JP5083157B2 - 伸縮式回転伝達軸 - Google Patents

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Description

この発明に係る伸縮式回転伝達軸は、例えば、自動車の操舵装置を構成するステアリングシャフトや中間シャフト(インターミディエイトシャフト)等、回転力(トルク)を伝達自在で、且つ、軸方向に伸縮可能なシャフトとして使用する。
自動車の操舵装置は、例えば図22に示す様に構成して、ステアリングホイール1の動きをステアリングギヤユニット2に伝達する様にしている。このステアリングホイール1の動きは、ステアリングシャフト3と、自在継手4aと、中間シャフト5と、自在継手4bとを介して、上記ステアリングギヤユニット2の入力軸6に伝達される。すると、このステアリングギヤユニット2が、左右1対のタイロッド7、7を押し引きして、操舵輪に所望の舵角を付与する。尚、図22に示した例では、電動モータ8により上記ステアリングシャフト3に、運転者が上記ステアリングホイール1に加えた力に応じた補助力を付与する、電動式パワーステアリング装置を組み込んでいる。
上述の様な操舵装置で、運転者の体格や運転姿勢に応じてステアリングホイール1の前後位置を調節する際には、上記ステアリングシャフト3と、このステアリングシャフト3を回転自在に支持したステアリングコラム9とを伸縮させる。この為に、このステアリングシャフト3を、アウターシャフト10とインナーシャフト11とを、スプライン係合部により伸縮及び回転力の伝達を自在に組み合わせた、所謂テレスコピックステアリングシャフトとしている。又、上記ステアリングコラム9を、アウターコラム12とインナーコラム13とを伸縮自在に組み合わせたものとしている。
通常時に於けるステアリングホイール1の操作感を向上させる為には、上記ステアリングシャフト3のうち、スプライン係合部等の軸方向摺動部で、回転方向のがたつきが発生しない様にする必要がある。これに対して、ステアリングホイール1の前後位置の調節を軽い力で行なえる様にする為には、上記軸方向摺動部を、軸方向の変位をし易く構成する必要がある。この様な相反する要求を満たす構造として従来から、特許文献1に記載された構造が知られている。図23〜24は、この特許文献1に記載された従来構造の1例を示している。
この従来構造のステアリングシャフト3aの場合には、アウターシャフト10aと、インナーシャフト11aと、複数(3個)の鋼球14、14と、保持器15と、弾性部材(板ばね)16と、複数(2本)の円柱部材17、17とを備える。このうちのアウターシャフト10aは、内周面に、この内周面から径方向外方に凹入する状態で複数本(3本)のアウター側凹溝18、18を、軸方向に設けている。又、上記インナーシャフト11aは、外周面に、この外周面から径方向内方に凹入する状態で複数本(3本)のインナー側凹溝19、19を、軸方向に設けている。又、上記各鋼球14、14は、特許請求の範囲に記載した「伝達駒」並びに「玉」に相当するもので、上記3本のアウター側凹溝18、18のうちの1本(図23の上側)のアウター側凹溝18と、このアウター側凹溝18に対向するインナー側凹溝19に係合させた上記弾性部材16との間に、それぞれ設けている。
又、上記保持器15は、上記各鋼球14、14を、上記アウターシャフト10a及びインナーシャフト11aの軸方向に所定の間隔で保持している。又、上記弾性部材16は、上記各鋼球14、14を、上記アウター側凹溝18に向けて弾性的に押圧している(予圧を付与している)。又、上記各円柱部材17、17は、特許請求の範囲に記載した「伝達駒」並びに「円筒ころ」に相当するもので、残りの2本の上記各アウター側凹溝18、18と、同じく残りの2本の上記各インナー側凹溝19、19との間に、それぞれ設けている。
そして、上記弾性部材16により、上記各鋼球14、14を上記(1本の)アウター側凹溝18の内面(内側面)に弾性的に押し付ける事により、これら各鋼球14、14並びに上記各円柱部材17、17と上記アウター側、インナー側各凹溝18、19との係合部(当接部、噛み合い部)でがたつきが発生する事を防止している。又、上記アウターシャフト10aとインナーシャフト11aとの間で大きな回転力(トルク)の伝達が行われる際には、上記弾性部材16が、この回転力に応じて弾性変形する。そして、この様な弾性部材16の弾性変形に基づき、上記各円筒部材17、17を介して上記大きな回転力の伝達が行われる様にすると共に、上記各鋼球14、14と上記アウター側、インナー側各凹溝18、19との接触部の面圧が過大になる事を防止している。又、上記アウターシャフト10aと上記インナーシャフト11aとを軸方向に相対変位させる際には、上記各鋼球14、14が転動すると共に、上記各円柱部材17、17の外周面と上記アウター側、インナー側各凹溝18、19の内面(内側面)とが摺動する。この為、上記相対変位を軽い力で行う事ができる。
ところが、上述の様な特許文献1に記載された構造の場合、弾性部材16を設ける分、部品点数が増大し、部品製作、部品管理が面倒になる他、組立工数が増大し、組立作業が面倒になる等、ステアリングシャフト3aの製造コスト増大に繋がる可能性がある。一方、上述の様な弾性部材16を設けずに、上記相対変位を軽い力で行える様にした構造として、例えば特許文献2〜8に記載された構造も、従来から知られている。但し、これら特許文献2〜8に記載された構造の場合には、何れも鋼球のみで回転力の伝達を行う。この為、操舵時にこれら各鋼球が、これら各鋼球と係合するアウター側、インナー側各凹溝のうちの同じ部分に繰り返し押し付けられ、当該部分の面圧が過度に大きくなる可能性がある。そして、この様に面圧が過度に大きくなった場合には、当該部分に圧痕(塑性変形)を生じる可能性がある。この様な圧痕は、操舵時にがたつきが発生する原因となる他、アウターシャフトとインナーシャフトとの軸方向の相対変位を円滑に行えなくする原因となる可能性がある等、好ましくない。
尚、上記圧痕は、伝達すべき回転力(トルク)が大きくなる程生じ易くなる。例えば、前述の図22に示した操舵装置は、補助動力源である電動モータ8をステアリングコラム側に設けた、所謂コラムタイプの電動式パワーステアリング装置であるが、この様な電動式パワーステアリング装置の場合、ステアリングシャフト3が伝達する回転力に比べ、中間シャフト5が伝達する回転力が、補助動力分だけ大きくなる。従って、この様な中間シャフト5(補助動力が加わるシャフト、補助動力源よりも下流側のシャフト)に上述の様な特許文献2〜8に記載された技術を採用した場合には、上記圧痕が更に生じ易くなる。
国際公開第2003/031250号パンフレット 特開2006−349104号公報 特開2007−46769号公報 特開2007−16901号公報 特許第3694637号公報 実開平3−30621号公報 特開2004−306919号公報 特開2004−168229号公報
本発明の伸縮式回転伝達軸は、上述の様な事情に鑑みて、廉価で、しかも、大きな回転力(トルク)を伝達した場合にも、圧痕等の損傷を生じにくくできる構造を実現すべく発明したものである。
本発明の伸縮式回転伝達軸は、前述した従来構造と同様に、インナーシャフトと、アウターシャフトと、複数の伝達駒とを備える。
このうちのインナーシャフトは、外周面の円周方向複数個所に、径方向内方に凹入したインナー側凹溝を、軸方向に設けている。
又、上記アウターシャフトは、上記インナーシャフトを挿入自在なもので、内周面の円周方向複数個所で上記インナー側凹溝と整合する位置に、径方向外方に凹入したアウター側凹溝を、軸方向に設けている。
又、上記各伝達駒は、上記各インナー側凹溝と上記各アウター側凹溝との間に設けられている。
そして、上記アウターシャフトと上記インナーシャフトとを、互いの間での回転力(トルク)の伝達及び軸方向の相対変位を可能に組み合わせている。
特に、本発明の伸縮式回転伝達軸に於いては、上記各伝達駒のうちの一部を玉とし、残部を円筒ころとする。又、これと共に、互いに対になる上記インナー側凹溝と上記アウター側凹溝とによりそれぞれ構成される各凹溝組のうちの一部の凹溝組に、上記玉のみを、同じく残部(残部の凹溝組全部に限らず、残部のうちの一部のみの場合も含む。特許請求の範囲も同じ。)の凹溝組に、上記円筒ころのみを、それぞれ設ける(複数の凹溝組のうちの一部の凹溝組に玉のみを設けると共に、残部の凹溝組に円筒ころのみを設ける)。更には、上記玉の表面と上記インナー側、アウター側各凹溝の内面(内側面)との(回転力が加わらない中立状態での)接触部(当接部、係合部、噛合部)を、上記円筒ころの外周面と上記インナー側、アウター側各凹溝の内面(内側面)との(回転力に基づき外周面と内面とが接触した状態での)接触部(当接部、係合部、噛合部)よりも、これらインナー側、アウター側各凹溝の溝底側に位置させる。より具体的には、上記玉の表面を、上記インナー側、アウター側各凹溝の内面のうちの溝底部近傍(より好ましくは溝底部)で接触させると共に、上記円筒ころの表面を、上記インナー側、アウター側各凹溝の内面のうちの肩部近傍で接触させる。
