JP5083568B2 - ポジ型感光性樹脂組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、ポジ型感光性樹脂組成物及びそれから得られる硬化膜に関する。より詳しくは、高い撥水性と高い撥油性を硬化膜表面に有する画像を形成可能なポジ型感光性樹脂組成物及びその硬化膜、並びに該硬f化膜を用いた各種材料に関するものである。このポジ型感光性樹脂組成物は特に液晶ディスプレイやELディスプレイにおける層間絶縁膜、インクジェット方式に対応した遮光材料や隔壁材料として用いるのに好適である。
一般に、薄膜トランジスタ(TFT)型液晶表示素子、有機EL(electroluminescent)素子等のディスプレイ素子においては、パターン形成された電極保護膜、平坦化膜、絶縁膜等が設けられている。これらの膜を形成する材料としては、感光性樹脂組成物の中でも、必要とするパターン形状を得るための工程数が少なくしかも十分な平坦性を有するという特徴を持つところの感光性樹脂組成物が、従来から幅広く使用されている。
また、ディスプレイ表示素子の作製工程においてインクジェットを用いたフルカラー表示基板作製技術も近年活発に検討されている。たとえば液晶表示素子におけるカラーフィルタ作製に関しては、従来の印刷法、電着法、染色法または顔料分散法に対して、あらかじめパターニングされた画素を規定する区画(以下バンクという)を、光を遮断する感光性樹脂層で形成し、このバンクに囲まれた開口部内にインク滴を滴下するカラーフィルタおよびその製造方法(例えば、特許文献1、特許文献2及び特許文献3参照。)などが提案されている。また有機EL表示素子においてもあらかじめバンクを作製し、同様に発光層となるインクを滴下し、有機EL表示素子を作製する方法(例えば、特許文献4参照。)が提案されている。
しかしインクジェット法でバンクに囲まれたインク滴を滴下する場合、バンクを超えて隣の画素にインク滴が溢れる事態を防ぐため、基板には親インク性(親水性)を持たせ、バンク表面には撥水性を持たせる必要がある。
上記の目的を達成するため、酸素ガスプラズマ処理及びフッ素ガスプラズマ処理などの連続的プラズマ(オゾン)処理により、基板に親水性を持たせ、且つバンクには撥水性を持たせることができると提案されている(例えば、特許文献5参照)が、工程が煩雑である。また、感光性有機薄膜にフッ素系界面活性剤やフッ素系ポリマーを配合した提案もなされている(例えば、特許文献6参照)が、相溶性や添加量など、感光性のみならず塗膜性も含めて考慮すべき点が多く、実用的とは言い難かった。
そして、上述のこれらの膜には撥水性の他、低誘電率、耐熱性、耐溶剤性などのプロセス耐性に優れていること、下地との密着性が良好であること、使用目的に合わせた様々なプロセス条件でパターンを形成し得る広いプロセスマージンを有すること、加えて、高感度且つ高透明性であること並びに現像後の膜ムラが少ないこと等の諸特性が要求される。そこで、斯かる要求特性の点から、従来、上記の感光性樹脂組成物としては、ナフトキノンジアジド化合物を含む樹脂が汎用されてきた。
ところで、斯かる感光性樹脂材料の要求特性において、特に重要な特性の一つとして、感度が挙げられる。感度の向上は、ディスプレイ素子等の工業的な生産において、その生産時間の大幅な短縮を可能にするため、液晶ディスプレイの需要量が著しく増大している現在の状況にあっては、感度は、この種の感光性樹脂材料に要求される最も重要な特性の一つとなっている。
そこで、これまでにも、感光性樹脂材料の高感度化を目的として幾つかの開発がなされている。例えば、アルカリ可溶性樹脂と特定のポリヒドロキシ化合物及びその誘導体の少なくとも何れかを含有する感放射線性樹脂組成物が提案されている(例えば、特許文献7参照)。
一方、高感度、高解像度の感光性材料として従来、化学増幅型レジストが開発されている。半導体用レジストとして開発されてきた従来の化学増幅型レジストは、i線よりも短波長の光源(KrF、ArF)にも適応することができ、より微細なパターン形成が可能であるが、膜硬化に用いるような高温の下では、またレジスト剥離液の存在下では、保護基の結合部やエーテル結合の熱架橋部が容易に分解してしまい、耐熱性及び耐薬品性が著しく低く、永久膜として利用することは殆ど不可能であった(例えば、特許文献8参照)。また、熱硬化を可能とするために、エポキシ類やアミノプラスト類の架橋系を化学増幅型レジストに導入しようとしても、露光によりレジスト中の光酸発生剤(PAG)から発生した酸の影響により、露光部の架橋が進行し、未露光部との溶解コントラストが消失するなどの問題が新たに生じるため、斯かる架橋系の化学増幅型レジストへの導入は困難であった。
特開平10−206627号公報 特開平11−326625号公報 特開平2000−187111号公報 特開平11−54270号公報 特開2000−353594号公報 特開平10−197715号公報 特開平4−211255号公報 米国特許第5075199号明細書
本発明は、上記の事情に鑑みなされたものであって、その解決しようとする課題は、液晶表示素子、有機EL表示素子等に使用されるパターン状絶縁性膜を形成するための材料や画素間隔壁材料として好適な感光性樹脂組成物、具体的には、酸素プラズマ等の処理後も硬化膜表面に高い撥水性と高い撥油性を有し、また絶縁性を有する画像を高精度且つ高スループットで容易に形成できる感光性樹脂組成物を提供することにある。
また、本発明は、斯様なポジ型感光性樹脂組成物を用いて得られる硬化膜であって、インクジェットを用いた基板作製において、バンクを超えて隣の画素にインク滴が溢れる事態を防ぐことができる硬化膜、並びに、斯様な硬化膜を用いて作られる各種の素子・材料を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記の課題を解決するべく鋭意研究を行った結果、本発明を見出すに至った。
すなわち、第1観点として、下記(A)成分、(B)成分、(C)成分、(D)成分及び(E)溶剤を含有するポジ型感光性樹脂組成物に関する。
(A)成分:(B)成分の化合物との間で熱架橋反応をなしうるための官能基、(C)成分の化合物との間で熱硬化反応をなしうる膜硬化のための官能基、フルオロアルキル基を有する有機基並びにケイ素原子を含有する有機基を有し、且つ、数平均分子量が2,000乃至30,000であるアルカリ可溶性樹脂
(B)成分:1分子中二個以上のビニルエーテル基を有する化合物
(C)成分:1分子中二個以上のブロックイソシアネート基を有する化合物
(D)成分:光酸発生剤
(E)溶剤
第2観点として、前記熱架橋反応をなしうるための官能基は、カルボキシル基及びフェノール性ヒドロキシ基の群から選ばれる少なくとも一種であり、また前記膜硬化のための官能基は、フェノール性ヒドロキシ基以外のヒドロキシ基及び活性水素を有するアミノ基の群から選ばれる少なくとも一種である、第1観点に記載のポジ型感光性樹脂組成物。
第3観点として、前記フルオロアルキル基を有する有機基が下記式(1)で示される構造である、第1観点又は第2観点に記載のポジ型感光性樹脂組成物。
Figure 0005083568
(式中、pは0乃至5の整数を表し、qは0乃至11の整数を表す。)
第4観点として、前記ケイ素原子を含有する有機基が下記式(2)で示される構造である第1観点乃至第3観点のうちいずれか一項に記載のポジ型感光性樹脂組成物。
Figure 0005083568
(式中、X1はメチル基、エチル基、トリメトキシシロキシ基又はトリエトキシシロキシ基を表し、rは0乃至5の整数を表す。)
第5観点として、(A)成分100質量部に基づいて、1乃至80質量部の(B)成分、1乃至80質量部の(C)成分、及び、0.5乃至80質量部の(D)成分を含有する、第1観点乃至第4観点のうちいずれか一項に記載のポジ型感光性樹脂組成物。
第6観点として、(F)成分として、(A)成分以外の他のアルカリ可溶性樹脂を更に(A)成分100質量部に基づいて1乃至900質量部含有する、第1観点乃至第5観点のうちいずれか一項に記載のポジ型感光性樹脂組成物。
第7観点として、(G)成分として、シロキサン化合物を更に(A)成分100質量部に基づいて0.1乃至30質量部含有する、第5観点又は第6観点に記載のポジ型感光性樹脂組成物。
第8観点として、第1観点乃至第7観点のうちいずれか一項に記載のポジ型感光性樹脂組成物を用いて得られる硬化膜。
第9観点として、第8観点に記載の硬化膜を有する有機EL表示素子用隔壁材。
第10観点として、第8観点に記載の硬化膜を有する液晶表示素子。
第11観点として、第8観点に記載の硬化膜からなる液晶ディスプレイ用アレイ平坦化膜。
第12観点として、第8観点に記載の硬化膜からなる層間絶縁膜。
本発明のポジ型感光性樹脂組成物は、液晶表示素子、有機EL表示素子等に使用されるパターン状絶縁性膜を形成するための材料や画素間隔壁材料として好適であり、パターン表面に高い撥水性及び高い撥油性を有し、酸素プラズマ処理(オゾン処理)後もその撥水性及び撥油性が大きく低下しない絶縁性のパターンを、高い精度、高いスループットで容易に形成することができる。
