通常のページプリンターで用いられるラインヘッドは、600dpi、あるいは1200dpiの密度で画素が形成されている。本発明の実施形態においては、前記従来技術が各画素毎に階調制御回路を設けて階調制御を行なっているのに対して、微細な密度で多数の光源を配置して良好な階調制御の実現を図っている。一例として、画素数の密度を2400dpi、あるいは4800dpiとしている。
図2は、本発明の基本的技術を模式的に示す説明図である。図2の例では、画素数の密度を2400dpiに設定している。図2(a)において、90は光源の画素、91は、光源から出力される光ビームで形成される光束がレンズアレイを通して像担持体のような被露光面に結像される際のスポット径である。なお、本明細書では、簡単のために被露光面に形成される結像スポットの直径を以下スポット径と略記し、後ほど図5を用いて説明しているように、被露光面での光強度プロファイルのピーク値に対して1/e2の強度となる幅として定義する。また、X方向は主走査方向、Yは副走査方向を示している。この例では、スポット径91は50μm、画素(露光画素)90を形成する光源の大きさは20μmである。
このように、1つの露光画素についてスポット径は大きいが、露光エネルギーは低いので単独では画像を形成できず、数10個の露光画素が露光されて初めて実際の画像として発現する。すなわち、スポット径の大きさは、画素ピッチの数倍で形成される。既に述べたように、スポットの大きさを小さくすることは困難であるし、後で述べるように感光体、トナー及びその現像システムが対応できないと効果も少ない。有機EL素子の場合は、スポット径を小さくするために発光部の面積を小さくすると画像を形成するためのパワーが不足する。あるいは階調画像の表現に用いられる階調スクリーンの密度は100〜300LPIで、網点や万線は単一の露光画素ではなく多数の露光画素で形成されるので、個々の画素の大きさを小さくする必要はない。
そこで、本発明の実施形態においては、図2(b)に示すように、像担持体上で主走査方向、および副走査に多数の露光画素を重ね合わせて露光させている。この例では、主走査方向、および副走査にそれぞれ4個づつ、4×4=16画素を重ね合わせることにより、出力画像93を形成している。すなわち、前記被露光面に形成される結像スポットが主走査方向、または副走査方向にわずかずつずれて重ね合わせることで画像を形成している。以上で述べた例では、2400dpiの露光画素16個で、従来の600dpiの画素1個を形成するので、1つの露光画素のエネルギーは従来の1/16で済む。よって、後述するように、単位面積あたりの光量を確保することが難しい有機ELを光源としたラインヘッドに対して、本発明は特に有効である。これは、上記のように発光部の面積を大きくできることと、露光画素のエネルギーが少なくても済む事による相乗効果を発揮するためである。
ここで、出力画像93を形成するための個々の画素90は、出力画像93として得られる画素の大きさとは異なるので、この実施形態においては、個々の画素90を露光画素と定義する。図2(b)の例では、画像濃度は、4×4=16階調で表現されることになる。すなわち、16個の各光源を点灯(オン)、または消灯(オフ)することにより、16階調の階調制御が可能となる。
したがって、ラインヘッド上では、階調制御のための複雑な変調制御用の回路構成は不要となり、発光素子のオンオフ制御だけで階調制御が行うことができる。このため、発光素子のオンオフ制御を行なうためのTFT(光源の駆動用薄膜トランジスタ)などのスイッチング素子を光源と同じガラス基板に搭載すれば足りることになり、ラインヘッドに実装する制御部の構成を簡略にすることができる。
図1は、本発明の実施形態における画素配列の例を示す説明図である。図1(a)は、直径20μmの発光部を2400dpiで配置した例を示している。この例では、スポット径は60μm、主走査方向に多数の露光画素90が設けられている発光素子ライン94が副走査方向に3列配列されている。画素ピッチは、25.4/2400≒10.6μm、である。発光素子ライン94の副走査方向両端の中心線間の間隔は、画素ピッチの約6倍の63.5μmである。このように、スポット径と画素ピッチの比率は60/10.6≒5.7、であり、スポット径は画素ピッチよりも大きく設定されている。
図1(b)は、直径15μmの発光部を4800dpiで配置した例を示している。この例では、スポット径は55μm、発光素子ラインは副走査方向に5列形成されている。この場合における画素ピッチは、25.4/4800≒5.3μm、となる。発光素子ライン94の副走査方向両端の中心線間の間隔は、画素ピッチの約20倍の105.8μmである。この例では、スポット径と画素ピッチの比率は55/5.3≒10.4、となり、図1(a)の例よりもさらにスポット径が画素ピッチよりも大きく設定されている。このように、図1(a)、図1(b)においては、発光素子ラインが副走査方向に3列以上の複数のライン状で、かつ互いに主走査方向の位置が異なるように配列されている。したがって、結像スポットの主走査方向の重ね合わせを容易に行なうことができる。
