JPH05340958A - 加速度センサ - Google Patents

加速度センサ

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JPH05340958A
JPH05340958A JP3099280A JP9928091A JPH05340958A JP H05340958 A JPH05340958 A JP H05340958A JP 3099280 A JP3099280 A JP 3099280A JP 9928091 A JP9928091 A JP 9928091A JP H05340958 A JPH05340958 A JP H05340958A
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JP
Japan
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acceleration
acceleration sensor
output
resistors
movable electrode
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Application number
JP3099280A
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English (en)
Inventor
Masanori Kubota
正則 久保田
Masayoshi Suzumasa
政善 鈴政
Masahiro Matsumoto
昌大 松本
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Hitachi Ltd
Hitachi Automotive Systems Engineering Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Automotive Engineering Co Ltd
Hitachi Ltd
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Publication date
Application filed by Hitachi Automotive Engineering Co Ltd, Hitachi Ltd filed Critical Hitachi Automotive Engineering Co Ltd
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    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01PMEASURING LINEAR OR ANGULAR SPEED, ACCELERATION, DECELERATION, OR SHOCK; INDICATING PRESENCE, ABSENCE, OR DIRECTION, OF MOVEMENT
    • G01P15/00Measuring acceleration; Measuring deceleration; Measuring shock, i.e. sudden change of acceleration
    • G01P15/02Measuring acceleration; Measuring deceleration; Measuring shock, i.e. sudden change of acceleration by making use of inertia forces using solid seismic masses
    • G01P15/08Measuring acceleration; Measuring deceleration; Measuring shock, i.e. sudden change of acceleration by making use of inertia forces using solid seismic masses with conversion into electric or magnetic values
    • G01P2015/0805Measuring acceleration; Measuring deceleration; Measuring shock, i.e. sudden change of acceleration by making use of inertia forces using solid seismic masses with conversion into electric or magnetic values being provided with a particular type of spring-mass-system for defining the displacement of a seismic mass due to an external acceleration
    • G01P2015/0822Measuring acceleration; Measuring deceleration; Measuring shock, i.e. sudden change of acceleration by making use of inertia forces using solid seismic masses with conversion into electric or magnetic values being provided with a particular type of spring-mass-system for defining the displacement of a seismic mass due to an external acceleration for defining out-of-plane movement of the mass
    • G01P2015/0825Measuring acceleration; Measuring deceleration; Measuring shock, i.e. sudden change of acceleration by making use of inertia forces using solid seismic masses with conversion into electric or magnetic values being provided with a particular type of spring-mass-system for defining the displacement of a seismic mass due to an external acceleration for defining out-of-plane movement of the mass for one single degree of freedom of movement of the mass
    • G01P2015/0828Measuring acceleration; Measuring deceleration; Measuring shock, i.e. sudden change of acceleration by making use of inertia forces using solid seismic masses with conversion into electric or magnetic values being provided with a particular type of spring-mass-system for defining the displacement of a seismic mass due to an external acceleration for defining out-of-plane movement of the mass for one single degree of freedom of movement of the mass the mass being of the paddle type being suspended at one of its longitudinal ends

