JP5084574B2 - 内燃機関の失火検出装置 - Google Patents

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Description

本発明は、自動車エンジンなどの内燃機関において、コロナ放電などによるノイズの存在に拘わらず失火状態を正確に検出できる失火検出装置に関する。
内燃機関の燃焼室で発生するイオン電流に着目して、失火状態を検出する研究が進められており、本出願人も、検出精度の高い失火検出装置について既に特許出願している(特許文献1)。
特願2006−130935号
この発明では、イオン電流検出回路からの検出信号を二値的な判定パルスに変換し、その判定パルスのパルス幅に基づいて失火検知をしている。具体的には、取得した複数個の判定パルスについて、そのパルス幅を平均化し、その平均値が閾値より小さい場合には失火状態であると判定している。
しかしながら、特許文献1のアルゴルリズムでは、失火時にコロナ放電が多発するような場合や、或いは、イオン電流検出回路からの検出信号に、何らかの理由でオフセットがのったような場合には、失火状態を見落とすおそれがあった。
図10は、失火時にコロナ放電が多発する状態を図示したものであり、ノイズ同士の干渉などにより、比較的パルス幅の広い判定パルスが生成されている。この図10に示すパルス幅は、燃焼時に発生する判定パルスと同程度であるので、失火状態であるにも拘わらず、燃焼状態であると誤判定してしまうことになる。
また、図11は、点火プラグの絶縁抵抗の劣化などの影響で、失火時の検出信号にオフセットがのった場合を示している。この場合には、検出信号のレベルが、長期間にわたって、コンパレータの閾値THを下回らないので、燃焼時の場合と同程度の判定パルスが生成されてしまい、誤検出を引き起こしていた。
本発明は、この問題点に鑑みてなされたものであって、例外的な動作状態の場合であっても、失火状態を確実に把握できる内燃機関の失火検出装置を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するため、請求項1に係る発明は、点火プラグに高電圧を供給する点火コイルと、前記点火コイルを断続的に駆動するスイッチング素子と、前記点火コイルの二次コイルに接続されたイオン電流検出回路と、を有して、イオン電流検出回路からの検出信号を二値的な検出パルスに変換し、その検出パルスのパルス幅の広狭に基づいて燃焼状態か失火状態かを判定する失火検出装置において、前記イオン電流検出回路の検出信号を所定値と対比して判定パルスを出力するコンパレータを設け前記判定パルスを受ける電子制御回路は、前記判定パルスが繰り返し発生する振動区間の時間幅を抽出する区間抽出手段と、抽出された前記時間幅が、閾値より広いか否かに基づいて、燃焼状態と誤判定される可能性のある特定の失火状態を検出する判定手段とを有して構成されている。
また、請求項2に係る発明は、点火プラグに高電圧を供給する点火コイルと、前記点火コイルを断続的に駆動するスイッチング素子と、前記点火コイルの二次コイルに接続されたイオン電流検出回路と、を有して、イオン電流検出回路からの検出信号を二値的な検出パルスに変換し、その検出パルスのパルス幅の広狭に基づいて燃焼状態か失火状態かを判定する失火検出装置において、前記イオン電流検出回路の検出信号を受ける電子制御回路は、前記検出信号を所定値と比較して二値信号に変換する変換手段と、前記二値信号が繰り返し発生する振動区間の時間幅を抽出する区間抽出手段と、抽出された前記時間幅が、閾値より広いか否かに基づいて、燃焼状態と誤判定される可能性のある特定の失火状態を検出する判定手段とを有して構成されている。
上記何れの発明も、イオン電流検出回路からの検出信号が、所定値を超えて振動する振動区間を問題にしている。そして。点火コイルの二次回路は、点火プラグを含んだRLC共振回路を構成しているので、その振動電流iは
i=−2*Q/C*SQR(4*L/C−R)EXP(−α*t)sin(β*t)で与えられる。ここで、α=−R/(2*L) β={SQR(4*L/C−R)}/(2*L)である。
