JP5076882B2 - ユーザ識別システム - Google Patents

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Description

本発明は、ユーザを識別するシステムに関する。
従来から、ユーザからの操作情報の入力を受け付けたときに、当該操作情報がどのユーザから入力されたかを識別するシステムとして、車両に搭載され、車両走行中には、運転者が複雑な入力操作をするのを禁止するために、入力操作をしたユーザが運転者かその他の乗員かを識別するユーザ識別システムが知られている。
例えば、特許文献1記載の装置においては、当該装置の周囲に設けられた操作キーの内部に電極が設けられており、乗員が操作キーを操作しようとして操作キーに指で触れると、電極と指とが近づくことで、電極と指との間にキャパシタが形成される。
また、この装置においては、助手席の座席内部にも電極が設けられており、操作キー内部の電極と助手席の座席内部の電極との間には、交流電圧が印加されている。従って、助手席に座っている乗員が操作キーに触れる場合は、その乗員の体を回路の一部とする、交流電源による閉回路が形成される。一方、運転席の座席内部には電極が設けられていないので、運転手が操作キーに触れる場合には、交流電源による閉回路は形成されない。
そして、この装置は、操作キーが操作されているときに、そのキャパシタの静電容量を測定するように構成されている。もし操作したのが助手席に座った乗員であれば、上述した閉回路が形成されることで、正の値の静電容量が測定される。一方で運転手が操作すれば閉回路が形成されないので、静電容量はほぼ零として測定されることになる。
そこで、このユーザ識別システムは、入力装置が操作されているときに、所定の閾値以上の静電容量が測定されたら助手席の同乗者による操作であると判断し入力操作を受け付け、所定の閾値以下の静電容量が測定されたら運転席の乗員による操作であると判断し入力操作を受け付けないように構成されている。因みに、このような人体を信号伝送路の一部として利用する通信は、人体通信と呼ばれる。
ところで、車両に搭載される入力装置としては、インストルメントパネルの周囲に設けられた操作キーからなる入力装置の他、赤外線通信によるリモートコントローラ(以下、リモコンと言う)が知られている。しかし、リモコンの操作によって入力が行われる場合には、当然、閉回路は形成されないので、上述した原理によっては、ユーザを識別することができない。
このため、リモコンを操作するユーザの識別は、従来、別の手法で行われている。その手法は、リモコンから発射される赤外線を受光する受光部が、赤外線がどの方向から発射されたかを識別することで、リモコンを操作したのは運転者か同乗者かを推定する、というものである。
この他、人体通信の技術としては、従来、人体およびグラウンドを閉回路の一部として、電流によって通信を行うデータ伝送システムが知られている(例えば、特許文献2参照)。
特開平11−248466号公報 2002−9710号公報
しかしながら、特許文献1に記載のキャパシタの静電容量を測定する方法では、識別の正確さに欠けるという問題があった。その原因を三つ挙げると、まず一つ目の原因は、入力装置に取りつけられた電極と指とが形成するキャパシタの静電容量は、ユーザの身体と車両の構成部品とが構成する他のキャパシタの静電容量に比べて小さく、正確な測定が難しいことである。
二つ目の原因は、静電容量はユーザの皮膚状態によって容易に変化してしまうため、閾値を定めるのが難しいことである。そして三つ目の原因は、外乱により電圧が変動すると、電圧は一定という条件下で算出される静電容量の算出結果が、誤差を含んでしまうことである。
もう一つの従来問題は、車載装置の構成が冗長になってしまうことである。これを説明すると、ユーザの利便性を考えれば、車載装置は、リモコン及び車載装置周辺に設けられた操作キーの両方によって操作できるように構成されるのが望ましい。そうすると、上述したように、キャパシタの静電容量を測定する手法と、受光した赤外線の方向を推定する手法との二つの手法を実現するように、車載装置が構成されなければならない。このようにすれば、当然、車載装置の構成は冗長なものとなってしまう。
また、特許文献2に記載のデータ伝送システムは、グラウンドを回路の一部としているので、このシステムを動作させるには、地面に置かれた電極板などにユーザが乗って、地面との通電状態を確保する必要がある。このように、従来の手法では、接地を必要とする関係上、システムの適用範囲が、限られる。