また、本発明の上記ポジ型感光性樹脂組成物を用いて得られる硬化膜は、インクジェットを用いた基板作製において、バンクを超えて隣の画素にインク滴が溢れる事態を防ぐことができ、さらに、斯様な硬化膜を用いて作られる各種の素子・材料を提供することができる。
本発明のポジ型感光性樹脂組成物は、(A)成分のアルカリ可溶性樹脂、(B)成分のビニルエーテル基を有する化合物、(C)成分のブロックイソシアネート基を有する化合物、(D)成分の光酸発生剤及び(E)溶剤を含有し、且つ、それぞれ所望により、(F)成分の他のアルカリ可溶性樹脂、さらに後述する(G)成分のシロキサン化合物、(H)成分のアミン化合物または(I)成分の界面活性剤を含有する組成物である。以下、各成分の詳細を説明する。
<(A)成分>
(A)成分は、樹脂の構造中に、(B)成分の化合物との間で熱架橋反応をなしうるための官能基、(C)成分の化合物との間で熱硬化反応をなしうる膜硬化のための官能基、フルオロアルキル基を有する有機基並びにケイ素原子を含有する有機基を有し、且つ、ポリスチレン換算の数平均分子量(以下、数平均分子量と称す。)が2,000乃至30,000であるアルカリ可溶性樹脂である。
熱架橋反応のための官能基は、高められた温度の下、(B)成分の化合物中のビニルエーテル基と反応して、(B)成分の化合物との間で熱架橋をなし、レジスト膜を形成しうる基であり、その代表的な官能基は、カルボキシル基及びフェノール性ヒドロキシ基の群から選ばれる少なくとも一種である。
また、膜硬化のための官能基は、上記の(A)成分及び(B)成分から形成された熱架橋体において(露光部にあっては、熱架橋体が更に解離した脱架橋体において)、より高められた温度の下、(C)成分の化合物との間でブロック部分が解離したイソシアネート基を介して架橋反応をなし、膜を硬化せしめうる基であり、その代表的な官能基は、フェノール性ヒドロキシ基以外のヒドロキシ基及び活性水素を有するアミノ基の群から選ばれる少なくとも一種である。ここで、活性水素を有するアミノ基とは、反応により水素を放出しうる1級又は2級のアミノ基を意味する。従って、アミド基は、活性水素を持たないので、活性水素を有するアミノ基に該当しない。
そして、フルオロアルキル基を有する有機基は、硬化膜表面の撥水性および撥油性を向上させる働きを有する基であり、本発明においてはフルオロアルキル基を有する有機基であれば特に限定されないが、その中でも下記式(1)で表される構造を有する有機基が、硬化膜表面に良好な撥水性と撥油性を付与し易いため好ましい。
Figure 0005083568
(式中のpは0乃至5の整数であり、qは0乃至11の整数を表す。)
また、ケイ素を含有する有機基は、硬化膜表面の撥水性を向上させる働きがあり、さらに本発明の硬化膜を酸素プラズマ処理やUV−オゾン処理等で処理した後も、硬化膜表面に高い撥水性と撥油性(以下、UVオゾン耐性ともいう。)を付与する働きを有する。本発明においてはケイ素原子を含有する有機基であれば特に限定されないが、その中でも下記式(2)で表される構造を有する有機基が、硬化膜表面に良好な撥水性と撥油性を付与し易いため好ましい。
Figure 0005083568
(式中、X1はメチル基、エチル基、トリメトキシシロキシ基又はトリエトキシシロキシ基を表し、rは0乃至5の整数を表す。)
本発明においては、硬化膜を酸素プラズマ処理やUV−オゾン処理等で処理した後も、硬化膜表面に高い撥水性と撥油性を有するが、この効果は、上記フルオロアルキル基を有する有機基と上記ケイ素原子を含有する有機基の両有機基が側鎖に存在することによって達成せられる。
なお、シロキシ基などのケイ素原子を含有する構造を主鎖に導入した場合、ケイ素原子は硬化膜表面の撥水性及び撥油性の発現に寄与せず、一方、主鎖末端に導入した場合にも十分な撥水性及び撥油性が達成されない。
(A)成分の樹脂は、斯かる構造を有するアルカリ可溶性樹脂であればよく、樹脂を構成する高分子の主鎖の骨格及び側鎖の種類などについて特に限定されない。
然しながら、(A)成分の樹脂は、数平均分子量が2,000乃至30,000の範囲内にあるものである。数平均分子量が30,000を超えて過大なものであると、現像残渣が発生し易くなり、感度が大きく低下する一方、数平均分子量が2,000未満で過小なものであると、現像の際、未露光部の膜減りが相当量発生し、硬化不足になる場合がある。
(A)成分のアルカリ可溶性樹脂としては、例えばアクリル系樹脂、ポリヒドロキシスチレン系樹脂等が挙げられる。特に、アクリル系樹脂は、透明性が高いので、より好ましい。
また、本発明においては、複数種のモノマーを重合して得られる共重合体(以下、特定共重合体と称す。)からなるアルカリ可溶性樹脂を(A)成分として用いることもできる。この場合、(A)成分のアルカリ可溶性樹脂は、複数種の特定共重合体のブレンド物であってもよい。
すなわち、上記の特定共重合体は、熱架橋反応のための官能基を有するモノマー、即ちカルボキシル基及びフェノール性ヒドロキシ基のうち少なくとも一方を有するモノマーの群から適宜選ばれる少なくとも一種のモノマーと、膜硬化のための官能基を有するモノマー、即ちフェノール性ヒドロキシ基以外のヒドロキシ基及び活性水素を有するアミノ基のうち少なくとも一方を有するモノマーの群から適宜選ばれる少なくとも一種のモノマーと、フルオロアルキル基を有する有機基を有するモノマーの群から適宜選ばれる少なくとも一種のモノマーと、ケイ素原子を含有する有機基を有するモノマーの群から適宜選ばれる少なくとも一種のモノマーとを、必須の構成単位として形成された共重合体であって、その数平均分子量が2,000乃至30,000のものである。
上記の「カルボキシル基及びフェノール性ヒドロキシ基のうち少なくとも一方を有するモノマー」には、カルボキシル基を有するモノマー、フェノール性ヒドロキシ基を有するモノマー、ならびに、カルボキシル基及びフェノール性ヒドロキシ基の両方を有するモノマーが含まれる。これらのモノマーは、カルボキシル基又はフェノール性ヒドロキシ基を一個有するものに限らず、複数個有するものでもよい。
また上記の「フェノール性ヒドロキシ基以外のヒドロキシ基及び活性水素を有するアミノ基のうち少なくとも一方を有するモノマー」には、フェノール性ヒドロキシ基以外のヒドロキシ基を有するモノマー、活性水素を有するアミノ基を有するモノマー、ならびに、フェノール性ヒドロキシ基以外のヒドロキシ基及び活性水素を有するアミノ基の両方を有するモノマーが含まれる。これらのモノマーは、フェノール性ヒドロキシ基以外のヒドロキシ基又は活性水素を有するアミノ基を一個有するものに限らず、複数個有するものでもよい。
以下、上記モノマーの具体例を挙げるが、これらに限定されるものでない。
カルボキシル基を有するモノマーとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、モノ−(2−(アクリロイルオキシ)エチル)フタレート、モノ−(2−(メタクリロイルオキシ)エチル)フタレート、N−(カルボキシフェニル)マレイミド、N−(カルボキシフェニル)メタクリルアミド、N−(カルボキシフェニル)アクリルアミド等が挙げられる。
フェノール性ヒドロキシ基を有するモノマーとしては、例えば、ヒドロキシスチレン、N−(ヒドロキシフェニル)アクリルアミド、N−(ヒドロキシフェニル)メタクリルアミド、N−(ヒドロキシフェニル)マレイミド等が挙げられる。
フェノール性ヒドロキシ基以外のヒドロキシ基を有するモノマーとしては、例えば、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、5−アクリロイルオキシ−6−ヒドロキシノルボルネン−2−カルボキシリック−6−ラクトン、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、5−メタクリロイルオキシ−6−ヒドロキシノルボルネン−2−カルボキシリック−6−ラクトン等が挙げられる。
活性水素を有するアミノ基を有するモノマーとしては、2−アミノエチルアクリレート、2−アミノメチルメタクリレート等が挙げられる。
フルオロアルキル基を有する有機基を有するモノマーとしては、例えば、ペンタフルオロプロピルアクリレート、ヘプタフルオロブチルアクリレート、ペンタデカフルオロオクチルアクリレート、ヘプタデカフルオロデシルアクリレート、2−(ノナフルオロブチル)エチルアクリレート、2−(パーフルオロデシル)エチルアクリレート、2−(パーフルオロヘキシル)エチルアクリレート、トリフルオロエチルアクリレート、 ペンタフルオロプロピルメタクリレート、ヘプタフルオロブチルメタクリレート、ペンタデカフルオロオクチルメタクリレート、ヘプタデカフルオロデシルメタクリレート、2−(ノナフルオロブチル)エチルメタクリレート、2−(パーフルオロオクチル)エチルメタクリレート、2−(パーフルオロデシル)エチルメタクリレート、2−(パーフルオロヘキシル)エチルメタクリレート、トリフルオロエチルメタクリレート等が挙げられる。
