JP3997046B2 - 液体噴射記録装置、およびヘッドクリーニング方法 - Google Patents

液体噴射記録装置、およびヘッドクリーニング方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ノズルからインクを吐出させて、記録媒体に対して記録を行う体噴射記録装置、およびヘッドクリーニング方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
液体噴射記録装置は、例えば液体噴射記録ヘッドにインクを供給し、液体噴射記録ヘッドに設けられたピエゾ素子や電気熱変換体等のインク滴吐出手段を画像データに基づいて駆動することによって記録用紙等の記録媒体にインクドットパターンにより画像を形成するものである。このように液体噴射記録ヘッドの吐出口からインクを吐出することにより記録を行う液体噴射記録装置は、低騒音、高速記録などの点で優れた記録装置として知られている。
【0003】
図13は、従来の液体噴射記録ヘッドを、一部を破断した状態で示す斜視図である。
【0004】
この種の液体噴射記録ヘッドは、図13に示すように、インクを吐出するための吐出口141群を有するオリフィスプレート140と、各吐出口141に連通した液流路401を形成するための天板400と、液流路401の一部を構成し、かつ吐出のための熱エネルギーを発生する電気熱変換体501(以下、「吐出ヒータ」という。)を備えた素子基板500とを有している。
【0005】
一般に、オリフィスプレート140は、素子基板500と天板400との接合段差や素子基板500と天板400との濡れ性の違いに起因するところの吐出されたインクの吐出方向のずれを防止するため、吐出口面を同一部材で構成することを主な目的のひとつとして設けられたものである。
【0006】
オリフィスプレート140は、天板400と一体的に形成される場合と、天板400が別部材で形成されてこれに接合される場合とがある。後者は素子基板500と天板400との圧接によって形成された液流路401に対し、オリフィスプレート140上の吐出口群141をアライメントして接合するものであり、耐久性が必要とされるオリフィスプレート140の材質を任意に選択できる利点を有する。一方、前者は吐出口141と液流路溝(ノズル)とが連通して部材が形成されるため、天板400と素子基板500との簡単な機械的圧接によって液流路401が形成されるので、生産性が優れている。
【0007】
一般に、オリフィスプレートが樹脂材料から成る場合、吐出口141群はエキシマレーザー加工によって形成される。エキシマレーザー光は光学系によって光量分布を均一化されており、吐出口141群は、このような光学系を介したレーザー光により、1つの工程もしくは2〜3つの工程で加工され、相対位置、配列ピッチが高精度に形成されるとともに、吐出口群の形状および面積の均一化が図られている。このような光学系による集光特性上、エキシマレーザー光束は加工部入射面から後退する程、広がって行くことになる。
【0008】
さらに、エキシマレーザー光を照射してアブレーションさせる加工では、エキシマレーザー光の出射側に形成される穴の大きさがレーザー光の入射側に形成される穴の大きさよりも大きく加工される特徴がある。
【0009】
上記した2点の理由から、オリフィスプレート140と天板400とが一体化されるような部材に対して吐出口を加工する場合には、レーザー光は液流路側から入射し、インク吐出方向に出射される。
【0010】
具体的には、図14に示すように、マスク222を通過したレーザー光221が、液流路溝233と干渉することがないように、天板200はレーザー光221の光軸221aに対して傾けて保持されて、吐出口141が傾斜加工されている。ただし、照射されるレーザー光の光軸(インク吐出方向)は吐出口形成面140aに対して垂直であるため、インクは吐出口形成面140aに対して垂直な方向に吐出されるようになる。
【0011】
このような構成から、液体噴射記録ヘッドは吐出口141の向き(レーザー加工時の傾斜方向)と素子基板500との傾斜量相当分だけ、装置本体において傾斜した状態に保持され、インクは記録媒体に対して垂直に吐出されるようになる。
【0012】
一方、オリフィスプレート140と天板400とが別部材で形成される場合は、レーザー光軸(インク吐出方向)とオリフィスプレート140とが干渉することはないため、液体噴射記録ヘッドは記録本体において垂直に保持される。
【0013】
このようなインクジェット記録装置のような液体噴射記録装置では、液流路内部の気泡の除去、長期放置によるインクの増粘回復等のためにインク吸引または加圧回復のような回復動作が行われている。さらには、吐出口周辺部におけるインクの増粘や乾燥を防止するためにオリフィスプレート表面に対してキャップ部材を当接させてキャッピングを行っている。
【0014】
また、連続的にインクを吐出させた場合などにオリフィスプレート140の表面に紙面から反射したインクや空中の霧状液体(以下「インクミスト」という)が付着して余分な液体が溜まることがあり、その結果、不安定な吐出や場合によっては不吐出を引き起こしてしまうことがある。そこで、これらの残留インクを拭き取る清掃手段として、ゴム、エラストマーや吸水性の材料等で形成されたブレードにより、オリフィスプレートに付着したインクを拭き取ったりしている。
【0015】