本発明は、上述した問題を鑑みなされたもので、入力装置を操作しているユーザの識別を、正確かつ簡潔な手法で実現でき、適用範囲の広いユーザ識別システムを提供することを目的とする。
かかる目的を達成するためになされた本発明のユーザ識別システムは、物理的な接触により操作される入力装置を操作するユーザの位置を識別するものである。第1のユーザ識別システムは、信号生成出力手段と、受信手段と、識別手段とを備える。各手段の動作を説明すると、信号生成出力手段は、送信信号を生成すると共に、生成した送信信号を、近接するユーザの身体に出力する。
また、受信手段は、入力装置の周囲に設けられ、入力装置を操作するユーザの身体を介して、送信信号を受信する。そして、識別手段は、受信手段の受信結果に基づき、入力装置を操作するユーザの位置を識別する。
また、このユーザ識別システムは、信号生成出力手段と受信手段との間に、送信信号の伝送路として、入力装置を操作するユーザを介して、非閉回路構成の伝送路が形成され、上記送信信号が、入力装置を操作するユーザを媒体とした、この非閉回路構成の伝送路を通じて、信号生成出力手段と受信手段との間で、送受信される構成にされている。
つまり、本発明のユーザ識別システムは、従来とは異なり閉回路で構成されていないので、各手段の設置の自由度が大きく、様々な用途に応用できる。具体的に言えば、ユーザが電極板に乗る必要などがなくなるので、自由な位置で使用できるようになる。また、入力装置を従来技術のように限定する必要もなくなる。即ち、入力装置をリモートコントローラとするシステムにも、本発明を適用することができる。この他、本発明によれば、従来とは異なり静電容量の測定による識別ではなく、信号の送受信によって識別をするので外乱に強く、高精度なユーザ識別が可能である。
結果、この発明によれば、入力装置を操作しているユーザの識別を、正確かつ簡潔な手法で実現でき、適用範囲の広いユーザ識別システムを提供することができる。
ちなみに、ここで言う「ユーザを媒体とした非閉回路構成の伝送路」が指している内容は、受信手段が、グラウンドなどを介して送信手段(信号生成出力手段)とは導通していない状態で、人体を通じて送信手段(信号生成出力手段)と信号授受可能に接続されて構成される伝送路のことである。従来は、送信装置および受信装置ともに接地された状態で使用される技術によって、人体通信の応用発明がなされてきた。当然、この技術は、リモートコントローラに適用できない。
そこで、本発明では、受信手段が接地や信号生成出力手段との導通を必要としない方法を採用することで、人体通信とリモコンとを組み合わせたシステムを構成できるようにしている。また、信号生成出力手段も接地を必要としないように構成されると、より設計の自由度が大きくなって良い。
ちなみに、「前記信号生成出力手段と前記受信手段との間には、前記送信信号の伝送路として、前記入力装置を操作するユーザを介して、非閉回路構成の伝送路が形成されて、前記送信信号は、前記入力装置を操作するユーザを媒体とした前記非閉回路構成の伝送路を通じて、前記信号生成出力手段と前記受信手段との間で、送受信される」という記載は、「前記入力装置を操作するユーザを介した前記送信信号の伝送路として、前記信号生成出力手段と前記受信手段との間に開回路が形成され、当該開回路を通じて前記送信信号が送受信される」との表現に、言い換えることができる。
また、上述のユーザ識別システムは、具体的にのように構成されてもよい。第2のユーザ識別システムは、複数の座席が設けられた空間に設置され。このユーザ識別システムにおいて、信号生成出力手段は、複数設けられた座席のうち、一部の座席に対応して設けられると共に、対応する座席に着座するユーザの身体に、送信信号を出力可能に配置されている。
また、識別手段は、入力装置を操作するユーザの位置として、ユーザが着座している座席を識別する構成にされ、入力装置に対する操作がなされているときに、信号生成出力手段から出力される送信信号を、受信手段が受信している場合には、入力装置を操作しているユーザが着座している座席が、上記信号生成出力手段が設けられた一部の座席であると識別する。一方、信号生成出力手段から出力される送信信号を、受信手段が受信していない場合には、入力装置を操作しているユーザが着座している座席が、上記一部の座席以外の座席であると識別する。
つまり、このユーザ識別システムは、入力装置を操作するユーザが座っている座席が、複数ある座席のうちの特定の座席かそうでないかを識別するように構成されている。従って、この発明によれば、受信手段の数を少なくできると共に、識別手段にて送信信号を受信したか否かを判断すればよいので、簡単な構成で低コストに、ユーザ識別システムを構成することができる。
