JP5193549B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Description

この発明は、トレッド部に、タイヤ周方向に沿って延びる少なくとも一本の周方向溝と、これに隣接する少なくとも一列のリブ状の陸部とを具え、該リブ状陸部内に、該周方向溝に開口する枝溝と、該枝溝を介して該周方向溝と連通し該枝溝よりも断面積が大きい気室部とで構成され、かつ該周方向溝に起因する騒音を減ずる共鳴器を配設してなる空気入りタイヤに関するものであり、特に、かかる共鳴器の配設に起因するリブ状陸部の偏摩耗の低減及び操縦安定性の向上を図る。
近年、車両の静粛化に伴って、空気入りタイヤの負荷転動に起因した自動車騒音に対する寄与が大きくなり、その低減が求められている。中でも、高周波数、特に、1000Hz周辺のタイヤノイズが車外騒音の主たる原因となっており、環境問題の対応からも、その低減対策が求められている。
この1000Hz周辺のタイヤノイズとは、主にタイヤ周方向に沿って延びる周方向溝と、トレッド部の接地域内の路面とによって形成される管内の空気の共鳴によって発生する、いわゆる気柱共鳴音のことであり、一般的な乗用車では800〜1200Hz程度に観測されることが多く、ピークの音圧レベルが高く、周波数帯域が広いことから、空気入りタイヤから発生する騒音の大部分を占めることとなる。また、人間の聴覚は、1000Hz周辺の周波数帯域(A特性)で特に敏感であることから、走行時のフィーリング面での静粛性を向上させる上でも、このような気柱共鳴音の低減は有効である。
かかる気柱共鳴音を低減するためには、周方向溝の配設本数や溝容積を減じることが有効ではあるが、このようにした場合、周方向溝の溝容積が不足する結果、排水性能が低下するおそれがある。周方向溝の配設本数や溝容積を減じることなく気柱共鳴音の低減を図るべく、特許文献1には、周方向溝によって形成されたリブ状陸部内に、一端が周方向溝に開口し、他端が陸部内で終端する長い横溝(気柱共鳴器)を設け、その横溝内での***振を用いて気柱共鳴音を低減させることが可能な空気入りタイヤが開示されている。しかし、特許文献1に開示された空気入りタイヤでは、振幅の大きさに対応した長い横溝の配設が必須であることから、トレッドパターンのデザイン上の自由度が損なわれる。
これら問題の解決策として、特許文献2に開示されているように、周方向溝に開口するサイプ(枝溝)と、その枝溝につながる共鳴室(気室部)とから構成された、いわゆるヘルムホルツ型の共鳴器によって、気柱共鳴音の共鳴周波数付近のエネルギを吸収する技術が提案されている。これにより、周方向溝の溝容積を充分に確保して、排水性能等を確保しつつも、特許文献1に記載の空気入りタイヤと比較してトレッドパターンのデザイン上の自由度を向上させることが可能となる。
国際公開第04/103737号パンフレット 特開平5−338411号公報
しかし、特許文献2に記載の空気入りタイヤでは、枝溝は、気室部から直線状に延びているため、気室部の寸法を大きくしたり、枝溝の長さを長くしたりするのが難しく、この結果、低減することのできる気柱共鳴音の周波数帯域も限定されてしまうという問題があった。また、図7に示すように、十分な枝溝107の長さを確保するため、枝溝107をタイヤ周方向103に対して傾斜させて延ばすと、枝溝107と周方向溝103とに挟まれた部分に先鋭部110が形成され、かかる部分の剛性が低下する。その結果、路面接地時には当該部分が倒れ込んで路面との接触から逃げてしまうので、この挟まれた部分のみ局部的に摩耗が遅くなり偏摩耗の問題が生じる上、剛性低下により操縦安定性も低下するという懸念もある。
したがって、この発明は、これらの問題点を解決することを課題とするものであり、その目的は、共鳴器の形状の適正化を図ることにより、共鳴器により気柱共鳴音を低減可能とすることを前提に耐偏摩耗性及び操縦安定性を向上可能な空気入りタイヤを提供することにある。