しかし、オリフィスプレート面の吐出口外周部分でキャップ部材との密閉用の面積を確保しようとすると、オリフィスプレートが大きな面積となり、薄肉厚のフィルム状部材からなるオリフィスプレートのハンドリングを悪化させ、接合精度を低下させてしまうことになる。さらに、オリフィスプレート全体の接合面積が大きくなると、オリフィスプレートに対して作用する接着剤の硬化収縮応力が増大することになり、キャッピング部分の平面性が損なわれてキャッピング不良を起こしたり、吐出口の周辺部分を変形させ、吐出口の配列精度を悪化させる等の要因となる。
【0016】
このため、従来構成では、例えば前面シール部材をオリフィスプレート140の周囲に設けて、前面シール部材とキャッピング部材とを当接させてキャッピングを行うような構成を採るなどして対処していた。
【0017】
次に、回復装置の一例を、図15に示すインクジェット記録装置の斜視図を用いて説明する。
【0018】
吐出口形成面140aの吐出口からインクを吐出して記録媒体105に画像を記録する液体噴射記録ヘッド101はキャリッジ102に搭載されており、キャリッジ102は移動方向を案内するガイド軸103に支持されて記録媒体105に対向しながら往復移動する。記録媒体105はピンチローラによってフィードローラに圧接され、フィードローラが回転することにより搬送される。さらに、画像形成後の記録媒体105は排出ローラによって記録装置外部に排出される。なお、ピンチローラ、フィードローラ、および排出ローラは不図示である。
【0019】
吐出口形成面140aに付着した紙粉などの異物や余分なインクは、画像形成領域外に設けられたワイピング装置のワイピングブレード104によって掻き取られる。また、記録装置には、吐出口形成面140aを覆って吐出口の目詰まりを防止したり、記録ヘッドの外部よりインクを吸引したりするためのキャップ106を備えた吸引装置が設けられている。
【0020】
ここで、ワイピングブレード104によりオリフィスプレートフェイス面の異物やインクを掻き取ってクリーニングを行なう動作(ワイピング動作)の従来方法について説明する。
【0021】
図16はワイピング動作を模式的に表した図であり、ワイピングブレード104の状態a,b,cは各々ワイピング動作前、ワイピング動作中、ワイピング動作後の状態を示している。
【0022】
ワイピングブレード104が矢印A方向に移動すると、液体噴射記録ヘッド101に当接し、ワイピングブレード104の先端が液体噴射記録ヘッド101の側方に押されて湾曲し、先端部が適当な圧力でオリフィスプレートフェイス面(吐出口形成面)140aに圧接する。ブレード104は、この状態のままさらに液体噴射記録ヘッド101の上を通過していくので、オリフィスプレートフェイス面140aに付着した異物やインクはワイピングブレード104の端部で掻き取られ、完全に液体噴射記録ヘッド101の上を通過しきるとワイピングブレード104は弾性回復により元の形状に復元する。
【0023】
以上のような一連のワイピング動作によってオリフィスプレートフェイス面140aをクリーニングすることにより、インクの吐出を安定させ、良好な画像を得ることができる。
【0024】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来技術のように、キャッピング用として前面シール部材をオリフィスプレートの周囲に配設するような構成では、前面シール部材とオリフィスプレートとの間に段差が生じ、オリフィスプレート上の残留液体をブレードで拭き取る際に段差の隅部に液体が溜まったり、ブレードの振動や飛び越えなどによって、接触が不十分となって、拭きむらが生じることがあった。
【0025】
また、一般に、オリフィスプレートが記録ヘッドの液流路(ノズル)の開口面に接合されるような液体噴射記録ヘッドの場合、回復装置におけるワイピング動作によってインク吐出面をクリーニングする際に、ワイピングブレードの先端がオリフィスプレートフェイス面上を摺擦するために、ワイピング動作の繰り返しによって、オリフィスプレートが液流路(ノズル)開口面から剥離するおそれがあった。
【0026】
特に、ワイピングブレードがオリフィスプレートのフェイス面上に進入する際に、ワイピングブレードの先端がオリフィスプレートの端部を引掛けるようにする可能性があり、このような状況下でワイピング動作が繰り返されると、オリフィスプレート端部が剥がれてしまうことになる。そして、オリフィスプレート端部が僅かでも剥がれてしまうと、その後のワイピング動作の繰り返しによって、オリフィスプレートの剥離はさらに進行し、十分なクリーニングが行われなくなる。
【0027】
このような問題点を回避するために、ワイピングブレードがオリフィスプレートの端面に引っ掛からないように、ワイピングブレードの可動範囲を狭くして、ワイピングブレードとオリフィスプレートフェイス面との摺擦領域を規制する方法がある。ところが、このような方法の場合、第1に、ワイピングブレードがオリフィスプレートフェイス面に対して進退するような構成にする必要があり、ワイピング装置が高価となる。第2に、ワイピング動作によってワイピングブレードが回収した塵埃(塵、紙粉、紙けば等)や増粘インク(揮発成分が蒸発したインク)の戻りによる不具合が生じ得る。すなわち、ワイピングによってブレードの摺擦面に回収されて付着した塵埃や増粘インクが、ワイピングブレードの進退時にオリフィスプレートフェイス面へ転写されて戻されたり、オリフィスプレートフェイス面に圧接されたりするおそれがある。
【0028】
