JP5089128B2 - 画像形成装置 - Google Patents
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Description
このような画像形成装置は、転写工程と定着工程とを別々におこなう画像形成装置に比べて、表面性の粗い記録媒体を使用しても画像品質の低下が起こり難いという利点がある。
さらに、転写工程と定着工程とを同時におこなう画像形成装置は、転写工程と定着工程とを別々におこなう画像形成装置に比べて、トナー像を加熱する時間を長くとれるために定着部材の設定温度を比較的低く設定できる。したがって、熱エネルギーの消費を低減することができる。
さらに、特許文献4等には、転写工程と定着工程とを同時におこなう画像形成装置であって、両面画像形成時の生産性を向上させることを目的として、複数の感光体ドラム、一次中間転写ベルト、二次中間転写ベルト等を設けて、記録媒体の両面に同時に転写・定着をおこなう技術が開示されている。
しかし、特許文献2等の技術は、画像形成部や中間転写ベルトがそれぞれ2つ設けられているために、装置が高コスト化、大型化してしまっていた。また、2つの中間転写ベルトに対してそれぞれ加熱工程・冷却工程(ヒートサイクル)をおこなう必要があるために、装置全体として電力消費量がそれほど小さくならなかった。
しかし、特許文献3、特許文献4等の技術は、転写ベルトや中間転写ベルトを2つ設ける必要があるために、装置が高コスト化、大型化してしまっていた。
図1〜図3にて、この発明の実施の形態1について詳細に説明する。
図1は、実施の形態1における画像形成装置を示す概略構成図である。本実施の形態1における画像形成装置は、タンデム型のカラー複写機である。すなわち、第2像担持体としての中間転写ベルト2に対向するように4つの感光体ドラム3Y、3M、3C、3Kが並設されている。
そして、本実施の形態1における画像形成装置は、4つの感光体ドラム3Y、3M、3C、3Kにそれぞれ形成された複数色のトナー像(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)を、中間転写ベルト(第2像担持体)2上に重ねて転写したり、記録媒体P上に重ねて転写したりする。
画像形成部1の下方には、第2像担持体としての中間転写ベルト2(中間転写体)が配置されている。中間転写ベルト2の上面には、色分解色と補色関係にある色の画像を形成するための作像手段が設けられている。すなわち、補色関係にある複数色のトナー(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)によるトナー像を形成・担持する第1像担持体としての感光体ドラム3Y、3M、3C、3Kが、中間転写ベルト2の転写面に沿って並設されている。
冷却ローラ13は、放熱性の高い材料で形成されていて、第1加熱ローラ20によって加熱された中間転写ベルト20を冷却する。
また、中間転写ベルト2の外周面側であって駆動ローラ10に対向する位置には、中間転写ベルト2上に記録媒体Pを送入するための吸着ローラ9が設けられている。吸着ローラ9は、所定の電圧が印加されて、給紙トレイ15から搬送された記録媒体Pを中間転写ベルト2に吸着させて搬送させるものである。
詳しくは、第2加熱ローラ22と第1加熱ローラ20とは、互いにバネ等の付勢手段によって押圧されて、中間転写ベルト2を介してニップ部を形成している。第2加熱ローラ22は、アルミニウム等からなる円筒状の芯金上に、シリコーンゴム等からなる弾性層や、PFAやPTFE等のフッ素系樹脂系材料からなる離型層が積層されたものである。第2加熱ローラ22の内部には、第1加熱ローラ20と同様に、熱源としてのハロゲンヒータ21Bが設置されている。また、図示は省略するが、第2加熱ローラ22の外周面側には、第2加熱ローラ22の表面を清掃するためのクリーニング機構が設けられている。
第1搬送経路K1は、記録媒体Pの片面にのみ画像を形成するときに、切替レバー24を動作させて選択される搬送経路である。このとき、レジストローラ対18aは、記録媒体Pを一旦停止して、斜めずれを修正した後に、中間転写ベルト2上に担持された画像の先端と搬送方向の所定位置とが一致するタイミングで、記録媒体Pをニップ部に向けて送り出すことになる。
第2搬送経路K2は、記録媒体Pの両面(第1面と第2面とである。)に画像を形成するときに、切替レバー24を動作させて選択される搬送経路である。このとき、レジストローラ対18bは、記録媒体Pを一旦停止して、斜めずれを修正した後に、感光体ドラム3Y、3M、3C、3Kの作像タイミングに合わせて、記録媒体Pを中間転写ベルト2と吸着ローラ9との間に向けて送り出すことになる。