前記の目的を達成するため、第1の発明は、トレッド部に、タイヤ周方向に沿って延びる少なくとも一本の周方向溝と、これに隣接する少なくとも一列のリブ状の陸部とを具え、該リブ状陸部内に、該周方向溝に開口する枝溝と、該枝溝を介して該周方向溝と連通し該枝溝よりも断面積が大きい気室部とで構成されて該周方向溝に起因する騒音を減ずる共鳴器を配設してなる空気入りタイヤにおいて、前記枝溝は、少なくとも1つの屈曲部を有し、かつ前記枝溝が前記周方向溝に開口する開口端にて、前記枝溝の中心線とタイヤ周方向とのなす角度は、45度以上90度以下の範囲内にあることを特徴とする空気入りタイヤである。ここで、「周方向溝」とは、タイヤ周方向に沿って直線状に延びる溝のみならず、ジグザグ状又は波状に延び、タイヤ全体として周方向に一周する溝をいうものとする。また、「枝溝の中心線とタイヤ周方向とのなす角度」とは、枝溝の中心線とタイヤ周方向とが交差してできる交差角のうち、鋭角側から測定したときの角度を意味する。かかる構成を採用することにより、従来のように枝溝を直線状に延ばす場合に比べ、枝溝の長さを長くすることが可能となるので、タイヤノイズの周波数に対応可能な共鳴周波数の周波数帯域を拡大することができるとともに、トレッドパターンのデザイン上の自由度を向上させることができる。さらに、枝溝が周方向溝に開口する開口端にて、枝溝の中心線とタイヤ周方向とのなす角度を、45度以上90度以下の範囲内とすることで、枝溝と周方向溝とに挟まれた部分に先鋭部が形成されず、かかる部分の剛性を増大させることができる。従って、かかる部分は路面接地時においても倒れ込むことなく路面と確実に接触し、接地圧は均一に保たれることから操縦安定性と耐偏摩耗性は向上する。
他の発明は、トレッド部に、タイヤ周方向に沿って延びる少なくとも一本の周方向溝と、これに隣接する少なくとも一列のリブ状の陸部とを具え、該リブ状陸部内に、該周方向溝に開口する枝溝と、該枝溝を介して該周方向溝と連通し該枝溝よりも断面積が大きい気室部とで構成されて該周方向溝に起因する騒音を減ずる共鳴器を配設してなる空気入りタイヤにおいて、前記枝溝は、少なくとも1つの湾曲部を有し、かつ前記枝溝が前記周方向溝に開口する開口端にて、前記枝溝の中心線とタイヤ周方向とのなす角度は、45度以上90度以下の範囲内にあることを特徴とする空気入りタイヤである。ここで、枝溝の中心線が曲線の場合には、「枝溝の中心線とタイヤ周方向のなす角度」は、枝溝の中心線の接線とタイヤ周方向とのなす角度をいうものとする。かかる構成を採用することにより、従来のように枝溝を直線状に延ばす場合に比べ、枝溝の長さを長くすることが可能となるので、タイヤノイズの周波数に対応可能な共鳴周波数の周波数帯域を拡大することができるとともに、トレッドパターンのデザイン上の自由度を向上させることができる。さらに、枝溝が周方向溝に開口する開口端にて、枝溝の中心線とタイヤ周方向とのなす角度を、45度以上90度以下の範囲内とすることで、枝溝と周方向溝とに挟まれた部分に先鋭部が形成されず、かかる部分の剛性を増大させることができる。従って、かかる部分は路面接地時においても倒れ込むことなく路面と確実に接触し、接地圧は均一に保たれることから操縦安定性と耐偏摩耗性は向上する。
また、枝溝は、リブ状陸部のタイヤ幅方向端であって枝溝の開口端を有する側から他側に向かって枝溝の深さの少なくとも0.8倍の距離の領域内にて、その中心線とタイヤ周方向とのなす角度が、45度以上90度以下の範囲内にあることが好ましい。
さらに、開口端における枝溝の中心線とタイヤ周方向とのなす角度は、60度以上であることが好ましい。
これら発明によれば、共鳴器により気柱共鳴音を低減可能とすることを前提に耐偏摩耗性及び操縦安定性を向上可能な空気入りタイヤを提供することが可能となる。
以下、この発明の実施の形態を図面に基づき説明する。ここに図1は、この発明に従う空気入りタイヤ(以下「タイヤ」という)のトレッド部の要部を拡大して示す拡大平面図である。
図1に示すタイヤは、トレッド部1に、タイヤ周方向に沿って延びる周方向溝3と、これに隣接するリブ状陸部5とを具える。さらにこのタイヤは、リブ状陸部5内に、周方向溝3に開口する枝溝7と、この枝溝7を介して周方向溝3と連通する気室部9とで構成され、周方向溝3と路面とで形成される管内の共鳴により発生する騒音を減ずる共鳴器11を有する。気室部9は、その中心線C1と直交する面内の断面積が、枝溝7の、中心線C2と直交する面内の断面積よりも大きくなるよう形成されている。
