JP5104088B2 - 液体噴射装置、および、液体噴射装置の製造方法 - Google Patents

液体噴射装置、および、液体噴射装置の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、極薄板に貫通した微細穴が穿孔され、反りの発生を防止した金属板材を用いたフィルタを有する液体噴射装置、および、液体噴射装置の製造方法に関し、特に液体噴射ヘッドの圧力発生室に供給される液体中の異物を捕捉するフィルタを有する液体噴射装置、および、液体噴射装置の製造方法関するものである。
液体中の微細な異物(微細片や気泡など)を捕捉する必要がある装置の1つに種々な液体を噴射する液体噴射装置があり、液体噴射装置の中で広く使用されているものに、インクジェット式記録装置がある。インクジェット式記録装置は、複数のノズル開口から液体であるインク滴を吐出するインク噴射ヘッドを備えている。このインク噴射ヘッドによりインク滴を媒体である記録紙等の表面に着弾させて画像や文字を印刷するようになっている。
インク噴射ヘッド内に設けられたインクの供給流路には、インク内に混入した異物、即ち、何らかの原因で供給流路内に残留している合成樹脂等の微細片や気泡を取り除くための平板状のフィルタが配置されている。このフィルタは、通常、綾たたみフィルタや不織布フィルタ等が採用されている(特許文献1等参照)。
しかし、綾たたみフィルタは、開口率が低く圧力損失(流路抵抗)が大きくなるため、フィルタの面積を大きくする必要があり、フィルタの寸法が大きくなってインク噴射ヘッドの小型化が難しくなっている。また、フィルタ内部の流路の形状が複雑に入り込んでいるため、圧力損失がフィルタ毎にばらつき、圧力損失を許容範囲内に収めることが困難となり、異物のトラップ能力が不安定になる。さらに、フィルタ端縁部がほつれるために、フィルタの組み付け工程等において部品の損傷が発生しやすく、取り扱い難いものとなっている。また、不織布フィルタは、繊維の細片がフィルタからインクと共に流下する虞があり、性能上及び信頼性の問題が生じるおそれがある。
そこで、極薄金属板、例えば、厚さ10〜20μmのステンレス板(SUS)に打ち抜きにより微細穴(例えば、径が15μmの穴)を多数形成したものをフィルタとして用いることが考えれる。このような微細穴が多数形成された極薄金属板をフィルタとすることで、圧力損失を減らしてインクの流量を十分に確保し、しかも安定した異物のトラップ機能を持たせることが可能になる。
特開平11−10904号公報
ところが、極薄の金属板材に微細な貫通孔をプレス加工で多数開設しようとすると、加工後の金属板材に反りが発生してしまうという問題がある。
このような金属板材に生じる反りの一般的な修正は、反りを発生させる応力を相殺するように応力を与えるローラー式レベラーを用いたり、残留応力を除去するためのアニール等の熱処理を施すことによって行われる。
しかし、一般的なローラー式レベラーでは、金属板材の厚みに制約があり、極薄の金属板材に微細な貫通孔を多数加工したものの反りの修正を行うことができないという問題がある。
また、アニールなどの熱処理については、加熱炉などの装置に多大な費用がかかるとともに、処理時間が長く生産性に欠けるという問題がある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、極薄板に貫通した微細穴を多数穿孔しても加工後の反りの発生を修正することができる金属板材を用いたフィルタを有する液体噴射装置、および、液体噴射装置の製造方法を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明の液体噴射装置は、ヘッドのノズル開口に連通する液体流路内に配されたフィルタを有し、
前記フィルタは、貫通孔が複数開設された金属板材であり、その表面に、加圧塑性変形による凹凸筋が複数本交差した状態で形成されており、
