JP4655071B2 - クリスピーな食感を有するソフトな焼き菓子 - Google Patents

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Description

本発明は、ソフトな食感のなかにクリスピーな食感を楽しむことのできる焼き菓子に関する。
例えばクリスピーな食感を楽しむことのできるソフトクッキーを提供するものである。
菓子類のなかでクリスピーな食感を楽しむものは多く知られている。
例えば、チョコレートにはナッツ類などを用いたチョコレートクランチなどが知られている。ナッツ類と同様にパフをチョコレートクランチに用い、そのクリスピーな食感を楽しむものも知られている。チョコレートはカカオ等の油脂を主成分とし水分および水分活性が低いので、パフに水分が移行してパフを柔らかくすることがない。市販されているチョコレートクランチは水分が3〜5重量%程度のものが多く、水分活性も0.15〜0.35程度である。例えば、市販されているコーンフレーク入りのチョコレートクランチを実測すると、水分3.1重量%、水分活性0.19であった。また、これらチョコレート菓子は本発明のようにクランチを含んだ状態で焼成するものではないので、焼成中に生地の水分で蒸されて柔らかくなりクリスピー性が失われることもない。
焼成工程を必須とする菓子類のなかで焼き菓子にはハードビスケットやクラッカー、従来のクッキーの様にサクサクとした食感を有するものと、ソフトクッキーのようにしっとりとした柔らかい食感を有するものがある。一般にナッツ類をこれらサクサクとした食感の焼き菓子やソフトな焼き菓子に用いたものがよく知られている。
サクサクとした食感の焼き菓子にはパフを用いることも知られている。例えば、粒状大豆たん白を含むサクサクとした食感のクッキーが特許文献1(特開平3-67536号公報)に開示されている。特許文献1に記載あるように、クッキーがサクサクとした食感を有するには、水分だけでなく油分、糖類なども影響する。クッキーの中でもサクサクとした食感が得られるように油分、糖類を配合したもので、且つ特許文献1が適当とする水分10重量%以下のものは水分活性は概ね0.5未満に、5重量%以下のものは0.4未満に収まる。このように特許文献1のクッキーは全体にサクサクした軽い食感を有するクッキーであり、クリスピーなパフを含むソフトなクッキーではない。また特定の粗蛋白含量の大豆蛋白パフを選択することで、ソフトクッキーの柔らかい食感とパフのクリスピーな食感を有するソフトクッキーが得られることは教えていない。
特許文献2(特開2005-287497号公報)には、90質量%の大豆たんぱく質を含有するたんぱく質含有組成物を用いて製菓食品バーを製造することを開示している。しかしこの製菓食品バーは所謂「プロテインバー」と称されるもので、ドウを押し出すなどバー状に成型するが、本発明のように焼成するものではない。この製菓食品バーは間隙のない密な組織にパフが散らされているものであり、焼成時に生地中の水分が蒸発することで形成された多孔質の組織を有する焼き菓子とは異なる。従って、本発明のようなソフトな食感の組織と、クリスピーな食感のパフを含む焼き菓子とはならない。また、焼成前の水分を多く含む生地からパフに水分移行しパフがクリスピーさを失うという課題に対し、これを解決する手段を教えるものでもない。
一方ソフトな食感の焼き菓子に食感の変化をもたせる素材としては、チョコチップやナッツ、ゼリートッピングなどが知られている。しかしチョコチップやナッツはパフ類のようなクリスピーな食感を有しておらず、本発明とは異なる食感を有するものである。また、ゼリートッピングは果汁などを煮詰めてゲル化剤で固めたものであるが、グミ的な食感を有するものであり、同じく本発明とは異なる食感を有するものである。
このように、サクサクとした食感の焼き菓子にクリスピーな食感を有するパフを用いることは知られているが、本発明のように水分が多くしっとりとしたソフトな焼き菓子にクリスピーな食感を有するパフを用いること、該パフが焼成後もクリスピーな食感を維持する方法については知られていない。