共鳴器11は、気室部9及び枝溝7がともに路面によって密閉された状態の下では、図2(a)に模式的に示すようなヘルムホルツ型の共鳴器を形成することになり、その共鳴周波数fは、枝溝7の長さをl、枝溝7の半径をr、枝溝7の断面積をSとするとともに気室部9の容積をV、音速をcとしたとき、
Figure 0005193549
として表すことができるので、この共鳴周波数fは、周方向溝3の気柱共鳴周波数との関連の下で、枝溝7の長さにl、枝溝7の断面積をS(半径r)及び気室部9の容積Vの大きさを選択的に変えることによって、所要に応じて変化させることができる。
なお、枝溝7の断面形状が円形ではない場合は、上記の式中の半径rは、該枝溝7の断面積を基にして逆算することによって求められる。また、式中の係数「1.3」は文献によっては異なる値が存在するが、一般的には実験式から求めることが可能で、この発明においても一つの係数として用いるものとする。
また、気室部9は、その深さ方向の全体に亘って、開口面積と同一の横断面積を有するものを適用することができるが、深さ方向に向けて当該横断面積が漸増もしくは漸減するものを適用してもよい。また、気室部9の底壁は実質的に平坦面としてもよく、あるいは開口側に向けて凸もしくは凹状の曲面とすることもできる。
さらに、図示例のタイヤでは、気室部9の、リブ状陸部5表面への開口形状は矩形であるが、この開口形状はこれに限定されず多角形と、円形と、楕円形と、その他の閉鎖曲線形状と、不規則な閉鎖形状等を適用することができる。
そして、この発明の構成上の主な特徴は、図1に示すように、枝溝7は、気室部9と、周方向溝3に開口する開口端13との間に屈曲部15を有し、さらにかかる開口端13にて、枝溝7の中心線C2とタイヤ周方向とのなす角度θが、45度以上90度以下の範囲内にあることである。かかる屈曲部15は、枝溝7に少なくとも1つあればよく、共鳴周波数をタイヤノイズの周波数に対応させるべく適宜増減することができる。また、屈曲部15の角度も特に指定はなく、デザイン上の都合等により適宜設定することができる。
図1に示す実施形態のタイヤによれば、枝溝7は、従来のように気室部から直線状に延びて周方向溝に開口するのでなく、気室部9から屈曲部15を経て周方向溝3に開口することから、従来に比べ、枝溝7の長さを長くすることが可能となる。この結果、タイヤノイズの周波数に対応可能な共鳴周波数の周波数帯域を拡大することができるとともに、トレッドパターンのデザイン上の自由度を向上させることができる。さらに、枝溝7が周方向溝3に開口する開口端13にて、枝溝7の中心線C2とタイヤ周方向とのなす角度θを、45度以上90度以下の範囲内とすることで、枝溝7と周方向溝3とに挟まれた部分に先鋭部が形成されず、かかる部分の剛性を増大させることができる。従って、かかる部分は路面接地時においても倒れ込むことなく路面と確実に接触し、接地圧は均一に保たれることから操縦安定性と耐偏摩耗性は向上する。
次いで、他の形態について説明する。ここで、図3は、他のタイヤのトレッド部の要部を拡大して示す拡大平面図である。なお、図1に示した実施形態のタイヤと同様の部材には同一の符号を付して説明する。
図3に示すタイヤは、トレッド部1に、タイヤ周方向に沿って延びる周方向溝3と、これに隣接するリブ状陸部5とを具える。さらにこのタイヤは、リブ状陸部5内に、周方向溝3に開口する枝溝17と、この枝溝17を介して周方向溝3と連通する気室部9とで構成され、周方向溝3と路面とで形成される管内の共鳴により発生する騒音を減ずる共鳴器19を有する。気室部9は、その中心線C1と直交する面内の断面積が、枝溝17の、中心線C2と直交する面内の断面積よりも大きくなるよう形成されている。
図示例の共鳴器19は、先の実施形態のタイヤのものと同様にヘルムホルツ型の共鳴器であり、その説明を省略する。
そして、この発明の構成上の主な特徴は、図3に示すように、枝溝17は、気室部9と、周方向溝3に開口する開口端との間に湾曲部21を有し、さらにかかる開口端13にて、枝溝17の中心線C2とタイヤ周方向とのなす角度θが、45度以上90度以下の範囲内にあることである。かかる湾曲部21は、枝溝17に少なくとも1つあればよく、共鳴周波数をタイヤノイズの周波数に対応させるべく適宜増減することができる。また、湾曲部21の曲率半径も特に指定はなく、デザイン上の都合等により適宜設定することができる。