前記凹凸筋が、金属板材の表裏面に一対に対応して形成されており、且つ、先端が尖った断面形状に形成されている液体噴射装置であって、
前記フィルタは、表面から突出した凸条押圧部が交差した状態で設けられたパンチと、前記凸条押圧部に対応した凹条を形成したダイとの間に、両面を樹脂フィルムで被覆した前記金属板材をセットし、この状態で前記金属板材に向かって前記パンチを押圧することで、前記金属板材の表面に、前記凹凸筋を形成する工程を経て作製されたことを特徴とする。
また、本発明の液体噴射装置の製造方法は、ヘッドのノズル開口に連通する液体流路内に配されたフィルタを有し、
前記フィルタは、貫通孔が複数開設された金属板材であり、その表面に、加圧塑性変形による凹凸筋が複数本交差した状態で形成されており、
前記凹凸筋が、金属板材の表裏面に一対に対応して形成されており、且つ、先端が尖った断面形状に形成されている液体噴射装置の製造方法であって、
表面から突出した凸条押圧部が交差した状態で設けられたパンチと、前記凸条押圧部に対応した凹条を形成したダイとの間に、両面を樹脂フィルムで被覆した前記金属板材をセットし、
この状態で前記金属板材に向かって前記パンチを押圧することで、前記金属板材の表面に、前記凹凸筋を形成する工程を有することを特徴とする。
上記構成によれば、表面から突出した凸条押圧部が交差した状態で設けられたパンチと、凸条押圧部に対応した凹条を形成したダイとの間に、貫通孔が複数開設された金属板材をセットしてパンチを押圧し、当該金属板材の表面に、加圧塑性変形による凹凸筋を複数本交差した状態で形成してフィルタとすることにより、貫通孔を複数開設することで金属板材に反りが生じてもこれを交差する複数本の凹凸筋を金属板材に転写して矯正力を作用させることで、交差する凹凸筋で規定される凹凸による格子状平面に修正したフィルタとすることができる。これにより、圧力損失を減らして液体の流量を十分に確保でき、しかも安定した状態で液体流路内の液体を濾過することができ、信頼性や生産性を向上することができる。また、金属板材の両面を樹脂フィルムで被覆した場合には、両面の樹脂フィルムによってパンチおよびダイによる応力集中を防止することができるとともに、均一に矯正力を与えることができ、クラックや破断の発生を防止して加工することができる。

以下、本発明を実施するための最良の形態を、添付図面を参照して説明する。
なお、以下に述べる実施の形態では、本発明の好適な具体例として種々の限定が成されているが、本発明はこれらの態様に限られるものではない。また、以下においては、金属板材およびフィルタを、代表的な液体噴射装置であるインクジェット式記録装置(以下、プリンタと略記する)のフィルタに適用した場合を例示する。このフィルタは、インク噴射ヘッド(本発明のヘッドに相当)の圧力発生室に供給されるインク中の異物を捕捉するものである。
ここで、図1は、インクジェット式記録装置の斜視図、図2は、インク噴射ヘッドの主要部の横断面図、図3は、インク噴射ヘッドの全体の縦断面図である。
プリンタ1は、インクカートリッジ2が搭載されるキャリッジ3やキャリッジ3に取り付けられた記録ヘッド4等が一体化されたインク噴射ヘッド5を有している。キャリッジ3はタイミングベルト6を介してステッピングモータ7に接続され、ガイドバー8に案内されて記録紙9の紙幅方向(主走査方向)に往復移動するようになっている。キャリッジ3は上部に開放する箱型であり、記録紙9と対面する面(下面)に記録ヘッド4のノズル面が露呈するよう取り付けられると共に、インクカートリッジ2が収容されるようになっている。