ここで、混合気が燃焼している場合と失火している場合とでは、イオンの有無による抵抗値に差が生じるので、振動電流の振動周期が顕著に相違する。そこで、本発明では、この振動周期の差異を検出するため、判定パルスなどが振動を繰り返す振動区間の時間幅を抽出し、その長短に基づいて失火を検出している。すなわち、失火状態では、振動電流の個々の振動周期が長いので、振動区間の全体としての時間幅も長くなるので、この性質を利用して失火検出をしている。
具体的には、本発明の判定手段は、好ましくは、抽出された時間幅を基準時間幅と対比して、時間幅が基準時間幅より広い場合には、失火状態であると判定するべきである。但し、このアルゴリズムでは、対応できない特殊な場合もあり、例えば、後燃えなどと称される緩慢燃焼の場合には、失火状態ではないにも拘わらず、上記した振動区間が長くなってしまう。
そこで、緩慢燃焼についても確実に把握するには、スイッチング素子の遷移によって前記点火プラグに高電圧が供給されてから、前記振動区間が終わるまでの経過時間を算出する計時手段を更に設けるのが好ましい。緩慢燃焼などの場合には、点火プラグに高電圧が供給されてから振動区間が終わるまでの経過時間が長くなるので、判定手段は、抽出された前記時間幅と前記経過時間との比率を、基準比率と対比して、前記規準比率を超えるか否かによって、失火状態か否かを判定することができる。例えば、経過時間/時間幅の比率を用いれば、前記経過時間の長い緩慢燃焼などを特異的に検出することができる。したがって、経過時間/時間幅の比率が規準比率より小さい場合には失火状態であると判定される。
但し、必ずしも、点火プラグに高電圧が供給されてから振動区間が終わるまでの経過時間だけに判定パラメータが限定されるものではない。例えば、運転状態に基づいて予め決定されている切出しウインドの領域内において、前記イオン電流検出回路の検出信号の積分値を算出する積分手段を設けるのも好適である。この場合、抽出された前記時間幅と前記積分値との比率を、基準比率と対比して、前記規準比率を超えるか否かによって、失火状態か否かを判定することができる。
ところで、振動区間の時間幅は、最初に検出された判定パルスの第一エッジから、最後に検出された判定パルスの第一エッジまでの経過時間で算出されるのが典型例である。もっとも、最初に検出された判定パルスの第一エッジから、最後に検出された判定パルスの第二エッジまでの経過時間を使用しても良いのは勿論である。
なお、信号区間の時間幅は、運転状態に基づいて予め決定されている切出しウインドの領域内で算出されるのが好適であり、運転状態は、内燃機関の回転数と、吸気管圧力とを含んだセンサ出力に基づいて把握されるのが好ましい。
前記電子制御回路は、好ましくは、CPUの複数の割込み端子を備えて構成され、前記判定パルスは、前記複数の割込み端子に供給されている。このような構成であれば、判定パルスの第一エッジによって第一の割込み処理を起動する一方、判定パルスの第二エッジによって第二の割込み処理を起動することができ、振動を繰り返す判定パルスの挙動を確実に記憶することができ、その記憶内容に基づいて、その後の失火判定を正確に実行することができる。
以上説明した本発明によれば、検出パルスなどの二値信号が、繰り返し振動する振動区間の時間幅を抽出する区間抽出手段と、抽出された前記時間幅に基づいて失火状態を検出する判定手段とを有して失火状態を検出するので、失火状態を誤認することがない。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。図1は、内燃機関用の失火検出装置EQUの一例を示す回路図である。また、図2は、図1の失火検出装置EQUの動作内容を説明する図面である。
図1に示す通り、この失火検出装置EQUは、一次コイル1Pと二次コイル1Sとが電磁結合され点火プラグPGに高電圧を供給する点火コイル1と、点火コイル1を断続的に駆動するスイッチングトランジスタ2と、点火プラグPGと二次コイル1Sに直列接続されたイオン電流検出回路3と、イオン電流検出回路3のアナログ検出信号AGを所定値ETHと対比して判定パルスDGを出力するコンパレータ4と、イオン電流検出回路3及びコンパレータ4からの信号出力AG,DGを受けるECU(Electronic Control Unit)5と、を中心に構成されている。
