JP5104498B2 - 中枠、および時計 - Google Patents

中枠、および時計 Download PDF

Info

Publication number
JP5104498B2
JP5104498B2 JP2008102194A JP2008102194A JP5104498B2 JP 5104498 B2 JP5104498 B2 JP 5104498B2 JP 2008102194 A JP2008102194 A JP 2008102194A JP 2008102194 A JP2008102194 A JP 2008102194A JP 5104498 B2 JP5104498 B2 JP 5104498B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
movement
elastic member
case
middle frame
spring
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2008102194A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2009250913A (ja
Inventor
雅章 井上
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Seiko Epson Corp filed Critical Seiko Epson Corp
Priority to JP2008102194A priority Critical patent/JP5104498B2/ja
Publication of JP2009250913A publication Critical patent/JP2009250913A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5104498B2 publication Critical patent/JP5104498B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Electric Clocks (AREA)
  • Electromechanical Clocks (AREA)

Description

本発明は、時計のムーブメントを保持する中枠、およびこの中枠を備える時計に関する
従来、筒状のケースの筒内部に、時刻表示手段を備えるムーブメントを収納する時計が
知られている(例えば、特許文献1参照)。
この特許文献1に記載のものは、外装ケース内部に、電池から提供される電力により各
指針が駆動されるムーブメントと収納する電子駆動式の時計である。
ところで、上記特許文献1に記載のような時計では、ムーブメントに例えば静電気など
による電荷が帯電すると、電子制御部品などに悪影響を及ぼすおそれがある。このため、
一般に、ムーブメントの一部に外径側に突出する導通ばねを設け、この導通ばねにより、
外装ケースとムーブメントとの間を導通する構成が採られている。
特開平05−52970号公報
しかしながら、導通バネが突出するムーブメントを外装ケースに収納する際、外装ケー
スの内径寸法により、導通ばねの撓み量が異なる。これにより、例えば外装ケースの内径
寸法が小さい場合では、導通ばねをより多く撓ませる必要があるため、ムーブメントを外
装ケースに収納する際に、大きな力が必要となり、組立作業が煩雑になるという問題があ
る。また、外装ケースの内径寸法が大きすぎる場合では、導通ばねの外装ケースに対する
接触圧が小さくなり、仮に接地していたとしても、電気的導通に必要な接触圧が確保でき
ず、非導通となる問題がある。さらに、例えば衝撃などにより導通ばねが外装ケースから
離れるおそれがあり、この場合、ムーブメントの接地ができなくなるという問題がある。
本発明は、上記のような問題に鑑みて、ムーブメントのケースへの収納を容易にする中
枠、およびこの中枠を備えた時計を提供することを目的とする。
本発明の中枠は、時刻表示手段を有し、外径方向に導通用の弾性部材が突出するムーブ
メントの外周部を保持するとともに、このムーブメントとともに金属製のケースの所定位
置に収納される中枠であって、前記ムーブメントおよび当該中枠を前記ケースから取り外
した状態において、前記弾性部材の先端部が、前記ケースの内径寸法よりも所定寸法だけ
径方向側に突出する状態に、前記弾性部材の突出方向を規制する弾性部材規制部を備える
ことを特徴とする。
この発明によれば、中枠の弾性部材規制部により、ムーブメントをケースから取り外し
た状態で、弾性部材の先端部がケース内径よりも所定寸法だけ突出する状態に規制される
。すなわち、弾性部材規制部は、ムーブメントをケースに収納する際に、ムーブメントに
固定される弾性部材の撓み量が所定量となるように位置決めする。例えば、内径が小さい
ケースを備えた時計では、中枠は、このケースの内径よりも所定量だけ外径側に突出する
状態に弾性部材を位置決めする。
これにより、ムーブメントをケースに装着する際に、弾性部材の撓み量を前記所定量に
設定することができ、ムーブメントのケースへの装着が容易になる。
すなわち、例えば内径の大きいケースに対応して弾性部材の突出角度が設定されたムー
ブメントを内径の小さいケースに収納する場合、ムーブメントの収納時に弾性部材をより
