JP5085419B2 - エンジン及びエンジン用点火プラグ - Google Patents
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Description
総面積の面積比を小さくすることが考えられるが、その面積比が小さくなるに伴って、各噴孔から噴出される火炎の夫々が単独で噴出される傾向となり、例えば、各噴孔から各別の火炎ジェットが噴出されることになる。そこで、本特徴構成では、突出表面の面積に対する複数の噴孔の総面積の面積比を0.05〜0.2とすることにより、各噴孔から噴出される火炎同士を混合させる状態で噴出させるようにして、プラグカバーの突出表面の外形形状に対応する形状の火炎を形成することができる。これにより、燃焼室においてプラグカバーの突出表面の外形形状に対応して火炎が伝播させることができる。よって、燃焼室に対して極力均一に火炎を伝播させて、燃焼室の混合気を極力均一に燃焼させることができるエンジンを実現できるに至った。
さらに、上記特徴構成によれば、回転方向において各噴孔から分散された状態で火炎を噴出させることができ、プラグカバーの突出表面の外形形状に対応する形状の火炎を的確に形成できる。
エンジン1は、図1に示すように、ピストン2と、ピストン2を収容してピストン2の天面2aとともに燃焼室3を形成するシリンダ4と、シリンダヘッド6に装着された点火プラグ10(本発明に係るエンジン用点火プラグに相当する)とを備えている。ピストン2をシリンダ4内で往復運動させるとともに、吸気バルブ5及び排気バルブ(図示を省略)を開閉動作させることにより、燃焼室3において、吸気行程、圧縮行程、燃焼・膨張行程、排気行程の各行程を順次行う。これにより、図示は省略するが、ピストン2の往復動を連結棒によってクランク軸の回転運動として出力するように構成されている。このような構成は、通常の4ストローク内燃機関と同様の構成である。
ここで、燃焼室3の軸心方向は、燃焼室3の中心軸Wに沿った方向であり、例えば、ピストン2の上下動方向と同一方向である。以下、この燃焼室3の軸心方向を「軸心方向」と呼称し、燃焼室3の軸心方向に直交する方向を「直交方向」と呼称する。
エンジン1は、吸気バルブ5を開動作させた状態でピストン2が上死点から下降することにより、燃焼室3に混合気Mを吸気する吸気行程が行われる。次に、吸気バルブ5を閉動作させた状態でピストン2が上昇することにより、燃焼室3の混合気Mを圧縮する圧縮行程が行われる。この圧縮行程では、ピストン2の上昇により燃焼室3の容積が減少されるので、燃焼室3の混合気Mが噴孔15を通して点火室14に流入する。
エンジン1は、点火タイミング(例えば、上死点直前)に、点火プラグ10を作動させて、点火点11にて火花点火して点火室14の混合気Mに点火させる。すると、点火室14での燃焼が進み、火炎が噴孔15を通して燃焼室3に噴出する。これにより、燃焼室3の混合気Mが燃焼されて燃焼・膨張行程が行われる。次に、排気バルブを開動作させた状態でピストン2が上昇することにより、燃焼室3の排ガスを排気ポートに排出する排出行程が行われる。
このようにして、エンジン1は、吸気行程、圧縮行程、燃焼・膨張行程、排気行程の順に各行程を行う一連の動作を繰り返し行うように構成されている。
図2に基づいて、プラグカバー13に備えられた噴孔15の構成について説明する。
噴孔15は、燃焼室3に突出するプラグカバー13の突出表面13aにおいて互いに間隔を隔てた分散状態で複数設けられている。プラグカバー13の突出表面13aは、燃焼室3の中心軸Wに沿った当該軸心を含む断面視において、円弧状に形成されている。プラグカバー13の突出表面13aの表面積S1に対する複数の噴孔15の総面積S2の面積比(S2/S1)が0.05〜0.2となるように構成されている。
以下、プラグカバー13の突出表面13aの表面積S1を同じ表面積とし且つ噴孔15の孔径も同じ孔径として、噴孔数を変更することにより、面積比(S2/S1)を0.05〜0.2の範囲内とした場合(図3(a))と面積比(S2/S1)を0.05〜0.2の範囲よりも小さくした場合(図3(b))との夫々において、燃焼室3における火炎の形成状態について説明する。
この場合には、火炎(図中白い部分)がプラグカバー13の突出表面13aの中央を中心として周方向に一様に広がった略円形状となっている。これにより、燃焼室3に対して均一に火炎を伝播させることができ、燃焼室3の混合気を極力均一に燃焼させることができる。
