JP5103712B2 - ナノホール構造体の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、磁気記録媒体等に好適なナノホール構造体及びその効率的で低コストな製造方法、該ナノホール構造体の製造に好適に使用することができ、該ナノホール構造体を効率的に製造可能なスタンパ及びその製造方法、コンピュータの外部記憶装置、民生用ビデオ記録装置等として広く使用されているハードディスク装置等に好適であり、トラッキングが容易で、しかも高密度記録及び高速記録が可能で大容量な磁気記録媒体及びその効率的で低コストな製造方法、並びに、該磁気記録媒体を用いた垂直記録方式の磁気記録装置及び磁気記録方法に関する。
近年、IT産業等における技術革新に伴い、磁気記録媒体の大容量化、高速化、低コスト化等の研究開発が盛んに行われてきている。該磁気記録媒体の大容量化、高速化、低コスト化等のためには、該磁気記録媒体における記録密度の向上が必須である。従来より、該磁気記録媒体における連続磁性膜の水平記録により、該磁気記録媒体の記録密度を向上させる試みがなされてきたが、技術的には限界を迎えつつある。その理由は、第一に、前記連続磁性膜を形成する磁性粒子の結晶粒が大きいと複雑磁区を生じてノイズが大きくなってしまう一方、これを避けるために前記結晶粒を小さくすると熱揺らぎにより、磁化が経時的に減少してエラーが生じてしまうからである。第二に、前記磁気記録媒体の記録密度を高めると相対的に記録減磁界が大きくなるため、該磁気記録媒体の保磁力を大きくする必要がある一方、記録ヘッドの書込み能力が不足してオーバーライト特性が確保できなくなるからである。
最近では、前記水平記録に代わる新しい記録方式に関する研究が盛んに行われてきている。その一つが、前記磁気記録媒体における磁性膜を、連続膜とせずにドット、バー、ピラー等のパターン状とし、そのサイズをナノメートルスケールにすることにより複雑磁区ではなく単磁区構造としたパターンドメディアを用いる記録方式である(例えば、非特許文献1参照)。他の一つが、前記水平記録に比し、記録減磁界が小さいため高密度化が可能で、記録層を極端に薄くする必要がないため記録磁化の熱揺らぎに対する耐性向上が可能である垂直記録による記録方式である(例えば、特許文献1参照)。該垂直記録による記録方式については、軟磁性膜と垂直磁化膜とを併用する提案などがなされているが(例えば、特許文献2参照)、単磁極ヘッドによる書込み性が十分でない等の点で、軟磁性下地層を形成する提案(例えば、特許文献3参照)などが更になされている。前記垂直記録による記録方式にて磁気記録媒体に対し、磁気記録を行う一例としては、図1に示すように、垂直磁気記録方式の書込兼読取用ヘッド(単磁極ヘッド)100の主磁極102を、磁気記録媒体の記録層30に対向させる。該磁気記録媒体は、基板上に、軟磁性層10と中間層(非磁性層)20と記録層(垂直磁化膜)30とをこの順に有している。書込兼読取用ヘッド(単磁極ヘッド)100の主磁極102から記録層(垂直磁化膜)30側へと高い磁束密度で入力された記録磁界は、記録層(垂直磁化膜)30から軟磁性層10へと、軟磁性層10から書込兼読取用ヘッド(ライト&リードヘッド)100の後半部104へと流れ、磁気回路が形成される。後半部104における記録層(垂直磁化膜)30との対向する部分は、大面積に形成されているので、記録層(垂直磁化膜)30に与える磁化の影響はない。該磁気記録媒体における軟磁性層10は、書込兼読取用ヘッド(単磁極ヘッド)100の機能までも担っている。
しかし、この場合、軟磁性層10が、書込兼読取用ヘッド(単磁極ヘッド)100から入力された記録磁界以外に、外部から漏洩してくる浮遊磁界までも記録層(垂直磁化膜)30に対し集中させ磁化させてしまい、記録ノイズが大きくなってしまうという問題がある。一方、上述の磁性膜をパターン状にする場合には、該パターニングが容易でなく高コスト等の問題がある。他方、上述の軟磁性下地層を形成する場合には、磁気記録の際に前記単磁極ヘッドと該軟磁性層下地層との間の距離を短くしなければならず、該距離が大きいと、図2Aに示すように書込兼読取用ヘッド(単磁極ヘッド)100から軟磁性下地層40に向かう磁束が距離と共に発散してしまい、軟磁性層10上に設けられた記録層(垂直磁化膜)30の下部では広がった磁界での記録しかできず、大きなビットしか書けないという問題がある。この場合、書込兼読取用ヘッド(単磁極ヘッド)100による書込み電流も増やさなくてはならず、また、大きなビットを書いた後で小さなビットを書くと、大きなビットの消し残りが大きくなり、オーバーライト特性が悪化してしまうという問題がある。
そこで、前記パターンドメディアを用いる記録方式と、前記垂直記録による記録方式とを併せた新しい磁気記録媒体として、陽極酸化アルミナポアのポア中に磁性金属を充填してなる磁気記録媒体も提案されている(例えば、特許文献4参照)。該磁気記録媒体は、図3に示すように、基板110上に、下地電極層120と陽極酸化アルミナポア130(アルミナ層)とをこの順に有してなり、陽極酸化アルミナポア130(アルミナ層)には多数のアルミナポアが秩序配列して形成されており、該アルミナポア中に強磁性金属が充填されて強磁性層140が形成されている。
なお、前記陽極酸化アルミナポア中に磁性材料を充填してなる磁気記録媒体は、該陽極酸化アルミナポアが露出面に対して垂直方向に細長く(高アスペクト比で)成長しているため、垂直方向に磁化し易く、この充填された磁性材料の形状異方性により、熱揺らぎに強いという利点がある。また、通常、前記陽極酸化アルミナポアがハニカム型の六方最密格子状に自己組織化的に発生するため、リソグラフィ的手法で1ドットずつドット形成する方法に較べて低コストで製造することができるという利点がある。また、アルミナポアの起点となるパターンを予め形成しておくことにより、任意の理想配列パターンを有する磁性体配列を形成することができるという利点もある。
アルミナポアの起点となる前記パターンの形成方法としては、例えば、フォトリソグラフィーによるパターン形成方法や、パターンを表面形状として有するスタンパをプレスすることによりパターンを形成する方法などが挙げられるが、いずれにしても、安価かつ効率的にパターンを形成可能であることが望まれている。ここで、スタンパの表面形状の作製方法としては、微粒子配列法の適用が期待されている。該微粒子配列法は、希望するピッチとサイズの合ったナノ微粒子を平坦な基板上に並べることにより、自己組織化を利用して六方最密パターンを得る方法である。前記微粒子配列法としては、例えば、引き上げ法、遠心法などが挙げられるが、遠心法は、微粒子の分散液中に基板を浸漬し、これらを同時に遠心分離することにより微粒子を基板に遠心力で圧着し、微粒子の単層最密充填配列を得る方法であり(特許文献5参照)、簡便でプロセス時間が短いという利点を有する。しかし、この場合、成膜異方性がないため、得られた膜がドメイン構造を取り易く、単結晶膜が得られないという問題があった。
ところで、磁気記録装置では、情報の記録再生に磁気ヘッドが用いられるが、該磁気ヘッドがトラックの中心を正しくトレースするように、該磁気ヘッドの位置を調整(トラッキング)するのは困難であり、前記陽極酸化アルミナポアを用いたパタードメディアに限らず、他のパターンドメディアにおいても、最適なトラッキング方法は確立されていないのが現状であり、トラッキングを容易に行うことができる磁性体配列を簡易かつ効率的に得ることが望まれている。
S.Y.Chou Proc.IEEE 85(4),652(1997) 特開平6−180834号公報 特開昭52−134706号公報 特開2001−283419号公報 特開2002−175621号公報 特開2003−226984号公報
本発明は、従来における前記問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、磁気記録媒体をはじめ、DNAチップ、触媒基板等の各種分野に好適なナノホール構造体及びその効率的で低コストな製造方法、該ナノホール構造体の製造に好適に使用することができ、該ナノホール構造体を効率的に製造可能なスタンパ及びその製造方法、コンピュータの外部記憶装置、民生用ビデオ記録装置等として広く使用されているハードディスク装置等に好適であり、トラッキングが容易で、しかも磁気ヘッドの書込み電流を増やすことなく高密度記録及び高速記録が可能で大容量であり、極めて高品質な磁気記録媒体及びその効率的で低コストな製造方法、並びに、該磁気記録媒体を用いた垂直記録方式により、高密度記録可能な磁気記録装置及び磁気記録方法を提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
本発明のナノホール構造体は、金属基材に、ナノホールの規則配列の複数が交互に隣接してなり、隣接する前記規則配列が互いに異なることを特徴とする。
該ナノホール構造体は、前記ナノホールに磁性材料を充填しておけばハードディスク装置等の磁気記録媒体とすることができ、また、前記ナノホールにDNA等を配しておけばDNAチップ等とすることができ、前記ナノホールに抗体等を配しておけば蛋白質検出装置、診断装置等をすることができ、前記ナノホールに例えばカーボンナノチューブ形成用等の触媒金属を充填しておけば、カーボンナノチューブ等の形成基板、電界放出装置等とすることができる。本発明の前記ナノホール構造体は、前記ナノホールの規則配列の複数が交互に隣接してなり、隣接する前記規則配列が互いに異なるので、特に前記磁気記録媒体に応用すると、交互に隣接する前記規則配列の相違により、磁気ヘッドのトラッキングが容易に行われる。
本発明のナノホール構造体の製造方法は、本発明の前記ナノホール構造体の製造方法であって、基材上に凹凸ラインを形成し、該凹凸ライン上に微粒子をパターン状に単層配列させた後、該微粒子の配列パターンをスタンパ形成材料に転写してスタンパを作製し、該スタンパを用いて金属基材上にナノホール形成用起点を形成した後、該金属基材にナノホール形成処理を行うことを特徴とする。
該ナノホール構造体の製造方法においては、前記基材上に凹凸ラインが形成され、該凹凸ライン上に微粒子がパターン状に単層配列された後、該微粒子の配列パターンが前記スタンパ形成材料に転写されると、該微粒子の配列パターンと略同一のパターン状に配列した円形状の凸部を有する前記スタンパが作製される。次に、前記スタンパを用いて前記金属基材上に前記ナノホール形成用起点(前記スタンパの表面形状が転写された凹部であり、ナノホールを形成するための起点として機能するもの)が形成され、更に前記ナノホール形成処理が行われると、ナノホールの規則配列の複数が交互に隣接してなり、隣接する前記規則配列が互いに異なる本発明の前記ナノホール構造体が容易にかつ効率よく製造される。
本発明の磁気記録媒体は、基板上に、該基板面に対し略直交する方向にナノホールが複数形成された多孔質層を有し、該ナノホールの内部に磁性材料を有してなり、前記多孔質層が本発明の前記ナノホール構造体であることを特徴とする。
該磁気記録媒体においては、前記磁性材料が充填されたナノホールの規則配列の複数が交互に隣接してなり、隣接する前記規則配列が互いに異なるので、トラッキングが容易で、磁気ヘッドがトラックの中心を正しくトレースするように、該磁気ヘッドの位置を調整することができ、極めて高品質である。そして、該磁気記録媒体は、コンピュータの外部記憶装置、民生用ビデオ記録装置等として広く使用されているハードディスク装置等に好適である。
なお、前記磁気記録媒体が、ナノホールの内部に、軟磁性層と強磁性層とを前記基板側からこの順に有し、該強磁性層の厚みが該軟磁性層の厚み以下である場合には、前記強磁性層が、前記多孔質層におけるナノホールの内部に形成した前記軟磁性層上に積層されており、該多孔質層よりも厚みが薄くなっている。このため、該磁気記録媒体に対し単磁極ヘッドを用いて磁気記録を行った場合には、前記単磁極ヘッドと前記軟磁性層との間の距離が、前記多孔質層の厚みよりも短く、前記強磁性層の厚みと略等しくなるため、前記多孔質層の厚みに拘らず前記強磁性層の厚みだけで、前記単磁極ヘッドからの磁束の集中、使用される記録密度での最適な磁気記録再生特性などが制御可能となり、また、図2B及び図4に示すように、前記単磁極ヘッド(書込兼読取用ヘッド100)からの磁束が前記強磁性層(垂直磁化膜)30に集中する結果、該磁気記録媒体においては、従来の磁気記録媒体に比し、書込み効率が大幅に向上し、書込み電流が小さくて済み、オーバーライト特性が著しく向上する。
本発明の磁気記録媒体の製造方法は、基板上に、金属層を形成した後、該金属層に対しナノホール形成処理を行うことにより、該基板面に対し略直交する方向にナノホールを複数形成してナノホール構造体を形成するナノホール構造体形成工程、及び該ナノホールの内部に磁性材料を充填する磁性材料充填工程を含むことを特徴とする。該磁性材料充填工程が、前記ナノホールの内部に軟磁性層を形成する軟磁性層形成工程、及び、該軟磁性層上に強磁性層を形成する強磁性層形成工程を含むのが好ましい。
該磁気記録媒体の製造方法では、前記ナノホール構造体形成工程において、基板上に、金属層が形成された後、該金属層に対しナノホール形成処理が行われ、該基板面に対し略直交する方向にナノホールが複数形成されてナノホール構造体が形成される。前記磁性材料充填工程において、前記ナノホールの内部に磁性材料が充填される。その結果、本発明の前記磁気記録媒体が、効率的かつ低コストに製造される。なお、前記磁性材料充填工程が、前記軟磁性層形成工程及び前記強磁性層形成工程を含む場合には、前記軟磁性層形成工程において、前記ナノホールの内部に軟磁性層が形成される。前記強磁性層形成工程において、前記軟磁性層上に強磁性層が形成される。
