JP5085578B2 - エアロゾル分光分析装置およびその較正方法 - Google Patents

エアロゾル分光分析装置およびその較正方法 Download PDF

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Description

本発明は、気体媒体内のエアロゾルに含まれる元素濃度をレーザ生成プラズマ分光法により定量分析するエアロゾル分光分析装置およびその較正方法に関する。
高速炉プラントなどのプラント設備は、冷却材としてナトリウム(以下、Naと称す。)を用いている。高速炉プラントを安全に運転するために、Naが流通する配管などの外部の気体中に微少に漏えいするNaを検出する必要がある。
Naを検出する方法として、例えば非特許文献1に開示されているように、レーザ誘起ブレークダウン分光法を応用したNaエアロゾルの計測系を用いる方法が知られている。この計測系(エアロゾル分光分析装置)は、Naを溶融しNa蒸気を生成する溶融加熱容器、Na蒸気と高純度空気ガスを混合させエアロゾルを生成するミキシングチャンバ、およびNaの溶融加熱容器やミキシングチャンバに高純度の窒素ガスや空気ガスを供給するガス供給系を有している。
このエアロゾル分光分析装置は、エアロゾルを含む気体中にレーザ集光照射を行ってプラズマを生成させて、気体中に微少に含有されるNaエアロゾルを分解してNa原子化させてプラズマ発光を分光分析し、Na元素を選択的に検出するものである。
この装置を較正するためには、先ず、実際に金属Naを加熱蒸気化して、酸化させることによって、模擬的にNaエアロゾルを生成させる。このNaエアロゾルを気体媒体で濃度の希釈を行う。レーザ分光分析によるNa発光強度とNaエアロゾル濃度との相関をとって、較正曲線を作成している。
さらに、この希釈されたNaエアロゾルのNa絶対濃度値は、Naエアロゾルを含む気体媒体をフィルタに透過させて時間積分して濃縮付着させる。この濃縮付着させたものをサンプリング後に溶媒抽出して、原子吸光分析等によって評価している。
大高雅彦、他1名、「レーザー誘起ブレークダウン分光法を用いたナトリウムエアロゾル検知に関する研究」、サイクル機構技報、2003年3月、第18号、p.23−28
ところが、従来のエアロゾル分光分析装置は、装置本体に較正するための装置を内蔵していない。一般に、エアロゾル分光分析装置の較正は、先ず、較正用のNaエアロゾルを発生させるNaエアロゾル発生装置により発生させたNaエアロゾルを、気体媒体で希釈する希釈装置を用いて、較正用標準物質の濃度を調整する。次に、調整した較正用標準物質をエアロゾル分光分析装置に実際に導入して、分光分析によりNa発光強度とNaエアロゾル濃度との相関をとって、較正曲線を作成する。
Naエアロゾル発生装置は、非常に複雑で大がかりな構造であり、運転も非常に難しい。したがって、エアロゾル分光分析装置に組み込んで一体化しようとすると、当該装置が大型化してしまい、製作コストも高くなる。
また、上記の較正装置および較正方法では、Naエアロゾルの希釈率を制御することはできるが、希釈されたNaエアロゾルのNa絶対濃度は制御が極めて難しい。このため、Naエアロゾルを含む気体媒体をフィルタに透過させて時間積分して濃縮付着させたものを、サンプリング後に溶媒抽出して、原子吸光分析等によってNa絶対濃度を評価する必要がある。このため、元素を検出してから連続的に較正作業を行うことが困難になる場合がある。
本発明は上述した課題を解決するためになされたものであり、その目的は、エアロゾル分光分析装置を小型化し、且つ較正方法の効率を向上させることである。