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 移動体の車両制御システムに適用され、加速
度を精度良く検出でき、零点調整と感度調整を簡易に行
える。また、検出加速度に対してスパンを変更でき、感
度の基本出力特性を選択できる。1つの加速度センサ
で、複数種類の加速度の検出に対処する。調整はオンチ
ップトリミングで行う。 【構成】 加速度検出処理回路において、感度調整部と
零点調整部を備えると共に、感度の基本出力特性(検出
加速度の感度スパン)を変更できる調整部を備える。こ
れらは複数の抵抗とスイッチの組み合わせで構成され、
スイッチのオン・オフ動作は、外部よりオンチップトリ
ミングで行えるように構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、加速度センサに係り、
特に、自動車等の移動体に適用される車体制御システム
に好適であり、出力特性を調整する感度調整回路及び零
点調整回路を備え、各種の加速度を検出できるように加
速度の検出スパンを変更できる加速度センサに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、例えば特開平1−25365
7号公報に開示される如き加速度センサが提案されてい
る。加速度センサの加速度検出原理としては、圧電材料
の圧電効果を利用した圧電式、ピエゾ抵抗効果を利用し
た歪ゲージ式、力のフィードバック機構を有するサーボ
式、差動トランスやホールICを利用した磁気式、フォ
トインタプラタを利用した光式、シリコン微細加工技術
を利用した静電容量式など種々のものが知られている。
【0003】また最近では、加速度センサの駆動回路を
ワンチップの集積回路(IC)として小形化を図ったも
のもあり、オンチップで出力特性を調整する、すなわち
オンチップトリミングを行うものもある。ここでオンチ
ップトリミングとは、ICの内部で各回路要素、例えば
抵抗要素に対し外部より信号を与えて、当該抵抗要素の
抵抗値を所望する適宜な値に調整することをいう。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】一般的に従来の加速度
センサでは、製造時における各種の要因によって、出力
特性においてその零点や感度のバラツキが発生する。従
って、加速度センサの製造後において、かかるバラツキ
がなくなるように、何らかの方法で、検出加速度に対す
る加速度センサの出力特性を調整する必要がある。加速
度センサの零点調整は、加速度センサの出力特性のグラ
フを平行移動させることにより行われる。また加速度セ
ンサの感度調整は、加速度センサの出力特性のグラフの
傾きを変えることにより行われる。
【0005】上記の場合、従来では、例えばボリューム
で抵抗値を変化させる方法、アルミナ基板等に印刷され
た抵抗をレーザトリミングする方法が一般的であり、回
路上に調整用の電子部品を設けることや調整用スペース
が必要である。このため、回路の部品点数の増加、電子
回路のスペース部分の増大、センサの大型化、コスト高
という課題が生じる。
【0006】また、適切な出力特性を有した加速度セン
サであっても、それを取り付ける車両の種類、車両にお
けるその取り付け箇所、検出しようとする加速度の種類
に応じて、感度のスパンを変更しなければならないとい
う必要性が生じる。このように加速度センサでは、使用
の目的又は必要性に応じて、検出加速度のスパン、すな
わち加速度センサの基本出力特性自体を変更したい場合
が生じる。
【0007】前述した従来技術におけるオンチップトリ
ミングでは、限定された特定の検出加速度に関して、す
なわち、基本出力特性を1つとし、この1つの基本出力
特性に関して感度調整のためその出力特性の傾きを調整
することは可能であった。しかしながら、複数の検出加
速度、例えば、検出しようとする加速度のスパンが0〜
±1G,0〜±1.5G,0〜±2G(G=9.8m/
2 )などの加速度に関しては、チップサイズ、精度等
の制約があり、1種類のIC(又は加速度センサ)で複
数の検出加速度に対する出力特性を調整しづらかった。
換言すれば、従来の加速度センサでは、検出しようとす
る加速度に関し複数の基本出力特性を用意すること、及
びこれらの複数の基本出力特性のいずれかに設定するよ
う、必要に応じて任意に調整することが困難であった。
【0008】上記の如く、従来の加速度センサにおける
オンチップトリミングでは、ICチップを大きくして抵
抗やスイッチを増すことによりスパンを大きくすること
が可能であったが、検出加速度の基本出力特性自体を変
更し、目的とする所要の調整精度を得ることはできない
という課題があった。
【0009】本発明の目的は、1種類のICチップで形
成された加速度センサであり、ICチップのサイズを大
きくすることなく、ICチップ内にて複数の検出加速度
の基本出力特性を所定の精度内で調整できるようにした
加速度センサを提供することにある。本発明の他の目的
は、感度や零点を調整する回路を含む出力調整回路を備
え、感度や零点を調整を高精度で行うことができ、セン
サ回路の小形化、低コスト化を達成する加速度センサを
提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明に係る第1の加速
度センサは、加速度に対応して変位する可動電極とこの
可動電極の両側で可動電極に対向して配置される一対の
固定電極を含む加速度検出素子と、この加速度検出素子
の出力する信号を処理する加速度検出処理回路とからな
る加速度センサであり、加速度検出処理回路は、第1の
切換手段と第2の切換手段を含み且つ可動電極の変位に
対応して変化する加速度検出素子で設定された容量情報
を取り出す容量情報検出回路と、この容量情報検出回路
の出力信号に基づき加速度検出素子の可動電極を静電サ
ーボ制御するための第1のパルス波形信号を生成して2
つの固定電極のそれぞれに与えるパルス幅変調回路と、
第1のパルス波形信号に同期した第2のパルス波形信号
で第1及び第2の切換手段の切換動作を行う切換実行手
段と、第1のパルス波形信号をアナログの出力信号に変
換する変換回路と、出力信号を所定の特性に調整する出
力調整回路とを含むように構成される。前記の構成にお
いて、出力調整回路は複数の抵抗及び複数の切換手段を
含み、複数の切換手段を動作させることにより、抵抗の
組み合わせを選択して出力特性における感度のデジタル
的に調整することができる。また前記の構成において、
出力特性おける零点を調整するための零点調整回路を設
けることができる。前記の各構成において、前記加速度
検出処理回路をワンチップの集積回路で形成することが
できる。これによって、オンチップトリミングで調整す
ることが可能となる。本発明に係る第2の加速度センサ
は、加速度に対応して変位する可動電極とこの可動電極
の両側で可動電極に対向して配置される固定電極を含む
加速度検出素子と、この加速度検出素子の出力する信号
を処理する加速度検出処理回路とからなる加速度センサ
であり、加速度検出処理回路は、加速度に対する基本出
力特性を調整するスパン調整回路を含み、このスパン調
整回路内に、スパン調整用の複数の抵抗と、この複数の
抵抗の中から所定特性が得られるよういずれかを選択す
る複数の切換手段とを設けるように構成される。前記の
構成において、スパン調整回路を含む加速度検出処理回
路はワンチップの集積回路で形成され、オンチップトリ
ミングでスパン調整を行う。前記第1及び第2の加速度
センサの構成を組み合わせて加速度センサを実現するこ
とができる。
【0011】
【作用】本発明による第1の加速度センサでは、加速度
検出素子の出力信号を処理する回路として、加速度検出
処理回路を簡易な構成で作製すると共に、零点調整回路
及び感度調整回路を含む加速度検出処理回路をワンチッ
プのICで形成することにより小形化及び低コスト化を
達成する。本発明による第2の加速度検出センサでは、
加速度検出処理回路の中にスパン調整回路を設け、複数
の検出加速度のそれぞれに対応する基本出力特性を任意
に選択できるように検出スパン、すなわち加速度センサ
の基本出力特性を段階的に変化させることできる。すな
わちスパン抵抗に対し直列又は並列に複数の抵抗を接続