一方、操作手段を操作するユーザがどの座席に座っているのかを、座席毎に識別したいのであれば、のようにユーザ識別システムを構成されるとよい。第3のユーザ識別システムにおいて、信号生成出力手段は、複数設けられた座席の夫々に対応して設けられている。各信号生成出力手段は、固有の送信信号を生成する構成にされ、この送信信号を、自身に割り当てられた座席に着座するユーザの身体に出力するように配置される。
そして、識別手段は、入力装置に対する操作がなされているときに、受信手段によって受信された送信信号の送信元の信号生成出力手段を特定して、入力装置を操作しているユーザが着座している座席を識別する構成にされている。
つまり、このユーザ識別システムでは、識別手段が、座席毎に設置された信号生成出力手段の位置を特定することで座席を識別する。従って、この発明によれば、入力装置を操作するユーザがどの座席に座っているかを識別できる。
尚、このユーザ識別システムは、具体的にのように構成されるとよい。第4のユーザ識別システムは、各信号生成出力手段が、上記固有の送信信号として、固有のコード情報を含む送信信号を生成する構成にされたものである。このように、送信信号に固有のコード情報を含ませれば、受信側にて送信信号の送信元を、コード情報の参照により容易に特定することができる。
ところで、ユーザ識別システムは、第1のユーザ識別システムとは違う構成によって、物理的な接触により操作される入力装置を操作するユーザの位置を識別するように構成されてもよい。
第5のユーザ識別システムは、信号生成出力手段と、受信手段と、識別手段とから構成される。そして、信号生成出力手段は、入力装置の周囲に設けられ、送信信号を、生成すると共に近接するユーザの身体に出力する。そして、受信手段は、近接するユーザの身体を介して送信信号を受信する。識別手段は、受信手段の受信結果に基づき、入力装置を操作するユーザの位置を識別する。
また、当該ユーザ識別システムは、信号生成出力手段と受信手段との間に、送信信号の伝送路として、入力装置を操作するユーザを介して、非閉回路構成の伝送路が形成されて、送信信号が、入力装置を操作するユーザを媒体とした非閉回路構成の伝送路を通じて、信号生成出力手段と受信手段との間で、送受信される構成にされている。このように、上記送信信号の送信側と受信側との位置関係を逆転させても、第1のユーザ識別システムと同様な効果を奏する。
尚、ここで言う「ユーザを媒体とした非閉回路構成の伝送路」が指している内容は、第1のユーザ識別システムにおいて説明したものに対して、信号生成出力手段と受信手段とを入れ替えた内容である。
また、このユーザ識別システムは、具体的にのように構成されてもよい。第6のユーザ識別システムは、複数の座席が設けられた空間に設置され。そして、受信手段は、複数設けられた座席のうち、一部の座席に対応して設けられる。
そして、識別手段は、入力装置に対する操作がなされているときに、受信手段が送信信号を受信している場合には、入力装置を操作しているユーザが着座している座席が、上記受信手段が設けられた一部の座席であると識別する。また、受信手段が送信信号を受信していない場合には、入力装置を操作しているユーザが着座している座席が上記一部の座席以外の座席であると識別する。このように構成されたユーザ識別システムによっても、第2のユーザ識別システムと同様な効果を奏する。
一方、入力装置を操作するユーザがどの座席に座っているのかを、座席毎に識別したいのであれば、ユーザ識別システムは、のように構成されるとよい。第7のユーザ識別システムは、受信手段が、複数設けられた座席の夫々に対応して設けられると共に、送信信号を受信したときに、対応する座席に固有の通知信号を識別手段に入力する構成されたものである。
このユーザ識別システムにおいて、識別手段は、入力された通知信号に基づいて、入力装置に対する操作がなされているときに送信信号を受信している受信手段を特定して、入力装置を操作しているユーザが着座している座席を識別する。従って、この発明によれば、第3のユーザ識別システムと同様な効果を奏する。
また、このユーザ識別システムは、具体的にのように構成されるとよい。第8のユーザ識別システムは、受信手段が、固有の通知信号として、固有のコード情報を含む通知信号を生成する構成にされたものである。このユーザ識別システムによれば、通知信号に含まれるコード情報を抽出する程度で、容易に、受信手段の位置を特定できる。