上記目的を達成するための本発明に係るエアロゾル分光分析装置は、気体媒体内のエアロゾルに含まれる元素濃度をレーザ生成プラズマ分光法により定量分析するエアロゾル分光分析装置において、前記気体媒体内のエアロゾルに照射するとプラズマが発生するレーザ光を生成するレーザ照射部と、前記エアロゾルを含む前記気体媒体が供給される供給口と、前記気体媒体を排気する排気口と、前記供給口および排気口を互いに繋ぐように形成された気体媒体流路とが形成されて、この気体媒体流路と前記レーザ光の光路とが交差可能に構成された分析セルと、前記分析セルの近傍に並んで配置されて前記エアロゾルに含まれて分析対象となる元素と同じ元素を含む較正用化合物を内部に収容して密封された蒸発室と、この蒸発室近傍に配置されて少なくとも異なる2種類の設定温度に制御可能なヒータとを備え、このヒータによって前記蒸発室内を加温したときに発生する飽和蒸気に前記レーザ光が照射可能に構成された較正用標準物質セルと、前記分析セルおよび較正用標準物質セルを移動可能で、前記気体媒体流路および前記蒸発室のうち一方が選択的に前記レーザ光と交差可能に構成されたセル移動手段と、前記気体媒体流路内または前記蒸発室内で発生する前記プラズマから発生する蛍光を集光する蛍光集光部と、前記蛍光集光部で集光した前記蛍光の波長およびその強度に基づいて前記気体媒体内のエアロゾルに含まれる元素濃度を定量分析する分析部と、を有することを特徴とする。
また、本発明に係るエアロゾル分光分析装置の較正方法は、気体媒体内のエアロゾルに含まれる元素濃度をレーザ生成プラズマ分光法により定量分析するエアロゾル分光分析装置の較正方法において、前記エアロゾル分光分析装置は、前記エアロゾルを含む前記気体媒体が供給される供給口と、前記気体媒体を排気する排気口と、前記供給口および排気口を互いに繋ぐように形成された気体媒体流路とが形成されて、この気体媒体流路とレーザ光の光路とが交差可能に構成された分析セルと、前記分析セルの近傍に並んで配置されて前記エアロゾルに含まれて分析対象となる元素と同じ元素を含む較正用化合物を内部に収容して密封された蒸発室と、この蒸発室近傍に配置されて少なくとも異なる2種類の設定温度に制御可能なヒータとを備え、このヒータによって前記蒸発室内を加温したときに発生する飽和蒸気に前記レーザ光が照射可能に構成された較正用標準物質セルと、を有し、当該較正方法は、前記レーザ光を発振させるレーザ発振工程と、前記蒸発室内を所定の第1温度に加温して前記較正用化合物の前記飽和蒸気を発生させる第1の加温工程と、前記蒸発室と前記レーザ光の光路とを交差させるように前記較正用標準物質セルを移動させるセル移動工程と、前記セル移動工程の後に、前記飽和蒸気に前記レーザ光を照射させて、プラズマ光を発生させる第1のプラズマ光発生工程と、前記第1のプラズマ光発生工程の後に、前記プラズマ光から発生する蛍光を集光し、集光した前記蛍光から前記飽和蒸気に含まれる元素の濃度を導出する第1の元素濃度導出工程と、前記第1の元素濃度導出工程の後に、前記第1温度とは異なる第2温度に加温して、前記飽和蒸気を発生させる第2の加温工程と、前記第2の加温工程の後に、前記飽和蒸気に前記レーザ光を照射させて、プラズマ光を発生させる第2のプラズマ光発生工程と、前記第2のプラズマ光発生工程の後に、前記プラズマ光から発生する蛍光を集光し、集光した前記蛍光から前記飽和蒸気に含まれる元素の濃度を導出する第2の元素濃度導出工程と、前記第2の元素濃度導出工程の後に、少なくとも前記第1温度および第2温度それぞれの元素濃度に基づいて、温度に対する元素濃度の関係を導出する較正曲線を作成する工程と、を有することを特徴とする。
本発明によれば、エアロゾル分光分析装置を小型化し、且つ較正方法の効率を向上させることが可能になる。
本発明に係るエアロゾル分光分析装置の第1の実施形態の構成を示す概略斜視図であって、レーザ光の光路が分析セルと交差している状態を示している。 図1のエアロゾル分光分析装置の較正用標準物質セルがレーザ光の光路と交差している状態を示す概略斜視図である。 図1の較正用標準物質セル内のNa化合物を加温する温度に対するNa濃度特性の例を示すグラフである。 本発明に係るエアロゾル分光分析装置の第2の実施形態の構成を示す概略斜視図である。
以下、本発明に係るエアロゾル分光分析装置の実施形態について、図面を参照して説明する。
[第1の実施形態]
本発明に係るエアロゾル分光分析装置の第1の実施形態について、図1〜図3を用いて説明する。図1は、本実施形態のエアロゾル分光分析装置の構成を示す概略斜視図であって、レーザ光5の光路が分析セル2と交差している状態を示している。図2は、図1のエアロゾル分光分析装置の較正用標準物質セル16がレーザ光5の光路と交差している状態を示す概略斜視図である。図3は、図1の較正用標準物質セル16内のNa化合物を加温する温度に対するNa濃度特性の例を示すグラフである。