元の画像の階調は、露光画素の点灯する画素の数として表現される。すなわち個々の露光画素は2値で制御される。例えば従来の600dpiの1画素に対して、2400dpiでは16画素が対応するので16階調、4800dpiでは64画素が対応するので、十分な階調性を持つ。また、露光画素のピッチに対して、スポットサイズは十分に大きいので、階調記録時に露光画素の点灯数が変わることによって形成される画素の形状が変形することは少ない。
次に、本発明の実施形態において、スポット径を画素ピッチよりも大きく設定した場合の階調制御が、従来例よりも優位性があることについて説明する。図3は、従来例における、点灯する露光画素を増加していった場合の表面電位分布の変化を示す説明図である。この例では、露光画素密度は2400dpi、スポット径は20μm以下としている。図3(a)では、単一の露光画素90aを点灯したときの電位分布Eaは、ほぼ円形に形成されている。以下、図の黒丸は、露光画素の中心位置を示している。
図3(b)では、図3(a)で説明した露光画素90aと隣接して、副走査方向にもう1つの露光画素90bを設け、露光画素90aと露光画素90bを同時に点灯した場合の電位分布Ebを示している。この場合には、電位分布Ebは、副走査方向に長辺が形成される楕円形状となっている。
図3(c)では、図3(b)の構成において、露光画素90aの主走査方向に隣接して露光画素90cを設け、露光画素90a、露光画素90b、露光画素90cの3個の露光画素を同時に点灯した場合の電位分布Ecを示している。この場合には、電位分布Ecは、略三角形状となっている。
図3(d)では、図3(c)の構成において、さらに露光画素90bの主走査方向に隣接してもう1つの露光画素90dを設け、露光画素90a、露光画素90b、露光画素90c、露光画素90dを同時に点灯した場合の電位分布Edを示している。この場合には、電位分布Edは、矩形状に配置された各露光画素90a〜90dを囲む形状で形成されている。
このように、図3に示した従来例の構成では、電位の分布はシャープになるものの分布形状が階調に応じて変化するので、濃度変化が画素の数に比例しなくなり、階調制御が困難になる。
図4は、本発明の実施形態における点灯する露光画素を増加していった場合の表面電位分布の変化を示す説明図である。この例では、露光画素密度は2400dpi、スポット径は60μmとしている。図5、図6は、図4の構成の前提となる条件設定を示す特性図である。図5は、感光体(像担持体)上に結像した光源のスポットによるパワー分布を示す特性図である。
感光体上に結像したスポットが図5のようなパワー(強度)の分布を持つときに、ピークの高さを1とすれば、eを自然対数としたときに、1/e2=1/(2.72)2≒0.135となる。すなわち、スポット径60μmは、パワーのピークの13.5%となるプロファイルの幅を示している。
図6は、感光体の徐電特性(PIDC)を示す特性図である。縦軸には感光体の表面電位(V)、横軸には露光エネルギー(μJ/cm2)を設定している。図6において、初期電位V0に相当する感光体の表面電位は、−600Vである。この場合の半減露光量(表面電位がー300V)に対応する露光エネルギーは、0.08μJ/cm2である。
また、露光エネルギーに対してほとんど表面電位が変化しない、すなわち表面電位が飽和している状態は、感光体が全面露光したときのエネルギー(飽和エネルギー)として表される。図6の例では、この飽和エネルギーは、0.3μJ/cm2である。
図4は、図5、図6で説明図したように、1/e2≒0.135のスポット径が60μm、感光体の半減露光量が0.08μJ/cm2で、飽和エネルギーが0.3μJ/cm2である場合の表面電位分布の特性を示している。図4(a)は、単一の露光画素90wを点灯したときの電位分布Ewは、ほぼ円形に形成されている。図4においても図の黒丸は、露光画素の中心位置を示している。
図4(b)では、図4(a)で説明した露光画素90wと隣接して、副走査方向にもう1つの露光画素90xを設け、露光画素90wと露光画素90xを同時に点灯した場合の電位分布Exを示している。この場合には、電位分布Exは、ほぼ円形状となっている。ここで、電位分布Exの等高線は、50V間隔に形成されている。
図4(c)では、図4(b)の構成において、露光画素90wの主走査方向に隣接して露光画素90yを設け、露光画素90w、露光画素90x、露光画素90yの3個の露光画素を同時に点灯した場合の電位分布Eyを示している。この場合にも、電位分布Eyは、ほぼ円形状となっている。
