JP5088009B2 - 自動取引装置、その動作方法および自動取引装置運用システム - Google Patents

自動取引装置、その動作方法および自動取引装置運用システム Download PDF

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本発明は、銀行等の金融機関に設置され、利用者の操作により取引を行う自動取引装置に関する。
従来の自動取引装置には、不正取引者による操作を防止するために種々の対策が検討されている。特開2006−79382(特許文献1)記載の自動取引装置は、顔画像を利用して自動取引装置の不正利用者を検知する機能を有している。また、特開2003−168147(特許文献2)記載の自動取引装置は、暗証番号に異常時用の暗証番号を設け、恐喝などの正規の利用者の意思に反した不正取引を強要された場合の安全を確保する機能を有している。
このような機能を有する自動取引装置について、異常状態を検出した後の対応方法を分析してみると、これらは大きく分けて3つの方法に分類されるものと思われる。すなわち、第1の対応方法は警備員、銀行員、警備センタ又は警察(以下警備員等という)へ通報することであり、第2の対応方法は自動取引装置の動作方法(処理方法)を通常と異なる方法に変更することであり、第3の対応方法はその後の犯罪捜査や不審者の検出に活用するための情報収集を行なうことである。
すなわち、第1の対応方法である警備員等へ通報する方法としては、特許文献1には「警備員や銀行員等へ警告をする処理」(段落0028)とか、「ATMでアラームを鳴らしたり」(段落0028)とか、「ネットワークを介して接続される別装置に異常を知らせる信号やカメラから入力された不審者の顔画像を転送したりする」(段落0028)等が記載され、一方特許文献2には、不正取引が行われていることを周囲のATMの取引画面に表示させる等の手段により他の利用者に注意と協力を呼びかける(段落0065、図9(b))等が記載されている。
また、第2の対応方法である通常と異なる動作方法としては、特許文献1には、投入された紙幣の真偽判定の閾値を制御し、「不審者であると判断した場合、通常より判定閾値を厳しくすることにより、偽札の投入を未然に防ぐ」(段落0027)とか、「取引を停止」(段落0028)とか、「カードの回収」(段落0028)等が記載され、一方特許文献2には「出金取引金額の訂正確認を要求する」(段落0030)とか、出金での「ATM1の処理速度を減速させる」(段落0068)等が記載されている。
さらに、第3の対応方法である事後のために情報収集を行なう方法としては、特許文献1には「不審者と判断された人物の顔画像などを生体情報データベースに、利用されたカードの番号などを個人属性データベースに登録する」(段落0026)等が記載され、一方特許文献2には「事後の指紋採取などを容易にし捜査情報の提供を行うことができる」(段落0096)とか、鑑別部では、「通過する紙幣毎に少なくとも「紙幣番号」の読み取りが行われ」(段落0090)等が記載されている。
特開2006−79382 特開2003−168147
特許文献1のように顔画像を利用して自動取引装置の不正利用者を検知した場合、特にその人物が指名手配者又は犯罪者(以下特定人物という)であることが判明した場合、当該特定人物の逮捕につながる可能性を考慮すると、第1の対応方法である警備員等へ通報する方法は有効である。
しかしながら、第2の対応方法である自動取引装置の動作方法(処理方法)を通常と異なる方法に変更することは、いずれも特定人物を逮捕するということにはならない。すなわち、特定人物の入金の場合は決定閾値を厳しくし偽札の投入を未然に防いだり、取引を停止させたり、カードを回収したりすることは、犯罪が未然に防げるだけであり、その場で特定人物を逮捕することにはならない。さらに、取引金額の訂正要求を行ったり、出金での紙幣搬送速度を遅くさせたりするのは、警備員等が到着する時間を稼ぐだけのものに過ぎず、所詮は特定人物による取引が完了してしまうことになり、取引が完了すれば当該特定人物は警備員等が到着する前にその場から逃走することは明らかである。そうなると、正規の顧客や金融機関に金銭的被害を及ぼすことになりかねない。