まず、図2を用いて、両面プリント時の動作について説明する。
記録媒体Pの両面(表裏面)に画像を形成する場合、最初に第1面側(第2加熱ローラ22に対向する面側である。)の作像がおこなわれる。
なお、転写工程後に感光体ドラム3Y、3M、3C、3K上に残留したトナーは、それぞれ、クリーニング部8により除去される。その後、不図示の除電ランプにより感光体ドラム3Y、3M、3C、3Kの表面電位が初期化されて、次の作像工程の準備がされる。
詳しくは、先に説明した作像工程と同様に、感光体ドラム3Y、3M、3C、3K上に各色のトナー像が形成される。そして、各感光体ドラム3Y、3M、3C、3K上に形成されたトナー像が、中間転写ベルト2の走行にならって、転写ローラ7Y、7M、7C、7Kによって中間転写ベルト2上に順に転写されて重ね合わせられる。そして、中間転写ベルト2上に重ねて担持(転写)された複数色のトナー像Tは、中間転写ベルト2の走行にならってニップ部の位置に達する。
このとき、中間転写ベルト2上に転写された画像は、第1加熱ローラ20によって所定の温度まで加熱される。そして、加熱状態の画像が、レジストローラ18aからタイミング良く搬送されてくる記録媒体Pの第2面に、転写されるとともに定着される(転写・定着が同時におこなわれる。)。同時に、記録媒体Pの第1面に担持された未定着の画像Tは、第2加熱ローラ22による熱と、双方の加熱ローラ20、22による圧力と、によって、第2面と同じタイミングで記録媒体P上に定着される(定着画像が形成される。)。
なお、ニップ部を通過して中間転写ベルト2上に残留するトナー(転写定着残トナー)は、ベルト・クリーニング部12のクリーニングブレード19によって削り取られて回収される。こうして、中間転写ベルト2における次の工程の準備がされる。
すなわち、転写工程と定着工程とが同時におこなわれるために、表面性の粗い記録媒体Pが使用されても、ボソボソがなく定着性に優れ、良好で高画質な画像を得ることができる。また、中間転写ベルト2上に担持されるトナー像を加熱する時間を長くとれるために中間転写ベルト2の設定温度を比較的低く設定できて、省エネルギー化が達成される。また、第2の画像形成部や第2の中間転写ベルト等を設ける必要がないために、装置の低コスト化、小型化が達成される。また、スイッチバック方式を用いることなく、記録媒体Pの両面への画像形成が同時におこなわれるために両面画像形成時の生産性が向上する。
図1を参照して、記録媒体Pの片面(第1面又は第2面)のみに画像を形成する場合、給紙トレイ15から排紙された記録媒体Pは、切替レバー24によって第1搬送経路K1を搬送されて、レジストローラ対18aの位置に達する。
一方、感光体ドラム3Y、3M、3C、3K上では、先に説明した作像工程と同様に、各色のトナー像が形成される。そして、各感光体ドラム3Y、3M、3C、3K上に形成されたトナー像が、中間転写ベルト2の走行にならって、転写ローラ7Y、7M、7C、7Kによって中間転写ベルト2上に順に転写されて重ね合わせられる。そして、中間転写ベルト2上に重ねて担持(転写)された複数色のトナー像Tは、中間転写ベルト2の走行にならってニップ部の位置に達する。
このとき、中間転写ベルト2上に転写された画像は、第1加熱ローラ20によって所定の温度まで加熱される。そして、加熱状態の画像が、レジストローラ18aからタイミング良く搬送されてくる記録媒体P上に、転写されるとともに定着される(転写・定着が同時におこなわれる。)。
さらに、図3に示すように、片面プリント時に記録媒体Pが第3搬送経路K3を通過するように制御することもできる。ここで、第3搬送経路K3は、中間転写ベルト2上を搬送される記録媒体Pが、分離ガイド板23の位置で分離ガイド板23の離間動作によって中間転写ベルト2から分離されることなくそのままニップ部に向けて搬送される経路である。
このように片面プリント時に第2搬送経路K2又は第3搬送経路K3を選択したときのプリント面(画像形成がされる面である。)は、第1搬送経路K1を選択したときのプリント面の逆になる。すなわち、片面プリント時に搬送経路を切り替えることで、プリント面を自由に切り替えることができる(フェイスアップ排紙、フェイスダウン排紙を自由に選択することができる。)。なお、片面プリント時に第2搬送経路K2又は第3搬送経路K3を選択した場合には、記録媒体P上の定着画像は通常の定着画像になる(転写・定着が同時におこなわれる定着画像ではない。)。
図4にて、この発明の実施の形態2について詳細に説明する。
図4は、実施の形態2における画像形成装置を示す構成図であって、前記実施の形態1における図1に相当する図である。本実施の形態2における画像形成装置は、第1搬送経路K1に対応した第1給紙部15Aと第2搬送経路K2に対応した第2給紙部15Bとが別々に設けられている点が、前記実施の形態1のものと相違する。