このように、ワイピングブレードとオリフィスプレートフェイス面とが摺擦する範囲を規制する方法はあまり得策ではない。
【0029】
そこで本発明は、ワイピングブレードとオリフィスプレートフェイス面とが摺擦する範囲を規制する方法を用いなくても、ワイピング動作によるオリフィスプレートの剥がれを防止することができる体噴射記録装置、およびヘッドクリーニング方法を提供することを目的とする。
【0030】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の液体噴射記録装置は、弾性を有するワイピングブレードと、液体噴射記録ヘッドを装着するキャリッジと、を有する液体噴射記録装置であって、前記液体噴射記録ヘッドは、ズルが開口した記録ヘッド本体の端面に接合され、前記ワイピングブレードによるワイピングの際に当該ワイピングブレードによって摺擦されるオリフィスプレートであって、前記ノズルの開口部に対向する位置に吐出口が形成されているオリフィスプレートと、前記オリフィスプレートのフェイス面に沿った方向である前記ワイピングブレードの摺擦移動方向に関して上流側にあって、前記端面に接合された前記オリフィスプレートの上面よりも突出した突出部と、を有し、前記突出部は、前記オリフィスプレートの前記上流側の端部と前記端面とが接合して形成される段差から前記上流側へ離間した位置にあって、前記ワイピングの際に当該突出部を乗り越えた前記ワイピングブレードが前記段差に接触することなく前記オリフィスプレートの前記上面へ至るように配設されていることを特徴とする。
【0031】
また、本発明のヘッドクリーニング方法は、弾性を有するワイピングブレードで液体噴射記録ヘッドをワイピングするヘッドクリーニング方法であって、前記液体噴射記録ヘッドは、ズルが開口した記録ヘッド本体の端面に接合されて前記ワイピングブレードによるワイピングの際に当該ワイピングブレードによって摺擦されるオリフィスプレートであって、前記ノズルの開口部に対向する位置に吐出口が形成されているオリフィスプレートに対して、前記オリフィスプレートのフェイス面に沿った方向である前記ワイピングブレードの摺擦移動方向に関して上流側にあって、前記端面に接合された前記オリフィスプレートの上面よりも突出した突出部が、前記オリフィスプレートの前記上流側の端部と前記端面とが接合して形成される段差から前記上流側へ離間した位置に設けられており、ワイピングの際に当該突出部を乗り越えた前記ワイピングブレードが前記段差に接触することなく前記オリフィスプレートの前記上面へ至るようにして前記液体噴射記録ヘッドをワイピングすることを特徴とする。
【0032】
本発明によれば、ワイピングの際のワイピングブレードの摺擦移動方向に関して上流側にあって、記録ヘッド本体の端面に接合されたオリフィスプレートの上面よりも突出した突出部が、オリフィスプレートの上流側の端部と記録ヘッド本体の端面とが接合して形成される段差から上流側へ離間した位置にあって、ワイピングの際に突出部を乗り越えたワイピングブレードが段差に接触することなくオリフィスプレートの上面へ至るように配設されていることにより、ワイピング動作開始時にワイピングブレードを進行方向に移動させると、ワイピングブレードが突起部に当接してブレードの先端が湾曲する。このとき、ブレードには、湾曲変形した状態から元の形状に復帰しようとする弾性回復力が働いている。そのため、ワイピングブレードを進行方向にさらに移動させると、ワイピングブレードの端部は、オリフィスプレートの端部を飛び越してオリフィスプレートの上面に当接する。したがって、ワイピングブレードは、オリフィスプレートの端部に引っ掛かることなく、オリフィスプレートの上面に到達するようになる。なお、ブレードがオリフィスプレートの上面に到達すると、ブレードが復元することにより先端の湾曲変形量が小さくなるものの、その湾曲状態は維持される。そのため、その後にブレードによってオリフィスプレートの上面をワイピングする工程において、ワイピング性能が低下するようなことはない。
【0033】
このように、本発明によれば、ワイピングによるシート部材の剥離が防止できるとともに、ブレードの耐久性の向上を図ることが可能となる。しかも、簡単かつ安価な構成で、シート部材の上面のワイピング動作が確実に行えるようになる。
【0046】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
【0047】
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態の液体噴射記録ヘッドを、一部を破断した状態でかつオリフィスプレートを分離した状態で示す斜視図である。図2は、図1に示した液体噴射記録ヘッドを、オリフィスプレートを接合した状態で示す斜視図である。
【0048】
本実施形態の液体噴射記録ヘッドにおいては、インクを吐出するためのエネルギー発生体である電気熱変換体(吐出ヒータ1a)と、吐出ヒータ1aへ電力を供給する配線とがシリコン成膜プロセスによりシリコン基板上に形成されて成るヒータボード1が、アルミニウム、セラミックス等によって形成される支持基板(ベースプレート4)の上にダイボンディングにより搭載されている。ベースプレート4は、吐出ヒータ1aの駆動に伴ってヒータボード1に生じる熱を放熱冷却するヒートシンクとしても機能する。
【0049】
