JP5077950B2 - 分散液、透明導電膜形成用組成物、透明導電膜及びディスプレイ - Google Patents

分散液、透明導電膜形成用組成物、透明導電膜及びディスプレイ Download PDF

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Description

本発明は分散液、透明導電膜形成用組成物、透明導電膜及びディスプレイに関し、より詳しくは、プラスチック、金属、木材、紙、ガラス、スレート等の各種基材の表面に透明性に優れ且つ高屈折率を有する透明導電膜を形成し得る透明導電膜形成用組成物、該組成物から得られる透明性に優れ且つ高屈折率を有する透明導電膜及び透明導電膜を有するディスプレイ、並びにそのような透明導電膜形成用組成物の調製に用いられる保存安定性に優れた分散液に関する。
液晶ディスプレイ、陰極管表示装置などの画像表示装置及び光学製品には反射防止膜が使用されている。この反射防止膜には、高い透明性及び低い反射率の特性に加え、耐擦傷性及び埃やゴミなどの異物の付着を防止する機能が要求されている。そのため、反射防止膜の高屈折率層には、高い透明性及び高い屈折率特性に加え、優れた耐擦傷性及び帯電防止特性が求められている。
反射防止膜の高屈折率層に帯電防止特性を付与する手段として、界面活性剤、導電性ポリマー又は導電性金属酸化物の添加等の方法が挙げられ、永久帯電防止効果及び高い屈折率を有する膜を作製するという目的を考慮した場合に高屈折率金属酸化物微粒子及び導電性金属酸化物微粒子を使用する方法が一般的となっている。そのような高屈折率金属酸化物微粒子及び導電性金属酸化物微粒子を調製する方法としては、樹脂溶液又は溶剤にキレート剤を配合し、その配合物中に無機酸化物を分散させる方法がある(例えば、特許文献1及び2参照)。
特開2001−139847号公報 特開2001−139889号公報
上記の用途に用いられる高屈折率導電性粒子分散液及び高屈折率透明導電膜形成用組成物については、高屈折率金属酸化物微粒子及び導電性金属酸化物微粒子のそれぞれの粒子径が小さく且つ分散液が保存安定性に優れていることが求められている。上記の特許文献1及び2に記載されているキレート剤は金属とキレートを形成するので、分散処理過程で使用される金属製機器や塗布機材を腐食させるという問題がある。
本発明は上記の問題に鑑みてなされたものであり、(1)基材の表面に透明性に優れ且つ高屈折率、帯電防止機能を有する透明導電膜を形成することができ、分散処理過程で使用される金属製機器や塗布機材を腐食させることのない透明導電膜形成用組成物、(2)該透明導電膜形成用組成物から得られる透明性に優れ且つ高屈折率及び帯電防止機能を有する透明導電膜、(3)該透明導電膜を有するディスプレイ、及び(4)そのような透明導電膜形成用組成物の調製に用いられる保存安定性に優れた分散液を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の諸目的を達成するために鋭意検討した結果、分散媒中に高屈折率金属酸化物微粒子、導電性金属酸化物微粒子及びアルコキシドを含まない金属錯体を分散させるが水分を3質量%以下にすることにより、また、そのような分散液を用いることにより、目的とする効果が得られることを見出し、本発明を完成した。
即ち、本発明の分散液は、屈折率が1.8以上の高屈折率金属酸化物、導電性金属酸化物、アルコキシドを含まない金属錯体及び分散媒からなり、水分が3質量%以下であることを特徴とし、好ましくは、高屈折率金属酸化物100質量部当たり、導電性金属酸化物の含有量が30〜900質量部、金属錯体の含有量が3〜450質量部及び分散媒の含有量が60〜9000質量部である分散液である。
本発明の透明導電膜形成用組成物は、屈折率が1.8以上の高屈折率金属酸化物、導電性金属酸化物、アルコキシドを含まない金属錯体、活性エネルギー線硬化性化合物、光重合開始剤及び分散媒からなり、水分が3質量%以下であることを特徴とし、好ましくは、高屈折率金属酸化物100質量部当たり、導電性金属酸化物の含有量が30〜900質量部、金属錯体の含有量が3〜450質量部及び分散媒の含有量が60〜70000質量部及び活性エネルギー線硬化性化合物の含有量が14〜10000質量部であり、且つ活性エネルギー線硬化性化合物100質量部当り光重合開始剤の含有量が0.1〜20質量部である透明導電膜形成用組成物である。