言い換えれば、上記玉の表面と上記インナー側、アウター側各凹溝の内面との(回転力が加わらない中立状態での)接触角(玉の表面と各凹溝の内面との接触部の両端部に接する仮想平面同士のなす角)を、上記円筒ころの外周面と上記インナー側、アウター側各凹溝の内面との(回転力に基づき外周面と内面とが接触した状態での)接触角(円筒ころの外周面と各凹溝の内面との接触部に接する仮想平面同士のなす角)よりも大きくする。即ち、上記玉の表面と上記インナー側、アウター側各凹溝の内面との接触角を大きくする(鈍角にする、より好ましくは180度に近い値とする)と共に、上記円筒ころの外周面と上記インナー側、アウター側各凹溝の内面との接触角を小さくする(鋭角にする、より好ましくは0度に近い値とする)。
何れにしても、上記玉の表面を、上記インナー側、アウター側各凹溝の内面のうちの溝底部近傍(より好ましくは溝底部)で接触させる(事により接触角を大きくする)と共に、上記円筒ころの表面を、上記インナー側、アウター側各凹溝の内面のうちの肩部近傍で接触させ(る事により接触角を小さくし)、回転力の増大に伴い上記円筒ころが上記インナー側、アウター側各凹溝と係合して(噛み合って)、この回転力の伝達を行える様にする。
更に、本発明の場合には、円筒ころのみを設けた残部の凹溝組内の、インナーシャフト及びアウターシャフトの軸方向に関する両端部に、この円筒ころの軸方向位置を規制する為の弾性片を設ける。この弾性片としては、フェルトを用いる。そして、このフェルトに、潤滑油を含浸させる。
又、この様な本発明の伸縮式回転伝達軸を実施する場合に好ましくは、請求項2に記載した発明の様に、上記玉の外径を上記円筒ころの外径よりも大きくし、上記アウターシャフト及びインナーシャフトの円周方向に関する、上記インナー側、アウター側各凹溝と玉との円周方向に関する間隔(後述する様に玉に締め代を持たせた場合には、この間隔を0とする)よりも、同じくインナー側、アウター側各凹溝と円筒ころとの円周方向に関する間隔(隙間)を大きくする。又、好ましくは、この様に構成する事により、回転力が小さい状態では、上記玉のみがインナー側、アウター側各凹溝との係合(噛み合い)に基づき上記回転力の伝達を行い、この回転力が大きい状態では、上記玉並びにこの玉と係合するインナー側、アウター側各凹溝の弾性変形に伴い{例えば玉とこの玉の表面が当接する部分(相手面である凹溝の内面のうちの玉の表面と当接する部分)とが弾性変形する事により}、上記円筒ころも、これらインナー側、アウター側各凹溝と係合し(噛み合い)、上記回転力の伝達を行う様にする。
又、この様な本発明の伸縮式回転伝達軸を実施する場合に好ましくは、請求項3に記載した発明の様に、上記玉と上記円筒ころとのうち、玉にのみ、上記インナー側、アウター側各凹溝に対する締め代(隙間0、締め代0も含む)を持たせる。即ち、上記アウターシャフトとインナーシャフトとを組み合わせた状態で、且つ、これらアウターシャフトとインナーシャフトとの間に回転力が加わらない中立位置での、(玉のみを設ける凹溝組を構成する)インナー側、アウター側各凹溝の内面により構成される仮想円(断面に関する内接円)の直径に対し、上記玉の外径を、この仮想円の直径と同じか、又は、(極く僅か、例えば玉の外径の1/100〜1/1000程度、後述する様に玉や凹溝の剛性を小さくした場合には1/5〜1/1000程度)大きくする。一方、上記円筒ころの外径を、(円筒ころのみを設ける凹溝組を構成する)インナー側、アウター側各凹溝の内面により構成される仮想円(断面に関する内接円)の直径よりも(極く僅か、例えば円筒ころの外径の1/100〜1/1000程度、後述する様に玉や凹溝の剛性を小さくした場合には1/5〜1/1000程度)小さくする。
尚、この様に玉に持たせる締め代と、この玉の外径と、上記円筒ころの外径と、上記各凹溝の断面形状の曲率半径(や傾斜等)との関係{玉の外径と、円筒ころの外径と、インナー側、アウター側各凹溝の内面により構成される仮想円(断面に関する内接円)の直径と、インナー側、アウター側各凹溝の曲率半径との関係}は、次の様に規制する。先ず、上記玉の締め代(玉の外径と仮想円の直径との差)を、上記各凹溝の断面形状の曲率半径との関係(接触楕円の面積との関係)で、この玉並びに上記インナー側、アウター側各凹溝が弾性変形する範囲内、即ち、これらインナー側、アウター側各凹溝に圧痕(塑性変形)が生じない(生じたとしても、耐久性の低下に繋がらず、且つ、軸方向伸縮を円滑に行える)範囲内で設定する。又、上記円筒ころの外径を、上記玉の外径、更には、上記仮想円の直径よりも小さくすると共に、上記回転力の伝達の際に、上記玉並びにインナー側、アウター側各凹溝が弾性変形する範囲内、即ち、これらインナー側、アウター側各凹溝に圧痕を生じない(生じたとしても、耐久性の低下に繋がらず、且つ、軸方向伸縮を円滑に行える)範囲内で、上記円筒ころの外周面が上記インナー側、アウター側各凹溝の内面に当接して、上記回転力の伝達が行われる様に設定する。
又、この様な本発明の伸縮式回転伝達軸を実施する場合に好ましくは、請求項4に記載した発明の様に、インナーシャフトとアウターシャフトとのうちの少なくとも一方のシャフトのうちで、玉のみを設けた凹溝組を構成する凹溝を設けた部分の剛性を、同じく円筒ころのみを設けた凹溝組を構成する凹溝を設けた部分の剛性よりも小さくする。
この場合には、例えば、上記円筒状のアウターシャフトの一部で、上記玉のみを設ける凹溝組を構成するアウター側凹溝の近傍部分の肉厚を小さく(薄肉に)したり、この近傍部分に内外両周面同士を貫通する状態でスリットを設ける事ができる。又、上記インナーシャフトを円筒状に形成すると共に、この円筒状に形成したインナーシャフトの一部で、上記玉のみを設ける凹溝組を構成するインナー側凹溝の近傍部分の肉厚を小さく(薄肉に)したり、この近傍部分に内外両周面同士を貫通する状態でスリットを設ける事もできる。
又、この様な本発明の伸縮式回転伝達軸を実施する場合に好ましくは、請求項5に記載した発明の様に、インナーシャフト及びアウターシャフトの円周方向に関する玉の剛性を、同じく円周方向に関する円筒ころの剛性に比べて小さくする(玉の剛性≪円筒ころの剛性とする)。即ち、回転力の伝達時に、この回転力の増大に伴って、インナー側、アウター側各凹溝と上記円筒ころとを係合し易く(噛み合い易く)すべく、上記玉をこの円筒ころに比べて、形状の相違に基づく以上に、弾性変形し易くする。
この場合には、例えば、上記玉と上記円筒ころとで材質を変えたり(玉の材質を円筒ころの材質に比べて弾性変形し易いものとしたり)、或は、このうちの玉を中空のものとすると共に、この玉に内外両周面を貫通する状態でスリットを設ける事もできる。又、この玉(中空であるか充実体であるかは問わない)の外周面に、この外周面から径方向内方に凹入する状態で(貫通しない)凹部を設ける事により、この玉の表面(外周面)を弾性変形し易くする事もできる。
又、本発明の伸縮式回転伝達軸を実施する場合に好ましくは、請求項6に記載した発明の様に、インナー側、アウター側各凹溝を、インナーシャフト及びアウターシャフトの円周方向等間隔複数個所に設ける。又、好ましくは、請求項7に記載した発明の様に、円筒ころのみを設けた凹溝組を、インナーシャフト及びアウターシャフトの円周方向複数個所に設ける。尚、この場合に、この円筒ころのみ設けた凹溝組を、インナーシャフト及びアウターシャフトの円周方向等間隔複数個所に設ける事も、好ましい。
上述の様に構成する本発明の伸縮式回転伝達軸によれば、廉価で、しかも、大きな回転力(トルク)を伝達した場合にも、圧痕等の損傷を生じにくくできる(生じたとしても、耐久性の低下に繋がらず、且つ、軸方向の伸縮を円滑に行える)。この為、大きな回転力を伝達する(許容負荷トルクを大きくする)事と、がたつきなく円滑な軸方向伸縮を行う事と、製造コストの低減とを、高次元で並立させられる。
即ち、本発明の場合には、玉に弾性力を付与する為の弾性部材を設ける必要がない分、廉価に構成できる。又、上記回転力の伝達を、上記玉だけでなく円筒ころを介して行う事ができる為、その分(円筒ころにより当接面積を大きくできる分)大きな回転力を伝達できる(許容負荷トルクを大きくできる)。又、この様に大きな回転力の伝達を、上記円筒ころが分担する事により、上記玉と凹溝との当接部の面圧が過度に大きくなる事も防止でき、圧痕等の損傷を生じにくくできる。
しかも、本発明の場合には、上記玉の表面をインナー側、アウター側各凹溝の内面(内側面)のうちの溝底部近傍で接触させると共に、上記円筒ころの外周面をインナー側、アウター側各凹溝の内面のうちの肩部近傍で接触させる為、回転力の増大に伴ってこの回転力の伝達を、上記円筒ころが確実に分担できる。即ち、上記玉の表面と上記インナー側、アウター側各凹溝の内面との接触部では、その接触角が大きくなる為、上記回転力を受ける方向に加わる分力が小さく、この回転力がこの玉を介して伝達されにくくなる。この為、上記玉の表面と上記インナー側、アウター側各凹溝の内面との接触部では、上記回転力が加わると、インナーシャフトとアウターシャフトとの相対回転が許容される傾向になる。これに対して、上記円筒ころの外周面と上記インナー側、アウター側各凹溝の内面との接触部では、その接触角が小さくなる為、この接触部で上記回転力を受け易くできる。この為、上記回転力の増大に伴って、この回転力の伝達を、上記円筒ころが確実に分担できる。