また、ケイ素原子を含有する有機基を有するモノマーとしては、例えば、メタクリロキシプロピルトリス(トリメチルシロキシ)シラン、メタクリロキシプロピルペンタメチルジシロキサン、トリメチルシロキシエチルメタクリレート、トリメチルシリルメチルメタクリレート、(メタクリロキシメチル)フェニルジメチルシラン、(3−メタクリロキシプロピル)メチルビス(トリメチルシロキシ)シラン、メタクリロキシメチルトリス(トリメチルシロキシ)シラン、メタクリロキシプロピルトリス(ペンタメチルジシロキシ)シラン、アクリロキシプロピルトリス(トリメチルシロキシ)シラン、アクリロキシプロピルペンタメチルジシロキサン、トリメチルシロキシエチルアクリレート、トリメチルシリルメチルアクリレート、(アクリロキシメチル)フェニルジメチルシラン、(3−アクリロキシプロピル)メチルビス(トリメチルシロキシ)シラン、アクリロキシメチルトリス(トリメチルシロキシ)シラン、アクリロキシプロピルトリス(ペンタメチルジシロキシ)シラン等が挙げられる。
また、特定共重合体は、熱架橋反応のための官能基を有するモノマー、膜硬化のための官能基を有するモノマー、フルオロアルキル基を有する有機基を有するモノマー及びケイ素原子を含有する有機基を有するモノマー以外のモノマー(以下、その他モノマーと称す。)をも構成単位として形成された共重合体であってもよい。
その他モノマーは、具体的には、カルボキシル基及びフェノール性ヒドロキシ基のうちの少なくとも一方を有するモノマー、フェノール性水ヒドロキシ基以外のヒドロキシ基及び活性水素を有するアミノ基のうちの少なくとも一方を有するモノマー、フルオロアルキル基を有する有機基を有するモノマー及びケイ素原子を有する有機基を有するモノマーと共重合することが可能なものであればよく、(A)成分の特性を損ねない限り、特に限定されるものでない。
その他モノマーの具体例としては、アクリル酸エステル化合物、メタクリル酸エステル化合物、マレイミド化合物、アクリロニトリル、マレイン酸無水物、スチレン化合物及びビニル化合物等が挙げられる。
アクリル酸エステル化合物としては、例えば、メチルアクリレート、エチルアクリレート、イソプロピルアクリレート、ベンジルアクリレート、ナフチルアクリレート、アントリルアクリレート、アントリルメチルアクリレート、フェニルアクリレート、2,2,2−トリフルオロエチルアクリレート、tert−ブチルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、イソボルニルアクリレート、2−メトキシエチルアクリレート、メトキシトリエチレングリコールアクリレート、2−エトキシエチルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、3−メトキシブチルアクリレート、2−メチル−2−アダマンチルアクリレート、2−プロピル−2−アダマンチルアクリレート、8−メチル−8−トリシクロデシルアクリレート、及び、8−エチル−8−トリシクロデシルアクリレート等が挙げられる。
メタクリル酸エステル化合物としては、例えば、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、ナフチルメタクリレート、アントリルメタクリレート、アントリルメチルメタクリレート、フェニルメタクリレート、2,2,2−トリフルオロエチルメタクリレート、tert−ブチルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、イソボルニルメタクリレート、2−メトキシエチルメタクリレート、メトキシトリエチレングリコールメタクリレート、2−エトキシエチルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、3−メトキシブチルメタクリレート、2−メチル−2−アダマンチルメタクリレート、2−プロピル−2−アダマンチルメタクリレート、8−メチル−8−トリシクロデシルメタクリレート、及び、8−エチル−8−トリシクロデシルメタクリレート等が挙げられる。
ビニル化合物としては、例えば、ビニルビフェニル、ビニルフタルイミド、ビニルアントラセン、ビニルナフタレン、ビニル安息香酸等が挙げられる。
スチレン化合物としては、例えば、スチレン、メチルスチレン、クロロスチレン、ブロモスチレン等が挙げられる。
マレイミド化合物としては、例えば、マレイミド、N−メチルマレイミド、N−フェニルマレイミド、及びN−シクロヘキシルマレイミド等が挙げられる。
本発明に用いる特定共重合体を得る方法は特に限定されないが、例えば、カルボキシル基およびフェノール性ヒドロキシ基のうち少なくとも一方を有するモノマーの群から適宜選ばれる少なくとも一種のモノマーと、フェノール性ヒドロキシ基以外のヒドロキシ基及び活性水素を有するアミノ基のうち少なくとも一方を有するモノマーの群から適宜選ばれる少なくとも一種のモノマーと、フルオロアルキル基を有する有機基を有するモノマーの群から適宜選ばれる少なくとも一種のモノマーと、ケイ素原子を含有する有機基を有するモノマーの群から適宜選ばれる少なくとも一種のモノマーと、所望により上記モノマー以外のモノマーと、所望により重合開始剤等を溶剤中において、50乃至110℃の温度下で重合反応させることにより、得られる。その際、用いられる溶剤は、特定共重合体を構成するモノマー及び特定共重合体を溶解するものであれば特に限定されない。具体例としては、後述する(E)溶剤に記載する溶剤が挙げられる。
カルボキシル基およびフェノール性ヒドロキシ基のうち少なくとも一方を有するモノマーの群から適宜選ばれる少なくとも一種のモノマーは、全モノマー成分(合計100質量部)中1乃至40質量部が好ましく、より好ましくは3乃至30質量部である。特には5乃至20質量部が好ましい。カルボキシル基またはフェノール性ヒドロキシ基を有する有機基が1質量部より過少の場合、十分な現像性が得られず感度が低下したり残渣が発生する場合があり、40質量部より過大となる場合は未露光部が溶解したり十分な撥水性や撥油性が得られない場合がある。
フェノール性ヒドロキシ基以外のヒドロキシ基及び活性水素を有するアミノ基のうち少なくとも一方を有するモノマーの群から適宜選ばれる少なくとも一種のモノマーは、全モノマー成分(合計100質量部)中5乃至60質量部が好ましく、より好ましくは8乃至50質量部である。特には10乃至40質量部が好ましい。カルボキシル基またはフェノール性ヒドロキシ基を有する有機基が5質量部より過少の場合、熱硬化が不十分のため溶剤耐性が不足する場合があり、60質量部より過大となる場合は撥水性や撥液性が低下する場合がある。
フルオロアルキル基を有する有機基を有するモノマーは、全モノマー成分(合計100質量部)中1乃至60質量部が好ましく、より好ましくは3乃至50質量部である。特には5乃至40質量部が好ましい。フルオロアルキル基を有する有機基が1質量部より過少の場合、十分な撥水性や撥油性が得られない場合があり、60質量部より過大となる場合は溶液状の組成物が泡立ちハンドリング性が低下する場合がある。
ケイ素原子を含有する有機基を有するモノマーは、全モノマー成分(合計100質量部)中10乃至80質量部が好ましく、より好ましくは20乃至70質量部である。特には30乃至60質量部が好ましい。ケイ素原子を有する有機基が10質量部より過少の場合、充分な撥水性やUVオゾン耐性が得られない場合があり、80質量より過大となる場合は現像不良を引き起こす場合がある。
このようにして得られる特定共重合体は、通常、この特定共重合体が溶剤に溶解した溶液の状態である。
また、上記のようにして得られた特定共重合体の溶液を、ジエチルエーテルや水等の撹拌下に投入して再沈殿させ、生成した沈殿物を濾過・洗浄した後、常圧又は減圧下で、常温あるいは加熱乾燥することで、特定共重合体の粉体とすることができる。このような操作により、特定共重合体と共存する重合開始剤や未反応モノマーを除去することができ、その結果、精製した特定共重合体の粉体を得られる。一度の操作で充分に精製できない場合は、得られた粉体を溶剤に再溶解して、上記の操作を繰り返し行えば良い。
本発明においては、特定共重合体の粉体をそのまま用いても良く、あるいはその粉体を、たとえば後述する(E)溶剤に再溶解して溶液の状態として用いても良い。
<(B)成分>
(B)成分は、1分子中二個以上のビニルエーテル基を有する化合物である。これは、慣用のプリベーク温度(例えば80℃〜150℃)で(A)成分のアルカリ可溶性樹脂と熱架橋することができるようなビニルエーテル基を1分子中二個以上有する化合物であればよく、その種類及び構造について特に限定されるものでない。