本発明の透明導電膜は、上記の透明導電膜形成用組成物を基材上に塗布又は印刷し、光照射により硬化させて得られるものであることを特徴とし、好ましくは、屈折率が1.55〜1.90であり、光透過率が85%以上であり、ヘーズが1.5%以下であり且つ表面抵抗値が1012Ω/□以下である透明導電膜であり、更に本発明のディスプレイは表示面に該透明導電膜を有することを特徴とする。
本発明により、(1)基材の表面に透明性に優れ且つ高屈折率、帯電防止機能を有する透明導電膜を形成することができ、分散処理過程で使用される金属製機器や塗布機材を腐食させることのない光硬化性透明導電膜形成用組成物、(2)該透明導電膜形成用組成物から得られる透明性に優れ且つ高屈折率及び帯電防止機能を有する透明導電膜、(3)該透明導電膜を有するディスプレイ、及び(4)そのような透明導電膜形成用組成物の調製に用いられる保存安定性に優れた分散液が提供される。
以下に本発明の実施の形態を具体的に説明する。
本発明の分散液は、屈折率が1.8以上の高屈折率金属酸化物、導電性金属酸化物、アルコキシドを含まない金属錯体及び分散媒を含有しており、水分が3質量%以下である。本発明で用いる高屈折率金属酸化物及び導電性金属酸化物の形状については特に限定されない。また、高屈折率金属酸化物及び導電性金属酸化物の大きさについては、一次粒子径で、通常、1〜100nm、好ましくは5〜40nmのものを使用することができる。
本発明で用いる高屈折率金属酸化物は、形成される透明導電膜の屈折率を制御するために添加するものであり、屈折率が1.8〜3.0の高屈折率金属酸化物を用いることが好ましい。なお、個々の金属酸化物の屈折率は材料固有の値であり、種々の文献に記載されている。屈折率が1.8未満の金属酸化物を用いた場合には高屈折率の膜が得られず、また、屈折率が3.0を超える金属酸化物を用いた場合には膜の透明性が低下する傾向がある。本発明で用いる高屈折率金属酸化物の種類については目的を達成できるものであれば特に限定されず、市販品等の公知のものを用いることができる。例えば、酸化ジルコニウム(n=2.4)、酸化チタン(n=2.76)及び酸化セリウム(n=2.2)等を用いることができる。これらの高屈折率金属酸化物は1種類のみを用いても2種類以上を併用してもよい。
本発明で用いる導電性金属酸化物の種類については目的を達成できるものであれば特に限定されず、市販品等の公知のものを用いることができる。例えば、ITO、ATO、酸化錫、酸化亜鉛、酸化インジウム、アンチモン酸亜鉛、五酸化アンチモン等を用いることができる。酸化錫についてはリンなどの元素をドープしたものを用いることもできる。酸化亜鉛についてはガリウムやアルミニウムをドープしたものを用いることもできる。これらの導電性金属酸化物は1種類のみを用いても2種類以上を併用してもよい。
アルコキシドを含む金属錯体を用いた場合にはアルコキシドが溶剤に含まれる水分または空気中の水分と経時的に反応し、分散液及び透明導電膜形成用組成物の保存安定性及び膜特性を低下させるので、本発明においてはアルコキシドを含まない金属錯体を用いる。本発明で用いるアルコキシドを含まない金属錯体として、ジルコニウム、チタン、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、バナジウム、アルミニウム、亜鉛、インジウム、錫及び白金からなる群から選ばれる金属、好ましくは分散液の色味が少ない点でジルコニウム、チタン、アルミニウム、亜鉛、インジウム及び錫からなる群から選ばれる金属と、β−ケトンからなる群から選ばれる配位子、好ましくはピバロイルトリフルオルアセトン、アセチルアセトン、トリフルオルアセチルアセトン及びヘキサフルオルアセチルアセトンからなる群から選ばれる配位子とからなる金属錯体を挙げることができる。
本発明においては、金属錯体は分散剤として機能するので、分散液の保存安定性に優れた分散液を得ることができる。また、金属錯体は分散過程で使用される金属製機器や塗布機材を腐食することは殆どない。
なお、分散液の保存安定性をより向上させる目的で、分散助剤としてさらに他の分散剤を添加してもよい。そのような分散助剤の種類は、特に限定されないが、そのような分散助剤として、好ましくは、ポリオキシエチレンアルキル構造を有するリン酸エステル系分散剤を挙げることができる。