また、第9のユーザ識別システムは、第6〜第8のユーザ識別システムにおいて、処理実行手段が設けられ、処理実行手段が、入力装置を通じて入力される操作情報に基づいた処理を実行し、送信信号が、入力装置に対する操作情報を含むものであ、受信手段が、信号生成出力手段からユーザの身体を介して受信した送信信号に含まれる操作情報を、処理実行手段に転送可能に構成されたものである。
つまり、このユーザ識別システムでは、入力装置に入力された操作情報を、直接、処理実行手段に入力するのではなく、受信手段を介して入力する。この構成によれば、どの座席に着座するユーザが入力装置を操作したかに基づいて、処理実行手段の動作を変更できる。例えば、特定の座席にのみに受信手段が備えられる場合は、その特定の座席に座っているユーザしか、入力装置を介して処理実行手段に処理を実行させることができないので、特定の座席以外の座席に座るユーザが入力装置を操作するのを禁止できる。
また、全ての座席に受信手段が備えられると共に、各受信手段が、固有の通知信号によって、自身が送信信号を受信したことを処理実行手段に通知可能に構成されている場合は、入力装置に入力された情報と固有の通知信号とに基づいた処理を、処理実行手段に実行させることができる。
また、第10のユーザ識別システムは、第2〜第4、第6〜第8のユーザ識別システムを、運転席及び運転席以外の座席を有する車両に設置して、識別手段により、入力装置を操作しているユーザが着座している座席が、運転席及び運転席以外の座席の何れであるかを識別可能構成したものである。従って、この発明によれば、入力装置を操作しているユーザが、運転者なのかそうでないのかを識別できる。
また、第11のユーザ識別システムは、車両が備える座席に、信号生成出力手段または受信手段が、取り付けられてなるものである。このように信号生成出力手段または受信手段を配置すれば、人体通信を成立させるために必要な、信号生成出力手段または受信手段と、ユーザとの密着度を確保することが容易になる。
また、第12のユーザ識別システムは、各座席に対応したシートベルトを有する車両に適用されるものであって、信号生成出力手段または受信手段が、シートベルトに取り付けられてなるものである。このように信号生成出力手段または受信手段を配置すれば、信号生成出力手段または受信手段と、ユーザとの密着度を確保することが容易になる上に、ユーザがシートベルトを装着する動機付けの一つになり、車両乗員の安全確保に役立つ。
また、第13のユーザ識別システムは、第10〜第12のユーザ識別システムに対して、処理実行手段と、判定手段と、禁止手段とを設けたものである。処理実行手段は、入力装置を通じて入力される操作情報に基づいた処理を実行する。また、判定手段は、車両が走行中であるかを判定する。禁止手段は、判定手段によって当該車両が走行中であると判定され、かつ、入力手段を操作しているユーザが着座している座席が運転席であると識別手段によって識別されている期間、運転席に着座したユーザから入力された操作情報に基づく処理実行手段による処理を禁止する。
このユーザ識別システムによれば、運転者が走行中に入力装置を操作しないようにすることができる。従って、入力装置の操作がわき見運転の原因になる可能性を減らすことができる。
また、第14のユーザ識別システムは、第1〜第13のユーザ識別システムにおいて、入力装置が、電磁波による無線通信によって、自装置に入力された操作情報を、所定の遠隔操作対象に向けて送信するリモートコントローラであることを特徴とする。このように、ユーザ識別システムを構成すれば、リモコンを操作するユーザの位置を識別することができる。ちなみに、ここで言う電磁波は、少なくとも電波と赤外線とを含む。
また、第15のユーザ識別システムは、第5〜第9のユーザ識別システムにおいて、入力装置が、自装置に入力された操作情報を、所定の遠隔操作対象宛に送信する際に、非閉回路構成の伝送路を通じて、情報を送信するリモートコントローラであることを特徴とする。つまり、第14のユーザ識別システムと同様な効果が得られる。更に、指向性のある赤外線等の電磁波で通信しないので、どの方向にリモコンを向けながら操作しても通信でき、便利である。
また、第16のユーザ識別システムは、第1〜第15のユーザ識別システムにおいて、信号生成出力手段が、基準信号を、特定のパターン信号で変調して送信信号を生成し、これを近接するユーザの身体に出力する構成にされたものである。このユーザ識別システムにおいて、識別手段は、受信手段が受信した送信信号を復調して、復調結果に基づき、信号生成出力手段から出力された送信信号の受信を検知する。