記録ヘッド4には、インクカートリッジ2からインクが供給され、キャリッジ3を移動させながら記録紙9の上面にインク滴を吐出させて記録紙9に画像や文字をドットマトリックスにより印刷するようになっている。記録ヘッド4のホームポジションには、キャップ10が設けられ、印刷休止中に記録ヘッド4のノズル開口を封止することによりノズルの乾燥を防止すると共に、記録ヘッド4のノズル面に負圧を作用させてクリーニング動作をする。また、ホームポジションには、ワイパーブレード11が設けられ、記録ヘッド4のノズル面が通過する際にワイピングするようにし、クリーニング動作で吸引した廃インクを廃インク貯留部12に貯留するように構成してあり、プリンタ1の動作が制御装置13で制御するようになっている。
インク噴射ヘッド5(図1参照)には、 図2に示すように、制御基板15が設けられ、制御基板15を介して制御装置13(図1参照)からの動作信号を後述する圧電振動子16に入力する。制御基板15は流路ユニット17とは反対側のヘッドケース18上に配置されている。
本実施形態の記録ヘッド4には、先端部に流路ユニット17が配置され、流路ユニット17には、ノズル形成面19aにノズル開口20が列設されたノズルプレート19が設けられている。また、ノズル開口20に連通して圧力発生室21が設けられ、圧力発生室21には、インク貯留室22からインクが供給され、圧電振動子16によりインクが加圧されるようになっている。
即ち、流路ユニット17は、ノズル開口20が穿設されたノズル形成面19aを有するノズルプレート19と、圧力発生室21との共通の液体貯留室であるインク貯留室22並びにこれらを連通させるインク供給路23とに対応する空間が形成された圧力発生室形成板24と、圧力発生室21やインク貯留室22の開口を封止する封止板、即ち、振動板25とが積層されている。そして、ノズル形成面19aは平坦面とされている。流路ユニット17は接着剤を用いてヘッドケース18の先端面18aに接合されている。
圧電振動子16は駆動信号の入力により充電状態で長手方向に収縮し、充電状態から放電する過程で長手方向に伸張する、所謂、縦振動モードの振動子である。圧電振動子16は、その先端が圧力発生室21の一部を形成する振動板25の島部25aに固着された状態で他端が固定板26に固定されている。尚、縦振動モードの圧電振動子16をたわみ振動モードの圧電振動子に変更することも可能である。
ヘッドケース18には、インク貯留室22に対応する部分にヘッド流路27が形成され、ヘッド流路27を介してインクカートリッジ2(図1参照)のインクがインク貯留室22に導入される。圧電振動子16には、フレキシブルケーブル28が接続され、制御基板15からの駆動信号が入力される。また、プリンタ1(図1参照)の全体を制御する制御装置13(図1参照)からの動作信号を制御基板15に送るフレキシブルケーブル29は、ターミナル30を介して制御基板15に接続されている。
記録ヘッド4では、圧電振動子16の収縮・伸張により圧力発生室21が膨張・収縮し、圧力発生室21の圧力変動によりインクの吸引とインク滴の吐出とが行われる。ノズルプレート19には、2列のノズル列が一対として複数対が形成されている。ノズル形成面19aには、その側縁を保護するヘッドカバー14が設けられている。
インクカートリッジ(図1参照)から送られてきたインクは、ヘッド流路27からインク貯留室22に流入し、その後、圧力発生室21において圧電振動子16の動作で加圧され、ノズル開口20から記録紙9(図1参照)に向かってインク滴の状態で吐出され印刷が進行する。
キャリッジ3(図1参照)に相当するヘッドホルダ41には、図3に示すように、記録ヘッド4が結合された状態でインク噴射ヘッド5が構成されている。ヘッドホルダ41の上部には、板状部材41aが配置され、この板状部材41aに、インクカートリッジ2(図1参照)に進入するインク供給針31が取り付けられている。インク供給針31の内部通路はフィルタ32を介して導入流路33に連通し、導入流路33は、板状部材41aの下側に設けた導入管34を介してヘッド流路27に連通している。