し、これらの複数の抵抗の中から、所定の特性が得られ
るよう、抵抗値を適宜に選択する複数の切換手段を設け
たものである。複数の検出加速度の基本出力特性に適合
した複数の抵抗を予めスパン設定用抵抗に対し直列又は
並列に接続しておき、例えば、第1の加速度検出範囲の
ときは、第1の抵抗が選択できるよう切換手段をオン・
オフし、第2の加速度検出範囲のときは第2の抵抗が選
択できるように切換手段をオン・オフし、それぞれ、加
速度検出のための基本出力特性を選択する。つまり、零
点調整とスパン調整の前の段階で、必要とされる検出加
速度の基本出力特性が得られる。またIC化された加速
度センサにおいて、オンチップトリミングで上記の各種
調整を行うことを可能とした。
【0012】
【実施例】以下に、本発明の実施例を添付図面に基づき
説明する。先ず、本発明の第1実施例について説明す
る。図1は本発明の第1実施例を示す出力調整部とその
入力側周辺部の構成図、図2は加速度センサの全体構成
を示す回路図、図3は加速度検出素子の要部構造(b)
と等価回路(a)を示す図である。図4〜図12は、本
実施例の関連図面であり、図1〜図3の説明の中で、必
要に応じて適宜に参照して説明する。
【0013】先ず、加速度検出素子について説明する。
図2において1は検出対象の加速度に対して感応する加
速度検出素子である。図3を参照して加速度検出素子1
の具体的構成を説明する。加速度検出素子1は移動体で
ある車体の適宜な箇所に固定される。図3(b)におい
て、加速検出素子1は、平行に配設された2つの固定電
極2,3と、固定電極2,3の間に配置された可動電極
4とから構成される。可動電極4の両側に可動電極4に
対向して配置される一対の固定電極2,3は、アルミニ
ウム等の金属材で形成され、それぞれがガラス板5,6
に蒸着、又はその他適宜の方法により形成される。可動
電極4は、シリコンビーム7の先部に形成される。シリ
コンビーム7はシリコンの微細加工技術により形成さ
れ、単数、複数のいずれで構成してもよい。可動電極4
はシリコンビーム7の先端にて重錘の機能を有する。シ
リコン板8を両面からエッチングすることにより、シリ
コンビーム7及びこのシリコンビーム7に支持される可
動電極4が一体的に形成される。
【0014】シリコン板8の一端8aはスペーサとして
の役割をなす。上記のような検出部を構成すると、ガラ
ス板5,6に設けた固定電極2,3と可動電極4を位置
合せして、ガラス板5,6をスペーサ8a,9を介して
平行に配置し、ガラス板5,6のそれぞれとスペーサ8
a,9とを陽極接合する。こうして可動電極4を介在さ
せた状態で固定電極2,3が対向配置されるが、可動電
極4と各固定電極2,3には、初期ギャップ(例えば3
μm程度の微細ギャップ)が確保される。
【0015】可動電極4は、検出すべき加速度及び各固
定電極2,3から受ける静電気力(吸引力)によりY方
向に変位する。この可動電極4が変化すると、可動電極
4と固定電極2の間の静電容量C1 、及び可動電極4と
固定電極3の間の静電容量C2 は変化する。なお上記構
成を有する加速度検出素子1を電気回路で示すと、等価
的に図3(a)に示すような回路となる。この等価回路
では、固定電極2,3と可動電極4は端子で示されてい
る。
【0016】図4は、可動電極4の変位に対する静電容
量C1 ,C2 と、C1 とC2 の差分ΔCとの関係を示す
線図で、横軸に可動電極4の変位ω(μm)を示し、初
期ギャップd0 =3μmを保持する中立点を変位零と
し、正方向の変位は可動電極4が上方向(固定電極2
側)に移動した状態を、負方向の変位は可動電極2が下
方向(固定電極3側)に移動した状態を表わす。この線
図からも明らかなように可動電極4が、固定電極2側に
移動する程、静電容量C1 が大きくなり、逆に固定電極
3側に移動する程、静電容量C2 が大きくなる。また、
1 −C2 で得られる静電容量の差分ΔCも、これに対
応して、中立点(基準位置)を零とし、それぞれ正方
向、負方向に大きくなる。なお、可動電極4が中立点に
ある場合には、静電容量C1 ,C2 は、双方共に同一値
(6.5pF程度)にある。従ってC1 とC2 とΔCの
うちいずれか1つを検出することにより、可動電極4の
変位を知ることができる。本実施例では、図2に示すよ
うに、検出感度と安定性を考慮して、ΔCで与えられる
容量情報(これは可動電極4の変位情報である)を容量
検出部10で検出している。
【0017】なお、可動電極4は、例えば0〜±1G、
0〜10HZ 程度の加速度範囲を検出するもので、この
条件では可動電極4の変位は微小であり、中立点の位置
0を中心に±30fF(フェムト ファラッド)の微小
範囲で変位するので、C1 ,C2 ,ΔCのいずれかの特
性を用いても線形な変化信号としてとらえることができ
る。
【0018】再び図2に戻って、加速度センサの他の回
路要部を概説的に説明する。図2中、破線で囲った部分
11が、検出された加速度に関する信号を処理する加速
度検出処理回路で、この回路は集積回路(以下ICと記
す)で構成されている。IC11は高速のデジタル処理
及びアナログ処理や大電流駆動にすぐれたバイポーラデ
バイスと、デジタル処理にすぐれ、低消費電力化及び高
集積化が可能であるCMOSデバイスの混合デバイス
(Bi−CMOSデバイス)によってIC化を図ってい
る。IC11は駆動電源VDDにより駆動される(本実施
例の場合VDDは定電圧で、例えば8Vである)。駆動電
源VDDは図中演算増幅器やロジック回路等の電源に使用
される(給電のための結線関係は図示せず)。なお基準
電圧発生回路12は、IC11の内部で使用している各
種の基準電圧VR1,VB1,VB2,VH ,VL を作ってい
る。容量検出部10は、前述の容量差ΔCを検出し、Δ
Cの変化を電圧信号に変換して出力するもので、出力増
幅器13で位相補償を行いつつ増幅し、パルス幅変調器
14に送られる。容量検出部10の詳細構成及びその動
作については後述される。パルス幅変調器14は、増幅
器13の出力に応じてパルス幅が変化する矩形波電圧を
パルス列状に出力する。このパルス幅変調器14の出力
は、ゲート部15により矩形波電圧の波高値を所定電圧
値(基準電圧VR1)に制御される2つの出力が作られ
る。2つの出力のうち、1つの出力V2 は信号線K1
介して固定電極3に入力され、他の1つの出力V1 は、
反転器16で反転されて得られ、信号線K2 を介して固
定電極2に印加される。なお可動電極4の電位は、上記
波高値VR1になるように設定されている。パルス幅変調
器14の詳細構成及びその動作は後述される。
【0019】上記の各印加電圧V1 ,V2 により、固定
電極2,3のそれぞれに静電気力が発生する。これらの
2つの静電気力は、可動電極4に対する吸引力として作
用する。固定電極2による静電気力は、可動電極4を図
3中の上方向に移動させ(この静電気力を正方向の静電
気力F1 とする)、固定電極3による静電気力は、可動
電極4を図3中の下方向に移動させる(この静電気力を
負方向の静電気力F2 とする)。従って可動電極4に作
用する総計としての静電気力F0 は、静電気力F1 ,F
2 の和、F0 =F1 +(−F2 )で表わされる。換言す
れば、加速度が存在しない状態で静電気力F1 =F2
場合であれば,可動電極4は中立点に保たれ、静電気力
1 >F2 であれば、可動電極4を上方に移動させる力
が働き、静電気力F1 <F2 であれば可動電極4を下方
向に移動させる力が働く。
【0020】図5は固定電極2に印加される矩形波電圧
(a)及び固定電極3に印加される矩形波電圧(b)を
示し、各矩形波電圧はパルス幅変調(デューティ制御)
を受けている。図6は固定電極2,3から可動電極4に
作用する各種静電気力F1 ,F2 及びそれらの和(静電
気力F0 )を示すものである。図6に示すように、デュ
ーティ〔D(パルス幅)/T(周期)〕を連続的に変え
れば、静電気力F1 ,F2 及びトータルの静電気力F0
を直線的な特性で変化させることができる。
【0021】図6において例えばD/T=0の場合に
は、固定電極2に印加される電圧はほぼ零、これに対し
て固定電極3に印加される反転された電圧は最大となる
ので、静電気力F1 が零、静電気力F2 が最大となり、
静電気力F0 も負方向に最大となる。D/T=1の場合
は、D/T=0の場合と逆の関係になる。D/T=0.