本発明の磁気記録装置は、本発明の前記磁気記録媒体と、垂直磁気記録用ヘッドとを有することを特徴とする。該磁気記録媒体においては、前記磁気記録媒体に対し、前記垂直磁気記録用ヘッドが記録を行うので、該磁気記録媒体は、磁気ヘッドのトラッキングが容易で、磁気ヘッドの書込み電流を増やすことなく高密度記録及び高速記録が可能で大容量であり、オーバーライト特性に優れ、極めて高品質である。
本発明の磁気記録方法は、本発明の前記磁気記録媒体に対し、垂直磁気記録用ヘッドを用いて記録を行うことを含むことを特徴とする。該磁気記録方法においては、前記磁気記録媒体に対し、前記垂直磁気記録用ヘッドが記録を行うので、該磁気記録媒体は、磁気ヘッドのトラッキングが容易で、磁気ヘッドの書込み電流を増やすことなく高密度記録及び高速記録が可能で大容量であり、オーバーライト特性に優れる。また、前記磁気記録媒体が特に、ナノホールの内部に、軟磁性層と強磁性層とを前記基板側からこの順に有し、該強磁性層の厚みが該軟磁性層の厚み以下である場合、該磁気記録媒体に対し、単磁極ヘッド等の前記垂直磁気記録用ヘッドを用いて磁気記録を行うと、該垂直磁気記録用ヘッドと前記軟磁性層との間の距離が、前記多孔質層の厚みよりも短く、前記強磁性層の厚みと略等しくなるため、前記多孔質層の厚みに拘らず前記強磁性層の厚みだけで、前記垂直磁気記録用ヘッドからの磁束の集中、使用される記録密度での最適な磁気記録再生特性などが制御可能となる。この場合、図2B及び図4に示すように、前記単磁極ヘッド(書込兼読取用ヘッド100)からの磁束が前記強磁性層(垂直磁化膜)30に集中する結果、従来の磁気記録装置に比し、書込み効率が大幅に向上し、書込み電流が小さくて済み、オーバーライト特性が著しく向上する。
本発明によると、従来における問題を解決することができ、磁気記録媒体をはじめ、DNAチップ、触媒基板等の各種分野に好適なナノホール構造体及びその効率的で低コストな製造方法、該ナノホール構造体の製造に好適に使用することができ、該ナノホール構造体を効率的に製造可能なスタンパ及びその製造方法、コンピュータの外部記憶装置、民生用ビデオ記録装置等として広く使用されているハードディスク装置等に好適であり、トラッキングが容易で、磁気ヘッドの書込み電流を増やすことなく高密度記録及び高速記録が可能で大容量であり、極めて高品質な磁気記録媒体及びその効率的で低コストな製造方法、並びに、該磁気記録媒体を用いた垂直記録方式により、高密度記録可能な磁気記録装置及び磁気記録方法を提供することができる。
(ナノホール構造体)
本発明のナノホール構造体としては、金属基材に、ナノホールの規則配列の複数が交互に隣接してなり、隣接する前記規則配列が互いに異なること以外には特に制限はなく、その材料、形状、構造、大きさ等について目的に応じて適宜選択することができる。
前記金属基材の材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、金属単体、その酸化物、窒化物等、合金などのいずれであってもよく、その中でも、例えば、アルミナ(酸化アルミニウム)、アルミニウム、ガラス、シリコンなどが特に好ましい。
前記形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、板状、円板状(ディスク状)、などが好適に挙げられる。これらの中でも、前記ナノホール構造体をハードディスク等の磁気記録媒体に適用する場合には、円板状(ディスク状)であるのが好ましい。
なお、前記形状が前記板状、円板状等である場合には、前記ナノホール(細孔)は、これらの一の露出面(板面)に対し、略直交する方向に形成される。
前記ナノホールとしては、前記ナノホール構造体を貫通して孔として形成されていてもよいし、前記ナノホール構造体を貫通せず穴(窪み)として形成されていてもよいが、例えば、前記ナノホール構造体を前記磁気記録媒体として使用する場合には、前記ナノホールが前記ナノホール構造体を貫通する貫通孔として形成されているのが好ましい。
前記構造としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、単層構造であってもよいし、積層構造であってもよい。
前記大きさとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、前記ナノホール構造体をハードディスク等の磁気記録媒体に適用する場合には、既存のハードディスク等の大きさに対応した大きさが好ましく、前記ナノホール構造体をDNAチップ等に適用する場合には、既存のDNAチップ等の大きさに対応した大きさが好ましく、前記ナノホール構造体を電解放出装置用のカーボンナノチューブ等の触媒基板に適用する場合には、電解放出装置に対応した大きさが好ましい。
前記ナノホールの規則配列としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、一方向に平行に配列していてもよいし、同心円状及び螺旋状の少なくともいずれかに配列していてもよい。前記ナノホール構造体をDNAチップ等に適用する場合には前者の配列が好ましく、前記ナノホール構造体をハードディスク、ビデオディスク等の前記磁気記録媒体に適用する場合には後者の配列が好ましく、特に、ハードディスク用途の場合にはアクセスの容易性の観点から同心円状が好ましく、ビデオディスク用途の場合には連続再生の容易性の観点から螺旋状が好ましい。
前記ナノホールの規則配列は、該ナノホールの規則配列の複数における、一の規則配列と他の規則配列とが交互に配列してなるのが好ましい。この場合、一の前記規則配列をデータ領域とし、該規則配列に隣接する他の規則配列をガードバンド領域として、前記ナノホール構造体をハードディスク等の前記磁気記録媒体に応用すると、前記データ領域に適当する規則配列と前記ガードバンド領域に適当する規則配列とが互いに異なるため、該規則配列の相違を利用してトラッキングを容易に行うことができる。
前記ナノホールの規則配列の幅としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、前記ナノホール構造体がハードディスク等の前記磁気記録媒体に適当する場合、トラッキングを容易に行うことができる点で、一の規則配列をデータ領域とし、該規則配列に隣接する他の規則配列をガードバンド領域としたとき、前記データ領域と前記ガードバンド領域との幅の比が、2:1となるのが好ましい。具体的には、前記データ領域に適当する前記規則配列の幅としては、例えば、15〜200nmが好ましく、前記ガードバンド領域に適当する前記規則配列の幅としては、例えば、7〜100nmが好ましい。
前記ナノホールの規則配列における前記ナノホールの配列パターンとしては、隣接する前記規則配列が互いに異なる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、隣接する前記規則配列における少なくとも一方が、前記ナノホールが六方最密格子状に最密化して形成されたパターンであるのが好ましい。六方最密格子はアルミナナノホールにおいて最も安定なパターンであるため、意識的に導入したパターン変化以外のパターンの揺らぎを最低限に押さえることができる。
また、前記ナノホール構造体をハードディスク等の前記磁気記録媒体に応用すると、隣接する前記規則配列において互いに異なる前記ナノホールの配列パターンに起因して、周波数の強度変化、信号の位相変化などが生じ、これらを検出することにより、容易にトラッキングを行うことができる。
前記ナノホールにおける開口径としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、前記ナノホール構造体をハードディスク等の磁気記録媒体に適用する場合、その強磁性層を単磁区とすることができる大きさが好ましく、具体的には、前記ナノホールのピッチの2/3以下が好ましく、1/3〜2/5がより好ましい。例えば前記ナノホールのピッチが30nmの場合には、20nm以下が好ましく、10〜12nmがより好ましい。
前記ナノホールにおける開口径が、ナノホールのピッチの2/3、例えばピッチが30nmのときに20nmを超えると、前記ナノホール構造体を適用した磁気記録媒体が単磁区構造にならないことがある。
前記ナノホールにおける深さと開口径とのアスペクト比(深さ/開口径)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、高アスペクト比であると、形状異方性が大きくなり、磁気記録媒体の保持力を向上させることができる点で好ましく、例えば、前記ナノホール構造体をハードディスク等の磁気記録媒体に適用する場合、2以上であるのが好ましく、3〜15であるのがより好ましい。
前記アスペクト比が、2未満であると、磁気記録媒体の保持力を十分に向上させることができないことがある。
前記ナノホール構造体の厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、前記ナノホール構造体をハードディスク等の磁気記録媒体に適用する場合、500nm以下が好ましく、300nm以下がより好ましく、20〜200nmが特に好ましい。
前記ナノホール構造体の厚みが、500nmを超えると、前記ナノホール構造体をハードディスク等の磁気記録媒体に適用する場合、該磁気記録媒体に前記軟磁性下地層を設けたとしても高密度記録を行うことができないことがあり、該ナノホール構造体の研磨が必要になり、この場合、時間を要し高コストであり、品質劣化の原因となることがある。
前記ナノホール構造体の形成は、特に制限はなく公知の方法に従って行うことができ、例えば、スパッタ法、蒸着法等により金属材料の層を形成した後で、陽極酸化処理により前記ナノホールを形成することにより行うことができるが、後述する本発明のナノホール構造体の製造方法により製造するのが好ましい。
なお、陽極酸化処理の前に、前記金属基材上に前記ナノホールの規則配列を複数形成するためのパターンを予め形成しておくのが好ましい。この場合、陽極酸化処理を行うと、前記パターン上にのみ、効率的に前記ナノホールを形成することができる点で有利である。
前記パターンの形成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、(1)パターン状(例えば六方最密格子状)に配列してなる円形状の凸部の複数の規則配列(ナノホール構造体を磁気ディスク等に適用する場合には、該凸部の規則配列が同心円状又は螺旋状に配列)が交互に隣接してなり、隣接する前記凸部の規則配列が互いに異なるパターンを表面形状として有するスタンパを、前記金属層(例えば、アルミナ、アルミニウムなど)の表面にインプリント転写し、六方最密格子状に円が複数規則配列し、互いに隣接する前記円の規則配列が異なるパターンを形成する方法、(2)前記金属層上に樹脂層やフォトレジスト層を形成した後、通常のフォト工程やスタンパを用いたインプリント法により、これらをパターニングし、エッチング処理等することにより、前記金属層の表面に、パターン状(例えば六方最密格子状)に配列してなる凹部の複数の規則配列が交互に隣接してなり、隣接する前記凹部の規則配列が互いに異なるパターンを形成する方法、などが好適に挙げられる。
前記スタンパとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、半導体分野で微細構造作製用材料として最も広範囲に使用されているという観点からは、シリコンやシリコン酸化膜、これらの組み合わせ等が挙げられ、連続使用耐久性の観点からは、炭化珪素基板などが挙げられ、また、光ディスクの成型等に使用されているNiスタンパなども挙げられる。該スタンパは、複数回使用することができる。前記インプリント転写の方法としては、特に制限はなく、公知の方法の中から目的に応じて適宜選択することができる。また、前記フォトレジスト層のレジスト材料には、光レジスト材料のほか、電子線レジスト材料なども含まれる。前記光レジスト材料としては、特に制限はなく、半導体分野等において公知の材料の中から適宜選択することができ、例えば、近紫外光、近視野光などを利用可能な材料などが挙げられる。
また、前記ナノホールのピッチは、陽極酸化処理における電圧によって適宜決定され、ほぼ陽極酸化電圧(V)の2.5倍(nm)となる。したがって、前記陽極酸化処理における電圧としては、特に制限はないが、例えば、3〜40Vが好ましく、3〜10Vがより好ましい。
前記電圧が、3〜40Vであると、前記記録媒体の高密度化を実現することができ、3〜10Vであると、前記ナノホールのピッチを、7〜25nmとすることができ、前記磁気記録媒体の更なる高密度化を図ることができる点で、特に有利である。
なお、前記陽極酸化処理における電解液の種類、濃度、温度、時間等としては、特に制限はなく、形成するナノホールの数、大きさ、アスペクト比等に応じて適宜選択することができる。例えば、前記電解液の種類としては、希釈リン酸溶液、希釈蓚酸溶液、希釈硫酸溶液などが好適に挙げられる。いずれの場合も、前記ナノホールのアスペクト比の調整は、陽極酸化処理後にリン酸溶液に浸漬させて前記ナノホール(アルミナポア)の直径を増加させることにより行うことができる。
本発明のナノホール構造体は、磁気記録媒体をはじめ、DNAチップ、触媒基板等の各種分野に好適な、コンピュータの外部記憶装置、民生用ビデオ記録装置等として広く使用されているハードディスク装置等に好適に使用することができる。
(スタンパ及びその製造方法)
本発明のスタンパは、本発明のスタンパの製造方法により得られる。