多く撓ませる必要がある。これに対して、本発明では、中枠は、弾性部材規制部により、
弾性部材をムーブメント側に押圧して、ケース側への突出寸法が予め設定される所定値と
なるように位置決めする。ここで、中枠は、ムーブメントのケースへの収納時に、弾性部
材の撓み量が、当該中枠が設けられない場合に比べて、より小さい所定撓み量となるよう
に、当該弾性部材を位置決めする。これにより、弾性部材をこの所定撓み量だけ撓ませる
だけで、容易にムーブメントをケース内に収納させることができ、ムーブメントをケース
内に収納する組立作業を容易に実施することができる。
一方、例えば内径が小さいケースに対して弾性部材の突出角度が設定されたムーブメン
トを用いる場合、中枠は、弾性部材規制部により、弾性部材を通常時よりも外径側に押圧
して位置決めする。ここで、中枠は、ムーブメントのケースへの収納時に、弾性部材の撓
み量が所定撓み量となるように、当該弾性部材を位置決めする。これにより、弾性部材を
この所定撓み量だけ撓ませるだけで、容易にムーブメントをケース内に収納させることが
でき、組立作業性が向上する。
したがって、ムーブメントを装着するケースの内径に応じて適切な中枠と選択すること
で、ケースの内径に関係なく、弾性部材の撓み量を一定にすることができ、略同一応力で
弾性部材を撓ませるだけで、容易にムーブメントをケースに装着することができる。また
、1つの弾性部材で内径寸法が異なるケースに対応することができ、部品の共通化が可能
となり、製品のコストダウンを図ることができる。
また、本発明の中枠では、前記弾性部材規制部は、弾性部材の前記ムーブメント側に当
接して、前記ムーブメントの外周縁の接線方向に対して所定の角度で傾斜する状態に押し
出す突出部であることが好ましい。
このような突出部であれば、例えば中枠を射出成形により形成したり、中枠の一部を加
工したりするだけで容易に形成することができる。また、この突出部のケースに対する角
度や、形成される位置を調整することにより、容易にケース内径に対して適切な位置に弾
性部材を位置決めする構成が得られる。
さらに、本発明の中枠では、前記突出部には、当該中枠を前記ムーブメントに装着する
際に、前記弾性部材を前記突出方向側に押し出すテーパ面が形成されることが好ましい。
ここで、このテーパ面の傾斜方向としては、例えば突出部により弾性部材を径外方向に
押し出して位置決めする場合、突出部の先端部に向かうに従って、ムーブメントの外径側
から内径側に傾斜するテーパ面を形成すればよく、例えば突出部により弾性部材を径内方
向に押し出して位置決めする場合、突出部の先端部に向かうに従って、ムーブメントの内
径側から外径側に傾斜するテーパ面を形成すればよい。
この発明によれば、ムーブメントに固定される弾性部材を突出部により位置決めする際
に、弾性部材をテーパ面上で滑らせて撓ませることができる。したがって、ムーブメント
に中枠を取り付ける際に、弾性部材の位置調整が容易に実施でき、作業効率を向上させる
ことができる。
そして、本発明の時計は、金属製のケースと、このケースの内部に収納されるとともに
、時刻を表示する時刻表示手段を有するムーブメントと、このムーブメントの外周部から
外径方向に突出する導通用の弾性部材と、前記ムーブメントの外周部を保持するとともに
、前記ムーブメントとともに前記ケースの内部に収納される中枠と、を備えた時計であっ
て、前記中枠は、前記ムーブメントを前記ケース内部に収納する際に、前記弾性部材が所
定撓み量で撓む状態に、前記弾性部材の突出方向を規制する弾性部材規制部を備えること
を特徴とする。
この発明によれば、上記発明と同様に、弾性部材を中枠の弾性部材規制部により、ケー
スへの装着時の撓み量が所定値となるように位置決めされている。したがって、ムーブメ
ントをケースに装着する際に、この所定撓み量だけ撓ませることで容易に弾性部材をケー
ス内周面に当接させることができ、組立作業の効率を向上させることができる。
または、本発明の時計では、前記ケースは、略筒状に形成され、前記ムーブメントは、
前記弾性部材を前記ケースの筒中心軸側に撓ませた状態で、前記ケースの筒内部に収納さ
れ、前記弾性部材の先端部は、先端側から基端側に向かって、前記ムーブメントを前記ケ
ースに収納する方向に傾斜するテーパ状に形成されることが好ましい。
この発明によれば、ムーブメントをケース内部に収納する際に、弾性部材の先端部のテ
ーパ面がケース内周部に当接するため、弾性部材の先端部をこのテーパ面に沿って移動さ
せることで、弾性部材を撓ませやすくなる。したがって、ムーブメントのケースに収納す
る際の作業効率を向上させることができる。また、上記したように、ケースにムーブメン
トを収納する際の弾性部材の撓み量が一定となるため、このテーパ面の距離寸法も短く設
定することができ、弾性部材の小型化を図ることができる。
以下、本発明の一実施の形態に係る時計を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の一実施の形態の係る時計の概略を示す全体図である。
図2は、この時計を、ケース、ムーブメント、中枠に分解した際の分解斜視図である。
図3は、内径寸法が小さい胴部を備える時計において、弾性部材としての導通ばね近傍
を拡大した平面図である。
[時計の構成]
図1において、1は、時計であり、この時計1は、指針21およびこれらの指針21を
