JP5082661B2 - 水処理システム - Google Patents

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Description

本発明は、原水を処理して高品位水を製造する高品位水製造設備と、製造された高品位水を使用する高品位水使用系列と、この高品位水よりも水質が劣る低品位水を使用する低品位水使用系列とを有する施設における水処理システムに係り、特に、高品位水使用系列に設けられた逆浸透膜装置(RO膜装置)からの濃縮水を当該施設内で利用して、濃縮水の施設外への排出量を低減するか濃縮水を全く排出することなく稼動させるシステムに関する。
従来、工場や事業所などで使用される脱塩水は、イオン交換樹脂塔やRO膜装置により製造されているが、イオン交換樹脂を用いる方法では、定体積採水終了後に樹脂の再生作業を行う必要があるため、定期的に酸及び/又はアルカリを含む濃厚塩濃度の再生廃液が排出されることが問題となっている。即ち、この再生廃液は再利用することができず、また、この再生廃液からの水の回収利用のためには蒸発濃縮を必要とするなど、多大な処理コストが必要となる。また、原水に排水規制対象物質が含まれ、その物質がイオン交換樹脂で濃縮される場合は、再生廃液中に高濃度で含まれる排水規制対象物質の処理設備が必要となる。
一方、RO膜装置により脱塩を行う場合は、このような再生廃液の処理の問題はないが、原水の濃縮で塩濃度が2〜10倍に濃縮された濃縮排水が排出される。従来、この濃縮水は再利用されず、排水として捨てられているため、排水処理の負荷増大、原水である工業用水の使用量増大の原因となっていた。
特許文献1には、RO膜装置の濃縮水(RO濃縮水)の排出量を低減するために、RO膜装置の原水にスケール分散剤を添加し、スケール分散させることにより、回収率を高めることが行われてきたが、それでも5〜10%の濃縮排水の生成は避けられず、また排出された排水にはスケール分散剤が含まれるため、再利用は不可能であった。
RO濃縮水の有効利用については、トイレの洗浄水や消火設備の水などのユーティリティ水としての利用に関する提案もなされているが、用途やその使用量が制限される場合が多い。
特許文献2の第[0035]段落には、RO濃縮水に他の排水を混合し、「適当な処理」を施した後ユーティリティ設備に供給する旨の記載があるが、この場合には、再利用のための「処理」が必要となり、そのコストが嵩むこととなる。
工場や事業所で脱塩水を使用する場合の一般的な水処理システムの現状を、図2,3を参照してより具体的に説明する。
図2はイオン交換樹脂方式を採用している、一般的な高圧ボイラ設備を有する工場又は事業所における水処理の一例を示す系統図であり、図2において、1は工業用水原水槽、2は純水装置原水槽、3は濾過装置、4は濾過水槽、5はイオン交換式脱塩装置、6は低純水槽、7はポリッシャー、8は高純水槽、9は加熱器、10は脱気器、11はコンデンサー、12は発電ボイラ、13はタービン、14は減圧減温度器、15は工場内蒸気使用先、16はオイルセパレーター、17はプレコートフィルター、18は工場内原水使用先であり、この水処理システムでは、脱塩水を使用する系以外に原水を直接使用する系が存在する。この場合のイオン交換式脱塩装置5の再生廃液は塩濃度が高く、回収して使用するには多大なコストが必要となるため、従来は系外の排水処理設備に送られて廃棄されていた。
図3は、RO膜方式を採用している、一般的な高圧ボイラ設備を有する工場又は事業所における水処理の一例を示す系統図であり、図3において、図2の水処理システムにおけるイオン交換式脱塩装置5の代わりにRO膜装置20を設け、その入口側に電気ヒーター19を設けた点が異なり、その他は同様の構成とされている。この場合のRO膜装置20の濃縮水は、原水に含まれる塩類が3〜4倍近くの濃度に濃縮されるため、通常は使用できる場所がなく、廃棄されていたか、もしくは高価な濃縮水回収装置と分散剤併用による排水量削減が行われてきた。しかし、それでも、5〜10%の回収装置濃縮水が排出され、この濃縮水については排水処理を行う必要があった。
なお、図3において、RO膜装置20の入口側に電気ヒーター19が設けられているのは、次の理由による。