第3の対応方法である事後のために情報収集を行なう方法は、事後に特定人物を逮捕することの可能性は高まるが、その場で当該特定人物を逮捕することにはならないことは前記第2の方法と同様である。
本発明が解決しようとする課題は、前記特定人物が自動取引装置で取引をしようとする場合に、警備員等による特定人物の逮捕の可能性をより高めることにあり、同時に正規の顧客や金融機関に金銭的被害を与えないことにある。
本発明における課題を解決するための手段は、自動取引装置において、当該自動取引装置に内蔵された撮像装置(カメラ)によって撮影された利用者の顔画像と、予め登録された特定人物の顔画像を照合し、その結果両者の画像が一致したことを判定すると、自動取引装置は、直ちに警備員等に通報し、同時に自動取引装置特有の動作音や振動を疑似的に発生させて、あたかも自動取引装置が正常に動作しているように動作を継続し、顧客操作表示画面も正常に表示する。そして、特定人物が当該自動取引装置の前にいる限りは、警備員等が到着するまでその動作を繰返し、取引を完了させない。そして、適当な時間経過後、特定人物が逃走する前に当該特定人物の足元に向けて特殊インクを噴射する。
本発明に関する自動取引装置は、撮像装置を有し、当該撮像装置から採取した利用者の顔画像と予め登録された特定人物の顔画像との一致を判定するために前記撮像装置により利用者の顔画像を採取し、さらに顧客操作表示部の誘導表示に従って利用者の操作により入出金取引を行なう自動取引装置において、採取した利用者の顔画像と予め登録された特定人物の顔画像との一致の判定があった場合には、前記入出金取引の疑似動作を行なうように制御する制御部を有する。これにより、前記特定人物は自動取引装置が正常に動作しているものと思い込み、その結果自動取引装置の前から離れない可能性が増す。
本発明に関する自動取引装置は、前記疑似動作、紙幣を分離、搬送又は集積する紙幣分離搬送集積手段が空転する動作である。これにより、前記特定人物は自動取引装置が正常に動作しているものと思い込む可能性が増す。
本発明に関する自動取引装置は、紙幣の分離、搬送又は集積の駆動音に似せた音を発生する駆動音発生部を設け、前記疑似動作は、当該駆動音発生部の動作である。これにより、同じく前記特定人物は自動取引装置が正常に動作しているものと思い込む可能性が増す。
本発明に関する自動取引装置は、前記疑似動作、前記顧客操作表示部の誘導表示が当該自動取引装置の動作継続中の表示である。これにより、同じく前記特定人物は自動取引装置が正常に動作しているものと思い込む可能性が増す。
本発明に関する自動取引装置は、前記疑似動作、前記利用者が当該自動取引装置から離れるまで継続して行われる。これにより、前記特定人物は自動取引装置の前から離れない可能性が増す。
本発明に関する自動取引装置は、開閉可能なシャッタを有する紙幣入出金口と、紙幣金庫と、当該紙幣金庫と前記紙幣入出金口とを連結する紙幣搬送路を有し、さらに、撮像装置を有し、当該撮像装置から採取した利用者の顔画像と予め登録された特定人物の顔画像との一致を判定するために、前記撮像装置により利用者の顔画像を採取する自動取引装置において、採取した利用者の顔画像と予め登録された特定人物の顔画像との一致の判定があった場合には、紙幣を前記紙幣金庫から前記紙幣搬送路へ繰出し、その後前記紙幣搬送路から前記紙幣金庫へ戻し、かつ前記シャッタを開かないように制御する制御部を有する。これにより、紙幣が自動取引装置内を循環するだけであるが、前記特定人物は自動取引装置が正常に動作しているものと思い込む可能性が増すと同時にシャッタは開かないので取引は完了することはない。
請求項記載の自動取引装置は、撮像装置を有し、当該撮像装置から採取した利用者の顔画像と予め登録された特定人物の顔画像との一致を判定するために前記撮像装置により利用者の顔画像を採取し、さらに利用者の操作により入出金取引を行なう自動取引装置において、利用者の身体に向けて特殊インクを噴射するインク噴射装置を設け、採取した利用者の顔画像と予め登録された特定人物の顔画像との一致の判定があった場合には、前記入出金取引の疑似動作を所定時間行い、かつ前記所定時間経過後、前記特定人物の存在を確認して、前記インク噴射装置により利用者の身体に向けて特殊インクを噴射するように制御する制御部を有する。これにより、前記特定人物は自動取引装置が正常に動作しているものと思い込む可能性が増し、その結果、所定の時間自動取引装置の前から離れない可能性が増す。そして特定人物が自動取引装置の前から逃走しても、警備員等が逮捕する可能性が増す。