図4(d)では、図4(c)の構成において、さらに露光画素90xの主走査方向に隣接してもう1つの露光画素90zを設け、露光画素90w、露光画素90x、露光画素90y、露光画素90zを同時に点灯した場合の電位分布Ezを示している。この場合には、電位分布Ezは、矩形状に配置された各露光画素90w〜90zを囲む、ほぼ円形状で形成されている。
図3、図4で説明したように、電位分布の形状が従来例と本発明の実施形態で相違している理由について説明する。本発明の実施形態では、露光される各画素の直径(スポット径)が60μmであるのに対して、画素のピッチがはるかに小さい約10.6μmであり、露光画素の位置をずらして多重露光してもほぼ円形が維持される。他方、従来技術では、画素の直径が20μmであり、本発明の実施形態と比較して小さいので、各画素の重なりが少なく、画素の配置がそのまま電位分布に現れることになる。
次に、ライン幅で階調を表現する階調スクリーンについて、従来技術と本発明の実施形態とを対比する。図7は、従来例の説明図である。この例では、スポット径は20μmとしている。90e〜90iは露光画素、Efは電位分布である。この場合のライン幅La、Lbが変動して蛇行しており、濃度変化が大きくなっている。
図8は、本発明の実施形態にかかる説明図である。図8の例では、スポット径が60μmであり、図4で説明した例と同じ条件設定としている。図8(a)は、露光画素90r、90sを主走査方向に並置し、副走査方向に露光画素2つ分ずらして斜め方向に配列した例である。この際に、ラインLr、Lsはほぼ露光画素の配列と平行な直線で形成されており、ライン幅で表現される階調特性は良好な特性となっている。
図8(b)は、3個の露光画素90r、90s、90tを主走査方向に並置し、副走査方向に露光画素2つ分ずらして斜め方向に配列した例である。この際に、ラインLp、Ltはほぼ露光画素の配列と平行な直線で形成されており、ライン幅で表現される階調特性は良好な特性となっている。
図8(c)は、図7と同様に3個の露光画素90r、90s、90tを主走査方向に並置し、さらに副走査方向に露光画素2つ分離間した位置に2つの露光画素90u、90vを配列している。この場合の電位分布Euは、楕円形状に形成される。また、ラインLu、Lvは、多少の凹凸がみられるが、実用上殆ど支障がない滑らかな斜めの線で形成されている。このように、本発明の実施形態においては、ラインの幅で階調を表現する階調スクリーンにおいても、従来例と対比して有用な特性が得られる。
図9、図10は、階調スクリーンを用いた本発明の実施形態を示す説明図である。図9は、例えば、600dpiの画像解像度における斜め線の太さによって濃度階調を表現するスクリーンの例である。図9において、升目の1つの大きさ90は600dpiの1画素を示し、42.3μmの大きさである。91はスポット径、Lx、Lyはスクリーンである。隣接するスクリーンLx、LyのラインピッチPは、3.13画素分、すなわち約133μmである。このスクリーンのラインピッチPの値は、印刷線数(LPI:1インチ=25.4mm当たりのスクリーンのライン数)で表現すると192LPIということになる。通常の商業印刷でも175LPI程度のスクリーン線数が使用される。また、図9の例ではラインヘッドでの露光を想定しているので、副走査方向に画素の位置を制御可能である。
元の階調画像に対して、このような階調スクリーンで階調を表現する処理は、図16のプリンタコントローラで行われる。元画像を面積階調のスクリーンのデータに変換することは、2値化を行うことでありその手法は様々提案されている。本発明ではその2値化手法は本質にかかわらないので詳述しないが、2値化手法については、例えば「写真工業別冊・イメージングpart1/写真工業出版社/1988年」に記載されている。
スクリーンのラインピッチPを狭くすると解像度は向上するが、隣接するラインの間隔が狭くなるので、互いに干渉を起こすようになる。画像形成のプロセスのレベルが高くないと、プロセス系の不均一の影響を受けて、この干渉の度合いが異なり、画像の不均一が発生しやすくなってしまう。このように階調スクリーンのピッチPを小さくすることは困難であるので、それを露光する光ビームのスポットの大きさも、この階調スクリーンのピッチを表現できる程度の直径であればよい。
図10は、図9と同じ大きさのスポット径91により、2400dpiのピッチで露光画素を重ね合わせた例を示している。図9と対比すると、図10では斜め線の輪郭は滑らかになっているものの、斜めラインの幅が広がっている。このように本発明の実施形態では、スポットサイズ91を小さくしないで、微小なピッチで露光画素を重ね合わせるので、露光部分の潜像の幅が広がってしまうという特性がある。以下図11〜図15の特性図で詳細に説明する。
