JP5104471B2 - 菓子パン - Google Patents

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Description

本発明は、焼成後24時間以上保存してもトッピングあるいはトッピング層の部分がカリッとした食感を有する菓子パンを提供するものである。
菓子パンの中には、パン生地自体の食感とその他の部分との食感の対比を楽しむものが多い。ソフトなパン生地と表面のカリッとした食感の対比を楽しむ菓子パンが幾つかある。例えば、アーモンドダイスやスライスをトッピングしたデニッシュ、クッキー生地を上掛けしたメロンパンやシュトロイゼルなどがそれである。アーモンドダイスをトッピングしたデニッシュにおいて、アーモンドはパフしていないものであり、本発明のパフのかさ比重(0.15〜0.45g/ml)より大きくパフのカリッとした食感とは傾向が異なるものである上に、価格も高価である。
上掛け生地に比較的水分が低くカリッとした食感を有するクッキー生地を用いる菓子パンとしてメロンパンやシュトロイゼルがあることは前述したが、この他にもデニッシュにクッキー生地を上掛けすることもできる。シュトロイゼルはドイツやオーストリア、スイスで、そぼろ状のクッキー生地をまぶして焼き上げる菓子パンである。そぼろ状のクッキー生地は、メロンパンの上掛け生地と同様に吸湿しやすいものである。
これらトッピングあるいはトッピング層が焼成後時間の経過を経てもカリッとした食感を有し、内側生地がしっとりとした菓子パンは美味しいものである。しかし、現実には時間の経過に伴いこれらトッピングあるいはトッピング層は内側の比較的水分の多い生地の水分が表面に移行したり、空気中の水分を吸ってカリッとした食感が失われていく問題を有している。菓子パンやデニッシュの上掛け生地がカリカリする発明として(特許文献1)が知られているが、特殊な油脂を含むものである。
前述のように上掛け生地にクッキー生地を用いるシュトロイゼルやメロンパンがあるが、このメロンパンは、一般に内生地に菓子パン生地を用い、上掛け生地にはクッキー生地(ビスケット生地でも同じ)を用いて調製し、表面にグラニュー糖をつけ、発酵後縞目を出して焼成して得ることができる。メロンパンの美味しさは焼きたての外がカリッとして中はしっとり、ふわふわした食感と味に存する。しかしメロンパンは焼成後時間の経過とともに中の生地の水分が外に移行して上掛け生地のカリカリした食感が失われて行くという問題がある。これを防止する発明が幾つか知られている。
例えば、本出願人は、パン用上掛け生地の製造法として、生地原料にα化澱粉を添加することによって焼成中の流れ、焼成後の経時的吸湿を抑えたパン用上掛け生地(特許文献2)を開示した。このα化澱粉をコーンスターチに代えてメロンパンの上掛け生地をフラワーバッター法で作製する発明(特許文献3)も開示されている。
長時間保存しても上掛け生地がカリカリな食感を有するメロンパンの製造法として、内生地の調製にあたり、油脂を全小麦粉量に対し、15〜50重量%添加する発明(特許文献4)も開示されている。また、パン用被覆生地改良剤としてガラクトマンナンの加水分解物を含有させたパン用被覆生地(特許文献5)が開示されている。
焼成後のメロンパン類の上掛け生地が継時的に吸湿してべたつくことを防止することができるメロンパン類上掛け生地用吸湿防止材として卵殻粉を有効成分とするメロンパン類上掛け生地用吸湿防止材(特許文献6)が開示されている。また、メロンパンの上掛け生地の泣きを軽減するために、内生地とメロン皮の間にチョコレートのコーティングをする発明(特許文献7)が開示されている。
特開2006-149220号公報 特開平07-099878号公報 特開2007-228940号公報 特開2002-306055号公報 特開2003-333981号公報 特開2007-89405号公報 特開2006-81448号公報