本発明のスタンパの製造方法は、パターン形成工程とパターン転写工程とを含み、更に必要に応じて適宜選択したその他の工程を含む。
以下、本発明のスタンパの製造方法の説明を通じて、本発明のスタンパの詳細も明らかにする。
−パターン形成工程−
前記パターン形成工程は、基材上に、凹凸ラインを形成し、該凹凸ライン上に微粒子をパターン状に単層配列させる工程である。
前記基材としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、プラスチック等の各種ポリマー、金属、金属酸化物、金属水酸化物、ガラス、セラミックス、などが好適に挙げられる。これらの中でも、具体的には、ガラス、ITO、金などが好ましい。また、該ITOや該金を表面に有する各種ポリマー、金属、金属酸化物、金属水酸化物、ガラス、セラミックスなども好適に使用することができる。
前記基材の形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、通常、板状であるが、シート状、フィルム状、などであってもよい。
前記凹凸ラインの長さ方向と直交方向の断面形状(凹部の断面形状)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、四角形状、V形状、半円形状などが挙げられる。これらの中でも、前記微粒子を容易に配列させることができる点で、四角形状が好ましい。前記凹凸ラインを形成することにより、前記微粒子の単層配列をさせた場合、得られる膜がドメイン構造を取ることを抑制することができる。
前記凹凸ラインにおける、凹部及び凸部の幅としては、互いに異なる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記微粒子の半径をrとしたとき、前記凹部及び前記凸部のいずれか一方の幅としては、(2n+1)r(ただし、nは1以上の整数である)で表されるのが好ましく、このとき、他方の幅としては、nr(ただし、nは1以上の整数である)で表されるのが好ましい。また、前記凹部及び前記凸部の幅は、ともに(2n+1)r(ただし、nは1以上の整数であり、前記凹部と前記凸とは互いに異なる)で表されてもよい。この場合、前記微粒子を、前記凹部及び前記凸部それぞれの上に、異なる規則配列で集積化させることができる。
前記凹凸ラインにおける、前記凸部の高さとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、2r未満であるのが好ましい。この場合、前記凹凸ライン上に前記微粒子を六方最密格子状に最密化して配列させることができる。
前記凹凸ラインの幅と前記微粒子の配列状態との関係の一例を図5A〜Cに示す。なお、図5Aに示す平面図におけるXX断面の態様は2通りあり、図5B及び図5Cで表される。
まず、前記微粒子200の半径をrとしたとき、図5Bに示すように、前記凹部210の幅が、(2n+1)r(ただし、図5Bでは、n=2)であり、前記凸部220の幅が、2nr(ただし、図5Bでは、n=1)であり、かつ前記凸部220の高さが2r未満である場合、又は、図5Cに示すように、前記凹部210の幅が、2nr(ただし、図5Cでは、n=1)であり、前記凸220部の幅が、(2n+1)r(ただし、図5Cでは、n=2)であり、かつ前記凸部220の高さが2r未満である場合、これらは凹凸ライン上に単層配列しており、図5Aに示すように、前記微粒子の規則配列の複数が交互に隣接してなり、隣接する規則配列が互いに異なっている。すなわち、規則配列Aは六方最密格子状に、規則配列Bは直線状に、それぞれ微粒子200が配列している。
また、前記凹凸ラインの幅と前記微粒子の配列状態との関係の他の例を図6A〜Cに示す。なお、図6Aに示す平面図におけるXX断面の態様は2通りあり、図6B及び図6Cで表される。
前記微粒子200の半径をrとしたとき、図6Bに示すように、前記凹部210の幅が、(2n+1)r(ただし、図6Bでは、n=2)であり、前記凸部220の幅も(2n+1)r(ただし、図6Bでは、n=1)であり、かつ前記凸部220の高さが2r未満である場合、又は、図6Cに示すように、前記凹部210の幅が、(2n+1)r(ただし、図6Cでは、n=1)であり、前記凸部220の幅も(2n+1)r(ただし、図6Cでは、n=2)であり、かつ前記凸部220の高さが2r未満である場合、これらは凹凸ライン上に単層配列しており、図6Aに示すように、前記微粒子200の規則配列の複数が交互に隣接してなり、隣接する規則配列が互いに異なっている。すなわち、規則配列Aは六方最密格子状に、規則配列Bはジグザグ状に、それぞれ微粒子200が配列している。
前記凹凸ラインの形成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記基材がアルミナ、アルミニウム等の金属である場合には、(1)一定間隔で凸状ラインとスペースとが配列してなる凸状ライン(ナノホール構造体を磁気ディスク等に適用する場合には同心円状又は螺旋状の凸状ライン)を表面形状として有するモールドを、前記基材の表面にインプリント転写し、一定間隔で凹状ラインとスペースとが配列してなる凹凸ラインを形成する方法、(2)前記基材上に樹脂層やフォトレジスト層を形成した後、通常のフォト工程やモールドを用いたインプリント法により、これらをパターニングし、エッチング処理等することにより、前記基材の表面に凹凸ラインを形成する方法、(3)前記基材上に直接、溝(凹状ライン)を形成する方法、などが挙げられる。
また、前記基材が、プラスチック等の各種ポリマーである場合には、(1)一定間隔で凸状ラインとスペースとが配列してなる凸状ライン(ナノホール構造体を磁気ディスク等に適用する場合には同心円状又は螺旋状の凸状ライン)を表面形状として有するモールドを、前記基材の表面に熱インプリント転写し、一定間隔で凹状ラインとスペースとが配列してなる凹凸ラインを形成する方法、(2)該(1)に記載のモールドと同様のモールドを用いて射出形成により凹凸ラインを形成する方法、(3)前記(1)及び(2)に記載のモールドと同様のモールド、及び光硬化樹脂を用いてパターンを転写する方法などが挙げられる。
前記微粒子としては、その材料、形状、大きさなどについては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記微粒子の材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、有機ポリマー、金属、金属酸化物、及び金属水酸化物から選択される少なくとも1種を含むのが好ましい。具体的には、シリカ、ITO、及び金から選択される少なくとも1種を含むのが好ましい。
なお、各種有機ポリマー微粒子、金属酸化物微粒子、金属水酸化物微粒子などの表面に前記ITOや前記金を被覆して使用してもよい。
前記微粒子の形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記ナノホール形成用起点を形成しうる点、及び最密化した状態の単粒子層を形成し易い点で、球状が好ましい。
前記微粒子の大きさとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、ナノホール形成用起点を形成しうる点で、平均粒子径が所望のナノホールのピッチと略同一であるのが好ましく、例えば、7〜100nmが好ましく、7〜25nmがより好ましい。
前記平均粒子径が、7nm未満であると、最終的に陽極酸化によって所望のピッチのナノホールを得ることが困難になることがあり、100nmを超えると、磁気ディスクとして利用する上で容量不足となることがある。
前記微粒子の粒度分布としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、変動係数が小さいほど好ましく、例えば、変動係数が10%以下が好ましく、5%以下が好ましく、0%が特に好ましい。
前記変動係数が10%を超えると、粒子の面内での結晶性が低下し、最終的に前記ナノホール構造体がハードディスク等の前記磁気記録媒体に適当する場合、各孤立磁性体からの磁気信号パルスの周期性が低下し、S/N比の悪化につながることがある。
前記変動係数は、平均値に対する測定値のばらつきの程度を示し、下記式に基づいて算出することができる。
変動係数(%)=標準偏差σ/平均<X>×100・・・式
前記微粒子の配列パターンとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、六方最密格子状が好ましい。該六方最密格子状の配列パターンは、前記微粒子を単層配列させる際に、該微粒子が自己組織化して形成されるので、容易に得ることができる。
前記微粒子を単層配列させる方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、引き上げ法、遠心法などが挙げられる。これらの中でも、簡便でプロセス時間が短い点で、遠心法が好ましい。
前記引き上げ法は、前記微粒子を溶媒に溶解させて得られた溶液中に、前記基材を垂直に浸した後、該基材を機械的に引き上げることにより、微粒子の膜を形成する方法である。
前記基材の引き上げ速度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、平均粒子径60nmの微粒子の濃度が1質量%の溶液を用いた場合、0.1〜0.2mm/min程度であるのが好ましい。この場合、微粒子を単層配列させることができ、しかも、より完全な結晶を得ることができる。
前記遠心法は、前記微粒子の分散液中に前記基材入れ、遠心分離を行うことにより、前記基材上に前記微粒子を圧着させて前記微粒子の単層最密格子状配列を得る方法であり、具体的には、例えば、遠心管内に前記微粒子の懸濁液を入れ、遠心管の底部に前記基材を配置させ、遠心機を作動させて回転させることにより、前記基材表面に最密状態の前記微粒子の単粒子層を形成させることができる。
なお、前記遠心法は、成膜に異方性がないため、得られる微粒子の膜がドメイン構造になり易く、単結晶膜が得られ難いという問題あるが、本発明のスタンパの製造方法では、前記金属基材に予め前記凹凸ラインを形成し、該凹凸に沿って前記微粒子を配列させるので、単結晶膜を効率的に得ることができる。
前記遠心法を、前記遠心機を用いて行う場合、該遠心機の回転数としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、15,000rpm(13,000G)以上が好ましい。
前記回転数が、15,000rpm未満であると、前記微粒子の単粒子層の配列状態が最密化されにくくなることがある。
前記遠心機の回転時間としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、5〜120分が好ましく、5〜60分がより好ましい。
前記回転時間が5分未満であると、前記単粒子層の配列状態が最密化されにくいことがあり、120分を超えると、その時点で既に前記分散液中に存在する前記微粒子の大半が沈降してしまうことがあり、スループット上、余計な時間を費やすこととなる。
以上の工程により、前記基材に前記凹凸ラインが形成され、該凹凸ライン上に前記微粒子がパターン状に単層配列される。
なお、前記遠心法により前記微粒子を配列させた後に、メタノール等のアルコール中に前記基材を浸漬することにより、余分に吸着した微粒子を除去するのが好ましく、該除去後は、室温下にて自然乾燥するのが好ましい。
−パターン転写工程−
前記パターン転写工程は、前記パターン形成工程により得られた微粒子の配列パターンをスタンパ形成材料に転写する工程である。
前記微粒子の配列パターンは、前記パターン形成工程により得られ、凸部(前記微粒子の半球面))が六方最密格子状に最密化してなる凸部の規則配列の複数が交互に隣接してなり、隣接する前記凸部の規則配列が互いに異なる。前記微粒子の配列パターンは、六方最密格子状に配列した凸部を有するため、ナノホール形成用起点(ナノホールを形成するための起点として機能するもの)として好適に用いることができる。
前記スタンパ形成材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、光硬化ポリマー、Ni、SiC、Si、SiOなどが挙げられる。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよいが、連続使用耐久性が高いこと、及び厚メッキを利用して一枚の原盤から容易に複数枚の複製が作製可能な点で、Niが好ましい。
前記光硬化ポリマーとしては、光が照射されて硬化するものである限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アクリル系光硬化樹脂、エポキシ系光硬化樹脂、等が挙げられる。これらの中でも、転写性能、流動性等に優れる点で、アクリル系光硬化樹脂が好ましい。
前記スタンパ形成材料の選択は、前記金属基材へのナノホール形成用起点の形成方法に応じて行うのが好ましい。該ナノホール形成用起点の形成方法としては、例えば、本発明のスタンパを用いて、ダイレクトプリント、熱インプリント、光インプリント等により行う方法が挙げられる。以下、これらの方法の一例について、図面を参照しながら説明する。
前記ダイレクトプリントによるナノホール形成用起点の形成方法は、図7Aに示すように、前記金属基材(例えば、アルミニウム)300に対し、本発明のスタンパ310を、1〜5Ton/cm程度の高圧で直接プレスすることにより凹部を形成する方法である。この場合、前記スタンパ形成材料としては、高硬度のものが好ましく、例えば、金属、SiC等を使用するのが好ましい。これらの中でも、複製が容易な点で、金属が特に好ましい。