尚、上述の様に、玉の表面とインナー側、アウター側各凹溝の内面との接触部では、回転力が加わると、上記インナーシャフトと上記アウターシャフトとの相対回転が許容される傾向になる。即ち、上記回転力が加わると、これらインナーシャフトとアウターシャフトとの相対回転に伴い、上記玉の表面と上記インナー側、アウター側各凹溝の内面との接触部は、上記回転力が加わらない無負荷状態での接触位置から側方(回転方向)に変位する(ずれる)傾向となる。この為、例え、大きな回転力が加わる事により、上記インナー側、アウター側各凹溝の表面に、上記玉の表面との当接に基づく圧痕が生じたとしても、この圧痕が生じる位置は、上記回転力が加わらない無負荷状態での上記玉の表面との接触位置から外れた位置となる。この為、上記圧痕に拘らず(例え圧痕が生じたとしても)、上記回転力が加わらない無負荷状態で行われる、上記アウターシャフトと上記インナーシャフトとの軸方向相対変位(伸縮式回転伝達軸の伸縮)を、円滑に行える。
更に、本発明の場合には、円筒ころの軸方向位置を規制する為の弾性片であるフェルトを設けているので、互いに軸方向に対向する円筒ころの端面同士の(又は、円筒ころの端面とこの端面と軸方向に対向する部材との)衝突に伴う異音の発生を防止できる。しかも、前記フェルトに潤滑油を含浸させている(保持している)ので、上記円筒ころの外周面と上記インナー側、アウター側各凹溝の内面との接触部に潤滑油を供給でき、この接触部で擦れ合い(こじり、スティック滑り)を生じにくくできる。
又、請求項2に記載した発明の様に、玉の外径を円筒ころの外径よりも大きくすれば、上記アウターシャフトと上記インナーシャフトとの軸方向相対変位(伸縮式回転伝達軸の伸縮)を、外径の大きい上記玉の転動に基づいて行う事ができる。この為、この面からも、この相対変位(伸縮動作)を円滑に行える。又、この様に玉の外径を円筒ころの外径よりも大きくする事により、回転力が小さい状態では、上記玉のみがインナー側、アウター側各凹溝との係合(噛み合い)に基づきこの回転力の伝達を行い、この回転力が大きい状態では、上記円筒ころも上記インナー側、アウター側各凹溝と係合し(噛み合い)、上記回転力の伝達を行える様にできる。この様に玉の外径と円筒ころの外径とを規制すると言う、簡単な構造で、この円筒ころにより回転力の伝達を確実に分担させられる為、この面からも、廉価に構成できる(製造コストの低減を図れる)。
又、請求項3に記載した発明の様に、玉にインナー側、アウター側各凹溝に対する締め代を持たせた場合には、弾性部材を必要とする事なく、インナーシャフトとアウターシャフトとが回転方向にがたつく事を防止できる。
又、請求項4に記載した発明の様に、インナーシャフトとアウターシャフトとのうちの少なくとも一方のシャフトで、玉のみを設けた凹溝組を構成する凹溝を設けた部分の剛性を小さく(弾性変形し易く)すれば、回転力の増大に伴って、円筒ころとインナー側、アウター側各凹溝とを係合し(噛み合い)易くできる。この為、上記回転力の伝達の際に、大きい回転力を上記円筒ころにより確実に分担でき、圧痕等の損傷をより生じにくくできる。しかも、上記玉にインナー側、アウター側各凹溝に対する締め代を持たせた場合に、この締め代に対する自由度(許容度)を大きくできる(締め代に対し鈍感にできる)。
即ち、(意識的であるか否かを問わず)上記締め代が大きくなっても、上記玉のみを設けた凹溝組を構成する、インナー側、アウター側各凹溝を設けた部分の剛性が小さい(弾性変形し易い)分、上記玉と当接するインナー側、アウター側各凹溝の内面に圧痕を生じにくくできる。又、この様に締め代が大きくなっても圧痕を生じにくくできる為、上記インナー側、アウター側各凹溝、並びに、上記玉の加工精度を高度に維持しなくて済み(寸法誤差を許容でき)、その分、廉価に構成できる(製造コストの低減を図れる)。しかも、上記締め代に基づく予圧(抵抗)が過度に大きくなる事を防止でき、インナーシャフトとアウターシャフトとの回転方向のがたつき防止と軸方向相対変位(伸縮式回転伝達軸の伸縮)の円滑化との両立を、高度に図れる。又、上記インナー側、アウター側各凹溝の摩耗に拘らず、長期に亙り必要な予圧(抵抗)を確保し易い。
又、請求項5に記載した発明の様に、インナーシャフト及びアウターシャフトの円周方向に関する玉の剛性を、同じく円筒ころの剛性に比べて小さくした場合にも、回転力の増大に伴って、インナー側、アウター側各凹溝と円筒ころとを係合し(噛み合い)易くできる。この為、上記回転力の伝達の際に、大きい回転力を上記円筒ころにより確実に分担でき、圧痕等の損傷をより生じにくくできる。又、これと共に、上記玉と円筒ころとの剛性を適宜調節する事で、回転力の伝達の際に、上記円筒ころが回転力を分担し始めるタイミングを調整し易くできる(所望のタイミングに規制し易くできる)。尚、この様な円筒ころが回転力を分担し始めるタイミングの調整は、インナーシャフト及びアウターシャフト全体としての剛性、延いては、上記請求項4に記載した発明の様に、これらインナーシャフト及びアウターシャフトのうちでインナー側、アウター側各凹溝を設けた部分の剛性を適宜調節する事でも、同様に行える。
尚、図25は、インナーシャフトとアウターシャフトとの回転角と、これらインナーシャフトとアウターシャフトとの間に加わる捩れトルクとの関係の4例を示している。この図25中、点P〜Pは、各玉の表面と各凹溝の内面との係合に基づく回転力の伝達が行われている状態から、各円筒ころの外周面と各凹溝の内面とが当接して回転力の伝達が行われる状態へ変化する変曲点を、それぞれ示している。上述した様に、各玉の剛性やこれら各玉の締め代、上記インナーシャフトやアウターシャフトの剛性、インナー側、アウター側各凹溝の数、断面形状、曲率半径、上記各玉と各円筒ころとの外径の差等を適宜調節する事で、所望の捩れトルクと回転角との関係を得る(ステアリングホイール操作時のレスポンスやキックバック入力等を任意に設定する)事ができる。尚、上述の様に玉の剛性を小さくする場合には、この剛性を小さくする程、変曲点(例えば点P)の前後での傾きの変化が大きくなる。この為、単にそのままでは、例えば変曲点Pから二点鎖線で示す様に捩れトルクが変化する可能性があり、この様な場合には、違和感(ストッパー感)を感じたり異音を生じる可能性がある。そこで、例えば各円筒ころの剛性やこれら各円筒ころと接触する各凹溝の断面形状、曲率半径、これら各円筒ころの外周面と各凹溝の内面との接触角等を適宜調節する事で、例えば上記変曲点をP´にずらし、滑らかなトルク伝達の分担を行える様にする事が好ましい。又、上記各玉の剛性や締め代、これら各玉と接触する各凹溝の断面形状、曲率半径、これら各玉の表面と各凹溝の内面との接触角等を適宜調節する事で、図25のQで示す部分を、変曲点P〜Pに向けて滑らかな曲線となる様にする事ができる。
又、請求項6に記載した発明の様に、インナー側、アウター側各凹溝を、インナーシャフト及びアウターシャフトの円周方向等間隔複数個所に設けた場合には、玉のみを設けた凹溝組を構成するインナー側、アウター側各凹溝、並びに、円筒ころのみを設けた凹溝組を構成するインナー側、アウター側各凹溝がそれぞれ均一に弾性変形し易くなり、これら各凹溝に圧痕等の損傷をより生じにくくできる。又、上記インナーシャフト並びにアウターシャフトに、上記インナー側、アウター側各凹溝を形成する際に、これらインナーシャフト並びにアウターシャフトを所望通りに形成し易くできる。即ち、例えば塑性加工に基づき、シャフトの形成と共にこのシャフトに凹溝を形成する場合に、このシャフトの円周方向に関して均等に成型荷重を加える事ができ、このシャフトが例えば折れ曲がる方向や断面形状が歪む方向等に変形しにくくできる。この為、アウターシャフトとインナーシャフトとの軸方向相対変位(伸縮式回転伝達軸の伸縮)の円滑化と、円周方向のがたつき防止との両立を、高度に図れる。
又、請求項7に記載した発明の様に、円筒ころのみを設けた凹溝組を、インナーシャフト及びアウターシャフトの円周方向複数個所に設けた場合には、円筒ころが多くなる分、大きな回転力を伝達できる(許容負荷トルクを大きくできる)。
実施の形態の1例
図1〜3は、請求項1〜3、7に対応する、本発明の実施の形態の1例を示している。尚、本例は、本発明の伸縮式回転伝達軸をステアリングシャフト20として実施する場合の構造に就いて示している。但し、この様なステアリングシャフト20に限らず、例えば前述の図22に示した中間シャフト5等の、回転力(トルク)の伝達と軸方向の伸縮との両方の機能を必要とされる、各種シャフトとして実施する事ができる。何れにしても、本例のステアリングシャフト20は、例えば炭素鋼等の金属材に、押出加工或いは切削加工を施す事により形成されたアウターシャフト21と、同じく炭素鋼等の金属材に、押出加工、鍛造加工、或いは切削加工を施す事により形成されたインナーシャフト22と、同じくそれぞれが炭素鋼、軸受鋼、ステンレス鋼等の金属材や合成樹脂、高機能樹脂等の非金属材料により造られた複数の伝達駒23a、23bとを備える。このうちのアウターシャフト21は、円筒状のもので、内周面の円周方向4個所位置に、この内周面から径方向外方に凹入する状態で(4本の)アウター側凹溝24、24を、軸方向に設けている。