特開平3-67536号公報 特開2005-287497号公報
本発明はソフトな焼き菓子であって、食べると中にクリスピーな食感を感じることができるソフトな焼き菓子を目的とした。さらに製造後長期間保存してもそのクリスピーな食感が失われにくい焼き菓子を目的とした。
本発明者らは、上記の課題に対して、従来クリスピーな食感を有するパフであってチョコレートクランチなどに用いられているパフをソフトクッキーのようなソフトな焼き菓子に用いてみた。しかし、焼成して得られたソフトクッキー中のパフはクリスピー性を完全になくしていた。それどころか、パフは湿気て組織が収縮したためか、柔らかささえ失って室温で旱飯のように硬い食感を呈することがわかった。そこで鋭意研究の結果、水分が若干あるソフトクッキーに用いてもクリスピー性を発揮するにはパフの粗蛋白含量が関与することを見出し、遂に本発明を完成するに到った。
即ち、本発明は、水分活性0.5〜0.9であって、乾燥固形分の粗蛋白含量が15〜95重量%のパフを含むことを特徴とするクリスピーな食感を有するソフトな焼き菓子である。
ソフトな焼き菓子としてはソフトクッキーが好ましい。
パフは乾燥固形分で焼き菓子中2〜45重量%含まれるのが好ましい。
本発明により、ソフトな食感のなかにクリスピーな食感を楽しむことのできるソフトな焼き菓子が可能になったものである。例えば本発明のソフトクッキーのようなソフトな焼き菓子が製造後長期間保存されても、焼き菓子生地に含まれるパフのクリスピーな食感が失われにくくなったものである。
以下、本発明を具体的に説明する。まず、物について説明し、その後製法について説明する。始めに本発明の用語を説明しておく。
(水分活性)
本発明における水分活性の測定は、Aqua Lab Series 3TE(Decagon Device Inc製)を使用して行った。焼成、放冷後、密閉容器中で1日保管したサンプルを用いた。値は、サンプル温度が25℃になった時点で読み取った。
(比重:膨化度)
本発明における比重の測定は、容積85mlの円柱形カップを使用して行った。カップにパフをすりきり1杯とって重量を測定し、重量値を85で割り返して出た値を比重とした。
(粗蛋白)
本発明における、乾燥固形分の粗蛋白量は、ケルダール法にて、6.25の窒素係数を用いて算出した。
(水分)
本発明における水分の測定は、赤外線水分計FD-600((株)ケット科学研究所製)を使用し、105℃99分の条件で測定を行った。焼成、放冷後、密閉容器中で1日保管したサンプルを用いた。
本発明は水分活性0.5〜0.9のソフトな焼き菓子において、乾燥固形分の粗蛋白含量が15〜95重量%のパフを含むことを特徴とするクリスピーな食感を有するソフトな焼き菓子である。尚、以後の説明において、焼き菓子のパフ以外の部分を本体と称す。
本発明のソフトな焼き菓子の水分活性は、水分活性0.5以上0.9未満である。水分活性0.5未満では、焼き菓子の本体がしっとりソフトな食感を有さなくなり、水分活性が0.9を超えると、本発明のパフを以ってしても焼成後24時間のうちにクリスピーな食感が失われてしまう。水分活性が高い食品は、パフがたくさんの水分を吸いやすく、すみやかにクリスピーな食感が失われるのである。また水分活性が低過ぎても本体のしっとりソフトな食感が得がたい。
水分活性の好ましい範囲は、本体に付与したいソフトさに応じて調整する。水分活性が高いほど、本体がソフトでしっとりしたものとなる。また水分活性はパフがクリスピーさを維持できる期間にも影響する。パフがクリスピーさを維持できる期間は、水分活性の他にも保存条件、本体の配合、パフの組成等にも影響を受ける。従って一律ではないが、例えばパフの乾燥固形分の粗蛋白含量が65〜95重量%の場合、水分活性が0.8で概ね2週間、水分活性が0.73であれば概ね1ヶ月、水分活性が0.70以下であれば半年以上の長きにわたってクリスピー感を維持することができる。例えば焼き菓子がソフトクッキーである場合、好ましくは水分活性0.5以上0.8未満であり、より好ましくは0.55以上0.7未満、さらに好ましくは0.55以上0.65未満であれば、本体はしっとりとしていながらパフはクリスピー感を長期間にわたって維持することができる。また腐敗しにくく保存性を付与することができる。