ヒータボード1の上には、インク流路を形成する天板5が設けられている。天板5は、天板5の底面に凹状に形成されオリフィスプレート6の吐出口6aと連通するインク流路を構成するノズル7、天板5の底面に凹状に形成されノズル7へインクを供給するサブタンクとしての役割をもつ共通液室8、および共通液室8にインクを供給するためのインク供給口9を有している。
【0050】
さらに、ベースプレート4上には、インク流れ方向に関して液体噴射記録ヘッド15よりも上流側に配設される不図示のインク貯蔵タンクまたはサブタンク等からインク供給口9へインクを導くためのインク通路11aを形成するチップタンク11が設けられている。
【0051】
チップタンク11のノズル7が開口している面には、前面プレート部11bが形成されている。前面プレート部11bは、ノズル7同士の間隔と同じ間隔に開口された吐出口6aを有するオリフィスプレート6を、その吐出口6aの外周領域において接合保持する役割と、記録装置本体に配設される不図示のキャップ部材からキャッピング動作時に加えられる脱着力や押圧保持力に対してオリフィスプレート6が十分に耐え得るようにオリフィスプレート6を支持する役割とを担っている。
【0052】
前面プレート部11bの一方の端部には、液体噴射記録装置本体の回復装置に設けられたブレード21(図3参照)の進入側に配設される突起部12が設けられている。ワイピングブレード21が前面プレート部11上へ進入すると、ブレード21が最初に突起部12と接触するように構成されている。
【0053】
ここで、本願明細書においては、液体噴射記録ヘッドの構成からオリフィスプレートを除いた状態のものを、「記録ヘッド本体」と呼ぶものとする。
【0054】
上記の天板5はポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、ポリプロピレン、変性ポリフェニレンオキサイド、ポリフェニレンサルファイド、液晶ポリマー等の樹脂あるいはセラミックス、シリコン、ニッケル、カーボン等の材料によって形成される。
【0055】
また、オリフィスプレート6はSUS(ステンレス鋼)、Ni、Cr、Al等からなる金属プレート、ポリイミド、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、ポリフェニレンオキサイド、ポリフェニレンサルファイド、ポリプロピレン等からなる樹脂成形品や樹脂フィルム材等、さらにはシリコン、セラミックス等によって形成される。
【0056】
次に液体噴射記録ヘッドの組立て工程の概略を説明する。
【0057】
まず最初に、ベースプレート4上に載置されたヒータボード1上の吐出ヒータ1aと、これに相対する天板5のノズル7とが高精度に合致するように両者をアライメントした後に、接着剤等の接合手段あるいは押えばね(不図示)等の圧接手段によって、ヒータボード1と天板5とを密着させ、インク流路(7;8;9)を形成する。
【0058】
次に、ベースプレート4上にチップタンク11を組み込み、天板5のインク供給口9とチップタンク11のインク通路11aとを接続させる。このとき、チップタンク11の前面プレート部11bは、インク流路端面を構成するヒータボード前端面1bおよび天板前端面5bの外側を覆う。なお、インク流路端面1b,5bは、前面プレート部11bの表面よりも数十μmから数百μm程度突出するように構成されている。
【0059】
次に、オリフィスプレート6を、ヒータボード1と天板5とによって突出形成されたインク流路端面1b,5bに対して、接着剤等の接合手段によって接合させる。この際、前面プレート部11bは、前記したように表面がインク流路端面1b,5bよりも後退しているため、オリフィスプレート6とインク流路端面1b,5bとの接合を妨げないようになっている。
【0060】
なお、各部材の部品精度や接合精度は、突起部12の内壁面12aとオリフィスプレート端部6cとの距離が1mm以下の寸法となるように設定されている。また、突起部12の天面12bはオリフィスプレートのフェイス面6bよりも突出するようになっている。ただし、両者の段差は1mm以下に設定されることが好ましい。両者の段差が大きくなると、インク吐出面から記録媒体までの距離が大きくなってしまい、インク着弾精度が悪化するおそれがあるためである。
【0061】
次の最終工程では、オリフィスプレート6の裏面の吐出口6aが形成されていない領域と前面プレート部11bとの間に形成された隙間(前面プレート部11bとインク流路端面1b,5bとの間の数十μmから数百μmの段差部)に接着剤または封止剤等を流し込むことにより、オリフィスプレート6の接合が完了する。これにより、液体噴射記録ヘッド15の組立て工程が終了する。
【0062】
次にワイピング動作の説明をする。
【0063】
図3は、ワイピングブレードによるワイピング動作を説明するための模式図である。
【0064】
一般に、ワイピングブレード21は、ゴム、エラストマー等の材質によって製作されているため、ブレード21は変形すると弾性回復によって自の形状を復元させる力を備えている。また、ワイピングブレード21の幅がオリフィスプレート6の短手方向の幅や前面プレート部11bの短手方向の幅よりも大きければ、ブレードが摺擦できない領域が発生しないため、ワイピングが効果的に行える。したがって、ブレード21はオリフィスプレート6や前面プレート部11bの幅よりも大きいことが好ましい。
【0065】
図3において、記録装置本体の回復装置に配設されるワイピングブレード21の状態a,b,c,dはそれぞれワイピング動作開始、突起部通過中、ワイピング動作中(オリフィスプレートフェイス面進入開始)、ワイピング動作終了の状態を示している。