先ず、本実施形態のエアロゾル分光分析装置の構成について、説明する。
本実施形態のエアロゾル分光分析装置は、図1に示すように、レーザ光5を照射可能なレーザ照射部4と、分析対象元素を含むエアロゾルが混合された気体媒体が流通する分析セル2と、較正用標準物質19となる化合物(較正用化合物)が密閉収容された較正用標準物質セル16と、を有する。さらに、分析セル2で発する蛍光を集光する蛍光集光部24と、蛍光集光部24で集光した蛍光の波長およびその強度に基づいてエアロゾルに含まれる元素濃度を定量分析する分析部25を有する。さらに、分析セル2および較正用標準物質セル16を平行移動させるスライド機構15aを有している。
レーザ照射部4は、気体媒体内のエアロゾルに照射するとプラズマが発生するレーザ光5を生成する。このレーザ光5は、高出力パルスレーザ光で、例えば、パルス幅10ns、出力50mJ/パルスのNd:YAGレーザ基本波(波長1064nm)を用いるとよい。
分析セル2は、石英材質などにより形成された長手方向長さが50mm程度の角柱状の管で、横断面の断面形状が約10mm×10mmの正方形である。分析セル2の一方の正方形端面には、エアロゾルを含む気体媒体が供給される供給口1aが形成されている。この供給口1aには試料導入管1が接続されており、この試料導入管1を流通する気体媒体が、分析セル2内に供給される。
もう一方の正方形端面には、気体媒体を排気する排気口3aが形成されている。この排気口3aには試料排出管3が接続されており、分析セル2の外部に排出される気体媒体は、この試料排出管3を流通する。
分析セル2の内部には、供給口1aおよび排気口3aを互いに繋ぐ気体媒体流路2aが形成されている。この気体媒体流路2aは、分析セル2の長手方向に沿って気体媒体が流通するように形成されている。レーザ照射部4により発生するレーザ光5は、その焦点が気体媒体流路2aの長手方向の中心部、すなわち管の中心部に焦点を結ぶように、気体媒体流路2aと交差する。
較正用標準物質セル16は、分析セル2の近傍に並んで配置されている。較正用標準物質セル16には蒸発室18が形成されている。蒸発室18は、石英材質などにより形成された角柱状の管で、横断面の断面形状が約10mm×10mmの正方形である。蒸発室18の内部には、較正用標準物質19となる較正用化合物が密閉収容されている。この較正用化合物は、分析対象となる元素と同じ元素を含む化合物である。すなわち、分析セル2で分析する気体媒体内のエアロゾルに含まれる元素と同じ元素を含んでいる。
本実施形態では、NaエアロゾルのNa元素を分析対象としているため、較正用化合物は、Na化合物である。Naエアロゾルを模擬する(代替となる)較正用標準物質19は、反応性が低く化学的に安定なNa化合物が適切である。例えば、炭酸水素ナトリウム、L−グルタミン酸ナトリウム、またはNa含有食品添加物などが用いられている。
較正用標準物質セル16は、蒸発室18に隣接するようにヒータ17が設置されている。このヒータ17は、温度制御部21を有し、少なくとも異なる2種類の設定温度に一定に制御可能である。詳細な図示は省略するが、ヒータ17が蒸発室18内を加温する設定温度または蒸発室18内の温度などを測定する温度測定端子20の測定結果に基づいて、設定した温度になるように制御を行う。
蒸発室18は、ヒータ17によって蒸発室18内を加温したときに発生する蒸気にレーザ光5の焦点が交差するように配置される。なお、較正用標準物質セル16は密封系で、試料導入管1を経由してきた気体媒体は導入されない構造となっている。
分析セル2および較正用標準物質セル16それぞれは、スライド機構15a上に互いに所定の間隔をあけて並んで配置されている。このスライド機構15aは、分析セル2および較正用標準物質セル16が所定の間隔を保ちながら平行移動可能で、分析セル2の気体媒体流路2aおよび較正用標準物質セル16の蒸発室18のうち、一方が選択的にレーザ光5の光路と交差するように移動する。