そして、第1給紙トレイ15A(第1給紙部)に収容された記録媒体Pは、前記実施の形態1で説明した第1搬送経路K1を通過するように構成されている。
これに対して、第2給紙トレイ15B(第2給紙部)に収容された記録媒体Pは、前記実施の形態1で説明した第2搬送経路K2を通過するように構成されている。
また、片面プリント時に、第1給紙部15A及び第2給紙部15Bのいずれかの給紙部に収容された記録媒体Pが搬送されるように(第1搬送経路K1又は第2搬送経路K2が選択されるように)制御することもできる。
特に、本実施の形態2では、搬送経路K1、K2ごとに給紙トレイ15A、15Bが設けられているので、搬送経路の形状をストレート化できるために、記録媒体Pのジャムが少なくなるとともにファーストプリント時間を短縮化することができる。
図5にて、この発明の実施の形態3について詳細に説明する。
図5は、実施の形態3における画像形成装置を示す構成図であって、前記実施の形態1における図1に相当する図である。本実施の形態3における画像形成装置は、複数色のトナー像が重ねて形成される単数の第1像担持体3が設置されたイメージオンイメージ(IOI)現像方式が用いられている点が、複数の第1像担持体3Y、3M、3C、3Kが設置されたタンデム型装置である前記実施の形態1のものと相違する。
そして、感光体ドラム3上に複数色のトナー像が重ねて形成(現像)される。そして、感光体ドラム3上に重ねて形成された複数色のトナー像が、転写ローラ7によって、中間転写ベルト(第2像担持体)2上に重ねて転写されたり、記録媒体P上に重ねて転写されたりする。
また、片面プリント時に、第1搬送経路K1及び第2搬送経路K2のいずれかの搬送経路を選択して記録媒体Pが搬送されるように制御することもできる。
第1に、中間転写ベルト2に吸着ローラ9を設置する必要がなくなるために、中間転写ベルト2の材料や抵抗値の選択性が広がる。第2に、タンデム型装置と比較して、小スペース化が図れて、レイアウトの自由度が増す。第3に、搬送経路を短くすることができるので、ファーストプリント時間が短縮化される。
図6にて、この発明の実施の形態4について詳細に説明する。
図6は、実施の形態4における画像形成装置を示す構成図であって、前記実施の形態3における図5に相当する図である。本実施の形態4における画像形成装置は、第1搬送経路K1に対応した第1給紙部15Aと第2搬送経路K2に対応した第2給紙部15Bとが別々に設けられている点が、前記実施の形態3のものと相違する。
そして、第1給紙トレイ15A(第1給紙部)に収容された記録媒体Pは、前記実施の形態3で説明した第1搬送経路K1を通過するように構成されている。
これに対して、第2給紙トレイ15B(第2給紙部)に収容された記録媒体Pは、前記実施の形態3で説明した第2搬送経路K2を通過するように構成されている。
2 中間転写ベルト(第2像担持体)、
3、3Y、3M、3C、3K 感光体ドラム(第1像担持体)、
4 帯電部、 5 書込み部、 6 現像部、
7、7Y、7M、7C、7K 転写ローラ(転写手段)
15 給紙トレイ(給紙部)、
15A 第1給紙トレイ(第1給紙部)、
15B 第2給紙トレイ(第2給紙部)、
20 第1加熱ローラ(第1加熱手段)、
21A、21B ハロゲンヒータ、
22 第2加熱ローラ(第2加熱手段)、
23 分離ガイド板(分離部材)、
24 切替レバー、
K1 第1搬送経路、 K2 第2搬送経路、 P 記録媒体。
Claims (9)
- 記録媒体の両面に画像を形成する画像形成装置であって、
トナー像が形成される第1像担持体と、
前記第1像担持体に対向するとともに、記録媒体の両面に画像を形成するときに、前記第1像担持体に形成されたトナー像が転写され、それとは別のタイミングで前記第1像担持体との間に記録媒体が搬送される第2像担持体と、
前記第1像担持体に形成されたトナー像を前記第2像担持体上又は記録媒体上に転写する転写手段と、
前記第2像担持体上に担持されたトナー像を加熱・溶融する第1加熱手段と、
前記第1加熱手段に前記第2像担持体を介して圧接してニップ部を形成するとともに、前記第1像担持体と前記第2像担持体との間を通過して当該ニップ部に向けて搬送される記録媒体上に担持されたトナー像を加熱・溶融する第2加熱手段と、
記録媒体を収容する給紙部と、
前記給紙部に収容された記録媒体が前記第1像担持体と前記第2像担持体との間を通過することなく前記ニップ部に向けて搬送される第1搬送経路と、
前記給紙部に収容された記録媒体が前記第1像担持体と前記第2像担持体との間を通過して前記ニップ部に向けて搬送される第2搬送経路と、
を備え、
