JP5103069B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Description

この発明は、トレッド部踏面に、略タイヤ周方向に延びる少なくとも一本の周方向溝と、これに隣接する少なくとも1列のリブ状の陸部とを具え、該リブ状陸部内に、該周方向溝から分岐し、該周方向溝と路面とで形成される管内の共鳴により発生する騒音を低減する共鳴器を配設してなる空気入りタイヤに関し、特にかかるタイヤの操縦安定性と耐偏摩耗性の向上を図る。
近年、車両の静粛化に伴って、空気入りタイヤの負荷転動に起因した自動車騒音に対する寄与が大きくなり、その低減が求められている。中でも、高周波数、特に1000Hz程度の周波数でのタイヤノイズが車外騒音の主たる原因となっており、環境問題の対応からも、その低減対策が求められている。
この1000Hz程度の周波数でのタイヤノイズは、主に気柱共鳴音により発生する。気柱共鳴音とは、トレッド部踏面の周方向に連続して延びる周方向溝と路面とによって囲曉される管内の空気の共鳴により発生する騒音であり、一般的な乗用車では800〜1200Hzの周波数領域に観測されることが多い。気柱共鳴音は、そのピークの音圧レベルが高く、周波数帯域が広いことから、空気入りタイヤから発生する騒音の大部分を占めている。
また、人間の聴覚は、1000Hz周辺の周波数帯域(A特性)で特に敏感であることから、走行時のフィーリング面での静粛性を向上させる上でも、このような気柱共鳴音の低減は有効である。
従来より、かかる気柱共鳴音の低減を目的として、周方向溝の配設本数や容積を減じたり、例えば特許文献1に記載されているように、一端だけが周方向溝に開口し、他端が陸部内で終端する長い横溝を設けて、その横溝内での***振を用いたりして、気柱共鳴音を低減することが提案されている。しかし、周方向溝の溝容積を減少させた空気入りタイヤでは、周方向溝の溝容積が不足し、排水性能が低下するおそれがある。また、特許文献1に記載の空気入りタイヤでは、長い横溝の配設が必須であることから、トレッドパターンのデザイン上の自由度が損なわれ、かつ、陸部の剛性が充分に確保されずに操縦安定性が低下するおそれがある。
これら問題の解決策として、特許文献2〜4に記載されているように、いわゆるヘルムホルツタイプの共鳴器を配設することによって、***振を用いて気柱共鳴音を低減する技術も提案されている。かかるヘルムホルツタイプの共鳴器を用いることで、周方向溝の溝容積を充分に確保して排水性能を確保しつつも、特許文献1に記載の空気入りタイヤと比較してトレッドパターンのデザイン上の自由度を向上することができる。
国際公開第04/103737号パンフレット 特開平5−338411号公報 特開2000−118207号公報 特開2001−191734号公報
こうした共鳴器は周方向溝に隣接して画定されたリブ状の陸部に配置されるが、このリブ状陸部の剛性は共鳴器のトレッド部踏面への開口形状の影響を大きく受ける。したがって、共鳴器の開口形状は、タイヤ騒音の低減のみならず他のタイヤ性能、特には操縦安定性と陸部の耐偏摩耗性にも大きく影響を及ぼす。しかし、特許文献2〜4に記載の空気入りタイヤでは、リブ状陸部の両側に位置する二本の周方向溝又は一本の周方向溝とトレッド接地端の片側にのみ開口しており、開口部側の陸部の剛性が反対側のそれに比べて大きく低下しており、開口部側の陸部の偏摩耗や操縦安定性の低下(左に操舵した場合と右に操舵した場合の応答の違い)を招くおそれがあった。
この発明は、従来技術が抱えるこのような問題点を解決することを課題とするものであり、その目的は、共鳴器の開口形状の適正化を図ることにより、気柱共鳴音の低減を前提に、操縦安定性と耐偏摩耗性を向上することのできる空気入りタイヤを提供することにある。