このユーザ識別システムのように、送信信号を変調波として送信すれば、ノイズに強くなることで送信信号の送受信が失敗する可能性を減らすことができると共に、特定のパターン信号を適切な周波数や強度で出力できるようになることで電力を節約できる。
また、第17のユーザ識別システムは、第4のユーザ識別システムにおいて、各信号生成出力手段が、基準信号を、自身に割り当てられたコード情報を表すパターン信号で変調して、固有のコード情報を含む送信信号を生成し、これを近接するユーザの身体に出力する構成にされたものである。このユーザ識別システムにおいて、識別手段は、受信手段が受信した送信信号を復調して、当該送信信号に含まれるコード情報に基づき、ユーザの位置を識別する。このように、送信信号に固有のコード情報を含ませれば、受信側にて送信信号の送信元を、コード情報の参照により容易に特定することができる。
また、第18のユーザ識別システムは、第8のユーザ識別システムにおいて、各受信手段が、基準信号を、自身に割り当てられたコード情報を表すパターン信号で変調して、固有のコード情報を含む通知信号を生成すると共に、識別手段に転送する構成にされたものである。このユーザ識別システムにおいて、識別手段は、転送されてきた通知信号を復調して、当該通知信号に含まれるコード情報に基づき、ユーザの位置を識別する。このように変調波により通知信号を送信するユーザ識別システムによれば、通知信号の送受信が失敗する可能性を減らすことができる。
また、第1〜第18のユーザ識別システムにおいて、信号生成出力手段は、電流、電界または磁界の任意の組み合わせの形態で送信信号を出力する構成にすることができる。そして、受信手段は、信号生成出力手段が出力した形態にとらわれず、電流、電界または磁界の任意の組み合わせの形態で送信信号を受信するのが望ましい。これらの組み合わせの何れかで、非閉回路構成の伝送路による人体通信を実現することが可能であり、リモコンを操作するユーザを識別することが可能である。
例えば、信号生成出力手段は、生成した送信信号に基づく電磁界を、近接するユーザの身体に形成することにより、当該送信信号を、近接するユーザの身体に出力する構成にすることができる。但し、ここでいう「電磁界」は、電界及び磁界のいずれか一方又はその両者を含む用語であるものとする。
以下、本発明の実施例について図面と共に説明する。
図1は、本実施例のユーザ識別システム1が、四輪自動車(以下、自動車という)に搭載される様子を、上から示した模式図である。この自動車は、運転席、助手席および後部座席と、オーディオ装置やエアコン装置などの車載装置(図示せず)を制御する複数のECU60と、これら車載装置に対して各種指令を入力するための入力装置であるリモコン20及びインストルメントパネル(以下、インパネと言う)30と、ユーザ識別システム1とを備える。そして、ユーザ識別システム1は、信号生成出力装置10、受信転送装置40及び制御装置50から成る。
リモコン20は、赤外線による無線通信によって、制御装置50に情報を送信するものである。また、インパネ30は、各種情報表示用の表示装置31と、リモコン20が発信する赤外線を受光する受光部33と、ユーザが指により押下操作可能な各種操作キーと、を有する。また、インパネ30は、自身が有する操作キーを通じて入力されたユーザの操作情報を、有線によって、制御装置50に送信可能な構成にされると共に、表示装置31及び受光部33が制御装置50に接続された構成にされている。
一方、ユーザ識別システム1を構成する各信号生成出力装置10は、各座席の内部に備えられ、受信転送装置40は、リモコン20及びインパネ30の内部に設けられている。また、制御装置50は、CPU・ROM・RAMなどから構成され、CPUによるプログラムの実行により、車載装置の動作を制御する。具体的に、この制御装置50は、リモコン20やインパネ30に設けられた操作キーから入力される操作情報を取得可能に構成され、取得した操作情報に基づき、車載装置の動作を制御する。
また、制御装置50は、インパネ30の操作キーを通じて入力された操作情報およびリモコン20から受光部33を介して入力された操作情報に基づいて、上述した車載装置を制御するために、ECU60に対し、CAN(Controller Area Network)プロトコルによって指令を送信したり、表示装置31に情報を表示したりするように構成されている。