記録媒体の両面に画像を形成する場合に、前記第1像担持体と前記第2像担持体との間で転写されたトナー像を第1面に担持した記録媒体が前記ニップ部に達したときに、そのトナー像を当該記録媒体の第1面に定着して、それと同時に前記第1加熱手段によって加熱・溶融された前記第2像担持体上のトナー像を当該記録媒体の第2面に転写及び定着することを特徴とする画像形成装置。 - 記録媒体の片面にのみ画像を形成するときには記録媒体が前記第1搬送経路を通過して、記録媒体の両面に画像を形成するときには記録媒体が前記第2搬送経路を通過するように制御することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
- 記録媒体の片面にのみ画像を形成するときには記録媒体が前記第1搬送経路及び前記第2搬送経路のいずれかの搬送経路を通過して、記録媒体の両面に画像を形成するときには記録媒体が前記第2搬送経路を通過するように制御することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
- 記録媒体の両面に画像を形成する画像形成装置であって、
トナー像が形成される第1像担持体と、
前記第1像担持体に対向するとともに、記録媒体の両面に画像を形成するときに、前記第1像担持体に形成されたトナー像が転写され、それとは別のタイミングで前記第1像担持体との間に記録媒体が搬送される第2像担持体と、
前記第1像担持体に形成されたトナー像を前記第2像担持体上又は記録媒体上に転写する転写手段と、
前記第2像担持体上に担持されたトナー像を加熱・溶融する第1加熱手段と、
前記第1加熱手段に前記第2像担持体を介して圧接してニップ部を形成するとともに、前記第1像担持体と前記第2像担持体との間を通過して当該ニップ部に向けて搬送される記録媒体上に担持されたトナー像を加熱・溶融する第2加熱手段と、
記録媒体を収容する第1給紙部及び第2給紙部と、
前記第1給紙部に収容された記録媒体が前記第1像担持体と前記第2像担持体との間を通過することなく前記ニップ部に向けて搬送される第1搬送経路と、
前記第2給紙部に収容された記録媒体が前記第1像担持体と前記第2像担持体との間を通過して前記ニップ部に向けて搬送される第2搬送経路と、
を備え、
記録媒体の両面に画像を形成する場合に、前記第1像担持体と前記第2像担持体との間で転写されたトナー像を第1面に担持した記録媒体が前記ニップ部に達したときに、そのトナー像を当該記録媒体の第1面に定着して、それと同時に前記第1加熱手段によって加熱・溶融された前記第2像担持体上のトナー像を当該記録媒体の第2面に転写及び定着することを特徴とする画像形成装置。 - 記録媒体の片面にのみ画像を形成するときには前記第1給紙部に収容された記録媒体が搬送されて、記録媒体の両面に画像を形成するときには前記第2給紙部に収容された記録媒体が搬送されるように制御することを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
- 記録媒体の片面にのみ画像を形成するときには前記第1給紙部及び前記第2給紙部のいずれかの給紙部に収容された記録媒体が搬送されて、記録媒体の両面に画像を形成するときには前記第2給紙部に収容された記録媒体が搬送されるように制御することを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
- 前記転写手段に対して前記第2像担持体の走行方向下流側であって前記第1加熱手段及び前記第2加熱手段に対して前記第2像担持体の走行方向上流側に、前記第1像担持体と前記第2像担持体との間を通過した記録媒体を前記第2像担持体から分離させる分離部材を備えたことを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれかに記載の画像形成装置。
- 前記第1像担持体は、前記第2像担持体に対向するように並設された複数の第1像担持体であって、
前記転写手段は、前記複数の第1像担持体に形成された複数色のトナー像を前記第2像担持体上又は記録媒体上に重ねて転写することを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれかに記載の画像形成装置。 - 前記第1像担持体は、複数色のトナー像が重ねて形成される単数の第1像担持体であって、
前記転写手段は、前記単数の第1像担持体に重ねて形成された複数色のトナー像を前記第2像担持体上又は記録媒体上に転写することを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれかに記載の画像形成装置。
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