図3に示す実施形態のタイヤによれば、枝溝17は、従来のように気室部から直線状に延びて周方向溝に開口するのでなく、気室部9から湾曲部21を経て周方向溝3に開口することから、従来に比べ、枝溝17の長さを長くすることが可能となる。この結果、タイヤノイズの周波数に対応可能な共鳴周波数の周波数帯域を拡大することができるとともに、トレッドパターンのデザイン上の自由度を向上させることができる。さらに、枝溝17が周方向溝3に開口する開口端13にて、枝溝17の中心線C2とタイヤ周方向とのなす角度を、45度以上90度以下の範囲内とすることで、枝溝17と周方向溝3とに挟まれた部分に先鋭部が形成されず、かかる部分の剛性を増大させることができる。従って、かかる部分は路面接地時においても倒れ込むことなく路面と確実に接触し、接地圧は均一に保たれることから操縦安定性と耐偏摩耗性は向上する。
なお、図1及び図3に示すように、枝溝7、17は、リブ状陸部5のタイヤ幅方向端であって枝溝7、17の開口端13を有する側23から他側に向かって枝溝7、17の深さの少なくとも0.8倍の距離の領域内にて、その中心線C2とタイヤ周方向とのなす角度が、45度以上90度以下の範囲内にあることが好ましい。一般に、トレッドゴムで形成された図4(a)に示すようなゴムブロックの剛性は、その幅をW、高さをHとした場合に、W/Hが増大するに伴い、図4(b)に示すように増大し、W/Hが0.8あたりに達した時点でその増大が緩やかになり、W/Hが1.0あたりで概ね飽和に達する。従って、このように、リブ状陸部5のタイヤ幅方向端であって枝溝7、17の開口端13を有する側23から他側に向かって枝溝7の深さの少なくとも0.8倍の距離の領域内にて、その中心線C2とタイヤ周方向とのなす角度θを、45度以上90度以下の範囲内にすることにより、枝溝7、17と周方向溝3とに挟まれた部分の剛性をより効果的に確保することができる。
また、開口端13における枝溝7、17の中心線C2とタイヤ周方向とのなす角度θは、60度以上であることが好ましい。これによれば、枝溝7、17と周方向溝3とに挟まれた部分の剛性をより大きくすることができ、操縦安定性と耐偏摩耗性を一層向上させることができる。
さらに、枝溝7、17の中心線C2とタイヤ周方向とのなす角度θを、45度以上90度以下の範囲内とする領域Zinは、リブ状陸部5のタイヤ幅方向端であって枝溝7、17の開口端13を有する側23から他側に向かって枝溝7、17の深さの2倍の距離以下とすること好ましい。かかる領域Zinを枝溝7、17の深さの2倍よりも大きくしても、先に図4で説明したように枝溝7、17と周方向溝3とに挟まれた部分の剛性増大への効果は少なく、またタイヤ性能を確保しつつ枝溝7、17の長さを確保するのが困難になるおそれがあるからである。
さらに、図1及び3に示すように、枝溝7、17の開口端13を含む、枝溝7、17の中心線C2とタイヤ周方向とのなす角度を45度以上90度以下の範囲内とする領域Zin外の領域ZOUT内における枝溝7、17の中心線C2とタイヤ周方向とのなす角度θoutは、領域Zin内における枝溝7の中心線C2とタイヤ周方向とのなす角度θよりも小さくすることが好ましい。このようにすれば、設計上必要となる枝溝7、17の長さを容易に確保することができるとともに、路面接地時に枝溝7、17の溝縁が路面に同時に当接することがなく、操縦安定性と耐偏摩耗性を確保しつつ、枝溝7、17の溝縁が路面を叩くことにより生じるピッチノイズを低減することができる。
なお、上述したところは、この発明の実施形態の一部を示したに過ぎず、この発明の趣旨を逸脱しない限り、これらの構成を相互に組み合わせたり、種々の変更を加えたりすることができる。例えば、共鳴器11、19は、枝溝7、17と、該枝溝7、17を介して該周方向溝3と連通し該枝溝7、17よりも断面積が大きい気室部9とで構成すればよく、上述したヘルムホルツ型の共鳴器11、19に代えて、図2(b)に示すように気室部9及び枝溝7、17をそれぞれ第一管路9’、第二管路7’、17’とみなしてそれらを相互に連結した連結管路からなる段付き管型の共鳴器を適用することもでき、この場合には、以下の説明のようにして共鳴周波数fを求めることができる。