この(B)成分の化合物は、(A)成分のアルカリ可溶性樹脂との熱架橋の後、光酸発生剤の存在下での露光により生じた酸により、(A)成分のアルカリ可溶性樹脂から分離(脱架橋)し、その後アルカリ現像液を用いた現像により(A)成分のアルカリ可溶性樹脂ともに除去される。従って、この種の化合物としては、一般にビニルエーテル型化学増幅型レジストの成分に使用されるビニルエーテル系化合物などが適用されうる。斯かる化合物の使用の場合、該化合物の配合量を変えて熱架橋密度を調整することにより、形成される膜の形状を制御することができるという利点を有する。
そして、(B)成分の化合物としては、上記ビニルエーテル系化合物の中でも、特に式(3)及び式(4)で表される化合物が、露光部において残膜や残渣なく現像される点で、好ましい。
Figure 0005083568
(式中、nは2乃至10の整数、kは1乃至10の整数であり、R1はn価の有機基を表
す。)
Figure 0005083568
(式中、mは2乃至10の整数を表す。)
式(3)のnは、1分子中のビニルエーテル基の数を表すが、nとしては、2乃至4の整数がより好ましい。そして、式(4)のmも一分子中のビニルエーテル基の数を表すが、mとしては、2乃至4の整数がより好ましい。
式(3)及び式(4)で表される化合物の具体例としては、ビス(4−(ビニロキシメチル)シクロヘキシルメチル)グルタレート、トリ(エチレングリコール)ジビニルエーテル、アジピン酸ジビニルエステル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、トリス(4−ビニロキシ)ブチルトリメリレート、ビス(4−(ビニロキシ)ブチル)テレフタレート、ビス(4−(ビニロキシ)ブチルイソフタレート、及びシクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル等が挙げられる。
また、(B)成分の化合物は、(A)成分のアルカリ可溶性樹脂100質量部に対して1乃至80質量部、好ましくは5乃至40質量部の割合で使用される。(B)成分の化合物の使用量が前記範囲の下限未満の過少量であると、未露光部における膜減りが顕著となりパターン様のレリーフ形状が不良になる。一方、(B)成分の化合物の使用量が前記範囲の上限を超える過多量であると、膜の感度が大きく低下し、現像後にパターン間の残渣が生じるようになる。
<(C)成分>
(C)成分は、1分子中二個以上のブロックイソシアネート基を有する化合物である。これは、(B)成分の化合物との間で熱架橋された或いは更にそれとの間で脱架橋された(A)成分のアルカリ可溶性樹脂からなる膜に対して、例えば慣用のポストベーク温度で熱硬化することができるようなブロックイソシアネート基を1分子中二個以上有する化合物であればよく、その種類及び構造について特に限定されるものでない。
この(C)成分の化合物は、イソシアネート基(−NCO)が適当な保護基によりブロックされたブロックイソシアネート基を1分子中二個以上有し、そして熱硬化の際の高温に曝されると、保護基(ブロック部分)が熱解離して外れ、生じたイソシアネート基を介して(A)成分のアルカリ可溶性樹脂中の熱硬化のための官能基(例えばフェノール性ヒドロキシ基以外のヒドロキシ基及び活性水素を有するアミノ基)相互の間で架橋反応が進行するものであり、例えば、式(5)
Figure 0005083568
(式中、R2はブロック部の有機基を表す。)で表される基を1分子中二個以上(この基は同一のものでも、また各々異なっているものでもよい)有する化合物が挙げられる。
1分子中二個以上のブロックイソシアネート基を有する(C)成分の化合物は、例えば1分子中二個以上のイソシアネート基を有する化合物に対して適当なブロック剤を作用せしめることにより、得ることができる。
1分子中二個以上のイソシアネート基を有する化合物としては、例えば、イソホロンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、メチレンビス(4−シクロヘキシルイソシアネート)、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等、またはそれらの二量体、三量体、或いは、これらとジオール類、トリオール類、ジアミン類、トリアミン類との反応物が挙げられる。
ブロック剤としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、2−エトキシヘキサノール、2−N,N−ジメチルアミノエタノール、2−エトキシエタノール、シクロヘキサノール等のアルコール類、フェノール、o−ニトロフェノール、p−クロロフェノール、o−、m−又はp−クレゾール等のフェノール類、ε−カプロラクタム等のラクタム類、アセトンオキシム、メチルエチルケトンオキシム、メチルイソブチルケトンオキシム、シクロヘキサノンオキシム、アセトフェノンオキシム、ベンゾフェノンオキシム等のオキシム類、ピラゾール、3,5−ジメチルピラゾール、3−メチルピラゾール、などのピラゾール類、ドデカンチオール、ベンゼンチオール等のチオール類が挙げられる。
(C)成分の化合物は、ポストベーク温度のようなより高温では、ブロック部分の熱解離が生じイソシアネート基を介して架橋反応が進行するものであるが、プリベーク温度のようなより低温では、イソシアネート基による架橋が進行しないものとするために、ブロック部分の熱解離の温度がプリベーク温度よりも相当に高いもの、例えば120℃乃至230℃であるものが(C)成分の化合物として特に好ましい。
斯かる(C)成分の化合物としては、例えば次の具体例が挙げられる。
Figure 0005083568
式中、イソシアネート化合物がイソホロンジイソシアネートから誘導されるものである(C)成分の化合物が、耐熱性、塗膜性の点からより好ましく、斯様な化合物としては、以下のものが挙げられる。下記式中のRは有機基を表す。
Figure 0005083568
Figure 0005083568
Figure 0005083568
本発明において、(C)成分の化合物は一種単独で用いてもよく、また二種以上を組合せて用いてもよい。
また、(C)成分の化合物は、(A)成分のアルカリ可溶性樹脂100質量部に対して1乃至80質量部、好ましくは5乃至40質量部の割合で使用される。(C)成分の化合物の使用量が前記範囲の下限未満の過少量であると、熱硬化が不十分となって満足な硬化膜が得られず、一方、(C)成分の化合物の使用量が前記範囲の上限を超える過多量であると、現像が不十分となり、現像残渣を生じるようになる。
<(D)成分>
(D)成分は、光酸発生剤(PAG)である。これは、露光に使用される光の照射によって直接もしくは間接的に酸(スルホン酸類、カルボン酸類など)を発生する物質であり、斯様な性質を有するものであれば、その種類及び構造などは特に限定されるものでない。
(D)成分の光酸発生剤としては、例えば、ジアゾメタン化合物、オニウム塩化合物、スルホンイミド化合物、ジスルホン系化合物、スルホン酸誘導体化合物、ニトロベンジル化合物、ベンゾイントシレート化合物、鉄アレーン錯体、ハロゲン含有トリアジン化合物、アセトフェノン誘導体化合物、及び、シアノ基含有オキシムスルホネート化合物などが挙げられる。従来知られ又は従来から使用されている光酸発生剤は、いずれも、特に限定されることなく、本発明において適用することができる。なお、本発明において、(D)成分の光酸発生剤は、一種単独で用いてもよく、また二種以上を組合わせて用いてもよい。
光酸発生剤の具体例としては、以下のものが挙げられる。最も、これらの化合物は極めて多数の適用可能な光酸発生剤の中の一例であり、当然それらに限定されるものではない。
Figure 0005083568
ジフェニルヨードニウムクロリド、ジフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、ジフェニルヨードニウムメシレート、ジフェニルヨードニウムトシレート、ジフェニルヨードニウムブロミド、ジフェニルヨードニウムテトラフルオロボレート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアルセネート、ビス(p−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、ビス(p−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムメシレート、ビス(p−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムトシレート、ビス(p−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、ビス(p−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムテトラフルオロボレート、ビス(p−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムクロリド、ビス(p−クロロフェニル)ヨードニウムクロリド、ビス(p−クロロフェニル)ヨードニウムテトラフルオロボレート、トリフェニルスルホニウムクロリド、トリフェニルスルホニウムブロミド、トリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、トリ(p−メトキシフェニル)スルホニウムテトラフルオロボレート、トリ(p−メトキシフェニル)スルホニウムヘキサフルオロホスホネート、トリ(p−エトキシフェニル)スルホニウムテトラフルオロボレート、トリフェニルホスホニウムクロリド、トリフェニルホスホニウムブロミド、トリ(p−メトキシフェニル)ホスホニウムテトラフルオロボレート、トリ(p−メトキシフェニル)ホスホニウムヘキサフルオロホスホネート、トリ(p−エトキシフェニル)ホスホニウムテトラフルオロボレート、