本発明によれば、自動取引装置において、前記特定人物が取引をしようとする場合に、警備員等に通報すると同時に、自動取引装置は当該自動取引装置特有の動作音や振動を発生し、前記特定人物にとって自動取引装置があたかも正常に動作をしているように見えるので、前記特定人物を当該自動取引装置の前に留まらせることができる。したがって、警備員等が到着して、警備員等による逮捕の可能性が高まるという効果を有する。
さらに、本発明によれば、所定時間経過後に、当該特定人物の身体に向けて特殊インクを噴射するので、特定人物の体に当該特殊インクが附着し、特定人物が当該自動取引装置の取引がいつまでも完了しないことに気付いて当該自動取引装置の前から逃走しようとした場合でも、警備員等による逮捕の可能性を高めることができる。
以下に発明を実施するための最良の形態を図面に基づいて説明する。図1は本発明に係る自動取引装置の外観図であり、図2は本発明に係る自動取引装置の概略機構側面図である。図において、1は自動取引装置(以下、ATMという)であり、金融機関が管理し維持するホストコンピュータと通信回線を介して接続されている。更にホストコンピュータ( 図示せず) は利用者の口座番号、氏名および預貯金残高情報等の顧客情報が記憶された記憶装置を有している。当該ATM1は金融機関の営業店舗やコンビニエンスストア、ガソリンスタンド、スーパーマーケット等に設置されている。
2は顧客操作表示部であって、利用者が取引操作入力するための誘導表示をする取引誘導表示部と、暗証番号などを操作入力するためのタッチパネル部で構成される。3は紙幣入出金部であり、利用者により入金される図示しない紙幣を真偽鑑別し、計数し、搬送し、後述する金種別のカセット部に収納し、又は利用者に支払う紙幣を金種別のカセット部より繰出すものである。
4はカード処理部であって、金融機関毎のコード(番号)や利用者の口座番号、氏名等の顧客情報が記憶された図示しないキャッシュカードから前記顧客情報を読み出す機能を有する。ATM1の前面に設けられた当該カード処理部4より、キャッシュカードが挿入され、また取引終了時に利用者に返却される。5はレシート処理部であり取引明細の印字を行い利用者に発行される図示しないレシートの発行処理を行うものである。
6は利用者がATM1に近づいたことやATM1から離れたことを検知する接近検知器であって、当該接近検知器6が利用者を検知すると顧客操作表示部2の画面は、待機中画面から取引画面に切替わる。7は利用者の顔を撮影するためのカメラであり、前記接近検知器6が利用者を検知すると同時に作動し、利用者の顔データ(顔画像)を採取する。
8は紙幣の投入及び取出し操作口に設けた筐体シャッタであり、図示しないモータにより図2の矢印A方向に回動して開閉できる。11は紙幣入出金部3に装備された紙幣機シャッタであり、紙幣の投入及び取出し操作を制限するものである。この紙幣機シャッタ11も図示しないモータにより矢印B方向に略水平に移動して開閉できる。
12は入出金口であり、後述するように利用者が投入した紙幣を受取り、分離して紙幣入出金部3内に取り込むと共に、利用者に対し出金する紙幣を集積し、取出可能にする引渡口として機能する。この入出金口12に紙幣を投入する際、及び紙幣を取り出す際には、前記筐体シャッタ8および紙幣機シャッタ11を開状態とする。また、前記筐体シャッタ8および紙幣機シャッタ11が閉状態であると、利用者は入出金口12にある紙幣を取出すことはできない。
13は入金される紙幣や出金される紙幣を真偽鑑別、計数する認識部であり、14は前記した金種別の金庫としてのカセット部である。15は入出金処理する紙幣Mを一時的に保管する一時保留部である。16は以上の各部間を搬送される紙幣の搬送路である。
12−1は搬送路16から送られてきた紙幣を入出金口12へ集積する集積手段、12−2は当該入出金口12に集積してある紙幣を搬送路16へ一枚毎に送り出す分離手段、14−1は搬送路16から送られてきた紙幣をカセット部14へ集積する集積手段、14−2は当該カセット部14に集積してある紙幣を搬送路16へ一枚毎に送り出す分離手段である。