段付き管型の共鳴器につき、境界における第一管路9’側の音響インピーダンスをZ12、境界における第二管路7’、17’側の音響インピーダンスをZ21、第一管路9’の断面積をS、第二管路7’、17’の断面積をSとすると、連続の条件から、
21=(S/S)・Z12
との関係が成り立つ。
第二管路7’、17’について、境界条件を、x=0でV=Vjwt、x=lでP/V=Z21とすると、第二管路7’、17’の開口からの距離xの位置のおける音圧Pは、
=Z・{(Z21cos(k(l−x))+jZsin(k(l−x)))/(Zcos(kl)+jZ21sin(kl))}・Vjwt
と表される。ここに、lは、第二管路7’、17’の長さ、Vは、第二管路7’、17’の粒子速度分布、Vは、入力点の粒子速度、jは、虚数単位、Zは、ρc(ρは、空気の密度、cは、音速)、kは、2πf/cである。
また、第一管路9’について、境界条件を、x=lでV=0、x=0でP=Pとすると、第一管路9’の開口からの距離xの位置のおける音圧Pは、
=Z・〔Z21cos(k(l−x))/(cos(kl)・{Zcos(kl)+jZ21sin(kl)})〕・ejwt
と表される。ここに、lは、第一管路9’の長さである。
ここで、共鳴の条件 x=0でP=0より、
tan(kl)tan(kl)−(S/S)=0 となり、この共鳴の条件式に基づいて、k、l、l、S、S、cを決定して共鳴周波数fを求めることができる。
段付き管型の共鳴器は、図示の例では、直方体になる管路を組み合わせたものを示したが、上記の条件式で共鳴周波数を求めるには各管路の断面積及び長さを決定すればよいので、管路の形状は直方体に限定されることはなく種々の形状のものを適用し得る。
また、第二管路7’、17’の一端は周方向溝3の溝壁で開口していることが不可欠となるが、第一管路9’、第二管路7’、17’は、トレッド踏面の接地面内で路面との接触により閉鎖空間を形成することになるので、その上端をリブの表面で開口させておくことが可能であり、この点についても限定されることはない。
次に、この発明に従うタイヤを試作し性能評価を行ったので、以下に説明する。
性能評価では、共鳴器の形状の違いが操縦安定性及び耐偏摩耗性に与える影響を調べた。実施例1〜6のタイヤは何れも、第1発明に従うタイヤであり、タイヤサイズが225/55R17の乗用車用ラジアルタイヤであり、図5に示すように、トレッド部に、タイヤ周方向に延びる4本の周方向溝と、これらに隣接するリブ状陸部とを具える。周方向溝は幅が10mm、深さが8mmである。また、これらのタイヤは、各リブ状陸部内に図1に示す形状の共鳴器を周上にわたって60個有し、それぞれの共鳴器の寸法は何れも、気室部の長手方向の長さが18mm、気室部の幅が6mm、気室部の深さが7mm、枝溝の長さが6mm、枝溝の幅が1mm、枝溝の深さが2mmであり、共鳴器の共鳴周波数は1061Hzである。枝溝は、1つの屈曲部を有する。枝溝が周方向溝に開口する開口端にて、枝溝の中心線とタイヤ周方向とのなす角度及び、かかる角度で傾斜して延びる枝溝部分の、開口端からの距離を表1に示す。
参考例7〜12のタイヤは何れも、タイヤサイズが225/55R17の乗用車用ラジアルタイヤであり、図6に示すように、トレッド部に、タイヤ周方向に延びる4本の周方向溝と、これらに隣接するリブ状陸部とを具える。周方向溝は幅が10mm、深さが8mmである。また、これらのタイヤは、各リブ状陸部内に図3に示す形状の共鳴器を周上にわたって60個ずつ有し、それぞれの共鳴器の寸法は何れも、気室部の長手方向の長さが18mm、気室部の幅が6mm、気室部の深さが7mm、枝溝の長さが6mm、枝溝の幅が1mm、枝溝の深さが2mmであり、共鳴器の共鳴周波数は1061Hzである。枝溝は、1つの湾曲部を有する。枝溝が周方向溝に開口する開口端にて、枝溝の中心線とタイヤ周方向とのなす角度範囲及び、かかる角度範囲で傾斜して延びる枝溝部分の、開口端からの距離を表1に示す。
比較のため、共鳴器の形状を除いて実施例1〜6参考例7〜12のタイヤと同一の構成を有する比較例1のタイヤについても併せて試作した。共鳴器は、図7に示す形状を有し、それぞれの共鳴器の寸法は何れも、気室部の長手方向の長さが18mm、気室部の幅が6mm、気室部の深さが7mm、枝溝の長さが6mm、枝溝の幅が1mm、枝溝の深さが2mmであり、共鳴器の共鳴周波数は1061Hzである。