前記の目的を達成するため、この発明は、トレッド部踏面に、略タイヤ周方向に延びる少なくとも一本の周方向溝と、これに隣接する少なくとも1列のリブ状の陸部とを具え、該リブ状陸部内に、該周方向溝から分岐し、該周方向溝と路面とで形成される管内の共鳴により発生する騒音を低減する共鳴器を配設してなる空気入りタイヤ(以下「タイヤ」という。)において、前記共鳴器は、延在方向に直交する断面の面積が比較的大きい気室部と、該気室部から分岐し周方向溝に向かって延び、延在方向に直交する断面の面積が該気室部のそれよりも小さい少なくとも2つの枝溝部とを具え、前記共鳴器のトレッド部踏面への開口形状が、タイヤ周方向及びタイヤ幅方向の少なくとも一方に関して実質的に線対称であり、前記気室部のトレッド部踏面への開口形状が、タイヤ周方向及びタイヤ幅方向の少なくとも一方に関して実質的に線対称であり、前記気室部のトレッド部踏面への開口形状が少なくとも一つの屈曲部を有し、前記共鳴器は、これの配設されたリブ状陸部を画定する二本の周方向溝又は一本の周方向溝及びトレッド接地端に前記枝溝部を介して開口することを特徴とするものである。あるいは、この発明は、トレッド部踏面に、略タイヤ周方向に延びる少なくとも一本の周方向溝と、これに隣接する少なくとも1列のリブ状の陸部とを具え、該リブ状陸部内に、該周方向溝から分岐し、該周方向溝と路面とで形成される管内の共鳴により発生する騒音を低減する共鳴器を配設してなる空気入りタイヤにおいて、前記共鳴器は、延在方向に直交する断面の面積が比較的大きい気室部と、該気室部から分岐し周方向溝に向かって延び、延在方向に直交する断面の面積が該気室部のそれよりも小さい少なくとも2つの枝溝部とを具え、前記共鳴器のトレッド部踏面への開口形状が、タイヤ周方向及びタイヤ幅方向の双方に関して実質的に線対称であり、前記気室部のトレッド部踏面への開口形状が、タイヤ周方向及びタイヤ幅方向の少なくとも一方に関して実質的に線対称であり、前記気室部のトレッド部踏面への開口形状が少なくとも一つの屈曲部を有することを特徴とするものである。かかる構成を採用することにより、対称軸を中心とした両側において、陸部剛性及び陸部の負担する力が略均一となる。なお、ここでいう「実質的に線対称」とは、こうした陸部剛性及び陸部の負担する力の均一性に影響を与えることのない微小な非対称性をも許容することを意味するものであり、例えば気柱共鳴器の気室部及び枝溝部の幅や、枝溝部の端部の僅かな延在長さの違いによる周方向溝への連通の有無等、陸部の剛性に殆ど影響を与えない範囲の非対称性は、前記の「実質的に線対称」に含まれるものとする。さらに、「略タイヤ周方向」とは、タイヤ周方向に直線状に延びる溝のみならず、ジグザグ状又は波状に延び、タイヤ全体としてタイヤ周方向に一周する溝をいうものとする。
なお、共鳴器の種類は、気柱共鳴音を有効に低減することのできるものであれば特に限定されないが、例えばヘルムホルツタイプの共鳴器とすることができる。この場合、共鳴器は、図1に示すような形状としてモデル化することができ、その共鳴周波数fは、枝溝部2の長さと枝溝部2の開口端の補正長さとの距離の和をL、枝溝部の断面積をSとし、気室部3の容積をV、音速をcとして、
Figure 0005103069
として表すことができる。このとき、Lの値は文献によって相違するが、ここでは、枝溝部2の半径をr、長さをLとして、L=1.3r+Lとして考えるものとする。したがって、上式において、枝溝部2の断面積S、枝溝部2の長さと枝溝部2の開口端の補正長さとの和L、気室部3の容積Vを適宜に選択することで、所望の共鳴周波数fを得ることができる。
また、図2に示すように、共鳴器1の気室部3及び枝溝部2をそれぞれ第1管路4、第2管路5とみなして、それらを相互に連結した連結管路からなる段付きタイプの共鳴器とすることもでき、この場合の共鳴周波数fは、以下のようにして求めることができる。
すなわち、第1管路の延在方向に直交する断面積をS、第2管路の延在方向に直交する断面積をS、境界における第1管路4側の音響インピーダンスをZ12、境界における第2管路5側の音響インピーダンスをZ21とすると、連続の条件から次式が導かれる。
21=(S/S)・Z12
また、第2管路5の第2管路の周方向溝に開口している部分からの距離xの点における音圧Pは、境界条件を、x=0でV=Vjwtとし、x=LでP/V=Z として、次式により導かれる。
=Z・{Z21cos(k(L−x))+jZsin(k(L−x))/Zcos(kL)+ jZ21 sin(kL)}・V0jwt、(ただし、k=2πf/c)