さらに、15−1は搬送路16から送られてきた紙幣を一時保留部15へ集積する集積手段、15−2は当該一時保留部15に保留集積してある紙幣を搬送路16へ一枚毎に送り出す分離手段、16−1は搬送路16上の紙幣を搬送するために搬送路16に複数設けられた搬送ローラである。なお、搬送路16上には搬送方向を切替える図示しない切替手段(ブレード)を有する。
さらに、図3は本発明に係る自動取引装置のブロック図である。図3において、図1および図2と同一の構成部分には同一の符号を付す。31は、前述の顧客操作表示部2、紙幣入出金部3、カード処理部4、レシート処理部5、接近検知部6、カメラ7、筐体シャッタ8、紙幣機シャッタ11、認識部13、カセット部14、一時保留部15ならびに搬送路16等を制御する制御部である。
また、32は特定人物の顔画像情報を格納した特定人物データベース、33はカメラ7で採取した利用者の顔画像が当該特定人物データベース32に格納した顔画像と一致するかどうかを判定する特定人物判定部である。
図4は本発明に係る自動取引装置の動作フローである。先ず、利用者がATM1を利用するためにATM1の前に立つと、接近検知器6は利用者が近づいたことを検知する(S101)。その検知信号によって、制御部31は顧客操作表示部2の画面を図示しない待機中画面から図5(a)に示す取引中画面に切り替える(S102)。顧客操作表示部2がこの取引中画面に切り替わると、利用者は希望する取引ボタンである「お支払い」ボタン51を押下する。
同時に制御部31は、カメラ7を制御し、利用者の顔画像を採取し、特定人物判定部33を制御し、特定人物データベース32に記憶している特定人物の顔画像と照合し、これらが一致するか識別する(S103)。特定人物でなかったら制御部31は、利用者が押下した取引ボタンの取引を通常通りに行なう(S105)。すなわち、図5(b)のように暗証番号の入力を促すとこから始めることになる。
特定人物の顔画像と一致した場合(S104)、制御部31は、通報手段34を制御することにより、警備員等に、特定人物が現在ATM1の前にいることを直ちに通報する(S106)。
その後、制御部31は顧客操作表示部2を制御し、図5(b)の暗証番号入力画面、図示しない金額入力画面等を表示するが、これらは通常の取引と同一の表示である。しかし、表示だけが同一であり、特定人物に対して、当該ATM1があたかも通常の取引をしているように見せるために、顧客操作表示部2の疑似動作を行なう(S107)。
仮に、特定人物が前記「お支払」ボタン51を押下し、100万円の出金を希望したとすると、通常は、制御部31は紙幣入出金部3を制御して、万円券のカセット部14の分離手段14−2を駆動することにより、100万円の紙幣を一枚一枚分離して搬送路16へ送る。つぎに、制御部31は搬送路16を制御して、複数の搬送ローラ16−1を駆動し、一枚一枚分離した100万円の紙幣を順次入出金口12に搬送する。その後、制御部16は入出金口12を制御して、集積手段12−1を駆動し、一枚一枚搬送されてくる紙幣を入出金口12へ集積する。
カセット部14から搬送路16を経由して入出金口12へ100万円移動するには、分離手段14−2、搬送ローラ16−1、集積手段12−1と、さらに搬送路内を振分ける図示しないブレードをも駆動させる。そのときの動作音又は振動(以下駆動音という)はATM1の前にいる利用者に充分聞こえるものであり、これら分離手段14−2、搬送ローラ16−1、集積手段12−1、図示しないブレードは駆動音発生源となる。したがって、通常、利用者はその駆動音を聞いて、ATM1が正常に動作していると思い込む。
前記特定人物に対して、当該ATM1があたかも通常の動作をしているように聞かせるのが次のステップ108である。すなわち、制御部31の制御により、複数ある駆動音発生源のうち、紙幣の搬送に影響のない分離手段14−2、搬送ローラ16−1、集積手段12−1又は図示しないブレードを選択し、これら分離手段14−2、搬送ローラ16−1、集積手段12−1等を空転する(S108)。
一方、特定人物は希望する現金がなかなか出金されないのに疑問を持つおそれがある。これに対し、図5(c)のように「出金中の紙幣が詰まりました。すぐに復旧しますのでこのままでお待ちください。」と表示する。あるいは、「紙幣の計数に誤りがありました。再度計数しますので、このままでお待ちください。」とか「現在動作を行っております。」というような動作継続中であるという表示をする。すなわち、顧客操作表示部2の疑似動作を行なう(S109)。