Figure 0005193549
前記各供試タイヤを、サイズ7.5J×17のリムに装着し、空気圧220kPa(相対圧)を適用したのち実験及び各供試タイヤ毎に乗用車に組み付け二名乗車相当の負荷荷重条件にて以下の実験及び評価を行った。
(操縦安定性)
長い直線部分を含む周回路及び緩やかなカーブの多いハンドリング評価路等を有するテストコース内を、低速から100km/h程度までの、公道上で一般的なドライバーが経験する速度域で実車走行し、ドライ路面における操縦安定性についてプロのドライバーが10点満点のフィーリング評価を行った。その評価結果を表2に示す。この数値が大きいほど操縦安定性が優れていることを意味する。
(耐偏摩耗性)
一般道路、高速道路及び山道を含むコースを10,000km走行した後、共鳴器を配置した各リブ状陸部において最も摩耗の多い部分と、最も摩耗の少ない部分との段差量を測定する。この段差量の平均値を算出し、その数値が小さいほど耐偏摩耗性が良好であると判断する。その評価結果を表2に示す。
Figure 0005193549
表2に示す結果から明らかなように、共鳴器の枝溝に屈曲部又は湾曲部を設け、枝溝が周方向溝に開口する開口端にて、枝溝の中心線とタイヤ周方向とのなす角度を45度以上90度以下の範囲内とすることにより、操縦安定性及び耐偏摩耗性を向上させることが可能であることが確認された。また、枝溝の中心線とタイヤ周方向とのなす角度が大きいほど、又はかかる角度で傾斜して延びる枝溝部分の、開口端からの距離が大きいほど操縦安定性及び耐偏摩耗性は一層向上することが確認される。
以上の説明から明らかなように、この発明によって、共鳴器により気柱共鳴音を低減可能とすることを前提に耐偏摩耗性及び操縦安定性を向上可能な空気入りタイヤを提供することが可能となった。
この発明に従う空気入りタイヤのトレッド部の要部を拡大して示す拡大平面図である。 この発明に適用可能な共鳴器を模式的に示した図であり、(a)は、ヘルムホルツ型の共鳴器、(b)は、段付き管型の共鳴器である。 他の空気入りタイヤのトレッド部の要部を拡大して示す拡大平面図である。 (a)は、トレッドゴムで形成されたゴムブロックの模式図であり、(b)は、ゴムブロックの幅及び深さと、剛性との関係を示すグラフである。 第1発明に従う実施例のタイヤのトレッドパターンを示す図である。 参考例のタイヤのトレッドパターンを示す図である。 比較例1のタイヤのトレッド部の要部を拡大して示す拡大平面図である。
符号の説明
3 周方向溝
5 リブ状陸部
7、17 枝溝
9 気室部
11、19 共鳴器
13 開口端
15 屈曲部
21 湾曲部

Claims (3)

  1. トレッド部に、タイヤ周方向に沿って延びる少なくとも一本の周方向溝と、これに隣接する少なくとも一列のリブ状の陸部とを具え、該リブ状陸部内に、該周方向溝に開口する枝溝と、該枝溝を介して該周方向溝と連通し該枝溝よりも断面積が大きい気室部とで構成されて該周方向溝に起因する騒音を減ずる共鳴器を配設してなる空気入りタイヤにおいて、
    前記枝溝は、少なくとも1つの屈曲部を有し、かつ
    前記枝溝が前記周方向溝に開口する開口端にて、前記枝溝の中心線とタイヤ周方向とのなす角度は、45度以上90度以下の範囲内にあることを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 前記枝溝は、前記リブ状陸部のタイヤ幅方向端であって前記枝溝の前記開口端を有する側から他側に向かって前記枝溝の深さの少なくとも0.8倍の距離の領域内にて、その中心線とタイヤ周方向とのなす角度が、45度以上90度以下の範囲内にある、請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記開口端における前記枝溝の中心線とタイヤ周方向とのなす角度は、60度以上である、請求項1又は2に記載の空気入りタイヤ。
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