本発明の分散液及び透明導電膜形成用組成物においては、含有される金属酸化物粒子の粒子径が経時的に大きくなるのを防止するために、含まれる水分量を3質量%以下、好ましくは1質量%以下、より好ましくは0.5質量%以下にする。それで、本発明で用いる分散媒として、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ノルマルブタノール、2−ブタノール、オクタノール等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン等のケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチル、γ−ブチロラクトン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のエステル類;エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル等のエーテル類;ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素類;ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアミド類等を挙げることができる。それらの中でも、エタノール、イソプロパノール、ノルマルブタノール、2−ブタノール、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン、酢酸エチル、酢酸ブチル、トルエン、キシレン、エチルベンゼンが好ましく、メチルエチルケトン、ブタノール、キシレン、エチルベンゼン、トルエンがより好ましい。本発明においては、分散媒として一種単独で用いることも、二種以上を併用することもできる。
本発明の分散液においては、各成分の配合割合は分散液の用途に応じて適宜設定できるが、高屈折率金属酸化物100質量部当り、導電性金属酸化物の含有量は好ましくは30〜900質量部、より好ましくは40〜500質量部、金属錯体の含有量は好ましくは3〜450質量部、より好ましくは7〜200質量部であり、分散媒の含有量は好ましくは60〜9000質量部、より好ましくは100〜5000質量部である。導電性金属酸化物の量が上記の下限値より少ない場合には形成される膜の屈折率は高くなるが、導電性が低下する。逆に導電性金属酸化物の量が上記の上限値より高い場合には形成される膜の導電性は高くなるが屈折率は低下する。また、金属錯体の量が上記の下限値より少ない場合には高屈折率金属酸化物粒子及び導電性金属酸化物粒子の分散が不良となり、上記の上限値より多い場合には金属錯体が分散媒中に溶解せず、沈殿が生じることがある。また、分散媒の量が上記の下限値より少ない場合には金属錯体の溶解、高屈折率金属酸化物粒子及び導電性金属酸化物粒子の分散が不十分となり、上記の上限値より多い場合には高屈折率金属酸化物粒子及び導電性金属酸化物粒子の濃度が薄すぎて実用的でなくなる。
本発明の分散液は、高屈折率金属酸化物、導電性金属酸化物、金属錯体及び分散媒を任意の順序で添加し、充分に混合することにより製造することができる。また、高屈折率金属酸化物、金属錯体及び分散媒からなる分散液と導電性金属酸化物、金属錯体及び分散媒からなる分散液を混合して製造することもできる。普通には、金属錯体を溶解した分散媒中に高屈折率金属酸化物、導電性金属酸化物を分散させて製造する。分散操作を行う前にはプレ分散操作を行うとなおよい。プレ分散操作は、金属錯体を溶解した分散媒中に、ディスパー等で撹拌しながら、高屈折率金属酸化物及び導電性金属酸化物を徐々に加えていき、高屈折率金属酸化物及び導電性金属酸化物の塊が目視で確認されなくなるまでよく撹拌すればよい。
高屈折率金属酸化物及び導電性金属酸化物の分散操作は、ペイントシェーカー、ボールミル、サンドミル、セントリミル等を用いて行うことができる。分散操作の際に、ガラスビーズ、ジルコニアビーズ等の分散ビーズを用いることが好ましい。ビーズ径は、特に限定されないが、通常0.05〜1mm程度であり、好ましくは0.05〜0.65mmであり、より好ましくは0.08〜0.65mmであり、特に好ましくは0.08〜0.5mmである。
本発明の分散液においては、高屈折率金属酸化物及び導電性金属酸化物の粒子径はメジアン径で好ましくは120nm以下、さらに好ましくは80nm以下である。メジアン径がそれ以上であると、高屈折率透明導電膜形成用組成物から得られる透明導電膜のヘーズが高くなる傾向がある。
本発明の分散液は、高屈折率金属酸化物粒子及び導電性金属酸化物粒子が長期にわたり安定に分散しており、また、金属を腐食させるキレート剤を含有していないため、金属製の容器に保管が可能である。