前記熱インプリントによるナノホール形成用起点の形成方法は、図7Bに示すように、前記金属基材300上に、レジスト、PMMA等の熱可塑性ポリマー層320を設け、該熱可塑性ポリマー層320に対し、本発明のスタンパ310を、前記ポリマーの軟化点(100〜200℃程度)以上、かつ中圧(50kg〜1Ton/cm)でプレスすることにより凹部を形成する方法である。この場合、前記スタンパ形成材料としては、高硬度乃至中硬度で熱耐性を有するものが好ましく、例えば、金属、Si、SiC、SiO等を使用するのが好ましい。これらの中でも、複製が容易な点で、金属が特に好ましい。
前記光インプリントによるナノホール形成用起点の形成方法は、図7Cに示すように、前記金属基材300上に、フォトポリマー層330を設け、該フォトポリマー層330に対し、本発明のスタンパ310をマスクとして、該スタンパ310を介して紫外線を照射し、パターニングすることにより凹部を形成する方法である。この場合、前記スタンパ形成材料としては、紫外線を透過可能なであることが必要であるため、透明であるものが好ましく、例えば、SiO、ポリマー等を使用するのが好ましい。これらの中でも、複製が容易な点で、ポリマーが特に好ましい。
なお、前記熱インプリント及び前記光インプリントによる方法においては、図7Dに示すように、スタンパ310を剥離した後、図7Eに示すように、Oプラズマアッシング等により残渣処理などを行った後、図7Fに示すように、塩素系ドライ処理又は塩酸系ウェット処理を用いたエッチングを行うことにより、前記金属基材300上に凹部が形成される。
前記微粒子の配列パターンの転写方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、前記スタンパ形成材料が前記Niである場合、以下のようにして転写することができる。即ち、例えば、前記基材上に配列した微粒子上に光硬化ポリマーを塗布して光硬化ポリマー層を形成した後、この上に透明ガラス板を載せ、該透明ガラス板を介して前記光硬化ポリマー層に対して紫外線を照射して露光した後、前記基材を剥離することにより行うことができる。この場合、前記微粒子の配列パターンにおける凸部(前記微粒子の半球面)が、硬化された前記光硬化ポリマー層に転写され、該凸部と係合可能な六方最密格子状に配列した凹部が形成される。なお、ここで得られた光硬化ポリマー層は、本発明のフォトポリマースタンパとして使用することができる。
次いで、前記微粒子の配列パターンが転写され、凹部を有する前記光硬化ポリマー層の表面に対し、メッキ電極として10〜50nm程度の金属を蒸着する。この金属電極は、モールドプレス時の接触面を兼ねるため、低抵抗かつ高硬度であることが必要であり、例えば、Ni、Ti、Cr等の高硬度金属が用いられる。これらの中でも、高硬度を有する点で、Crが好ましい。
更に、前記電極を蒸着した前記光硬化ポリマーの前記微粒子の配列パターンが転写された面に対し、200〜10,000μm程度の金属厚メッキを行った後、前記光硬化ポリマー層を剥離することにより、本発明の金属製(Ni製)のスタンパを作製することができる。該金属としては、Ni、Cr等メッキで作製しやすく、高硬度なものが好適に用いられるが、容易に厚メッキが可能である点で、Niが特に好ましい。
以上の工程により、前記パターン形成工程により得られた微粒子の配列パターンがスタンパ形成材料に転写される。
本発明のスタンパの製造方法により得られる本発明のスタンパは、円形状の凸部の規則配列の複数が交互に隣接してなり、隣接する前記規則配列が互いに異なる。
前記凸部の高さとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記スタンパを用いて形成する前記ナノホール構造体をハードディスク等の磁気記録媒体に適用する場合、10nm以上が好ましく、20〜100nmがより好ましい。
前記凸部の高さが10nm未満であると、アルミ膜表面への転写時に前記ナノホールの起点の限定が不十分になり易く、得られるナノホール配列に乱れが生じ易い。一方、凸部の高さと凸部の間隔との比(アスペクト比)が大きすぎると、転写時にスタンパ凸部の変形、折損等が起き易くなる。したがって、アスペクト比は1.2以下、即ちナノホールのピッチを10〜50nmとしたとき、前記凸部の高さは20〜100nmであるのが好ましい。
本発明のスタンパは、複数の円形状の凸部の規則配列が交互に隣接してなり、互いに隣接する前記規則配列が、異なる規則配列を有するので、本発明のスタンパを用いてナノホール構造体を形成すると、前記磁気記録媒体に適用した場合に、トラッキングが容易なナノホールの配列を有するナノホール構造体を、簡易かつ効率的に製造することができ、本発明の前記ナノホール構造体の製造方法に好適に使用することができる。
(ナノホール構造体の製造方法)
本発明のナノホール構造体の製造方法は、本発明の前記ナノホール構造体を製造する方法であり、
スタンパ作製工程と、ナノホール形成工程とを少なくとも含み、更に必要に応じて適宜選択したその他の工程を含む。
−スタンパ作製工程−
前記スタンパ作製工程は、基材上に、凹凸ラインを形成し、該凹凸ライン上に微粒子をパターン状に単層配列させた後、該微粒子の配列パターンをスタンパ形成材料に転写してスタンパを作製する工程である。
前記スタンパ作製工程は、本発明の前記スタンパの製造方法により好適に行うことができる。
なお、前記基材、前記凹凸ライン、前記微粒子、前記スタンパ形成材料などの詳細については、上述した通りである。
−ナノホール形成工程−
前記ナノホール形成工程は、前記スタンパ作製工程により得られたスタンパを用いて前記金属基材上にナノホール形成用起点を形成した後、該金属基材上にナノホール形成処理を行う工程である。
前記ナノホール形成工程において、前記ナノホール形成用起点の形成は、低コスト及び製造容易性の点で、本発明の前記スタンパ用いるのが好ましいが、例えば、EB描画装置を用いて前記ナノホール形成用起点を描画してもよい。
なお、前記スタンパを用いた前記ナノホール形成用起点の形成方法は、本発明の前記スタンパの製造方法において、前記スタンパ形成材料の選択と共に詳述した通りである。
前記ナノホール形成処理としては、前記金属基材上に、該金属基材に対して略直交する方向に前記ナノホールが複数形成された多孔質層を形成することができる限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、スパッタ法、蒸着法等により金属材料の層を形成した後で、陽極酸化処理により前記多孔質層を形成するのが好ましい。
なお、前記ナノホール、前記陽極酸化処理の方法等については、前記ナノホール構造体の説明において詳述した通りである。
以上の工程により、前記金属基材上に、該金属基材に対して略直交する方向に前記ナノホールが複数形成された多孔質層(ナノホール構造体)が形成され、該ナノホール構造体においては、前記ナノホールの規則配列(六方最密格子状の規則配列)の複数が交互に隣接してなり、隣接する前記規則配列が互いに異なる。このため、該ナノホール構造体を前記磁気記録媒体に応用すると、隣接する前記規則配列における前記ナノホールの規則配列(配列パターン)の差異により、トラッキングを容易に行うことができる。
ここで、本発明のナノホール構造体の製造方法について、図面を参照しながら説明する。図8Aに示すように、ディスク状の前記基材400の表面に、同心円状の前記凹凸ライン410をEB描画によるパターニング工程及びエッチング工程により形成する。なお、前記凹凸ライン410における凹部420及び凸部430の幅は、上述した通りである。次いで、図8Bに示すように、微粒子分散液が入った容器に前記凹凸ラインが形成された基材400を浸漬し、遠心法により遠心分離を行うことにより、図8Cに示すように、前記基材400の表面に微粒子450を単層配列させる。なお、前記微粒子450は、六方最密格子状に最密化した規則配列を形成し、隣接する前記凹部及び前記凸部の前記微粒子の規則配列は互いに異なっている。
次に、図9Aに示すように、前記基材400上に単層配列した前記微粒子450上に、例えば、スピンコート法により光硬化ポリマーを塗布して、図9Bに示すように、光硬化ポリマー層460を形成する。該光硬化ポリマー層上に透明ガラス板(図中では省略)を載せ、露光装置を用い、該透明ガラス板を介して光硬化ポリマー層460に対して紫外線を照射して露光した後、前記基材を剥離する。すると、図9Cに示すように、光硬化ポリマー層460に、前記微粒子450の規則配列の形状が転写され、前記微粒子450の球形状と係合可能であり、規則配列した凹部500が形成される。
更に、図9Dに示すように、前記光硬化ポリマー層460における前記微粒子450の形状が転写された面(前記凹部500が形成された面)に対して、Cr510を電極蒸着し、蒸着したCr面を電極として、スルファミン酸浴を用いてNi厚メッキを行い、Niメッキ520を形成した後、前記光硬化ポリマー層460を剥離することにより、図9Eに示すように、前記微粒子450の配列パターンに対応した、円形状の凸部530を有する本発明のスタンパ550を得ることができる。以上の工程が、前記スタンパ作製工程である。
次いで、スパッタ法等によって磁気ディスク用の表面が平滑な基板600上に、軟磁性下地層(図中では省略)を形成した後、アルミニウム膜を形成し、図10Aに示すように、前記アルミニウム膜610に前記スタンパ作製工程で得られたスタンパ550を10,000〜50,000N/cm(1〜5Ton/cm)程度の圧力でプレス転写して、前記微粒子450の配列パターン(前記ナノホール形成用起点)を形成する。その後、図10Bに示すように、陽極酸化処理を行い、前記基板600に対して略直交する方向に、ナノホール(アルミナポア)620が複数形成された多孔質層(アルマイトポア)630を形成させる。該多孔質層630は、本発明のナノホール構造体に相当し、図10Cに示すように、ナノホール(アルミナポア)620の規則配列の複数が交互に隣接してなり、隣接する前記規則配列が互いに異なる。以上の工程が、前記ナノホール形成工程である。
本発明のナノホール構造体の製造方法により、本発明の前記ナノホール構造体を効率よく低コストで製造することができる。
(磁気記録媒体)
本発明の磁気記録媒体は、基板上に多孔質層を有してなり、更に必要に応じて適宜選択したその他の層を有してなる。
前記多孔質層としては、前記基板面に対し略直交する方向にナノホールが複数形成されたものが挙げられ、前記ナノホール構造体が好適に挙げられる。なお、該ナノホール構造体の詳細は、上述した通りである。
前記多孔質層の厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、500nm以下が好ましく、5〜200nmがより好ましい。
前記多孔質層の厚みが、500nmを超えると、ナノホール内への磁性材料の充填が困難になることがある。
前記多孔質層(ナノホール構造体)における前記ナノホールは、該多孔質層を貫通して貫通孔として形成されていてもよいし、貫通せず穴として形成されていてもよいが、該ナノホールに磁性材料を充填して磁性層を形成し、更にその下方にも磁性層を形成する場合等を考慮すると、該ナノホールが貫通孔として形成されているのが好ましい。
前記ナノホールの内部に、磁性材料が充填されて磁性層が形成されているのが好ましい。
前記磁性層としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、強磁性層、軟磁性層、などが挙げられる。本発明においては、前記ナノホールの内部に、前記軟磁性層と前記強磁性層とが前記基板側からこの順に積層されており、更に必要に応じて非磁性層(中間層)が形成されているのが好ましい。
前記基板としては、その形状、構造、大きさ、材質等について特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、前記形状としては、前記磁気記録媒体がハードディスク等の磁気ディスクである場合には、円板状であり、また、前記構造としては、単層構造であってもよいし、積層構造であってもよく、また、前記材質としては、磁気記録媒体の基材材料として公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、アルミニウム、ガラス、シリコン、石英、シリコン表面に熱酸化膜を形成してなるSiO/Si、等が挙げられる。これらの基板材料は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
なお、前記基板は、適宜製造したものであってもよいし、市販品を使用してもよい。
前記強磁性層は、前記磁気記録媒体において記録層として機能し、前記軟磁性層と共に磁性層を構成する。
前記強磁性層の材料としては、特に制限はなく、目的に応じて公知のものの中から適宜選択することができるが、例えば、Fe、Co、Ni、FeCo、FeNi、CoNi、CoNiP、FePt、CoPt及びNiPtから選択される少なくとも1種、などが好適に挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記強磁性層は、前記材料により垂直磁化膜として形成されていれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、Ll規則構造を有し、C軸が前記基板と垂直方向に配向しているもの、fcc構造あるいはbcc構造を有し、C軸が前記基板と垂直方向に配列しているもの、などが好適に挙げられる。