駆動させる駆動手段により構成される時刻表示手段を備えたムーブメント20と、ムーブ
メント20を保持する中枠30と、中枠30およびムーブメント20を収納するケース1
0と、を備えている。
そして、ケース10は、略筒状の胴部11と、風防ガラス12と、風防ガラス12の周
縁部を保持する環状のガラス縁13と、胴部11の風防ガラス12が設けられる側とは反
対側に設けられる裏蓋14とを備えている。
ケース10を構成する胴部11は、例えばチタンやステンレスなどの金属により形成さ
れている。この胴部11は、例えば三次元の切削・研磨加工により形成され、図示しない
ムーブメント固定部と、縁固定部111と、裏蓋固定部112とを有している。
ムーブメント固定部は、胴部11とムーブメント20とを同軸上に位置決めし、ムーブ
メント20を固定する。縁固定部111は、風防ガラス12を保持するガラス縁13を胴
部11に固定する。また裏蓋固定部112は、裏蓋14を胴部11に固定する。なお、こ
れら固定部におけるムーブメント20、ガラス縁13、および裏蓋14の固定方法として
は、例えばねじ止めや接着固定など、各種固定方法を用いることができる。
また、ムーブメント固定部により固定されるムーブメント20は、胴部11の内周面に
対して所定寸法の隙間を開けて配設されている。
ムーブメント20は、上記したように、指針21と、この指針21を駆動させる図示し
ない駆動機構と、文字板22と、などを備えている。
駆動機構は、図示しない駆動輪列、ステップモータ、電子回路部、および電力を供給す
る電池などを備えている。このムーブメント20では、電池により供給される電力を電子
回路部に供給し、電子回路部によりステップモータの駆動を制御して所定の駆動力を発生
させる。そして、この駆動力を、駆動輪列を介して指針21に伝達させ、指針21を所定
駆動間隔で駆動させる。なお、本実施形態の時計1は、電池の電力により指針21を駆動
させる電子時計を例示するが、例えばゼンマイの駆動力により電力を発生させて調速を実
施する時計や、機械時計などであってもよい。
また、ムーブメント20は、裏蓋14側の少なくとも外周縁近傍に、上記した電池や、
電子回路部、ステップモータなどの各種電子部品におけるアース端子と導通するアース基
板23を備えている。
このアース基板23は、導電性の金属部材により形成されている。また、このアース基
板23は、少なくとも一部がムーブメント20の外周縁に沿う状態に設けられている。ま
た、アース基板23は、ムーブメント20に配置される各種電子部品の図示しないアース
端子と導通されている。
そして、アース基板23は、ムーブメント20の外周縁に沿って折曲形成されるばね形
成片231を備え、このばね形成片231には、ケース10の胴部11内周面に向かって
突出する弾性部材としての導通ばね24が形成されている。
ここで、この導通ばね24は、初期状態としてムーブメント20の略接線方向に設定さ
れており(図3中、2点鎖線にて示す)、この状態から後述する中枠30により、ムーブ
メント20の接線に対して所定角度曲げられた位置決め状態(図3中1点鎖線にて示す状
態)に折り曲げられる。そして、この導通ばね24は、ムーブメント20を胴部11に収
納する際に、この位置決め状態状態(図3中1点鎖線にて示す状態)から、所定の撓み量
α(例えば50mm)だけ撓まされた状態に弾性変形されることで、ケース10の胴部1
1の内周面に所定接触圧で接触している。
ここで、図4に基づいて、導通ばね24の先端部の形状について説明する。図4は、導
通ばね24の先端部の形状を示す図である。
図4において、導通ばね24の先端部には、基端側から先端側に向かうに従って、風防
ガラス12側から裏蓋14側へと傾斜するテーパ部241が形成されている。このテーパ
部241は、ムーブメント20を胴部11に収納する際に、導通ばね24の弾性変形を補
助する。すなわち、テーパ部241が胴部11の内周面の端部に当接した状態で、ムーブ
メント20を胴部11の内部に押し込むと、テーパ面が胴部11の内周面の端部により押
し込まれる。これにより、ムーブメント20を押し込む軸方向の力を、導通ばね24を撓
ませる径方向の力に変換することができ、容易に導通ばね24をムーブメント20側に撓
ませることが可能となる。
中枠30は、略筒状に形成される合成樹脂製部材であり、例えば射出成形などにより成
形される。この中枠30は、筒内周面によりムーブメント20の外周面を保持した状態で
、ムーブメント20および胴部11の間に配設される。この時、中枠30は、胴部11の
内周面との間に所定寸法の隙間が設けられるように、外周形状が形成されている。
また、中枠30は、ムーブメント20の裏蓋14に対向する押え片31を有し、この押
え片31には、図3に示すような弾性部材規制部としての突出部32が一体形成されてい
る。この突出部32は、胴部11と対向する面に導通ばね24が当接され、この導通ばね
24を、ムーブメント20の接線方向に対して所定角度だけ折曲させる位置で位置決めす
る。より具体的には、突出部32は、ムーブメント20を胴部11に収納した際に、導通
ばね24が胴部11の内周面に押し込まれることで、所定の撓み量αだけ撓む状態に位置
決めする。
図5は、導通ばね近傍を拡大した断面図であり、(A)は、ムーブメントに中枠を取り
付ける前を示す図、(B)は、ムーブメントに中枠が取り付けられた状態を示す図である