図11は、スポットサイズが40μmで露光した場合のラインに直交方向で断面したときの電位分布図(電位コントラスト特性)を示す。この図において感光体とその露光条件は先の図4、図8で示したものと同じである。図11の(A)の線は、従来技術の600dpiのピッチの画素で40μmの直径のスポットで重ね合わせがなく一回で露光した場合を示している。この図では初期の帯電電位−600Vに対して露光された部分はー60V程度まで電位が上昇しているのに対して、非露光部では、−590Vまでしか上昇していない。これに対して本発明では2400dpiの画素ピッチで配列された露光画素をラインの幅方向に4画素重ねることになるので、図11の(B)の線で示すように露光部分の幅が広がってしまい、非露光部の電位は−380Vまで上昇してしまう。すなわち白部と黒部のコントラストが不足することになる。
また、このような条件では、隣接するラインの電位分布の裾の部分が互いに干渉しあうことを意味している。そのため、結像スポットの光量分布の僅かな差によって、干渉の度合いが異なることになり、濃度ムラを生じやすくなる。そのため本発明のように複数の露光画素をずらせて重ね合わせる場合には、スクリーンのピッチはそのずらせた分だけ広げる必要がある。この例では、図11の(C)のようにラインのピッチを280LPI程度まで広げると、従来の600dpiの画素ピッチで重ね合わせがない場合と同等の電位差が確保できる。
同様に、図12はスポットサイズ60μmの場合、図13はスポットサイズ80μmの場合の電位コントラスト特性を示す。これらの場合の、スポットサイズと再現可能なスクリーンのラインのピッチをまとめると、図14に示すようなスポットサイズとラインピッチの関係特性のようになる。以上の例は、2400dpiの露光画素ピッチでラインの幅方向に4画素重ね合わせる場合であったが、表現する階調値によってこの重ね合わせの露光画素数は異なる。
このように、少なくともスクリーンのピッチに対してスポットサイズが小さければ、スクリーンを構成するラインを十分に露光した場合でも、画像のコントラストを確保できる。換言すれば、本発明の実施形態においては、2400dpiという比較的高密度の露光画素ピッチにおいても、階調スクリーンを構成するライン画像のピッチに比べて小さいスポットサイズであれば十分な階調表現が可能なことが示された。このため、必要以上にスポットサイズを小さくする必要がなく、各画素を結像させる光学系に対する要求も緩和できる。
以上の実施形態においては、600dpiの画素ピッチで画素を形成する場合に対して、本発明を適用した2400dpiの画像形成では、露光画素が4つ並ぶことになる。このため、2400dpiのピッチ10.6μmの3つ分、すなわち31.8μmだけ露光の光量分布、あるいは潜像が広がることになる。図12の例では、ほぼこの値まで潜像が広がっていることがわかる。一方元々スポットサイズが大きい図14の場合では、像の広がりはさほど大きくない。
例えば、図12に示したような192LPI(133μmピッチ)のラインを表現するためには、80μmのスポットサイズを実現できればよい。なお、以上の説明は階調スクリーンの再現性という観点から説明したものであって、階調性より細線の再現性を重視するような場合には、本発明の範囲内で適宜スポットサイズを小さく設定すればよい。
図12〜図14の説明で、従来の重ね合わせがない場合の1画素の露光時間は、1画素分の感光体の移動時間に比べて十分短い場合を説明している。1画素の露光時間が感光体の1画素移動時間と等しい、すなわち1画素期間全点灯する場合は、副走査方向においては、図12〜図14に示した本発明の実施形態における重ね合わせ露光と同様な電位分布となる。以上の実施形態では、斜め線の太さによって濃度階調を表現するラインのスクリーンを用いる場合について説明したが、網点状のドットの面積で濃度階調を表現するドットのスクリーンを用いる場合でも、同様のことが言える。ドットのスクリーンの場合、ドットの最小ピッチより、小さい直径のスポットサイズに設定すればよい。
図16は、本発明の実施形態にかかる制御部の概略構成を示すブロック図である。図16において、70はパーソナルコンピュータ(PC)などを用いたホストコンピュータで、画像データを作成し、プリンタの制御部71に設けられているプリンタコントローラ72に送信する。プリンタの制御部71には、プリンタコントローラ72の外に、ラインヘッド制御基板73、ラインヘッドの制御手段74が設けられている。ラインヘッドの制御手段74は、光量メモリ75を有している。
プリンタコントローラ72は、ホストコンピュータ70から送信された画像データに基づいて、各露光画素に対して、デジタルデータである2値データを作成してラインヘッド制御基板73に出力する。ラインヘッド制御基板73には、演算部が設けられている。ラインヘッド制御基板73の当該演算部は、光量メモリ75に蓄積されている画素毎の光量データと、前記プリンタコントローラ72から入力された2値データに基づいて、各露光画素に対する階調制御の2値データを作成する。
本発明の実施形態においては、屈折率分布型ロッドレンズアレイとしてセルフォックレンズアレイ(略称「SLA」、日本板硝子株式会社の商標)を結像光学系に使用する。このように、光学系にSLAを用いることにより、結像スポットを被露光面に精度良く形成することができる。