即ち、RO膜装置を運転する際、RO膜は水温により水の粘性の影響を受け、水温が低い場合には、RO膜の透過水量が低下する。図3に示すように、工業用水を原水とする場合、冬期は、原水の水温が相当に低下するため、RO膜装置20の入口側に電気ヒーター19を設け、RO膜装置20に供給される原水(RO給水)を25℃程度に加温することが行われる。
特開平9−294977号公報 特開平10−202296号公報
上述のように、従来の脱塩水の製造、使用施設においては、イオン交換樹脂方式の場合には、再生廃液が排出され、その再利用が不可能であった。また、RO膜方式の場合には、RO濃縮水が排出され、その量はイオン交換樹脂方式の場合と同等か、もしくはそれ以上の排水量となり、排水処理装置の負荷増大、及び原水使用量の増加を伴っていた。
本発明は上記従来の問題点を解決し、RO膜装置による脱塩処理を行う施設において、RO濃縮水を当該施設内で特別な処理を行うことなく利用することにより、施設外へのRO濃縮水の排出量の低減ないしはRO濃縮水の排出をなくし、水の有効利用効率を高めると共に排水処理にかかる負荷とコストを削減する水処理システムを提供することを目的とする。
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、RO濃縮水をそのまま使用するのではなく、原水のように、濃縮水よりは水質の良い水と共に低品位水使用系列に供給することにより、濃縮水を無処理で有効利用できることを見出した。
本発明はこのような知見に基いて達成されたものであり、以下を要旨とする。
[1] 原水を処理して高品位水を製造する高品位水製造設備と、該高品位水を使用する高品位水使用系列と、該高品位水よりも水質が劣る低品位水を使用する低品位水使用系列と、高圧ボイラ設備又は冷却塔とを有する施設における水処理システムであって、該高品位水製造設備が、原水を、前記低品位水よりも水質が劣る濃縮水と透過水とに分離する逆浸透膜装置と、該逆浸透膜装置に供給される原水を加温するための熱交換器とを有し、該熱交換器は、前記高圧ボイラ設備のボイラブロー排水、前記高圧ボイラ設備の復水循環系、又は前記冷却塔循環系の放熱系の余熱を熱源とするものであり、該濃縮水の少なくとも一部を前記低品位水と共に前記低品位水使用系列で使用し、低品位水使用系列への給水系路に水質計を設け、該水質計の計測結果に基いて、低品位水使用系列に導入される水の水質が、該低品位水使用系列における許容水質を満たすように、低品位水使用系列における低品位水と濃縮水との使用割合及び/又は逆浸透膜装置における水回収率(濃縮倍率)を調整するようにしたことを特徴とする水処理システム。
[2] [1]において、前記原水を前記低品位水とすることを特徴とする水処理システム。
] [1]又は2]において、前記濃縮水の全量を前記低品位水使用系列に供給することを特徴とする水処理システム。
] [1]ないし[]のいずれかにおいて、前記濃縮水を排水処理することなく前記低品位水使用系列で使用することを特徴とする水処理システム。
本発明の水処理システムによれば、RO濃縮水を、高品位水よりも水質が劣るが、濃縮水よりも水質が良好な低品位水と共に、低品位水使用系列で要求される水質を満たす範囲内で供給することにより、排水処理を要することなく、そのまま有効利用することができる。
以下に本発明の水処理システムの実施の形態を詳細に説明する。
本発明の水処理システムは、原水を処理して高品位水を製造する高品位水製造設備と、製造された高品位水を使用する高品位水使用系列と、この高品位水よりも水質が劣る低品位水を使用する低品位水使用系列とを有する施設において、高品位水製造設備のRO膜装置の濃縮水の少なくとも一部を低品位水と共に低品位水使用系列で使用することを特徴とするものである。
本発明の水処理システムにおいて、処理対象とする原水には特に制限はなく、工業用水を濾過したものであっても良く、また、井水、水道水、別施設での回収水などのいずれであってもよい。
本発明に係る施設は少なくとも高品位水製造設備と高品位水使用系列と低品位水使用系列とを備えるが、ここで、高品位水及び低品位水の「品位」とは「水質」をさし、具体的には塩類(イオン)濃度、導電率、シリカ濃度、鉄濃度の水質項目が挙げられる。高品位水製造設備では、少なくともRO膜装置による処理を施して、これらの水質が良好な高品位水を製造し、高品位水使用系列ではこの高品位水を使用する。一方、低品位水使用系列では、この高品位水よりも水質が劣るがRO膜装置の濃縮水よりも水質が良好な低品位水を使用する。低品位水使用系列で使用される低品位水は、高品位水製造設備で処理に供される原水であっても良く、この原水とは異なる水、例えば工業用水、井水、冷却塔循環水、プラント冷却水、ポンプ冷却水などであっても良い。また、原水とこれらの水との混合水であっても良い。