この突出部32の先端部には、この図5に示すように、外径方向に向かうに従って、風
防ガラス12側から裏蓋14側に傾斜するテーパ面33が形成されている。このようなテ
ーパ面33を設けることで、中枠30にムーブメント20を装着する際に、テーパ面33
のテーパに沿って導通ばね24を径外方向に案内することができ、導通ばね24の位置決
めが容易になる。
そして、中枠30は、胴部11に対向する周面において、突出部32の形成部近傍が切
欠かれて、ばね挿通窓34が形成されている。このばね挿通窓34には、導通ばね24が
挿通され、中枠30の外周面から胴部11側に導通ばね間の先端部が突出している。
[時計の組み立て方法]
次に、上述したような時計1において、ケース10にムーブメント20を装着して組み
立てる組み立て方法について説明する。
時計1の組み立てでは、先ず、ムーブメント20に中枠30を装着する。
ここで、胴部11の内径寸法に応じて、突出部32の形成位置、サイズ、胴部11に対
向する面の傾斜角度などが異なる複数種類の中枠30を予め準備する。
そして、これらの複数種類の中枠30から、ムーブメント20を胴部11に装着する際
に導通ばね24の撓み量が所定撓み量αとなるように、導通ばね24を位置決め可能な突
出部32を備えた中枠30を選択する。例えば、図3に示すような内径寸法が小さい胴部
11にムーブメント20を装着する際には、導通ばね24を、ムーブメント20の接線方
向に対して小さい角度で傾斜する状態に位置決め可能な突出部32を有する中枠30を選
択する。一方、図6に示すように、内径寸法が大きい胴部11にムーブメント20を装着
する際には、導通ばね24を、ムーブメント20の接線方向に対して大きい角度で傾斜す
る状態に位置決めされた突出部32を有する中枠30を選択する。図6は、内径寸法が大
きい胴部を備える時計において、弾性部材としての導通ばね近傍を拡大した平面図である
また、中枠30にムーブメント20を装着する際には、図5(A)に示すように、ムー
ブメント20に固定される導通ばね24の基端部が突出部32のテーパ面33に当接する
ように、ムーブメント20および中枠30を位置決めする。そして、中枠30の内周部に
ムーブメント20を押し込み、中枠30にムーブメント20を嵌合する。ここで、ムーブ
メント20を中枠30に押し込む応力により、導通ばね24は、突出部32のテーパ部に
沿って外径側に撓み、図5(B)に示すように突出部32の胴部11に対向する面に当接
して位置決めされる。
また、この時、導通ばね24の先端は、ばね挿通窓34から中枠30の外周面より外径
側に所定寸法だけ突出した状態となる(図3および図6中の1点鎖線)。
また、ケース10の胴部11には、予め風防ガラス12を装着したガラス縁13を縁固
定部111に固定しておく。そして、この胴部11に、中枠30、および中枠30に保持
されたムーブメント20を、装着する。
この時、中枠30のばね挿通窓34から突出した導通ばね24は、先端部のテーパ部2
41で胴部11の内周面の端部に当接する。そして、ムーブメント20を胴部11内部に
押し込むと、その応力により導通ばね24のテーパ部241が胴部11の内周面により押
圧され、導通ばね24がムーブメント20側に撓む。この時、導通ばね24は、中枠30
により、ムーブメント20の挿入時の撓み量がαに設定されているため、一定の撓み量α
で撓み、胴部11の内周面に一定の接触圧で接触する。
この後、胴部11の裏蓋固定部112に裏蓋14を固定することで、時計1の組み立て
が完了する。
ここで、図7に、導通ばね24の撓み量と、接触圧との関係を示す。
なお、この図7では、導通ばね24は、素材としてばね用ステンレス鋼帯(SUS301)、
板厚=20(1/100mm)、ばね幅=40(1/100mm)、ばね長さ=286(
1/100mm)の板ばねを用いた。また、ムーブメント20の径寸法は、3150(1
/100mm)とし、胴部11の内径寸法が3220(1/100mm)、3320(1
/100mm)のケース10を用いて、導通ばね24の撓み量と接触圧とを測定した。ま