ECU5は、この回路例ではワンチップマイコンで構成されており、CPUコア5aやメモリ5bの他に、イオン電流検出回路3の検出信号AGを受けるA/Dコンバータ5cや、スイッチングトランジスタ2を駆動する出力ポート5dを備えて構成されている。
また、ワンチップマイコンは、CPUコア5aの2つの割込み端子IRQ1、IRQ2に、判定パルスDGを重複して受けている。そして、判定パルスDGの立下りエッジでは、割込み端子IRQ1に対応する第一割込み処理プログラムが起動される一方、判定パルスの立上りエッジでは、割込み端子IRQ2に対応する第二割込み処理プログラムが起動されるよう設定されている。
ECU5のワンチップマイコンは、出力ポート5dから出力する点火パルスSGによってスイッチングトランジスタ2のON/OFF動作を制御している。図示の通り、スイッチングトランジスタ2のベース端子は、ワンチップマイコンに接続され、コレクタ端子は、点火コイルの一次コイル1Pに接続され、エミッタ端子は、グランドラインに接続されている。
イオン電流検出回路3は、点火プラグPGの放電電流で充電されるバイアス用のコンデンサCと、コンデンサCに並列接続されてコンデンサCの充電電圧を規制するツェナーダイオードZDと、ツェナーダイオードZDに直列接続されたダイオードD1と、ダイオードD1の両端に接続された増幅部AMPとで構成されている。
ツェナーダイオードZDとダイオードD1のアノード端子は、互いに直結され、ダイオードD1のカソード端子はグランドラインに接続されている。また、ツェナーダイオードZDのカソード端子は、二次コイル1Sに接続されている。
イオン電流検出回路3の増幅部AMPは、反転端子と非反転端子と出力端子とを有する増幅素子Q1と、増幅素子Q1の反転端子に接続される入力抵抗R1と、増幅素子Q1の反転端子と出力端子の間に接続される帰還抵抗R2と、増幅素子Q1の出力端子とグランドラインとの間に接続される負荷抵抗RLで構成されている。なお、増幅素子Q1の反転端子とグランドラインとの間に、増幅素子Q1を保護するためのダイオードD2を接続しても良い。
増幅素子Q1として、この実施例では、OPアンプを使用している。OPアンプは、その入力インピーダンスがほぼ無限大で、反転端子と非反転端子との間が、仮想的に短絡状態である(imaginary short)。そのため、図2(b)に示す電流Iは、入力抵抗R1と帰還抵抗R2に共通して流れることになり、増幅部AMPの出力電圧Voutは、電流Iと帰還抵抗R2の積となる(Vout=I×R2)。つまり、この増幅部AMPでは、帰還抵抗R2が入力電流Iの検出抵抗として機能している。
図1の回路構成において、二次コイル1Sに負の高電圧が発生すると、図2(a)に示すように、点火プラグPGが点火放電し、点火電流がコンデンサCを充電する。この時、コンデンサCにはツェナーダイオードZDが並列接続されているので、コンデンサCの両端電圧は、ツェナーダイオードZDの降伏電圧Vzに一致する。
その後、二次コイル1Sの高電圧が消滅すると(図2(d)参照)、コンデンサCに充電されたバイアス電圧は、図2(b)に示す経路で放電する。この放電電流は、イオン電流Iに他ならず(図2(e)参照)、イオン電流Iは、増幅素子Q1の出力端子→帰還抵抗R2→入力抵抗R1→コンデンサC→二次コイル1S→点火プラグPGの経路で流れる。先に説明した通り、出力電圧Vout=R2×Iの関係が成立するので、増幅部AMPからはイオン電流Iに比例した電圧が得られる。
図5は、本装置EQUの動作概要を説明するタイムチャートであり、図5(a)〜図5(c)は、それぞれ、スイッチングトランジスタ2への点火パルスSGと、増幅部AMPからの検出信号AGと、コンパレータ4からの判定パルスDGとを示している。なお、一点鎖線で示す時間領域は、イオン電流波形の切出しウインドWinである。最適な切出しウインドWinは、エンジン回転数や吸気管圧力などの運転条件に応じて動的に変化するので、この実施例では、運転条件とイオン電流との関係を予め実験的に求めてメモリに記憶しておき、実際の運転時には、各種センサから得られるデータに基づいて最適な切出しウインドWinを決定している。