Figure 0005083568
Figure 0005083568
Figure 0005083568
Figure 0005083568
Figure 0005083568
Figure 0005083568
Figure 0005083568
Figure 0005083568
また、(D)成分の光酸発生剤は、(A)成分のアルカリ可溶性樹脂100質量部に対して0.5乃至80質量部、好ましくは1乃至30質量部の割合で使用される。(D)成分の光酸発生剤の使用量が前記範囲の下限未満の過少量であると、露光の際、熱架橋された(B)成分の化合物の、(A)成分のアルカリ可溶性樹脂からの解離が十分に進行せず、所望のパターン様のレリーフが得られ難くなり、一方、(D)成分の光酸発生剤の使用量が前記範囲の上限を超える過多量であると、ポジ型感光性樹脂組成物の保存安定性に劣るようになる。
<(E)溶剤>
本発明のポジ型感光性樹脂組成物は、(A)成分、(B)成分、(C)成分及び(D)成分を含有し、それらが(E)溶剤に溶解された状態にある。
したがって本発明に用いる(E)溶剤は、(A)成分乃至(D)成分を溶解し、且つ所望により添加される後述の(F)成分乃至(I)成分などを溶解するものであり、斯様な溶解能を有する溶剤であれば、その種類及び構造などは特に限定されるものでない。
斯様な(E)溶剤としては、例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールプロピルエーテルアセテート、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、2−ヘプタノン、γ―ブチロラクトン、2−ヒドロキシプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、エトキシ酢酸エチル、ヒドロキシ酢酸エチル、2−ヒドロキシ−3−メチルブタン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチル、乳酸ブチル、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、及びN−メチルピロリドン等が挙げられる。
これらの溶剤は、一種単独で、または二種以上の組合せで使用することができる。
これら(E)溶剤の中、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、2−ヘプタノン、プロピレングリコールプロピルエーテル、プロピレングリコールプロピルエーテルアセテート、乳酸エチル、乳酸ブチル等が、塗膜性が良好で安全性が高いという観点より好ましい。これら溶剤は、一般にフォトレジスト材料のための溶剤として用いられている。
<(F)成分>
(F)成分は、(A)成分以外のアルカリ可溶性樹脂であり、詳細には、該樹脂の構造中に、(A)成分で記載した、次に示す二種類の官能基を有し、且つ、数平均分子量が2,000乃至30,000であるアルカリ可溶性樹脂である。即ち、前記した二種類の官能基とは、(B)成分の化合物との間で熱架橋反応をなしうるための官能基、(C)成分の化合物との間で熱硬化反応をなしうる膜硬化のための官能基である。これらの官能基は、(A)成分で挙げたものと同様である。
(F)成分は、現像速度の調整や、現像時の現像不良を抑制する目的で用いることができる。特に、本発明における樹脂成分として(A)成分を単独で用いた際に発生しやすい現像速度の遅延を解消すること、及び/又は現像時の現像不良を抑制することに効果を奏する。
ここで言うところの樹脂成分とは、本発明に用いる全てのアルカリ可溶性樹脂を意味し、詳細には、(A)成分の単独使用の場合は用いた(A)成分の量、或いは、(A)成分及び(F)成分を併用する場合は、(A)成分及び(F)成分の合計量を意味する。
本発明のポジ型感光性樹脂組成物にあっては、本発明の効果を損なわない限りにおいて、(F)成分である(A)成分以外のアルカリ可溶性樹脂を含有できる。その場合、(F)成分の使用量は(A)成分の100質量部に基づいて、例えば0.1乃至900質量部であり、また場合により50乃至800質量部であり、また好ましくは、100乃至700質量部である。(F)成分の使用量が前記範囲の下限未満の過少量であると、現像速度の調整や、現像時の現像不良の解消に寄与せず、一方、(F)成分の使用量が前記範囲の上限を超える過多量であると、UV−オゾン耐性が低下する場合がある。
このような(F)成分を得る方法は特に限定されないが、(A)成分の特定重合体を得る方法と同様の方法で得られる共重合体が好ましい。
例えば、カルボキシル基およびフェノール性ヒドロキシ基のうち少なくとも一方を有するモノマーの群から適宜選ばれる少なくとも一種のモノマーと、フェノール性ヒドロキシ基以外のヒドロキシ基及び活性水素を有するアミノ基のうち少なくとも一方を有するモノマーの群から適宜選ばれる少なくとも一種のモノマーと、所望により上記モノマー以外でフルオロアルキル基、ケイ素原子を有する有機基を有していないモノマーと、所望により重合開始剤等を溶剤中において、50乃至110℃の温度下で重合反応させることにより、得られる。その際、用いられる溶剤は、特定共重合体を構成するモノマー及び特定共重合体を溶解するものであれば特に限定されない。具体例としては、(E)溶剤に記載した溶剤が挙げられる。
<(G)成分>
本発明において、(G)成分として数平均分子量が100乃至2,000のシロキサン化合物を用いても良い。ここで言うところのシロキサン化合物とは、オルガノシロキサン化合物及びその一部が水素原子やヒドロキシ基で置換された化合物並びにこれらの変性物をさす。
この(G)成分であるシロキサン化合物は、本発明のポジ型感光性樹脂組成物から硬化膜(画像形成膜)を形成する過程で行う一連の加熱処理工程、すなわち、(A)成分と(B)成分の架橋反応のための加熱処理、露光後加熱処理、そして(C)成分との架橋反応のための加熱処理において、パターン表面に滲み出る特性を有するものであることが好ましい。
そして、(G)成分であるシロキサン化合物は、本発明のポジ型感光性樹脂組成物の溶液において各成分との相溶性、特に(A)成分のアルカリ可溶性共重合体との相溶性が良好で、ポジ型感光性樹脂組成物の溶液が良好な安定性を有し、さらに現像液への溶解性、並びに非露光領域(遮光部分)である残存パターン上面部の撥水性を付与する観点から、数平均分子量が100乃至2,000の化合物が好ましい。
このようなシロキサン化合物としては、例えば、直鎖状シロキサン化合物、分岐構造を有するシロキサン化合物、環状シロキサン化合物及びこれらの共重合体が挙げられる。また、これらのシロキサン化合物を、アルコキシ変性、ポリエーテル変性、フッ素変性、メチルスチリル変性、高級脂肪酸エステル変性、親水性特殊変性、高級アルコキシ変性等の非反応性基で変性したシロキサン化合物、及び、アミノ変性、エポキシ変性、カルボキシ変性、カルビノール変性、メタクリル変性、メルカプト変性、フェノール変性等の反応性基で変性したシロキサン化合物等を挙げることができる。
これらの具体例としては、ポリジメチルシロキサン、ポリメチルエチルシロキサン、ポリメチルフェニルシロキサン、ポリメチルヒドロシロキサン、ポリメチルプロピルシロキサン、ポリジフェニルシロキサン、ポリメチルブチルシロキサン等の直鎖状シロキサンまたはその共重合体、環状ポリジメチルシロキサン、環状ポリメチルフェニルシロキサン、環状ポリメチルヒドロシロキサン、環状ポリメチルエチルシロキサン、環状ポリメチルプロピルシロキサン、環状ポリメチルブチルシロキサン等の環状シロキサン、アルコキシ変性、ポリエーテル変性、フッ素変性、メチルスチリル変性、高級脂肪酸エステル変性、親水性特殊変性、高級アルコキシ変性等の非反応性基変性シロキサン、アミノ変性、エポキシ変性、カルボキシ変性、カルビノール変性、メタクリル変性、メルカプト変性、フェノール変性等の反応性基変性シロキサン及びこれらの共重合体等が挙げられる。
この中でも、ポリジメチルシロキサン、アルコキシ変性ポリジメチルシロキサン、ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン、親水性特殊変性ポリジメチルシロキサン、カルビノール変性ポリジメチルシロキサンが好ましい。
