダイオード104の抵抗値RがインピーダンスZより十分に大きくなるように、例えば、抵抗値RをインピーダンスZの10倍以上にするとなると、抵抗値Rを160MΩ以上にする必要がある。
ダイオード104は演算増幅器102の負帰還経路に対して順方向に接続されており、ダイオード104のリーク電流はカソードからアノードに向けて逆方向に流れるため、ダイオード104にリーク電流が発生すると、そのリーク電流の分だけ演算増幅器102の負帰還電流が減少することになる。
そして、各ダイオード104,105の直列接続による合成抵抗値の増加分だけ数式2に示す抵抗値Rが大きくなるため、各ダイオード104,105にリーク電流が発生していても、物理量検出回路100が検出可能な周波数帯域が狭くならずに高精度な検出が可能になる。
ここで、ダイオード105は演算増幅器102の負帰還経路に対して順方向に接続されており、ダイオード105のリーク電流はカソードからアノードに向けて逆方向に流れるため、ダイオード105にリーク電流が発生すると、そのリーク電流の分だけ演算増幅器102の負帰還電流が減少することになる。
そして、各ダイオード104〜106の直列接続による合成抵抗値の増加分だけ数式2に示す抵抗値Rが大きくなるため、各ダイオード104〜106にリーク電流が発生していても、物理量検出回路100が検出可能な周波数帯域が狭くならずに高精度な検出が可能になる。
ここで、ダイオード106は演算増幅器102の負帰還経路に対して順方向に接続されており、ダイオード106のリーク電流はカソードからアノードに向けて逆方向に流れるため、ダイオード106にリーク電流が発生すると、そのリーク電流の分だけ演算増幅器102の負帰還電流が減少することになる。
そして、各ダイオード104〜107の直列接続による合成抵抗値の増加分だけ数式2に示す抵抗値Rが大きくなるため、各ダイオード104〜107にリーク電流が発生していても、物理量検出回路100が検出可能な周波数帯域が狭くならずに高精度な検出が可能になる。
以上詳述したように、第1実施形態の物理量検出回路100では、環境温度が高温になり、演算増幅器102の負帰還電流が閾値である設定電流値よりも少なくなる度に、各スイッチ109〜111が順番に開かれ、各ダイオード105〜107が順番に演算増幅器102の負帰還経路に接続されて高抵抗の負帰還抵抗として機能するため、各ダイオード104〜107の直列接続による合成抵抗値(負帰還抵抗の抵抗値)が自動的に補正・調整されて増大し、その合成抵抗値の増加分だけ負帰還電流も増大する。
従って、第1実施形態によれば、直列接続されるダイオード104〜107の個数を簡単な構成で確実に増減させることが可能なことから、物理量検出回路100の低コスト化を図ることができる。
ここで、設定電流値は、抵抗分圧回路123の各抵抗R1,R2の抵抗値比または直流電源VCCの直流電圧VCCによって決定される設定電圧に対応する。
そのため、設定電流値は、設定電圧を変更することにより任意の電流値に設定可能であり、前記作用・効果を確実に得られるように、カット・アンド・トライにより実験的に最適値を見つけて設定すればよい。
図2は、第2実施形態の物理量検出回路200の概略構成を示す回路図である。
物理量検出回路200は、第1素子101、演算増幅器102、負帰還容量103、PN接合ダイオード104〜107、スイッチ109〜111、スイッチ切替制御回路201から構成されている。
第2実施形態の物理量検出回路200において、第1実施形態の物理量検出回路100と異なるのは、以下の点である。
そのため、感温ダイオード202には定電流源203により一定電流が流され、感温ダイオード202の両端間電圧であるアノード電圧がコンパレータ122のプラス入力端子に出力される。
物理量検出回路200が置かれた環境温度が高温になると、負帰還抵抗として用いるダイオード104にリーク電流が発生し、そのリーク電流は温度上昇に伴って増大するため、そのリーク電流の分だけ数式2に示す抵抗値Rが実質的に低下することから、物理量検出回路200が検出可能な周波数帯域が狭くなり、高精度な検出が困難になる。