また、図2は、ユーザが座席に座りながら、リモコン20を操作している様子を表した図である。この図2においては、情報の伝達経路が、点線の矢印によって、模式的に示されている。詳述すると、このユーザ識別システム1においては、ユーザがリモコン20を手に持っていることを前提として、信号生成出力装置10から、ユーザの身体を介して、リモコン20内の受信転送装置40に、当該信号生成出力装置10が設けられた座席がどの位置の座席であるかを示す座席情報が伝わる。そして、リモコン20内の受信転送装置40から、赤外線の形態で制御装置50に、ユーザがリモコン20に備えられた操作キーを操作することにより入力される操作情報が送信されると共に、座席情報が転送される。
また、ユーザがインパネ30の操作キーを操作している場合には(図示せず)、信号生成出力装置10からユーザの身体を介してインパネ30内の受信転送装置40に、上記座席情報が伝わる。そして、インパネ30内の受信転送装置40から制御装置50に、ラインを通じて、ユーザがインパネ30の操作キーを操作することにより入力される操作情報が入力されると共に、座席情報が転送される。
制御装置50は、このようにして入力される座席情報及び操作情報に基づいて、車載装置の動作を制御し、例えば、車両の走行中には、運転者から入力された操作情報を破棄して、操作情報に基づく車載装置の動作を禁止する。
尚、信号生成出力装置10は、座席内部ではなく、シートベルトに設けられてもよい。図3(a)は、肩から腰にタスキ掛けに装着する方式のシートベルトに、図3(b)は、腰に巻き付ける方式のシートベルトに、信号生成出力装置10が設けられた態様を表している。
信号生成出力装置10は、シートベルトの表面に貼りつけられたり縫いつけられたりしてもよいし、図3(c)が示すように、シートベルトの生地で挟み込んで内部に埋め込まれてもよい。何れの場合においても、信号生成出力装置10は、シートベルト装着時にはユーザの身体に近い場所に位置するように設けられるのが望ましい。
次に、図4を用いて、上述したユーザ識別システム1の構成およびその動作を詳しく説明する。図4は、本実施例のユーザ識別システム1の概略構成を表したブロック図である。
受信転送装置40は、上述したようにリモコン20とインパネ30とに組み込まれており、二つ存在するが、リモコン20及びインパネ30の夫々に設けられる受信転送装置40は、出力インタフェースが異なる以外、基本的に同一構成である。従って、図4では、リモコン20及びインパネ30の夫々に設けられる受信転送装置40を共通して一つのみ示す。
また、信号生成出力装置10は、上述したように各座席に対応して設けられているので複数存在するが、各座席の信号生成出力装置10は、基本的に同一構成であるので、図4では、省略して一つのみ示す。
図4に示すように、各座席に対応して設けられた信号生成出力装置10は、座席信号発生回路101、基準発振回路103、変調回路105、フィルタ回路107、増幅回路109及びコイル111から構成される。各座席の信号生成出力装置10には、座席固有のコードが座席情報として割り当てられており、座席信号発生回路101は、自装置に割り当てられた座席のコードを表す電気信号(パターン信号)を、座席信号として発生させる。尚、座席情報としてのコードは、後で制御装置50が、どの座席に座っているユーザが入力装置を操作したかを識別するためのものである。また、基準発振回路103は、座席信号によって変調される、搬送波としての基準信号を生成し出力する。
一方、変調回路105は、座席信号発生回路101から入力される座席信号で、基準発振回路103から入力される基準信号を、変調(周波数変調や振幅変調等)することで、変調信号を生成する。尚、この変調信号は、フィルタ回路107に入力される。
また、フィルタ回路107は、バンドパスフィルタであり、変調回路105から入力される変調信号に含まれる所定範囲の周波数成分(換言すればノイズ成分)を減衰させる。
そして、フィルタ回路107を通じてノイズ成分が除去された変調信号は、増幅回路109に送られる。増幅回路109は、受け取った変調信号を増幅し、コイル111に送る。コイル111は、受け取った変調信号を、送信信号として、コイル111の周囲に生じる磁界の形態に変換する。
尚、この信号生成出力装置10を構成する各回路は、自動車のエンジンやモータなどの原動機が動いているときには、常に動作するように構成されている。また、この信号生成出力装置10においては、コイル111が埋め込まれた座席に座っているユーザの身体表面の何れかの部位に磁界が伝播するように、コイル111から出力される磁界の出力強度、コイルの位置および送信信号の周波数が設計されている。