又、上記インナーシャフト22は、円筒状又は円柱状のもので、外周面の円周方向4個所位置で上記アウター側凹溝24、24と整合する位置に、この外周面から径方向内方に凹入する状態で(4本の)インナー側凹溝25、25aを、軸方向に設けている。又、上記各伝達駒23a、23bは、上記各アウター側凹溝24、24と上記各インナー側凹溝25、25aとの間にそれぞれ設けられたもので、これら各伝達駒23a、23bを介して上記アウターシャフト21と上記インナーシャフト22とを組み合わせる事により、これらアウターシャフト21とインナーシャフト22との間で、回転力の伝達及び軸方向の相対変位を可能としている。そして、本例の場合には、上記各伝達駒23a、23bのうちの一部を玉26、26とし、残部を円筒ころ27、27としている。より具体的には、互いに対になる上記アウター側凹溝24、24と上記インナー側凹溝25、25aとによりそれぞれ構成される(4組の)凹溝組の一部(2組)の凹溝組(図1の最も左側の凹溝組と最も右側の凹溝組)に、図2に示す様に複数個(7個)の玉26、26のみを設けている(円筒ころ27は設けていない)。又、これと共に、同じく残部(2組)の凹溝組(図1の最も上側の凹溝組と最も下側の凹溝組)に、図3に示す様に複数個(3個)の円筒ころ27、27のみを設けている(玉26は設けていない)。
尚、本例の場合には、各玉26、26のみを設けた2組の凹溝組を、径方向反対側(180度反対側)位置に、即ち、円周方向に関して180度等間隔に配置した状態で、それぞれ設けると共に、各円筒ころ27、27のみを設けた2組の凹溝組も、径方向反対側(180度反対側)位置に、即ち、円周方向に関して180度等間隔に配置した状態で、それぞれ設けている。この様に円周方向等間隔(2組であれば180度等間隔、3組であれば120度等間隔等)に配置する事が、回転力の伝達時に各玉26、26並びに各円筒ころ27、27を均等に突っ張らせる事ができる面からは、より好ましい。
又、本例の場合には、上記各凹溝組のうちの玉26、26のみを設けた凹溝組を構成するアウター側、インナー側各凹溝24、25の内面(内側面)と各玉26、26の表面との(回転力が加わらない中立状態での)接触部(当接部、係合部、噛合部)を、同じく円筒ころ27、27のみを設けた凹溝組を構成するアウター側、インナー側各凹溝24、25aの内面(内側面)と各円筒ころ27、27の外周面との(回転力に基づき外周面と内面とが接触した状態での)接触部(当接部、係合部、噛合部)よりも、これらアウター側、インナー側各凹溝24、25の溝底側に位置させている。言い換えれば、上記各玉26、26の表面を、上記アウター側、インナー側各凹溝24、25の内面のうちの溝底部で接触させると共に、上記各円筒ころ27、27の外周面を、上記アウター側、インナー側各凹溝24、25aの内面のうちの肩部近傍で接触させている。
この様に接触位置を規制した本例の場合には、上記各玉26、26の表面と上記アウター側、インナー側各凹溝24、25の内面との接触角θ(中立状態での玉26、26の表面と各凹溝24、25の内面との接触部の両端部に接する仮想平面同士のなす角θ)が、上記各円筒ころ27、27の外周面と上記アウター側、インナー側各凹溝24、25aの内面との接触角θ、θ(円筒ころ27、27の外周面と各凹溝24、25aの内面両側とが中立状態のまま接触したと仮定した場合に、その接触部に接する仮想平面同士のなす角θ、θ)よりも大きくなる。より具体的には、上記各玉26、26の表面と上記アウター側、インナー側各凹溝24、25の内面との接触角θが大きくなる(鈍角になる)と共に、上記各円筒ころ27、27の外周面と上記アウター側、インナー側各凹溝24、25aの内面との接触角θ、θが小さくなる(鋭角になる)。そして、この様な構成を採用する事により、本例の場合には、回転力(トルク)の増大に伴い、上記各円筒ころ27、27が上記アウター側、インナー側各凹溝24、25aと係合して(噛み合って)、この回転力の伝達を行える様にしている。
要するに、本例の場合には、上記各玉26、26の表面を、これら各玉26、26のみを設けた凹溝組を構成するアウター側、インナー側各凹溝24、25の内面のうちの溝底部近傍で接触する様にして(接触角θを大きくして)、これら各玉26、26の転動面とアウター側、インナー側各凹溝24、25の内面との接触位置が、小さい回転力で、これら各凹溝24、25の底部から側方に変位し易くなる様にしている。この為に、例えば上記アウター側、インナー側各凹溝24、25の断面形状を単一円弧とする場合には、その曲率半径を、上記各玉26、26の半径よりも大きくし、上記接触位置が溝底近傍となる様にする。又、上記アウター側、インナー側各凹溝24、25の断面形状をゴシックアーチ状とした場合には、その接触角を大きくし、上記接触位置が溝底近傍となる様にする。尚、この様に接触位置を溝底部近傍にする面からは、上記断面形状は単一円弧状とする事が好ましく、この様に溝底部近傍で接触する様にする事により、上記接触位置を変位し易くする事が好ましい。これに対して、上記各円筒ころ27、27の表面は、これら各円筒ころ27、27のみを設けた凹溝組を構成するアウター側、インナー側各凹溝24、25aの内面のうちの肩部近傍で接触する様にして(接触角θ、θを小さくして)、これら各円筒ころ27、27の外周面とアウター側、インナー側各凹溝24、25aの内面との接触部で、回転力を支承し易くしている。
又、本例の場合には、上記玉26、26のみを設けた各凹溝組に、前述の図23〜24に示した様な弾性部材16(図23〜24参照)は設けていない。即ち、これら各凹溝組の各玉26、26(及び円筒ころ27、27)に対し、上記弾性部材16による押圧力(予圧)付与を行ってはいない{弾性部材16により、各玉26、26(及び各円筒ころ27、27)を、アウター側凹溝24、24とインナー側凹溝25、25とのうちの少なくとも何れかの凹溝25、26の内面に押し付けると言った構成は採用していない}。本例の場合には、この様な弾性部材16を設けない代わりに、上記各玉26、26と上記各円筒ころ27、27とのうち、各玉26、26にのみ、上記アウター側、インナー側各凹溝24、25に対する締め代(隙間0、締め代0も含む)を持たせている。
即ち、前記アウターシャフト21とインナーシャフト22とを組み合わせた状態で、且つ、これらアウターシャフト21とインナーシャフト22との間に回転力が加わらない中立位置での、(玉26、26のみを設ける凹溝組を構成する)アウター側、インナー側各凹溝24、25の内面により構成される仮想円(互いに対向する凹溝24、25同士の内接円)の直径に対し、各玉26、26の自由状態での外径を同じか、又は、(極く僅か、例えば玉26の外径の1/100〜1/1000程度)大きくしている。一方、上記各円筒ころ27、27は、(円筒ころ27、27のみを設ける凹溝組を構成する)アウター側、インナー側各凹溝24、25aに対する締め代を持たせていない。即ち、本例の場合には、これら各円筒ころ27、27の外径を、上記各玉26、26の外径よりも小さく(玉26の外径>円筒ころ27の外径)している。又、これと共に、上記中立位置での(円筒ころ27、27のみを設ける凹溝組を構成する)アウター側、インナー側各凹溝24、25aの内面により構成される仮想円の直径よりも、上記各円筒ころ27、27の外径を(極く僅か、例えば円筒ころ27の外径の1/100〜1/1000程度)小さくして、上記各凹溝24、25aに対する隙間を持たせている。
図6は、上記各円筒ころ27、27に、上記アウター側、インナー側各凹溝24a、25bに対する隙間を持たせた状態を、誇張して示している。尚、この図6は、上記アウター側、インナー側各凹溝24a、25bの断面形状をゴシックアーチ状としている。前述した様に、各円筒ころ27、27の外周面とアウター側、インナー側各凹溝24a、25bの内面との接触角θ、θを小さくする事により、回転力が加わった状態で各円筒ころ27、27の表面を、これら各円筒ころ27、27のみを設けた凹溝組を構成するアウター側、インナー側各凹溝24a、25bの内面のうちの肩部近傍で接触する様にし、負荷容量を確保している。又、上記断面形状を、上述の様なゴシックアーチ状に代えて、例えば単一円弧状とする場合には、その曲率半径を上記各円筒ころ27、27の外径と同程度にし、負荷容量を確保し易くする。何れもの場合にも、上記各円筒ころ27、27は、上記アウター側、インナー側各凹溝24a、25b(24、25a)に対する隙間を持たせる。
そして、上述の様な構成(玉26の外径>円筒ころ27の外径)を採用する事により、上記アウターシャフト21とインナーシャフト22との間で伝達する回転力が小さい状態で、外径の大きい上記各玉26、26のみが、アウター側、インナー側各凹溝24、25との係合(局部点当りでの噛み合い)に基づき、この回転力を伝達する様にしている。これに対して、この回転力が大きい状態では、上記各玉26、26並びにこれら各玉26、26と係合する上記インナー側、アウター側各凹溝24、25の弾性変形に伴い{各玉26、26とこれら各玉26、26の表面が当接する部分(相手面である凹溝24、25の内面のうちのこれら各玉26、26の表面と当接する部分)とが弾性変形(局部弾性変形)する事により}、外径の小さい上記各円筒ころ27、27も上記アウター側、インナー側各凹溝24、25a(24a、25b)と係合して(噛み合って)、上記回転力の伝達を行う様にしている。