上記のような回路構成において、スイッチングトランジスタ2に点火パルスSGが供給されると、点火プラグPGの放電に対応して、通常は、図5(b)に示すようなイオン電流検出回路3からの検出信号AGが得られる。そして、この検出信号AGがコンパレータ4で基準電圧ETHと比較されることで、図5(c)のような適当な期間、Lレベルを示す判定パルスDGが得られる。
一方、点火プラグPGが放電しても燃焼が生じない失火時には、切出しウインドWin内は、通常、図5(d)のように、イオン電流検出回路3からの検出信号AGが得られない。そのため、切出しウインドWinにおけるコンパレータ4からの判定パルスDGは、常時Hレベルとなる(図5(e)参照)。
但し、点火プラグPGの碍子部に帯電した電荷が放電してコロナ放電などが生じると、失火状態でも、図9(b)に示すようなスパイク状の高周波ノイズが、イオン電流検出回路3からの検出信号AGとして検出される。したがって、この場合にも、Lレベル期間を有するデジタル判定信号DGが検出され、燃焼状態と区別できないおそれがある。
しかし、本実施例では、以下に説明する独特の燃焼判定を実行することによって、燃焼状態と失火状態との誤認を防止している。図3と図4は、失火状態を正確に検出可能な第一実施例と第二実施例を説明するフローチャートである。
これら第一と第二の実施例では、切出しウインドWinの前後の適当な区間は、割込み端子IRQ1,IRQ2への外部割込みが割込み許可状態となるが、それ以外では、割込み禁止状態になるようプログラム処理されている(図5参照)。第一実施例の場合には、割込み許可状態は、切出しウインドWinの最終タイミングで完了するが、第二実施例の場合には、切出しウインドWinの最終タイミング以降も割込み禁止状態が継続される。
先に説明した通り、割込み許可状態では、割込み端子IRQ1に供給される判定パルスDGが立下がると、その立下りエッジで第一割込み処理ルーチンが起動される。一方、割込み端子IRQ2に供給される判定パルスDGが立上ると、その立上りエッジで第二割込み処理ルーチンが起動されるよう設定されている。
<第一実施例>
以下、図3に示す第一実施例から説明する。図3(a)は、判定パルスDGの立下りエッジで起動される第一割込み処理ルーチンを示すフローチャート、図3(b)は、判定パルスDGの立上りエッジで起動される第二割込みルーチンを示すフローチャート、図3(c)は、一群のデータを取得した後に起動されるメインルーチンの判定処理サブルーチンを示すフローチャートである。
判定パルスDGがLレベルに立下がったことにより第一割込み処理ルーチンが起動されると、ワンチップマイコンは、ゼロに初期設定されている回数カウンタnの値をインリメントすると共に(ST1)、回数カウンタnの値を判定する(ST2)。初回の第一割込みタイミングであれば、回数カウンタnが1であるので、この場合には、内部カウンタCTをリセットして計時動作を開始させる(ST3)。なお、内部カウンタCTは、ワンチップマイコンに内蔵された適宜なカウンタで実現される。一方、回数カウンタnが1でなければ(n>1)、ステップST3の処理がスキップされる。
何れにしても、続くステップST4の処理では、内部カウンタCTの値が取得されて、その取得値CTが配列STR(n)に記憶される。例えば、最初の第一割込み処理ルーチンであれば、STR(n)にはゼロが記憶されるが、二回目以降の第一割込み処理ルーチンであれば、初回の判定パルスの立下りエッジから、その回の判定パルスDGの立下りエッジまでの経過時間が配列STR(n)に記憶される。
以上のように、図3(a)の処理によって、判定パルスDGがLレベルに立下がったタイミングが、逐次、配列STR(n)に記憶されて第一割込みルーチンの処理が終わる。
一方、判定パルスDGがHレベルに立上ると、第二割込み処理ルーチンが起動される。そして、ワンチップマイコンは、そのタイミングにおける内部カウンタCTの値を取得して、これを配列END(n)に記憶して、第二割込みルーチンの処理が完了する(ST5)。