本発明の分散液は、保護膜形成用組成物、反射防止膜形成用組成物、接着剤、シーリング材、バインダー材等に含ませて用いることができ、特に高屈折率の反射防止膜を形成する組成物に好適に用いることができる。
本発明の透明導電膜形成用組成物は、高屈折率金属酸化物、導電性金属酸化物、アルコキシドを含まない金属錯体、活性エネルギー線硬化性化合物、光重合開始剤及び分散媒を含有しており、水分が3質量%以下であり、高屈折率金属酸化物、導電性金属酸化物、金属錯体及び分散媒は上記した通りである。
本発明で用いる活性エネルギー線硬化性化合物としてラジカル重合性モノマー、ラジカル重合性オリゴマー等を挙げることができる。ラジカル重合性モノマーの具体例として、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールポリテトラメチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート等の単官能(メタ)アクリレート;エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、アリルジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ポリエチレンオキサイド変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ビスフェノールSジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールSジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート等の二官能(メタ)アクリレート;トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、グリセロールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、エチレン変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の三官能以上の(メタ)アクリレート;スチレン、ビニルトルエン、酢酸ビニル、N−ビニルピロリドン、アクリロニトリル、アリルアルコール等のラジカル重合性モノマーを挙げることができる。
ラジカル重合性オリゴマーの具体例として、ポリエステル(メタ)アクリレート、ポリウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート、オリゴ(メタ)アクリレート、アルキド(メタ)アクリレート、ポリオール(メタ)アクリレート、シリコーン(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリロイル基を少なくとも1個有するプレポリマーを挙げることができる。特に好ましいラジカル重合性オリゴマーは、ポリエステル、エポキシ、ポリウレタンの各(メタ)アクリレートである。本発明においては活性エネルギー線硬化性化合物は一種単独で用いることも、二種以上を併用することもできる。
本発明の透明導電膜形成用組成物においては、光重合開始剤(光増感剤)を含有するので、少量の活性エネルギー線の照射で透明導電膜形成用組成物を硬化させることができる。
本発明で用いる光重合開始剤(光増感剤)として、例えば、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ベンゾフェノン、ベンジルジメチルケトン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、p−クロロベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4−メチルジフェニルサルファイド、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパノン−1を挙げることができる。光重合開始剤は一種単独で用いることも、二種以上を併用することもできる。
本発明の透明導電膜形成用組成物においては、各成分の配合割合は透明導電膜形成用組成物の用途に応じて適宜設定できるが、高屈折率金属酸化物100質量部当り、導電性金属酸化物の含有量は好ましくは30〜900質量部、より好ましくは40〜500質量部、金属錯体の含有量は好ましくは3〜450質量部、より好ましくは7〜200質量部であり、分散媒の含有量は好ましくは60〜70000質量部、より好ましくは100〜50000質量部であり、活性エネルギー線硬化性化合物の含有量は好ましくは14〜10000質量部、より好ましくは35〜2000質量部であり、且つ活性エネルギー線硬化性化合物100質量部当り光重合開始剤の含有量は好ましくは0.1〜20質量部、より好ましくは1〜15質量部である。