た、この図7は、中枠30が設けられず、導通ばね24は、径寸法が大きい胴部11に対
応した位置に設定された従来の時計の測定結果である。
すなわち、従来の時計では、径寸法が大きい胴部11にムーブメント20を装着する場
合、導通ばね24は、比較的適切な接触圧(50〜100g)を示し、撓み量も小さいた
め、導通ばね24のヘタリも小さくなる。しかしながら、この導通ばね24を備えるムー
ブメントを内径寸法が小さい胴部11に挿入すると、導通ばね24の撓み量が大きくなり
、接触圧も大きく(120〜140g)なる。したがって、導通ばね24の撓ませる力も
、接触圧と同様に増大するため、ムーブメント20を胴部11に挿入する組立作業が困難
となる。また、導通ばね24の撓み量が大きくなると、ヘタリも大きくなり、導通ばね2
4の寿命が短くなったり、組み立て中に導通ばねが変形してしまったりするなどの不都合
もある。さらには、このようなヘタリが生じた導通ばね24をより内径の大きい胴部11
に案内すると、導通に必要な接触圧が確保できないという問題もある。
これに対して、本実施の形態の時計1では、中枠30により導通ばね24の撓み量が一
定値α(例えば、本実施の形態では、撓み量α=50)に設定されている。すなわち、図
7において、胴部11の内径寸法の値にかかわらず、導通ばね24の接触圧およびヘタリ
量は、点Pの接触圧(約60g)、および点Qのヘタリ量となる。したがって、ムーブメ
ント20の胴部11への挿入時に、導通ばね24を撓ませるために要する応力も一定値と
なる。すなわち、ムーブメント20のアースが十分に可能な接触圧となるように撓み量α
を設定することで、胴部11のサイズにかかわらず容易にムーブメント20を挿入するこ
とが可能となる。また、導通ばね24を撓ませる量が減るため、ヘタリもなくなり、導通
ばねの長寿命化にも貢献できる。
[本実施の形態の作用効果]
上述したように、上記実施の形態の時計1では、中枠30は、ムーブメント20を胴部
11に挿入した際に導通ばね24の撓み量が所定撓み量αとなるように、導通ばね24を
位置決めする突出部32を備えている。
このため、胴部11の内径寸法に応じて適切な中枠30を選択することで、ムーブメン
ト20の装着時の導通ばね24の一定の撓み量αにすることができる。このとき、ムーブ
メント20のアースが十分に可能な接触圧となる値となるように撓み量αを設定すること
で、胴部11の径寸法と関係なく、小さい力でムーブメント20を胴部11に収納するこ
とができる。したがって、時計1の組立作業における作業負荷を軽減させることができ、
作業効率を向上させることができる。
また、導通ばね24の撓み量が小さくなるため、撓みによるばねのヘタリをも防止する
ことができる。したがって、導通ばね24の長寿命化を図ることができ、良好な品質の時
計1を提供することができる。
また、弾性部材規制部として、中枠30の押え片31から突出する突出部32を用いて
いる。このような突出部32は、例えば中枠30を射出成形にて形成する際に、突出部3
2に対応する形状を有するキャビティの金型を用いることで容易に一体成形することがで
きる。したがって、例えば突出部材を中枠30に固定するなどの煩雑な作業や、複雑な構
成が不要となり、簡単な構成で容易に導通ばね24を所定位置に位置決めすることができ
る。
さらに、この突出部32の先端部には、テーパ面33が形成されている。
このため、ムーブメント20に中枠30を取り付ける際に、導通ばね24をこのテーパ
部241に沿って撓ませることができる。したがって、導通ばね24の位置決め作業も容
易に実施でき、作業効率を向上させることができる。
そして、導通ばね24の先端部には、テーパ部241が形成されている。このため、胴
部11にムーブメント20を収納する際に、テーパ部241に沿って導通ばね24を撓ま
せることができ、ムーブメント20の装着が容易になる。したがって、作業効率性をより
向上させることができる。
また、胴部11の径寸法によらず、導通ばね24の撓み量が一定値αとなるように設定