そして、感温ダイオード202には定電流源203により一定電流が流され、感温ダイオード202のカソードはアースに接続されているため、感温ダイオード202の順方向電圧降下が増大するとアノード電圧も増大する。
そこで、スイッチ切替制御回路201は、感温ダイオード202の順方向電圧降下に基づいて環境温度を検出し、環境温度と設定温度とを比較し、環境温度が設定温度以下の場合には、全てのスイッチ109〜111をそれぞれ閉じるための各制御信号Sa〜Scを出力し、全スイッチ109〜111を閉じさせることにより、各ダイオード105〜107を負帰還抵抗として機能させないようにする。
以上詳述したように、第2実施形態の物理量検出回路200では、環境温度が高温になり閾値である設定温度よりも高くなると、全てのスイッチ109〜111が同時に開かれ、各ダイオード105〜107が同時に演算増幅器102の負帰還経路に接続されて高抵抗の負帰還抵抗として機能するため、各ダイオード104〜107の直列接続による合成抵抗値(負帰還抵抗の抵抗値)が自動的に補正・調整されて増大する。
ここで、設定温度は、抵抗分圧回路123の各抵抗R1,R2の抵抗値比または直流電源VCCの直流電圧VCCによって決定される設定電圧に対応する。
そのため、設定温度は、設定電圧を変更することにより任意の温度に設定可能であり、前記作用・効果を確実に得られるように、カット・アンド・トライにより実験的に最適温度を見つけて設定すればよい。
図3は、第3実施形態の物理量検出回路300の概略構成を示す回路図である。
物理量検出回路300は、第1素子101、演算増幅器102、負帰還容量103、PN接合ダイオード104〜107、スイッチ109〜111、スイッチ切替制御回路301から構成されている。
そのため、感温抵抗302には定電流源203により一定電流が流され、感温抵抗302の両端間電圧がコンパレータ122のプラス入力端子に出力される。
物理量検出回路300が置かれた環境温度の上昇に伴い、スイッチ切替制御回路301が備える感温抵抗302の抵抗値は増大する。
そして、感温抵抗302には定電流源203により一定電流が流され、感温抵抗302の一端はアースに接続されているため、感温抵抗302の抵抗値が増大すると両端間電圧も増大する。
そこで、スイッチ切替制御回路301は、感温抵抗302の抵抗値に基づいて環境温度を検出し、環境温度と設定温度とを比較し、環境温度が設定温度以下の場合には、全てのスイッチ109〜111をそれぞれ閉じるための各制御信号Sa〜Scを出力し、全スイッチ109〜111を閉じさせることにより、各ダイオード105〜107を負帰還抵抗として機能させないようにする。
また、第3実施形態では、感温抵抗302と定電流源203を用い、感温抵抗302の両端間電圧に基づいて環境温度を検出するため、簡単な構成で確実に環境温度を検出可能なことから、物理量検出回路300の低コスト化を図ることができる。
図4は、第4実施形態の物理量検出回路400の概略構成を示す回路図である。
物理量検出回路400は、第1素子101、演算増幅器102、負帰還容量103、PN接合ダイオード104〜107、スイッチ109〜111、スイッチ切替制御回路401から構成されている。
抵抗分圧回路403は、直列接続された各抵抗R3,R4から構成され、直流電源VCCの直流電圧VCCを各抵抗R3,R4の抵抗値比で分圧した第2設定電圧を生成し、その第2設定電圧をコンパレータ402の第2マイナス入力端子に印加させている。
抵抗分圧回路404は、直列接続された各抵抗R5,R6から構成され、直流電源VCCの直流電圧VCCを各抵抗R5,R6の抵抗値比で分圧した第3設定電圧を生成し、その第3設定電圧をコンパレータ402の第3マイナス入力端子に印加させている。
そのため、感温ダイオード202には定電流源203により一定電流が流され、感温ダイオード202の両端間電圧であるアノード電圧がコンパレータ402のプラス入力端子に出力される。
物理量検出回路400が置かれた環境温度が高温になると、負帰還抵抗として用いるダイオード104にリーク電流が発生し、そのリーク電流は温度上昇に伴って増大するため、そのリーク電流の分だけ数式2に示す抵抗値Rが実質的に低下することから、物理量検出回路400が検出可能な周波数帯域が狭くなり、高精度な検出が困難になる。