このように所謂エラー表示であっても、たとえば「お取引できません」とか、「窓口にお越しください」のように取引が完了して特定人物がATM1の前から立ち去ってしまうようなガイダンスでは意味がない。そこで、「このままでお待ちください」というように、特定人物に少しでも期待を持たせてATMの前に留まらせるための動作継続中のガイダンスである必要がある。
その後、制御部31は接近検知器6を制御し、特定人物がATM1の前から離れたことを検知すると動作を終了する(S110)。したがって、前記疑似動作(S108)や動作継続中画面の疑似動作(S109)は特定人物がATM1から離れるまで継続して行われる。
なお、ステップ108の疑似動作において、駆動音発生源としての分離手段14−2、搬送ローラ16−1、集積手段12−1等を空転することを説明したが、これに限らず、これら分離手段14−2、搬送ローラ16−1、集積手段12−1等の駆動音に似せた音を発生させる図示しない駆動音発生部(例えばスピーカ)を別途設け、制御部31が当該駆動音発生部を制御し、当該駆動音発生部が疑似駆動音を発生するようにしてもよい。
あるいは、実際に紙幣を搬送して、その駆動音を発生することにより疑似動作を行なってもよい。すなわち、前述の100万円の出金の希望があった場合のように、万円券のカセット部14から入出金口12へ100万円を移動し、出金準備をする。そうすることにより、分離手段14−2、搬送ローラ16−1および集積手段12−1等が駆動音を発生し、ATMがあたかも正常に動作をしているように聞かせることができる。
ただし、この場合、制御部31は筐体シャッタ8および紙幣機シャッタ11は開けないように制御する。そして、入出金口12の分離手段12−2、搬送路16の搬送ローラ16−1、およびカセット部14の集積手段14−1を駆動して、カセット部14へ紙幣を戻す。このように、出金準備と戻しを繰り返し、ATM1内を循環して搬送する。
さらに、万円券のカセット部14から、一旦一時保留部15へ100万円を搬送して、その駆動音を発生することにより疑似動作を行なってもよい。この場合は、分離手段14−2、搬送ローラ16−1および集積手段15−1等が駆動音発生源となり駆動音を発生する。
なお、図3の本発明に係る自動取引装置のブロック図において、当該特定人物データベース32と特定人物判定部33は、ATM1に内蔵されていることを示しているが、これに限らず、制御部31と図示しないネットワークを経由して接続され、遠隔地にある図示しないホストコンピュータに接続されたものであってもよい。したがって、ATM1は、カメラ7によって利用者の顔画像を採取し(S103)、当該ホストコンピュータに転送することにより、ホストコンピュータからの判定を待ち、ホストコンピュータからの特定人物の顔画像との一致の判定があると(S104)、制御部31は、前記のように通報手段34や、顧客操作表示部2等を制御する。
また、本発明を実施するための最良の形態では、利用者が出金取引を希望する場合について説明したが、入金取引を希望する場合も同様である。すなわち、利用者が顧客操作表示部2の「お預け入れ」ボタン52を押下し、特定人物であると判定された後(S104)、当該特定人物が入金のために紙幣を入出金口12に投入する。そうすると、制御部31は筐体シャッタ8と紙幣機シャッタ11を制御し、両シャッタ8,11を閉じる。その後、制御部31は、入出金口12の分離手段12−2を空転させ、実際には紙幣を分離しない疑似動作を行なう。または、紙幣の搬送に関係しない他の駆動手段を駆動することによって、駆動音を発生させ、あたかも入金動作を行なっているように見せる。
以上、本発明を実施するための最良の形態によれば、自動取引装置において、前記特定人物が取引をしようとする場合に、警備員等に通報すると同時に、自動取引装置は当該自動取引装置特有の駆動音を発生し、前記特定人物に対して、当該自動取引装置が希望通りあたかも正常に動作をしているように見せるので、前記特定人物を当該自動取引装置の前に長い間留まらせることができる。したがって、警備員等が到着して、警備員等による逮捕の可能性が高まるという効果を有する。