RO濃縮水は、この低品位水と共に低品位水使用系列で使用されるが、低品位水に供給されるに先立ち、低品位水と予め混合されて低品位水使用系列に導入されても良く、低品位水とは別々に低品位水使用系列に導入され、低品位水使用系列内で低品位水と混合使用されても良い。
本発明では、低品位水における要求水質ないしは許容水質に応じて、低品位水と共に低品位水使用系列に供給するRO濃縮水量及び/又は高品位水製造設備におけるRO膜装置の水回収率(濃縮倍率)を調整するこの場合、低品位水使用系列への給水系路に水質計を設け、該水質計の計測結果に基いて、低品位水使用系列における低品位水とRO濃縮水との使用割合及び/又はRO膜装置における水回収率(濃縮倍率)を調整するようにする。
いずれの場合においても、RO膜装置における水回収率(濃縮倍率)を低品位水使用系列における要求水質に応じて調整することにより、RO濃縮水を全く処理することなく、或いは、pH調整等のごく簡易な処理のみで、低品位水使用系列で使用することができ、また、RO濃縮水の全量を低品位水使用系列で使用して施設外へのRO濃縮水の排出量をなくすこともできる。
本発明に係る高品位水使用系列としては特に制限はなく、製品製造用水系などのプロセス全般、高圧ボイラ補給水、冷却塔補給水などの補給水系、製品洗浄などの洗浄系全般等が挙げられる。
一方、低品位水使用系列としても特に制限はないが、最も代表的なものとして冷却水系(循環冷却水系)が挙げられる。即ち、通常、冷却塔における冷却水は濃縮倍率3〜4倍で運転されるため、例えば、原水を低品位水としている場合において、RO膜装置において、冷却水の濃縮倍率よりも低い濃縮倍率、例えば2倍程度で処理を行えば、RO濃縮水を原水と共に冷却水系の補給水として十分に使用することができる。この場合においても、RO濃縮水は予め原水(低品位水)と混合して冷却水系に供給しても良く、原水とは別々に供給しても良い。また、原水はRO濃縮水のみでは賄えない分のみを補給する程度に供給し、殆どをRO濃縮水で賄うことも可能である。
ただし、本発明は、RO濃縮水のみを低品位水使用系列で使用するのではなく、RO濃縮水を原水等の低品位水と共に低品位水使用系列で使用することを特徴とする。
即ち、このように、RO濃縮水を、原水等のRO濃縮水よりも水質が良好な低品位水で希釈することにより、RO濃縮水の無処理での有効利用を可能とするものである。従って、このようなRO濃縮水の有効利用効率の向上と、RO濃縮水を有効利用することでの低品位水使用系列における水質低下の防止の観点から、低品位水使用系列における原水等の低品位水とRO濃縮水との使用割合は、当該低品位水使用系列の要求水質やRO濃縮水の水質によっても異なるが、容量比で、原水等の低品位水:RO濃縮水=1:0.2〜0.5の範囲とすることが好ましい。
なお、低品位水使用系列としては、冷却水系の他洗浄系、補給水系等の、その使用する系で規定している濃度範囲であればいずれの系であっても良い。
ところで、前述の如く、RO膜装置を運転する際、RO膜は水温により水の粘性の影響を受け、水温が低い場合には、RO膜の透過水量が低下することから、通常、RO膜装置に供給される原水(RO給水)を25℃程度に加温することが行われる。このRO給水の加温のための熱源として、図3の電気ヒーター19のように、新たな熱源を設けると、エネルギーコストが増加する。このため、このRO給水の加温のための熱源としても施設内の余熱、例えば、ボイラブロー排水、復水循環系、冷却塔循環系などの放熱系との熱交換でこれらの余熱を有効利用することが好ましい。
以下に、本発明の水処理システムの実施の形態の一例を示す図1を参照して、本発明をより具体的に説明する。
図1は、本発明を図3に示す一般的な高圧ボイラ設備を有する工場・事業所における水処理システムに適用した例を示すものであり、図3における部材と同一機能を奏するものには同一符号を付してある。この水処理システムは、RO膜装置20の濃縮水の送給先を工業用水原水槽1から工場内原水使用先18への給水路に変更すると共に、RO膜装置20の給水側に熱交換器21を設け、工場内蒸気使用先15からの復水の一部をこの熱交換器21を経てオイルセパレーター16に戻すようにした点が図3に示す従来の水処理システムと異なり、その他は同様の構成とされている。
図1において、原水(工業用水)は、工業用水原水槽1と純水装置原水槽2にそれぞれ導入され、純水装置原水槽2からの原水は、濾過装置3で濾過された後、濾過水は濾過水槽4を経て、熱交換器21で工場内蒸気使用先15からの復水と熱交換されて加温された後、RO膜装置20でRO膜分離される。なお、濾過装置3は通常、定期的に又は濾過差圧が上昇したときに、逆洗操作が行われ、その逆洗排水は系外へ排出される。
RO膜装置20の透過水は低純水槽6を経て、一部は必要に応じて他の一次純水使用先に送給され、残部はポリッシャー7で更に純度が高められた後、高純度水槽8に貯められる。ここで、RO膜装置20の後段のポリッシャー7としては、連続電気脱イオン装置のような非再生型のものが、ランニングコストの低減の面で好ましい。
高純度水槽8内の高純度水(高品位水)は、一部は必要に応じて他の二次純水使用先に送給され、残部は加熱器9で加熱され、脱気器10で脱気され、コンデンサー11で更に加熱された後、発電ボイラ12で蒸気となりタービン13(高品位水使用系列)で使用され、その後減圧減温器14で減圧減温された後、工場内蒸気使用先15で利用される。この工場内の蒸気使用で生じた復水の一部は従来法と同様にコンデンサー11で凝縮され、オイルセパレーター16、プレコートフィルター17を経て高純度水槽8の出口側に循環される。
本実施の形態では、工場内蒸気使用先15からの復水の一部がRO膜装置20の入口側に設けられた熱交換器21に送給され、RO給水の加温のための熱交換に使用される。熱交換器21の戻り水はオイルセパレーター16に送給される。
一方、工業用水原水槽1からの原水(低品位水)は、工場内原水使用先(低品位水使用系列)18に送給されるが、本実施の形態では、この工業用水原水槽1からの原水供給路にRO膜装置20の濃縮水排出路が接続され、RO濃縮水が原水である工業用水と共に工場内原水使用先18で使用されるように構成されている。工場内原水使用先18から排出される排水は、排水処理装置に送給されて処理される。
これにより、この水処理システムでは、RO膜装置20の濃縮水を系外に排出することなく、その全量を施設内で利用することが可能となる。
本発明はこのように、RO濃縮水を原水等の低品位水(原水よりも低品位の水、例えば、冷却塔の循環系の2〜4倍濃縮水であっても良い。)と混合して使用することを特徴とするが、このRO濃縮水の利用に当たって、RO膜装置の濃縮倍率をRO膜面でのスケール発生限界まで濃縮するような高倍率とすることなく、原水等の低品位水との混合水の電気導電率や各種イオン濃度等の水質が、低品位水使用系列である工場内原水使用先18の要求水質を満たし、許容水質を超えない程度の低濃縮倍率とすることが重要である。この場合、RO膜装置20の濃縮倍率は、予め一定値に固定するものに限定されず、原水水質の変動や低品位水使用系列での要求水質の変動に応じて制御するようにすることもできる。従って、例えば、図1に示すように、工場内原水使用先18への給水路のRO濃縮水導入部よりも下流側に各種の水質計22を設け、原水とRO濃縮水との混合水の電気導電率やイオン濃度を連続的又は断続的に監視し、この水質計22の計測値に基いて、工場内原水使用先18の許容水質限界値(電気導電率、イオン濃度の上限値)に近似したところで、この許容水質限界値を超えないように、RO膜装置20での濃縮倍率を制御するようにすることもできる。このRO膜装置20の濃縮倍率は人手による制御の他、水質計22の計測値に基いてRO濃縮水の取り出し配管のバルブの開度を制御するなどの自動制御とすることもできる。
なお、図1は、本発明の水処理システムの実施の形態の一例を示すものであり、本発明はその要旨を超えない限り、何ら図示のものに限定されるものではない。
例えば、図1ではRO給水の加温に工場内蒸気使用先15からの復水を用いているが、RO給水の加温に利用する施設内の余熱源には特に制限はなく、その他、発電ボイラ12のボイラブロー排水を熱交換器21に送給して余熱を回収しても良い。また、施設内に冷却塔があれば、冷却塔への戻り水などの高温の水を用いることもできる。
また、図1に示すように、RO膜装置20の前段の濾過装置3として、膜式濾過器を設ける場合、この膜式濾過器の膜も水温の影響を受け、水温が低いと濾過水量が低減するため、この場合には、濾過装置3の入口側に熱交換器を設け、施設内の余熱で膜式濾過器に導入される原水を加温するようにしても良い。
また、図1においては、RO濃縮水は、工業用水原水槽1の出口側に送給されているが、工業用水原水槽1の入口側、或いは工業用水原水槽1内に送給されても良く、また、この原水送給路とは別に工場内原水使用先18に送給され、工場内原水使用先18内で原水と混合されて使用されても良い。
更に、高品位水使用系列の設備や低品位水使用系列の設備についても何ら制限はない。
本発明によれば、RO膜装置における濃縮倍率を制御して原水等の低品位水と混合することにより、施設内の別系統で、その水質に影響を与えない範囲で使用することにより、従来、排水として処理せざるを得なかったRO濃縮水の有効利用が可能となり、排水処理の軽減、使用水量の削減を図ることが可能となる。
以下に図1〜3に示す各水処理システムで行った実施例及び比較例を挙げる。
[運転例I]
運転例Iにおいて用いた原水(工業用水)の水質は次の通りである。
<原水水質>
電気導電率:35mS/m
シリカ濃度:25mg/L
水温:10〜15℃
また、工場内原水使用先18における許容水質は次の通りである。
<許容水質>
電気導電率:50mS/m以下
シリカ濃度:40mg/L以下
{比較例1}
図3に示す水処理システムにおいて、RO膜装置20を水回収率75%で運転した。このときのRO濃縮水量は1.2m/hrであり、その全量が系外へ排水として排出された。また、RO給水を電気ヒーター19で25℃に加温したため、常時48kwの電力量が必要となった。
{実施例1}
図1に示す水処理システムにおいて、RO膜装置20を水回収率50%一定で運転し、原水である工業用水と、原水:RO濃縮水=2:1(容量比)で混合するようにRO濃縮水の流量を設定した。ただし、RO膜装置20の入口側の熱交換器21の熱源には工場内蒸気使用先15からの復水ではなく、発電ボイラ12のボイラブロー排水を用いた。
このときのRO濃縮水の水質、原水/RO濃縮水混合水の水質は以下の通りであり、工場内原水使用先18の許容水質以下に保つことができた。
<RO濃縮水の水質>
電気導電率:70mS/m
シリカ濃度:50mg/L
<原水/RO濃縮水混合水の水質>
電気導電率:46.7mS/m
シリカ濃度:33.3mg/L
この水処理システムでは、高品位水使用系列である高純度水の使用系列で、従来、1.2m/hrの排水量となっていたRO濃縮水を回収使用することで、濾過装置3の逆洗排水以外はすべて回収使用することができた。
また、熱交換器21にて、ボイラブロー排水でRO給水を加温することにより、RO給水の加温のための電力を必要とすることなく、RO給水を25℃に保つことができた。
{実施例2}
実施例1において、工場内原水使用先18の原水導入口側に水質計22として電気導電率計を設け、原水とRO濃縮水との混合水の電気導電率を測定し、この結果に基いて、RO膜装置20の水回収率を、RO濃縮水排出路の流量制御弁のインバーター制御により可変しながら運転を行った。ただし、RO膜装置の水回収率は80%を超えないように、水回収率の上限値を設定した。
その結果、工場内原水使用先18での許容水質以下を保つ運転を自動制御にて行うことができた。このときのRO膜装置の水回収率は50〜65%の間で変化し、また、原水とRO濃縮水との混合比は、原水:RO濃縮水=2:0.64〜1.0(容量比)の間で変化し、水回収率を十分に高めた上でRO濃縮水の利用が可能となった。
[運転例II]
運転例IIにおける原水は工業用水であり、その硝酸性窒素濃度は0.7mg/Lであった。排水の硝酸性窒素放流規制値は8mg/Lである。
{比較例2}
図2に示す水処理システムでは、原水をイオン交換式脱塩装置5で処理することにより、このイオン交換式脱塩装置5の定体積採水終了後の再生廃液として、硝酸性窒素濃度12mg/Lの廃液が発生したため、これはそのまま放流することはできず、排水処理した後放流されていた。
{実施例3}
図1に示す水処理システムにおいて、RO膜装置20の水回収率を50%に固定し、原水である工業用水と、原水:RO濃縮水=2:1(容量比)で混合して工場内原水使用先18で利用するように、RO濃縮水の流量を設定した。