前述のように菓子パンのトッピングあるいはトッピング層は焼成後時間の経過とともに中の生地の水分が表面に移行してトッピングあるいはトッピング層のカリカリした食感が失われて行くという問題がある。本発明は焼成後もベト付きの少ない、カリッとした食感のトッピングあるいはトッピング層を有する菓子パンを得ることを目的とした。詳しくは焼成後1日経過しても菓子パンのトッピングあるいはトッピング層がカリッとした食感を維持する菓子パンを目的とした。
本発明者らは、トッピング層にクッキー生地を用いる菓子パンのひとつとしてメロンパンについて最初に検討した。まず、メロンパンのトッピング層としての上掛け生地がカリッとした食感を焼成後も維持するためにはメロンパンの上掛け生地が内生地の水分移行にもかかわらずカリッとした食感を維持することがポイントであるとの観点からいろいろな素材を検討した。背景技術にも開示されているでんぷん類、油脂類、ガラクトマンナン等の多糖類、卵殻なども検討比較するなかで、自体クリスピーなカリッとした食感を有する高蛋白パフを上掛け生地に用いることにより前記課題を解決できる知見を得た。同時にかかる高蛋白パフをトッピングに用いたそぼろ状のクッキー生地をトッピングした菓子パン(シュトロイゼルなど)やデニッシュなどの菓子パンが時間の経過後もカリッとした食感を維持できる知見を得て本発明を完成するに到った。
即ち、本発明は、乾燥固形分の粗蛋白質含量が55〜95重量%のパフをトッピングとしてあるいはトッピング層中に含んで用いることを特徴とする菓子パンである。
焼成後の菓子パン生地の水分活性は0.7〜0.9が好ましい。
トッピング層はクッキー生地が好ましい。
菓子パンとしてメロンパンまたはシュトロイゼルあるいはデニッシュが好ましい。
通常焼成後の菓子パン生地の水分活性が0.7〜0.95では通常の澱粉性パフを用いると、1晩あるいは2晩経過するとカリッとした食感を保つことは困難である。ところが本発明の高蛋白パフ(乾燥固形分の粗蛋白質含量が55〜95重量%のパフ)を用いると焼成後の菓子パン生地の水分活性が0.7〜0.9でも一晩乃至1日経過した後もトッピングされたパフがカリッとした食感を失うことがない。
但し、焼成後の菓子パン生地の水分活性が0.9を超えると本発明で用いる高蛋白パフと云えども経時的に生地の水分移行によりカリッとした食感を保持することが困難となる。要約すると、本発明により、焼成後24時間以上経過してもベト付きの少ない、カリッとした食感のトッピングあるいはトッピング層を有する菓子パンを得ることが可能になったものである。
以下、本発明を具体的に説明する。まず、物について説明し、その後製法について説明する。本発明は、乾燥固形分の粗蛋白質含量が55〜95重量%のパフをトッピングとしてあるいはトッピング層中に含んで用いることを特徴とする菓子パンである。本発明の焼成後の菓子パン生地の水分活性は0.7〜0.9、好ましくは0.75〜0.85、より好ましくは0.75〜0.80が適当である。
本発明の焼成後の菓子パンの水分活性が0.7未満であれば、用いるパフの乾燥固形分の粗蛋白質含量が55重量%未満の低蛋白含量パフでもトッピングあるいはトッピング層はカリッとした食感を保持することができる。焼成後のパンの水分活性が低い方が長期間にわたってパフのカリッとした食感を維持できるが、低過ぎるとパンのソフトな食感が失われてしまうため、好ましくない。
一般に菓子パンの水分活性は0.8前後のものが多く、これらの菓子パンのトッピングあるいはトッピング層は菓子パン生地の水分が移行して時間の経過とともに柔らかくなりカリッとした食感を保持することは困難となる。しかし、乾燥固形分の粗蛋白質含量が55〜95重量%のパフ(以下、高蛋白パフと云うことがある)を用いることにより焼成後の菓子パン生地の水分活性が0.7〜0.9でもトッピングあるいはトッピング層がカリッとした食感を保持することができる。