しているので、ムーブメント20の挿入時に、胴部11の内周面の端部と最初に接触する
位置も略同一となる。すなわち、胴部11の内径寸法に応じて、導通ばねの撓み量が異な
る構成では、例えば図4における破線にて示されるように、内径寸法が大きい胴部11お
よび内径寸法が小さい胴部11に対応してテーパ部241を大きくする必要がある。また
、このようなテーパ部241は、テーパ部241が設けられていない部分より剛性が大き
くなる。したがって、ばねの全長に対してテーパ部241が長くなると、弾性変形するば
ね部が短くなり、このばね部に過度の応力が加わるため、ヘタリが生じやすくなる。これ
に対して、上記実施の形態では、テーパ部241を小さくできるので、ばね部の長さが長
くなり、ヘタリが生じにくくなる。したがって、導通ばね24の長寿命化を図れ、接触圧
が低下するなどの不都合をも防止することができる。
[他の実施の形態]
なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる
範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
例えば、上記実施の形態では、導通ばね24にテーパ部241を設ける構成を示したが
、例えばテーパ部241が設けられない構成などとしてもよい。
また、中枠30の押え片31から、突出部32を設ける構成としたが、導通ばね24の
撓み量を一定値αにする構成であれば特に限定されず、例えば中枠30にばね位置決め部
材を別途設ける構成などとしてもよい。
さらに、突出部32にテーパ面を形成し、テーパ面に沿って導通ばね24を案内する構
成を示したが、例えばテーパ面が形成されない構成などとしてよい。この場合、導通ばね
24を突出部32の外径側に押し込む治具などを用いて、導通ばね24の位置決めを実施
してもよい。
そして、ムーブメント20の周面における裏蓋14側に導通ばね24が設けられる構成
を示したが、例えば文字板22に対向する面に導通ばね24が設けられる構成などとして
もよい。
また、中枠30の周面を切り欠いて、導通ばね24を挿通させるばね挿通窓34を形成
する例を示したが、例えば中枠30の周面における導通ばね24の挿通箇所のみに孔部を
設ける構成などとしてもよい。
さらに、上記実施の形態において、導通ばね24を突出部32により径外方向に押し出
して、ムーブメント20を胴部11に収納した際に撓み量がαとなる位置に位置決めする
構成を示したが、これに限らない。例えば、初期状態において、径外方向に突出する導通
ばねを突出部32によりムーブメント20の内径側に押し込み、ムーブメント20を胴部
11に収納した際に撓み量がαとなるように位置決めする構成としてもよい。この場合、
突出部32に形成されるテーパ面を反対側、すなわち、突出部32の突出先端に向かうに
従って内径側から外径側に傾斜するテーパ面を形成することで、ムーブメント20に中枠
30を設置する際、導通ばね24をテーパ面に沿って撓ませることができ、設置作業が容
易になる。
その他、本発明の実施の際の具体的な構造および手順は、本発明の目的を達成できる範
囲で他の構造などに適宜変更できる。
本発明の一実施の形態の係る時計の概略を示す全体図である。 前記実施の形態の時計を、ケース、ムーブメント、中枠に分解した際の分解斜視図である。 内径寸法が小さい胴部を備える時計において、弾性部材としての導通ばね近傍を拡大した平面図である。 前記実施の形態の時計において、導通ばねの先端部の形状を示す図である。 前記実施の形態の時計において、導通ばね近傍を拡大した断面図であり、(A)は、ムーブメントに中枠を取り付ける前を示す図、(B)は、ムーブメントに中枠が取り付けられた状態を示す図である。 内径寸法が大きい胴部を備える時計において、弾性部材としての導通ばね近傍を拡大した平面図である。 導通ばねの撓み量と、接触圧との関係を示す図である。
符号の説明
1…時計、10…ケース、11…胴部、20…ムーブメント、24…弾性部材としての
導通ばね、241…テーパ部、30…中枠、32…弾性部材規制部としての突出部、33
…テーパ面。