そして、感温ダイオード202には定電流源203により一定電流が流され、感温ダイオード202のカソードはアースに接続されているため、感温ダイオード202の順方向電圧降下が増大するとアノード電圧も増大する。
そこで、スイッチ切替制御回路401は、感温ダイオード202の順方向電圧降下に基づいて環境温度を検出し、環境温度と第2設定温度とを比較し、環境温度が第2設定温度より高い場合には、次に、スイッチ109を開くための制御信号Saに加えて、スイッチ110を開くための制御信号Sbを出力し、スイッチ109に加えてスイッチ110を開かせることにより、各ダイオード105,106を高抵抗の負帰還抵抗として機能させる。
尚、第2設定温度は第1設定温度よりも高い温度に設定されている。
尚、第3設定温度は第2設定温度よりも高い温度に設定されている。
そこで、スイッチ切替制御回路401は、感温ダイオード202の順方向電圧降下に基づいて環境温度を検出し、環境温度と第2,第3設定温度とを比較し、環境温度が第3設定温度以下で第2設定温度より高い場合には、スイッチ111を閉じるための制御信号Scを出力し、スイッチ111を閉じさせることにより、ダイオード107を負帰還抵抗として機能させないようにし、それと同時に、各スイッチ109,110を開かせたまま保持させ、各ダイオード105,106を高抵抗の負帰還抵抗として機能させ続ける。
以上詳述したように、第4実施形態の物理量検出回路400では、環境温度が高温になり、閾値である第1〜第3設定温度よりそれぞれ高くなる度に、各スイッチ109〜111が順番に開かれ、各ダイオード105〜107が順番に演算増幅器102の負帰還経路に接続されて高抵抗の負帰還抵抗として機能するため、各ダイオード104〜107の直列接続による合成抵抗値(負帰還抵抗の抵抗値)が自動的に補正・調整されて増大する。
ここで、第1設定温度は、抵抗分圧回路123の各抵抗R1,R2の抵抗値比または直流電源VCCの直流電圧VCCによって決定される第1設定電圧に対応する。
また、第2設定温度は、抵抗分圧回路403の各抵抗R3,R4の抵抗値比または直流電源VCCの直流電圧VCCによって決定される第2設定電圧に対応する。
また、第3設定温度は、抵抗分圧回路404の各抵抗R5,R6の抵抗値比または直流電源VCCの直流電圧VCCによって決定される第3設定電圧に対応する。
そのため、第1〜第3設定温度はそれぞれ、第1〜第3設定電圧を変更することにより任意の温度に設定可能であり、前記作用・効果を確実に得られるように、カット・アンド・トライにより実験的に最適温度を見つけて設定すればよい。
図5は、第5実施形態の物理量検出回路500の概略構成を示す回路図である。
物理量検出回路500は、第1素子101、演算増幅器102、負帰還容量103、PN接合ダイオード104〜107、スイッチ109〜111、スイッチ切替制御回路501から構成されている。
そのため、感温抵抗302には定電流源203により一定電流が流され、感温抵抗302の両端間電圧がコンパレータ402のプラス入力端子に出力される。
物理量検出回路500が置かれた環境温度が高温になると、負帰還抵抗として用いるダイオード104にリーク電流が発生し、そのリーク電流は温度上昇に伴って増大するため、そのリーク電流の分だけ数式2に示す抵抗値Rが実質的に低下することから、物理量検出回路500が検出可能な周波数帯域が狭くなり、高精度な検出が困難になる。
そして、感温抵抗302には定電流源203により一定電流が流され、感温抵抗302の一端はアースに接続されているため、感温抵抗302の抵抗値が増大すると両端間電圧も増大する。
そこで、スイッチ切替制御回路501は、感温抵抗302の抵抗値に基づいて環境温度を検出し、その環境温度が第2設定温度より高い場合には、次に、スイッチ109を開くための制御信号Saに加えて、スイッチ110を開くための制御信号Sbを出力し、スイッチ109に加えてスイッチ110を開かせることにより、各ダイオード105,106を高抵抗の負帰還抵抗として機能させる。