図17、図18は、このようなSLAを用いた例を示す説明図である。なお、図17、図18の光源部の配置は先に述べた図1(a)、図1(b)に対応している。図17において、ロッドレンズアレイ65は、ロッドレンズ65a〜65dを副走査方向に2列に千鳥状に配置している。128a〜128cは、各ライン内に複数の発光素子(露光画素)が配列された発光素子ラインである。
この例では、ロッドレンズアレイ65のセンターライン(中心軸)C.Lに対して対称の位置に、同じ大きさの発光素子からなる発光素子ライン128a〜128cを配置する。すなわち、発光素子ライン128aと128cは中心軸に対して対称の位置に配置される。このように、図10の例では、各発光素子ライン128a〜128cは、副走査方向に並列に3列配置されている。
また、発光素子ライン128aと128b間、128bと128c間の各発光素子ライン間の距離を等しく配置している。このため、各発光素子ラインを用いて画素の多重露光を行う際に、像担持体を移動させるタイミングと、前に発光した発光素子ラインから次の発光素子ラインに切り替えて発光させるタイミングをすべての発光素子ラインで同じタイミングとすることができるので、制御が簡単に行える。図17の例では、複数の発光素子ライン128a〜128cの中で、副走査方向に最も隔たった2つのライン(128aと128c)の間隔が、複数列のロッドレンズアレイの副走査方向のロッドレンズの中心間隔より小となっている。このような構成としているので、複数の発光素子ラインはロッドレンズアレイの副走査方向の範囲内に配列されることになり、良好な結像特性が得られる。
次に、本発明で使用する光学系について説明する。本発明においては、後で述べるように有機EL材料を発光部に用いることが適している。有機EL材料による発光部は塗布で形成されるので、発光部内での塗布ムラを生じないようにするためには円形の発光部が好ましい。本発明のラインヘッドの結像光学系には、前記したようにSLAが利用可能である。図15は、日本板硝子株式会社の品番SLA―20Dによる発光部直径と、結像スポット直径の関係を示す特性図である。SLAは等倍光学系であるが、図15ではスポットサイズが1/e2の直径で示してあるので、発光部の直径より大きくなっている。スポットサイズを光量分布のピーク値に対する半値で定義すれば、ほぼ発光部の直径と等しくなることがわかっている。
従って、既に示したスポットサイズを実現するために必要な発光部の直径は、図15より求めることができる。例えば、直径60μm以下のスポットサイズを得るためには、発光部の直径はφ35μm以下にすればよいことがわかる。よって、例えばこの発光部を2400dpi、すなわち10.6μmピッチで1列に配置することはできないので、図1や図17、図18に示すように多列に発光部を配置する。なお図15で示した関係は、SLAによる結像の一番小さくなる、すなわち一番ピントがあった状態を示しているので、実際にはさらにピントのずれを見込んでさらに発光部の大きさを小さくすることが望ましい。図1(a)あるいは図1(b)の説明においては、このことを考慮して、図15よりスポットサイズを小さめに設定してある。
図18は、本発明の他の実施形態に係る説明図である。この例では、5列の発光素子ライン128d〜128hを配置している。図18の例では、複数の発光素子ライン128d〜128hの中で、副走査方向に最も隔たった2つのライン(128dと128h)の間隔が、2列のロッドレンズアレイの副走査方向の中心間隔より小となっている。図18に示したように、本発明において、発光素子ラインは、ロッドレンズアレイの中心軸に対して対称となる位置に配置する。発光素子は、二次元的に並列配置する他に、千鳥状の配置とすることもできる。いずれの場合も、発光素子ラインをロッドレンズアレイの中心軸上に配置することができる。また、各発光素子ラインは、等距離で配置する他に、異なる距離で配置することもできる。
図17に示したような、副走査方向に2列のSLAを配列した構成では、2列のSLAの中央付近で良好な結像特性が得られる。また、SLAの副走査方向の範囲内の位置に、3列以上に発光素子ラインを配列する。この場合に、3列以上の発光素子ラインの幅(副走査方向の範囲)は、100μm以内とする。
ところで、SLAは収差的な問題から、等倍光学系でありながら、光源と同じ大きさの像を結像面に再現することは困難である。例えば、発光部の直径が直径20μmであっても、スポットサイズは前記のように60μm程度にしかならない。また、例え小さな結像スポットが得られても、2層感光体では電荷の移動に伴う静電潜像の「にじみ」が発生する。しかしながら、それでもなお発光部の直径は、発光部のピッチ比べてはるかに大きいので、1列に配列することは困難で、配線の通る隙間や発光部の分離を考慮すると、既に述べたように2列以上の多数列に千鳥状に配列せざるを得ない。