Claims (5)

  1. 時刻表示手段を有し、外径方向に導通用の弾性部材が突出するムーブメントの外周部を
    保持するとともに、このムーブメントとともに金属製のケースの所定位置に収納される中
    枠であって、
    前記ムーブメントおよび当該中枠を前記ケースから取り外した状態において、前記弾性
    部材の先端部が、前記ケースの内径寸法よりも所定寸法だけ径方向側に突出する状態に、
    前記弾性部材の突出方向を規制する弾性部材規制部を備える
    ことを特徴とした中枠。
  2. 請求項1に記載の中枠において、
    前記弾性部材規制部は、弾性部材の前記ムーブメント側に当接して、前記ムーブメント
    の外周縁の接線方向に対して所定の角度で傾斜する状態に押し出す突出部である
    ことを特徴とした中枠。
  3. 請求項2に記載の中枠であって、
    前記突出部には、当該中枠を前記ムーブメントに装着する際に、前記弾性部材を前記突
    出方向側に押し出すテーパ面が形成された
    ことを特徴とした中枠。
  4. 金属製のケースと、
    このケースの内部に収納されるとともに、時刻を表示する時刻表示手段を有するムーブ
    メントと、
    このムーブメントの外周部から外径方向に突出する導通用の弾性部材と、
    前記ムーブメントの外周部を保持するとともに、前記ムーブメントとともに前記ケース
    の内部に収納される中枠と、を備えた時計であって、
    前記中枠は、前記ムーブメントを前記ケース内部に収納する際に、前記弾性部材が所定
    撓み量で撓む状態に、前記弾性部材の突出方向を規制する弾性部材規制部を備える
    ことを特徴とした時計。
  5. 請求項4に記載の時計であって、
    前記ケースは、略筒状に形成され、
    前記ムーブメントは、前記弾性部材を前記ケースの筒中心軸側に撓ませた状態で、前記
    ケースの筒内部に収納され、
    前記弾性部材の先端部は、先端側から基端側に向かって、前記ムーブメントを前記ケー
    スに収納する方向に傾斜するテーパ状に形成された
    ことを特徴とした時計。
JP2008102194A 2008-04-10 2008-04-10 中枠、および時計 Expired - Fee Related JP5104498B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008102194A JP5104498B2 (ja) 2008-04-10 2008-04-10 中枠、および時計