導電性金属酸化物の量が上記の下限値より少ない場合には形成される膜の屈折率は高くなるが、導電性が低下する。逆に導電性金属酸化物の量が上記の上限値より高い場合には形成される膜の導電性は高くなるが屈折率は低下する。金属錯体の量が上記の下限値より少ない場合には高屈折率金属酸化物粒子及び導電性金属酸化物粒子の分散が不良となる傾向があり、上記の上限値より多い場合には金属錯体が分散媒中に溶解せず、沈殿が生じることがある。分散媒の量が上記の下限値より少ない場合には金属錯体の溶解、高屈折率金属酸化物粒子及び導電性金属酸化物粒子の分散が不十分となる傾向があり、上記の上限値より多い場合には高屈折率透明導電性粒子分散液の濃度が薄すぎて実用的でなくなる。活性エネルギー線硬化性化合物の量が上記の下限値より少ない場合には透明導電膜の屈折率が高くなるが透明性が低下する傾向があり、上記の上限値より多い場合には透明導電膜の屈折率が所望程度には高くならず、帯電防止機能も不十分となる。また、光重合開始剤の量が上記の下限値より少ない場合には光硬化性組成物の硬化速度が低下する傾向があり、上記の上限値よりも多くてもそれに見合った効果が得られない。
更に、本発明の透明導電膜形成用組成物には、その目的を損なわない範囲内で、上記以外の慣用の各種添加剤を配合してもよい。このような添加剤として、重合禁止剤、硬化触媒、酸化防止剤、レベリング剤、カップリング剤等を挙げることができる。
本発明の透明導電膜形成用組成物は、プラスチック(ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリエステル、ポリオレフィン、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、トリアセチルセルロース樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ABS樹脂、AS樹脂、ノルボルネン系樹脂等)、金属、木材、紙、ガラス、スレート等の各種基材の表面に塗布又は印刷し、硬化させて膜を形成することができ、例えば、プラスチック光学部品、タッチパネル、フィルム型液晶素子、プラスチック容器、建築内装材としての床材、壁材、人工大理石等の傷付き(擦傷)防止や汚染防止のための保護コーティング材;フィルム型液晶素子、タッチパネル、プラスチック光学部品等の反射防止膜;各種基材の接着剤、シーリング材;印刷インクのバインダー材等に用いられ、特に反射防止膜の高屈折率膜を形成する組成物として好適に用いることができる。
基材への透明導電膜形成用組成物の塗布又は印刷は常法に従って、例えば、ロールコート、スピンコート、スクリーン印刷などの手法で行うことができる。必要により加熱して分散媒(溶媒)を蒸発させ、塗膜を乾燥させ、次いで、活性エネルギー線(紫外線又は電子線)を照射する。活性エネルギー線源としては、低圧水銀灯、高圧水銀灯、メタルハライドランプ、キセノンランプ、エキシマレーザー、色素レーザーなどの紫外線源、ならびに電子線加速装置を使用することができる。活性エネルギー線の照射量は、紫外線の場合には50〜3000mJ/cm2、電子線の場合には0.2〜1000μC/cm2の範囲内が適当である。この活性エネルギー線の照射により、上記活性エネルギー線硬化性化合物が重合し、高屈折率金属酸化物粒子及び導電性金属酸化物粒子が樹脂で結合された膜が形成される。この膜の膜厚は一般的に0.1〜10.0μmの範囲内であることが好ましい。
本発明の分散液で調製した透明導電膜形成用組成物を硬化させて得られる本発明の透明導電膜は、高屈折率金属酸化物粒子及び導電性金属酸化物粒子が透明導電膜内で均一に分散していて、屈折率の制御が可能でしかも屈折率が高く、透明性が高く、ヘーズが低く、具体的には屈折率が1.55〜1.90であり、光透過率が85%以上であり、ヘーズが1.5%以下である。屈折率を制御するためには高屈折率金属酸化物粒子及び導電性金属酸化物粒子の量と活性エネルギー線硬化性化合物の量との比率を調整すればよい。透明導電膜は、ディスプレイの表示面等に用いることができる。
以下に、実施例及び比較例により本発明を具体的に説明する。なお、実施例及び比較例において「部」は全て「質量部」である。
