JP5103042B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Description

この発明は、空気の他、窒素ガスその他の不活性ガスの充填封入をも可とする空気入りタイヤ、なかでも乗用車用タイヤに関するものであり、とくには、トレッド踏面の周方向に、直線状もしくはジグザグ状に連続して延びる主溝によって発生される気柱共鳴音を、共鳴器の作用下で有効に低減させる技術を提案するものである。
気柱共鳴音とは、トレッド踏面の周方向に連続して延びる主溝と、トレッド踏面接地域内の路面とによって囲繞される管内の空気の共鳴によって発生される騒音であり、この気柱共鳴音の周波数は、一般的な乗用車では800〜1200Hz程度に観測されることが多く、ピークの音圧レベルが高く、周波数帯域が広いことから、タイヤの発生騒音の大きな部分を占めることになる。
また、人間の聴覚は、上記の周波数帯域でとくに敏感であるので、フィーリング面での静粛性を向上させる上においても、気柱共鳴音の低減は有効である。
そこで、気柱共鳴音の低減を目的として、主溝の容積を減じることが広く行われている他、主溝内にそれを遮るような、いわゆるグルーブフェンスを設けることが提案されており、また、特許文献1に開示されているように、一端だけが主溝に開口し、他端が陸部内で終了する長い横溝からなる共鳴器を設けて、その横溝内での***振を用いて気柱共鳴音を低減させる技術、特許文献2、3に記載されているように、ヘルムホルツ共鳴器によって、気柱共鳴音の共鳴周波数付近のエネルギーを吸収する技術も提案されている。
国際公開04/103737号パンフレット 特開平5−338411号公報 特開2000−118207号公報
しかるに、主溝の溝容積を減少させることおよび、主溝内にグルーブフェンスを設けること等によっては、排水性能の低下が余儀なくされることになって、ウェット路面での操縦安定性の低下、耐ハイドプレーニング性能の低下のおそれが高いという問題があった。
また、特許文献1〜3のそれぞれに記載されたところでは、いずれも、相互に独立して延在する周方向主溝に共鳴器を直接的に開口させるとともに、接地面内に常に一個以上の共鳴器が含まれるようにそれぞれの共鳴器を配設していることから、トレッドパターンのデザイン上の自由度が小さい他、各主溝に、減音効果を最大限に発揮させるに必要な、共鳴周波数の異なる複数個の共鳴器を配設することが難しいという問題があり、しかも、これらの特許文献では、周方向主溝の相互を、横溝等をもって連通させることは、連通された各主溝が同じ共鳴周波数で共鳴してピーク値を増大させることになるため、気柱共鳴に対しては不利であるとの観点から、隣接する主溝のそれぞれに開口する横溝を作為的に省いているため、排水性能の低さが否めないという問題もあった。
この発明は、従来技術が抱えるこのような問題点を解決することを課題とするものであり、それの目的とするところは、排水性能の有効なる向上を担保する一方で、複数個の共鳴器を複数本の主溝に共用させることで、トレッドパターンのデザイン上の自由度を高めてなお、各主溝に対して共鳴周波数の異なる複数個の共鳴器を同時に機能させて、気柱共鳴音を効果的に低減させることができる空気入りタイヤを提供するにある。
この発明に係る空気入りタイヤは、トレッド踏面に、その周方向に連続して延びる、直線状、ジグザグ状等の延在形態の複数本の主溝を設けるとともに、相互に隣接する二本の以上の主溝に開口する横溝を設け、一端が主溝もしくは横溝に開口して他端が陸部内で終了する、他の主溝および横溝からは独立した、共鳴周波数が相互に異なる複数種類の共鳴器を設け、主溝に開口する横溝を、適用リムに装着したタイヤに規定の空気圧を充填し、そのタイヤに規定の質量の80%の負荷を作用させた状態で、接地面内に一本以上が常に完全に含まれる配設態様とし、それぞれの共鳴器を、適用リムに装着したタイヤに規定の空気圧を充填し、そのタイヤに規定の質量の80%の負荷を作用させた状態で、接地面内に、共鳴周波数の異なる複数個の共鳴器が常に完全に含まれる配設態様としたものである。
ここで「横溝」とは、トレッド踏面の幅方向に延在する溝の他、そのトレッド踏面幅方向に対していずれかの向きに傾いて延在する傾斜溝をも含むものとする。
ここにおいて共鳴器は、主溝もしくは横溝から分岐させた分岐溝それ自体にて構成し、適用リムに装着したタイヤに規定の空気圧を充填し、そのタイヤに規定の質量の80%の負荷を作用させた状態の下で、接地面内での各分岐溝の延在長さ(l)の、その分岐溝が直接的または間接的に開口する主溝のうち、接地面内での長さが最も短い主溝の延在長さ(L)に対する比(l/L)を0.4以上とすることが好ましい。