本実施形態では、図1に示すように、分析セル2の気体媒体流路2aがレーザ光5の光路と交差している状態から、図2に示すように、蒸発室18とレーザ光5の光路とが交差する状態になるように平行移動させることができる。また、上記と逆方向に移動することもできる。
蛍光集光部24は、詳細な図示は省略するが、分析セル2または較正用標準物質セル16で生成されたプラズマから発光するプラズマ発光8を集光するプラズマ発光用集光レンズ9などを備えている。
分析部25は、プラズマ発光用集光レンズ9により集光された蛍光が透過して2方向に分岐させるビームスプリッタ10と、分岐されたプラズマ発光8それぞれを取り込むNa蛍光信号測定用光電子増倍管13およびバックグラウンド信号測定用光電子増倍管14を有する。さらに、Na蛍光信号測定用光電子増倍管13およびバックグラウンド信号測定用光電子増倍管14それぞれと接続された信号演算処理部23を有する。
続いて、本実施形態のエアロゾル分光分析装置によって、元素濃度分析を行う方法を説明する。
先ず、較正用標準物質セル16を用いて、較正を行う。レーザ光5の光路と蒸発室18とが交差するように、スライド機構15aによって、較正用標準物質セル16を平行移動させる。
Na化合物が密閉収容された蒸発室18内を、ヒータ17によって所定の一定な温度で加温する。この加温によって、Na化合物の飽和蒸気を発生させる。
レーザ照射部4によって、上記のレーザ光5が蒸発室18に向かって照射される。このレーザ光5は、レーザ光用集光レンズ6により集光照射されて、蒸発室18内の飽和蒸気中にプラズマを生成させる。
プラズマ光7からの発光(プラズマ発光8)は、プラズマ発光用集光レンズ9を用いて集光さる。集光されたプラズマ発光8は、ビームスプリッタ10を介して直交する2方向へ、光量が等しくなるように分配される。
2方向へ分配されたプラズマ発光8のうち一方は、Na蛍光波長のみを透過するNa蛍光信号測定用光学フィルタ11を介してNa蛍光信号測定用光電子増倍管13に送られて光検出される。もう一方は、Na蛍光波長から約1nm程度透過中心波長がずらされてNa蛍光を透過しないバックグラウンド信号測定用光学フィルタ12を介してバックグラウンド信号測定用光電子増倍管14に送られて光検出される。
Na蛍光信号測定用光電子増倍管13から送られる蛍光信号は、第1信号ケーブル22aを経由して、信号演算処理部23に導かれる。バックグラウンド信号測定用光電子増倍管14から送られるバックグラウンド信号は、第2信号ケーブル22bを経由して信号演算処理部23に導かれる。信号演算処理部23は、蛍光信号およびバックグラウンド信号の時間積分信号の差分処理を行う。
Na蛍光信号は、レーザ照射直後、急峻に立ち上がる。レーザ照射の初期の時間帯ではプラズマのバックグラウンド蛍光に埋もれているが、バックグラウンド蛍光が減衰した後に、明りょうにNa蛍光成分が現れて、ゆっくりと減衰する。
このため、例えばゲート立ち上がりは、レーザ照射時刻から500ns後で、ゲート幅が100μsの時間積分処理を、蛍光信号およびバックグラウンド信号それぞれに対して行う。信号演算処理部23は、両者の時間積分信号の差分処理を行った結果がNa濃度に比例することを用いて、Na濃度を求める。
上記の手順を、複数の加温温度それぞれで行うことによって、図3に示すように、加温温度に対するNa濃度特性を示す較正曲線を作成し、装置較正を行う。
装置較正を行った後に、レーザ光5の光路と分析セル2の気体媒体流路2aとが交差するように、スライド機構15aによって、分析セル2を平行移動させる。
次に、レーザ照射部4によって、レーザ光5が分析セル2に向かって照射させる。このレーザ光5は、レーザ光用集光レンズ6により集光照射されて、分析セル2内を流通する気体媒体、すなわち分光分析の対象となる気体媒体中にプラズマを生成させて、上記手順と同様に、Na濃度を求める。
以上の説明からわかるように本実施形態によれば、エアロゾル分光分析装置の本体に小型な較正装置を組み込んで、一体化することが可能になる。これにより、装置の製作コストが低減できる。
また、エアロゾル分光分析装置を設置する場所に、当該装置とは別途に大型の較正装置を設置する必要がなくなるため、より効率よくエアロゾル分光分析装置の較正を行うことが可能になる。