また、この種の画像形成装置においては、現像するトナーの粒径はさほど小さくできない。現像方式によるが、トナーを像担持体に付着させる段階でも、トナーの散りなどが発生する。その他転写時の散りや、定着時のトナーの変形など、いずれも画像の解像度を低下させる方向にしか寄与しない。このため、むやみに微小な結像スポットを求めることは、光学系のピントの管理が厳しくなり、光学系の誤差の影響を受けやすくなるだけとなり、実質的なメリットは少ない。そこで、本発明の実施形態においては、スポット径を小さくするのではなく、露光画素密度を微細にすることにより階調の表現をしている。例えば、従来の600dpi、1200dpiと比較して、より微細な、2400dpi、または4800dpiとすることにより、換言すれば、各光源(露光画素)が露光面に結像してできる前記結像スポットの直径が、露光画素のピッチより大きくなるように形成して、階調の表現をしている。
ここで、副走査方向の解像度はタイミングだけで制御できるので、主走査方向よりも高くしてもよい。例えば主走査方向には1200dpiで画素を配列し、副走査方向には4800dpiで配列したとする。この場合には、600dpiの画素に対して、2×8=16の露光画素が対応するので16階調の十分な階調性を得ることができる。
本発明の実施形態においては、画素ピッチに対してスポットサイズが大きく設定されている。このため、画素ピッチに応じた画像の解像度を得ることは困難である。しかしながら、露光画素の位置決めの分解能は高いので、画像の輪郭を滑らかにすることができる。
また、有機EL素子を用いる場合に、本発明では発光部の直径を小さくしなくてよいので、発光部の光パワーを大きく取ることができる。このため、発光効率の高くない有機EL材料でも使用可能となる。本発明では、通常のラインヘッドに比べて高密度に露光画素を配するので、画素の数は飛躍的に増加する。従来用いられてきたLEDを光源とするラインヘッドに本発明を適用することも可能であるが、多数のLEDが設けられたLEDアレイチップを基板上に位置精度よく実装し、かつ通常より画素数が多いためにチップと基板を接続するボンディングの数も増加するため、製造が難しくなる。
これに対して有機EL素子を光源に用いる場合には、ガラス基板上に1度に多数の画素を高密度かつ高精度に形成できるので本発明の実施形態として最適である。また、本発明では、画素毎の階調制御回路や光量補正回路が必要なく、各画素の点灯/消灯を制御するだけの駆動回路でよいので、回路構成が簡単になり、発光部と同一のガラス基板上に薄膜トランジスタで駆動回路を作ることが容易になる。薄膜トランジスタは、アモルファスシリコン、低温ポリシリコン、高温ポリシリコン、有機トランジスタなど種種のものが利用できる。
本発明のラインヘッドは、画素数が極めて多いので、画素をいくつかの群に分けて、時分割駆動を行うことも有用である。その場合でも、上記のように各画素をオンオフの2値で制御するだけでよいので、回路構成が極めて簡素にできる。
本発明の光源(露光画素)として、有機EL素子について説明した。本発明の実施形態においては、それ以外でも、光源(露光画素)として、例えば、LED、蛍光管、各種シャッターアレイなどを適用することが可能である。
本発明の「露光画素」も、複数個多重露光することで初めて画像を形成できるが、あくまで個別の変調情報によって駆動される独立した画素である。また本発明においても、副走査方向に複数列に発光素子ラインが形成されているが、副走査方向の位置の差と感光体の速度に応じて、点灯するタイミングを変えることで、感光体上では形成される潜像が一列に並ぶように制御される。すなわち2値ではあるが高解像度の画素として機能するので、画像位置の分解能や、輪郭のスムーズさは従来よりも飛躍的に高まる。
本発明の実施形態においては、4つの感光体に4つのラインヘッドで露光し、4色の画像を同時に形成し、1つの無端状中間転写ベルト(中間転写媒体)に転写する、タンデム式カラープリンター(画像形成装置)に用いるラインヘッドを対象としている。図19は、発光素子として有機EL素子を用いたタンデム式画像形成装置の一例を示す縦断側面図である。この画像形成装置は、同様な構成の4個の有機EL素子アレイ露光ヘッド101K、101C、101M、101Yを、対応する同様な構成である4個の感光体ドラム(像担持体)41K、41C、41M、41Yの露光位置にそれぞれ配置したものであり、タンデム方式の画像形成装置として構成されている。
図19に示すように、この画像形成装置は、駆動ローラ51xと従動ローラ52とテンションローラ53が設けられており、テンションローラ53によりテンションを加えて張架されて、図示矢印方向(反時計方向)へ循環駆動される中間転写ベルト(中間転写媒体)50を備えている。この中間転写ベルト50に対して所定間隔で配置された4個の像担持体としての外周面に感光層を有する感光体41K、41C、41M、41Yが配置される。