実施例及び比較例で使用した成分は以下の通りである。
<高屈折率金属酸化物>
酸化ジルコニウム(屈折率2.4、一次粒子径0.02μm)
酸化チタン(屈折率2.76、一次粒子径0.02μm)
<導電性金属酸化物>
ATO(屈折率2.0、粉体抵抗10Ω・cm、一次粒子径0.06μm)
酸化錫(屈折率2.0、粉体抵抗100Ω・cm、一次粒子径0.06μm)
酸化亜鉛(屈折率1.95、粉体抵抗100Ω・cm、一次粒子径0.06μm)
<金属錯体>
ジルコニウムアセチルアセトナート([Zr(C572)4])
チタンアセチルアセトナート([Ti(C572)4])
アルミニウムアセチルアセトナート([Al(C572)3])
亜鉛アセチルアセトナート([Zn(C572)2])
インジウムアセチルアセトナート([In(C572)3])
ジブチル−錫ビスアセチルアセトナート([(C49)2Sn(C572)2])
トリブトキシ−ジルコニウムモノアセチルアセトナート([(C49O)3Zr(C572)])
<分散助剤>
ビックケミージャパン(株)製、BYK−142(NV. 60%以上)
<活性エネルギー線硬化性化合物(多官能(メタ)アクリレートモノマー)>
日本化薬(株)製、KAYARAD DPHA(ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートとジペンタエリスリトールペンタアクリレートとの質量比60対40の混合物)
<光重合開始剤>
チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製、IRGACURE 184
<キレート剤>
ダイセル化学工業(株)製、アセチルアセトン
実施例1
酸化ジルコニウム100部に対し、100部の酸化錫、40部のジルコニウムアセチルアセトナート、500部の2−ブタノール及び800部のガラスビーズとなる量で全成分を容器に入れ、ペイントシェーカーで7時間練合した。練合後、ガラスビーズを取り除いて分散液を得た。この分散液に86部のDPHA、4.3部のIRGACURE184及び130部の2−ブタノールを加えて光硬化性組成物を得た。ロールコーターを用いてこの光硬化性組成物を膜厚75μmのPETフィルム(東洋紡A4300、光透過率91%、ヘーズ0.5%)上に塗布し、有機溶媒を蒸発させた後、空気下で高圧水銀灯を用いて300mJ/cm2の光を照射し、厚み3μmの透明導電膜を作製した。膜の作製は光硬化性組成物直後及び6ヵ月後に行った。
実施例2
酸化チタン100部に対し、43部のATO、6部のチタンアセチルアセトナート、14.3部のBYK−142、500部の2−ブタノール及び800部のガラスビーズとなる量で全成分を容器に入れ、ペイントシェーカーで7時間練合した。練合後、ガラスビーズを取り除いて分散液を得た。この分散液に143部のDPHA、7.2部のIRGACURE184及び160部の2−ブタノールを加えて光硬化性組成物を得た。その後、実施例1と同様の方法により、厚み3μmの透明導電膜を作製した。
実施例3
酸化ジルコニウム100部に対し、233部の酸化錫、33部のアルミニウムアセチルアセトナート、880部の2−ブタノール及び800部のガラスビーズとなる量で全成分を容器に入れ、ペイントシェーカーで7時間練合した。練合後、ガラスビーズを取り除い
て分散液を得た。この分散液に143部のDPHA、7.2部のIRGACURE184及び160部の2−ブタノールを加えて光硬化性組成物を得た。その後、実施例1と同様の方法により、厚み3μmの透明導電膜を作製した。
実施例4
酸化チタン100部に対し、100部の酸化亜鉛、20部の亜鉛アセチルアセトナート、500部の2−ブタノール及び800部のガラスビーズとなる量で全成分を容器に入れ、ペイントシェーカーで7時間練合した。練合後、ガラスビーズを取り除いて分散液を得た。この分散液に86部のDPHA、4.3部のIRGACURE184及び130部の2−ブタノールを加えて光硬化性組成物を得た。その後、実施例1と同様の方法により、厚み3μmの透明導電膜を作製した。
実施例5
20部の亜鉛アセチルアセトナートの代わりに20部のジブチル−錫ビスアセチルアセトナートを添加した以外は実施例4と同様の処理により、厚み3μmの透明導電膜を作製した。
実施例6
20部の亜鉛アセチルアセトナートの代わりに20部のインジウムアセチルアセトナートを添加した以外は実施例4と同様の処理により、厚み3μmの透明導電膜を作製した。