【0066】
ワイピングブレード21がワイピング動作開始位置(状態a)から矢印B方向に移動し、ブレード21の先端が突起部12の外壁側面に接触すると、ブレード21の先端は突起部12の天面12bに沿うようにして大きく湾曲しながら摺擦して行く(状態b)。そしてさらにワイピングブレード21が進んで行くと、ブレード21の先端はオリフィスプレートフェイス面6bへ進入して、この面を摺擦する。
【0067】
オリフィスプレートフェイス面6bは突起部天面12bよりも後退しているため、ブレード21の先端は、突起部12を過ぎると、自身の弾性復元力によって段差に沿って湾曲形状の変形量を直ちに減少させて、オリフィスプレートフェイス面6b上を摺擦するようになる(状態c)。
【0068】
このように、ブレード21の先端の接触面が突起部天面12bからオリフィスプレートフェイス面6bへ移行する際、ブレード21が段差の有る接触面を通過し、ブレード21の先端が復元力によって移動方向に勢い良く変形して行くため、ブレード21の先端は段差周辺部を飛び越えることになる。そして、オリフィスプレート端部6cは、上記のようにブレード21先端が接触することなく飛び越えて通過する領域に配設されることから、ブレード21の先端がオリフィスプレート端部6cに引っ掛かるようなことはない。
【0069】
なお、上記のように、ブレード21が飛び越える領域の距離はブレード21の材質(弾性回復力)、ブレード21の移動速度、突起部天面12bとオリフィスプレートフェイス面6bとの相対的な高さ等によって決まる。また、突起部天面12bとオリフィスプレートフェイス面6bとの段差は上述したように1mm以下に設定されるため、ワイピングブレード21の先端部は無理に湾曲変形するようなことはなく、湾曲部の状態変化がスムーズかつ短時間に行われるようになる。
【0070】
以上のように、突起部12の天面12b上を通過したブレード21は、オリフィスプレートフェイス面6b上へ進入する際にオリフィスプレート端部6c付近を飛び越える。このときブレード21の先端が湾曲形状を維持するため、ブレード21は着地地点から直ちにオリフィスプレートフェイス面6b上を押圧して、ワイピングを開始させることができるようになる。したがって、吐出口6aの周辺に付着した塵埃やインクはワイピングブレード21の先端によって確実に掻き取られるようになる。そして、ワイピングブレード21がオリフィスプレートフェイス面6b上を完全に通過しきると、ワイピングブレード21は自身の弾性回復力により元の形状に復帰する(状態d)。
【0071】
以上のような一連のワイピング動作によってオリフィスプレートフェイス面6bをクリーニングすることにより、インクの吐出を安定させ、良好な画像を得ることができるようになる。
【0072】
なお、突起部内壁12aと前面プレート11bとの間の隅部はクリーニングの開始地点よりも上流に位置するため、ワイピングブレード21に付着して移送されたインクがこの隅部に溜まるようなことはない。
【0073】
また、ワイピング動作の際にブレード21の幅方向に流れ出して除去しきれなかった残留インクや、1回のワイピングでは除去しきれなかった残留インク等がオリフィスプレートフェイス面6b上に生じる。しかし、これらの残留インクがブレード21の通路から外れた領域に停滞してしまわないように、オリフィスプレート6周辺には、突起部12以外にオリフィスプレートフェイス面6bよりも突出する壁や突起等を全く設けていない。
【0074】
また、ワイピングブレード21が突起部12に接触して屈曲する際に、ブレード21が幅方向全域に渡って均一に湾曲できるようにするため、突起部12の幅をブレード21の幅よりも大きくし、ブレード21がその全幅にわたって突起部12に接触するように構成されている。
【0075】
なお、本実施形態の液体噴射記録ヘッドにおいては、1列の吐出口列6aが設けられた構成について説明したが、本発明はこれに限られず、複数の吐出口列が並列に設けられた液体噴射記録ヘッドにおいても実施可能であり、同様の効果が得られるものである。
【0076】
また、吐出口列6aに対するブレードの移動方向は、採用するインクの物性、吐出口列の並列数や隣接する吐出口列間の距離等の様々な要因によって決定されるものであり、上述したようにブレード21が吐出口列6aに沿って移動する構成としてもよく、あるいは、吐出口列6aに対して直交する方向に移動する構成としてもよい。後者の構成については、後述する第3の実施形態において図8を参照して詳しく説明する。
【0077】
図4は、図1および図2に示した液体噴射記録ヘッドの変形例を示す斜視図である。
【0078】
図1および図2に示した液体噴射記録ヘッドは、チップタンク11の前面プレート11bがベースプレート4の前面を覆う一方でベースプレート4の両側面を覆わない構成とされている。
【0079】
これに対し、図4に示す本変形例のように、チップタンク11の前面プレート11b(図4では不図示)がベースプレート4の前面を覆わず、ベースプレート4の両側面を覆う構成としてもよい。
【0080】
(第2の実施形態)
本実施形態は、ワイピング動作開始時に、ブレードの先端が突起部の外壁に突き当たって屈曲する際に、ブレードがスムーズに変形できるようにするものである。
【0081】
図5は本発明の第2の実施形態の液体噴射記録ヘッドを示す斜視図である。
【0082】