本発明のソフトな焼き菓子は焼成して製造されることが重要である。焼成して生地中の水分が蒸散して菓子の組織をポーラスな空隙のある柔らかいものとすることができる。また焼成により、(a)生地中の水分によりパフが蒸されてパフの有する悪風味が蒸散してパフの風味がよくなる、(b)パフのトゲトゲした食感がマイルドになる、(c)焼成による香ばしい風味がパフに付与される、(d)焼成により生地中の水分が蒸発し、ポーラスな空隙を有するものとなりソフトでしっとりとした食感が発現する、などの効果が得られる。これに比べ、単にドウを成型しただけの菓子、例えばパフを糖類などで決着しただけで焼成しない菓子は、その本体(組織)は密なものとなる。ソフトな食感は得られないだけでなく、焼成によりパフの風味が改善されることもない。
ソフトな焼き菓子としては、ソフトクッキー、カップケーキ、バウムクーヘン、マフィン、スコーン、パウンドケーキ、マドレーヌ、ドーナツなどが例示される。なかでも焼き菓子本体のソフトな食感と中に含まれるパフのクリスピーな食感がよく合うソフトクッキーが好ましい。
本発明に用いるパフの乾燥固形分の粗蛋白含量は15〜95重量%、好ましくは25〜95重量%、より好ましくは40〜95重量%である。パフの粗蛋白含量は、ソフトな焼き菓子中において、クリスピーな食感を維持するのに重要な因子である。例えば、パフを水分活性0.5の環境下で1ヶ月保存した場合、乾燥固形分の粗蛋白含量が5.0重量%のモルトパフ(株式会社きのした製)は湿気て噛みごたえがなくなったのに対し、乾燥固形分の粗蛋白含量が30.0重量%大豆パフ「ソヤパフ30」(不二製油(株)製)は表面はややしっとり感を持つもののクリスピーな食感を維持していた。また、乾燥固形分の粗蛋白含量が80重量%の大豆パフ「ソヤパフ40」(不二製油(株)製)は保存前と同程度のクリスピーな食感を維持した。
本発明のパフは膨化してクリスピーな食感を有することが必要であり、その製造方法は、エクストルーダーなどを用いて蛋白原料を膨化させたり、蛋白原料をドウとなしてマイクロ波加熱などにより膨化して得ることができる。例えばエクストルーダーを利用して蛋白原料を膨化して得るパフは、大豆蛋白原料及び澱粉、所望によりその他の添加物を水系下に加圧加熱し押出して膨化させて得ることができる。蛋白原料は公知の蛋白原料から選択することができ、本発明のパフの乾燥固形分の粗蛋白含量が15〜95重量%となるように用いる。パフの粗蛋白含量を多くするには、粗蛋白含量の高い蛋白原料を用いればよく、例えば分離大豆蛋白が好ましい。一般に澱粉の割合が多いほど良く膨化し、大豆蛋白の割合が多いほど膨化しにくくなる傾向にある。膨化度を上げる場合は、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カルシウムなどの炭酸化合物を併用したり、エクストルーダーの加圧や加熱を調整したり、水分を調整するなどすればよい。また栄養価を強化するために、乳蛋白、コラーゲン、ペプチド、食物繊維、ビタミン、ミネラル、ポリフェノール類等を添加してもよい。
パフの膨化度がある一定の範囲にあれば、パフの食感がよりクリスピーとなり好ましい。本発明においては、膨化度の指標として前述の測定法で求めた比重を用いる。比重が小さいほど膨化していることを意味し、比重が大きいほど膨化していないことを意味する。比重が小さすぎると軽過ぎて食感がたよりなく、また保存中にソフトな焼き菓子中でクリスピーな食感を失ってしまう。比重が大きすぎても、パフが硬くなってしまい好ましくない。パフがクリスピーな食感を有する比重(かさ比重と称することもある)は好ましくは0.05〜0.4g/ml、より好ましくは0.1〜0.35g/ml、さらに好ましくは0.15〜0.3g/mlである。