前記強磁性層の厚みとしては、本発明の効果を害さない限り特に制限はなく、記録時に使用される線記録密度等に応じて適宜選択することができるが、例えば、(1)前記軟磁性層の厚み以下である態様、(2)記録時に使用される線記録密度で決まる最小ビット長の1/3倍〜3倍である態様、(3)前記軟磁性層及び前記軟磁性下地層の厚みの合計以下である態様、などが好ましく、例えば、通常5〜100nm程度が好ましく、5〜50nmがより好ましく、1Tb/inをターゲットにした線記録密度1500kBPIで磁気記録を行う場合には、50nm以下(20nm程度)であるのが好ましい。
なお、ここでの前記「強磁性層」の厚みは、該強磁性層が、積層構造、又は複数層に分割された構造(例えば、非磁性層等の中間層により分割され連続層になっていない構造)を有する場合には、各強磁性層の厚みの合計を意味する。また、前記「軟磁性層」の厚みは、該軟磁性層が、積層構造、又は複数層に分割された構造(例えば、非磁性層等の中間層により分割され連続層になっていない構造)を有する場合には、各軟磁性層の厚みの合計を意味する。また、前記「軟磁性層及び軟磁性下地層の厚みの合計」は、該軟磁性層及び該軟磁性下地層の少なくともいずれかが、積層構造、又は複数層に分割された構造(例えば、非磁性層等の中間層により分割され連続層になっていない構造)を有する場合には、各軟磁性層の厚みの合計を意味する。
本発明の磁気記録媒体の場合、磁気記録の際に使用する単磁極ヘッドと前記軟磁性層との間の距離を、前記多孔質層の厚みよりも短く、該強磁性層の厚みと略等しくすることができるため、前記多孔質層の厚みに拘らず該強磁性層の厚みだけで、前記単磁極ヘッドからの磁束の集中、使用される記録密度での最適な磁気記録再生特性などが制御可能となる。その結果、該磁気記録媒体においては、従来の磁気記録媒体に比し、書込み効率が大幅に向上し、書込み電流が小さくて済み、オーバーライト特性を著しく向上させることができる。
前記強磁性層の形成は、特に制限はなく、公知の方法に従って行うことができるが、例えば、電着(電着法)等により行うことができる。
前記軟磁性層としては、特に制限はなく、目的に応じて公知のものの中から適宜選択することができるが、例えば、NiFe、FeSiAl、FeC、FeCoB、FeCoNiB及びCoZrNbから選択される少なくとも1種、などが好適に挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記軟磁性層の厚みとしては、本発明の効果を害さない限り特に制限はなく、前記多孔質層における前記ナノホールの深さ、前記強磁性層の厚み等に応じて適宜選択することができるが、例えば、(1)前記強磁性層の厚み超である態様、(2)前記軟磁性下地層の厚みとの合計が前記強磁性層の厚み超である態様、などが挙げられる。
前記軟磁性層は、磁気記録に使用する磁気ヘッドからの磁束を効果的に前記強磁性層に収束させることができ、該磁気ヘッドの磁界の垂直成分を大きくさせることができる点で有利である。また、前記軟磁性層は、軟磁性下地膜とともに前記磁気ヘッドと共に該磁気ヘッドから入力させる記録磁界の磁気回路を形成可能であるのが好ましい。
前記軟磁性層としては、前記基板面に略直交する方向に磁化容易軸を有しているのが好ましい。この場合、垂直磁気記録用ヘッドで記録を行うと、該垂直磁気記録用ヘッドからの磁束の集中、使用される記録密度での最適な磁気記録再生特性などが制御可能となり、磁束が前記強磁性層に集中する結果、従来の磁気記録装置に比し、書込み効率が大幅に向上し、書込み電流が小さくて済み、オーバーライト特性が著しく向上する。
前記軟磁性層の形成は、特に制限はなく、公知の方法に従って行うことができるが、例えば、電着(電着法)等により行うことができる。
前記多孔質層における前記ナノホール中には、前記強磁性層と前記軟磁性層との間に非磁性層(中間層)を有していてもよい。該非磁性層(中間層)が存在すると、前記強磁性層と前記軟磁性層との間の交換結合力の作用を弱める結果、予想とは異なる磁気記録の再生特性となってしまう場合に、それを所望の再生特性に制御することができる。
前記非磁性層の材料としては、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができるが、例えば、Cu、Al、Cr、Pt、W、Nb、Ru、Ta及びTiから選択される少なくとも1種、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記非磁性層の厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記非磁性層の形成は、特に制限はなく、公知の方法に従って行うことができるが、例えば、電着(電着法)等により行うことができる。
本発明の磁気記録媒体においては、前記基板と前記多孔質層との間に、軟磁性下地層を有していてもよい。
前記軟磁性下地層の材料としては、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができるが、例えば、前記軟磁性層の材料として上述したものが好適に挙げられる。これらの材料は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよく、また、前記軟磁性層の材料と互いに同一であってもよいし、異なっていてもよい。
前記軟磁性下地層は、前記基板面の面内方向に磁化容易軸を有しているのが好ましい。この場合、磁気記録に使用する磁気ヘッドからの磁束が効果的に閉じた磁気回路を形成し、該磁気ヘッドの磁界の垂直成分を大きくさせることができる。該軟磁性下地層は、ビットサイズ(前記ナノホールの開口径)が100nm以下の単磁区記録においても有効である。
前記軟磁性下地層の形成は、特に制限はなく、公知の方法に従って行うことができるが、例えば、電着(電着法)や無電界メッキ等により行うことができる。
前記その他の層としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、電極層、保護層、などが挙げられる。
前記電極層は、磁性層(前記強磁性層及び前記軟磁性層)を電着等により形成する際の電極として機能する層であり、一般に、前記基板上であって前記強磁性層の下方に設けられる。なお、前記磁性層を電着により形成する場合、該電極層を電極として使用してもよいが、前記軟磁性下地層等を電極として使用してもよい。
前記電極層の材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、Cr、Co、Pt、Cu、Ir、Rh、これらの合金、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。また、該電極層は、これらの材料以外に、W、Nb、Ti、Ta、Si、Oなどを更に含有していてもよい。
前記電極層の厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。該電極層は、1層のみ設けられていてもよいし、2層以上設けられていてもよい。
前記電極層の形成は、特に制限はなく、公知の方法に従って行うことができるが、例えば、スパッタ法、蒸着法等により行うことができる。
前記保護層は、前記強磁性層を保護する機能を有する層であり、前記強磁性層の表面乃至上方に設けられる。該保護層は、1層のみ設けられていてもよいし、2層以上設けられていてもよく、また、単層構造であってもよいし、積層構造であってもよい。
前記保護層の材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、DLC(ダイヤモンドライクカーボン)、などが挙げられる。
前記保護層の厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記保護層の形成は、特に制限はなく、目的に応じて公知の方法に従って行うことができるが、例えば、プラズマCVD法、塗布法、などにより行うことができる。
本発明の磁気記録媒体は、磁気ヘッドを用いた各種の磁気記録に使用することができるが、単磁極ヘッドによる磁気記録に好適に使用することができ、後述する本発明の磁気記録装置及び磁気記録方法に好適に特に使用することができる。
本発明の磁気記録媒体は、本発明のナノホール構造体を有し、トラッキングが容易で、クロスリードやクロスライト等の問題がなく、磁気ヘッドの書込み電流を増やすことなく高密度記録・高速記録が可能で大容量であり、オーバーライト特性に優れ、均一な特性を有し、高品質である。このため、該磁気記録媒体は、各種の磁気記録媒体として設計し使用することができ、例えば、コンピュータの外部記憶装置、民生用ビデオ記録装置等として広く使用されているハードディスク装置、などに設計し使用することができ、ハードディスク等の磁気ディスクに特に好適に設計し使用することができる。
本発明の磁気記録媒体の製造は、特に制限はなく、公知の方法に従って製造することができるが、以下に説明する本発明の磁気記録媒体の製造方法により好適に製造することができる。
(磁気記録媒体の製造方法)
本発明の磁気記録媒体の製造方法は、本発明の前記磁気記録媒体を製造する方法であり、ナノホール構造体形成工程(多孔質層形成工程)、磁性材料充填工程を含み、好ましくは研磨工程を含み、更に必要に応じて適宜選択した、軟磁性下地層形成工程、電極層形成工程、非磁性層形成工程、保護層形成工程、などのその他の工程を含む。
前記軟磁性下地層形成工程は、必要に応じて選択され、基板上に軟磁性下地層を形成する工程である。
前記基板としては、上述したものが挙げられる。
前記軟磁性下地層の形成は、公知の方法に従って行うことができるが、例えば、スパッタ法(スパッタリング)、蒸着法等の真空成膜法、電着(電着法)などで形成してもよいし、あるいは無電解メッキで形成してもよい。
前記軟磁性下地層形成工程により、前記基板上に所望の厚みの前記軟磁性下地層が形成される。
前記電極層形成工程は、前記ナノホール構造体と軟磁性下地層との間に電極層を形成する工程である。
前記電極層の形成は、公知の方法に従って行うことができるが、例えば、スパッタ法(スパッタリング)、蒸着法などにより好適に行うことができる。該電極層の形成条件としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記電極層形成工程により形成された前記電極層は、軟磁性層、非磁性層及び強磁性層の少なくともいずれかを電着により形成する際の電極として使用される。
前記ナノホール構造体形成工程(多孔質層形成工程)は、基板上に(前記軟磁性下地層形成工程により前記軟磁性下地層を形成した場合には該軟磁性下地層上に)ナノホール構造体(多孔質層)を形成する金属材料による金属層を形成した後、該金属層に対しナノホール形成処理(例えば、陽極酸化処理が好ましい)を行うことにより、該基板面に対し略直交する方向にナノホールを複数形成してナノホール構造体(多孔質層)を形成する工程である。
前記金属材料としては、上述したものが挙げられ、例えば、アルミナ(酸化アルミニウム)、アルミニウム、などが好適に挙げられる。これらの中でも、アルミニウムが特に好ましい。
前記金属層の形成は、公知の方法に従って行うことができるが、例えば、スパッタ法(スパッタリング)、蒸着法などにより好適に行うことができる。該金属層の形成条件としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。なお、前記スパッタ法の場合、前記金属材料により形成されたターゲットを用いてスパッタリングを行うことができる。この場合に用いる前記ターゲットは、高純度であるのが好ましく、前記金属材料がアルミニウムである場合には、99.990%以上であるのが好ましい。
前記ナノホール形成処理としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、陽極酸化処理、エッチング処理などが好適に挙げられる。これらの中でも、前記金属層に前記基板面に略直交する方向に多数のナノホールを規則的に配列形成することができる等の点で、陽極酸化処理が特に好ましい。
前記陽極酸化処理の場合、硫酸、リン酸あるいはシュウ酸の水溶液中で、前記金属層に接する電極を陽極として電気分解エッチングさせることにより行うことができる。該電極としては、前記金属層を形成するのに先立って形成した前記軟磁性下地層、前記電極層などが挙げられる。
なお、本発明においては、上述のナノホール構造体に関して説明した通り、前記陽極酸化処理の前に、前記金属層上に前記ナノホールの規則配列を複数形成するためのパターンを、該パターンが転写されたスタンパを用いて予め形成しておくのが好ましい。この場合、陽極酸化処理を行うと、前記パターン上にのみ、効率的に前記ナノホールを形成することができる点で有利である。
前記パターンの形成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、(1)パターン状(例えば六方最密格子状)に配列してなる円形状の凸部の複数の規則配列(ナノホール構造体を磁気ディスク等に適用する場合には、該凸部の規則配列が同心円状又は螺旋状の配列)が交互に隣接してなり、隣接する前記凸部の規則配列が互いに異なるパターンを表面形状として有するスタンパを、前記金属層(例えば、アルミナ、アルミニウムなど)の表面にインプリント転写し、六方最密格子状に円が複数規則配列し、互いに隣接する前記円の規則配列が異なるパターンを形成する方法、(2)前記金属層上に樹脂層やフォトレジスト層を形成した後、通常のフォト工程やモールドを用いたインプリント法により、これらをパターニングし、エッチング処理等することにより、前記金属層の表面に、パターン状(例えば六方最密格子状)に配列してなる凹部の複数の規則配列が交互に隣接してなり、隣接する前記凹部の規則配列が互いに異なるパターンを形成する方法、などが好適に挙げられる。