また、上記例のようなNa化合物は反応性が低く化学的に安定であり、取り扱いも非常に容易である。常温では蒸気圧は低いが、50℃程度まで加温する間に、数Torr程度の蒸気圧を容易に得ることができる。このため、一般にAntoineの式で飽和蒸気圧曲線の係数を求めておけば、加温温度の制御によって蒸発室18内(密封系)の飽和蒸気が規定できるため、Na濃度の絶対値をパラメータとして、分光分析装置の較正曲線取得を、サンプリング分析などを行うことなく、元素を検出してから連続的に行うことが可能になる。したがって、効率的に較正を行うことができる。
[第2の実施形態]
本発明に係るエアロゾル分光分析装置の第2の実施形態について、図4を用いて説明する。図4は、本実施形態のエアロゾル分光分析装置の第2の実施形態の構成を示す概略斜視図である。なお、本実施形態は、第1の実施形態の変形例であって、第1の実施形態と同一部分または類似部分には、同一符号を付して、重複説明を省略する。
本実施形態では、第1の実施形態の平行移動するスライド機構15aに替えて、分析セル2および較正用標準物質セル16が所定の間隔を保ちながら回転移動可能に構成されたリボルバ機構15bを有している。
これにより、第1の実施形態と同様に、分析セル2の気体媒体流路2aおよび較正用標準物質セル16の蒸発室18のうちどちらか一方を、選択的にレーザ光5と交差するように移動することが可能となる。
[その他の実施形態]
上記実施形態の説明は、本発明を説明するための例示であって、特許請求の範囲に記載の発明を限定するものではない。また、本発明の各部構成は上記実施形態に限らず、特許請求の範囲に記載の技術的範囲内で種々の変形が可能である。
上記実施形態では、NaエアロゾルのNa濃度を分析しているが、これに限らない。Na以外の元素分析を行うことも可能である。
1…試料導入管、1a…供給口、2…分析セル、2a…気体媒体流路、3…試料排出管、3a…排気口、4…レーザ照射部、5…レーザ光、6…レーザ光用集光レンズ、7…プラズマ光、8…プラズマ発光、9…プラズマ発光用集光レンズ、10…ビームスプリッタ、11…Na蛍光信号測定用光学フィルタ、12…バックグラウンド信号測定用光学フィルタ、13…Na蛍光信号測定用光電子増倍管、14…バックグラウンド信号測定用光電子増倍管、15a…スライド機構、15b…リボルバ機構、16…較正用標準物質セル、17…ヒータ、18…蒸発室、19…較正用標準物質、20…温度測定端子、21…温度制御部、22a…第1信号ケーブル、22b…第2信号ケーブル、23…信号演算処理部、24…蛍光集光部、25…分析部

Claims (7)

  1. 気体媒体内のエアロゾルに含まれる元素濃度をレーザ生成プラズマ分光法により定量分析するエアロゾル分光分析装置において、
    前記気体媒体内のエアロゾルに照射するとプラズマが発生するレーザ光を生成するレーザ照射部と、
    前記エアロゾルを含む前記気体媒体が供給される供給口と、前記気体媒体を排気する排気口と、前記供給口および排気口を互いに繋ぐように形成された気体媒体流路とが形成されて、この気体媒体流路と前記レーザ光の光路とが交差可能に構成された分析セルと、
    前記分析セルの近傍に並んで配置されて前記エアロゾルに含まれて分析対象となる元素と同じ元素を含む較正用化合物を内部に収容して密封された蒸発室と、この蒸発室近傍に配置されて少なくとも異なる2種類の設定温度に制御可能なヒータとを備え、このヒータによって前記蒸発室内を加温したときに発生する飽和蒸気に前記レーザ光が照射可能に構成された較正用標準物質セルと、
    前記分析セルおよび較正用標準物質セルを移動可能で、前記気体媒体流路および前記蒸発室のうち一方が選択的に前記レーザ光と交差可能に構成されたセル移動手段と、
    前記気体媒体流路内または前記蒸発室内で発生する前記プラズマから発生する蛍光を集光する蛍光集光部と、
    前記蛍光集光部で集光した前記蛍光の波長およびその強度に基づいて前記気体媒体内のエアロゾルに含まれる元素濃度を定量分析する分析部と、
    を有することを特徴とするエアロゾル分光分析装置。