前記発明を実施するための最良の形態によれば、前記特定人物を当該自動取引装置の前に長い間留まらせることができるので、警備員等が到着して前記特定人物を逮捕する可能性は高まるが、それでも警備員等の到着が遅れれば、特定人物は逃走する可能性がある。実施例1は特定人物が逃走した場合でも、警備員等による逮捕の可能性を高めるものである。
図6は本発明の実施例1に係る自動取引装置の外観図であり、図1と同一構成要素は同一符号を付してある。さらに41はATM1の本体を支える脚部であり、42はATM1の本体と床面との空間に設けられ、利用者の足元に向けて防盗インク43を噴射する噴射ユニットである。
次に、図7は本実施例1に係る自動取引装置の動作フローである。先ず、前記と同様に、利用者がATM1を利用するためにATM1の前に立つと、接近検知器6は利用者が近づいたことを検知する(S201)。その検知信号によって、制御部31は顧客操作表示部2の画面を図示しない待機中画面から取引中画面に切り替える(S202)。顧客操作表示部2が図5(a)の取引中画面に切り替わると、利用者は希望する取引ボタンである「お支払い」ボタン51を押下する。
同時に制御部31は、カメラ7を制御し、利用者の顔画像を採取し、特定人物判定部33を制御し、特定人物データベース32に記憶している特定人物の顔画像と照合し、特定人物と一致するか識別する(S203)。特定人物でなかったら制御部31は、利用者が押下した取引ボタンの取引を通常通りに行なう(S205)。
特定人物の顔画像と一致した場合(S204)、制御部31は、通報手段34を制御することにより、直ちに警備員等に、特定人物が現在ATM1の前にいることを通報する(S206)。
その後、制御部31は顧客操作表示部2を制御し、図5(b)の暗証番号入力画面、図示しない金額入力画面等を表示するが、これらは通常の取引と同一の表示である。しかし、表示だけが同一であり、特定人物に対して、当該ATM1があたかも通常の取引をしているように見せるために、顧客操作表示部2の疑似動作を行なう(S207)。
次に特定人物に対して、当該ATM1があたかも通常の動作をしているように聞かせる(S208)。すなわち、紙幣を分離しないように分離手段14−2を空転し、搬送路内に紙幣がない状態で搬送ローラ16−1を空転し、紙幣がない状態で集積手段12−1を空転する。
一方、特定人物は希望する現金がなかなか出金されないのに疑問を持つおそれがある。これに対し、図5(c)のように「出金中の紙幣が詰まりました。すぐに復旧しますのでこのままでお待ちください。」と表示する。あるいは、「紙幣の計数に誤りがありました。再度計数しますので、このままでお待ちください。」とか「現在動作を行っております。」というような動作継続中であるという表示をする(S209)。
このように所謂エラー表示であっても、たとえば「お取引できません」とか、「窓口にお越しください」のように取引が完了して特定人物がATM1の前から立ち去ってしまうようなガイダンスでは意味がない。そこで、「このままでお待ちください」というように、前記特定人物に少しでも期待を持たせてATMの前に留まらせるための、動作継続中のガイダンスである必要がある。
前記の疑似動作(S208)と動作継続中画面(S209)は所定の時間継続的に行われる。所定の時間とは、特定人物が出金を希望する金額(すなわち、通常に搬送する紙幣の枚数)にもよるが、特定人物が現金がなかなか出金されないのに疑問を持つであろうと予想する時間である(S210)。
所定の時間経過後、制御部31は接近検知器6を制御し、当該特定人物が未だATM1の前にいるかどうか検知する(S211)。当該特定人物が未だATN1の前にいる場合には、当該特定人物は逃走する可能性が大きいので、制御部31はATM1の脚部41の近くに設けた噴射ユニット42を制御し、当該噴射ユニット42は特定人物の足に向けて防盗インク43を噴射する(S212)。よって、特定人物の足に防盗インク43が附着することになる。
このようにすれば、たとえ警備員等が到着する前に、前記特定人物が逃走しても、警備員等は、足に防盗インク43が附着した特定人物を捜索すればよく、特定人物を逮捕する可能性が高まる。
なお、前記防盗インク43は衣服等に附着すると容易には取ることができない特殊インクであり、当該防盗インク43が衣服に附着した特定人物は、その足元が周囲から目立つことになり、逃走が困難になり、警備員等による逮捕の可能性を高めることができる。