この場合には、プラグカバー13の突出表面13aの中央を中心として、火炎が形成されている部分(図中白い部分)と火炎が形成されていない部分(図中黒い部分)とが周方向に断続して存在する形状となっている。そのために、燃焼室3に対して均一に火炎を伝播させることができない。
3 燃焼室
6 シリンダヘッド
7 凹部
10 点火プラグ(エンジン用点火プラグ)
11 点火点
13 プラグカバー
14 点火室
15 噴孔
Claims (5)
- 点火点を覆うプラグカバー内に点火室が形成された点火プラグがシリンダヘッドに装着され、前記点火室とピストンに面する燃焼室とを連通する複数の噴孔が前記プラグカバーに備えられているエンジンであって、
前記プラグカバーが、その先端側を底部とする有底筒状に形成され、前記プラグカバーの底部は、前記燃焼室の軸心を含む断面において、円弧状になるように形成され、
前記点火プラグは、前記燃焼室の軸心方向において、前記シリンダヘッド側から前記燃焼室に前記プラグカバーを突出させるように配置され、
前記複数の噴孔は、前記燃焼室に突出する前記プラグカバーの突出表面において互いに間隔を隔てた分散状態で前記突出表面の面積に対する前記複数の噴孔の総面積の面積比が0.05〜0.2となるように同じ孔径に構成され、
さらに、前記複数の噴孔は、前記燃焼室の中心軸に直交する断面視において、前記突出表面の中央を中心として半径の異なる円周上に設けられるとともに、前記複数の円周同士は、径方向に一定間隔を隔てるように定められ、
さらに、前記円周の夫々に設けられる全ての噴孔が、当該円周方向で等間隔に設けられるとともに、前記円周方向における噴孔間の間隔が、異なる円周上に設けられる全ての噴孔について同一とされ、
前記燃焼室に突出する前記プラグカバーの突出表面の外形形状に対応する形状の火炎を形成し、
前記複数の円周上に位置する前記複数の噴孔の夫々は、前記燃焼室の中心軸に直交する断面視において、前記プラグカバーの突出表面の中央を中心とする円周方向の位置が同一半径上とならないように互いに異なる位置になるように設けられたエンジン。 - 前記複数の噴孔の夫々において流入方向が点火点を向くように構成する請求項1に記載のエンジン。
- 前記複数の円周として、径方向内側から順に、第1の円周、第2の円周、第3の円周を備え、
前記複数の噴孔を、前記第1の円周に3個、前記第2の円周に5個、前記第3の円周に12個備えている請求項1又は2に記載のエンジン。 - 点火点を有するプラグ本体と、前記点火点を覆うように前記プラグ本体に設けられたプラグカバーとを備え、
エンジンのシリンダヘッドに前記プラグ本体及び前記プラグカバーを装着させた状態において、ピストンに面する燃焼室と前記プラグカバー内に形成された点火室とを連通する複数の噴孔が前記プラグカバーに形成されているエンジン用点火プラグであって、
前記プラグカバーが、その先端側を底部とする有底筒状に形成され、前記プラグカバーの底部は、前記燃焼室の軸心を含む断面において、円弧状になるように形成され、
前記燃焼室の軸心方向において、前記シリンダヘッド側から前記燃焼室に前記プラグカバーを突出させた状態において、
前記複数の噴孔は、前記燃焼室に突出する前記プラグカバーの突出表面において互いに間隔を隔てた分散状態で前記突出表面の面積に対する前記複数の噴孔の総面積の面積比が0.05〜0.2となるように同じ孔径に構成され、
さらに、前記複数の噴孔は、前記燃焼室の中心軸に直交する断面視において、前記突出表面の中央を中心として半径の異なる円周上に設けられるとともに、前記複数の円周同士は、径方向に一定間隔を隔てるように定められ、
さらに、前記円周の夫々に設けられる全ての噴孔が、当該円周方向で等間隔に設けられるとともに、前記円周方向における噴孔間の間隔が、異なる円周上に設けられる全ての噴孔について同一とされ、
前記燃焼室に突出する前記プラグカバーの突出表面の外形形状に対応する形状の火炎を形成し、
前記複数の円周上に位置する前記複数の噴孔の夫々は、前記燃焼室の中心軸に直交する断面視において、前記プラグカバーの突出表面の中央を中心とする円周方向の位置が同一半径上とならないように互いに異なる位置になるように設けられたエンジン用点火プラグ。 - 前記プラグカバーは、前記プラグ本体に一体的に形成されている請求項4に記載のエンジン用点火プラグ。
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