ここでの「分岐溝」は、陸部内に、トンネル様に潜設したもの、接地面内で溝縁が相互に接触するもの等とすることも可能であるが、通常は、接地面内で溝壁が相互に離隔する程度の溝幅を有するものとする。
この場合、「適用リム」とは、タイヤのサイズに応じて下記の規格に規定されたリムを、「規定の空気圧」とは、下記の規格において、最大負荷能力に対応して規定される空気圧をいい、最大負荷能力とは、下記の規格で、タイヤに負荷することが許容される最大の質量をいう。また、「規定の質量」とは、上記の最大負荷能力をいう。
なお、ここでいう空気は、窒素ガス等の不活性ガスその他に置換することも可能である。
そして規格とは、タイヤが生産または使用される地域に有効な産業規格をいい、たとえば、アメリカ合衆国では“THE TIRE AND RIM ASSOCIATION INC.のYEAR BOOK”であり、欧州では、“THE European Tyre and Rim Technical OrgansationのSTANDARDS MANUAL”であり、日本では日本自動車タイヤ協会の“JATMA YEAR BOOK”である。
なおここにおいて、トレッド踏面の接地条件を、「規定の質量の80%の負荷を作用させた状態」としたのは、タイヤの一般的な使用条件の下での、気柱共鳴音の低減を図ることを意図したものである。
ところで、ここでの溝の延在長さ(l,L)は溝中心線の延在長さをいうものとする。
また好ましくは、共鳴器を、上述したところに代えて、主溝もしくは横溝から分岐させた枝溝と、枝溝の先端に形成され、中央部分での横断面積が枝溝のそれより大きい、所要の横断面輪部形状の、トレッド踏面に開口する気室とで構成する。
なお、ここにおける「気室」および「枝溝」はともに、前述した接地条件の下で、接地面内でも開口するものとする。この一方で、「枝溝」は、前記分岐溝と同様に、陸部内に、トンネル様に潜設したものとすること、または、接地面内で溝縁が相互に接触するものとすることも可能である。
そして、これらのいずれの場合にあっても、共鳴器の共鳴周波数を600〜1800Hzの範囲とすることが好ましい。
ここで、この共鳴周波数は、共鳴器が分岐溝からなるものである場合は、後述するサイドブランチ型の共鳴器の式により求めることができ、また、枝溝と気室とからなるものである場合は、たとえば、これも後述するヘルムホルツ共鳴器の式により求めることができる。
また、前記主溝を、タイヤ赤道線を隔てタイヤ赤道線に対して対称な二対の主溝とし、前記横溝が、トレッド踏面の各半部において相互に隣接して位置する二本の前記主溝に対して両端が開口してなることが好ましい。
この発明に係る空気入りタイヤでは、相互に隣接する二本以上の主溝を、傾斜溝とすることもできる横溝によって相互に連通させるとともに、主溝もしくは横溝に複数種類の共鳴器を開口させて設けることにより、気柱共鳴音に関しては、それぞれの共鳴器を、横溝によって相互に連通されたそれぞれの主溝に共用させることができ、これがため、各主溝にて発生される気柱共鳴音に対しては、共鳴周波数を予め選択した複数種類の共鳴器の全てを作用させて、必要な気柱共鳴音その他の音圧レベルを低減させることで、気柱共鳴音それ自体を効果的に減音させることができる。
またこのタイヤでは、主溝に開口する横溝を、排水溝としても機能させることにより、トレッド路面での排水性能、ひいては、ウェット路面での操縦安定性を大きく向上させることができる。
従ってここでは、接地面内に、一個以上の共鳴器が常に確実に存在するように、複数の共鳴器の各個を、別個に延在する各主溝に直接に開口させて設ける場合に比して、トレッドパターンのデザイン上の自由度を大きく向上させるとともに、各主溝に対する、複数種類の共鳴器の配設を簡易なものとすることができる。
このようなタイヤにおいて、共鳴器を分岐溝それ自体により構成したときは、以下に示す、サイドブランチ型共鳴器の共鳴周波数の式に基いて
Figure 0005103042
l:接地面内での分岐溝長さ(m)
C:音速(m/s)
その共鳴周波数fに対応する周波数の気柱共鳴音を有効に低減させることができる。