そこで、スイッチ切替制御回路501は、感温抵抗302の抵抗値に基づいて環境温度を検出し、その環境温度が第3設定温度以下で第2設定温度より高い場合には、スイッチ111を閉じるための制御信号Scを出力し、スイッチ111を閉じさせることにより、ダイオード107を負帰還抵抗として機能させないようにし、それと同時に、各スイッチ109,110を開かせたまま保持させ、各ダイオード105,106を高抵抗の負帰還抵抗として機能させ続ける。
図6は、第6実施形態の物理量検出回路600の概略構成を示す回路図である。
第6実施形態の物理量検出回路600において、第1実施形態の物理量検出回路100と異なるのは、各PN接合ダイオード104〜107がそれぞれ、ダイオード接続されたNMOSトランジスタ604〜607に置き換えられている点だけである。
そして、各トランジスタ605〜607のソース・ドレイン間にはそれぞれ、各スイッチ109〜111が並列接続されている。
図7は、第7実施形態の物理量検出回路700の概略構成を示す回路図である。
第7実施形態の物理量検出回路700において、第1実施形態の物理量検出回路100と異なるのは、各PN接合ダイオード105〜107がそれぞれ、ダイオード接続されたNMOSトランジスタ605〜607に置き換えられている点だけである。
従って、第7実施形態の物理量検出回路700においても、第6実施形態と同様に、第1実施形態の物理量検出回路100と同じ作用・効果が得られる。
図8は、第8実施形態の物理量検出回路800の概略構成を示す回路図である。
第8実施形態の物理量検出回路800において、第1実施形態の物理量検出回路100と異なるのは、各PN接合ダイオード104〜107がそれぞれ、ダイオード接続されたNPNトランジスタ804〜807に置き換えられている点だけである。
そして、各トランジスタ805〜807のソース・ドレイン間にはそれぞれ、各スイッチ109〜111が並列接続されている。
図9は、第9実施形態の物理量検出回路900の概略構成を示す回路図である。
第9実施形態の物理量検出回路900において、第1実施形態の物理量検出回路100と異なるのは、各PN接合ダイオード105〜107がそれぞれ、ダイオード接続されたNPNトランジスタ805〜807に置き換えられている点だけである。
従って、第9実施形態の物理量検出回路900においても、第8実施形態と同様に、第1実施形態の物理量検出回路100と同じ作用・効果が得られる。
本発明は上記各実施形態に限定されるものではなく、以下のように具体化してもよく、その場合でも、上記各実施形態と同等もしくはそれ以上の作用・効果を得ることができる。
そして、第2〜第5実施形態の物理量検出回路200〜500において、各スイッチ切替制御回路201〜501は、第1実施形態の物理量検出回路100におけるスイッチ切替制御回路112のように演算増幅器102の負帰還電流を検出するのではなく、環境温度を検出している。
そのため、第2〜第5実施形態において、各ダイオード104〜107は演算増幅器102の負帰還経路に対してどのような向きに接続してもよく、各ダイオード104〜107の接続方向がそれぞれバラバラであってもよい。
しかし、負帰還電流検出用抵抗108は、演算増幅器102の負帰還経路であれば、どの箇所に挿入してもよい。
尚、負帰還抵抗として用いるPN接合ダイオードまたはトランジスタの個数は、そのPN接合ダイオードまたはトランジスタの抵抗値に応じて、前記作用・効果を確実に得られるように、カット・アンド・トライにより実験的に最適個数を見つけて設定すればよい。
しかし、環境温度が上昇すると抵抗値が減少する負特性感温抵抗を感温抵抗302として用いてもよい。
しかし、検出対象の物理量に対応して発生する電荷量を変化させる圧電素子を第1素子101として用いてもよい。
101…第1素子
102…演算増幅器
103…負帰還容量
104〜107…PN接合ダイオード
108…負帰還電流検出用抵抗
109〜111…スイッチ
112,201,301,401,501…スイッチ切替制御回路
202…感温ダイオード
203…定電流源
302…感温抵抗
604〜607…NMOSトランジスタ
804〜807…NPNトランジスタ
FB…負帰還増幅回路
Claims (10)
- 検出対象の物理量に応じて電荷量が変化する第1素子と、