なお、Vは第2管路5の粒子速度分布を、V0は入力点の粒子速度を、jは虚数単位を、Zcはρc(ρ:空気の密度、c:音速)をそれぞれ示す。
さらに、第1管路4の音圧Pは、境界条件を、x=L1でV1=0とし、x=LでP/V=Z21として、次式により導かれる。
=Z・[Z21cos(k(L−x))/cos(kL1)・{Zco(kL)+jZ21 sin(kL)}]・Vjwt
よって、共鳴周波数fの条件式は、共鳴の条件をx=0でP=0とした場合に、次式として導かれる。
tan(kL)tan(kL)−(S/S)=0
この共鳴の条件式に基づいてk、L、L、S、S、cを適宜に選択すれば、所望の共鳴周波数fを得ることができる。
また、共鳴器のトレッド部踏面への開口形状は、タイヤの装着側(内側、外側)の指定はないが、回転方向の指定はある場合には、タイヤ周方向に関して実質的に線対称であることが好ましく、タイヤの装着側の指定はあるが、回転方向の指定はない場合には、タイヤ幅方向に関して実質的に線対称であることが好ましい。
さらにまた、気室部のトレッド部踏面への開口形状は、円形とすることも可能であるが、本発明においては、少なくとも一つの屈曲部を有するものとする
加えて、共鳴器は、これの配設されたリブ状陸部が二本の周方向溝により画定される場
合にはこれら二本の周方向溝のそれぞれに枝溝部を介して開口、リブ状陸部が一本の周方向溝及びトレッド接地端により画定される場合にはこれら周方向溝及びトレッド接地端の双方に枝溝部を介して開口する。
あるいは、共鳴器のトレッド部踏面への開口形状は、タイヤ周方向及びタイヤ幅方向の双方に関して実質的に線対称であ、かかる構成は、特に、タイヤの装着側及び回転方向のいずれの指定もない場合に好ましい。
この発明によれば、対称軸を中心とした両側において、陸部剛性が略均一となることから操縦安定性を大幅に向上でき、かつ陸部の負担する力が略均一となることから偏摩耗の発生を有効に抑制することのできるタイヤを提供することが可能となる。
以下、図面を参照しつつ、この発明の実施の形態を説明する。図3は、この発明に従う代表的なタイヤのトレッド部の一部の平面図である。
この実施形態のタイヤでは、トレッド部踏面6に、略タイヤ周方向に延びる二本の周方向溝7a、7bによってリブ状の陸部8を画定している。このリブ状陸部8内には、周方向溝7a、7bから分岐し、周方向溝7a、7bと路面とで形成される管(気柱)内の共鳴により発生する騒音を低減する共鳴器9が設けられている。この共鳴器9は、気室部10と、気室部10から分岐し、周方向溝7a、7bに向かって延び、周方向溝7a、7bに連通する2本の枝溝部11、11とからなる。図に示したように、気室部10は、その延在方向に直交する断面の面積が比較的大きく、すなわち、枝溝部11の、これも延在方向に直交する断面の面積に比べて大きく形成されている。したがって、このタイヤでは、共鳴器9は、2つの周方向溝7a及び7bで発生する気柱共鳴音を低減する役割を果たしている。
一般に、タイヤのトレッド部内においては、相対的に陸部剛性の高い部分はより多くの制駆動力及びコーナリング力を負担し、陸部剛性の低い部分は、その逆に、制駆動力及びコーナリング力の負担が少ない。一定の接地面積で、負担できる荷重及びコーナリング力の和を大きくするには、トレッド部内の剛性分布を均一にすることが望ましく、これによって操縦安定性を向上させることができる。また、負担する力をトレッド部内で均一にすることにより、陸部の摩耗も均一化される。逆に、図15に示すような共鳴器の開口形状では、陸部剛性の分布が偏り、非対称性があり、例えば右に操舵した際の応答性と左に操舵した際の応答性に差が生じるなど、安定性が低下することになる。そこで、この発明では、共鳴器のトレッド部踏面への開口形状を実質的に線対称とすることで、ブロック剛性の均一性を保ち、操縦安定性と耐偏摩耗性の向上を図っている。