ところでこの場合は、接地面内での分岐溝の延在長さ(l)の、その分岐溝が直接的または間接的に開口する主溝のうち、接地面内での延在長さが最も短い主溝の延在長さ(L)に対する比(l/L)を0.4以上、なかでも0.4〜0.9の範囲とすることにより、分岐溝の共振周波数fを、周方向主溝の気柱共鳴周波数等の所要周波数に十分に近づけることができる。
すなわち、共鳴器の共鳴周波数fは、気柱共鳴周波数に近づけるほど良く、主溝が一本の場合の気柱共鳴周波数は、
音速/2×(接地面内主溝長さ+50〜60(mm))
となり、主溝を相互に連通させた場合の気柱共鳴周波数は、それより小さくなるも、これらのいずれの場合にあっても、上記の数値範囲を満足する分岐溝延在長さ(l)を選択することで、サイドブランチ型共鳴器の共鳴周波数(f)を、気柱共鳴周波数の範囲内のものとすることができる。
いいかえれば、それが0.4未満とした場合、および、0.9を越えるものとした場合のいずれにあっても、分岐溝の共振周波数fが、気柱共鳴周波数とは大きく相違することになって、共鳴騒音の実効ある低減を期し難くなるうれいがある。
また、共鳴器を、枝溝と、その先端に形成されてそれより横断面積が大きい気室とで構成したときは、たとえば、下記のヘルムホルツ型共鳴器の共鳴周波数
Figure 0005103042
:接地面内での枝溝長さ(m)
S:枝溝の横断面積(m
r:(枝溝の断面積/π)1/2
V:気室の容積(m
C:音速(m/s)
に基いて、その共鳴周波数(fo)に対応する周波数の気柱共鳴音を有効に低減させることができる。
ここで、このような共鳴器の共鳴周波数を600〜1800Hzの範囲としたときは、一般的には、800〜1200Hz程度の範囲に存在する気柱共鳴周波数をも含む騒音のピーク周波数に対し、共鳴器の共鳴周波数を、所要に応じて適宜に選択することができる。
そしてまた、主溝に開口する横溝を、適用リムに装着したタイヤに規定の空気圧を充填し、そのタイヤに規定の質量の80%の負荷を作用させた状態で、接地面内に、常に一本以上が完全に含まれる配設態様とした場合には、接地面内での、隣接主溝の相互の連通を確実なものとして、その接地面内に含まれる全ての共鳴器を各主溝に共用させることができ、また、横溝それ自体に、排水機能を常に有効に発揮させることができる。
ここにおいて、それぞれの共鳴器を、適用リムに装着したタイヤに規定の空気圧を充填し、そのタイヤに規定の質量の80%の負荷を作用させた状態で、接地面内に、共鳴周波数の異なる複数個の共鳴器が常に完全に含まれる配設態様としたときは、接地面内で、複数個の共鳴器のそれぞれを、確実にかつ十分に機能させて、主溝の気柱共鳴音をより効果的に低減させることができる。
図1は、この発明に係る空気入りタイヤのトレッドパターンを模式的に示す展開平面図である。
なお、タイヤの内部補強構造等は一般的なラジアルタイヤのそれと同様であるので、ここでは図示を省略する。
図中1はトレッド踏面を示し、この図に示すところでは、トレッド踏面1に、タイヤ赤道線Eを隔て、それに対して対称に位置して、トレッド踏面1の周方向に直線状に連続して延びる二対の主溝2、3を設けるとともに、相互に隣接して位置する二本の主溝2、3間に、図では矢筈状に傾斜して延びて両端がそれらの主溝2、3に開口するそれぞれの横溝4を周方向に所定の間隔をおいて設け、好ましくは、これらの横溝4、より好ましくは、タイヤ赤道線Eの各半部の横溝4を、適用リムに装着したタイヤに規定の空気圧を充填し、そのタイヤに規定の質量の80%の負荷を作用させた状態で、図に仮想線で囲繞して示す接地面内に、常に一本以上が完全に含まれる配設様態とする。
なおここで、横溝4は、それの一本を、主溝との交差延在下で、三本以上の主溝2、3に開口させること、または、図に示すところにおいて、一対の主溝2、2に開口する横溝を形成することも可能であり、これらのことによれば、一本もしくは複数本の横溝を介して全ての主溝2、3を相互に連通させることもできる。
そしてまたこのタイヤでは、一端が主溝2、3もしくは横溝4、図では主溝2、3に開口し、他端が、他のいずれの溝とも交差することなく、主溝間の陸部内で終了する、共鳴周波数が相互に異なる複数種類、たとえば、五種類の共鳴器5a、5b、6a、6b、6cのそれぞれを設ける。ここで好ましくは、それぞれの共鳴器、より好ましくは、タイヤ赤道線Eの各半部のそれぞれの共鳴器を、適用リムに装着したタイヤに規定の空気圧を充填し、そのタイヤに規定の質量の80%の負荷を作用させた状態で、図では仮想線で囲繞して示す接地面内に、共鳴周波数の異なる複数個の共鳴器が常に完全に含まれる配設態様とする。