したがって、図3(a)と図3(b)の処理の結果、ワンチップマイコンのメモリの記憶テーブルTBLには、判定パルスDGの立下りタイミングと、立上りタイミングとが、配列STR(n)とEND(n)に順次記憶されることになる(図3(c)参照)。なお、記憶テーブルTBLにおいて、回数カウンタnの値は、判定パルスDGの振動回数を意味している。
以上のようにして、判定パルスDGの取得処理が終わると、全ての検出信号AGの取得を終えた後に、図3(d)に示す判定処理ルーチンが起動される。
判定処理では、先ず、回数カウンタnの値が判定される(ST6)。そして、複数回の割込みがあった場合(n>1)には、判定パルスDGの最後の立下りタイミングを示すSTR(n)の値を、変数WIDTHに記憶する(ST7)。変数WIDTHの記憶値は、最初の判定パルスDGの立下りエッジから、最後の判定パルスDGの立下りエッジまでの経過時間であり、繰り返し振動する判定パルスの振動区間WIDTHを意味している。
一方、回数カウンタnの値が1である場合には、燃焼期間が長い燃焼状態であると評価して、変数WIDTHを最低値MINに設定する(ST8)。また、回数カウンタnの値が0である場合には、燃焼が開始されなかったと評価して、変数WIDTHに最大値MAXを設定する(ST9)。
以上のように、変数WIDTHの設定が終われば、振動区間を示す変数WIDTHを、予め実験的に算出されている閾値THと対比する(ST10)。そして、振動区間WIDTHが、閾値THより長い場合には失火状態であると判定し(ST12)、振動区間WIDTHが、閾値THより短い場合には燃焼状態であると判定する(ST11)。
図6は、点火パルス(a)と、燃焼状態における検出信号(b)と、判定パルス(c)とを示すタイムチャートである。図示例の場合、変数WIDTHによって特定される判定パルスDGの振動区間が狭いことから(WIDTH<TH)、燃焼状態を正しく検出することができる。
一方、図7は、点火パルス(a)と、コロナノイズが発生している失火状態の検出信号(b)と、判定パルス(c)とを示すタイムチャートである。図示例の場合、変数WIDTHによって特定される判定パルスDGの振動区間が広いことから(WIDTH≧TH)、失火状態を正しく検出することができる。
<第二実施例>
ところで、緩慢燃焼の場合には、図8に示すような、いわゆる後燃えが発生する。そのため、第一実施例のアルゴリズムだけでは、変数WIDTHによって特定される振動区間が広くなり、燃焼状態であるにも拘わらず、これを失火状態であると誤判定してしまうおそれがある。
そこで、第二実施例では、スイッチングトランジスタ2がOFF状態に遷移して、点火プラグPGに高電圧が供給されてから、燃焼が完了するまでの経過時間(燃焼時間)BURNを、判定パラメータに追加している。また、この第二実施例では、切出しウインドWinの後方でも、引き続き割込み許可状態を維持することで、最終の判定パルスの立上りエッジを確実に捕捉している。なお、割込み許可状態とすべき時間幅は、燃焼状態に応じて予め実験的に特定されており、内燃機関からの各種のセンサ出力に基づいてリアルタイムに最適値に設定される。
以下、図4(a)のフローチャートから説明する。判定パルスDGがLレベルに立下ったことにより、第一割込み処理ルーチンが起動されると、ワンチップマイコンは、ゼロに初期設定されている回数カウンタnの値をインリメントすると共に(ST1)、内部カウンタCTの値を配列STR(n)に記憶する(ST4)。
この第二実施例では、内部カウンタCTは、ワンチップマイコンが点火パルスSGを立下げるのに合わせてリセットされ、計数動作が開始されている。そのため、配列STR(n)には、点火パルスSGの立下りエッジからn回目の判定パルスDGの立下りエッジまでの経過時間が記憶されることになる。
次に、図4(b)のフローチャートにつき説明する。判定パルスDGがHレベルに立上ったことにより、第二割込み処理ルーチンが起動された場合には、内部カウンタCTの値が配列END(n)に記憶される(ST5)。したがって、配列END(n)には、点火パルスSGの立下りエッジからn回目の判定パルスDGの立上りエッジ(終了エッジ)までの経過時間が記憶される。