比較例1
酸化ジルコニウム100部に対し、100部の酸化錫、20部のBYK−142、600部の2−ブタノール及び800部のガラスビーズとなる量で全成分を容器に入れ、ペイントシェーカーで7時間練合した。練合中に分散液が増粘した。
比較例2
6部のチタンアセチルアセトナートの代わりに6部のアセチルアセトンを添加した以外は実施例2と同様の処理により、厚み3μmの透明導電膜を作製した。
比較例3
100部の酸化錫、10部のチタンアセチルアセトナート、600部の2−ブタノール及び800部のガラスビーズとなる量で全成分を容器に入れ、ペイントシェーカーで7時間練合した。練合後、ガラスビーズを取り除いて分散液を得た。この分散液に150部のDPHA、5部のIRGACURE184及び100部の2−ブタノールを加えて光硬化性組成物を得た。その後、実施例1と同様の方法により、厚み3μmの透明導電膜を作製した。
比較例4
100部の酸化錫、10部のジルコニウムアセチルアセトナート、270部の2−ブタノール及び400部のガラスビーズとなる量で全成分を容器に入れ、ペイントシェーカーで7時間練合した。練合後、ガラスビーズを取り除いて分散液を得た。この分散液に43部のDPHA、2.2部のIRGACURE184及び60部の2−ブタノールを加えて光硬化性組成物を得た。その後、実施例1と同様の方法により、厚み3μmの透明導電膜を作製した。
比較例5
40部のジルコニウムアセチルアセトナートの代わりに40部のトリブトキシ−ジルコニウムモノアセチルアセトナートを添加した以外は実施例1と同様の処理により、厚み3μmの透明導電膜を作製した。
比較例6
40部のジルコニウムアセチルアセトナートの代わりに40部のトリブトキシ−ジルコニウムモノアセチルアセトナートを添加し、500部の2−ブタノールの代わりに90部の水と410部の2−ブタノールを添加した以外は実施例1と同様の処理により、厚み3μmの透明導電膜を作製した。
<評価方法>
(1)金属酸化物粒子のメジアン径
各実施例及び各比較例で作製した分散液及び光硬化組成物に分散している金属酸化物粒子のメジアン径を、作製直後、3ヶ月後(40℃保管)、6ヶ月後(40℃保管)に、以下の条件で測定した。
機器:日機装(株)製 Microtrac粒度分布計
測定条件:温度 20℃
試料:サンプルを原液のまま測定
データ解析条件:粒子径基準 体積基準
分散媒:2−ブタノール 屈折率:1.40
(2)透明導電膜の透過率、ヘーズ
各実施例及び各比較例で得た透明導電膜について、透過率及びヘーズを東京電色技術センター製TC−HIII DPKで測定した。測定値は基材を含んだ値である。
(3)表面抵抗値
各実施例及び各比較例で得た透明導電膜について、三菱化学株式会社製のハイレスタIPMCP−HT260で測定した。
(3)屈折率
各実施例及び各比較例で得た透明導電膜について、(株)アタゴ製アッぺ屈折計DR−M4(20℃)で測定した。
(4)金属製容器の腐食
実施例及び比較例で作製した分散液をステンレス容器(SUS304;Fe−Cr−Ni系ステンレス鋼製)に入れ、1ヶ月間静置した後のステンレス容器の腐食の状態を目視にて評価した。
上記の各々の測定の結果、評価の結果を各々の組成物の組成と共に第1表に示す。
Figure 0005077950
第1表に示すデータから明らかなように、金属錯体を含有した場合(実施例1〜6)では、分散助剤の有無に関わらず、優れた保存安定性を有する分散液が得られ、金属製容器に保管した場合でも金属製容器に腐食は確認されなかった。さらに、実施例1〜6で得られた分散液を用いた光硬化性組成物を塗布して得られた透明導電膜は屈折率が1.55〜1.90、透過率が85%以上、ヘーズ1.5%以下、表面抵抗値が1012Ω/□以下という、高屈折率、高透明性を有し且つ導電性に優れていた。金属錯体を添加しなかった場合(比較例1)には、分散が困難で均一な分散液を得ることができなかった。また、アセチルアセトンを添加して分散させた分散液(比較例2)を金属製容器に保存した場合に、容器の腐食が顕著に認められた。高屈折率金属酸化物を添加しなかった場合(比較例3)は高屈折率、高透明性及び導電性をすべて満足する膜を得ることができなかった。導電性金属酸化物を添加しなかった場合(比較例4)には膜の導電性は認められなかった。金属錯体としてアルコキシドが含まれる場合(比較例5及び6)には経時的に粒子径が大きくなり、膜特性も大きく変化した。また、水が多く含まれる場合(比較例6)には顕著に粒子径の増大が認められた。