特に、装着側の指定がなく、回転方向の指定があるタイヤを車両に装着した際には、四輪それぞれのタイヤのトレッド部はタイヤ周方向の力(主に制駆動力)については同じ向きに入力を受けるが、タイヤ幅方向の力(主にコーナリング力)については左輪と右輪とで入力の方向が逆となる。このような場合には、図3に示したタイヤのように、共鳴器9のトレッド部踏面6への開口形状を、タイヤ周方向Cに関して線対称に形成し、共鳴器9によって実質的にリブが分断されて形成されるブロックのタイヤ幅方向剛性を入力の向きによらず均一化することで、左右輪の操縦安定性及び耐偏摩耗性を均一化することが可能になる。特に剛性の均一化の観点からは、図3の実施形態のように、リブ状陸部8の中心位置を通りタイヤ周方向Cに沿って延びる直線に関して共鳴器9を線対称とすることが好ましい。
また、対称軸となるタイヤ周方向Cに関して両側の陸部剛性に殆ど影響を与えない範囲において、図4に示すように、二本の枝溝部のうち、一方の枝溝部11aを陸部内で終端させ、他方の枝溝部11bのみを周方向溝7bに連通させてもよい。この場合には、共鳴器9は周方向溝7bで発生する気柱共鳴音のみを低減する。さらに、図5に示すように、対称軸となるタイヤ周方向Cに関して、一方の側(図では左側)に気室10と比較的幅の狭い枝溝部11bを配設し、他方の側(図では右側)に枝溝部11bよりは幅広の枝溝部11cを配設してもよい。しかし、共鳴器の中で気室部の占める容積は大きく、このように対称軸に対して両側で気室部の開口形状を異ならせることは、共鳴器の共鳴周波数やデザインが制約される場合がある。このような場合には、図3及び4に示すように、気室部10のトレッド部踏面への開口形状を、対称軸(図示の実施形態ではタイヤ周方向C)に関して実質的に線対称とすることが好ましい。
前述の説明から明らかなように、低い共鳴周波数を得るためには、気室部10の容積を大きくする必要がある。気室部10の容積を大きくするには、その深さ、幅、長さのいずれかを大きくすればよいが、深さを大きくすることは製造方法及び強度の点から自ずと限界があり、幅を大きくすると陸部剛性が低下することから操縦安定性の低下を招くため、タイヤの総合的な性能の観点からはいずれも好ましくない。したがって、気室部10の長さを大きくすることが有効であるが、直線状の気室部では、リブ状陸部8の幅によってその長さが制約されるが、図3に示すように、気室部10に少なくとも一つの屈曲部を設ければ、気室部10の幅を大きくすることなく、したがって陸部剛性の顕著な低下を伴うことなく、低い共鳴周波数を得ることができる。
また、前述したように、タイヤに装着側の指定がなく、回転方向の指定がある場合でも、タイヤの負荷転動時には種々の方向からの入力が加わる。そこで、図6に示すように、陸部剛性に与える影響の大きい気室部10のトレッド部踏面6への開口形状を円形とすると、陸部の偏摩耗をより一層有効に抑制することができる。
図7〜14はそれぞれ、この発明の他の実施形態を示しており、図3に示す実施形態のタイヤと同一の部分には、同一の符号を用いてその説明を省略する。
装着側の指定があり、回転方向の指定がないタイヤを車両に装着した際には、四輪それぞれのタイヤのトレッド部はタイヤ周方向の力(主に制駆動力)については左輪と右輪とで入力の方向が逆となるが、タイヤ幅方向の力(主にコーナリング力)については同じ向きに入力を受ける。このような場合には、図7〜10に示したタイヤのように、共鳴器9のトレッド部踏面6への開口形状を、タイヤ幅方向Wに関して線対称に形成し、共鳴器9によって実質的にリブが分断されて形成されるブロックのタイヤ周方向剛性を入力の向きによらず均一化することで、左右輪の操縦安定性及び耐偏摩耗性を均一化することが可能になる。
このように共鳴器9の開口形状をタイヤ幅方向Wに関して線対称に形成した場合にも、対称軸に関して両側の陸部剛性に殆ど影響を与えない範囲において、図8及び図9に示すように、枝溝部の形状を変更することができる。また、図7及び8に示すように、気室部10のトレッド部踏面への開口形状を対称軸(タイヤ幅方向W)に関して実質的に線対称とすること、図7〜9に示すように気室部10に少なくとも一つの屈曲部を設けること、図10に示すように、気室部10の開口形状を円形とすること、がそれぞれ好ましい。これらの理由は、共鳴器9の開口形状をタイヤ周方向Cに関して線対称に形成した実施形態について説明したと同様であるので、その説明は省略する。