前記符号の後に付加されたK、C、M、Yはそれぞれ黒、シアン、マゼンタ、イエローを意味し、それぞれ黒、シアン、マゼンタ、イエロー用の感光体であることを示す。他の部材についても同様である。感光体41K、41C、41M、41Yは、中間転写ベルト50の駆動と同期して図示矢印方向(時計方向)へ回転駆動される。各感光体41(K、C、M、Y)の周囲には、それぞれ感光体41(K、C、M、Y)の外周面を一様に帯電させる帯電手段(コロナ帯電器)42(K、C、M、Y)と、この帯電手段42(K、C、M、Y)により一様に帯電させられた外周面を感光体41(K、C、M、Y)の回転に同期して順次ライン走査する本発明の上記のような有機EL素子アレイ露光ヘッド(ラインヘッド)101(K、C、M、Y)が設けられている。
また、この有機EL素子露光ヘッド101(K、C、M、Y)で形成された静電潜像に現像剤であるトナーを付与して可視像(トナー像)とする現像装置44(K、C、M、Y)と、この現像装置44(K、C、M、Y)で現像されたトナー像を一次転写対象である中間転写ベルト50に順次転写する転写手段としての一次転写ローラ45(K、C、M、Y)と、転写された後に感光体41(K、C、M、Y)の表面に残留しているトナーを除去するクリーニング手段としてのクリーニング装置46(K、C、M、Y)とを有している。
ここで、各有機EL素子アレイ露光ヘッド101(K、C、M、Y)は、有機EL素子アレイ露光ヘッド101(K、C、M、Y)のアレイ方向が感光体ドラム41(K、C、M、Y)の母線に沿うように設置される。そして、各有機EL素子アレイ露光ヘッド101(K、C、M、Y)の発光エネルギーピーク波長と、感光体41(K、C、M、Y)の感度ピーク波長とは略一致するように設定されている。
現像装置44(K、C、M、Y)は、例えば、現像剤として非磁性一成分トナーを用いるもので、その一成分現像剤を例えば供給ローラで現像ローラへ搬送し、現像ローラ表面に付着した現像剤の膜厚を規制ブレードで規制し、その現像ローラを感光体41(K、C、M、Y)に接触あるいは押厚させることにより、感光体41(K、C、M、Y)の電位レベルに応じて現像剤を付着させることによりトナー像として現像するものである。
このような4色の単色トナー像形成ステーションにより形成された黒、シアン、マゼンタ、イエローの各トナー像は、一次転写ローラ45(K、C、M、Y)に印加される一次転写バイアスにより中間転写ベルト50上に順次一次転写され、中間転写ベルト50上で順次重ね合わされてフルカラーとなったトナー像は、二次転写ローラ66において用紙等の記録媒体Pに二次転写され、定着部である定着ローラ対61を通ることで記録媒体P上に定着され、排紙ローラ対62によって、装置上部に形成された排紙トレイ68上へ排出される。
なお、図19中、63は多数枚の記録媒体Pが積層保持されている給紙カセット、64は給紙カセット63から記録媒体Pを一枚ずつ給送するピックアップローラ、65xは二次転写ローラ66の二次転写部への記録媒体Pの供給タイミングを規定するゲートローラ対、66は中間転写ベルト50との間で二次転写部を形成する二次転写手段としての二次転写ローラ、69は二次転写後に中間転写ベルト50の表面に残留しているトナーを除去するクリーニング手段としてのクリーニングブレードである。
図20は、像書込手段101を拡大して示す概略の斜視図である。図20において、有機EL素子アレイ81は、長尺のハウジング80中に保持されている。長尺のハウジング80の両端に設けた位置決めピン89をケースの対向する位置決め穴に嵌入させると共に、長尺のハウジング80の両端に設けたねじ挿入孔88を通して固定ねじをケースのねじ穴にねじ込んで固定することにより、各像書込手段101が所定位置に固定される。
像書込手段101は、ガラス基板82上に有機EL素子アレイ81の発光素子(有機EL素子)83を載置し、同じガラス基板82上に形成された駆動回路85により駆動される。屈折率分布型ロッドレンズアレイ(SLA)65は結像光学系を構成し、発光素子83の前面に配置される屈折率分布型ロッドレンズ84を俵積みしている。ロッドレンズアレイ65には、前記のような「セルフォック(登録商標)レンズアレイ」(略称SLA、日本板硝子株式会社の商標名)が多用されている。
有機EL素子アレイ81から射出された光ビームは、SLA65により等倍正立像として被走査面に結像する。このように、ガラス基板82上に有機EL素子83を配列しているので、発光素子の光量を損なうことなく像担持体に照射することができる。また、有機EL素子は静的な制御が可能であるので、ラインヘッドの制御系を簡略化できる。本発明においては、図19、図20に示されたようなタンデム方式の画像形成装置において、階調表現を簡略な手段で実現できる。