5の場合は、静電気力F1 ,F2 が等しくなるので、そ
のトータルの静電気力F0 が零となり、加速度がない場
合には、可動電極4が中立点(初期位置)に拘束される
ことになる。またD/T=0.25の場合には、固定電
極2と3のそれぞれに印加される矩形波電圧の1周期当
りのパルス幅比率が1:3となり、これら比例して静電
気力F1 対F2 の比率も1:3になり、この差引分が負
方向の静電気力F0 として可動電極4に作用する。この
ようにして、静電気力F0 はD/T=0.5を零クロス
点として、D/Tの値に応じて正方向及び負方向に直線
的な特性で変化する。
【0022】上記実施例の加速度センサでは、外部から
加速度を受けて可動電極4が変位した時に(可動電極4
の変位方向は加速度の加わる方向と反対である)、静電
容量C1 ,C2 の差分ΔCの出力に基づき、パルス幅変
調器14により、このΔCが零となる位置までD/Tを
デューティ制御(ここでは、パルス幅変調)するもので
ある。例えば加速度が正方向に最大(測定範囲の最大)
の状態で発生し、可動電極4がこれと反対方向(固定電
極3側)に最大変位した時には、最大の−ΔCの出力に
基づきD/Tが設定範囲の最大となるパルス幅変調を行
う。この場合には静電気力F0 は正方向に最大となり、
可動電極4に作用する負方向の加速度変位力(反力)と
相殺されて、可動電極4は中立点の位置(ΔCが零にな
る位置)になるまで静電サーボ制御が行われる。
【0023】反対に加速度が負方向に最大の状態で発生
し、可動電極4が,これと反対方向(固定電極2側)に
最大変位した時は、最大のΔCの出力に基づきD/Tが
設定範囲の最小となるパルス幅変調を行う。この場合に
は、静電気力F0 は負方向に最大になり、可動電極4に
作用する正方向加速度変位(反力)と相殺されて、前記
と同様、可動電極4は中立点まで戻される。
【0024】このようなD/T制御は、加速の度合、加
速の方向に左右される可動電極4の変化及び方向に対応
して常にΔCが零となるように行なわれる。そしてパル
ス幅変調器14から出力された、D/T制御されたパル
ス幅変調電圧Vpwm を積分器17で積分処理すれば、加
速度に比例した直線的な出力電圧(平均値)Vout ′を
得ることができる。このVout ′及び前記Vpwm は、前
述の加速度検出素子1とIC11等の製造時における各
種の要因によって、その感度や零点はある範囲でバラツ
キを有する。
【0025】図7は、加速度センサによる加速度(G)
に対する最終的出力電圧Vout の特性(出力特性)の一
例を示すもので、この特性は、加速度センサの出力調整
部18で感度、零点を調整することにより得られる。図
7で示した特性例では、加速度の検出範囲を0〜±1G
の範囲としている。1G=9.8m/s2 である。図7
において加速度が正方向に最大(+1G)の場合は、D
/Tが最大なので出力Vout も最大となり、逆に負方向
に最大(−1G)の場合は、D/Tが最小なので出力V
out は最少となる。加速度が0の場合にはD/T=0.