前記スタンパとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、半導体分野で微細構造作製用材料として最も広範囲に使用されているという観点からは、シリコンやシリコン酸化膜、これらの組み合わせ等が挙げられ、連続使用耐久性の観点からは、炭化珪素基板などが挙げられ、また、光ディスクの成型等に使用されているNiスタンパなども挙げられる。該モールドは、複数回使用することができる。前記インプリント転写の方法としては、特に制限はなく、公知の方法の中から目的に応じて適宜選択することができる。また、前記フォトレジスト層のレジスト材料には、光レジスト材料のほか、電子線レジスト材料なども含まれる。前記光レジスト材料としては、特に制限はなく、半導体分野等において公知の材料の中から適宜選択することができ、例えば、近紫外光、近視野光などを利用可能な材料などが挙げられる。
また、前記ナノホールのピッチは陽極酸化処理における電圧によって適宜決定され、ほぼ陽極酸化電圧(V)の2.5倍(nm)となる。したがって、前記陽極酸化処理における電圧としては、特に制限はないが、例えば、3〜40Vが好ましく、3〜10Vがより好ましい。
前記電圧が、3〜40Vであると、前記磁気記録媒体の高密度化を実現することができ、3〜10Vであると、前記ナノホールのピッチを7〜25nmとすることができ、前記磁気記録媒体の更なる高密度化を図ることができる点で、特に有利である。
なお、前記陽極酸化処理における電解液の種類、濃度、温度、時間等としては、特に制限はなく、形成するナノホールの数、大きさ、アスペクト比等に応じて適宜選択することができる。例えば、前記電解液の種類としては、希釈リン酸溶液、希釈蓚酸溶液、希釈硫酸溶液などが好適に挙げられる。いずれの場合も、前記ナノホールのアスペクト比の調整は、陽極酸化処理後にリン酸溶液に浸漬させて前記ナノホール(アルミナポア)の直径を増加させることにより行うことができる。
前記陽極酸化処理により前記ナノホール構造体形成工程(多孔質層形成工程)を行った場合、該金属層にナノホールを多数形成することができるが、該ナノホールの下部にバリア層が形成されてしまうことがあるが、該バリア層は、リン酸等の公知のエッチング液を用いて公知のエッチング処理を行うことにより、容易に除去することができる。以上により、前記金属層に、前記軟磁性下地層又は前記基板を露出させる前記ナノホールを前記基板面に略直交する方向に多数形成することができる。
前記ナノホール構造体形成工程(多孔質層形成工程)により、前記基板上又は前記軟磁性下地層上に前記ナノホール構造体(多孔質層)が形成される。
前記磁性材料充填工程は、前記ナノホール構造体(多孔質層)に形成された前記ナノホールの内部に磁性材料を充填する工程であり、前記強磁性材料を前記ナノホールに充填する強磁性層形成工程、前記軟磁性材料を前記ナノホールに充填する軟磁性層形成工程などを含む。
前記軟磁性層形成工程は、前記ナノホールの内部に軟磁性層を形成する工程である。
前記軟磁性層の形成は、上述した軟磁性層の材料を電着等により前記ナノホールの内部に堆積乃至充填させることにより行うことができる。
前記電着の方法、条件等としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記軟磁性下地層又は前記電極層を電極として、前記軟磁性層の材料を含む溶液を1種又は2種以上用い、電圧を印加させることにより、前記電極上に析出乃至堆積させる方法、などが好適に挙げられる。
前記軟磁性層形成工程により、前記多孔質層におけるナノホールの内部であって、前記基板上、前記軟磁性下地層上又は前記電極層上に前記軟磁性層が形成される。
前記強磁性層形成工程は、前記軟磁性層上(又は該軟磁性層上に前記非磁性層が形成されている場合には該非磁性層上に)に強磁性層を形成する工程である。
前記強磁性層の形成は、上述した強磁性層の材料を電着等により前記ナノホールの内部に形成した前記軟磁性層上に堆積乃至充填させることにより行うことができる。
前記電着の方法、条件等としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記軟磁性下地層又は前記電極層(シード層)を電極として、前記強磁性層の材料を含む溶液を1種又は2種以上用い、電圧を印加させることにより、前記ナノホール内に析出乃至堆積させる方法、などが好適に挙げられる。
前記強磁性層形成工程により、前記多孔質層におけるナノホールの内部であって、前記軟磁性層上又は前記非磁性層上に前記強磁性層が形成される。
前記非磁性層形成工程は、前記軟磁性層上に非磁性層を形成する工程である。
前記非磁性層の形成は、上述した非磁性層の材料を電着等により前記ナノホールの内部に形成した前記軟磁性層上に堆積乃至充填させることにより行うことができる。
前記電着の方法、条件等としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記軟磁性下地層又は前記電極層を電極として、前記非磁性層の材料を含む溶液を1種又は2種以上用い、電圧を印加させることにより、ナノホール内に析出乃至堆積させる方法、などが好適に挙げられる。
前記非磁性層形成工程により、前記多孔質層におけるナノホールの内部であって、前記軟磁性層上等に前記非磁性層が形成される。
前記研磨工程は、前記ナノホール構造体(多孔質層)の表面を研磨し、平坦化する工程である。該研磨工程により、前記ナノホール構造体の表面を一定の厚みで除去すると、より高密度記録・高速度記録を確保することができ、前記磁気記録媒体の表面が平滑化されると、垂直磁気記録ヘッド等の磁気ヘッドの安定浮上が可能となり、低浮上化による高密度記録と信頼性確保の双方を達成することができる点で有利である。
前記研磨工程は、前記磁性層形成工程(前記強磁性層形成工程、前記軟磁性層形成工程を含む)の後に行われるのが好ましい。前記磁性層形成工程の前に前記研磨処理を行うと、前記ナノホール構造体の破壊、前記ナノホール内部にスラリー、削り滓等が充填されてしまい、メッキ不良が生ずることがある。
前記研磨工程における研磨の方法としては、特に制限はなく、公知の方法に従って行うことができるが、例えば、CMP、イオンミリングなどが好適に挙げられる。
本発明の磁気記録媒体の製造方法により、本発明の前記磁気記録媒体を効率よく低コストで製造することができる。
(磁気記録装置及び磁気記録方法)
本発明の磁気記録装置は、本発明の前記磁気記録媒体と、垂直磁気記録用ヘッドとを有してなり、更に必要に応じて適宜選択したその他の手段乃至部材等を有してなる。
本発明の磁気記録方法は、本発明の前記磁気記録媒体に対し、垂直磁気記録用ヘッドを用いて記録を行うことを含み、更に必要に応じて適宜選択したその他の処理乃至工程を含む。本発明の磁気記録方法は、本発明の前記磁気記録装置を用いて好適に実施することができる。なお、前記その他の処理乃至工程は、前記その他の手段乃至部材等により行うことができる。以下、本発明の磁気記録装置の説明と共に、本発明の磁気記録方法について説明する。
前記垂直磁気記録用ヘッドとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、単磁極ヘッド等が好適に挙げられる。また、該垂直磁気記録用ヘッドは、書込専用であってもよいし、GMRヘッド等の読取用ヘッドと一体の書込兼読込用であってもよい。
本発明の磁気記録装置による磁気記録、又は本発明の磁気記録方法による磁気記録においては、本発明の前記磁気記録媒体を用いるので、前記垂直磁気記録用ヘッドと前記磁気記録媒体における前記軟磁性層との間の距離が、前記多孔質層の厚みよりも短く、前記強磁性層の厚みと略等しくなるため、前記多孔質層の厚みに拘らず前記強磁性層の厚みだけで、該垂直磁気記録用ヘッドからの磁束の集中、使用される記録密度での最適な磁気記録再生特性などが制御可能となる。このため、図2Bに示すように、前記垂直磁気記録用ヘッド(書込兼読取用ヘッド)の主磁極52からの磁束が前記強磁性層(垂直磁化膜)30に集中する結果、従来の磁気記録装置に比し、書込み効率が大幅に向上し、書込み電流が小さくて済み、オーバーライト特性が著しく向上する。
なお、前記磁気記録媒体に前記軟磁性下地層が形成されている場合には、前記垂直磁気記録用ヘッドと、該軟磁性下地層との間で磁気回路が形成されるので好ましい。この場合、高密度記録が可能となる点で有利である。
本発明の磁気記録装置による磁気記録、又は本発明の磁気記録方法による磁気記録においては、前記磁気記録媒体における前記強磁性層に前記垂直磁気記録用ヘッドからの磁束が、該強磁性層の下面、即ち前記軟磁性層又は前記非磁性層との界面付近でも、集中したままで拡散しないため、小さなビットを書くことができる。
なお、該強磁性層における前記磁束の収束の程度(拡散の程度)としては、本発明の効果を害さない限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
本発明の磁気記録装置による磁気記録、又は本発明の磁気記録方法による磁気記録においては、前記垂直記録用磁気ヘッドが、トラックの中心を正しくトレースするように、該垂直記録用磁気ヘッドの位置を調整するトラッキングを行うのが好ましい。
前記トラッキングの方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記磁性材料が充填されたナノホールの規則配列の複数における、交互に配列する一の規則配列と他の規則配列との相違に起因する、周波数の強度変化及び信号の位相変化のいずれかを検出することにより行うのが好ましい。
前記周波数の強度変化を検出することによりトラッキングする方法としては、図11Aに示すように、前記ナノホールの規則配列の複数のうち、一の規則配列をデータ領域とし、該データ領域に隣接する規則配列をガードバンド領域(図7Aでは、ガードバンド領域:データ領域=1:2)とすると、磁気ヘッドが前記データ領域上をトレースしているときには、図11Bに示すように、周波数の強度が一定しているが、磁気ヘッドが右にあるいは左にずれて、前記ガードバンド領域をトレースすると、前記データ領域と前記ガードバンド領域とでは規則配列が互いに異なり、位相がずれているため、該位相のずれにより、図11Bに示すように、周波数の強度に変化が生じる。そこで、この周波数の強度が常に均一となるようにフィードバックをかけることにより、磁気ヘッドをトラッキングすることができる。
前記信号の位相変化を検出することによりトラッキングする方法としては、例えば、図8Aに示すようなディスク状の基板の中心より放射線状に所定の間隔をあけて数十本程度サーボ領域を形成し、該サーボ領域が、図12Aに示すように、ナノホールの規則配列の複数における、一定面積に一方向のサーボ信号を予め記録したものである場合、該サーボ領域において、複数のトラックのうち、任意の一のトラックを選択すると、磁気ヘッドが前記トラック上をトレースしているときには、図12Bに示すように、信号の位相が一定しているが、磁気ヘッドが右にあるいは左にずれて、前記一のトラックと隣接する他のトラックをトレースすると、前記一のトラックと前記他のトラックとでは規則配列が互いに異なり、位相がずれているため、該位相のずれにより、図12Bに示すように、信号の位相に変化が生じる。そこで、この信号の位相が常に均一となるようにフィードバックをかけることにより、磁気ヘッドをトラッキングすることができる。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明はこの実施例に何ら限定されるものではない。以下の実施例は、本発明のナノホール構造体を備えた本発明の磁気記録媒体を、本発明の磁気記録媒体の製造方法により製造し、本発明の磁気記録装置により磁気記録を行い、本発明の磁気記録方法を実施するものである。
(実施例1)
−ナノホール構造体の作製−
図8Aに示すように、r−θ型のEB露光装置を用い、ガラス基板400上にスピンコートした厚み40nmのレジスト層に、同心円状にラインを描画して、凹凸パターン410を形成した。なお、凹凸パターン410における、凹部420の幅は150nmであり、凸部430の幅は90nmであり、凸部430の高さは30nmである。
次いで、図8Bに示すように、平均粒径60nmの微粒子の分散液が入った容器に、ガラス基板400を浸漬し、遠心法により遠心分離を行うことにより、図8Cに示すように、ガラス基板400の表面に微粒子450を単層配列させた。なお、微粒子450は、六方最密格子状に最密化した規則配列を形成し、隣接する凹部420及び凸部430における微粒子450の規則配列(規則配列C及び規則配列D)は互いに異なっていた。
次に、図9Aに示すように、ガラス基板400の凹凸ライン410上に単層配列した微粒子450上にスピンコート法により光硬化ポリマーを塗布して、図9Bに示すように、厚み200nmの光硬化ポリマー層460を形成した。該光硬化ポリマー層460上に透明ガラス板(図中省略)を載せ、Deep UV露光装置(波長:257nm)を用い、該透明ガラス板を介して光硬化ポリマー層460に対して紫外線を照射して露光した後、ガラス基板400を剥離した。すると、図9Cに示すように、光硬化ポリマー層460に、微粒子450の規則配列の形状が転写され、微粒子450の球形状と係合可能であり、規則配列した凹部500が形成された。