Claims (15)

  1. 屈折率が1.8以上の高屈折率金属酸化物、導電性金属酸化物、アルコキシドを含まない金属錯体及び分散媒からなり、水分が3質量%以下であることを特徴とする分散液。
  2. 高屈折率金属酸化物100質量部当たり、導電性金属酸化物の含有量が30〜900質量部、金属錯体の含有量が3〜450質量部及び分散媒の含有量が60〜9000質量部であることを特徴とする請求項1記載の分散液。
  3. 高屈折率金属酸化物が酸化ジルコニウム、酸化チタン及び酸化セリウムよりなる群から選ばれる少なくとも1種類であることを特徴とする請求項1又は2記載の分散液。
  4. 導電性金属酸化物がITO、ATO、酸化錫、酸化亜鉛、酸化インジウム、アンチモン酸亜鉛及び五酸化アンチモンよりなる群から選ばれる少なくとも1種類であることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の分散液。
  5. 金属錯体がジルコニウム、チタン、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、バナジウム、アルミニウム、亜鉛、インジウム、錫及び白金からなる群から選ばれる金属と、β−ケトンからなる群から選ばれる配位子とからなることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の分散液。
  6. 金属錯体がジルコニウム、チタン、アルミニウム、亜鉛、インジウム及び錫からなる群から選ばれる金属と、ピバロイルトリフルオルアセトン、アセチルアセトン、トリフルオルアセチルアセトン及びヘキサフルオルアセチルアセトンからなる群から選ばれる配位子とからなることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の分散液。
  7. 屈折率が1.8以上の高屈折率金属酸化物、導電性金属酸化物、アルコキシドを含まない金属錯体、活性エネルギー線硬化性化合物、光重合開始剤及び分散媒からなり、水分が3質量%以下であることを特徴とする透明導電膜形成用組成物。
  8. 高屈折率金属酸化物100質量部当たり、導電性金属酸化物の含有量が30〜900質量部、金属錯体の含有量が3〜450質量部、分散媒の含有量が60〜70000質量部及び活性エネルギー線硬化性化合物の含有量が14〜10000質量部であり、且つ該活性エネルギー線硬化性化合物100質量部当り光重合開始剤の含有量が0.1〜20質量部であることを特徴とする請求項7記載の透明導電膜形成用組成物。
  9. 高屈折率金属酸化物が酸化ジルコニウム、酸化チタン及び酸化セリウムよりなる群から選ばれる少なくとも1種類であることを特徴とする請求項7又は8記載の透明導電膜形成用組成物。
  10. 導電性金属酸化物がITO、ATO、酸化錫、酸化亜鉛、酸化インジウム、アンチモン酸亜鉛、五酸化アンチモンよりなる群から選ばれる少なくとも1種類以上であることを特徴とする請求項7〜9のいずれかに記載の透明導電膜形成用組成物。
  11. 金属錯体がジルコニウム、チタン、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、バナジウム、アルミニウム、亜鉛、インジウム、錫及び白金からなる群から選ばれる金属と、β−ケトンからなる群から選ばれる配位子とからなることを特徴とする請求項7〜10のいずれかに記載の透明導電膜形成用組成物。
  12. 金属錯体がジルコニウム、チタン、アルミニウム、亜鉛、インジウム及び錫からなる群から選ばれる金属と、ピバロイルトリフルオルアセトン、アセチルアセトン、トリフルオルアセチルアセトン及びヘキサフルオルアセチルアセトンからなる群から選ばれる配位子とからなることを特徴とする請求項7〜11のいずれかに記載の透明導電膜形成用組成物。
  13. 請求項7〜12のいずれかに記載の透明導電膜形成用組成物を基材上に塗布又は印刷し、硬化させて得られるものであることを特徴とする透明導電膜。
  14. 屈折率が1.55〜1.90であり、光透過率が85%以上であり、ヘーズが1.5%以下であり、且つ表面抵抗値が1012Ω/□以下であることを特徴とする請求項13記載の透明導電膜。
  15. 表示面に請求項13又は14記載の透明導電膜を有することを特徴とするディスプレイ。
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