具体的に説明すると、制御基板15には、ヘッドケース18の上部の環状突起42が貫通し、ヘッド流路27と導入流路33は同軸状に配置されている。ヘッド流路27と導入流路33はパッキン部材35によりシールされた状態で接続され、パッキン部材35はエラストマー等の弾性材料で構成されている。パッキン部材35を介してヘッドケース18をヘッドホルダ41に取り付けることにより、導入管34の端面と環状突起42の端面との間でパッキン部材35は圧縮された状態となる。このような流路構造により、流体供給源であるインクカートリッジ2にインク供給針31が相対的に差し込まれると、インクが流路ユニット17に供給される。
このようなプリンタ1のフィルタ32が本発明の金属板材あるいはフィルタで構成されて用いられる。
フィルタ32は、図4に示すように、例えばステンレス製(SUS製)の平坦な極薄の金属板材(例えば、厚さ15μm)51に多数の貫通孔である微細穴52(例えば、直径あるいは対角線長が15μmの穴が1cmに数万穴)が開設されて外形が円形状に切断して構成されたものであり、外径は、例えば8〜9mm程度とされている。貫通孔である微細穴52の大きさは、フィルタ32として機能させるため、ノズル開口20(図2参照)よりも小さく設定されている。なお、フィルタ32の穴形状としては、円形とする場合に限らず、正方形や六角形等の多角形にすることも可能であり、円形の場合には、直径をノズル開口20よりも小さく設定し、多角形の場合には、対角線の長さをプリンタ1のノズル開口20よりも小さく設定することで、フィルタとして機能させることができる。
また、極薄の金属板材51には、その表面に加圧塑性変形による凹凸筋が複数本交差した状態で形成され、ここでは、互いに直交して格子状の凹凸筋53が形成してある。これにより、金属板材51に多数の貫通した微細穴52が開設(穿孔)されたことに基づく反りを修正して格子状の凹凸筋53を備えて平坦状態が維持されている。したがって、凹凸筋53の凹凸高さを極小さくすることで、交差する複数本の凹凸筋53が塑性変形して加圧痕として残った状態となっても平坦な金属板材51およびフィルタ32とすることができ、極薄のフィルタ32であっても反りが修正されて平坦状態が維持され、取り扱いが容易になって組み立て時の生産性を向上させることが可能になる。
なお、この金属板材51をフィルタ32とする場合には、例えば取り付け部分となる周囲に、凹凸筋53を形成しない平坦なフランジ部を設けることで、一層簡単に組み立てることができる。
前記した凹凸筋53は、薄い金属板材51に加圧塑性変形により形成するので、金属板材51の表面(狭義の表面と裏面)に一対に対応して形成される。
この金属板51およびフィルタ32では、隣接する微細穴52のピッチが、例えば、45μm程度に設定され、交差する凹凸筋53は、その高さが、例えば、0.1mm程度、隣接する凹凸筋53同士のピッチが、例えば、0.6mm程度に設定されている。また、この凹凸筋53の断面形状は、先端角度を尖った形状、例えば先端角度を約90度としたV字谷形状(表裏が凹凸が対で対応しているので、逆に見れば山形)にしてある。
このような交差する複数の凹凸筋53の高さやピッチ、先端角度を変更することで、金属板材51やフィルタ32に加える矯正力を調整することができ、金属板材51やフィルタ32ヘの加工度などに生じる反りの大きさに応じて凹凸筋53の高さ、ピッチ、先端角度を設定・調整して反りを修正すれば良い。
また、交差する凹凸筋53は、直角に交差する格子状に形成することで、矯正に方向性をなくすことができ、金属板材51やフィルタ32に均一に矯正力を付与することができる。なお、交差角度は直交に限らず、菱形ができる角度に交差させてもよい。要するに、交差する2方向の凹凸筋53を形成することで、金属板材51に発生する反りを修正できれば良い。
次に、本発明の金属板材の加工方法をフィルタの加工に適用した場合について、図5〜図7に基づいて説明する。