なお、この図に示すところでは、主溝2、3に開口するそれぞれの共鳴器を、それらの各主溝2、3より、トレッド踏面幅方向の外側に配設することとしているも、それらの共鳴器の一部もしくは全部を、幅方向の内側に配設することも可能であり、また、この図では、接地面内で、主溝2に2個の、そして主溝3に3個のそれぞれの共鳴器を開口させて配設することとしているも、共鳴器の配設個数を図に示すところとは逆にすることもでき、さらには、共鳴器の接地面内での配設個数を適宜に増減することもできる。
ところで、この図に示すところでは、各共鳴器5a、5b、6a、6b、6cを、主溝2、3から分岐して、各半部で、横溝4とほぼ平行に延びる枝溝7と、枝溝7の先端に形成されて、その枝溝7の、溝中心線と直交する断面内の横断面積より大きい中央部分横断面積を有し、トレッド踏面1に開口する気室8とで構成する。
ここで、枝溝7は、接地面内で溝壁が相互に離隔する溝幅を有するものとすることができる他、陸部内にトンネルに潜設されたもの、または、接地面内で溝縁が相互に接触するものとすることも可能である。
このように構成することができる各共鳴器5a、5b、6a、6b、6cは、接地面内で、気室8、多くは、それに加えて枝溝7もまた路面によって閉止された状態の下では、図2(a)に、斜視図で模式的に例示するようなヘルムホルツ型の共鳴器を構成することになり、この共鳴器の共鳴周波数fは、前述したように
Figure 0005103042
:接地面内での横溝長さ(m
S:枝溝の横断面積
r:(枝溝の断面積/π)1/2
V:気室の容積(m
C:音速(m/s)
として表すことができる。
従って、この共鳴器では、l、S、rおよびVを選択することで、共鳴周波数fを所要に応じて、より好ましくは、600〜1800Hzの範囲内にて調整することができる。
なお、共鳴器は、上述したところに代えて、図2(b)に、平面展開図で模式的に例示するような、主溝2、3から分岐させて設けた分岐溝9にて構成することもでき、この場合は、適用リムに装着したタイヤに規定の空気圧を充填し、そのタイヤに規定の質量の80%の負荷を作用させた状態で、接地面内での各分岐溝9の延在長さlの、その分岐溝9が開口する主溝2、3のうち、接地面内での延在長さが最も短いものの延在長さLに対する比(l/L)を0.4以上、より好ましくは0.4〜0.9の範囲とする。
このような、分岐溝それ自体からなる共鳴器、すなわち、サイドブランチ型の共鳴器の共鳴周波数fは、これも前述したように、
Figure 0005103042
l:接地面内での分岐溝長さ(m)
C:音速(m/s)
として表わすことができ、ここでは、lの選択に基いて、共鳴周波数fを所要に応じて、これも好ましくは、600〜1800Hzの範囲内にて適宜に調整することができる。
ところで、ここにおける分岐溝9もまた、先に述べた枝溝7と同様に接地面内で、溝壁が相互に離隔する程度の溝幅を有するものとすることができる他、陸部内にトンネル様に潜設されたもの、接地面内で溝縁が相互に接触するもの、または、接地面内で溝縁が相互に接触するものとすることも可能である。
そしてまた、各共鳴器は、図2(c)に斜視図で模式的に例示するような、断面積が異なる管路を互いに連通させてなる形態に構成することもでき、このように構成した場合の、それぞれの管路a、b内の音圧は、
Figure 0005103042
として表わすことができる。
従って、図2(c)に示すような段付き管型の共鳴器もまた、気柱共鳴音の低減のために有効に機能させることができ、la、l、Sa、Sbの選択下で、共鳴周波数fを、好適には600〜1800Hzの範囲内で所要に応じて調整することができる。
以上のように構成してなる空気入りタイヤ、なかでもそれのトレッドパターンによれば、隣接する主溝2、3を連通させる横溝4を配設することで、タイヤの排水性能を向上させて、ウエット路面での操縦安定性、耐ハイドロレーニング性を有効に高めることができ、また、連通されたそれらの主溝2、3を、特定の共鳴周波数で共鳴する一本の管の如く作用させ、それらの主溝2、3に対して、複数種類のそれぞれの共鳴器を同時に機能させることで、気柱共鳴音をより効果的に低減させることができ、さらには、複数本の主溝2、3に、それぞれの共鳴器を共用させることで、トレッドパターンのデザイン上の自由度を確保しつつ、多数種類の共鳴器の配設を簡易なものとすることができる。