5なので、出力Vout が中間点をとる。これら3つの点
を結ぶ線形なVout 特性が加速度0〜±1Gの範囲内で
得られる。
【0026】次に、IC11における前述の容量検出部
10の詳細構成及びその動作(静電容量ΔCの検出動
作)を図2に基づき説明する。加速度検出素子1で形成
される静電容量C1 ,C2 について、図2に示される如
く、静電容量C2 に与えられる信号はパルス幅変調器1
4の出力V2 、及び静電容量C1 に与えられる信号は反
転器16の出力V1 であり、これらの出力電圧V1 ,V
2 は図5に示される。静電容量C1,C2の接続点a、
つまり可動電極4は、演算増幅器19の負端子に接続さ
れ、負端子と出力端子との間には、容量Cf のコンデン
サ20と例えばPチャンネルMOSからなるスイッチ2
1が並列に接続される。演算増幅器19の正端子には基
準電圧VR1を印加し(本実施例ではVR1=5.8V)、
負端子を正端子と同電位にした。このようにして、可動
電極4の電位を基準電圧VR1に保っている。演算増幅器
19の出力は、サンプルホールド回路22に与えられ
る。サンプルホールド回路22は演算増幅器23とスイ
ッチ24(例えば、PチャンネルMOSスイッチであ
る)と充電用コンデンサ25から構成される。
【0027】図8(a)〜(e)の動作波形を参照し
て、容量検出部10の詳細構成及び動作について説明す
る。スイッチ21は、通常オン状態であり、容量Cf
コンデンサ20を放電させて演算増幅器19の出力Vc
を基準電圧VR1にする。パルス幅変調された矩形波電圧
1 の立上り、V2 の立下りにほぼ同期してスイッチ2
1がオフ状態になる(信号φR によって制御される)。
この時C1 は充電され、C2 は放電される。C1 からC
f に移動する電荷Q1 、及びC2 からCf に移動する電
荷Q2 は次式のようになる。
【0028】
【数1】Q1 =C1 R1
【0029】
【数2】Q2 =−C2 R1 ここで、前述の通り、VR1はパルス幅変調された矩形波
電圧V1 ,V2 の電圧値である。また容量Cf のコンデ
ンサ20に蓄えられる電荷Qf はQ1 とQ2 の和になる
から、
【0030】
【数3】Qf =Q1 +Q2 =(C1 −C2 )VR1 で表わされ、コンデンサ20の容量Cf の両端の電圧V
は、次式のようになる。
【0031】
【数4】
【0032】演算増幅器19の出力Vc は、次式とな
る。
【0033】
【数5】
【0034】サンプルホールド回路22では、スイッチ
24を一定時間の間オンにして(信号φS によって制御
される)、容量Cs のコンデンサ25に充電を行い、演
算増幅器19の出力Vc をサンプリングし、これにより
1 とC2 の差分ΔCを、基準電圧VR1を乗算した電圧
換算値として検出する。すなわち、サンプルホールド回
路22は、演算増幅器19の出力をサンプリングし、Δ
Cに対応する電圧Vs を演算増幅器23の出力端に出力
する。この出力Vs が容量検出部10の出力となる。
【0035】上記の構成及び作用を有する容量検出部1
0によれば、可動電極4の位置制御(静電サーボ制御に
よる)に用いるパルス電圧V1 ,V2 を利用してC1
2 の静電容量差ΔC、換言すれば、加速度による可動
電極4の変位を、電圧レベルの信号として検出すること
ができる。
【0036】更に、上記の出力Vs を増幅器13にて増
幅し、その増幅出力Vinとして、パルス幅変調器14へ
入力される。本実施例の場合、増幅器13の増幅倍率は
例えば50倍である。増幅器13における増幅用演算増
幅器13aの正入力端子は、基準電圧VR1が印加され
る。
【0037】次に、前述したパルス幅変調器14の詳細
な構成及び動作と可変手段を有する遅延回路35の動作
について、図9の各動作波形を参照して説明する。図9
のb〜hは、図2のパルス幅変調器14の回路中の点b
〜hに対応している。
【0038】図2中の31は、フリップフロップ回路3
2で動作し且つ可変手段を備えた発振器である。b点の
波形は、基準電圧VH ,VL (本実施例では、VH =6
V,VL =3Vである)とフリップフロップ回路32の
出力d(点dでの信号)、例えばNMOSよりなるスイ
ッチ33、コンデンサ34によって、所定の周期Tを有
する三角波波形となる。電流源A1 ,A2 の電流比を変
えることにより、三角波波形の立上り、立下りの傾きを
変えることができる(本実施例の場合、A1 :A2
1:50)。
【0039】フリップフロップ回路32の出力c(点c
における信号)は、遅延回路35に入力され、出力dは
反転してAND回路36へ入力される。また、b点の三
角波波形をコンパレータ37の正入力端子へ入力し、前
述の増幅器13の出力Vinを負入力端子で入力すると、
コンパレータ37の出力eが得られる。出力eを反転し
てAND回路36に入力すると、AND回路36の出力
fが得られる。更に、可変手段を有する遅延回路35に
より、出力cの立上り、換言すれば出力fの立上りから
の所定の時間(Th )オンするパルス信号gを得る。こ
のパルス信号gと、前記出力fは、NOR回路38に入
力され、その出力としてhが得られる。本実施例の場
合、上述の所定周期Tと所定の時間Th は、備えられた
可変手段により、個々の回路特性のバラツキを調整でき
るように構成されている。このパルス信号gに基づき、
反転器39を介して前記の信号φS が得られ、反転器4
0,41を介して前述した信号φR が得られる。また出
力hは、反転器16とバッファ部42と前記ゲート部1
5を通して前記V1 となり、バッファ部42とゲート部
15を通して前記のV2 及びパルス幅変調電圧Vpwm と
なる。パルス幅変調電圧Vpwm を積分器17で積分する
と、加速度に比例した出力電圧Vout ′が得られる。本
実施例の場合、積分器17は、抵抗RとコンデンサCか
らなるRC回路を2段階接続したローパスフィルタであ
る。またR,Cの値により出力特性の所定の遮断周波数
が得られる。更にコンデンサCは、IC11の内部又は
外部のいずれに取り付けてもかまわない。ただし、コン
デンサCをIC11の内部に設けた場合には、IC11
のサイズは大きくなる(コンデンサの容量値の大きさに
よりICサイズは異なる)。
【0040】次に、図2及び図10〜図12に基づいて
出力調整部18の詳細な構成及び動作を説明をする。出
力調整部18の中間部の出力をVM 、前述の如く最終的
出力をVout とする
【0041】とき、出力電圧Vout は下記の
【数8】により表わされる。
【0042】先ずVM は、図2中に定義された基準とな
る電圧VB3と抵抗R1 ,R2 と、前記パルス幅変調電圧