即ち、信号生成出力装置10は、自動車のエンジンやモータなどの原動機が動いているとき、自装置10のコイル111が埋め込まれた座席に座っているユーザの身体に対し、上記変調信号に基づく磁界を、形成することにより、この変調信号を、磁界の形態で、送信信号として、近接するユーザの身体に出力する。
そして、身体表面に磁界が生じているユーザが、リモコン20又はインパネ30の何れかの操作キーに接触すると、受信転送装置40が、ユーザの身体表面に生じる磁界の形態で信号生成出力装置10から送信されてくる信号を受信する。
ここからは、受信転送装置40について説明する。受信転送装置40は、増幅回路401、フィルタ回路403、局部発振回路405、周波数変換回路407、増幅回路409、検波回路411、合成回路413及びコイル415から構成されている。
コイル415は、各操作キーに隣接して設けられ、対応する操作キーに接触したユーザの身体表面に生じている磁界の形態の送信信号を受信可能に設けられている。即ち、このコイル415は、信号生成出力装置10からユーザの身体を通じて送信されてくる磁界の形態の送信信号を、電気信号の形態で受信し、この受信信号を、増幅回路401に入力する。
そして、増幅回路401は、受信信号が入力されると、これを増幅すると共にフィルタ回路403に送る。フィルタ回路403は、バンドパスフィルタとして構成されており、増幅回路401から入力された受信信号の所定の周波数成分(ノイズ成分)を減衰させ、その後の受信信号を、周波数変換回路407に入力する。
一方、局部発振回路405は、局部発振信号を出力し、これを周波数変換回路407に入力する。そして、周波数変換回路407は、フィルタ回路403から入力される受信信号を、局部発振回路405から入力される局部発振信号で引くことで、受信信号を中間周波信号に変換し、この中間周波信号を、増幅器409に入力する。増幅回路409は、入力された中間周波信号を増幅して、これを検波回路411に送る。
検波回路411は、増幅回路409から入力される信号を復調して、受信信号(詳細には中間周波信号)に含まれる座席信号を抽出し、この座席信号を合成回路413に送る。また、合成回路413は、ユーザが操作した操作キーのコード情報を、操作信号として受け取る。そして、合成回路413は、座席信号と操作信号とを合成して通知信号を生成する。
また、合成回路413は、出力インタフェースを備えており、この出力インタフェースを介して通知信号を、制御装置50に向けて出力する。この出力インタフェースは、リモコン20の場合であれば、通知信号を赤外線の形態で出力する赤外線インタフェースである。また、インパネ30の場合であれば、ライン(通信線)に通知信号を出力するインタフェースである。リモコン20の受信転送装置40から出力された通知信号は、受光部33を通じて、制御装置50に入力され、インパネ30の受信転送装置40から出力された通知信号は、ラインを通じて制御装置50に入力される。
尚、ユーザと信号生成出力装置10とが離れてしまい、ユーザに送信信号が出力されない状態で、そのユーザがリモコン20を操作することが考えられる。その場合には、誤動作を避けるために、リモコン20は、通知信号を生成しないように構成されるとよい。具体的には、合成回路413を以下のように構成すればよい。
即ち、合成回路413が操作キーから操作信号を受け取った一方で、検波回路411から座席信号を受け取らなかったら、合成回路413は、通知信号を生成せずに何もしないように構成されればよい。
次に図5を用いて、制御装置50が主体となって実行する識別処理を説明する。この処理は、検波回路から受け取った座席情報および車内ネットワークから取得する走行中か否かの情報に応じて、操作情報が示す操作内容に対応する処理を実行すべきか否かなどを識別するものである。
制御装置50は、受信転送装置40から通知信号を受信すると、通知信号を座席信号と操作信号とに分離し、座席信号から座席情報(コード)を読み取ると共に、操作信号から操作情報を読み取る(S505)。
次に、読み取った操作情報が、座席に応じた処理が必要な操作情報であるかを判断する(S510)。尚、本実施例では、リモコン20又はインパネ30を通じて入力される操作情報(コード)の内、一部の操作情報が、座席に応じた処理が必要な操作情報として、予め定められているものとする。
ここでいう座席に応じた処理が必要な操作情報とは、例えば、エアコンによる雰囲気温度あるいは風量の調整や、スピーカの音量調整の操作情報である。制御装置50は、このような操作情報が入力されるとS510でYesと判断する。