また、実施例1の防盗インク43は、周囲から目立たせるためのものであるが、逆に、当該特定人物に当該防盗インク43が附着したことを気付かれないようにするために、赤外線塗料又は紫外線塗料を噴射するようにしてもよい。このようにすれば、逃走している特定人物に防盗インク43が附着したことを気付かれず、一方、捜索している警備員等にとって容易に発見できるので、警備員等による逮捕の可能性を高めることができる。
また、ステップ212において、ATM1の制御部31が噴射ユニット42を制御することを説明したが、これに限らず、ATM1とネットワークを介して接続されている図示しないホストコンピュータが噴射ユニット42を制御するようにしてもよい。
本発明の実施例1によれば、自動取引装置において、前記特定人物が取引をしようとする場合に、警備員等に通報すると同時に、自動取引装置は当該自動取引装置特有の駆動音を発生し、前記特定人物に対して、当該自動取引装置があたかも正常に動作をしているように見せるので、前記特定人物を当該自動取引装置の前に長い間留まらせることができる。したがって、警備員等が到着して、警備員等による逮捕の可能性が高まるという効果を有する。
さらに、噴射ユニット42を設け、所定時間経過後に当該特定人物の身体に向けて特殊インクを噴射させるので、前記特殊インクが特定人物の衣服に附着し、その結果、特定人物が当該自動取引装置の取引がいつまでも完了しないことに気付いてその場から逃走した場合でも、警備員等による逮捕の可能性を高めることができる。
本発明を実施するための最良の形態における自動取引装置の外観図である。 本発明に係る自動取引装置の概略機構側面図である。 本発明に係る自動取引装置のブロック図である。 本発明に係る自動取引装置の動作フローである。 本発明に係る自動取引装置の顧客操作表示部の取引画面を示す説明図である。 実施例1に係る自動取引装置の外観図である。 実施例1に係る自動取引装置の動作フローである。
符号の説明
1 自動取引装置(ATM)
2 顧客操作表示部
3 紙幣入出金部
6 接近検知器
7 カメラ
8 筐体シャッタ
11 紙幣機シャッタ
12 入出金口
13 認識部
14 カセット部
15 一時保留部
16 搬送路
12−1、14−1、15−1 集積手段
12−2、14−2,15−2 分離手段
16−1 搬送ローラ
42 噴射ユニット
43 防盗インク

Claims (4)

  1. 撮像装置を有し、当該撮像装置から採取した利用者の顔画像と予め登録された特定人物の顔画像との一致を判定するために前記撮像装置により前記利用者の顔画像を採取し、さらに前記利用者の操作により入出金取引を行なう自動取引装置において、
    前記利用者の身体に向けて特殊インクを噴射するインク噴射ユニットを設け、採取した前記利用者の顔画像と予め登録された前記特定人物の顔画像との一致の判定があった場合には、前記入出金取引の疑似動作を所定時間行い、かつ前記所定時間経過後、前記利用者の存在を確認して、前記インク噴射ユニットにより前記利用者の身体に向けて特殊インクを噴射するように制御する制御部を有することを特徴とする自動取引装置。
  2. 請求項1記載の自動取引装置において、前記所定時間は、前記入出金取引がいつまでも完了しないことに前記利用者が疑問を持つであろうと予想する時間であることを特徴とする自動取引装置。
  3. 撮像装置から採取した利用者の顔画像と予め登録された特定人物の顔画像との一致を判定するために前記撮像装置により前記利用者の顔画像を採取する工程を含み、さらに前記利用者の操作により入出金取引を行なう工程を含む自動取引装置の動作方法において、
    採取した前記利用者の顔画像と予め登録された前記特定人物の顔画像との一致の判定があった場合には、入出金取引の疑似動作を所定時間行なう工程と、前記所定時間経過後、前記利用者の存在を確認して、インク噴射ユニットにより前記利用者の身体に向けて特殊インクを噴射する工程を含むことを特徴とする自動取引装置の動作方法。
  4. 請求項記載の自動取引装置の動作方法において、前記所定時間は、前記入出金取引がいつまでも完了しないことに前記利用者が疑問を持つであろうと予想する時間であることを特徴とする自動取引装置の動作方法
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