サイズが195/65R15の、図1に示すトレッドパターンを有する実施例タイヤ、図3(a)、(b)に示すそれぞれの接地面内パターンを有する比較例タイヤ1および2のそれぞれにつき、気柱共鳴音の音圧レベルを測定するとともに、ドライバによるノイズフィーリング、ウエット路面での操縦安定性、コーナリング時および直進時の耐ハイドロプレーニング性を求めたところ表1および2には示す結果を得た。
ここで、気柱共鳴音の音圧レベルは、室内ドラム試験機上で、210kPaの内圧を充填したタイヤを、荷重4kN、速度80km/hの条件で負荷転動させたときの、タイヤ側方位置での騒音を、JASO C606に準拠して測定し、1/3オクターブバンドで中心周波数800−1000−1250Hzの帯域のパーシャルオーバーオール値を求めることにより評価し、
ノイズフィーリングは、テストコースの乾燥路上を実車走行したときのドライバのフィーリングをもって、十段階に評価し、
ウエット路面での操縦安定性は、テストコースにて、水を散布した(水深約5mmの)路面上を実車走行したときのドライバーのフィーリングをもって十段階に評価し、
そして、コーナリング時および直進時の耐ハイドロプレーニング性は、水深6〜10mmの路面上を走行時の、ハイドロプレーニング現象の発生速度を測定することによって評価した。
なお、図1および図3(b)の各共鳴器の周波数は、前述した、ヘルムホルツ型共鳴器の共鳴周波数fの式に従って求め、この場合、音速Cは343.7m/sとした。
Figure 0005103042
Figure 0005103042
表1および2によれば、実施例タイヤは、気柱共鳴音の低減および実車評価のいずれにおいてもすぐれた結果を示すことが解かる。
これに対し、比較例タイヤ2は、それぞれの主溝による共鳴器の共有ができず、一本当り三個の共鳴器を配設したに止まることから、実施例タイヤほどのすぐれた結果をもたらすことは不可能である。
この発明の実施の形態を示すトレッドパターンの展開平面図である。 共鳴器の構造を例示する図である。 比較例タイヤの接地面内パターンを示す図である。
符号の説明
1 トレッド踏面
2、3 主溝
4 横溝
5a、5b、6a、6b、6c 共鳴器
7 枝溝
8 気室
9 分岐溝

Claims (5)

  1. トレッド踏面に、その周方向に連続して延びる複数本の主溝を設けるとともに、相互に隣接する二本以上の主溝に開口する横溝を設け、一端が主溝もしくは横溝に開口して他端が陸部内で終了する、他の主溝および横溝からは独立した、共鳴周波数が相互に異なる複数種類の共鳴器を設け
    主溝に開口する横溝を、適用リムに装着したタイヤに規定の空気圧を充填し、そのタイヤに規定の質量の80%の負荷を作用させた状態で、接地面内に一本以上が常に完全に含まれる配設態様とし、
    それぞれの共鳴器を、適用リムに装着したタイヤに規定の空気圧を充填し、そのタイヤに規定の質量の80%の負荷を作用させた状態で、接地面内に、共鳴周波数の異なる複数個の共鳴器が常に完全に含まれる配設態様としてなる空気入りタイヤ。
  2. 共鳴器を、主溝もしくは横溝から分岐させた分岐溝にて構成し、適用リムに装着したタイヤに規定の空気圧を充填し、そのタイヤに規定の質量の80%の負荷を作用させた状態で、接地面内での各分岐溝の延在長さ(l)の、その分岐溝が直接的にまたは間接的に開口する主溝のうち、接地面内での長さが最も短い主溝の延在長さ(L)に対する比(l/L)を0.4以上としてなる請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. 共鳴器を、主溝もしくは横溝から分岐させた枝溝と、枝溝の先端に形成され、中央部分での横断面積が枝溝のそれより大きく、トレッド踏面に開口する気室とで構成してなる請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  4. 共鳴器の共鳴周波数を600〜1800Hzの範囲としてなる請求項1〜3のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  5. 前記主溝を、タイヤ赤道線を隔てタイヤ赤道線に対して対称な二対の主溝とし、
    前記横溝が、トレッド踏面の各半部において相互に隣接して位置する二本の前記主溝に対して両端が開口してなる請求項1〜4のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
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