上記のシロキサン化合物は、市販品として容易に入手が可能であり、その具体例としては、例えばL−45(日本ユニカー(株)製)、SH200、510、550、710、705、1107(東レ・ダウコーニング(株)製)、X−22−162C、3701E、3710、1821、164S、170DX、176DX、164A、4952、KF96、50、54、99、351、618、910、700、6001、6002、8010、KR271、282(信越化学工業(株)製)等の直鎖状シロキサン化合物、VS−7158(日本ユニカー(株)製)、BY11−003(東レ・ダウコーニング(株)製)等の環状シロキサン化合物、L−77、720、7001、7604、Y−7006、L−9300、FZ−2101、2110、2130、2161、3704、3711、3722、3703、3720、3736、3705、3760(日本ユニカー(株)製)、SF8427、8428、8413、8417、SH193、194、190、192、556、3746、3749、3771、8400、SRX280A、BY16−036、−848、−828、−853B、−855B、−839、−845、−752、−750、−838、−150B、BX16−854、−866、SF8421EG、SH28PA、SH30PA、ST89PA、ST103PA(東レ・ダウコーニング(株)製)、ES1001N、1023、X−22−161、−163、−169、−162、−164、KF−860、−101、−102、−6001、−6011、−6015、−8001、−351、−412、−910、−905(信越化学工業(株)製)等の変性シロキサン化合物、FS1265(東レ・ダウコーニング(株)製)、X−22−820、FL100(信越化学工業(株)製)等のフッ素変性シロキサン化合物、FZ−2203、2207、2222(日本ユニカー(株)製)等のポリシロキサンとポリアルキレンオキサイドの共重合体を挙げることができる。
上記のようなシロキサン化合物の中でも、特に式(75)で表される構造の繰り返し単位を有するシロキサン化合物が好ましい。
Figure 0005083568
(式中、R3及びR4はそれぞれ独立して、水素原子、アルキル基又はフェニル基を表し、jは正の整数を表す。)
本発明においては、上記式(75)で表される構造の繰り返し単位を有するシロキサン化合物であれば、変性されていても未変性であってもいずれでも良い。
なお、上記シロキサン化合物がエポキシ基を有する場合、露光時に上述の(D)成分である光酸発生剤から発生した酸成分が該エポキシ基と反応する虞があるため、エポキシ基を持たないシロキサン化合物が好ましい。
エポキシ基を持たないシロキサン化合物としては、未変性のシロキサン化合物、アルコキシ変性、ポリエーテル変性、フッ素変性、メチルスチリル変性、高級脂肪酸エステル変性、親水性特殊変性、高級アルコキシ変性等の非反応性基で変性したシロキサン化合物、及び、アミノ変性、カルボキシ変性、カルビノール変性、メタクリル変性、メルカプト変性、フェノール変性等の反応性基で変性したシロキサン化合物等が挙げられる。
これらの中でも、未変性のシロキサン化合物及びカルビノール変性したシロキサン化合物がより好ましい。
(G)成分であるシロキサン化合物は、(A)成分のアルカリ可溶性共重合体100重量部に対して好ましくは0.1乃至30質量部、より好ましくは1乃至20質量部、特に好ましくは3乃至15質量部の割合で使用される。(G)成分の化合物の使用量が上記範囲の下限未満の量であると、パターンの表面における撥水性の向上に寄与せず、また、一方、(G)成分の化合物の使用量が上記範囲の上限を超える量であると、塗膜形成時に白化や膜ムラが発生する場合がある。
<(H)成分>
(H)成分は、アミン化合物である。本発明のポジ型感光性樹脂組成物にあっては、その保存安定性を高めるという目的で、本発明の効果を損なわない限りにおいて、更にアミン化合物を含有することができる。
(H)成分のアミン化合物としては、特に制限されないが、例えば、トリエタノールアミン、トリブタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリノルマルプロピルアミン、トリイソプロピルアミン、トリノルマルブチルアミン、トリ−tert−ブチルアミン、トリオクチルアミン、トリフェニルアミン及びジアザビシクロオクタン等の3級アミンや、ピリジン及び4−ジメチルアミノピリジン等の芳香族アミンが挙げられ、また、更に、ベンジルアミン及びノルマルブチルアミン等の1級アミンや、ジエチルアミン及びジノルマルブチルアミン等の2級アミンも挙げられる。
(H)成分のアミン化合物は、一種単独で、または二種以上の組合せで使用することができる。
(H)成分のアミン化合物が使用される場合、その含有量は、(A)成分のアルカリ可溶性樹脂100質量部に対して、例えば0.001乃至5質量部であり、また場合により0.005乃至1質量部であり、また好ましくは、0.01乃至0.5質量部である。(H)成分のアミン化合物の使用量が前記範囲の下限未満の過少量であると、ポジ型感光性樹脂組成物の保存安定性を十分に高めることができず、一方、(H)成分のアミン化合物の使用量が前記範囲の上限を超える過多量であると、ポジ型感光性樹脂組成物の感度が低下する場合がある。
<(I)成分>
(I)成分は、界面活性剤である。本発明のポジ型感光性樹脂組成物にあっては、その塗布性を向上させるという目的で、本発明の効果を損なわない限りにおいて、更に界面活性剤を含有することができる。
(I)成分の界面活性剤としては、特に制限されないが、例えば、フッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤などが挙げられる。この種の界面活性剤としては、例えば、住友スリーエム(株)製、大日本インキ化学工業(株)製或いは旭硝子(株)製等の市販品を用いることができる。これら市販品は、容易に入手することができるので、好都合である。その具体的な例としては、エフトップEF301、EF303、EF352((株)ジェムコ製)、メガファックF171、F173(大日本インキ化学工業(株)製)、フロラードFC430、FC431(住友スリーエム(株)製)、アサヒガードAG710、サーフロンS−382、SC101、SC102、SC103、SC104、SC105、SC106(旭硝子(株)製)等のフッ素系界面活性剤が挙げられる。
(I)成分の界面活性剤は、一種単独で、または二種以上の組合せで使用することができる。
界面活性剤が使用される場合、その含有量は、ポジ型感光性樹脂組成物100質量%中に通常0.2質量%以下であり、好ましくは0.1質量%以下である。(I)成分の界面活性剤の使用量が0.2質量%を超える量に設定されても、上記塗布性の改良効果は鈍くなり、経済的でなくなる。
<その他添加剤>
更に、本発明のポジ型感光性樹脂組成物は、本発明の効果を損なわない限りにおいて、必要に応じて、レオロジー調整剤、シランカップリング剤等の接着補助剤、顔料、染料、保存安定剤、消泡剤、または多価フェノール、多価カルボン酸等の溶解促進剤等を含有することができる。
<ポジ型感光性樹脂組成物>
本発明のポジ型感光性樹脂組成物は、(A)成分のアルカリ可溶性樹脂、(B)成分のビニルエーテル基を有する化合物、(C)成分のブロックイソシアネート基を有する化合物、(D)成分の光酸発生剤及び(E)溶剤を含有し、且つ、それぞれ所望により、(F)成分の(A)成分以外のアルカリ可溶性樹脂、(G)成分のシロキサン化合物、(H)成分のアミン化合物、(I)成分の界面活性剤、及びその他添加剤のうち一種以上を更に含有することができる組成物である。
中でも、本発明のポジ型感光性樹脂組成物の好ましい例は、以下のとおりである。
[1]:(A)成分100質量部に基づいて、1乃至80質量部の(B)成分、1乃至80質量部の(C)成分、及び、0.5乃至80質量部の(D)成分を含有し、これら成分が(E)溶剤に溶解したポジ型感光性樹脂組成物。
[2]:上記[1]の組成物において、更に(A)成分100質量部のうち0.1乃至900質量部を(F)成分としたポジ型感光性樹脂組成物。
[3]:上記[1]又は[2]の組成物において、更に(G)成分を(A)成分100質量部に基づいて0.1乃至30質量部含有するポジ型感光性樹脂組成物。
[4]:上記[1]、[2]又は[3]の組成物において、更に(H)成分を(A)成分100質量部に基づいて0.001乃至5質量部含有するポジ型感光性樹脂組成物。
[5]:上記[1]、[2]、[3]又は[4]のポジ型感光性樹脂組成物中に、更に(I)成分を0.2質量%以下含有するポジ型感光性樹脂組成物。
本発明のポジ型感光性樹脂組成物における固形分の割合は、各成分が均一に溶剤に溶解している限り、特に限定されるものではないが、例えば1乃至80質量%であり、また例えば5乃至60質量%であり、または10乃至50質量%である。ここで、固形分とは、ポジ型感光性樹脂組成物の全成分から(E)溶剤を除いたものをさす。