更に、図9Dに示すように、前記光硬化ポリマー層460における微粒子450の形状が転写された面(凹部が形成された面)に対して、Cr510を20nmの厚みとなるように電極蒸着し、蒸着したCr面を電極として、スルファミン酸浴を用いて、Ni層の厚みが300nmとなるまでNi厚メッキを行い、Niメッキ520を形成した。前期スルファミン酸浴の濃度は600g/l、pHは4、電流密度は2A/dmであった。該メッキ後、光硬化ポリマー層460を剥離することにより、図9Eに示すように、微粒子450の配列パターンに対応した、円形状の凸部530を有するNiスタンパ550を得た。得られたNiスタンパ550における凸部530の径、及び高さを測定したところ、該凸部530の径は60nmであり、高さは40nmであった。また、凸部530の規則配列の複数が交互に隣接してなり、隣接する前記規則配列は互いに異なっていた。以上が、本発明の前記ナノホール構造体の製造方法における前記スタンパ作製工程、及び本発明の前記スタンパの製造方法に相当し、また、得られたスタンパは、本発明の前記スタンパに相当する。
次いで、図10Aに示すようにスパッタ法により磁気ディスク用の表面が平滑な基板600上に、軟磁性下地層(図中では省略)を形成した後、アルミニウム膜610を形成し、アルミニウム膜610に対して、得られたNiスタンパ550を押し付けることにより、Niスタンパ550の表面に形成された微粒子450の配列パターン(規則配列)を、アルミニウム膜610の表面にインプリント転写し、ナノホール形成用起点を形成した。なお、インプリント転写の際の押し付け圧力は、4,000N/cm(4ton/cm)とした。
その後、図10Bに示すように、アルミニウム膜610を、希釈硫酸浴を用いて陽極酸化処理を行った。陽極酸化処理における電圧条件は、25Vとした。すると、ガラス基板600に対して略直交する方向に、ナノホール(アルミナポア)620が複数形成された多孔質層(アルマイトポア)630が形成された。得られた多孔質層630は、本発明のナノホール構造体に相当し、図10Cに示すように、ナノホール(アルミナポア)620の規則配列の複数が交互に隣接してなり、また、ナノホール620の規則配列の複数における、一の規則配列(規則配列C)と他の規則配列(規則配列D)とが交互に配列してなり、隣接する規則配列が互いに異なっていた。以上の工程が、本発明の前記ナノホール構造体の製造方法における前記ナノホール形成工程に相当する。
(実施例2)
本発明のナノホール構造体を磁気記録媒体(磁気ディスク)に適用し、以下のようにして磁気記録媒体(磁気ディスク)を製造し、その特性を以下のようにして評価した。
−軟磁性下地層形成工程−
前記軟磁性下地層形成工程を、ガラス基板に、軟磁性下地層としてのFeCoNiBを無電解メッキ法により500nmの厚みに形成(積層)することにより、行った。
−ナノホール構造体形成工程(多孔質層形成工程)−
前記ナノホール構造体形成工程を以下のようにして行った。即ち、前記軟磁性下地層上に、スパッタ法により、Nbを5nmの厚みに、Alを200nmの厚みに、それぞれ積層した。この積層された基板を、3枚用意し、実施例1で作製したNiスタンパ(凸部の径:60nm、凸部の高さ40nm)を用いて、表面に位置するアルミニウム(Al)層に、微粒子の配列パターンをインプリント転写した。
次に、インプリント転写後のサンプルを、0.3mol/l濃度の硫酸溶液中(浴温16℃)、25Vの電圧にて陽極酸化処理を行い、ナノホール(アルミナポア)を形成した。この陽極酸化処理後に、更に、各サンプルを5質量%リン酸浴(浴温30℃)中に浸漬して、前記ナノホール(アルミナポア)の開口径を40nmに拡大させてそのアスペクト比を調整した。以上により、前記ナノホール構造体形成工程を行った。
−磁性材料充填工程−
前記ナノホール内に、5質量%硫酸銅溶液と、2質量%ホウ酸とを含有するメッキ浴(浴温:35℃)を用い、電着を行うことにより、前記強磁性材料としてのコバルト(Co)を充填させ、該ナノホール内に強磁性層を形成することにより、前記磁性材料充填工程を行った。以上により、磁気ディスクを製造した。
−研磨工程−
前記研磨工程を以下のようにして行った。即ち、磁気ヘッドを浮上させる目的で、ラッピングテープを用いて表面研磨を行った。前記ラッピングテープとしては、アルミナ3μm粒度のテープを用いて、前記ナノホールが開口する面に存在する凸部のアルミナを荒研磨した後、アルミナ0.3μm粒度のテープを用いて、仕上げ研磨を行った。この研磨工程後の多孔質層(アルミナ層)の厚みは、約150nmであり、前記コバルト(Co)が充填されたナノホール(アルミナポア)のアスペクト比は、約2.5であった。
その後、潤滑剤としてパーフルオロポリエーテル(ソルベイソレクシス社製、AM3001)を、研磨した磁気ディスクの表面にディップ法により塗布し、特性評価用磁気ディスクサンプルAとした。
また、スタンパを用いたインプリント転写を行わずに同様の工程で作製した特性評価用磁気ディスクサンプルBを比較とした。この特性評価用磁気ディスクサンプルBにおいては、ナノホール(アルミナポア)700は、図13に示すように、六方細密格子状に2次元的に配列しており、ナノホールの規則配列の複数が交互に隣接していなかった。
特性評価用磁気ディスクサンプルA及びBのトラッキング特性の評価は、下記磁気ヘッド、即ち垂直記録用の単磁極型書込みヘッドとGMR読出しヘッドとを合わせてなる、いわゆるマージ型磁気ヘッドを用いて行った。なお、ヘッドパラメータは、以下の通りである。
Write Core Width:60nm
Write Pole Length:50nm
Read Core Width:50nm
Read Gap Length:60nm
まず、特性評価用磁気ディスクサンプルA及びBを永久磁石により、基板面に垂直な一方向に磁化し、その後、特性評価用磁気ディスクサンプルA及びBを回転させて磁気ヘッドを浮上させて、リード状態でオフトラックさせながらシグナル強度を測定した。
図14Aに、磁気ディスクサンプルAにおける磁性体(磁性材料が充填されたナノホール)配置を、図14Bに、磁気ディスクサンプルBにおける磁性体配置を、それぞれ示す。図14A及び図14Bにおいて、磁性体ドットサイズは半径20nmであり、ドットピッチは60nmであり、磁気ヘッド650が検知する領域のサイズは70×210nmである。また、一度に約5個の磁性体ドットで1ビットの記録再生を行った。
磁気ヘッド650の進行方向をx軸方向とし、該x軸方向に沿って磁気ヘッドを移動させ、磁気ヘッドをオントラック状態(図14A及びB中、領域L)から、+側にドットピッチの50%ずれた領域(図14A及びB中、領域M)、及び−側にドットピッチの50%ずれた領域(図14A及びB中、領域N)にオフトラックさせたときの、X位置におけるシグナル強度を測定した。その結果を、磁気ディスクサンプルAについては図15Aに、磁気ディスクサンプルBについては図15Bに、それぞれ示した。
図15Aより、磁気ディスクサンプルAでは、磁気ヘッド650のずれる(オフトラックする)方向によってシグナル強度の大小が変化し、磁気ヘッド650のずれる方向をも同時に検出することができるため、磁気ヘッド650のずれ方向に基づいてトラッキングを容易に行うことができることが判った。一方、図15Bより、磁気ディスクサンプルBでは、磁気ヘッドが+及び−のいずれの方向にずれてもシグナル強度が低下するだけで、x軸に対してオントラック状態と略同形状のグラフであるため、磁気ヘッド650のずれる方向を検出することができないことが判った。
次に、磁気ヘッド650のオフトラック率に対するシグナル強度の変化を図16に、シグナル強度のピーク位置における位相変化を図17に、それぞれ示した。図16及び図17より、シグナル強度の変化及び位相変化ともに、磁気ディスクサンプルAでは、磁気ヘッド650のずれる(オフトラックする)方向に応じて大小変化が観られ、磁気ヘッド650のずれ方向をも検出することができることが判った。
また、図18Aに、磁気ディスクサンプルAにおける磁性体(磁性材料が充填されたナノホール)配置を、図18Bに、磁気ディスクサンプルBにおける磁性体配置を、それぞれ示すとともに、一度に約2個の磁性体ドットで1ビットの記録再生を行った。なお、磁性体ドットサイズは半径20nmであり、ドットピッチは60nmであり、磁気ヘッド650が検知する領域のサイズは70×100nmである。
次いで、磁気ヘッド650の進行方向をx軸方向とし、該x軸方向に沿って磁気ヘッド650を移動させ、磁気ヘッド650をオントラック状態(図18A及びB中、領域P)から、+側にドットピッチの35%ずれた領域(図18A及びB中、領域Q)及び、−側にドットピッチの35%ずれた領域(図18A及びB中、領域R)にオフトラックさせたときの、X位置におけるシグナル強度を測定した。その結果を、磁気ディスクサンプルAについては図19Aに、磁気ディスクサンプルBについては図19Bに、それぞれ示した。図19A及び図19Bより、一度に約5個の磁性体ドットで1ビットの記録再生を行った場合と同様、磁気ディスサンプルAでは、磁気ヘッド650のずれる(オフトラックする)方向によってシグナル強度の大小が変化し、磁気ヘッド650のずれる方向をも同時に検出することができるため、磁気ヘッド650のずれ方向に基づいてトラッキングを容易に行うことができることが判った。
また、磁気ヘッド650のオフトラック率に対するシグナル強度の変化を図20に、シグナル強度のピーク位置における位相変化を図21に、それぞれ示した。図20及び図21より、一度に約5個の磁性体ドットで1ビットの記録再生を行った場合と同様、磁気ディスクサンプルAでは、シグナル強度の変化及び位相変化ともに、磁気ヘッド650のずれる(オフトラックする)方向に応じて大小変化が観られ、磁気ヘッドのずれ方向をも検出することができることが判った。
なお、実施例2における磁性体のドットサイズ等は、本発明の磁気記録媒体の一例であり、ドットサイズ等との比例関係を有する限り、ドットサイズ、磁気ヘッドサイズ等が変化しても、スケーリング可能である。
(実施例3)
本発明の磁気記録媒体を以下のようにして製造した。即ち、前記基板としてのシリコン基板に、前記軟磁性下地層の材料としてのCoZrNbをスパッタ法により厚みが500nmとなるように成膜して、前記軟磁性下地層を形成した。以上が本発明の磁気記録媒体の製造方法における前記軟磁性下地層形成工程である。
次に、スパッタリングの前記ターゲットとして、純度が99.995%であるアルミニウム(Al)を用いて、スパッタ法により前記軟磁性下地層上に前記金属層としてのアルミニウム層を厚みが500nmとなるように成膜した。該金属層に対し、前記軟磁性下地層(CoZrNb)を電極とし、実施例2と同様にして陽極酸化処理を行うことにより、前記金属層(アルミニウム層)にナノホール(アルミナポア)を形成した。このナノホール(アルミナポア)は、開口径が40nmであり、アスペクト比が12.5であり、ナノホールの規則配列の複数が交互に隣接して同心円状に配列しており、隣接する前記規則配列が互いに異なっていた。
なお、前記多孔質層(ナノホール構造体)としてのアルミナポアの底部にはバリア層が存在していたので、これをリン酸を用いてエッチングして除去し、前記軟磁性下地層(CoZrNb)が露出させてスルーホール化させた。以上が、本発明の磁気記録媒体の製造方法における前記ナノホール構造体形成工程である。
次に、前記軟磁性下地層(CoZrNb)を負電圧印加の前記電極として、硫酸ニッケル及び硫酸鉄を含有する溶液を用い、該溶液を収容する浴中で、前記多孔質層(ナノホール構造体)におけるナノホール(アルミナポア)の内部に、前記軟磁性層としてのNiFeを電着により形成した。なお、前記硫酸ニッケル及び前記硫酸鉄の前記溶液中の組成としては、パーマロイ組成(Ni80%−Fe20%)とし、前記軟磁性層の厚みは、約250nmであった。以上が本発明の磁気記録媒体の製造方法における前記軟磁性層形成工程である。
次に、前記浴中の溶液を前記硫酸鉄及び前記硫酸コバルトを含有する溶液から、FeCoを含有する溶液に代えて、前記多孔質層(アルマイトポア)における細孔(ポア)の内部に形成した前記軟磁性層上に前記強磁性層としてのFeCoを電着により形成した。以上が本発明の磁気記録媒体の製造方法における前記強磁性層形成工程である。
次に、前記多孔質層の表面を研磨した後、前記保護膜としてのSiOをスパッタ法にて成膜した。更に、バーニッシュ処理/潤滑処理を行うことにより、本発明の前記磁気記録媒体としてのサンプルディスクCを製造した。なお、該サンプルディスクCにおける前記強磁性層の厚みは、250nmであった。
ここで、比較のために、前記サンプルディスクCにおいて、前記軟磁性層を形成せず、前記多孔質層(ナノホール構造体)における前記ナノホール中に前記強磁性層のみを形成(前記サンプルディスクCにおける前記強磁性層及び軟磁性層の厚みの合計の厚みに形成)した以外は、該サンプルディスクCと同様にしてサンプルディスクD(比較)を製造した。
製造したサンプルディスクC及びDにつき、書込み用の磁気ヘッドとしての単磁極ヘッド及び読出用の磁気ヘッドとしてのGMRヘッドを備えた磁気記録装置を用いて、該単磁極ヘッドによる書込み、及び該GMRヘッドの読出しによる磁気記録を行い、記録再生特性を評価した。