なお、菓子パンの水分活性に関して、焼成後の菓子パン生地の水分活性だけを測定することは困難なのでトッピングあるいはトッピング層も含めて菓子パン全体を測定した値である。なお、本発明における水分活性の測定は、Aqua Lab Series 3TE(Decagon Device Inc製)を使用して行った。数値は、測定開始後にサンプル温度が25℃になった時点で読み取った。サンプルは、焼成、放冷後、密閉容器中に包装し、20℃で保管したものを用いた。測定を行うタイミングは、カビが生えるなど極端に品質が劣化していなければ、いつでも良い。
本発明における、乾燥固形分の粗蛋白質量は、ケルダール法にて、6.25の窒素係数を用いて算出した。また、本発明における水分の測定は、赤外線水分計FD-600((株)ケット科学研究所製)を使用し、105℃99分の条件で測定を行った。菓子パンを焼成、放冷後、密閉容器中に包装し、20℃で保管したサンプルを用いた。
本発明に用いる高蛋白パフのかさ比重(比重と称することもある)は好ましくは0.15〜0.45g/ml、より好ましくは0.20〜0.40g/ml、さらに好ましくは0.25〜0.35g/mlが適当である。かさ比重が小さいほど膨化していることを意味し、かさ比重が大きいほど膨化していないことを意味する。かさ比重が小さすぎると軽過ぎて食感がたよりなく、また保存中にメロンパン上掛け生地中でクリスピーな食感を失ってしまう。かさ比重が大きすぎても、固く口溶けの悪い食感となる。
本発明においては(かさ比重:膨化度)は下記の測定法で求めた。すなわち、容積85mlの円柱形カップを使用して行った。カップにパフをすりきり1杯とって重量を測定し、重量値を85で割り返して出た値をかさ比重とした。
本発明の菓子パンとして、トッピング層がクッキー生地であるメロンパンやそぼろ状のクッキー生地をトッピングしたシュトロイゼルなどの菓子パンなどをあげることができる。デニッシュにこれらクッキー生地をトッピング層として上掛けすることもできる。
また、本発明の菓子パンで高蛋白パフをトッピングしたデニッシュなども例示できる。高蛋白パフを上掛け生地に含ませるのではなくて菓子パンの表面に卵白などの結着剤を用いて高蛋白パフを菓子パンの表面に結着してもカリッとしたトッピングの食感を保持することができる。アーモンドダイスをトッピングしたデニッシュとは一味違う菓子パンとすることができる。
以下メロンパンを例にして具体的に詳しく説明する。メロンパンは背景技術の項でも述べているように一般に内生地に菓子パン生地を用い、上掛け生地にはクッキー生地を用いて調製し、表面にグラニュー糖をつけ、発酵後縞目を出して焼成して得ることができる。これら内生地と上掛け生地の調製については後に製造法の項で説明する。
本発明はこの上掛け生地中に、乾燥固形分の粗蛋白質含量が55〜95重量%のパフ(高蛋白パフ)を含むことが重要である。この高蛋白パフについて以下詳しく説明する。
本発明に用いる高蛋白パフの乾燥固形分の粗蛋白質含量は55〜95重量%、好ましくは65〜95重量%、より好ましくは75〜95重量%である。高蛋白パフの粗蛋白質含量は、水分移行が進行する中でカリッとした食感を維持するのに重要な因子である。例えば、パフを水分活性0.73の環境下で1ヶ月保存した場合、乾燥固形分の粗蛋白質含量が30重量%大豆パフ「ソヤパフ30」(不二製油(株)製)は湿気た食感となったのに対し、乾燥固形分の粗蛋白質含量が80重量%の大豆パフ「ソヤパフ40」(不二製油(株)製)はクリスピーな食感を維持していた。同様に、水分活性0.80の環境下で8日間保存した場合は、ソヤパフ30は湿気た食感となったのに対し、ソヤパフ40はクリスピーな食感を維持していた。