本発明のポジ型感光性樹脂組成物の調製方法は、特に限定されないが、その調製法としては、例えば、(A)成分(アルカリ可溶性樹脂)を(E)溶剤に溶解し、この溶液に、(B)成分(1分子中に二個以上のビニルエーテル基を有する化合物)、(C)成分(1分子中に二個以上のブロックイソシアネート基を有する化合物)及び(D)成分(光酸発生剤)を所定の割合で混合し、均一な溶液とする方法、或いは、この調製法の適当な段階において、必要に応じて、(F)成分((A)成分以外のアルカリ可溶性樹脂)、(G)成分(シロキサン化合物)、(H)成分(アミン化合物)、(I)成分(界面活性剤)及びその他添加剤からなる群からえらばれる少なくとも一種を更に添加して混合する方法が挙げられる。
本発明のポジ型感光性樹脂組成物の調製にあたっては、(E)溶剤中における重合反応によって得られる特定共重合体の溶液をそのまま使用することができ、この場合、この(A)成分の溶液に前記と同様に(B)成分、(C)成分、(D)成分などを入れて均一な溶液とする際に、濃度調整を目的としてさらに(E)溶剤を追加投入してもよい。このとき、特定共重合体の形成過程で用いられる(E)溶剤と、ポジ型感光性樹脂組成物の調製時に濃度調整のために用いられる(E)溶剤とは同一であってもよいし、異なってもよい。
而して、調製されたポジ型感光性樹脂組成物の溶液は、孔径が0.2μm程度のフィルタなどを用いて濾過した後、使用することが好ましい。
<塗膜及び硬化膜>
本発明のポジ型感光性樹脂組成物を半導体基板(例えば、シリコン/二酸化シリコン被覆基板、シリコンナイトライド基板、金属例えばアルミニウム、モリブデン、クロムなどが被覆された基板、ガラス基板、石英基板、ITO基板等)の上に、回転塗布、流し塗布、ロール塗布、スリット塗布、スリットに続いた回転塗布、インクジェット塗布などによって塗布し、その後、ホットプレートまたはオーブン等で予備乾燥することにより、塗膜を形成することができる。その後、この塗膜を加熱処理することにより、ポジ型感光性樹脂膜が形成される。
この加熱処理の条件としては、例えば、温度70℃乃至160℃、時間0.3乃至60分間の範囲の中から適宜選択された加熱温度及び加熱時間が採用される。加熱温度及び加熱時間は、好ましくは80℃乃至140℃、0.5乃至10分間である。
また、ポジ型感光性樹脂組成物から形成されるポジ型感光性樹脂膜の膜厚は、例えば0.1乃至30μmであり、また例えば0.2乃至10μmであり、更に例えば0.2乃至5μmである。
そして、形成されたポジ型感光性樹脂膜は、形成時の加熱処理により、(B)成分のビニルエーテル基を有する化合物が(A)成分の樹脂に架橋することにより、アルカリ現像液に難溶な膜となる。この場合、加熱処理の温度が上記の温度範囲の下限よりもより低い場合には、熱架橋が不十分なものとなり、未露光部において膜減りが生じることがある。また、加熱処理の温度が上記の温度範囲の上限を超えて高すぎる場合には、一旦形成された熱架橋部が再び切断され、未露光部において膜減りをひき起こすことがある。
本発明のポジ型感光性樹脂組成物から形成されるポジ型感光性樹脂膜は、所定のパターンを有するマスクを用いて紫外線、ArF、KrF、F2レーザー光等の光で露光されると、ポジ型感光性樹脂膜中に含まれる(D)成分の光酸発生剤(PAG)から発生する酸の作用によって、該膜のうち露光部はアルカリ性現像液に可溶なものとなる。
次いで、ポジ型感光性樹脂膜に対して露光後加熱(PEB)が行われる。この場合の加熱の条件としては、温度80℃乃至150℃、時間0.3乃至60分間の範囲の中から適宜選択された加熱温度及び加熱時間が採用される。
その後、アルカリ性現像液を用いて現像が行われる。これにより、ポジ型感光性樹脂膜のうち、露光された部分が除去され、パターン様のレリーフが形成される。
使用されうるアルカリ性現像液としては、例えば、水酸化カリウム、水酸化ナトリウムなどのアルカリ金属水酸化物の水溶液、水酸化テトラメチルアンモニウム、水酸化テトラエチルアンモニウム、コリンなどの水酸化第四級アンモニウムの水溶液、エタノールアミン、プロピルアミン、エチレンジアミンなどのアミン水溶液等のアルカリ性水溶液が挙げられる。さらに、これらの現像液には、界面活性剤などを加えることもできる。
上記の中、水酸化テトラエチルアンモニウム0.1乃至2.38質量%水溶液は、フォトレジストの現像液として一般に使用されており、本発明のポジ型感光性樹脂組成物においても、このアルカリ性現像液を用いて、膨潤などの問題をひき起こすことなく良好に現像することができる。
また、現像方法としては、液盛り法、ディッピング法、揺動浸漬法など、いずれも用いることができる。その際の現像時間は、通常、15乃至180秒間である。
現像後、ポジ型感光性樹脂膜に対して流水による洗浄を例えば20乃至90秒間行い、続いて圧縮空気もしくは圧縮窒素を用いてまたはスピニングにより風乾することにより、基板上の水分が除去され、そしてパターン形成された膜が得られる。
続いて、斯かるパターン形成膜に対して、熱硬化のためにポストベークを行うことにより、具体的にはホットプレート、オーブンなどを用いて加熱することにより、耐熱性、透明性、平坦化性、低吸水性、耐薬品性などに優れ、良好なレリーフパターンを有する膜が得られる。
ポストベークとしては、一般に、温度140℃乃至250℃の範囲の中から選択された加熱温度にて、ホットプレート上の場合には5乃至30分間、オーブン中の場合には30乃至90分間処理するという方法が採られる。
而して、斯かるポストベークにより、目的とする、良好なパターン形状を有する硬化膜を得ることができる。
以上のように、本発明のポジ型感光性樹脂組成物により、十分高感度であり且つ現像の際に未露光部の膜減りが非常に小さい、微細な画像を形成することができる。
この硬化膜の特性としては、膜表面に高い撥水性と高い撥油性を有しており、酸素プラズマ処理(UVオゾン処理)後における撥水性及び撥油性の低下を抑制することができる。
そのため、例えば、有機ELの画素分画用バンクなどの用途や、TFT型液晶素子のアレイ平坦化膜、液晶又は有機ELディスプレイにおける各種の膜、例えば層間絶縁膜、保護膜、絶縁膜などの用途に好適である。
以下、実施例を挙げて、本発明を更に詳しく説明するが、本発明は、これら実施例に限定されるものでない。
以下の実施例で用いる略記号の意味は、次のとおりである。
MAA:メタクリル酸
MMA:メチルメタクリレート
HEMA:2−ヒドロキシエチルメタクリレート
CHMI:N−シクロヘキシルマレイミド
PFMA:2−(パーフルオロオクチル)エチルメタクリレート
TMSSMA:メタクリロキシプロピルトリス(トリメチルシロキシ)シラン
AIBN:アゾビスイソブチロニトリル
PGMEA:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
PAG1:[2−メチル−α−[5−[(プロピルスルホニル)オキシ]イミノ]−2−(5H)−チエニリデン]ベンゼンアセトニトリル(オキシムスルホネート系光酸発生剤):チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製 CGI1397(商品名)
PVE1:1,4−シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル
NCO1:下記式で表される化合物
Figure 0005083568
:デグサAG製 VESTAGON(登録商標)B 1065(商品名)
PDMS1:ポリジメチルシロキサン ポリエーテル変性 数平均分子量(以下、Mnと称す):1,000
[数平均分子量及び重量平均分子量の測定]
以下の合成例に従い得られる(特定)共重合体の数平均分子量及び重量平均分子量は、日本分光(株)製GPC装置(Shodex(登録商標)カラムKF803LおよびKF804L)を用い、溶出溶媒テトラヒドロフランを流量1ml/分でカラム中に(カラム温度40℃)流して溶離させるという条件で測定した。なお、下記の数平均分子量(以下、Mnと称す。)及び重量平均分子量(以下、Mwと称す。)は、ポリスチレン換算値にて表される。
<合成例1>
特定共重合体を構成するモノマー成分として、MAA 12.5g、PFMA 16.7g、HEMA 20.8g、TMSSMA 48.9gを使用し、ラジカル重合開始剤としてAIBN 3.7gを使用し、これらを溶剤PGMEA 307.8g中において温度60℃乃至110℃で重合反応させることにより、Mn10,700、Mw16,000である(A)成分(特定共重合体)の溶液(特定共重合体濃度:25.0質量%)を得た。(P1)
<合成例2>
共重合体を構成するモノマー成分として、MAA 15.5g、CHMI 35.3g、HEMA 25.5g、MMA 23.7gを使用し、ラジカル重合開始剤としてAIBN 5gを使用し、これらを溶剤PGMEA 185g中において温度60℃乃至100℃で重合反応させることにより、Mn4,100、Mw7,600である共重合体の溶液(共重合体濃度:35.0質量%)を得た。(P2)