また、本発明におけるパフの大きさは、所望により適宜選択することができ特に限定されるものではないが、好ましくは1.18mm以上20mm未満、より好ましくは2mm以上15mm未満、さらに好ましくは2mm以上10mm未満が良い。パフが小さ過ぎるとクリスピーな食感が感じられにくく、パフが大き過ぎると焼き菓子の製造工程中において割れる場合がある。
具体的には、各種の目開きの篩の中から上記の目開きの組み合わせで篩を準備してパフを篩掛けした場合、大きい目開きの篩を通過し小さい目開きを通過しない画分が全体の20重量%以上、好ましくは35重量%以上、さらに好ましくは50重量%以上であるのが適当である。またパフの形状は自由である。例えば、球形、俵形、小判形、棒形などが挙げられる。
パフの含有量は、比重にもよるがパフが乾燥固形分として焼き菓子の乾燥固形分中に2〜45重量%、好ましくは3〜35重量%、より好ましくは5〜25重量%含まれているのが適当である。含有量の測定は、パフを含むソフトな焼き菓子をパフ部分とそれ以外の本体部分に分け、それぞれの水分を飛ばした後に(パフ部分の乾燥固形分重量)/(パフ部分と本体部分の乾燥固形分重量の合計)×100(単位は%)を算出すればよい。水分を飛ばす方法は、各食品に適した従来の方法を使用すれば良いが、例えば105℃99分などが例示できる。パフの割合が少な過ぎるとクリスピーな食感が感じがたく、多過ぎると相対的に本体部分の量が減少するのでソフトな食感が少なくなってしまう。またパフの割合が多すぎると焼き菓子の製造工程において生地の連続性が低くなって成型が困難になることもある。
パフは水等で湿潤状態にせずにそのまま配合するのが適当である。パフを水や湯で戻して湿潤状態にすると、パフの組織が崩れるので不適である。パフが崩れない場合でも、焼成に余分な時間がかかってしまい好ましくない。本発明のパフの水分は、通常15重量%以下、好ましくは10重量%以下であり、この範囲であればパフが十分なクリスピー性を有している。パフの焼き菓子生地中での配合量は特に限定されないが、焼成前の焼き菓子生地中に好ましくは2〜30重量%、さらに好ましくは3〜20重量%、さらに好ましくは5〜15重量%となるように配合すれば、焼き菓子本体のソフトでしっとりとした食感とパフのクリスピーな食感のバランスが良い。
以上説明したように、本発明の焼き菓子は、本体自体がサクサクとした食感を有するクッキーなどとは異なり、本体はソフトでしっとりした食感を有し、中に含まれるパフがクリスピーな食感を呈するものである。即ちソフトな本体の食感とクリスピーなパフの食感を同時に味わうことができるのである。
次に本発明のソフトな焼き菓子の製造法について説明する。
本発明のソフトな焼き菓子は、従来公知のソフトな焼き菓子の製造工程を利用することができる。即ち、ソフトな焼き菓子の生地にパフを添加混合し成型し焼成してソフトな焼き菓子を得ることができる。またソフトさを維持するために包装することができる。生地も後述するように従来のソフトな焼き菓子の生地を用いることができる。またソフトさを維持するために包装してもよい。
生地の調製に用いる原料は、ソフトな焼き菓子の原料に用いられるものであれば特に制限されるものではなく、従来公知の原料を自由に用いることができる。バター、マーガリン、ショートニング、砂糖、卵、牛乳、豆乳、小麦粉、その他の穀粉、澱粉、チョコレート、ドライフルーツ、ナッツ、野菜、ベーキングパウダー、重曹、炭酸アンモニウム、酸化防止剤等の一般的な原料を使用することができる。また栄養価を強化するために、大豆蛋白、乳蛋白、コラーゲン、蛋白質分解物、調製豆乳粉末、大豆粉、ペプチド、食物繊維、ビタミン、ミネラル、ポリフェノール類等を添加してもよい。この他にも、焼き菓子本体のソフトなしっとりとした食感とパフのクリスピーな食感を邪魔しない程度に、焼き菓子で用いられる従来公知の添加物を併用することは妨げない。