図5に示すように、突起部12の天面12bと外壁面とが交差する稜線部には、曲面部12cが形成されている。なお、本実施形態の液体噴射記録ヘッドのその他の構成は図1等に示した液体噴射記録ヘッドと同様であり、同一の符号を付して示している。
【0083】
このように、突起部12の稜部に曲面が形成されていると、ブレードの先端はその曲面に沿って徐々に湾曲されるようになるため、ブレード先端に付加される屈曲時の負荷が軽減されるようになり、ブレードの耐久性が向上するようになる。
【0084】
図6は図5に示した液体噴射記録ヘッドの変形例を示す斜視図であり、図7は図6に示した液体噴射記録ヘッドに対するワイピング動作を示す模式図である。
【0085】
図6に示すように、本変形例では、突起部12の天面12bと外壁面とが交差する稜線部に傾斜面12c’が形成されている。傾斜面12c’の勾配および傾斜位置は、ブレードの進入時にブレード先端の稜部が傾斜面に突き当たるように設定されている。
【0086】
図7に示すように、ワイピング動作が開始されると、ワイピングブレード21先端の稜部が突起部12の傾斜面12c’に突き当たり、さらにブレード21が移動されると、ブレード21の先端は傾斜面12c’に沿って湾曲を形成するようになる。
【0087】
つまり、湾曲形成の際に、ブレード21は局部的に折り曲げられるのではなく、ブレード21の先端が傾斜面12c’に沿って先端稜部から根本部へ向けて一様に変形して行くため、ブレード21の先端の変形時の負荷が軽減されて、所望の湾曲形状が形成されるようになり、ブレード21の耐久性が格段に向上する。
【0088】
(第3の実施形態)
上記の実施形態はワイピングブレードが吐出口列に沿って移動される構成であったが、本実施形態は、ブレードが吐出口列に対して直交する方向に移動されるものである。
【0089】
図8は本発明の第3の実施形態の液体噴射記録ヘッドを示す斜視図である。
【0090】
本実施形態では、突起部12は、前面プレート11b(図8では不図示)において、吐出口列6aとほぼ平行にブレード21の進入側の一端部に配設されている。そして、上記の各実施形態と同様に、前面プレート11b上の他の3つの端部にはオリフィスプレートフェイス面6bより突出する部分が全く存在しないように構成されている。なお、本実施形態の液体噴射記録ヘッドのその他の構成は図1等に示した液体噴射記録ヘッドと同様であり、同一の符号を付して示している。
【0091】
このように、本実施形態によれば、突起部12の天面12bがオリフィスプレートフェイス面6bよりも突出し、かつ突起部12が吐出口6a列に対して平行に配設される。そのため、突起部12が吐出口6a列の全長よりも長い距離で配設されれば、記録装置本体において、カールの大きな記録媒体が通過する場合や、ジャム処理のために記録媒体を取り除くような場合に、突起部12が記録媒体と吐出口6aとの接触を妨げるように作用する。
【0092】
したがって、記録媒体が吐出口6a周辺部に損傷を与えたり、吐出口6a周辺のインクを引きずることによって、画像品位を低下させたり、ワイピングが不可能な残存インクを発生させる等の問題を回避させるようになる。
【0093】
なお、当然のことながら、このように吐出口6a群と記録媒体との摺擦防止効果を増大させるためには突起部12と吐出口6a群はできるだけ近接していることが好ましく、両者が遠ざかるような場合は、突起部12の突出高さを大きくする必要がある。
【0094】
(第4の実施形態)
図9は、上記各実施形態の液体噴射記録ヘッドにおける課題を説明するための斜視図である。
【0095】
第1の実施形態において説明したように、オリフィスプレート6はインク流路端面(1b,5b)に接合されるが(図1参照)、この際、各吐出口6aと各ノズル7とが一致するように、メカニカルなアライメントが高精度に行われている。オリフィスプレート端部6cが突起部内壁12aから離間されると、オリフィスプレート端部6cにブレード先端が接触し易くなることから、理想的には、両者の相対位置を一致させること、すなわちオリフィスプレート端部6cを突起部内壁12aに近接させることが好ましい。
【0096】
しかしながら、両者の相対位置は、前記したアライメントの精度、部品精度、接合精度等の影響を受けるために、一致させることは非常に困難である。このため、オリフィスプレート端部6cと突起部12の内壁12aとの間には隙間Dが形成されることになる(図9参照)。
【0097】
ブレード材質、ブレード移動速度、突起部段差等の都合上、ブレード先端の接触開始地点が隙間Dの範囲内に形成されてしまったり、インクミストが隙間Dの範囲にまで及んでしまうような場合には、隙間D部に残留インクが溜まってしまい、このような残留インクの除去が非常に困難となる。
【0098】
本実施形態は、突起部内壁12aと前面プレート11bとの間の隅部に接着剤や封止剤等を充填することによって、上記課題を克服させるものである。
【0099】
図10は、本発明の液体噴射記録ヘッドの第4の実施形態を示す斜視図である。
【0100】
図10に示すように、突起部12の内壁12aと前面プレート11bとの間の隅部には、該隅部およびオリフィスプレート端部6cを完全に覆うように接着剤(または封止剤)13が充填されている。なお、本実施形態の液体噴射記録ヘッドのその他の構成は図1等に示した液体噴射記録ヘッドと同様であり、同一の符号を付して示している。
【0101】