尚、この様な回転力の伝達を行う様にすべく、本例の場合には、上記各玉26、26に持たせる上記締め代と、これら各玉26、26の外径と、上記各円筒ころ27、27の外径との関係、言い換えれば、これら各玉26、26及び各円筒ころ27、27の外径と、上記アウター側、インナー側各凹溝24、25、25a(24a、25b)の内面(内側面)により構成される仮想円の直径と、これらアウター側、インナー側各凹溝24、25、25a(24a、25b)の断面形状の曲率半径(や傾斜等)との関係を、次の様に規制している。先ず、上記各玉26、26の締め代(各玉26、26の外径と仮想円の直径との差)を、これら各玉26、26並びに上記アウター側、インナー側各凹溝24、25が弾性変形する範囲内、即ち、これらアウター側、インナー側各凹溝24、25に圧痕が生じない(生じたとしても、耐久性の低下に繋がらず、且つ、軸方向伸縮を円滑に行える)範囲内で設定する。又、これと共に、上記各円筒ころ27、27の外径を、上記回転力の伝達の際に、上記各玉26、26並びにアウター側、インナー側各凹溝24、25が弾性変形する範囲内、即ち、これらアウター側、インナー側各凹溝24、25に圧痕を生じない(生じたとしても、耐久性の低下に繋がらず、且つ、軸方向伸縮を円滑に行える)範囲内で、上記各円筒ころ27、27の外周面が上記アウター側、インナー側各凹溝24、25a(24a、25b)の内面(内側面)に当接して上記回転力の伝達が行われる様に設定する。
上述の様に構成する本例の伸縮式回転伝達軸(ステアリングシャフト20)によれば、廉価で、しかも、大きな回転力を伝達した場合にも、圧痕等の損傷を生じにくくできる(生じたとしても、耐久性の低下に繋がらず、且つ、軸方向伸縮を円滑に行える)。この為、大きな回転力を伝達する(許容負荷トルクを大きくする)事と、がたつきなく円滑な軸方向伸縮を行う事と、製造コストの低減とを、高次元で並立させられる。
即ち、本例の場合には、各玉26、26に弾性力を付与する為の弾性部材(例えば図23〜24の弾性部材16)を設けなくて済む分、部品製作、部品管理、組立作業を何れも単純化して、廉価に構成できる。又、これと共に、これら各玉26、26だけでなく各円筒ころ27、27を介して回転力の伝達を行う事ができる為、その分{当接面積が大きい各円筒ころ27、27が凹溝24、25a(24a、25b)の内面と当接する分}、大きな回転力を伝達できる(許容負荷トルクを大きくできる)。又、この様に大きな回転力の伝達を、上記各円筒ころ27、27が分担する事により、上記各玉26、26と各凹溝24、25との当接部の面圧が過度に大きくなる事も防止でき、圧痕等の損傷を生じにくくできる。
しかも、本例の場合には、上記各玉26、26の表面をアウター側、インナー側各凹溝24、25の内面のうちの溝底部近傍で接触させると共に、上記各円筒ころ27、27の外周面をアウター側、インナー側各凹溝24、25a(24a、25b)の内面のうちの肩部近傍で接触させる為、回転力の増大に伴ってこの回転力の伝達を、上記各円筒ころ27、27が確実に分担できる。即ち、上記各玉26、26の表面と上記アウター側、インナー側各凹溝24、25の内面との接触部では、その接触角θが大きくなる為、上記回転力を受ける方向に加わる分力が小さく、この回転力がこれら各玉26、26を介して伝達されにくくなる。この為、これら各玉26、26の表面と上記アウター側、インナー側各凹溝24、25の内面との接触部では、上記回転力が加わると、インナーシャフト22とアウターシャフト21との相対回転が許容される傾向になる。これに対して、上記各円筒ころ27、27の外周面と上記アウター側、インナー側各凹溝24、25a(24a、25b)の内面との接触部では、その接触角θ、θが小さくなる為、この接触部で上記回転力を受け易くできる。この為、上記回転力の増大に伴って、この回転力の伝達を、上記各円筒ころ27、27が確実に分担できる。
又、本例の場合には、上記各玉26、26の外径を上記各円筒ころ27、27の外径よりも大きくしている為、上記アウターシャフト21と上記インナーシャフト22との軸方向相対変位(伸縮式回転伝達軸の伸縮)を、外径の大きい上記各玉26、26の転動に基づいて行う事ができる。この為、この面からも、この相対変位(伸縮動作)を円滑に行える。しかも、本例の場合には、この様に各玉26、26の外径を各円筒ころ27、27の外径よりも大きくする事により、回転力が小さい状態では、上記各玉26、26のみがアウター側、インナー側各凹溝24、25との係合(噛み合い)に基づきこの回転力の伝達を行い、この回転力が大きい状態では、上記各円筒ころ27、27も上記アウター側、インナー側各凹溝24、25a(24a、25b)と係合して(噛み合って)、上記回転力の伝達が行われる様にしている。この様に各玉26、26の外径と各円筒ころ27、27の外径とを規制する事で、これら各円筒ころ27、27により回転力の伝達を確実に分担させる様にできる為、この面からも、廉価に構成できる(製造コストの低減を図れる)。
又、本例の場合には、上記各玉26、26に上記アウター側、インナー側各凹溝24、25に対する締め代を持たせている為、前記弾性部材(例えば図23〜24の弾性部材16)を設けなくても、アウターシャフト21とインナーシャフト22とが回転方向にがたつく事を防止できる。尚、この様ながたつきを許容できるのであれば(例えば、或る程度がたついても走行中に問題とならないのであれば)、このがたつきを許容できる範囲で、締め代を持たせない様に(隙間を持たせる様に)する(例えば各玉26、26の外径を、アウター側、インナー側各凹溝24、25の内面により構成される仮想円の直径よりも小さくする)事もできる。又、この様に締め代を持たせない(隙間を持たせた)場合には、上記アウター側、インナー側各凹溝24、25の内面と上記各玉26、26の表面との接触点位置が、回転力に応じて変位し易くなる為、例え圧痕が生じた場合にも、この圧痕の存在に拘らず、上記アウターシャフト21とインナーシャフト22との軸方向の相対変位(ステアリングシャフト20の伸縮)を円滑に行える様にできる。
図4は、各玉26、26に締め代を持たせた構造の場合の、アウター側、インナー側各凹溝24、25の内面と各玉26、26の表面との接触点位置の変化を示している。尚、この図4の(A)(B)は、アウター側、インナー側各凹溝24、25の断面形状をそれぞれ単一円弧としている。又、図4(A)は、無負荷時の状態(回転力が加わっていない状態)を、同図(B)は、回転力が加わった状態を示している。又、この様な図4(A)(B)中にそれぞれ示した点αは、無負荷且つ中立状態での、上記アウター側、インナー側各凹溝24、25の内面(内側面)と上記各玉26、26の表面との接触点位置を示している。そして、図4の(B)に示す様に、上記回転力が加わると、上記各玉26並びに上記各アウター側、インナー側各凹溝24、25の弾性変形に基づき(各凹溝24、25が弾性変形方向に拡がり)、上記接触点位置が点αから点βに、これらアウター側、インナー側各凹溝24、25の内面の曲率半径Rと各玉26の半径(=D/2)とに応じた距離{図4(B)のδ、δ}分、変位する。尚、この変位は、上記接触点位置が連続的に接触したまま行われる事が好ましい。
何れにしても(締め代を持たせた構造の場合も持たせない構造の場合も)、大きな回転力が加わる事により、アウター側、インナー側各凹溝24、25の内面と上記各玉26の表面との接触部で圧痕が生じたとしても、上述の様に接触点位置が変位する為、この圧痕は点βの位置に生じる。この様に圧痕が生じる位置βが、無負荷時の接触点位置αとずれる為、この無負荷時に行われるアウターシャフト21とインナーシャフト22との軸方向の相対変位(ステアリングシャフト20の伸縮)は、上記圧痕の存在に拘らず、滑らかに行える。尚、この様な締め代を持たせた構造の場合も、又、締め代を持たせない構造の場合にも、何れも大きい回転力が加わった場合には、上記アウター側、インナー側各凹溝24、25aとの接触面積が大きい各円筒ころ27、27がその回転力を分担する為、上記圧痕は生じにくい。
又、図5は、(玉26のみを設ける凹溝組を構成する)アウター側、インナー側各凹溝24a、25bの断面形状をゴシックアーチ状とした構造を示している。この様なゴシックアーチ状とした構造の場合には、図5(A)に示す様に、無負荷時でも接触点位置αが、アウター側、インナー側各凹溝24a、25bの中央部(溝深さが最も大きい部分)からずれる。この様な構造の場合には、捩り剛性を大きくできるが、大きな回転力が加わった状態での、上記接触点位置の変位量(ずれ量)は大きくなりにくい(ずれ量は小さい)。但し、後述する様に、円筒状のアウターシャフト21やインナーシャフト22の肉厚を小さくする(例えば薄肉部を設ける)事により、これらアウターシャフト21やインナーシャフト22、延いては、上記アウター側、インナー側各凹溝24a、25bを弾性変形し易くすれば、上記接触点位置αからβにずれ易くできる。又、この様に弾性変形し易くする事により、小さい回転力が加わった状態から、各円筒ころ27、27でのこの回転力の伝達を行う様にする事もできる為、その分、圧痕を生じにくくできる。
何れにしても、本例の場合には、上記各玉26、26の表面をアウター側、インナー側各凹溝24、25の内面のうちの溝底部近傍で接触させている為、この接触部に関しては、回転力が加わると、インナーシャフト22とアウターシャフト21との相対回転が許容される傾向になる。即ち、上記回転力が加わると、これらインナーシャフト22とアウターシャフト21との相対回転に伴い、上記各玉26、26の表面と上記アウター側、インナー側各凹溝24、25の内面との接触部が、上記回転力が加わらない無負荷状態での接触位置から側方(回転方向)に変位する(ずれる)傾向となる。この為、例え、大きな回転力が加わる事により、上記アウター側、インナー側各凹溝24、25の表面に、上記各玉26、26の表面との当接に基づく圧痕が生じたとしても、この圧痕が生じる位置は、上記回転力が加わらない無負荷状態での上記各玉26、26の表面との接触位置から外れた位置となる。この為、上記圧痕に拘らず(例え圧痕が生じても)、上記回転力が加わらない無負荷状態で行われる、上記アウターシャフト21と上記インナーシャフト22との軸方向相対変位(伸縮式回転伝達軸の伸縮)を、円滑に行える。