その第1素子の電荷量の変化に応じた出力電圧を生成する負帰還増幅回路と
を備え、
前記負帰還増幅回路は、
前記第1素子が反転入力端子に接続され、負帰還動作を行って出力端子から前記出力電圧を出力する演算増幅器と、
その演算増幅器の負帰還経路に接続された負帰還容量と、
前記負帰還経路にて前記負帰還容量と並列接続された負帰還抵抗とを備えた物理量検出回路であって、
前記負帰還抵抗は、複数個のダイオードの直列接続による合成抵抗から成り、
前記負帰還経路に流れる負帰還電流を検出する負帰還電流検出手段と、
その負帰還電流検出手段が検出した負帰還電流と設定電流値とを比較し、負帰還電流が設定電流値よりも少なくなると、直列接続される前記ダイオードの個数を増やすことにより、前記負帰還抵抗の抵抗値を増大させる負帰還抵抗制御手段と
を備えたことを特徴とする物理量検出回路。 - 請求項1に記載の物理量検出回路において、
前記負帰還抵抗制御手段は、前記負帰還電流が設定電流値よりも少なくなる度に、直列接続される前記ダイオードの個数を段階的に増やすことにより、前記負帰還抵抗の抵抗値を段階的に増大させることを特徴とする物理量検出回路。 - 請求項1または請求項2に記載の物理量検出回路において、
前記負帰還電流検出手段は、前記負帰還経路に挿入された負帰還電流検出用抵抗の両端間電圧に基づいて負帰還電流を検出することを特徴とする物理量検出回路。 - 検出対象の物理量に応じて電荷量が変化する第1素子と、
その第1素子の電荷量の変化に応じた出力電圧を生成する負帰還増幅回路と
を備え、
前記負帰還増幅回路は、
前記第1素子が反転入力端子に接続され、負帰還動作を行って出力端子から前記出力電圧を出力する演算増幅器と、
前記演算増幅器の負帰還経路に接続された負帰還容量と、
前記負帰還経路にて前記負帰還容量と並列接続された負帰還抵抗とを備えた物理量検出回路であって、
前記負帰還抵抗は、複数個のダイオードの直列接続による合成抵抗から成り、
物理量検出回路が置かれた環境温度を検出する温度検出手段と、
その温度検出手段が検出した環境温度と設定温度とを比較し、環境温度が設定温度より高くなると、直列接続される前記ダイオードの個数を増やすことにより、前記負帰還抵抗の抵抗値を増大させる負帰還抵抗制御手段と
を備えたことを特徴とする物理量検出回路。 - 請求項4に記載の物理量検出回路において、
前記設定温度は段階的に複数設定されており、
前記負帰還抵抗制御手段は、前記環境温度が段階的な複数の設定温度より高くなる度に、直列接続される前記ダイオードの個数を段階的に増やすことにより、前記負帰還抵抗の抵抗値を段階的に増大させることを特徴とする物理量検出回路。 - 請求項4に記載の物理量検出回路において、
前記負帰還抵抗制御手段は、前記環境温度が設定温度以下になると、直列接続される前記ダイオードの個数を減らすことにより、前記負帰還抵抗の抵抗値を減少させることを特徴とする物理量検出回路。 - 請求項6に記載の物理量検出回路において、
前記設定温度は段階的に複数設定されており、
前記負帰還抵抗制御手段は、前記環境温度が段階的な複数の設定温度以下になる度に、直列接続される前記ダイオードの個数を段階的に減らすことにより、前記負帰還抵抗の抵抗値を段階的に減少させることを特徴とする物理量検出回路。 - 請求項4〜7のいずれか1項に記載の物理量検出回路において、
前記温度検出手段は、一定電流が流された感温ダイオードまたは感温抵抗の両端間電圧に基づいて環境温度を検出することを特徴とする物理量検出回路。 - 請求項1〜8のいずれか1項に記載の物理量検出回路において、
前記負帰還抵抗制御手段は、
前記複数個のダイオードに対してそれぞれ並列接続されたスイッチを備え、
任意のスイッチを開くことにより、そのスイッチに並列接続されたダイオードを前記負帰還経路に接続させることを特徴とする物理量検出回路。 - 請求項1〜9のいずれか1項に記載の物理量検出回路において、
前記ダイオードは、PN接合ダイオードまたはダイオード接続されたトランジスタから成ることを特徴とする物理量検出回路。
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