このように、本実施形態によれば、隙間D部が接着剤や封止剤等によって埋められるようになるため、ワイピングブレードは隙間Dの領域にある接着剤13を摺擦するようになり、隙間Dの領域にインクが飛び散ってもワイピングブレードによってこれを完全に除去できるようになる。
【0102】
また、接着剤(封止剤)13は突起部12の内壁12aに沿うように塗布されるため、接着剤(封止剤)13の毛管力によって、接着剤(封止剤)13の塗布高さは突起部12の天面12bの高さを大きく超えることは無く、塗布工程の管理が容易であり、生産性においても優れている。
【0103】
また、突起部12が適度な剛性を有していれば、ブレード先端の湾曲形成のために加えられる負荷が接着剤や封止剤へ及ぶことはなく、信頼性の高いワイピングができるようになる。
【0104】
反面、オリフィスプレート端部を保護(オリフィスプレート端部を覆う封止保護)する目的で接着剤や封止剤が塗布されるような構成では、接着剤や封止剤によって形成された突起が、ブレード先端を屈曲せる役割を担うようになり、接着剤や封止剤に加えられる負荷が大きくなり、接着剤や封止剤に要求される強度が増して、液体噴射記録カートリッジが高価なものとなる。
【0105】
(第5の実施形態)
本実施形態は、ワイピングブレードの進行方向に関して突起部の上流側にブレードの清掃手段を配設し、ワイピングブレードによるクリーニング精度の向上を図るようにしたものである。
【0106】
図11は本発明の第5の実施形態の液体噴射記録ヘッドの構成およびワイピング動作を説明するための模式図である。
【0107】
図11に示すように、ワイピングブレード21の進行方向に関して突起部12の上流側には、ワイピングブレード21の清掃手段18が配設されている。清掃手段18は先端にブラシ部18aを有している。なお、本実施形態の液体噴射記録ヘッドのその他の構成は図1等に示した液体噴射記録ヘッドと同様であり、同一の符号を付して示している。
【0108】
ワイピング動作開始時にワイピングブレード21が移動されると、ブレード21先端の側面(ワイピング面)が清掃手段18のブラシ部18aに擦り付けられて、ブレード21先端の側面に付着したインクや塵埃等が除去される。
【0109】
このように、本実施形態によれば、ワイピング動作開始直後にブレード21の清掃が行われるため、ブレード21によるワイピング能力が向上するとともに、ブレード21の耐久性およびオリフィスプレート6の耐久性が向上するようになる。
【0110】
なお、清掃手段18は液体噴射記録ヘッド15に配設されるようにしてもよく、あるいは液体噴射記録装置本体に配設されるようにしてもよい。
【0111】
(第6の実施形態)
本実施形態は、複数の吐出口列が並列されたオリフィスプレートを用いる場合における突起部の構成に関するものである。
【0112】
図12は本発明の第6の実施形態の液体噴射記録ヘッドを示す斜視図である。
【0113】
本実施形態の液体噴射記録ヘッドは複数種類のインクが吐出されるように構成されたものであり、各種のインク毎にインク流路およびノズルが構成されている。そして、オリフィスプレート6も、各色のノズルに対応して、複数の吐出口列6d,6e,6f,6gが並列に形成されている。
【0114】
また、前面プレート(不図示)上の一端には、各吐出口列6d,6e,6f,6gに対応して突起部12d,12e,12f,12gが各々設けられている。各突起部12d,12e,12f,12gは、互いに分断された状態に形成されている。
【0115】
また、ワイピングブレード(不図示)も、各吐出口列6d,6e,6f,6gに対応して各々個別に設けられる。
【0116】
なお、本実施形態の液体噴射記録ヘッドのその他の構成は図1等に示した液体噴射記録ヘッドと同様であり、同一の符号を付して示している。
【0117】
このように、各吐出口列6d,6e,6f,6gに対応して、突起部12d,12e,12f,12gおよびワイピングブレードが個別に独立して設けられているため、ブレードによって転写されて突起部に付着したインクは、ブレード動作を繰り返しても、隣接する吐出口列のインクと混ざるおそれがない。
【0118】
また、本実施形態によれば、突起部およびワイピングブレードが一体的に形成されるような形態と異なり、各々のブレードの幅方向の幅を狭くすることができる。そのため、ブレードの幅方向におけるインクの移動範囲が狭くなり、隣接した種類の違うインクとの混色が発生しにくくなり、信頼性の高いワイピングが可能となる。
【0119】
なお、本実施形態では各吐出口列に対応して突起部およびブレードを個別に独立して設ける例を説明したが、本発明はこのような構成に限られるものではなく、同一種類のインクが複数の吐出口列に跨るような形態の液体噴射記録ヘッドにおいては、同一種類のインクが吐出される吐出口列群に応じて突起部およびブレードを独立して設けてもよい。
【0120】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、ワイピングの際のワイピングブレードの摺擦移動方向に関して上流側にあって、記録ヘッド本体の端面に接合されたオリフィスプレートの上面よりも突出した突出部が、オリフィスプレートの上流側の端部と記録ヘッド本体の端面とが接合して形成される段差から上流側へ離間した位置にあって、ワイピングの際に突出部を乗り越えたワイピングブレードが段差に接触することなくオリフィスプレートの上面へ至るように配設されているので、ワイピングブレードの端部は、オリフィスプレートの端部を飛び越してオリフィスプレートの端部に引っ掛かることなくオリフィスプレートの上面に当接するようになり、ワイピングによるオリフィスプレートの剥離が防止できるとともに、ブレードの耐久性の向上を図ることができる。しかも、簡単かつ安価な構成で、オリフィスプレートの上面のワイピング動作を確実に行えるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態の液体噴射記録ヘッドを、一部を破断した状態でかつオリフィスプレートを分離した状態で示す斜視図である。