このように、第二実施例では、判定パルスDGがECU5に繰り返し供給される毎に、その立下りエッジ(開始エッジ)と、立上りエッジ(終了エッジ)のタイミングが、配列STR(n)と配列END(n)に順次記憶されることになる。そして、切出しウインドWinの区間を超えた後も、最終の判定パルスDGの立上りエッジのタイミングが記憶され、割込み許可状態の区間(図5参照)が終了する。ここでは、説明の都合上、n回目の割込み(n個目の判定パルスDG)で、切出しウインドWinが終了し、m回目の割込み(m個目の判定パルスDG)で、割込み許可状態の区間が終了したことにする。
上記のようにして、判定パルスDGの取得処理が終わると、全ての検出信号AGの取得を終えた後に、図4(d)に示す判定処理ルーチンが起動される。
判定処理では、先ず、回数カウンタnの値が判定される(ST20)。そして、複数回の割込みがあった場合(n>1)には、切出しウインドWin範囲内における、判定パルスDGの最後の立下りタイミングを示すSTR(n)の値と、最初の立下りタイミングを示すSTR(1)の値との差(振動区間=STR(n)−STR(1))が算出され、これが変数WIDTHに記憶される(ST21)。
一方、回数カウンタnの値が1である場合には、燃焼期間が長い燃焼状態であると評価して、変数WIDTHを最低値MINに設定する(ST22)。また、回数カウンタnの値が0である場合には、燃焼が開始されなかったと評価して、変数WIDTHに最大値MAXを設定する(ST23)。なお、ここまでの処理は、第一実施例の場合と実質的に同じである。
次に、割込み許可区間における、判定パルスDGの最後の立上りタイミングを示すEND(m)の値を、燃焼時間として変数BURNに記憶する(ST24)。また、変数BURNと変数WIDTHの比を算出して、算出値BURN/WIDTHを判定用の判定変数JUDGに記憶する(ST24)。
そして、判定変数JUDGを、予め実験的に算出されている閾値TH’と対比し(ST25)、判定変数JUDGの値が閾値TH’より大きい場合には燃焼状態であると判定する(ST26)。逆に、判定変数JUDGの値が、閾値TH’より小さい場合には失火状態であると判定する(ST27)。
図8は、点火パルス(a)と、緩慢燃焼状態における検出信号(b)と、判定パルス(c)とを示すタイムチャートである。図示例の場合、振動区間WIDTHは広いものの(WIDTH<TH)、燃焼期間BURNも広いので、BURN/WIDTHによる判定変数JUDGは、閾値TH’より大きい値となり、燃焼状態を正しく検出することができる。なお、図6〜図7の場合も、判定変数JUDG=BURN/WIDTHの判定パラメータは有効であり、燃焼状態(図6)と失火状態(図7)とを特異的に抽出することができる。
以上の通り、本発明の実施例を具体的に説明したが、具体的な内容は特に本発明を限定するものではなく、本発明の趣旨を逸脱することなく各種の改変が可能である。例えば、第二実施例では、燃焼時間BURNを算出して判定パラメータとしたが、これに代えて、検出信号AGの時間積分値SUM(面積)を判定パラメータとしても良い。この場合には、SUM/WIDTHの値に基づいて、燃焼状態か否かが判定される。
また、回路構成は、図1のものに限定されるものではなく、例えば、コンパレータ4を設けない図8の構成も好適である。図8の場合には、コンパレータを設けない代わりに、A/Dコンバータ5cに入力されたアナログ検出信号AGをデジタル変換した後、そのデータを閾値THと比較することで二値信号に変換される。この二値信号は、コンパレータ4の出力である判定パルスDGに対応するが、この実施形態では、閾値THの値を、リアルタイムに且つ任意に変更できる利点がある。なお、二値信号に変換された後の処理は、図3又は図4の場合と実質的に同一で良い。