装着側の指定も、回転方向の指定もないタイヤを車両に装着した際には、四輪それぞれのタイヤのトレッド部はタイヤ周方向の力(主に制駆動力)についても、タイヤ幅方向の力(主にコーナリング力)についても、各輪が異なる方向から入力を受ける可能性がある。このような場合には、図11〜14に示したタイヤのように、共鳴器9のトレッド部踏面6への開口形状を、タイヤ周方向C及びタイヤ幅方向Wの双方に関して線対称に形成し、共鳴器9によって実質的にリブが分断されて形成されるブロックのタイヤ周方向剛性及びタイヤ幅方向剛性を入力の向きによらず均一化することで、各輪の操縦安定性及び耐偏摩耗性を均一化することが可能になる。
このように共鳴器9の開口形状をタイヤ周方向C及びタイヤ幅方向Wに関して線対称に形成した場合にも、両対称軸に関して両側の陸部剛性に殆ど影響を与えない範囲において、図12及び図13に示すように、枝溝部11の形状を変更することができる。また、図11及び12に示すように、気室部10のトレッド部踏面への開口形状を両対称軸(タイヤ周方向C及びタイヤ幅方向W)に関して実質的に線対称とすること、図14に示すように、気室部10の開口形状を円形とすること、がそれぞれ好ましい。これらの理由は、共鳴器9の開口形状をタイヤ周方向Cに関して線対称に形成した実施形態について説明したと同様であるので、その説明は省略する。
なお、上述したところはこの発明の実施形態の一部を示したに過ぎず、この発明の趣旨を逸脱しない限り、これらの構成を交互に組み合わせたり、種々の変更を加えたりすることができる。例えば、前記の説明では、二本の周方向溝によってリブ状陸部が画定される実施形態のみを示したが、図示は省略するが、一本の周方向溝とこれに隣接するトレッド接地端により画定されるリブ状陸部に対しても、前記の説明と同様の構成の共鳴器を適用することができる。
次に、この発明に従うタイヤを試作し性能評価を行ったので、以下に説明する。
実施例1、2のタイヤは、タイヤサイズが225/55R17の乗用車用ラジアルタイヤであり、それぞれ共鳴周波数が、共鳴器を有していないタイヤの気柱共鳴音周波数である1000Hzであり、図3(実施例1)、及び図11(実施例)に示す開口形状を有する共鳴器を、リブ状陸部の周上に66個具える。
比較のため、共鳴器の開口形状がそれぞれ図15、及び図7に示すようなものであることを除いて、実施例1、2と同様に構成した比較例1、2のタイヤについても併せて試作した。
前記各供試タイヤを、サイズ7.5×17のリムに装着してタイヤ車輪とし、このタイヤ車輪に空気圧220kPa(相対圧)を適用し、次の各試験を行った。
(消音効果)
タイヤ負荷荷重5.25kNの条件下でドラム試験機上を走行させ、走行速度を40km/hから100km/hまで10km/h刻みで増加させたときの音圧レベルを、JASO C606に定める条件で測定し、1/3Octave Band 中心周波数800−1000−1250Hz帯域のPartial Overall値により共鳴器の消音効果を評価した。その結果、各実施例のタイヤの消音効果は従来例のタイヤの消音効果と同等であることが分かった。
(操縦安定性)
前記各タイヤ車輪をテスト車両に装着し、2名乗車相当の荷重条件で、長い直線部分を含む周回路及び緩やかなカーブの多いハンドリング評価路等からなるテストコースを、低速から100km/h程度までの、公道で一般的なドライバーが経験する速度域で走行し、ドライ路面における操縦安定性をプロのドライバーにより10点満点でフィーリング評価した。このとき、実施例1のタイヤは図3の上方向が回転方向となるように、比較例2のタイヤは図7の右側が車両外側となるように装着した。その評価結果を表1に示す。
(耐偏摩耗性)
前記各タイヤ車輪をテスト車両に装着し、2名乗車相当の荷重条件で、一般道路、高速道路、山道を含むコースを10,000km走行した後、共鳴器を配設したリブ状陸部における最も摩耗の大きい部分と最も摩耗の少ない部分との摩耗量の差(段差量)を測定し、左右輪における段差量の差を算出し、耐偏摩耗性を評価した。この段差量の差を表1に示す。なお、左右輪における段差量の差が小さいほど耐偏摩耗性に優れている。
Figure 0005103069