本発明の高蛋白パフは膨化してクリスピーな食感を有することが必要であり、その製造方法は、エクストルーダーなどを用いて蛋白原料を膨化させたり、蛋白原料をドウとなしてマイクロ波加熱などにより膨化して得ることができる。例えばエクストルーダーを利用して蛋白原料を膨化して得る高蛋白パフは、大豆蛋白原料及び澱粉、所望によりその他の添加物を水系下に加圧加熱し押出して膨化させて得ることができる。蛋白原料は公知の蛋白原料から選択することができ、本発明の高蛋白パフの乾燥固形分の粗蛋白質含量が55〜95重量%となるように用いる。高蛋白パフの粗蛋白質含量を多くするには、粗蛋白質含量の高い蛋白原料を用いればよく、例えば分離大豆蛋白が好ましい。
クリスピーな食感を維持するには、原料となる蛋白素材の0.22Mトリクロロ酢酸(TCA)可溶率はある程度低いのがよく、好ましくは乾燥重量当り7%以上30%以下、より好ましくは7%以上25%以下、さらに好ましくは7%以上15%以下である。TCA可溶率が低いほど、湿気ないでクリスピーな食感を維持するが、口溶けおよびのどごしが悪くなる。一方、TCA可溶率が高いと、口溶けおよびのどごしは良くなるが湿気やすくなりクリスピーな食感は維持しにくい上に、味も苦味が出やすくなる。一般に澱粉の割合が多いほど良く膨化し、大豆蛋白の割合が多いほど膨化しにくくなる傾向にある。膨化度を上げる場合は、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カルシウムなどの炭酸化合物を併用したり、エクストルーダーの加圧や加熱を調整したり、水分を調整するなどすればよい。また栄養価を強化するために、乳蛋白、コラーゲン、ペプチド、食物繊維、ビタミン、ミネラル、ポリフェノール類等を添加してもよい。
高蛋白パフの膨化度がある一定の範囲にあれば、高蛋白パフの食感がよりクリスピーとなり好ましい。本発明においては、膨化度の指標として前述の測定法で求めたかさ比重を用いる。かさ比重が小さいほど膨化していることを意味し、かさ比重が大きいほど膨化していないことを意味する。かさ比重が小さすぎると軽過ぎて食感がたよりなく、また保存中にメロンパン上掛け生地中でクリスピーな食感を失ってしまう。かさ比重が大きすぎても、固く口溶けの悪い食感となる。先に述べたが、高蛋白パフがクリスピーな食感を有するかさ比重(比重と称することもある)は好ましくは0.15〜0.45g/ml、より好ましくは0.20〜0.40g/ml、さらに好ましくは0.25〜0.35g/mlである。
また、本発明における高蛋白パフの大きさは、所望により適宜選択することができ特に限定されるものではないが、好ましくは1mm以上25mm未満、より好ましくは2mm以上20mm未満、さらに好ましくは2mm以上15mm未満を、主構成成分とするのが適当である。高蛋白パフが小さ過ぎるとクリスピーな食感が感じられにくく、パフが大き過ぎると外観がごつごつとして好ましくない。
具体的には、各種の目開きの篩の中から上記の目開きの組み合わせで篩を準備して高蛋白パフを篩掛けした場合、大きい目開きの篩を通過し小さい目開きを通過しない画分が全体の20重量%以上、好ましくは35重量%以上、さらに好ましくは50重量%以上であるのが適当である。また高蛋白パフの形状は自由である。例えば、球形、俵形、小判形、棒形などが挙げられる。
本発明の菓子パンは水分活性0.7〜0.9が適当である。パンの水分活性が低い方が長期間にわたって高蛋白パフのカリッとした食感が維持できるが、低過ぎるとパンのソフトな食感が失われてしまうため、好ましい範囲は0.75〜0.85、さらに好ましくは0.75〜0.80である。
焼成直後のパンは、表面と内部で水分活性にばらつきがあるが、時間の経過とともに水分が多い部分から少ない部分へ移行が進む。これに伴い、カリッとした食感が失われていくのである。例えば、上掛け生地と内生地から成るメロンパンの場合には、焼成当日の水分活性が上掛け生地で0.61、内生地で0.94、全体で0.84であったものが、2日後には上掛け生地で0.80、内生地で0.90、全体で0.84などというように変化する。全体の水分活性が低いほど、水分移行後の上掛け生地の水分活性が低く、高蛋白パフのカリッとした食感が維持される。