まず、金属板材51に貫通した微細穴52を多数開設するため、プレス装置による打抜き加工が行われる。このため、プレス装置54は、図5(a)に示すように、凹凸が形成されていない平盤状の台座55を備え、その上面と対向してストリッパ56を介してパンチ57が設けられる。平盤状の台座(受け台)55の上面には、弾性マット58として例えば、PET(ポリエチレンテレフタレート:高分子材料)などからなるマット状の軟質部材が設けられ、この弾性マット58上に金属板材51がセットされるようになっている。パンチ57の先端57aは、例えば円柱状とされ、その直径はフィルタ32の微細穴52の径に対応しており、パンチ57を押圧することで、弾性マット58にパンチ57の先端57aが挿入されるようになっている。これにより、図5(b)(c)に示すように、金属板材51の多数の打ち抜き片62を弾性マット58に押し込んでそのまま保持することができ、ダイレス加工で微細穴52を打ち抜くことができる。また、台座55上の弾性マット58の表面が凹凸が無く平坦であるため、パンチ57の押し込み量を均一にすることができ、多数の打ち抜き片62を確実に弾性マット58の内部に留めることができる。
なお、弾性マット58としては、PETに限らず、例えばPC(ポリカーボネート)、POM(ポリアセタール)、ABS(ABS樹脂)、PPS(ポリフェニンサルファイド)等の他の高分子材料等を用いることも可能であり、硬さは、金属板材の厚さや微細穴の大きさ、ピッチ等により種々選択することが可能である。
弾性マット58の厚さは、少なくとも金属板材51の厚さの2倍以上とされ、0.1mm〜0.2mm程度が好ましい。0.1mm〜0.2mm程度にすることにより、必要以上に厚さを厚くすることなく弾性マット58の内部に打ち抜き片62を確実に留めることができると共に、金属板材51に完全な貫通孔である微細穴52を形成することができ、貫通不良などによる微細穴52の周縁部のバリの発生をおさえることができる。これにより、台座55とパンチ57の先端57aとの位置合わせが不要になり、微細穴52が形成された金属板材51やフィルタ32を容易に加工することができる。
実際の打ち抜き工程では、パンチ57の先端57aを金属板材51に押圧して微細穴52を打ち抜いた後、ストリッパ56を上昇させて打ち抜き片62が弾性マット58内に留まった状態で、弾性マット58と共に金属板材51を1ピッチ分移動させ、再びパンチ57の先端57aを金属板材51に打ち込むことを繰り返すことで多数の微細穴52を形成する。
このように弾性マット58と共に金属板材51を1ピッチ分移動させてパンチ57による打ち込みを繰り返すことで、かえりが発生してもストリッパ56の端面につぶされる等の横かえりが発生するおそれが全くなく、微細穴52が変形することがない。なお、実験によれば、弾性マット58としてPETを用いた場合、4μm〜5μm程度のかえりが発生したが、パンチ57に破損がほとんど生じないことが確認された。また、弾性マット58として、より硬い軟質部材を用いることでかえりを小さくすることができることも確認された。
こうして、貫通した微細穴52が多数形成された金属板材51は、穴加工にともなって反りが発生するため、反りを修正する加工が行われる。この金属板材51の反りの修正は、プレス加工によって金属板材51の表面に凹凸筋53を複数本交差した状態で、しかも塑性変形した状態で形成する。
このプレス加工には、図6に示すように、プレス装置65が用いられ、パンチ66には、図6(b)に示すように、表面から突出した凸条押圧部67が交差した状態で設けられ、ダイ68には、同図(c)に示すように、凸条押圧部67に対応した凹条69が形成してある。この凸条押圧部67は交差角度が90度の格子状とされ、その断面形状が、例えば先端角度が90度とされ、頂条縁部が面取りされた3角形状としてあり、対応する凹条69も同一断面形状としてある。また、凸条押圧部67の高さ、すなわち格子高さは、例えば0.1mmとされ、凸条押圧部67の隣接する間隔、すなわち格子ピッチは、例えば0.6mmとしてある。