Vpwm とによって、
【0043】
【数6】
【0044】として求められる。ここで、電圧VB3は、
後述される零点調整部51から出力される電圧である。
上記のVM を用いて、更に図2中に定義された抵抗
s ,Rf 及び基準電圧VB2を用いて、Vout は下式の
ように表現される。
【0045】
【数7】
【0046】上式において
【数6】を用いてVM を消去すると、次の式に変換され
る。
【0047】
【数8】
【0048】上式においてR1 ,R2 を固定抵抗、VB2
を一定電圧とすれば、加速度センサの感度はRf /Rs
によって決まり、零点はRf /Rs とVB3により決ま
る。そこで、先に感度(Rf /Rs )を調整してから零
点を調整すれば、感度の影響を受けずに零点を調整で
き、調整の仕方が比較的に簡単となる。よってRf /R
s 及びVB3を可変にするように構成しておけば、出力電
圧Vout は所定の特性に調整することができる。
【0049】また前述した積分回路17を構成するロー
パスフィルタの抵抗部は、抵抗R1 であり、上式からも
明らかなように、抵抗R1は感度を決定する一つの要素
であり、同時にローパスフィルタ用の抵抗も兼用してい
る。
【0050】次に、感度と零点の調整の仕方について説
明する。先ず、感度調整の例について説明する。例えば
NチャンネルMOSよりなる複数のスイッチS1 〜S7
と、抵抗Ra 〜Ri とを、図2に示す如く組み合せて接
続する。演算増幅器52の正入力端子に、所定の基準電
圧VB2を入力する。スイッチS1 〜S7 をデジタル的に
オン、オフすることにより、感度を調整するための前述
した抵抗Rs ,Rf を27 (128)通りに組み合せる
ことができる。抵抗Rs は抵抗Ra 〜Re の組み合わせ
によって作られ、また抵抗Rf は抵抗Rj 〜Ri の組み
合わせによって作られる。本実施例の場合,7ビットの
調整分解能力を有するが、抵抗及びスイッチを増してビ
ット数を増すことにより分解能を上げることができる。
またスイッチS1 〜S4 をオフ、S5 〜S7 をオンの状
態にすることにより、抵抗Re ,Rj により特性が得ら
れる。この特性は、初期特性となる。
【0051】更に、調整用のパッドB1 〜B7 をIC1
1に設け、これらのパッドからスイッチS1 〜S7 のオ
ン、オフする信号を入力し、27 (128)通りの組合
せを実行させれば、前もって感度の特性が適宜に選択
し、設定することができる。スイッチS1 〜S7 のオン
・オフ動作をオンチップによりトリミング可能とするの
は、第1のスイッチ制御手段53である。この第1のス
イッチ制御手段53について、図10により説明する。
図10において、B1 端子にはツェナーダイオードZD
を接続し、抵抗RY ,RZ はVDDに接続される。抵抗R
X はトランジスタTr のベース抵抗、抵抗RZ はエミッ
タ抵抗である。トランジスタTr はPNP形であり、エ
ミッタにはバッファ54が接続される。B1 端子とグラ
ンド(GND)との間にツェナー電圧以上の電圧をプロ
ーバー等を介して印加し、ツェナーダイオードZDの拡
散層(n+ ,p+ )を破壊する。すると、B1 端子がG
NDショートされる。これによりトランジスタTr がオ
ンし、エミッタ部がGNDレベルになり、バッファ54
の出力端子D1 がHiレベルになり、端子D1 に接続さ
れたスイッチS1 がオンする。その他の端子B2
7 、D2 〜D7 も同様な構成を有しており、その図示
は省略される。
【0052】次に、零点調整の例について図11、図1
2に基づいて説明する。前述したように51が零調整部
であり、VB1は一定の前記基準電圧である(本実施例の
場合3.5V)。本実施例の場合、NチャンネルMOS
よりなるスイッチW1〜W127,L1〜L8と抵抗r
1〜r224を直交マトリクス的に接続する。基準電圧
としてVB1を使用し、抵抗r1〜r224の分圧回路に
おいて、出力VB3を取り出す。55は第2のスイッチ制
御手段であり、入力端子b1 〜b7 と出力端子d1 〜d
7 を有する。端子d1 〜d7 をすべてGNDレベル(0
V)にすると、出力電圧VB3のオープンとなる。d1
みハイレベルでd2 〜d7 のすべてをGNDレベルにす
ると、スイッチW1,L1が選択(オン)され、出力V
B3は、
【0053】
【数9】
【0054】となる。端子b1 〜b7 の状態と出力電圧
B3との関係は、表1に示す通りである。つまり、VB3
では、表1に示すようにVB1の27 (128)通りの分
圧電圧を出力することができる。本実施例の場合、7ビ
ットの調整分解能を有する。また一連の動作は、感度の
調整例と同様であり、出力VB3をデジタル的に制御でき
る。また第2のスイッチ制御手段55の動作も、第1の
スイッチ制御手段53と同一である。
【0055】
【表1】
【0056】なお図2に示す如く、パルス幅変調電圧V
PWM をIC11の外部へ取り出せるようにICに配線5
6、パッド57を設け、これにより加速度に比例したデ
ューティ波形出力が得ることができる。
【0057】次いで、上記
【数8】における抵抗Rf ,RS の変化範囲について説
明する。Rf ,RS の変化範囲は、IC11のチップサ
イズ、精度の制約を受ける。すな
【0058】わち、
【数8】は、図7に示した検出しようとする加速度に対
する出力電圧特性(±1GでVout =0.5〜4.5
V)を調整するものである。従って、例えば図13の出
力電圧特性(±1.5GでVout =0.5〜4.5V)
や図14の出力電圧特性(±2GでVout =0.5〜
4.5V)なども含めて調整しようとすると、精度が悪
くなったり、ICのチップサイズが大きくなってしま
う。図7、図13、図14のそれぞれの特性は、検出加
速度のスパンが異なるのであるが、基本的には感度の大
きさ(基本出力特性)が異なるものである。そこで、加
速度センサの出力調整部の入力段の固定抵抗R2 を、図
1に示した回路構成とすることにより、図7と図13と
図14に示された基本出力特性のいずれをも得られるこ
とを可能とした。図1では、IC11の内部構成におい
て、特に、抵抗Rからなる抵抗R1 とコンデンサCとで
構成される積分器17、抵抗R2 ,Rs ,Rf と2つの
演算増幅器を含む出力調整部18を示す。ただし零点調
整部51の図示は省略されている。
【0059】図1から明らかなように、抵抗R2 は、直
列に接続されたR20,R21,R22の3つの抵抗に分割さ
れ、且つ分割抵抗R21,R22に対しそれぞれ並列にスイ
ッチS21,S22を接続する構成とした。本実施例の場