【図2】図1に示した液体噴射記録ヘッドを、オリフィスプレートを接合した状態で示す斜視図である。
【図3】ワイピングブレードによるワイピング動作を説明するための模式図である。
【図4】図1および図2に示した液体噴射記録ヘッドの変形例を示す斜視図である。
【図5】本発明の第2の実施形態の液体噴射記録ヘッドを示す斜視図である。
【図6】図5に示した液体噴射記録ヘッドの変形例を示す斜視図である。
【図7】図6に示した液体噴射記録ヘッドに対するワイピング動作を示す模式図である。
【図8】本発明の第3の実施形態の液体噴射記録ヘッドを示す斜視図である。
【図9】第1から第3の各実施形態の液体噴射記録ヘッドにおける課題を説明するための斜視図である。
【図10】本発明の第4の実施形態の液体噴射記録ヘッドを示す斜視図である。
【図11】本発明の第5の実施形態の液体噴射記録ヘッドの構成およびワイピング動作を説明するための模式図である。
【図12】本発明の第6の実施形態の液体噴射記録ヘッドを示す斜視図である。
【図13】従来の液体噴射記録ヘッドを、一部を破断した状態で示す斜視図である。
【図14】エキシマレーザー光を照射してアブレーションさせることにより、オリフィスプレートに吐出口を形成する工程を示す図である。
【図15】従来のインクジェット記録装置を示す斜視図である。
【図16】液体噴射記録ヘッドの吐出口形成面をワイピングする動作を模式的に示す図である。
【符号の説明】
1 ヒータボード
1a 吐出ヒータ
1b 端面
4 ベースプレート
5 天板
6 オリフィスプレート
6a 吐出口
6b オリフィスプレートフェイス面
6c オリフィスプレート端部
6d,6e,6f,6g 吐出口列
7 ノズル
8 共通液室
9 インク供給路
11 チップタンク
11a インク通路
11b 前面プレート
12,12d,12e,12f,12g 突起部
12a 内壁面
12b 天面
12c 曲面部
12c’ 傾斜面
13 接着剤(封止材)
15 液体噴射記録ヘッド
18 清掃手段
18a ブラシ部
21 ワイピングブレード

Claims (6)

  1. 弾性を有するワイピングブレードと、
    液体噴射記録ヘッドを装着するキャリッジと、を有する液体噴射記録装置であって、
    前記液体噴射記録ヘッドは、
    ズルが開口した記録ヘッド本体の端面に接合され、前記ワイピングブレードによるワイピングの際に当該ワイピングブレードによって摺擦されるオリフィスプレートであって、前記ノズルの開口部に対向する位置に吐出口が形成されているオリフィスプレートと、
    前記オリフィスプレートのフェイス面に沿った方向である前記ワイピングブレードの摺擦移動方向に関して上流側にあって、前記端面に接合された前記オリフィスプレートの上面よりも突出した突出部と、を有し、
    前記突出部は、前記オリフィスプレートの前記上流側の端部と前記端面とが接合して形成される段差から前記上流側へ離間した位置にあって、前記ワイピングの際に当該突出部を乗り越えた前記ワイピングブレードが前記段差に接触することなく前記オリフィスプレートの前記上面へ至るように配設されていることを特徴とする液体噴射記録装置。
  2. 前記オリフィスプレートは、金属プレートであることを特徴とする請求項に記載の液体噴射記録装置。
  3. 前記オリフィスプレートは、樹脂成形品であることを特徴とする請求項に記載の液体噴射記録装置。
  4. 前記オリフィスプレートは、樹脂フィルムであることを特徴とする請求項に記載の液体噴射記録装置。
  5. 前記突出部は前記ワイピングブレードの移動方向に対して直交する方向の幅が前記ワイピングブレードの幅よりも広く形成されており、前記ワイピングブレードが全幅にわたって前記突出部に接触するように構成されていることを特徴とする請求項からのいずれか1項に記載の液体噴射記録装置。
  6. 弾性を有するワイピングブレードで液体噴射記録ヘッドをワイピングするヘッドクリーニング方法であって、
    前記液体噴射記録ヘッドは、ズルが開口した記録ヘッド本体の端面に接合されて前記ワイピングブレードによるワイピングの際に当該ワイピングブレードによって摺擦されるオリフィスプレートであって、前記ノズルの開口部に対向する位置に吐出口が形成されているオリフィスプレートに対して、前記オリフィスプレートのフェイス面に沿った方向である前記ワイピングブレードの摺擦移動方向に関して上流側にあって、前記端面に接合された前記オリフィスプレートの上面よりも突出した突出部が、前記オリフィスプレートの前記上流側の端部と前記端面とが接合して形成される段差から前記上流側へ離間した位置に設けられており、
    ワイピングの際に当該突出部を乗り越えた前記ワイピングブレードが前記段差に接触することなく前記オリフィスプレートの前記上面へ至るようにして前記液体噴射記録ヘッドをワイピングすることを特徴とするヘッドクリーニング方法。
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