図21は、異なる画像形成装置の縦断側面図である。図21において、画像形成装置160には主要構成部材として、ロータリ構成の現像装置161、像担持体として機能する感光体ドラム165、有機ELアレイが設けられている像書込手段(ラインヘッド)167、中間転写ベルト169、用紙搬送路174、定着器の加熱ローラ172、給紙トレイ178が設けられている。
現像装置161は、現像ロータリ161aが軸161bを中心として矢視A方向に回転する。現像ロータリ161aの内部は4分割されており、それぞれイエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(K)の4色の像形成ユニットが設けられている。162a〜162dは、前記4色の各像形成ユニットに配置されており、矢視B方向に回転する現像ローラ、163a〜163dは、矢視C方向に回転するトナ−供給ローラである。また、164a〜164dはトナーを所定の厚さに規制する規制ブレードである。
165は、前記のように像担持体として機能する感光体ドラム、166は一次転写部材、168は帯電器、167は像書込手段で有機ELアレイが設けられている。感光体ドラム165は、図示を省略した駆動モータ、例えばステップモータにより現像ローラ162aとは逆方向の矢視D方向に駆動される。中間転写ベルト169は、従動ローラ170bと駆動ローラ170a間に張架されており、駆動ローラ170aが前記感光体ドラム165の駆動モータに連結されて、中間転写ベルトに動力を伝達している。当該駆動モータの駆動により、中間転写ベルト169の駆動ローラ170aは感光体ドラム165とは逆方向の矢視E方向に回動される。
用紙搬送路174には、複数の搬送ローラと排紙ローラ対176などが設けられており、用紙を搬送する。中間転写ベルト169に担持されている片面の画像(トナー像)が、二次転写ローラ171の位置で用紙の片面に転写される。二次転写ローラ171は、クラッチにより中間転写ベルト169に離当接され、クラッチオンで中間転写ベルト169に当接されて用紙に画像が転写される。
上記のようにして画像が転写された用紙は、次に、定着ヒータHを有する定着器で定着処理がなされる。定着器には、加熱ローラ172、加圧ローラ173が設けられている。定着処理後の用紙は、排紙ローラ対176に引き込まれて矢視F方向に進行する。この状態から排紙ローラ対176が逆方向に回転すると、用紙は方向を反転して両面プリント用搬送路175を矢視G方向に進行する。177は電装品ボックス、178は用紙を収納する給紙トレイ、179は給紙トレイ178の出口に設けられているピックアップローラである。用紙搬送路において、搬送ローラを駆動する駆動モータは、例えば低速のブラシレスモータが用いられる。また、中間転写ベルト169は色ずれ補正などが必要となるのでステップモータが用いられている。これらの各モータは、図示を省略している制御手段からの信号により制御される。
図の状態で、イエロー(Y)の静電潜像が感光体ドラム165に形成され、現像ローラ62aに高電圧が印加されることにより、感光体ドラム165にはイエローの画像が形成される。イエローの裏側および表側の画像がすべて中間転写ベルト169に担持されると、現像ロータリ161aが矢視A方向に90度回転する。中間転写ベルト169は1回転して感光体ドラム165の位置に戻る。次にシアン(C)の2面の画像が感光体ドラム165に形成され、この画像が中間転写ベルト169に担持されているイエローの画像に重ねて担持される。以下、同様にして現像ロータリ161の90度回転、中間転写ベルト169への画像担持後の1回転処理が繰り返される。
4色のカラー画像担持には中間転写ベルト169は4回転して、その後に更に回転位置が制御されて二次転写ローラ171の位置で用紙に画像を転写する。給紙トレイ178から給紙された用紙を搬送路174で搬送し、二次転写ローラ171の位置で用紙の片面に前記カラー画像を転写する。片面に画像が転写された用紙は前記のように排紙ローラ対176で反転されて、搬送径路で待機している。その後、用紙は適宜のタイミングで二次転写ローラ171の位置に搬送されて、他面に前記カラー画像が転写される。ハウジング180には、排気ファン181が設けられている。本発明においては、図14に示されたようなロータリ方式の画像形成装置において、階調表現を簡略な手段で実現できる。
以上、本発明のラインヘッドおよびそれを用いた画像形成装置について実施例に基づいて説明したが、本発明はこれら実施例に限定されず種々の変形が可能である。
1…画像形成装置、6…画像形成ユニット、9…転写ベルトユニット、16…中間転写ベルト、17…クリーニング手段、20…像担持体、21…一次転写部材、22…帯電手段、23…像書込手段(ラインヘッド)、24…現像手段、33…現像ローラ、60…ハウジング(ホルダ)、62…基板、63…画像形成用の発光素子、65…屈折率分布型ロッドレンズアレイ(SLA)、74…ラインヘッドの制御手段、84…屈折率分布型ロッドレンズ、90…露光画素、91…スポット径、93…出力画像、94、128a〜128d…発光素子ライン、Lx、Ly・・・スクリーン