又、本例の場合は、図2に示す様に、各玉26、26を保持器28により保持する事により、これら各玉26、26の位置決めを図り(遊びを制限し)、これら各玉26、26が、アウター側、インナー側各凹溝24、25の軸方向にがたつくのを防止している。又、この様な保持器28を設けた場合には、上記各玉26、26を上記アウター側、インナー側各凹溝24、25同士の間に組み込み易くできる。又、本例の場合は、図3に示す様に、各円筒ころ27、27を、1対の弾性片29、29により軸方向に挟持している。即ち、これら各円筒ころ27、27のうち、上記アウター側、インナー側各凹溝24、25の軸方向に関して両端側に位置する円筒ころ27、27と、これらアウター側、インナー側各凹溝24、25aの端部に設けた止め輪30、30との間に、上記弾性片29、29を、それぞれ軸方向に弾性的に圧縮した状態で設けている。
そして、この様な弾性片29、29により、上記各円筒ころ27、27に互いに近付く方向の弾性力を付与し、これら各円筒ころ27、27の端面同士の衝突に伴う異音の発生を防止している。尚、上記弾性片29、29としてはフェルトを用いる。又、この様な弾性片29、29であるフェルトに潤滑油を含浸させる事により、上記各円筒ころ29、29の外周面とアウター側、インナー側各凹溝24、25aの内面(内側面)との接触部に潤滑油を供給し易くする。尚、図7に示す様に、互いに対向する各円筒ころ27、27の端面同士の間に上記弾性片29、29を設ける事も好ましい。この様な構成を採用した場合にも、上記弾性片29、29として、上記潤滑油を含浸させたフェルトを用いるので、潤滑油をより供給し易くできる。
又、上記各円筒ころ27、27として、例えば、前述の図23〜24に示した様な円柱部材17(図23〜24参照)、即ち、軸方向に長い円筒ころを用いる事も可能であるが、局部当りに伴う過大面圧や擦れ合い(こじり、スティック滑り)の防止の面からは、軸方向に短い円筒ころ27、27を多数設ける事が好ましい。又、この様な局部当りに伴う過大面圧や擦れ合い(こじり、スティック滑り)の防止の面からも、上述の様な潤滑油を含浸させたフェルトを用いるにより、上記円筒ころ27、27の外周面と上記アウター側、インナー側各凹溝24、25aの内面(内側面)との接触部に潤滑油を供給する。
本発明に関する参考例の第1例
図8は、本発明に関する参考例の第1例を示している。本参考例の場合には、アウターシャフト21aのうちで、各玉26、26のみを設けた凹溝組を構成するアウター側凹溝24、24の近傍部分の肉厚を、同じくこれらアウター側凹溝24、24から外れた部分の肉厚に比べて小さくしている。この為に、本参考例の場合には、上記アウターシャフト21aの外周面に、上記アウター側凹溝24、24の周囲部分を挟む状態で、これら各アウター側凹溝24、24毎に1対ずつの平坦部31、31を、それぞれ設けている。そして、この様に構成する事により、上記アウターシャフト21aのうちで、上記玉26、26のみを設けた凹溝組を構成する上記アウター側凹溝24、24を設けた部分の剛性を(円筒ころ27、27のみを設けた凹溝組を構成するアウター側凹溝24、24の剛性よりも)小さくしている(弾性変形し易くしている)。
この様な本参考例の場合には、回転力の増大に伴って、各円筒ころ27、27とアウター側、インナー側各凹溝24、25aとを係合し(噛み合い)易くできる。この為、回転力(トルク)の伝達の際に、大きい回転力を上記各円筒ころ27、27により確実に分担でき、圧痕等の損傷をより生じにくくできる。しかも、上記各玉26、26に上記アウター側、インナー側各凹溝24、25に対する締め代を持たせた場合に、この締め代に対する自由度(許容度)を大きくできる(締め代に対し鈍感にできる)。即ち、(意識的であるか否かを問わず)上記締め代が大きくなっても、上記各アウター側凹溝24、24を設けた部分の剛性が小さい(弾性変形し易い)分、上記各玉26、26と当接するアウター側、インナー側各凹溝24、25に圧痕を生じにくくできる。又、この様に締め代が大きくなっても圧痕を生じにくくできる為、上記アウター側、インナー側各凹溝24、25、並びに、上記各玉26、26の加工精度を高度に維持しなくて済み(寸法誤差を許容でき)、その分、廉価に構成できる(製造コストの低減を図れる)。しかも、上記締め代に基づく予圧(抵抗)が過度に大きくなる事を防止でき、インナーシャフト22とアウターシャフト21aとの回転方向のがたつき防止と軸方向相対変位(伸縮式回転伝達軸の伸縮)の円滑化との両立を、高次元で図れる。又、上記アウター側、インナー側各凹溝24、25の摩耗に拘らず、長期に亙り必要な予圧(抵抗)を確保できる。尚、この様な本参考例の場合には、上記各玉26、26の締め代を、例えばこれら各玉26、26の外径の1/5〜1/1000程度にできる(逆に各円筒ころ27、27の隙間を、例えばこれら各円筒ころ27、27の外径の1/5〜1/1000程度にできる)。
又、本参考例の場合には、1対ずつの平坦部31、31を、上記アウターシャフト21aの外周面の円周方向2個所位置にそれぞれ設けているが、このアウターシャフト21aの捩り剛性を確保したい場合には、円周方向1個所位置に設けても良い。又、上記各玉26、26のみを設けた凹溝組を構成するアウター側凹溝24、24の近傍部分には、大きな回転力(トルク)が加わらない(大きな回転力は円筒ころ27、27が分担する)為、上述の様な平坦部31、31に代えて、例えば図9に示す様に、アウターシャフト21aの一部で、上記各玉26、26のみを設けた凹溝組を構成するアウター側凹溝24を設けた部分の近傍(アウター側凹溝24から円周方向に少し外れた部分)に、上記アウターシャフト21aの軸方向に長いスリット溝32、32を、上記アウターシャフト21aの外周面から内周面まで貫通する状態で設ける事もできる。
又、本参考例の場合には、アウターシャフト21aの一部(玉26、26のみを設けた凹溝組を構成するアウター側凹溝24、24の近傍部分)を薄肉にしている(アウターシャフト21aを弾性変形し易くしている)が、インナーシャフト22を円筒状のものとすると共に、このインナーシャフト22の一部(玉26、26のみを設けた凹溝組を構成するインナー側凹溝25、25の近傍部分)を薄肉にする(インナーシャフト22を弾性変形し易くする)事もできる。勿論、インナーシャフト22とアウターシャフト21aとの両方の部材の一部(玉26、26のみを設けた凹溝組を構成するアウター側、インナー側各凹溝24、25の近傍部分)を薄肉にする事もできる。
その他の部分の構成及び作用は、前述した本発明の実施の形態の1例と同様である。従って、本参考例に、この本発明の実施の形態の1例と同様に、潤滑油を含浸させたフェルトを設ければ、本発明の実施の形態となるから、重複する図示並びに説明は省略する。
本発明に関する参考例の第2例
図10は、本発明に関する参考例の第2例を示している。本参考例の場合は、インナーシャフト22aのうちで、各玉26、26のみを設けた凹溝組を構成するインナー側凹溝25a、25aの近傍部分を弾性変形し易くしている(剛性を小さくしている)。この為に、本参考例の場合には、上記各玉26、26を円周方向に挟む状態で設けた玉受部33、33の肉厚(インナーシャフト22aの円周方向に関する肉厚)を、各円筒ころ27、27を円周方向に挟む状態で設けた円筒ころ受部34、34の肉厚(インナーシャフト22aの円周方向に関する肉厚)に比べて小さくしている。
尚、上記インナーシャフト22aの軽量化を図るべく、このインナーシャフト22aの外周面に、図10に二点鎖線で示す様な除肉部35、35を設ける事もできる。又、本参考例の場合には、インナーシャフト22aの玉受部33、33の肉厚を円筒ころ受部34、34に比べて小さくしているが、アウターシャフト21の内周面に玉受部並びに円筒ころ受部を設け、このうちの玉受部の肉厚を円筒ころ受部の肉厚に比べて小さく(弾性変形し易く、剛性を小さく)する事もできる。勿論、インナーシャフトとアウターシャフトとの両方の玉受部の肉厚を、同じく円筒ころ受部の肉厚に比べて小さくする事もできる。
その他の部分の構成及び作用は、前述した実施の形態の1例及び参考例の第1例と同様である。従って、本参考例の構造に、前述した本発明の実施の形態の1例と同様に、潤滑油を含浸させたフェルトを設ければ、本発明の実施の形態となるから、重複する図示並びに説明は省略する。
本発明に関する参考例の第3例