その結果を図22に示した。図22の上の部分Aは、60nmピッチに相当する400kBPIでの書込電流と再生信号S/Nとの関係を示したグラフである。図22の横軸よりも下の部分Bは、200kBPIの信号を書いた後(大きなビットで書き込んだ後)、400kBPIの信号を重書きし(小さなビットで書込みし)、200kBPI信号の消え残り(大きなビットの消え残り)の程度を評価したオーバーライト特性を、書込電流の関数として示したグラフである。
図22に示されるように、サンプルディスクCは、S/N及びオーバーライト特性がいずれも、サンプルディスクDよりも優れていた。
本発明の好ましい態様を付記すると、以下の通りである。
(付記1) 金属基材に、ナノホールの規則配列の複数が交互に隣接してなり、隣接する前記規則配列が互いに異なることを特徴とするナノホール構造体。
(付記2) ナノホールの規則配列の複数における、一の規則配列と他の規則配列とが交互に配列してなる付記1に記載のナノホール構造体。
(付記3) 隣接する規則配列における少なくとも一方が、ナノホールが六方最密格子状に最密化して形成された付記1から2のいずれかに記載のナノホール構造体。
(付記4) 金属基材が、アルミニウム基材である付記1から3のいずれかに記載のナノホール構造体。
(付記5) 金属基材が、ディスク状である付記1から4のいずれかに記載のナノホール構造体。
(付記6) ナノホールの規則配列が、同心円状及び螺旋状の少なくともいずれかに位置する付記5に記載のナノホール構造体。
(付記7) ナノホールの規則配列が、金属基材上に、前記規則配列を形成するためのパターンを形成した後、陽極酸化処理して形成される付記1から6のいずれかに記載のナノホール構造体。
(付記8) 基材上に、凹凸ラインを形成し、該凹凸ライン上に微粒子をパターン状に単層配列させた後、該微粒子の配列パターンをスタンパ形成材料に転写することを少なくとも含むことを特徴とするスタンパの製造方法。
(付記9) 凹凸ラインにおける凹部及び凸部の幅が、微粒子の半径をrとしたとき、(2n+1)r(ただし、前記凹部の幅は、nが1以上の整数であり、前記凸部の幅は、nが0以上の整数である)で表され、かつ凸部の高さが2r未満である付記8に記載のスタンパの製造方法。
(付記10) 微粒子の配列パターンが、引き上げ法及び遠心法のいずれかにより形成される付記8から9のいずれかに記載のスタンパの製造方法。
(付記11) 微粒子の配列パターンが、六方最密格子状である付記8から10のいずれかに記載のスタンパの製造方法。
(付記12) スタンパ形成材料が、Niである付記8から11のいずれかに記載のスタンパの製造方法。
(付記13) 微粒子の配列パターンを転写した後、スタンパ形成材料の前記配列パターンが転写された面に対して金属を蒸着することを含む付記8から12のいずれかに記載のスタンパの製造方法。
(付記14) 付記8から13のいずれかに記載のスタンパの製造方法により製造されたことを特徴とするスタンパ。
(付記15) 付記1から7のいずれかに記載のナノホール構造体を製造する方法であって、
基材上に凹凸ラインを形成し、該凹凸ライン上に微粒子をパターン状に単層配列させた後、該微粒子の配列パターンをスタンパ形成材料に転写してスタンパを作製し、該スタンパを用いて金属基材上にナノホール形成用起点を形成した後、該金属基材にナノホール形成処理を行うことを特徴とするナノホール構造体の製造方法。
(付記16) 基板上に、該基板面に対し略直交する方向にナノホールが複数形成された多孔質層を有し、該ナノホールの内部に磁性材料を有してなり、
前記多孔質層が付記1から7のいずれかに記載のナノホール構造体であることを特徴とする磁気記録媒体。
(付記17) 付記16に記載の磁気記録媒体を製造する方法であって、
基板上に、金属層を形成した後、該金属層に対しナノホール形成処理を行うことにより、該基板面に対し略直交する方向にナノホールを複数形成してナノホール構造体を形成するナノホール構造体形成工程、及び該ナノホールの内部に磁性材料を充填する磁性材料充填工程を含むことを特徴とする磁気記録媒体の製造方法。
(付記18) 付記16に記載の磁気記録媒体と、垂直磁気記録用ヘッドとを有することを特徴とする磁気記録装置。
(付記19) 付記16に記載の磁気記録媒体に対し、垂直磁気記録用ヘッドを用いて記録を行うことを含むことを特徴とする磁気記録方法。
(付記20) 磁性材料が充填されたナノホールの配列に起因する、周波数の強度変化及び信号の位相変化のいずれかを検出することによりトラッキングを行う付記19に記載の磁気記録方法。
本発明のナノホール構造体は、磁気記録媒体をはじめ、DNAチップ、診断装置、検出センサー、触媒基板、電界放出ディスプレイ等の各種分野に好適に使用することができ、特に、コンピュータの外部記憶装置、民生用ビデオ記録装置等として広く使用されているハードディスク装置等に好適に使用することができる。
本発明のナノホール構造体の製造方法は、本発明のナノホール構造体の製造に好適に使用することができる。
本発明のスタンパは、本発明のナノホール構造体の製造に好適に使用することができ、本発明のナノホール構造体を効率的に製造可能である。
本発明のスタンパの製造方法は、本発明のスタンパの製造に好適に使用することができる。
本発明の磁気記録媒体は、コンピュータの外部記憶装置、民生用ビデオ記録装置等として広く使用されているハードディスク装置等に好適に使用することができる。
本発明の磁気記録媒体の製造方法は、本発明の磁気記録媒体の製造に好適に使用することができる。
本発明の磁気記録装置は、コンピュータの外部記憶装置、民生用ビデオ記録装置等として広く使用されているハードディスク装置等として好適に使用することができる。
本発明の磁気記録方法は、トラッキングが容易で、磁気ヘッドの書込み電流を増やすことなく高密度記録及び高速記録が可能で大容量であり、オーバーライト特性に優れ、極めて高品質な記録に好適に使用することができる。
図1は、垂直記録方式による磁気記録を行っている一例を示す概念図である。 図2Aは、垂直記録方式による磁気記録の際に、磁束が拡散してしまう状態の一例を説明するための概念図である。 図2Bは、垂直記録方式による磁気記録の際に、磁束が拡散せず集中する状態の一例を説明するための概念図である。 図3は、陽極酸化アルミナポアのポア中に磁性金属を充填してなり、パターンドメディアと垂直記録方式とを併せた磁気記録媒体の一例を示す概略説明図である。 図4は、磁気記録媒体に対し、単磁極ヘッドを用いて垂直磁気記録方式により磁気記録を行っている状態の一例を示す一部断面概略説明図である。 図5Aは、凹凸ラインの幅と微粒子の配列状態との関係の一例を示す概略説明図である。 図5Bは、図5AにおけるXX断面の一の例を示す概略断面図である。 図5Cは、図5AにおけるXX断面の他の例を示す概略説明図である。 図6Aは、凹凸ラインの幅と微粒子の配列状態との関係の他の例を示す概略説明図である。 図6Bは、図6AにおけるXX断面の一の例を示す概略説明図である。 図6Cは、図6AにおけるXX断面の他の例を示す概略説明図である。 図7Aは、ダイレクトプリントによる微粒子の配列パターン転写プロセスの一例を示す概略説明図である。 図7Bは、熱インプリントによる微粒子の配列パターン転写プロセスの一例を示す概略説明図である。 図7Cは、光インプリントによる微粒子の配列パターン転写プロセスの一例を示す概略説明図である。 図7Dは、熱インプリント及び光インプリントにおけるポリマー層を剥離する工程を説明するための概略説明図である。 図7Eは、熱インプリント及び光インプリントにおける残渣処理を説明するための概略説明図である。 図7Fは、熱インプリント及び光インプリントにおけるエッチング処理を説明するための概略説明図である。 図8Aは、凹凸ラインを形成したディスク状基材の一例を示す概略説明図である。 図8Bは、微粒子を基材上に単層配列させる工程を説明するための概略説明図である。 図8Cは、凹凸ライン上に単層配列した微粒子の配列状態の一例を示す概略説明図である。 図9Aは、本発明のナノホール構造体の製造方法におけるスタンパ作製工程を説明するための工程図(その1)である。 図9Bは、本発明のナノホール構造体の製造方法におけるスタンパ作製工程を説明するための工程図(その2)である。 図9Cは、本発明のナノホール構造体の製造方法におけるスタンパ作製工程を説明するための工程図(その3)である。 図9Dは、本発明のナノホール構造体の製造方法におけるスタンパ作製工程を説明するための工程図(その4)である。 図9Eは、本発明のナノホール構造体の製造方法におけるスタンパ作製工程を説明するための工程図(その5)である。 図10Aは、本発明のナノホール構造体の製造方法におけるナノホール形成工程を説明するための工程図(その1)である。 図10Bは、本発明のナノホール構造体の製造方法におけるナノホール形成工程を説明するための工程図(その2)である。 図10Cは、本発明のナノホール構造体の表面におけるナノホールの配列状態の一例を示す概略説明図である。 図11Aは、本発明の磁気記録方法における周波数の強度変化を検出することによるトラッキング方法の一例を示す概略説明図である。 図11Bは、オントラック状態とオフトラック状態との周波数の強度変化の一例を示す概略説明図である。 図12Aは、本発明の磁気記録方法における信号の位相変化を検出することによるトラッキング方法の一例を示す概略説明図である。 図12Bは、オントラック状態とオフトラック状態との信号の位相変化の一例を示す概略説明図である。 図13は、二次元的に配列した陽極酸化アルミナポアに磁性金属を充填してなる磁気記録媒体の一例を示す概略説明図である。 図14Aは、磁気サンプルディスクAにおける磁性体配置と磁気ヘッドの検知領域との関係の一例を示す概略説明図である。 図14Bは、磁気サンプルディスクBにおける磁性体配置と磁気ヘッドの検地領域との関係の一例を示す概略説明図である。 図15Aは、磁気サンプルディスクAのシグナル強度変化の一例を示すグラフ図である。 図15Bは、磁気サンプルディスクBのシグナル強度変化の一例を示すグラフ図である。 図16は、磁気ヘッドのオフトラック率とシグナル強度との関係の一例を示すグラフ図である。 図17は、磁気ヘッドのオフトラック率とシグナル強度のピーク位置の位相との関係の一例を示すグラフ図である。 図18Aは、磁気サンプルディスクAの磁性体配置と磁気ヘッドの検知領域との関係の他の例を示し概略説明図である。 図18Bは、磁気サンプルディスクBの磁性体配置と磁気ヘッドの検知領域との関係の他の例を示す概略説明図である。 図19Aは、磁気サンプルディスクAのシグナル強度変化の他の例を示すグラフ図である。 図19Bは、磁気サンプルディスクBのシグナル強度変化の他の例を示すグラフ図である。 図20は、磁気ヘッドのオフトラック率とシグナル強度との関係の他の例を示すグラフ図である。 図21は、磁気ヘッドのオフトラック率とシグナル強度のピーク位置の位相との関係の他の例を示すグラフ図である。 図22は、本発明の磁気記録媒体と従来の磁気記録媒体とにおけるS/N比及びオーバーライト特性の比較実験データを示すグラフである。
符号の説明
10 軟磁性層
11 基板
12 下地電極層
13 アルミナ層
14 強磁性金属
20 中間層(非磁性層)
30 記録層
100 書込兼読取用ヘッド(単磁極ヘッド)
102 主磁極
104 後半部
110 基板
120 下地電極層
130 陽極酸化アルミナポア
140 強磁性層
200 微粒子
210 凹部
220 凸部
300 金属基材
310 スタンパ
320 熱可塑性ポリマー層
330 フォトポリマー層
340 フォトポリマースタンパ
400 基材
410 凹凸ライン
420 凹部
430 凸部
450 微粒子
460 光硬化ポリマー層
500 凹部
510 Cr
520 Niメッキ
530 凸部
550 スタンパ
600 基板
610 アルミニウム膜
620 ナノホール(アルミナポア)
630 多孔質層(アルマイトポア)
650 磁気ヘッド

Claims (4)

  1. ナノホールの規則配列の複数が交互に隣接してなり、隣接する前記規則配列が互いに異なるナノホール構造体の製造方法であって、
    基材上に凹凸ラインを形成し、該凹凸ライン上に微粒子をパターン状に単層配列させた後、該微粒子の配列パターンをスタンパ形成材料に転写してスタンパを作製し、
    該スタンパを用いて金属基材上にナノホール形成用起点を形成した後、該金属基材にナノホール形成処理を行うことを特徴とするナノホール構造体の製造方法。
  2. 前記ナノホール形成処理により、前記金属基材に、ナノホールの規則配列の複数が交互に隣接した状態で形成される請求項1に記載のナノホール構造体の製造方法。
  3. 前記金属基材がディスク状であり、ナノホールの規則配列が、該金属基材において、同心円状及び螺旋状の少なくともいずれかに位置するように形成された請求項1から2のいずれかに記載のナノホール構造体の製造方法。
  4. 基材上に凹凸ラインを形成し、該凹凸ライン上に微粒子をパターン状に単層配列させた後、該微粒子の配列パターンをスタンパ形成材料に転写してスタンパを作製し、
    該スタンパを用いて金属基材上にナノホール形成用起点を形成した後、該金属基板にナノホール形成処理を行うことにより、該金属基板面に対し略直交する方向にナノホールを複数形成してナノホール構造体を形成するナノホール構造体形成工程、及び該ナノホールの内部に磁性材料を充填する磁性材料充填工程を含み、
    前記ナノホール構造体が、ナノホールの規則配列の複数が交互に隣接してなり、隣接する前記規則配列が互いに異なるナノホール構造体であることを特徴とする磁気記録媒体の製造方法。
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