例えば、ソフトな焼き菓子の一つであるソフトクッキーの場合、上記に加えて焼き菓子本体にソフトさとしっとり感を与える原料として、水、グリセリン、液体油、液体ショートニング、フラクトース、ブドウ糖、ブドウ糖果糖液糖、果糖ブドウ糖液糖、高果糖液糖、蜂蜜、ソルビトール、還元麦芽糖水あめ、ドライフルーツペースト、水あめ、還元水あめ、加工澱粉を使用することができる。
焼き菓子にしっとり感を出しながら水分活性を低く抑えるためには、グリセリン、フラクトース、ブドウ糖、ブドウ糖果糖液糖、果糖ブドウ糖液糖、高果糖液糖、蜂蜜、ソルビトール、還元麦芽糖水あめ、ドライフルーツペーストが好ましい。中でもフラクトース、ブドウ糖、ブドウ糖果糖液糖、果糖ブドウ糖液糖、高果糖液糖、蜂蜜、ソルビトール、還元麦芽糖水あめ、ドライフルーツペーストが味の観点からさらに好ましい。
ソフトな焼き菓子の生地にパフを添加するタイミングも特に限定されず、小麦粉などの粉類を添加するのと同時、あるいはパフ以外の原料をすべて加えて生地を作成した後などいずれの製造工程においても自由である。
ソフトな焼き菓子の食感にさらに変化をつけるために、パフの他にもナッツやチョコチップ、ゼリートッピング、ドライフルーツなどの具材を添加併用することは自由である。
ソフトな焼き菓子の一つであるソフトクッキーの生地の調製法についても、特に制限されるものではないが、クッキー生地を作る際に最も広く使用される方法としてシュガーバッター法が例示できる。すなわち、マーガリン等の可塑性油脂と糖を練り合わせ、そこに卵や牛乳、膨張剤を溶かした水などの水分を加え、最後に粉類を加える方法である。ソフトクッキーの特徴としては、加える水分を増やしたり前述のしっとり感を与える原料を添加することである。これらの原料は、水分を加えるタイミングで加えれば良いが、量が多いと油脂類と水分が分離することがある。これを防ぐために、粉類の一部を水分を加える前に添加することもできる。
本発明における焼き菓子の生地は、焼成前にソフトな焼き菓子の種類に応じた従来公知の方法で成形することができる。例えば、ソフトクッキーの場合もその成形方法は特に制限されるものではないが、包あん機、デポジッター、エクストルーダー、摺込み機、ワイヤーカット機などが例示できる。
本発明のソフトな焼き菓子は焼成することがポイントである。焼成温度、時間などは特に制限するものではない。公知のソフトな焼き菓子の温度や時間を利用することができる。一般的に、低温で長時間焼くよりも高温短時間の方がソフトさとしっとり感が得やすいため好ましい。
ソフトな焼き菓子の水分量はソフトな焼き菓子の種類により異なり、特に限定されない。例えば、ソフトクッキーの場合は好ましくは7〜25重量%、より好ましくは8.5〜22.5重量%、さらに好ましくは10〜20重量%である。水分が少なすぎると本体がかさかさと乾燥した食感になりしっとり感が出ず、水分が多すぎると日持ちが悪くなる。水分量は、配合、焼成条件等を変えることで調整でき、通常は焼成時間が短いほうが水分量が多くできる。
本発明のパフを用いて、例えばソフトクッキーを製造すると、生地の配合や焼成方法によっては、焼成直後はパフが湿気てクリスピーな食感を示さない。ところが焼成後放冷し保存中にソフトクッキーの本体はしっとりとした柔らかさを有するのと対照にパフはクリスピーな食感を呈するようになるのである。これは、焼成、放冷後に乾燥しないようにアルミ蒸着袋など水蒸気の出入りがない密閉状態に保存した場合でも見られる現象である。保存中にパフから本体に水分が移行し、焼成直後の本体とパフに水分活性の差が無くなり、パフのクリスピー感が復活すると推察される。一方、粗蛋白含量が15重量%より低いパフは、焼き菓子を焼成した後も、その後の保存中も湿気てしまい、クリスピー性を発現することはない。その上、組織が収縮して湿気た硬い食感となることもある。
比較例1、実施例1、実施例2、実施例3(ソフトクッキーの系におけるパフの蛋白含量と食感)
ソフトクッキー中にパフを練り込み、ソフトな食感とクリスピーな食感を同時に味わえる食品を目標として検討した。