図11〜12は、本発明に関する参考例の第3例を示している。本参考例の場合には、アウターシャフト21bの外周面の円周方向1個所位置に平坦部36を設ける事により、このアウターシャフト21bの一部を、他の部分よりも薄肉にしている。尚、本参考例の場合は、上記平坦部36を、上記アウターシャフト21bの軸方向全体に亙り設けずに、軸方向に関して一部にのみ設け、薄肉にできない部分(例えば剛性を確保しなければならない部分等)の肉厚を確保している。又、本参考例の場合には、上記平坦部36を、各玉26、26のみを設けた凹溝組を構成するアウター側凹溝24、24の近傍部分に設ける事により、このアウター側凹溝24、24の近傍部分を弾性変形し易くしている(剛性を小さくしている)。そして、この様にアウター側凹溝24、24の近傍部分を弾性変形し易くする事により、加工精度のばらつきに拘らず、必要な締め代(締め代に基づく予圧)を確保しつつ(がたつきを防止しつつ)、ステアリングシャフト20の伸縮を円滑に行える様にしている。又、これと共に、大きな回転力(トルク)が加わった場合には、各円筒ころ27、27によりこの大きなトルクを確実に分担できる様にしている。
又、本参考例の場合には、アウター側、インナー側各凹溝24、25を、アウターシャフト21b及びインナーシャフト22の円周方向等間隔複数個所に設けている。又、これと共に、互いに対になるアウター側、インナー側各凹溝24、25により構成される凹溝組のうちの2組を、伝達駒23a、23bである玉26と円筒ころ27との何れをも設けないものとしている。即ち、本参考例の場合には、上記各凹溝組のうちの一部(2組)に玉26、26のみを設けると共に、同じく残部(4組)のうちの一部(2組)に円筒ころ27、27のみを設けている。但し、これら玉26と円筒ころ27との何れをも設けていない凹溝組に、例えば許容負荷トルクを大きくすべく、円筒ころ27を設ける事もできる。何れにしても、本参考例の場合には、アウター側、インナー側各凹溝24、25を、アウターシャフト21b及びインナーシャフト22の円周方向等間隔複数個所に設けている為、各玉26、26のみを設けた凹溝組を構成するアウター側、インナー側各凹溝24、25、並びに、円筒ころ27、27のみを設けた凹溝組を構成するアウター側、インナー側各凹溝24、25がそれぞれ均一に弾性変形し易くなり、これら各凹溝24、25に圧痕等の損傷をより生じにくくできる。又、上記アウターシャフト21b並びにインナーシャフト22に、上記アウター側、インナー側各凹溝24、25を形成する際に、これらアウターシャフト21b並びにインナーシャフト22を所望通りに形成し易くできる。即ち、例えば塑性加工に基づきシャフト21b、22の形成と共にこのシャフト21b、22に凹溝24、25を形成する場合に、このシャフト21b、22の円周方向に関して均等に成型荷重を加える事ができ、このシャフト21b、22が例えば折れ曲がる方向や断面形状が歪む方向等に変形しにくくできる。この為、上記アウターシャフト21bとインナーシャフト22との軸方向相対変位(伸縮式回転伝達軸の伸縮)の円滑化と、円周方向のがたつき防止との両立を高度に図れる。
尚、本参考例の場合には、上記アウターシャフト21bのうちで、肉厚を小さくした薄肉部を、上述の様に単一の平坦部36を形成する事により構成している。この為、前述した参考例の第1例(図8)の構造の様な、1対の平坦部31、31と、この平坦部31、31に挟まれる状態で存在する曲面部37(図8参照)とを設ける場合に比べて、上記薄肉部の形成(切削)作業の容易化を図れる。
尚、図13に示す様に、平坦部36aから各玉26を露出させる事もできる。又、図14〜15に示す様に、薄肉部を1対の平坦部36b、36cを設ける事により構成する事もできる。
その他の部分の構成及び作用は、前述した実施の形態の1例及び参考例の第1〜2例と同様である。従って、本参考例の構造に、前述した本発明の実施の形態の1例と同様に、潤滑油を含浸させたフェルトを設ければ、本発明の実施の形態となるから、重複する図示並びに説明は省略する。
本発明に関する参考例の第4例
図16〜17は、本発明に関する参考例の第4例を示している。本参考例の場合には、アウターシャフト21cの外周面のうちで、各玉26、26のみを設けた凹溝組を構成するアウター側凹溝24、24と整合する位置に、これら外周面とアウター側凹溝24、24の底部とを貫通する状態で、スリット溝32aを設けている。そして、上記各玉26、26の表面と各凹溝24、25の内面との接触部の面圧上昇を抑えている。
その他の部分の構成及び作用は、上述した参考例の第3例と同様である。従って、本参考例の構造に、前述した本発明の実施の形態の1例と同様に、潤滑油を含浸させたフェルトを設ければ、本発明の実施の形態となるから、重複する図示並びに説明は省略する。
本発明に関する参考例の第5例
図18〜19は、本発明に関する参考例の第5例を示している。本参考例の場合には、インナーシャフト22及びアウターシャフト21(例えば図1〜3参照)の円周方向に関する玉26aの剛性を、同じく円筒ころ27(例えば図1、3参照)の剛性に比べて小さくしている(玉26aの剛性≪円筒ころ27の剛性としている)。即ち、回転力の伝達時に、この回転力の増大に伴って、アウター側、インナー側各凹溝24、25(例えば図1〜3参照)と円筒ころ27とを係合し易くすべく、玉26aをこの円筒ころ27に比べて、形状の相違に基づく以上に、より弾性変形し易くしている。この為に本参考例の場合には、この玉26aを中空のものとすると共に、この玉26aに内外両周面を貫通する状態でスリット38を設けている。この様なスリット38は、図18に示す様な曲線状(波状)のものとする事ができる他、例えば図19(A)に示す様な凸凹状としたり、同図(B)に示す様な直線状とする事もできる。
この様な本参考例の場合には、上記玉26aがより弾性変形し易くなる(剛性が小さい)分、この玉26aに上記アウター側、インナー側各凹溝24、25に対する締め代を持たせた場合にも、ステアリングシャフト20(例えば図1〜3参照)の伸縮時に、この締め代に拘らず、上記玉26aを転がり易くできる。又、上記玉26aを弾性変形し易くできる分、この玉26aの外径と上記円筒ころ27の外径との差を大きくできる。又、これと共に、この玉26aや円筒ころ27、上記アウター側、インナー側各凹溝24、25や、これらアウター側、インナー側各凹溝24、25を設けたアウターシャフト21及びインナーシャフト22の形状精度、寸法精度を、高度に確保する必要もなくなる。又、これらアウターシャフト21やインナーシャフト22を弾性変形し易くする必要もなくなり{例えば、肉厚を調節したり、平坦部31、36、36a〜36c(図8、11〜15)やスリット溝32、32a(図9、16、17)を設ける必要がなくなり}、その分、これらアウターシャフト21やインナーシャフト22の加工の容易化を図れる。
尚、本参考例の場合には、玉26aを中空にすると共にスリット38を設けているが、例えばこの玉26aを充実体とする事もできる。この様に玉26aを充実体とした場合には、例えば、この玉26aを構成する材料により、所望の弾性を得られる様にする。例えば、この玉26aを構成する素材として、一般的な軸受鋼とはヤング率の異なる(軸受鋼に比べてヤング率が低い)、ステンレス鋼や、鋳鉄、アルミニウム合金、銅、黄銅(真鍮)、合成樹脂等を採用する事ができる。或いは、円筒ころ27を、ヤング率の高いセラミック製とし、玉26aを軸受鋼製とする事もできる。又、上記玉26aの表面に、この表面から凹入する状態で凹部を設ける事により、この玉26aの表面微小範囲でのつぶれ剛性を小さくし、所望の弾性を得られる様にする事もできる。又、この玉26aの表面に硬質クロムメッキ等の表面処理を施して、所望の弾性を得られる様にしても良い。何れの場合にも、玉26aの弾性を調節する(玉26aの弾性係数、弾性領域等を調節する)と共に、これら各玉26aと各円筒ころ27の外径とを調節する事により、図20に示す様に、初期捩り剛性や、各円筒ころ27、27が回転力を分担し始めるタイミング等を所望に調整できる。この為、車両に求められる操舵特性に合わせた最適設定を容易に行える。
その他の部分の構成及び作用は、前述した実施の形態の1例及び参考例の第1〜4例と同様である。従って、本参考例の構造に、前述した本発明の実施の形態の1例と同様に、潤滑油を含浸させたフェルトを設ければ、本発明の実施の形態となるから、重複する図示並びに説明は省略する。
本発明に関する参考例の第6例
図21は、本発明に関する参考例の第6例を示している。本参考例の場合には、互いに対になるアウター側凹溝24、24とインナー側凹溝25、25とによりそれぞれ構成される6組の凹溝組を、アウターシャフト21d及びインナーシャフト22bの径方向反対側(180度反対側)位置に、それぞれ3組ずつ設けている。即ち、本参考例の場合には、上記アウターシャフト21dの内周面の径方向反対位置に、この内周面から径方向外方に凹入する状態で、それぞれ3本ずつ(合計で6本)の、上記アウター側凹溝24、24を設けている。又、上記インナーシャフト22bの外周面の径方向反対側位置で、且つ、上記各アウター側凹溝24、24と対向する部分に、この外周面から径方向内方に凹入する状態で、それぞれ3本ずつ(合計で6本)の、上記インナー側凹溝25、25を設けている。そして、径方向反対側位置にそれぞれ3組ずつ設けた凹溝組のうち、中央の凹溝組に円筒ころ27、27のみを設けると共に、この中央の凹溝組に対し両側の凹溝組に、それぞれ玉26、26のみを設けている。又、本参考例の場合には、円筒状の上記アウターシャフト21dの一部の肉厚tを、他の部分、特に、上記各アウター側凹溝24、24から外れた部分の肉厚tに比べて小さくしている。より具体的には、上記アウターシャフト21dのうち、上記各玉26、26のみを設けた凹溝組を構成するアウター側凹溝24、24の近傍部分の肉厚tを、同じくこれらアウター側凹溝24、24から外れた部分の肉厚tに比べて小さくしている。