なお、凸条押圧部67の高さやピッチ、先端角度は、すでに説明した交差する複数の凹凸筋53を形成するためのものであり、これらの高さやピッチ、先端角度を変更することで、金属板材51やフィルタ32に加える矯正力を調整することができることから、金属板材51やフィルタ32ヘの加工度などにより生じる反りの大きさに応じて凸条押圧部67の高さ、ピッチ、先端角度を設定・調整して反りを修正すれば良い。また、交差する凸条押圧部67は、凹凸筋53に相当し、直角に交差する格子状に形成することで、金属板材51やフィルタ32に均一に矯正力を付与することができるが、これに限らず、交差する2方向の凸条押圧部67を形成することで、金属板材51に発生する反りを修正できれば良い。さらに、断面形状も3角形状に限らず、半円形状など他の形状であっても良い。さらに、凹凸筋53は、直線に限らず円弧などの曲線でもよい。
このパンチ66とダイ68との間には、図7に示すように、両面を樹脂フィルム70で被覆した金属板材51がセットされる。金属板材51の両面に樹脂フィルム70を被覆することで、パンチ66とダイ68との位置合せ誤差などプレス加工にともなう無用な応力集中を防止し、金属板材51に均一に凸条押圧部67および凹条69によって加圧塑性変形を付与して金属板材51の反りを修正することができ、反り修正にともなうクラック、破断、傷等の発生を防止することができる。樹脂フィルム70としては、例えばポリエチレンフィルムが用いられ、例えばフィルム厚さが0.1mmとされる。
このような樹脂フィルム70で両面を被覆して金属板材51をパンチ66およびダイ68でプレス加工することで、山高さが0.08mm程度で緩やかな山が0.6mmピッチに配列された格子状の凹凸筋53を形成することができる。
そして、金属板材51の反りの修正加工後に樹脂フィルム70を取り除き、製品としての金属板材51やフィルタ32を得ることができる。
なお、この樹脂フィルム70の材質や厚さによって、プレス加工による加圧塑性変形の度合い、すなわちパンチ66およびダイ68による形状の転写率が変化し、矯正力を調整することができる。
したがって、樹脂フィルムの材質、厚みを変えることで、製品となる金属板材51やフィルタ32として必要な状態に応じて反りの修正を行うことができる。
このような表面から突出した凸条押圧部67が交差した状態で設けられたパンチ66と、凸条押圧部67に対応した凹条69を形成したダイ68との間に、両面を樹脂フィルム70で被覆した貫通した微細穴52が複数開設された金属板材51をセットし、この状態で金属板材51に向かって、パンチ66を押圧することで、金属板材51の表面に、凹凸筋53を複数本交差した状態で形成することができ、金属板材51の反りを修正することができる。これにより、金属板材51に凹凸筋53による凹凸が形成された状態で平坦な平面状態にすることができる。
したがって、この金属板材51をフィルタ32とする場合には、例えば取り付け部分となる周囲を凹凸筋53を形成しない未加工の平坦なフランジ部とすることで、液体流路内に簡単に取り付けて、この液体流路内の液体を濾過するフィルタとすることができる。例えば、プリンタ1では、圧力発生室21とノズル開口20を有するインク噴射ヘッド5の圧力発生室21に供給されるインク中の異物を捕捉するインク噴射ヘッド用のフィルタ32として用いることができる。
なお、上記の金属板材の加工方法では、貫通した微細穴52が複数開設された金属板材51の反りを修正するため、金属板材51の両面に、樹脂フィルム70を被覆することで、応力集中を防止し、クラックや傷等の発生を防止するようにしたが、金属板材51の両面を樹脂フィルム70で被覆することに代え、プレス装置65のパンチ66の凸条押圧部67をゴムなどの軟質の樹脂材で構成することもできる。これにより、樹脂フィルムで金属板材51を被覆することなく、そのままプレス加工しても応力集中を防止して反りの修正加工をすることができ、樹脂フィルムで挟んで被覆する工程が必要なく、加工後に金属板材から樹脂フィルムを取り除く工程や樹脂フィルムの廃棄処理の必要もない。