合、スイッチS21,S22には、PMOSを使用してい
る。なお、前記図2で抵抗R2は単に固定抵抗として図
示されているだけで、詳細に示されていない。そして、
スイッチS21,S22に対しては、それぞれIC11に設
けられたパッドP1 ,P2 が接続される。このパッドP
1 ,P2 を介して外部より信号を与えることによりスイ
ッチS21,S22のオン・オフ状態を制御することがで
き、これにより抵抗R2 の値を変化させることができ
る。上記構成においてスイッチS21をオフし、S22をオ
ンすることにより(本実施例の場合、ICのパッドをG
NDレベルにするとS21,S22はオンする)、抵抗
【0060】R2 の抵抗値はR20+R21となり、
【数8】は下記の
【数10】に書き換えられる。
【0061】
【数10】
【0062】上式において、抵抗R20,R21を予め適宜
に設定することにより
【数10】に基づいて、図13に示された感度の基本出
力特性を得ることができる。
【0063】同様にして、スイッチS21,S22の両方を
オンにすると、抵抗R2 の抵抗値は
【0064】R20となり、
【数8】は
【数11】に書き換えられる。
【0065】
【数11】
【0066】上式により、同様にして図14に示された
感度の基本出力特性を得ることができる。
【0067】以上の如く、抵抗R20,R21,R22からな
る抵抗R2 において、並設されたスイッチS21,S22
オン・オフの組合せにより、1つの加速度センサでオン
チップトリミングを利用して例えば3通りの基本出力特
性を得ることが可能となる。またスイッチS21,S22
オン、オフの動作は、前述した図10に示すようなスイ
ッチ制御手段53と同様なスイッチ制御手段で制御する
ことができる。
【0068】出力調整部18の第2の実施例を図15に
示す。この実施例では、抵抗R2 の部分を3つの抵抗に
分割し且つこれらの抵抗を並列に接続し、図示される如
く2つの抵抗に関してスイッチS21,S22を配設してい
る。その他の構成は、前記第1図に示した構成と同じで
ある。分割された3つの抵抗の各抵抗値を適宜に設定す
ることにより且つスイッチS21,S22のオン・オフ動作
を適宜に組み合わせることにより、3通りの所望の抵抗
値を得る。すなわち、スイッチS21,S22を共にオフに
することにより当該抵抗部(前記R2 の部分)の抵抗値
をR2 とし、スイッチS21オン且つスイッチS22をオフ
とすることによりR20+R21、スイッチS21,S22を共
にオンとすることによりR20としている。スイッチ
21,S22のオン・オフ動作はパッドP1 ,P2 を介し
て外部より制御される。以上により、前記第1実施例の
場合と同様に、各種の加速度を検出できるように、オン
チップトリミングで検出加速度の基本出力特性を、例え
ば3通りに適宜に変更することができる。
【0069】出力調整部18の第3の実施例を図16に
示す。この実施例では、回路の接続構成は図1に示した
第1実施例と類似している。構成上相違する点は、スイ
ッチS21,S22を使用する代わりに、ICチップ上のア
ルミ配線のためのアルミ配線用マスクを、図示する如く
Aマスク(実線で示した配線)とBマスク(破線で示し
た配線)とCマスク(一点鎖線で示した配線)とを用意
し、抵抗部(前記R2 の部分)の値を、それぞれAマス
クの部分はR2 、Bマスクの部分はR20、Cマスクの部
分はR20+R21としたICを作製するものである。本実
施例の場合には作製された加速度センサのICでは、製
造の段階でAマスク、Bマスク、Cマスクのいずれかが
選択される。従って、オンチップトリミングを行うこと
はできないが、ICチップを大きくすることなく、感度
についての基本出力特性を設定することができる。
【0070】以上で説明した加速度センサは、自動車に
適用するのが最も好ましいが、一般的に各種移動体に適
用することができる。前記実施例では、主にハード回路
構成で説明したが、ソフト的に実現することができるの
は、勿論である。
【0071】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように本発明によ
れば、次の効果を奏する。加速度検出素子の信号処理と
して感度や零点を調整する出力調整部を有する加速度検
出処理回路を簡易な構成で作製できると共に、ワンチッ
プのICで構成したため、回路の小形化及びセンサとし
て小形化、センサの低コスト化を達成できる。
【0072】感度や零点のバラツキを、抵抗やスイッチ
の組み合わせによりデジタル的に調整することができ、
事前に感度や零点の特性を把握でき、抵抗のバラツキ、
演算増幅器や基準電圧等の回路のバラツキを吸収でき、
高精度に感度や零点の調整を行うことができる。
【0073】更に、検出加速度のスパンに影響し得る複
数の抵抗とこれに直列又は並列に接続された複数の切換
手段を設け、複数の抵抗の中から所定特性が得られるよ
う抵抗を選択し、1種類の加速度センサで、必要に応じ
て複数の加速度のいずれかを選択して検出できるように
基本出力特性を変更するができる。IC化された加速度
センサでは、チップサイズを変更することなく感度に関
する基本出力特性、すなわちスパンを変更することがで
きる。加えて、オンチップトリミングで前記基本出力特
性を変更することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の出力調整部及びその周辺回路の第1実
施例を示す回路図である。
【図2】加速度センサの全体的構成を示す回路図であ
る。
【図3】加速度検出素子の機械的構造とその等価回路を
説明するための図である。
【図4】可動電極の変位と静電容量C1 ,C2 及び容量
差ΔCとの関係を示すグラフである。
【図5】パルス幅変調器の出力と反転器の出力を示す波
形図である。
【図6】固定電極に印加される電圧波形のデューティと
可動電極に作用する静電気力との関係を示すグラフであ
る。
【図7】加速度センサの出力特性(基本出力特性)の一
例を示す特性図である。
【図8】容量検出部の動作を説明するための各部波形図
である。
【図9】パルス幅変調器の動作を説明するための各部波
形図である。
【図10】スイッチ制御手段の一例を説明するための回
路図である。
【図11】零点調整部の具体的構成を示す回路図であ
る。
【図12】零点調整部の出力電圧を取り出すための回路
構成を示す回路図である。
【図13】加速度センサの出力特性(基本出力特性)の
他の例を示す特性図である。
【図14】加速度センサの出力特性(基本出力特性)の
他の例を示す特性図である。
【図15】本発明の出力調整部及びその周辺回路の第2