この様な本参考例の場合は、6組の凹溝組を、3組ずつ、径方向反対側(180度反対側)位置に設けている為、上記アウター側凹溝24、24を設けたアウターシャフト21dを弾性変形し易くできる。即ち、このアウターシャフト21dを、上記各アウター側凹溝24、24を設けた方向を長径とする楕円形に弾性変形し易くできる。この為、上記各玉26、26の締め代に対する変形抵抗を鈍感に(小さく)でき、この締め代に拘らず、圧痕等の損傷を生じにくくできる。又、本参考例の場合には、上記アウターシャフト21dのうちで、肉厚が小さい部分である、上記各玉26、26のみを設けた凹溝組を構成するアウター側凹溝24、24を設けた部分が弾性変形し易くなり、これら各アウター側凹溝24、24に圧痕を生じにくくできる。又、これと共に、回転力の増大に伴って、アウター側、インナー側各凹溝24、25と各円筒ころ27、27とを係合し易く(噛み合い易く)できる。この為、上記回転力の伝達の際に、これら各円筒ころ27、27に大きいトルクをより確実に分担でき、この面からも、圧痕等の損傷を生じにくくできる。しかも、上記肉厚t、tを調節する事で、上記回転力を伝達する際に、上記各円筒ころ27、27が回転力(トルク)を分担し始めるタイミングを調整し易くできる(所望のタイミングに規制し易くできる)。
又、本参考例の場合には、前述した実施の形態の1例及び参考例の第1〜4例の構造に比べ、(伝達駒23a、23bを設けた凹溝組を構成する)アウター側、インナー側各凹溝24、25の数が多い分、回転力を伝達する際の、上記各玉26、26や各円筒ころ27、27がそれぞれ分担する力の低減を図れ、圧痕等の損傷をより生じにくくできる。逆に言えば、この様に分担する力の低減を図れる分、より大きな回転力を伝達する(許容負荷トルクを大きくする)事ができる。又、(伝達駒23a、23bを設けた凹溝組を構成する)アウター側、インナー側各凹溝24、25の数が多い分、組み込む玉26、26及び円筒ころ27、27の全数を減らす事なく、対となるアウター側、インナー側各凹溝24、25同士の間に組み込んだ上記各玉26、26や上記各円筒ころ27、27の軸方向全体としての長さを短くできる。そして、この様に、対となるアウター側、インナー側各凹溝24、25同士の間に存在する上記各玉26、26や上記各円筒ころ27、27の軸方向全体としての長さを短くできる分、上記各凹溝24、25のうちで、これら各玉26、26や各円筒ころ27、27から外れた部分の軸方向長さを確保して、ステアリングシャフト20の伸縮ストロークを確保し易くできる。
その他の部分の構成及び作用は、前述した実施の形態の1例及び参考例の第1〜5例と同様である。従って、本参考例の構造に、前述した本発明の実施の形態の1例と同様に、潤滑油を含浸させたフェルトを設ければ、本発明の実施の形態となるから、同等部分に関する図示並びに説明は省略する。
[本発明を実施する場合の留意点]
本発明は、以上に述べた実施の形態及び参考例の構造に限らず、これら実施の形態及び参考例の構造を適宜組み合わせる等、種々の構造で実施可能である。又、構成各部の形状、構造、材質に就いても、各種変更実施できる。
本発明の伸縮式回転伝達軸は、例えば前述の図22に示した、電動式パワーステアリング装置を備えた自動車用操舵装置の構成部材のうち、中間シャフト5に適用して、大きな効果を得られる。但し、この中間シャフト5に限らず、ステアリングコラム9の内側に配置するステアリングシャフト3(20)として実施する事もできる。更には、自動車用操舵装置を構成するシャフトに限らず、工作機械、遊具等、各種回転機械装置を構成する回転伝達用シャフトとして実施する事もできる。
本発明の実施の形態の1例を示す、図3のイ−イ断面に相当する図。 図1のロ−ロ断面に相当する図。 図1のハ−ハ断面に相当する図。 凹溝の断面形状を単一円弧とした、図1の二部に相当する図で、(A)は回転力(トルク)が加わっていない状態(無負荷時)を、(B)は回転力(トルク)が加わった状態を、それぞれ示している。 凹溝の断面形状をゴシックアーチとした、図1の二部に相当する図で、(A)は回転力(トルク)が加わっていない状態(無負荷時)を、(B)は回転力(トルク)が加わった状態を、それぞれ示している。 凹溝の断面形状をゴシックアーチとした、図1のホ部に相当する図。 円筒ころのみを設けた凹溝組の別例を示す、図3と同様の図。 本発明に関する参考例の第1例を示す、図1と同様の図。 別例を示す、図8のへ矢印方向から見た図。 本発明に関する参考例の第2例を示す、図1と同様の図。 第3例を示す部分斜視図。 図11のト−ト断面図。 別例の第1例を示す図12と同様の図。 別例の第2例を示す図11と同様の図。 図14のチ−チ断面図。 本発明に関する参考例の第4例を示す部分斜視図。 図16のリ−リ断面図。 本発明に関する参考例の第5例を、玉のみを取り出して示す正面図。 玉に形成するスリットの別の2例を示す図。 捩れ角と回転力(トルク)との関係を示す線図。 本発明に関する参考例の第6例を示す、図1と同様の図。 自動車用操舵装置の1例を示す、部分縦断側面図。 従来から知られている伸縮式回転伝達軸の1例を示す、図1と同様の図。 同分解斜視図。 捩れ角と回転力(トルク)との関係を説明する為の線図。
1 ステアリングホイール
2 ステアリングギヤユニット
3、3a ステアリングシャフト
4a、4b 自在継手
5 中間シャフト
6 入力軸
7 タイロッド
8 電動モータ
9 ステアリングコラム
10、10a アウターシャフト
11、11a インナーシャフト
12 アウターコラム
13 インナーコラム
14 鋼球
15 保持器
16 弾性部材
17 円柱部材
18 アウター側凹溝
19 インナー側凹溝
20 ステアリングシャフト
21、21a、21b、21c、21d アウターシャフト
22、22a、22b インナーシャフト
23a、23b 伝達駒
24、24a アウター側凹溝
25、25a、25b インナー側凹溝
26、26a 玉
27 円筒ころ
28 保持器
29 弾性片
30 止め輪
31 平坦部
32、32a スリット溝
33 玉受部
34 円筒ころ受部
35 除肉部
36、36a、36b、36c 平坦部
37 曲面部
38 スリット

Claims (7)

  1. 外周面の円周方向複数個所に、径方向内方に凹入したインナー側凹溝を軸方向に設けたインナーシャフトと、内周面の円周方向複数個所で上記各インナー側凹溝と整合する位置に、径方向外方に凹入したアウター側凹溝を軸方向に設けた、上記インナーシャフトを挿入自在なアウターシャフトと、上記各インナー側凹溝と上記各アウター側凹溝との間に設けられた複数の伝達駒とを備え、上記アウターシャフトと上記インナーシャフトとを、互いの間での回転力の伝達及び軸方向の相対変位を可能に組み合わせた
    伸縮式回転伝達軸に於いて、
    上記各伝達駒のうちの一部を玉とし、残部を円筒ころとすると共に、互いに対になる上記インナー側凹溝と上記アウター側凹溝とによりそれぞれ構成される各凹溝組のうちの一部の凹溝組に上記玉のみを、同じく残部の凹溝組に上記円筒ころのみを、それぞれ設け、更に、上記玉の表面と上記インナー側、アウター側各凹溝の内面との接触部を、上記円筒ころの外周面と上記インナー側、アウター側各凹溝の内面との接触部よりも、これらインナー側、アウター側各凹溝の溝底側に位置させ、回転力の増大に伴い上記円筒ころがこれらインナー側、アウター側各凹溝と係合して、この回転力の伝達を行える様にし、
    上記円筒ころのみを設けた上記残部の凹溝組内の、インナーシャフト及びアウターシャフトの軸方向に関する両端部に、この円筒ころの軸方向位置を規制する為の弾性片であるフェルトを設け、このフェルトに潤滑油を含浸させた
    事を特徴とする伸縮式回転伝達軸。
  2. 玉の外径を円筒ころの外径よりも大きくした、
    請求項1に記載した伸縮式回転伝達軸。
  3. 玉と円筒ころとのうちの玉にのみ、インナー側、アウター側各凹溝に対する締め代を持たせた、
    請求項1〜2のうちの何れか1項に記載した伸縮式回転伝達軸。
  4. インナーシャフトとアウターシャフトとのうちの少なくとも一方のシャフトのうちで、玉のみを設けた凹溝組を構成する凹溝を設けた部分の剛性を、同じく円筒ころのみを設けた凹溝組を構成する凹溝を設けた部分の剛性よりも小さくした、
    請求項1〜3のうちの何れか1項に記載した伸縮式回転伝達軸。
  5. インナーシャフト及びアウターシャフトの円周方向に関する玉の剛性を、同じく円周方向に関する円筒ころの剛性に比べて小さくした、
    請求項1〜4のうちの何れか1項に記載した伸縮式回転伝達軸。
  6. インナー側、アウター側各凹溝を、インナーシャフト及びアウターシャフトの円周方向等間隔複数個所に設けた、
    請求項1〜5のうちの何れか1項に記載した伸縮式回転伝達軸。
  7. 円筒ころのみを設けた凹溝組を、インナーシャフト及びアウターシャフトの円周方向複数個所に設けた、
    請求項1〜6のうちの何れか1項に記載した伸縮式回転伝達軸。
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