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008102194A JP5104498B2 (ja) 2008-04-10 2008-04-10 中枠、および時計

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009250913A JP2009250913A (ja) 2009-10-29
JP5104498B2 true JP5104498B2 (ja) 2012-12-19

Family

ID=41311771

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008102194A Expired - Fee Related JP5104498B2 (ja) 2008-04-10 2008-04-10 中枠、および時計

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5104498B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6323363B2 (ja) * 2015-02-24 2018-05-16 セイコーエプソン株式会社 電子時計

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5724874B2 (ja) * 1974-03-01 1982-05-26
JPS60118827U (ja) * 1984-01-20 1985-08-10 シチズン時計株式会社 時計におけるスイツチばねと中枠の固定構造
JP2006215043A (ja) * 2006-03-30 2006-08-17 Torigaa:Kk 携帯式電波修正時計

Also Published As

Publication number Publication date
JP2009250913A (ja) 2009-10-29

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4727467B2 (ja) モータ
CN110308636B (zh) 钟表
JP2007121077A (ja) カレンダ機能付き時計、そのカレンダ機能付き時計の組立方法、およびカレンダ機能付き電波時計
EP1881585B1 (en) Brush holder in electric motor
JP5104498B2 (ja) 中枠、および時計
JP5523389B2 (ja) 磁気検出装置
US9411317B2 (en) Timepiece
JP2013124698A (ja) 液圧制御装置
JP6798155B2 (ja) 時計
JP2007202275A (ja) モータ
JP5222173B2 (ja) 車両用ホーン
JP6469473B2 (ja) ソーラ駆動ユニット、ソーラムーブメント、及び時計
WO2020161892A1 (ja) 電子機器
JP5062236B2 (ja) 電動パワーステアリング装置用モータ
KR101088704B1 (ko) 베어링 홀더 및 이를 구비한 모터
JP2019115153A (ja) モータ
JP6603322B2 (ja) 携帯時計
US11507024B2 (en) Electronic timepiece
JP6933541B2 (ja) 機構モジュール、ムーブメント及び時計
EP4286964A1 (en) Electronic device and timepiece
JP2001124873A (ja) 時計の電源及び電子回路を電気接続するための装置
JP7215141B2 (ja) 電池保持装置及び時計
JP7003302B2 (ja) 電子機器及び電子機器の製造方法
JP6323363B2 (ja) 電子時計
WO2014034400A1 (ja) ストロークセンサ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20110329

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120822

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120904

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120917

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20151012

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees