JP5082470B2 - 固体高分子形燃料電池用膜電極接合体 - Google Patents
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Description
プロトン伝導性ポリマーとしては、下記ポリマーが知られている。
テトラフルオロエチレンとCF2=CF−(OCF2CFX1)m−Op−(CF2)n−A(ただし、X1はフッ素原子またはトリフルオロメチル基であり、mは0〜3の整数であり、nは1〜12の整数であり、pは0または1であり、Aはスルホン酸型官能基ある。)の共重合体(特許文献1)。
たとえば、電気自動車のアクセルを急に踏む等により、急激な電流変化が起こった場合、出力電圧が急激に低下し、しかも低下した出力電圧が元の出力電圧に戻るまでに時間がかかる。
通常、固体分子形燃料電池においては、アノードに供給する燃料ガスおよびカソードに供給する酸化ガスの圧力および流量が大きいほど出力電流を多く取り出すことができる。そのため、通常の固体分子形燃料電池においては、燃料ガスおよび酸化ガスの圧力または流量を大きくすることによって、負荷応答性を確保している。
しかし、必要以上の圧力または流量で燃料ガスおよび酸化ガスを供給することは、燃料ガスおよび酸化ガスのロスが増えることに加え、コンプレッサを駆動する電力も無駄になり、燃料電池システムの効率低下を避けられない。
前記プロトン伝導性含フッ素ポリマーは、イオン性基を有するパーフルオロカーボンポリマーであることが好ましい。
図1は、本発明の固体高分子形燃料電池用膜電極接合体(以下、膜電極接合体と記す。)の一例を示す断面図である。膜電極接合体10は、触媒層11およびガス拡散層12を有するアノード13と、触媒層11およびガス拡散層12を有するカソード14と、アノード13とカソード14との間に、触媒層11に接した状態で配置される固体高分子電解質膜15とを具備する。
触媒層11は、触媒(担体としてカーボン材料を含む。)とプロトン伝導性含フッ素ポリマーとを含む層である。
触媒としては、担体であるカーボン材料に白金または白金合金を担持した担持触媒が挙げられる。カーボン材料とは、実質的に炭素原子からなる材料を意味する。カーボン材料としては、カーボンブラック、活性炭、カーボンナノチューブ、カーボンナノホーン等が挙げられる。
触媒層は、必要に応じて、白金または白金合金が担持されていないカーボン材料を含んでいてもよい。
プロトン伝導性含フッ素ポリマーを、水およびメタノールを溶媒とする一定濃度の水酸化ナトリウム溶液に浸漬して加水分解し、該溶液を逆滴定することによりイオン交換容量を求める。
プロトン伝導性含フッ素ポリマーを80℃の温水中に16時間浸漬した後、温水ごとプロトン伝導性含フッ素ポリマーを室温まで冷却する。水中よりプロトン伝導性含フッ素ポリマーを取り出し、表面に付着した水滴をふき取り、直ちにプロトン伝導性含フッ素ポリマーの含水時の質量を測定する。ついで、該プロトン伝導性含フッ素ポリマーをグローブボックス中に入れ、乾燥窒素を流した雰囲気中に24時間以上放置し、プロトン伝導性含フッ素ポリマーを乾燥させる。そして、グローブボックス中でプロトン伝導性含フッ素ポリマーの乾燥質量を測定する。プロトン伝導性含フッ素ポリマーの含水時の質量と乾燥質量との差が、プロトン伝導性含フッ素ポリマーが含水時に吸収する水の質量となる。そして、下式よりプロトン伝導性含フッ素ポリマーの含水率を求める。
含水率=(プロトン伝導性含フッ素ポリマーが含水時に吸収する水の質量/プロトン伝導性含フッ素ポリマーの乾燥質量)×100。
パーフルオロアルキレン基は、直鎖状であってもよく、分岐状であってもよく、直鎖状であることが好ましい。
パーフルオロアルキレン基の炭素数は、1〜6が好ましく、1〜4がより好ましい。炭素数が多すぎると、含フッ素モノマーの沸点が高くなり、蒸留精製が難しくなる。また、炭素数が多すぎると、ポリマーQのイオン交換容量が低下する。
Q1、Q2の少なくとも一方は、エーテル性の酸素原子を有する炭素数1〜6のパーフルオロアルキレン基であることが好ましい。エーテル性の酸素原子を有する炭素数1〜6のパーフルオロアルキレン基を有する含フッ素モノマーは、フッ素ガスによるフッ素化反応を経ずに合成できるため、収率が良好で、製造が容易である。
Rf1のパーフルオロアルキル基は、直鎖状であってもよく、分岐状であってもよく、直鎖状であることが好ましい。Rf1の炭素数は、1〜6が好ましく、1〜4がより好ましい。Rf1としては、パーフルオロメチル基、パーフルオロエチル基等が好ましい。
スルホンメチド基の場合、2つのRf1は、同じ基であってもよく、異なる基であってもよい。
Yとしては、フッ素原子、またはエーテル性の酸素原子を有していてもよい炭素数1〜6の直鎖状のパーフルオロアルキル基が好ましい。
ポリマーQとしては、化学的な耐久性の点から、パーフルオロカーボンポリマーが好ましい。該パーフルオロカーボンポリマーは、エーテル性の酸素原子を有していてもよい。
(I)基(β)を有するモノマー(以下、化合物(m1)と記す。)および必要に応じて他のモノマーを重合し、−SO2F基を有する前駆体ポリマー(以下、ポリマーPと記す。)を得る工程。
(III)ポリマーPの−SO2F基を、スルホン酸基、スルホンイミド基、またはスルホンメチド基に変換し、ポリマーQを得る工程。
化合物(m1)は、たとえば、後述する例1に示す合成例によって得ることができる。
他のモノマーのうち、化学的な耐久性および機械的強度の点から、パーフルオロモノマーが好ましく、テトラフルオロエチレンがより好ましい。
重合は、ラジカルが生起する条件で行われる。ラジカルを生起させる方法としては、紫外線、γ線、電子線等の放射線を照射する方法、開始剤を添加する方法等が挙げられる。
開始剤としては、ビス(フルオロアシル)パーオキシド類、ビス(クロロフルオロアシル)パーオキシド類、ジアルキルパーオキシジカーボネート類、ジアシルパーオキシド類、パーオキシエステル類、アゾ化合物類、過硫酸塩類等が挙げられ、不安定末端基が少ない前駆体ポリマーPが得られる点から、ビス(フルオロアシル)パーオキシド類等のパーフルオロ化合物が好ましい。
不安定末端基とは、連鎖移動反応によって形成される基、ラジカル開始剤に基づく基等であり、具体的には、−COOH基、−CF=CF2基、−COF基、−CF2H基等である。不安定末端基をフッ素化することにより、ポリマーQの分解が抑えられる。
ポリマーPとフッ素ガスとを接触させる際の温度は、室温〜300℃が好ましく、50〜250℃がより好ましく、100〜220℃がさらに好ましく、150〜200℃が特に好ましい。
ポリマーPとフッ素ガスとの接触時間は、1分〜1週間が好ましく、1〜50時間がより好ましい。
たとえば、−SO2F基をスルホン酸基に変換する場合は、(III−1)工程を行い、−SO2F基をスルホンイミド基に変換する場合は、(III−2)工程を行う。
(III−1)ポリマーPの−SO2F基を加水分解してスルホン酸塩とし、スルホン酸塩を酸型化してスルホン酸基に変換する工程。
(III−2)ポリマーPの−SO2F基をスルホンイミド化してスルホンイミド基に変換する工程。
加水分解は、たとえば、溶媒中にてポリマーPと塩基性化合物とを接触させて行う。
塩基性化合物としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等が挙げられる。溶媒としては、水、水と極性溶媒との混合溶媒等が挙げられる。極性溶媒としては、アルコール類(メタノール、エタノール等。)、ジメチルスルホキシド等が挙げられる。
酸型化は、たとえば、−SO2F基が加水分解されたポリマーPを、塩酸、硫酸等の水溶液に接触させて行う。
加水分解および酸型化は、通常、0〜120℃にて行う。
スルホンイミド化としては、米国特許第5463005号明細書に記載の方法、Inorg.Chem.32(23)、5007頁(1993年)に記載の方法等、公知の方法が挙げられる。
該質量比におけるカーボン材料は、担持触媒の担体として用いられたカーボン材料、および必要に応じて添加される、白金または白金合金が担持されていないカーボン材料である。
ガス拡散層12としては、カーボンペーパー、カーボンクロス、カーボンフェルト等が挙げられる。
ガス拡散層12は、ポリテトラフルオロエチレン等によって撥水化処理されていることが好ましい。
固体高分子電解質膜15は、プロトン伝導性含フッ素ポリマーを含む膜である。
プロトン伝導性含フッ素ポリマーとしては、触媒層11を構成するプロトン伝導性含フッ素ポリマーと同様のポリマーが好ましく挙げられる。
膜電極接合体10は、図2に示すように、触媒層11とガス拡散層12との間にカーボン層16を有していてもよい。カーボン層16を配置することにより、触媒層11の表面のガス拡散性が向上し、固体高分子形燃料電池の出力電圧が大きく向上する。
カーボンとしては、繊維径1〜1000nm、繊維長1000μm以下のカーボンナノファイバーが好ましい。
フッ素系ポリマーとしては、ポリテトラフルオロエチレン等が挙げられる。
膜電極接合体10は、たとえば、下記方法にて製造される。
(a−1)固体高分子電解質膜15上に触媒層11を形成して膜触媒層接合体とし、該膜触媒層接合体をガス拡散層12で挟み込む方法。
(a−2)ガス拡散層12上に触媒層11を形成して電極(アノード13、カソード14)とし、固体高分子電解質膜15を該電極で挟み込む方法。
(b−1)基材フィルム上に、カーボンおよびフッ素系ポリマーを含む分散液を塗布し、乾燥させてカーボン層16を形成し、カーボン層16上に触媒層11を形成し、触媒層11と固体高分子電解質膜15とを貼り合わせ、基材フィルムを剥離して、カーボン層16を有する膜触媒層接合体とし、該膜触媒層接合体をガス拡散層12で挟み込む方法。
(b−2)ガス拡散層12上に、カーボンおよびフッ素系ポリマーを含む分散液を塗布し、乾燥させてカーボン層16を形成し、(a−1)の方法における膜触媒層接合体を、カーボン層16を有するガス拡散層12で挟み込む方法。
(x−1)前駆体ポリマーを膜状に成形した後、−SO2F基をイオン性基に変換する方法。
(x−2)プロトン伝導性含フッ素ポリマーを膜状に成形する方法。
前駆体ポリマーを膜状に成形する方法としては、押出成形法、加圧プレス成形法、延伸法等が挙げられる。
プロトン伝導性含フッ素ポリマーを膜状に成形する方法としては、プロトン伝導性含フッ素ポリマーの液状組成物を基材に塗工、乾燥する方法(キャスト法)が挙げられる。
液状組成物は、水酸基を有する有機溶媒および水を含む分散媒に、プロトン伝導性含フッ素ポリマーを分散させた分散液である。
水酸基を有する有機溶媒の割合は、分散媒(100質量%)のうち、1〜90質量%が好ましく、1〜60質量%がより好ましい。
プロトン伝導性含フッ素ポリマーの割合は、液状組成物(100質量%)のうち、1〜50質量%が好ましく、3〜30質量%がより好ましい。
(y−1)触媒層形成用液を、固体高分子電解質膜15、ガス拡散層12、またはカーボン層16上に塗布し、乾燥させる方法。
(y−2)触媒層形成用液を基材フィルム上に塗布し、乾燥させ触媒層11を形成し、該触媒層11を固体高分子電解質膜15上に転写する方法。
触媒層形成用液は、触媒層11の形成方法によって粘度が異なるため、数十cP程度の分散液であってもよく、20000cP程度のペーストであってもよい。
本発明の膜電極接合体は、固体高分子形燃料電池に用いられる。固体高分子形燃料電池は、たとえば、2つのセパレータの間に膜電極接合体を挟んでセルを形成し、複数のセルを、セパレータと膜電極接合体とが交互に重なるように、スタックすることにより製造される。
固体高分子形燃料電池の種類としては、水素/酸素型燃料電池、直接メタノール型燃料電池(DMFC)等が挙げられる。
例6〜10は実施例であり、例11〜13は比較例である。
TQ値(単位:℃)は、ポリマーの分子量の指標であり、長さ1mm、内径1mmのノズルを用い、2.94MPaの押出し圧力の条件でポリマーの溶融押出しを行った際の押出し量が100mm3/秒となる温度である。
フローテスタCFT−500A(島津製作所社製)を用い、温度を変えてポリマーPまたはポリマーFの押出し量を測定し、押出し量が100mm3/秒となるTQ値を求めた。
ポリマーPおよびポリマーFのイオン交換容量は、下記方法により求めた。
ポリマーを、水およびメタノールを溶媒とする一定濃度の水酸化ナトリウム溶液に浸漬して加水分解し、該溶液を逆滴定することによりイオン交換容量を求めた。なお、ポリマーP、Fの−SO2F基の割合(モル比)と、ポリマーQ、Hの−SO3H基の割合(モル比)は同じであり、かつ−SO2F基の分子量と−SO3H基の分子量はほぼ同じであるため、ポリマーP、Fのイオン交換容量は、そのままポリマーQ、Hのイオン交換容量として扱うことができる。
ポリマーQおよびポリマーHの導電率は、下記方法により求めた。
ポリマーからなる5mm幅のフィルムに、5mm間隔で4端子電極が配置された基板を密着させ、公知の4端子法により、温度80℃、相対湿度40%の恒温恒湿条件下にて交流10kHz、1Vの電圧でフィルムの抵抗を測定し、該結果から導電率を算出した。
ポリマーQおよびポリマーHの含水率は、下記方法により求めた。
ポリマーを80℃の温水中に16時間浸漬した後、温水ごとポリマーを室温まで冷却した。水中よりポリマーを取り出し、表面に付着した水滴をふき取り、直ちにポリマーの含水時の質量を測定した。ついで、該ポリマーをグローブボックス中に入れ、乾燥窒素を流した雰囲気中に24時間以上放置し、ポリマーを乾燥させた。そして、グローブボックス中でポリマーの乾燥質量を測定した。ポリマーの含水時の質量と乾燥質量との差から、ポリマーが含水時に吸収する水の質量を求めた。そして、下式よりポリマーの含水率を求めた。
含水率=(ポリマーが含水時に吸収する水の質量/ポリマーの乾燥質量)×100。
膜電極接合体を発電用セルに組み込み、膜電極接合体の温度を80℃に維持し、アノードに水素(利用率50%)、カソードに空気(利用率50%)を、それぞれ100kPa(絶対圧力)で供給した。ガスの加湿度を、水素は相対湿度50%、空気は相対湿度70%とし、電流密度が1.0A/cm2のときのセル電圧を記録した。
膜電極接合体を発電用セルに組み込み、膜電極接合体の温度を80℃に維持し、アノードに水素(利用率50%)、カソードに空気(利用率50%)を、それぞれ100kPa(絶対圧力)で供給した。ガスの加湿度を、水素は相対湿度50%、空気は相対湿度70とした。該雰囲気下で、電流密度を0(開回路状態)から1.0A/cm2まで30秒かけて変化させた。該負荷変動を与えたとき、セル電圧は一旦オーバーシュート気味に大きく低下した後、定常値に漸近する。該経時変化を記録し、オーバーシュートしてからセル電圧が1.0A/cm2における定常値の95%までに回復するまでの時間を回復時間とした。該時間が短いほど、膜電極接合体の負荷応答性が良好であると判断される。
下記合成ルートにより化合物(m11)を合成した。
特開昭57−176973号公報の実施例2に記載の方法と同様にして、化合物(a1)を合成した。
ジムロート冷却管、温度計、滴下ロートおよび撹拌翼付きガラス棒を備えた300cm3の4口丸底フラスコに、窒素雰囲気下、フッ化カリウム(商品名:クロキャットF、森田化学社製)1.6gおよびジメトキシエタン15.9gを入れた。ついで、丸底フラスコを氷浴で冷却して、滴下ロートより化合物(b1)49.1gを32分かけて、内温10℃以下で滴下した。滴下終了後、滴下ロートより化合物(a1)82.0gを15分かけて滴下した。内温上昇はほとんど観測されなかった。滴下終了後、内温を室温に戻して約90時間撹拌した。分液ロートで下層を回収した。回収量は127.6gであり、ガスクロマトグラフィー(以下、GCと記す。)純度は55%であった。回収液を200cm3の4口丸底フラスコに移して、蒸留を実施した。減圧度1.0〜1.1kPa(絶対圧)の留分として化合物(c1)97.7gを得た。GC純度は98%であり、収率は80%であった。
200cm3のステンレス製オートクレーブに、フッ化カリウム(商品名:クロキャットF、森田化学社製)1.1gを入れた。脱気後、減圧下で、オートクレーブにジメトキシエタン5.3g、アセトニトリル5.3gおよび化合物(c1)95.8gを入れた。
ついで、オートクレーブを氷浴で冷却して、内温0〜5℃にて、ヘキサフルオロプロペンオキシド27.2gを27分かけて加えた後、撹拌しながら内温を室温に戻して一晩撹拌した。分液ロートで下層を回収した。回収量は121.9gであり、GC純度は63%であった。回収液の蒸留により沸点80〜84℃/0.67〜0.80kPa(絶対圧)の留分として化合物(d1)72.0gを得た。GC純度は98%であり、収率は56%であった。
内径1.6cmのステンレス製管を用いて、長さ40cmのU字管を作製した。該U字管の一方にガラスウールを充填し、他方にステンレス製焼結金属を目皿としてガラスビーズを充填し、流動層型反応器を作製した。流動化ガスとして窒素ガスを用い、定量ポンプを用いて原料を連続的に供給できるようにした。出口ガスはトラップ管を用いて液体窒素で捕集した。
δ(ppm):45.5(1F),45.2(1F),−79.5(2F),−82.4(4F),−84.1(2F),−112.4(2F),−112.6(2F),−112.9(dd,J=82.4Hz,67.1Hz,1F),−121.6(dd,J=112.9Hz,82.4Hz,1F),−136.0(ddt,J=112.9Hz,67.1Hz,6.1Hz,1F),−144.9(1F)。
(i)ポリマーP1の合成:
100cm3のステンレス製オートクレーブに、化合物(m11)9.84g、溶媒である化合物(1−1)3.09gおよび開始剤である化合物(2)1.3mgを入れ、液体窒素で冷却して脱気した。
CClF2CF2CHClF ・・・(1−1)、
(CH3)2C(CN)N=NC(CH3)2(CN) ・・・(2)。
反応液を化合物(1−1)で希釈した後、化合物(1−2)を加え、ポリマーを凝集させ、ろ過した。
CH3CCl2F ・・・(1−2)。
ポリマーP1を下記方法で処理し、酸型のポリマーQ1のフィルムを得た。
まず、ポリマーP1のTQ温度にて、加圧プレス成形によりポリマーP1を厚さ25μmのフィルムに加工した。
ついで、該フィルムを、ジメチルスルホキシドの30質量%および水酸化カリウムの15質量%を含む水溶液に、80℃で16時間浸漬させることにより、該フィルム中の−SO2F基を加水分解し、−SO3K基に変換した。
ポリマーQ1の導電率および含水率を測定した。結果を表1に示す。
ポリマーQ1に、エタノール、水および1−ブタノールの混合溶媒(エタノール/水/1−ブタノール=35/50/15質量比)を加え、固形分濃度を15質量%に調整し、オートクレーブを用い125℃で8時間、撹拌した。さらに水を加え、固形分濃度を9質量%に調製し、ポリマーQ1が分散媒に分散した液状組成物S1を得た。分散媒の組成は、エタノール/水/1−ブタノール=21/70/9(質量比)であった。
(i)ポリマーP2の合成:
表1に示す条件に変更した以外は、例2と同様にして、トラフルオロエチレンと化合物(m11)との共重合体であるポリマーP2を得た。ポリマーP2の収量、イオン交換容量およびTQ値を表1に示す。
ポリマーP1の代わりにポリマーP2を用いた以外は、例2と同様にして酸型のポリマーQ2のフィルムを得た。
ポリマーQ2の導電率および含水率を測定した。結果を表1に示す。
ポリマーQ1の代わりにポリマーQ2を用いた以外は、例2と同様にして液状組成物S2を得た。
(i)ポリマーP3の合成:
表1に示す条件に変更した以外は、例2と同様にして、トラフルオロエチレンと化合物(m11)との共重合体であるポリマーP3を得た。ポリマーP3の収量、イオン交換容量およびTQ値を表1に示す。
ポリマーP1の代わりにポリマーP3を用いた以外は、例2と同様にして酸型のポリマーQ3のフィルムを得た。
ポリマーQ3の導電率および含水率を測定した。結果を表1に示す。
ポリマーQ1の代わりにポリマーQ3を用いた以外は、例2と同様にして液状組成物S3を得た。
(i)ポリマーF1の合成:
テトラフルオロエチレンと化合物(3)とを特開昭60―243292号公報の実施例1に準じて共重合し、ポリマーF1を得た。ポリマーF1のイオン交換容量およびTQ値を表2に示す。
CF2=CFOCF2CF(CF3)OCF2CF2SO2F ・・・(3)。
ポリマーF1を例2におけるポリマーP1と同様に酸型化処理し、酸型のポリマーH1のフィルムを得た。ポリマーH1の導電率および含水率を測定した。結果を表2に示す。
ポリマーH1に、エタノールおよび水の混合溶媒(エタノール/水=60/40質量比)を加え、固形分濃度を26質量%に調整し、オートクレーブを用い100℃で8時間、撹拌した。ポリマーH1が分散媒に分散した液状組成物S4を得た。
カーボンブラック粉末に白金を50質量%担持した担持触媒に水を適量加え、10分間超音波を照射し、触媒の分散液を得た。触媒の分散液に、ポリマーQ1とカーボンブラック粉末との質量比(ポリマーQ1/カーボンブラック粉末)が0.75となるように、液状組成物S1を加え、さらにエタノールを加えて固形分濃度を10質量%とし、触媒層形成用液を得た。該液をエチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(以下、ETFEと記す。)シート上に塗布し、乾燥させ、白金量が0.4mg/cm2の触媒層を形成した。触媒層中のポリマーQ1を安定化させるために、窒素雰囲気下、170〜190℃でアニール処理を行った。
カーボン層と触媒層とが接するように、膜触媒層接合体をガス拡散層で挟み、膜電極接合体を得た。該膜電極接合体の評価を行った。結果を表3に示す。
ポリマーQ1とカーボンブラック粉末との質量比(ポリマーQ1/カーボンブラック粉末)を0.70に変更した以外は、例6と同様にして膜電極接合体を得た。該膜電極接合体の評価を行った。結果を表3に示す。
ポリマーQ1とカーボンブラック粉末との質量比(ポリマーQ1/カーボンブラック粉末)を0.80に変更した以外は、例6と同様にして膜電極接合体を得た。該膜電極接合体の評価を行った。結果を表3に示す。
ポリマーQ1の代わりにポリマーQ2を用いた以外は、例6と同様にして膜電極接合体を得た。該膜電極接合体の評価を行った。結果を表3に示す。
ポリマーQ1の代わりにポリマーQ3を用いた以外は、例6と同様にして膜電極接合体を得た。該膜電極接合体の評価を行った。結果を表3に示す。
ポリマーQ1とカーボンブラック粉末との質量比(ポリマーQ1/カーボンブラック粉末)を0.65に変更した以外は、例6と同様にして膜電極接合体を得た。該膜電極接合体の評価を行った。結果を表3に示す。
ポリマーQ1とカーボンブラック粉末との質量比(ポリマーQ1/カーボンブラック粉末)を0.90に変更した以外は、例6と同様にして膜電極接合体を得た。該膜電極接合体の評価を行った。結果を表3に示す。
カーボンブラック粉末に白金を50質量%担持した担持触媒に水を適量加え、10分間超音波を照射し、触媒の分散液を得た。触媒の分散液に、ポリマーH1とカーボンブラック粉末との質量比(ポリマーH1/カーボンブラック粉末)が0.75となるように、液状組成物S4を加え、さらにエタノールを加えて固形分濃度を10質量%とし、触媒層形成用液を得た。該液をETFEシート上に塗布し、乾燥させ、白金量が0.4mg/cm2の触媒層を形成した。触媒層中のポリマーH1を安定化させるために、窒素雰囲気下、130℃でアニール処理を行った。
カーボン層と触媒層とが接するように、膜触媒層接合体をガス拡散層で挟み、膜電極接合体を得た。該膜電極接合体の評価を行った。結果を表3に示す。
11 触媒層
13 アノード
14 カソード
15 固体高分子電解質膜
Claims (2)
- プロトン伝導性含フッ素ポリマーおよびカーボン材料を含む触媒層を有するアノードおよびカソードと、前記アノードと前記カソードとの間に配置される固体高分子電解質膜とを備え、
前記プロトン伝導性含フッ素ポリマーのイオン交換容量が、1.4〜1.8ミリ当量/g乾燥樹脂であり、
前記プロトン伝導性含フッ素ポリマーの含水率が、150質量%以下であり、
前記プロトン伝導性含フッ素ポリマーと前記カーボン材料との質量比(プロトン伝導性含フッ素ポリマー/カーボン材料)が、0.7〜0.8である、固体高分子形燃料電池用膜電極接合体。 - 前記プロトン伝導性含フッ素ポリマーが、イオン性基を有するパーフルオロカーボンポリマーである、請求項1に記載の固体高分子形燃料電池用膜電極接合体。
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