表1記載の蛋白量の異なる4種類のパフを比較検討した。使用したパフは、モルトパフ(比較例1:(株)きのした製 モルト磯部、乾燥固形分の粗蛋白含量5.0重量%)、ソヤパフ30(実施例1:不二製油(株)製、乾燥固形分の粗蛋白含量30重量%)、ソヤパフ40(実施例2:不二製油(株)製、乾燥固形分の粗蛋白含量80重量%)、Supro Nuggets 309IP(実施例3:ソレイ社製、蛋白量80重量%)である。これらパフの蛋白含量と比重を表1に示す。
Figure 0004655071
ソフトクッキーは、表2の配合により作成した。パフの種類と配合量が異なるだけで、他は各実施例及び比較例で同じように調製した。生地の作成は卓上ミキサーを使用した。まず、マーガリンと上白糖をすり混ぜ、表中の混合順2から6までの原料を順に加えてその都度均一になるまで撹拌した。ただし、混合順が同じ番号のものどうしは、予め混合してから使用した。また、混合順4のマルチトールシロップを均一に混合した時点での比重は0.9となるようにした。なお還元水あめとしては「アマミール」(東和化成工業(株)製)、調製豆乳粉末としては「ソヤフィット2000」(不二製油(株)製)を使用した。最後に、35ml相当の各種パフを練りこんで、ソフトクッキー生地を得た。
Figure 0004655071
このようにして調製した生地を、一個あたり15gの円盤状となるように絞り出して成型を行った。これを190℃のオーブンで8分30秒間焼成し、水分活性0.70、水分13重量%のソフトクッキーを得た。
焼成後、放冷したソフトクッキーをアルミ蒸着袋に入れて保存し、焼成2日後と7日後、1ヶ月後に食感の評価を行った。表3に結果を示す。
Figure 0004655071
以上の表中の◎はクリスピーで湿気を感じない食感、○は表面が少ししっとりしているものの大半はクリスピーな食感、△は外側がしっとりしているが中心にクリスピーさがある食感、×は湿気た食感を指している。
クッキーの本体は2日後、7日後、1ヵ月後とも比較例1、実施例1、2、3のどれもがソフトさを維持しており、品質良好であった。比較例1のパフは、焼成中にパフが吸水してつぶれた後に乾燥されたために、歯に詰まる旱飯様の硬くつまった食感であり品質不良であり、1ヶ月間保存しても、クリスピーな食感が戻ることはなかった。これに対し実施例1のパフは、2日後には外側がしっとりしているが中心にクリスピーさがあるやや湿気た食感であったものの、7日後にはほぼクリスピーな食感ものとなり、1ヶ月後にはさらにクリスピーな食感を取り戻していた。実施例2や3のパフは2日後において十分なクリスピーさを維持しており、ソフトな本体の中にクリスピーなパフが散らばっており、新規な食感を有していた。
このように、ソフトな焼き菓子にパフを使用した場合、パフがクリスピーな食感となるためには粗蛋白量が重要であることがわかった。因みに、水分活性の0.5のソフトクッキーでは、粗蛋白含量が30%のパフであっても、焼成2日後からクリスピーな食感が得られた。ソフトな焼き菓子の水分活性とパフの粗蛋白量を調整することにより、ソフトでしっとりした食感とクリスピーな食感を長期間にわたって共存させた焼き菓子の調製が可能であることがわかった。

Claims (2)

  1. 水分活性0.5〜0.9のソフトクッキーであって、乾燥固形分の粗蛋白含量が40〜95重量%でありかつ、かさ比重0.15〜0.3g/mlの、エクストルーダーにより調製した大豆蛋白原料に由来する2mm以上10mm未満のパフを乾燥固形分で5〜25重量%含むことを特徴とする、クリスピーな食感を有するソフトクッキー
  2. 水分活性0.5〜0.9のソフトクッキーであって、乾燥固形分の粗蛋白含量が40〜95重量%でありかつ、かさ比重0.15〜0.3g/mlの、エクストルーダーにより調製した大豆蛋白原料に由来する2mm以上10mm未満のパフを乾燥固形分で5〜25重量%配合することを特徴とする、クリスピーな食感を有する請求項1記載のソフトクッキーの製造法
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