失火検出装置の回路構成を示す回路図である。 イオン検出回路の動作内容を説明する図面である。 第一実施例の失火判定のアルゴリズムを示すフローチャートである。 第二実施例の失火判定のアルゴリズムを示すフローチャートである。 イオン検出回路の動作内容を説明するタイムチャートである。 燃焼判定のアルゴリズムを説明するタイムチャートである。 失火判定のアルゴリズムを説明するタイムチャートである。 第二実施例の燃焼判定のアルゴリズムを説明するタイムチャートである。 別の実施例に係る失火検出装置の回路構成を示す回路図である。 従来技術の問題点を説明する図面である。 従来技術の問題点を説明する図面である。
符号の説明
PG 点火プラグ
1 点火コイル
2 スイッチング素子
3 イオン電流検出回路
4 コンパレータ
5 電子制御回路
PG 点火プラグ
AG 検出信号
DG 判定パルス
WIDTH 振動区間

Claims (9)

  1. 点火プラグに高電圧を供給する点火コイルと、前記点火コイルを断続的に駆動するスイッチング素子と、前記点火コイルの二次コイルに接続されたイオン電流検出回路と、を有して、イオン電流検出回路からの検出信号を二値的な検出パルスに変換し、その検出パルスのパルス幅の広狭に基づいて燃焼状態か失火状態かを判定する失火検出装置において
    前記イオン電流検出回路の検出信号を所定値と対比して判定パルスを出力するコンパレータを設け
    前記判定パルスを受ける電子制御回路は、
    前記判定パルスが繰り返し発生する振動区間の時間幅を抽出する区間抽出手段と、抽出された前記時間幅が、閾値より広いか否かに基づいて、燃焼状態と誤判定される可能性のある特定の失火状態を検出する判定手段とを有することを特徴とする内燃機関の失火検出装置。
  2. 点火プラグに高電圧を供給する点火コイルと、前記点火コイルを断続的に駆動するスイッチング素子と、前記点火コイルの二次コイルに接続されたイオン電流検出回路と、を有して、イオン電流検出回路からの検出信号を二値的な検出パルスに変換し、その検出パルスのパルス幅の広狭に基づいて燃焼状態か失火状態かを判定する失火検出装置において
    前記イオン電流検出回路の検出信号を受ける電子制御回路は、
    前記検出信号を所定値と比較して二値信号に変換する変換手段と、前記二値信号が繰り返し発生する振動区間の時間幅を抽出する区間抽出手段と、抽出された前記時間幅が、閾値より広いか否かに基づいて、燃焼状態と誤判定される可能性のある特定の失火状態を検出する判定手段とを有することを特徴とする内燃機関の失火検出装置。
  3. 前記判定手段は、抽出された前記時間幅を基準時間幅と対比して、前記時間幅が前記基準時間幅より広い場合には、特定の失火状態であると判定する請求項1又は2に記載の失火検出装置。
  4. 前記スイッチング素子の遷移によって前記点火プラグに高電圧が供給されてから、前記振動区間が終わるまでの経過時間を算出する計時手段を更に設け、
    前記判定手段は、抽出された前記時間幅と前記経過時間との比率を、基準比率と対比して、前記規準比率を超えるか否かによって、特定の失火状態か否かを判定する請求項1又は2に記載の失火検出装置。
  5. 運転状態に基づいて予め決定されている切出しウインドの領域内において、前記イオン電流検出回路の検出信号の積分値を算出する積分手段を更に設け、
    前記判定手段は、抽出された前記時間幅と前記積分値との比率を、基準比率と対比して、前記規準比率を超えるか否かによって、特定の失火状態か否かを判定する請求項1又は2に記載の失火検出装置。
  6. 前記振動区間の時間幅は、最初に検出された前記判定パルスの第一エッジから、最後に検出された前記判定パルスの第一エッジまでの経過時間で算出される請求項1〜5の何れかに記載の失火検出装置。
  7. 前記信号区間の時間幅は、運転状態に基づいて予め決定されている切出しウインドの領域内で算出される請求項1〜6の何れかに記載の失火検出装置。
  8. 前記運転状態は、内燃機関の回転数と、吸気管圧力とを含んだセンサ出力に基づいて把握される請求項7に記載の失火検出装置。
  9. 前記電子制御回路は、CPUの複数の割込み端子を備えて構成され、前記判定パルスは、前記複数の割込み端子に供給されている請求項1〜8の何れかに記載の失火検出装置。
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