次に、本発明の菓子パンの製造法について説明する。本発明の菓子パンは、通常の菓子パン生地を使用することができる。また、菓子パンがメロンパンである場合は、内生地に菓子パン生地を用い、上掛け生地にはクッキー生地を用いて調製し、表面にグラニュー糖をつけ、発酵後縞目を出して焼成して得ることができる。
本発明に用いるメロンパンなどの菓子パンの内生地は、小麦粉、砂糖、食塩、脱脂粉乳、卵、バター、マーガリン又はショートニング等の油脂、イースト、イーストフード等の従来知られた原料に水を加えて混練した通常の菓子パン生地を使用することができる。
本発明のメロンパンなどの菓子パンに用いる上掛け生地はクッキー生地を利用することができる。通常の上掛け生地は小麦粉、砂糖、バター又はマーガリン等の油脂、卵、ベーキングパウダー等の発泡剤を基本原料とし、必要に応じ牛乳、水、その他任意の調味料、呈味材、香料、色素等を加え、混練して調製される。また、必要に応じてα化澱粉などの食感改良剤を使用することができる。
本発明の菓子パンがメロンパンである場合には、前述の内生地を分割後、本発明の上掛け生地で包み成形してホイロを取った後焼成するか、内生地の分割後ホイロを取った後に本発明の上掛け生地で包み、焼成するとメロンパンを製造することができる。
本発明のトッピングとして高蛋白パフを用いる場合、本発明の高蛋白パフは、成型後の菓子パン生地の表面に卵や水等の液体を塗り、高蛋白パフを付着させて焼成するのが適当である。また、焼成後の菓子パンにチョコレート等をコーティングして付着させても良い。いずれにしても、水等を中心まで浸漬せずにそのまま配合するのが適当である。高蛋白パフを水や湯で戻して湿潤状態にすると、混合中に高蛋白パフの組織が崩れる場合があり不適である。高蛋白パフが崩れない場合でも、焼成に余分な時間がかかってしまい好ましくない。本発明の高蛋白パフの水分は、通常15重量%以下、好ましくは10重量%以下であり、この範囲であれば高蛋白パフが十分なクリスピー性を有している。
本発明のトッピング層に本発明の高蛋白パフを用いる場合、例えばメロンパンの上掛け、そぼろ状上掛け、デニッシュの上掛けの場合、上掛け生地としてのクッキー生地に本発明の高蛋白パフを混合することができる。またクッキー生地表面に前述のように高蛋白パフを付着させたりクッキー生地に押して埋め込むことができる。例えば、本発明の菓子パンがメロンパンである場合には、高蛋白パフを上掛け生地に混合してから内生地にかぶせる方法の他に、内生地に上掛け生地をかぶせた後に、高蛋白パフを表面に押し付けても良い。高蛋白パフが大きい場合には、上掛け生地に混合してしまうと内生地にかぶせにくくなるため、表面に押し付ける方法が適当である。
高蛋白パフの配合量は特に限定されないが、焼成前のパン生地中(上掛け生地がある場合は内生地重量中)に約2〜30重量%、好ましくは3〜20重量%、さらに好ましくは5〜15重量%となるように配合すれば、外観および食感のバランスが適当である。
以下に実施例及び比較例を例示するが、部はいずれも重量基準を意味する。
○実施例1及び比較例1
常法により(表1)の配合の菓子パン内生地を調製し、一個当たり50gに分割、成形後、(表2)に示す配合の上掛け生地30gを内生地上部にかぶせ、ホイロをとって上火190℃、下火200℃で14分間焼成し、メロンパンを得た。上掛け生地には、実施例1では乾燥固形分の粗蛋白質含量が80重量%、かさ比重0.27の大豆パフを、同様に比較例1では乾燥固形分の粗蛋白質含量が30重量%、かさ比重0.18の大豆パフを配合した。
なおここで使用した大豆パフの大きさは、実施例1、比較例1共通で、目開き4mmの篩を通過し、目開き2.36mmの篩を通過しない画分が全体の85重量%以上含まれるものであった。こうして得たメロンパンを袋の中に密閉して20℃で保管し、24,48,72時間後に試食したところ、(表2)に示すように実施例1では72時間までカリッとした好ましい食感を維持していた。一方、比較例1では24時間目には湿気た食感となっていた。また、焼成翌日の水分活性は、0.85であった。