図1に示す結果から明らかなように、実施例1、2のタイヤは、比較例のタイヤに比べて、操縦安定性及び耐偏摩耗性が向上している。
以上の説明から明らかなように、この発明によって、気柱共鳴音の消音効果を維持しつつ、操縦安定性と耐偏摩耗性を向上することのできる空気入りタイヤを提供することが可能となった。
ヘルムホルツタイプの共鳴器を模式的に示す図である。 段付きタイプの共鳴器を模式的に示す図である。 この発明に従う代表的なタイヤのトレッド部の一部の平面図である。 基本的なタイヤのトレッド部の一部の平面図である。 基本的なタイヤのトレッド部の一部の平面図である。 基本的なタイヤのトレッド部の一部の平面図である。 比較例2のタイヤのトレッド部の一部の平面図である。 基本的なタイヤのトレッド部の一部の平面図である。 基本的なタイヤのトレッド部の一部の平面図である。 基本的なタイヤのトレッド部の一部の平面図である。 この発明に従う他のタイヤのトレッド部の一部の平面図である。 この発明に従う他のタイヤのトレッド部の一部の平面図である。 基本的なタイヤのトレッド部の一部の平面図である。 基本的なタイヤのトレッド部の一部の平面図である。 比較例のタイヤのトレッド部の一部の平面図である。
符号の説明
1 共鳴器
2 枝溝部
3 気室部
4 第1管路
5 第2管路
6 トレッド部踏面
7a、7b 周方向溝
8 リブ状陸部
9 共鳴器
10 気室
11、11a、11b、11c 枝溝部

Claims (4)

  1. トレッド部踏面に、略タイヤ周方向に延びる少なくとも一本の周方向溝と、これに隣接する少なくとも1列のリブ状の陸部とを具え、該リブ状陸部内に、該周方向溝から分岐し、該周方向溝と路面とで形成される管内の共鳴により発生する騒音を低減する共鳴器を配設してなる空気入りタイヤにおいて、
    前記共鳴器は、延在方向に直交する断面の面積が比較的大きい気室部と、該気室部から分岐し周方向溝に向かって延び、延在方向に直交する断面の面積が該気室部のそれよりも小さい少なくとも2つの枝溝部とを具え、
    前記共鳴器のトレッド部踏面への開口形状が、タイヤ周方向及びタイヤ幅方向の少なくとも一方に関して実質的に線対称であり、
    前記気室部のトレッド部踏面への開口形状が、タイヤ周方向及びタイヤ幅方向の少なくとも一方に関して実質的に線対称であり、
    前記気室部のトレッド部踏面への開口形状が少なくとも一つの屈曲部を有し、
    前記共鳴器は、これの配設されたリブ状陸部を画定する二本の周方向溝又は一本の周方向溝及びトレッド接地端に前記枝溝部を介して開口することを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 前記共鳴器のトレッド部踏面への開口形状は、タイヤ周方向及びタイヤ幅方向の双方に関して実質的に線対称である、請求項に記載の空気入りタイヤ。
  3. トレッド部踏面に、略タイヤ周方向に延びる少なくとも一本の周方向溝と、これに隣接する少なくとも1列のリブ状の陸部とを具え、該リブ状陸部内に、該周方向溝から分岐し、該周方向溝と路面とで形成される管内の共鳴により発生する騒音を低減する共鳴器を配設してなる空気入りタイヤにおいて、
    前記共鳴器は、延在方向に直交する断面の面積が比較的大きい気室部と、該気室部から分岐し周方向溝に向かって延び、延在方向に直交する断面の面積が該気室部のそれよりも小さい少なくとも2つの枝溝部とを具え、
    前記共鳴器のトレッド部踏面への開口形状が、タイヤ周方向及びタイヤ幅方向の双方に関して実質的に線対称であり、
    前記気室部のトレッド部踏面への開口形状が、タイヤ周方向及びタイヤ幅方向の少なくとも一方に関して実質的に線対称であり、
    前記気室部のトレッド部踏面への開口形状が少なくとも一つの屈曲部を有することを特徴とする空気入りタイヤ。
  4. 前記共鳴器は、これの配設されたリブ状陸部を画定する二本の周方向溝又は一本の周方向溝及びトレッド接地端に前記枝溝部を介して開口する、請求項に記載の空気入りタイヤ。
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