<合成例3>
共重合体を構成するモノマー成分として、MAA 7.5g、MMA 20.0g、HEMA 10.0g、PFMA 12.5gを使用し、ラジカル重合開始剤としてAIBN 1.59gを使用し、これらを溶剤PGMEA 154.7g中において温度60℃乃至100℃で重合反応させることにより、Mn12,600、Mw20,300である共重合体の溶液(共重合体濃度:25.0質量%)を得た。(P3)
<合成例4>
共重合体を構成するモノマー成分として、MAA 3.0g、MMA 3.0g、HEMA 4.0g、TMSSMA 9.0gを使用し、ラジカル重合開始剤としてAIBN 0.96gを使用し、これらを溶剤PGMEA 59.9g中において温度60℃乃至100℃で重合反応させることにより、Mn8,200、Mw12,900である共重合体の溶液(共重合体濃度:25.0質量%)を得た。(P4)
<実施例1乃至4及び比較例1乃至5>
次の表1に示す組成に従い、(A)成分の溶液に、(B)成分、(C)成分、及び(D)成分、(E)溶剤、更に、実施例2及び実施例3並びに比較例1乃至比較例3においては(F)成分の溶液を、実施例4においては(F)成分の溶液及び(G)成分を所定の割合で混合し、室温で3時間撹拌して均一な溶液とすることにより、各実施例及び各比較例のポジ型感光性樹脂組成物を調製した。
Figure 0005083568
実施例1乃至実施例4並びに比較例1乃至比較例3の各組成物について、それぞれ、感度、膜減り(未露光部における)、接触角、ならびに酸素プラズマ処理耐性の評価を行った。
[感度の評価]
ポジ型感光性樹脂組成物をシリコンウェハー上にスピンコーターを用いて塗布した後、温度110℃で120秒間ホットプレート上においてプリベークを行い膜厚2.5μmの塗膜を形成した。膜厚はFILMETRICS製 F20を用いて測定した。この塗膜にキヤノン(株)製紫外線照射装置PLA−600FAにより365nmにおける光強度が5.5mW/cm2の紫外線を一定時間照射し、次いで温度110℃で120秒間ホットプレート上において露光後加熱(PEB)を行った。その後0.4質量%の水酸化テトラメチルアンモニウム(以下、TMAHと称す)水溶液に60秒間浸漬することで現像を行った後、超純水で20秒間流水洗浄を行った。露光部において溶け残りのなくなる最低の露光量(mJ/cm2)を感度とした。
[膜減りの評価]
ポジ型感光性樹脂組成物をシリコンウェハー上にスピンコーターを用いて塗布した後、温度110℃で120秒間ホットプレート上においてプリベークを行い膜厚2.5μmの塗膜を形成した。この膜を0.4質量%TMAH水溶液に60秒間浸漬した後、超純水で20秒間流水洗浄を行った。次いで、この膜の厚さを測定することで、現像による未露光部の膜減り度合いを評価した。この評価における膜厚は、FILMETRICS製 F20を用いて測定した。
[接触角の評価]
ポジ型感光性樹脂組成物を石英基板上にスピンコーターを用いて塗布した後、温度110℃で120秒間ホットプレート上においてプリベークを行い膜厚2.5μmの塗膜を形成した。この塗膜を温度230℃で30分間加熱することによりポストベークを行い、膜厚1.9μmの硬化膜を形成した。この硬化膜上の水およびドデシルベンゼン(DB)の接触角を協和界面科学(株)製Drop Masterを用いて測定した。
[酸素プラズマ(UVオゾン洗浄)処理耐性の評価]
ポジ型感光性樹脂組成物を石英基板上にスピンコーターを用いて塗布した後、温度110℃で120秒間ホットプレート上においてプリベークを行い膜厚2.5μmの塗膜を形成した。この塗膜を230℃で30分加熱することによりポストベークを行い、膜厚1.9μmの硬化膜を形成した。この塗膜を(株)テクノビジョン製UV−312を用いて15分間UVオゾン洗浄した。UVオゾン洗浄処理した膜について水の接触角を前記[接触角の評価]と同様の方法で測定した。
なお、上記実施例1のポジ型感光性樹脂組成物から形成した硬化膜の、UVオゾン洗浄処理前及びUVオゾン処理後(5分、10分、15分)の接触角の測定結果を[図1](水)及び[図2](ドデシルベンゼン)に示した。
[評価の結果]
以上の評価を行った結果を、次の表2に示す。
Figure 0005083568
実施例1乃至4については、いずれも、高感度であり、未露光部において実際上問題となるような膜減りがみられなかった。そして、UVオゾン処理後も、硬化膜表面の高い撥水性及び撥油性の低下が抑制され、酸素プラズマ処理耐性が高かった。
また実施例1のポジ型感光性樹脂組成物からなる硬化膜のUVオゾン洗浄処理前後における接触角の測定結果をみると、水(図1)、ドデシルベンゼン(図2)共にUVオゾン洗浄処理の時間経過による接触角の低下が起こらず、高い撥水性および撥油性を保持する結果となった。
比較例1は、硬化膜表面の撥水性及び撥油性は高いがUVオゾン洗浄処理耐性が低かった。
比較例2は、撥水性、撥油性及びUVオゾン洗浄処理耐性ともに低かった。
比較例3は、撥水性は高いがUVオゾン洗浄処理耐性及び撥油性が低かった。
本発明によるポジ型感光性樹脂組成物は、薄膜トランジスタ(TFT)型液晶表示素子、有機EL素子等の各種ディスプレイにおける保護膜、平坦化膜、絶縁膜等の硬化膜を形成する材料として好適であり、特に、TFT型液晶素子の層間絶縁膜、カラーフィルタの保護膜、アレイ平坦化膜、反射型ディスプレイの反射膜下側の凹凸膜、有機EL素子の絶縁膜等を形成する材料としても好適であり、さらにマイクロレンズ材料などの各種電子材料としても好適である。
実施例1のポジ型感光性樹脂組成物から形成した硬化膜のUVオゾン洗浄処理前及び処理後(5分、10分、15分)の水の接触角θ(°)を示す図である。 実施例1のポジ型感光性樹脂組成物から形成した硬化膜のUVオゾン洗浄処理前及び処理後(5分、10分、15分)のドデシルベンゼンの接触角θ(°)を示す図である。

Claims (12)

  1. 下記(A)成分、(B)成分、(C)成分、(D)成分及び(E)溶剤を含有するポジ型感光性樹脂組成物。
    (A)成分:(B)成分の化合物との間で熱架橋反応をなしうるための官能基、(C)成分の化合物との間で熱硬化反応をなしうる膜硬化のための官能基、フルオロアルキル基を有する有機基並びにケイ素原子を含有する有機基を有し、且つ、数平均分子量が2,000乃至30,000であるアルカリ可溶性樹脂
    (B)成分:1分子中二個以上のビニルエーテル基を有する化合物
    (C)成分:1分子中二個以上のブロックイソシアネート基を有する化合物
    (D)成分:光酸発生剤
    (E)溶剤
  2. 前記熱架橋反応をなしうるための官能基は、カルボキシル基及びフェノール性ヒドロキシ基の群から選ばれる少なくとも一種であり、また前記膜硬化のための官能基は、フェノール性ヒドロキシ基以外のヒドロキシ基及び活性水素を有するアミノ基の群から選ばれる少なくとも一種である、請求項1に記載のポジ型感光性樹脂組成物。
  3. 前記フルオロアルキル基を有する有機基が下記式(1)で示される構造である、請求項1又は請求項2に記載のポジ型感光性樹脂組成物。
    Figure 0005083568
    (式中、pは0乃至5の整数を表し、qは0乃至11の整数を表す。)
  4. 前記ケイ素原子を含有する有機基が下記式(2)で示される構造である請求項1乃至請求項3のうちいずれか一項に記載のポジ型感光性樹脂組成物。
    Figure 0005083568
    (式中、X1はメチル基、エチル基、トリメトキシシロキシ基又はトリエトキシシロキシ基を表し、rは0乃至5の整数を表す。)
  5. (A)成分100質量部に基づいて、1乃至80質量部の(B)成分、1乃至80質量部の(C)成分、及び、0.5乃至80質量部の(D)成分を含有する、請求項1乃至請求項4のうちいずれか一項に記載のポジ型感光性樹脂組成物。
  6. (F)成分として、(A)成分以外の他のアルカリ可溶性樹脂を更に(A)成分100質量部に基づいて1乃至900質量部含有する、請求項1乃至請求項5のうちいずれか一項に記載のポジ型感光性樹脂組成物。
  7. (G)成分として、シロキサン化合物を更に(A)成分100質量部に基づいて0.1乃至30質量部含有する、請求項5又は請求項6に記載のポジ型感光性樹脂組成物。
  8. 請求項1乃至請求項7のうちいずれか一項に記載のポジ型感光性樹脂組成物を用いて得られる硬化膜。
  9. 請求項8に記載の硬化膜を有する有機EL表示素子用隔壁材。
  10. 請求項8に記載の硬化膜を有する液晶表示素子。
  11. 請求項8に記載の硬化膜からなる液晶ディスプレイ用アレイ平坦化膜。
  12. 請求項8に記載の硬化膜からなる層間絶縁膜。
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