また、上記のプレス装置65では、ダイ68に対して往復駆動されるパンチ66を押圧して金属板材11の反りの修正を行うようにしたが、一対のローラの表面に凸条押圧部67および対応する凹条69を転写しておき、これらローラ間に金属板材51を送って押圧することで、反りの修正を行うようにすることもできる。これにより、金属板材の反りの修正を連続的に行うことができ、生産性を向上することができる。なお、この場合にも金属板材51の両面を樹脂フィルムで被覆したり、パンチの凸条押圧部67を樹脂材とすることで、応力集中を防止してクラックの発生を防止することができる。
ところで、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載に基づいて種々の変形が可能である。
また、本発明の金属板材は、液体流路内の液体を濾過するフィルタとして用いる場合に限らず、貫通孔が複数開設され、孔加工によって反りが発生する場合の反りの修正が成されて使用される金属板材に広く適用することができるとともに、その加工方法として広く適用できるものである。
インクジェット式記録装置の概略構成図である。 インク噴射ヘッドの主要部の断面図である。 インク噴射ヘッドの全体を表す断面図である。 (a)フィルタの平面図、(b)はフィルタの要部拡大平面図、(c)はフィルタの要部拡大横断面図である。 フィルタの孔加工の説明図である。 パンチとダイの説明図である。 反り修正加工の説明断面図である。
符号の説明
1…プリンタ、4…記録ヘッド、5…インク噴射ヘッド、16…圧電振動子、17…流路ユニット、19…ノズルプレート、20…ノズル開口、21…圧力発生室、23…インク供給路、25…振動板、31…インク供給針、32…フィルタ、51…金属板材、52…微細穴(貫通孔)、53…凹凸筋、54…プレス装置、55…台座、56…ストリッパ、57…パンチ、58…弾性マット、62…打ち抜き片、65…プレス装置、66…パンチ、67…凸条押圧部、68…ダイ、69…凹条、70…樹脂フィルム

Claims (2)

  1. ヘッドのノズル開口に連通する液体流路内に配されたフィルタを有し、
    前記フィルタは、貫通孔が複数開設された金属板材であり、その表面に、加圧塑性変形による凹凸筋が複数本交差した状態で形成されており、
    前記凹凸筋が、金属板材の表裏面に一対に対応して形成されており、且つ、先端が尖った断面形状に形成されている液体噴射装置であって、
    前記フィルタは、表面から突出した凸条押圧部が交差した状態で設けられたパンチと、前記凸条押圧部に対応した凹条を形成したダイとの間に、両面を樹脂フィルムで被覆した前記金属板材をセットし、この状態で前記金属板材に向かって前記パンチを押圧することで、前記金属板材の表面に、前記凹凸筋を形成する工程を経て作製されたことを特徴とする液体噴射装置。
  2. ヘッドのノズル開口に連通する液体流路内に配されたフィルタを有し、
    前記フィルタは、貫通孔が複数開設された金属板材であり、その表面に、加圧塑性変形による凹凸筋が複数本交差した状態で形成されており、
    前記凹凸筋が、金属板材の表裏面に一対に対応して形成されており、且つ、先端が尖った断面形状に形成されている液体噴射装置の製造方法であって、
    表面から突出した凸条押圧部が交差した状態で設けられたパンチと、前記凸条押圧部に対応した凹条を形成したダイとの間に、両面を樹脂フィルムで被覆した前記金属板材をセットし、
    この状態で前記金属板材に向かって前記パンチを押圧することで、前記金属板材の表面に、前記凹凸筋を形成する工程を有することを特徴とする液体噴射装置の製造方法。
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