(表1)メロンパン内生地の配合(重量部)
Figure 0005104471
(表2)上掛け生地配合等
Figure 0005104471
以上の表中の◎はクリスピーで湿気を感じない食感、○は表面が少ししっとりしているものの大半はクリスピーな食感、△は外側がしっとりしているが中心にクリスピーさがある食感、×は湿気た食感を指している。
○実施例2、3及び比較例2
常法により(表3)の配合のデニッシュ生地を調製し、50gに分割、ホイロ後、生地の表面に卵液をはけで塗り、パフ3gを付着させ上火230℃、下火200℃で14分間焼成した。このとき、実施例2ではソヤパフ40(乾燥固形分の粗蛋白質含量が80重量%、TCA可溶率19.5%)を、実施例3では大豆パフ試作品(乾燥固形分の粗蛋白質含量が80重量%、TCA可溶率13.0%)を、比較例2ではソヤパフ30(乾燥固形分の粗蛋白質含量が30重量%、TCA可溶率3.3%)を用いた。
こうして得た菓子パンを袋の中に密閉して20℃で保管し、24、48,72、96時間後に試食したところ、(表4)に示すように実施例2では24時間まで、実施例3では96時間までカリッとした好ましい食感を維持していた。一方、比較例2では24時間目には湿気た食感となっていた。また、焼成翌日の水分活性は、0.80であった。
(表3)デニッシュ生地の配合(重量部)
Figure 0005104471
(表4)デニッシュ生地でのパフの食感等
Figure 0005104471
以上の表中の◎はクリスピーで湿気を感じない食感、○は表面が少ししっとりしているものの大半はクリスピーな食感、△は外側がしっとりしているが中心にクリスピーさがある食感、×は湿気た食感を指している。
本発明により、焼成後24時間以上経過しても、カリッとした食感を有する菓子パンを製造することが可能となった。例えば、クッキー生地を上掛けしたメロンパンやデニッシュ、そぼろ状のクッキー生地を上掛けしたシュトロイゼルなどの菓子パンのトッピング層をカリッとした食感とすることができるようになったものである。また、メロンパン、デニッシュ、シュトロイゼルなどの表面に卵白液などでくっつけてトッピングした菓子パンにおいてもトッピングがカリッとした食感を保持するものである。従って製造後一晩あるいは一日経過した後でもこれらメロンパン、デニッシュ、シュトロイゼルなどのトッピングあるいはトッピング層のカリッとした食感を保持することが可能になったものである。
従来菓子パンは焼きたてのカリッとした食感が売り物であり、その日のうちに販売しないと一晩置いた翌日はしっとりしてしまいカリッとした食感が失われていた。ところが、本発明により一晩や二晩置いてもトッピングやトッピング層のカリッとした食感が失われることがないので流通に耐えることができるようになり、菓子パンの集中大量生産、流通、販売が可能になり産業の発達に寄与するものである。なお、デニッシュなどのトッピングとして用いられているアーモンドはかさ比重が大きく本発明のパフのように膨化したものではなく、食感が異なる。また、経済的にも高価である。

Claims (4)

  1. 原料となる蛋白素材の0.22Mトリクロロ酢酸(TCA)可溶率が7〜25%である、乾燥固形分の粗蛋白質含量が55〜95重量%のパフを、トッピング層中に含んで用いることを特徴とする、焼成後の菓子パン生地の水分活性が0.75〜0.85である菓子パン。
  2. トッピング層がクッキー生地である、請求項1記載の菓子パン。
  3. 菓子パンがメロンパンまたはシュトロイゼルである、請求項2記載の菓子パン。
  4. 菓子パンがデニッシュである、請求項1乃至請求項2記載の菓子パン。
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