実施例を示す回路図である。
【図16】本発明の出力調整部及びその周辺回路の第3
実施例を示す回路図である。
【符号の説明】
1 加速度検出素子 2,3 固定電極 4 可動電極 10 容量検出部 11 加速度検出処理回路 14 パルス幅変調器 17 積分回路 18 出力調整部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鈴政 政善 茨城県勝田市大字高場2520番地 株式会社 日立製作所佐和工場内 (72)発明者 松本 昌大 茨城県日立市久慈町4026番地 株式会社日 立製作所日立研究所内

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 加速度に対応して変位する可動電極とこ
    の可動電極の両側で可動電極に対向して配置される固定
    電極を含む加速度検出素子と、この加速度検出素子の出
    力する信号を処理する加速度検出処理回路とからなる加
    速度センサにおいて、前記加速度検出処理回路は、第1
    の切換手段と第2の切換手段を含み且つ前記可動電極の
    変位に対応して変化する前記加速度検出素子で設定され
    た容量情報を取り出す容量情報検出手段と、この容量情
    報検出手段の出力信号に基づき前記加速度検出素子の前
    記可動電極を静電サーボ制御するための第1のパルス波
    形信号を生成して2つの前記固定電極のそれぞれに与え
    るパルス幅変調手段と、前記第1のパルス波形信号に同
    期した第2のパルス波形信号で前記第1及び第2の切換
    手段の切換動作を行う切換実行手段と、前記第1のパル
    ス波形信号をアナログの出力信号に変換する変換手段
    と、前記出力信号を所定特性に調整する出力調整手段を
    含むことを特徴とする加速度センサ。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の加速度センサにおいて、
    前記加速度検出処理回路は、ワンチップの集積回路で形
    成されることを特徴とする加速度センサ。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の加速度センサにおいて、
    前記容量情報検出手段は、前記第1の切換手段がオフで
    ある時、前記第2の切換手段がオンであることを特徴と
    する加速度センサ。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の加速度センサにおいて、
    前記2つの固定電極のうち、一方に前記第1のパルス波
    形信号を与え、他方に第1のパルス波形信号を反転した
    信号を与えるようにしたことを特徴とする加速度セン
    サ。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の加速度センサにおいて、
    前記容量情報検出手段は、その入力段に演算増幅器を有
    し、この演算増幅器の正入力端子に与えられた基準電圧
    と、前記第1のパルス波形信号の波高値とが同一である
    ことを特徴とする加速度センサ。
  6. 【請求項6】 請求項1記載の加速度センサにおいて、
    前記出力調整手段は複数の抵抗及び複数の切換手段を含
    み、前記複数の切換手段を切換動作させることにより、
    前記抵抗の組み合わせを選択して出力特性における感度
    をデジタル的に調整することを特徴とする加速度セン
    サ。
  7. 【請求項7】 請求項6記載の加速度センサにおいて、
    前記出力調整手段は出力特性おける零点を調整するため
    の零点調整手段を有することを特徴とする加速度セン
    サ。
  8. 【請求項8】 請求項6又は7記載の加速度センサにお
    いて、前記加速度検出処理回路はワンチップの集積回路
    で形成され、前記調整は、オンチップトリミングで行わ
    れることを特徴とする加速度センサ。
  9. 【請求項9】 加速度に対応して変位する可動電極とこ
    の可動電極の両側で可動電極に対向して配置される固定
    電極を含む加速度検出素子と、この加速度検出素子の出
    力する信号を処理する加速度検出処理回路とからなる加
    速度センサにおいて、前記加速度検出処理回路は、前記
    加速度に対する基本出力特性を調整するスパン調整手段
    を含み、このスパン調整手段内は、スパン調整用の複数
    の抵抗と、この複数の抵抗の中から所定特性が得られる
    よういずれかを選択する複数の切換手段とからなること
    を特徴とする加速度センサ。
  10. 【請求項10】 請求項9記載の加速度センサにおい
    て、前記複数の抵抗は直列に接続され、そのうちの一部
    の抵抗に並列に前記切換手段が接続されたことを特徴と
    する加速度センサ。
  11. 【請求項11】 請求項9記載の加速度センサにおい
    て、前記複数の抵抗は並列に接続され、そのうちの一部
    の抵抗に直列に前記切換手段が接続されたことを特徴と
    する加速度センサ。
  12. 【請求項12】 請求項10記載の加速度センサにおい
    て、前記複数の抵抗は直列に接続され、そのうちの一部
    の抵抗に並列に、前記切換手段の代わりに、配線マスク
    が設けられたことを特徴とする加速度センサ。
  13. 【請求項13】 請求項9〜12のいずれか1項に記載
    の加速度センサにおいて、前記スパン調整手段を含む加
    速度検出処理回路はワンチップの集積回路で形成され、
    オンチップトリミングでスパン調整を行うことを特徴と
    する加速度センサ。
  14. 【請求項14】 請求項13記載の加速度センサにおい
    て、1種類の前記集積回路で、複数の前記基本出力特性
    のうちいずれかを選択することを可能とする加速度セン
    サ。
  15. 【請求項15】 請求項1記載の加速度センサにおい
    て、前記加速度検出処理回路は、更に、請求項9〜12
    のいずれか1項に記載されたスパン調整手段を含み、加
    速度検出処理回路の全体をワンチップの集積回路で形成
    したことを特徴とする加速度センサ。
  16. 【請求項16】 請求項2記載の加速度センサにおい
    て、前記第1のパルス波形信号を外部に取り出す取出し
    部を設けたことを特徴とする加速度センサ。
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