このときのRO濃縮水の硝酸性窒素濃度は1.5mg/L、原水/RO濃縮水混合水の硝酸性窒素濃度は1.0mg/Lであり、この混合水を使用した工場内原水使用先18から排出される排水の硝酸性窒素濃度も1.0mg/Lで放流規制値以下であったため、これはそのまま排水処理することなく、放流することができた。
[運転例III]
運転例IIIは、工場内原水使用先18に冷却塔を備えるものであり、用いた原水(工業用水)の水質は次の通りである。
<原水水質>
電気導電率:35mS/m
シリカ濃度:25mg/L
また、冷却塔の運転条件は次の通りである。
<冷却塔の運転条件>
補給水:原水(上記水質の工業用水)
濃縮倍率:3倍
目標管理水質:電気導電率=120mS/m
シリカ濃度=80mg/L
運転ブロー水量(=補給水量):2.4m/hr
{実施例4}
図1において、RO膜装置20の水回収率を50%に固定し、透過水量1.2m/hr、濃縮水量1.2m/hrで運転し、このRO濃縮水を原水である工業用水と原水:RO濃縮水=2:1(容量比)で混合して工場内原水使用先18の冷却塔の補給水として送給するようにRO濃縮水の流量を設定した。
このときのRO濃縮水の水質、補給水である原水/RO濃縮水混合水の水質は以下の通りであり、冷却塔の目標管理水質を十分に満たすことができた。
<RO濃縮水の水質>
電気導電率:70mS/m
シリカ濃度:50mg/L
<原水/RO濃縮水混合水の水質>
電気導電率:46.7mS/m
シリカ濃度:33.3mg/L
この水処理システムでは、高品位水使用系列である高純度水の使用系列で、従来、1.2m/hrの排水量となっていたRO濃縮水を回収使用することで、濾過装置3の逆洗排水以外はすべて回収使用することができた。
本発明の水処理システムの実施の形態を示す系統図である。 従来のイオン交換樹脂方式による水処理システムを示す系統図である。 従来のRO膜方式による水処理システムを示す系統図である。
符号の説明
1 工業用水原水槽
2 純水装置原水槽
3 濾過装置
4 濾過水槽
5 イオン交換式脱塩装置
6 低純水槽
7 ポリッシャー
8 高純水槽
9 加熱器
10 脱気器
11 コンデンサー
12 発電ボイラ
13 タービン
14 減圧減温器
15 工場蒸気使用先
16 オイルセパレーター
17 プレコートフィルター
18 工場内原水使用先
19 電気ヒーター
20 RO膜装置
21 熱交換器

Claims (4)

  1. 原水を処理して高品位水を製造する高品位水製造設備と、該高品位水を使用する高品位水使用系列と、
    該高品位水よりも水質が劣る低品位水を使用する低品位水使用系列と、
    高圧ボイラ設備又は冷却塔とを有する施設における水処理システムであって、
    該高品位水製造設備が、原水を、前記低品位水よりも水質が劣る濃縮水と透過水とに分離する逆浸透膜装置と、該逆浸透膜装置に供給される原水を加温するための熱交換器とを有し、
    該熱交換器は、前記高圧ボイラ設備のボイラブロー排水、前記高圧ボイラ設備の復水循環系、又は前記冷却塔循環系の放熱系の余熱を熱源とするものであり、
    該濃縮水の少なくとも一部を前記低品位水と共に前記低品位水使用系列で使用し、低品位水使用系列への給水系路に水質計を設け、該水質計の計測結果に基いて、低品位水使用系列に導入される水の水質が、該低品位水使用系列における許容水質を満たすように、低品位水使用系列における低品位水と濃縮水との使用割合及び/又は逆浸透膜装置における水回収率(濃縮倍率)を調整するようにしたことを特徴とする水処理システム。
  2. 請求項1において、前記原水を前記低品位水とすることを特徴とする水処理システム。
  3. 請求項1又は2において、前記濃縮水の全量を前記低品位水使用系列に供給することを特徴とする水処理システム。
  4. 請求項1ないしのいずれか1項において、前記濃縮水を排水処理することなく前記低品位水使用系列で使用することを特徴とする水処理システム。
JP2007204386A 2007-08-06 2007-08-06 水処理システム Active JP5082661B2 (ja)

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