  2. 前記飽和蒸気の圧力は、前記蒸発室内の温度を加温して所定の温度を保持したときの飽和蒸気圧であって、この飽和蒸気圧に基づいて前記較正用化合物に含まれる元素濃度を定めるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載のエアロゾル分光分析装置。
  3. 前記エアロゾルはナトリウムを含み、前記較正用化合物はナトリウム化合物であって、前記ナトリウムを分析可能に構成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のエアロゾル分光分析装置。
  4. 前記ナトリウム化合物は、炭酸水素ナトリウム、L−グルタミン酸ナトリウム、またはナトリウム含有食品添加物であることを特徴とする請求項3に記載のエアロゾル分光分析装置。
  5. 前記分析セルおよび前記較正用標準物質セルは、互いに間隔をあけて並んで配置されて、
    前記セル移動手段は、前記分析セルおよび前記較正用標準物質セルが前記間隔を保ちながら平行移動可能に構成されたスライド機構であることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載のエアロゾル分光分析装置。
  6. 前記分析セルおよび前記較正用標準物質セルは、互いに間隔をあけて並んで配置されて、
    前記セル移動手段は、前記分析セルおよび前記較正用標準物質セルが前記間隔を保ちながら回転移動可能に構成されたリボルバ機構であることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載のエアロゾル分光分析装置。
  7. 気体媒体内のエアロゾルに含まれる元素濃度をレーザ生成プラズマ分光法により定量分析するエアロゾル分光分析装置の較正方法において、
    前記エアロゾル分光分析装置は、
    前記エアロゾルを含む前記気体媒体が供給される供給口と、前記気体媒体を排気する排気口と、前記供給口および排気口を互いに繋ぐように形成された気体媒体流路とが形成されて、この気体媒体流路とレーザ光の光路とが交差可能に構成された分析セルと、
    前記分析セルの近傍に並んで配置されて前記エアロゾルに含まれて分析対象となる元素と同じ元素を含む較正用化合物を内部に収容して密封された蒸発室と、この蒸発室近傍に配置されて少なくとも異なる2種類の設定温度に制御可能なヒータとを備え、このヒータによって前記蒸発室内を加温したときに発生する飽和蒸気に前記レーザ光が照射可能に構成された較正用標準物質セルと、
    を有し、
    当該較正方法は、
    前記レーザ光を発振させるレーザ発振工程と、
    前記蒸発室内を所定の第1温度に加温して前記較正用化合物の前記飽和蒸気を発生させる第1の加温工程と、
    前記蒸発室と前記レーザ光の光路とを交差させるように前記較正用標準物質セルを移動させるセル移動工程と、
    前記セル移動工程の後に、前記飽和蒸気に前記レーザ光を照射させて、プラズマ光を発生させる第1のプラズマ光発生工程と、
    前記第1のプラズマ光発生工程の後に、前記プラズマ光から発生する蛍光を集光し、集光した前記蛍光から前記飽和蒸気に含まれる元素の濃度を導出する第1の元素濃度導出工程と、
    前記第1の元素濃度導出工程の後に、前記第1温度とは異なる第2温度に加温して、前記飽和蒸気を発生させる第2の加温工程と、
    前記第2の加温工程の後に、前記飽和蒸気に前記レーザ光を照射させて、プラズマ光を発生させる第2のプラズマ光発生工程と、
    前記第2のプラズマ光発生工程の後に、前記プラズマ光から発生する蛍光を集光し、集光した前記蛍光から前記飽和蒸気に含まれる元素の濃度を導出する第2の元素濃度導出工程と、
    前記第2の元素濃度導出工程の後に、少なくとも前記第1温度および第2温度それぞれの元素濃度に基づいて、温度に対する元素濃度の関係を導出する較正曲線を作成する工程と、
    を有することを特徴とするエアロゾル分光分析装置の較正方法。
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