ここで、座席に応じた処理について説明する。例えば、操作情報が、エアコンによる雰囲気温度あるいは風量の調整や、各座席に対応して設置されているスピーカの音量調整についての操作情報であるとする。このような処理については、ユーザが着席している座席に対応した動作を所望することがある。
そこで、例えば、操作情報が運転席に着座しているユーザから入力された操作情報であって、雰囲気温度の調整についての操作情報であれば、運転席付近の雰囲気温度の調整を実現するような指令を、エアコンを制御するECU60に送る。このような座席に応じた制御はコードを用いることによって実現でき、既に公知である。本実施例のユーザ識別システム1では、このような動作を、後述する処理によって、実現する。
識別処理の説明に戻ると、制御装置50は、読み取った操作情報が、座席に応じた処理が必要な操作情報でないと判断すると(S510:No)、次に、座席情報が運転席のコードを示しているかを判断する(S515)。そして、運転席のコードを示していると判断すると(S515:Yes)、車内ネットワークから車両情報を取得して自車が走行中であるか否かを判断する(S520)。具体的には、車速の情報やブレーキが動作しているか否かの車両情報を取得して、車速がほぼ零であり、且つ、ブレーキが作動している状態では、自車が走行中ではないと判断し、それ以外の状態では、自車が走行中であると判断する。
そして、自車が走行中であると判断すると(S520:Yes)、制御装置50は、リモコン20又はインパネ30の操作キーを通じて入力された操作情報を破棄して識別処理を終える。
一方、自車が走行中でないと判断すると(S520:No)、入力された操作情報に対応する命令コードを特定する(S525)。そして、その特定した命令コードを命令対象のECU60に送信する(S530)ことで、上記操作情報に対応する処理を、ECU60に実行させ、識別処理を終える。
但し、命令コードに対応する処理が、当該制御装置50内で実行可能な処理を含むものである場合、制御装置50は、自装置内においても、命令コードに対応する処理を実行する。また、命令コードに対応する処理が、当該制御装置50単独で実行可能な処理である場合、制御装置50は、特定した命令コードをECU60に送信することなく、S530において、命令コードに対応する処理を実行する。その後、識別処理を終了する。
一方、座席情報が運転席のコードを示していないと判断すると(S515:No)、制御装置50は、入力された操作情報に対応する命令コードを特定して(S533)、特定した命令コードを命令対象のECUに送信する(S535)ことで、上記操作情報に対応する処理を、ECU60に実行させる。尚、命令コードに対応する処理が、制御装置50内で実行可能な処理を含むものである場合、及び、命令コードに対応する処理が、当該制御装置50単独で実行可能な処理である場合の動作については、S530での処理と同様である。
次に、操作補助機能がユーザによって予め「作動要」に設定されているかを判断する(S540)。操作補助機能がユーザによって予め「作動要」に設定されていると判断すると(S540:Yes)、操作補助機能を作動させ(S545)、識別処理を終える。また、操作補助機能がユーザによって予め「作動不要」に設定されていると判断すると(S540:No)、操作補助機能を作動させずに識別処理を終える。
尚、ここでいう操作補助機能とは、入力装置を操作するのが不慣れなユーザに向けて、特定の情報について色を変えて強調表示したり、コメントを吹き出し表示したり、操作方法や操作結果を音声で案内したりする機能のことである。即ち、S535では、特定したコードに対応する処理をECU60や自装置にて実行し、S545では、表示装置31において、入力された操作情報に対応する表示オブジェクト(文字列やアイコン等)を強調表示したり、その周囲に、コメントを吹き出し表示したり、操作方法や操作結果を音声で案内したりする。
このようにして、本実施例においては、運転者は操作に慣れている一方で、助手席や後部座席の乗員は操作に慣れていないとみなして、操作補助機能の作動/非作動を切り替える。即ち、制御装置50は、座席情報が助手席や後部座席のコードを示しているときのみに、操作補助機能を実行する。
識別処理の説明に戻ると、制御装置50は、入力された操作情報が、席に応じた処理が必要な操作情報であると判断した場合(S510:Yes)、座席情報が運転席のコードを示しているかを判断する(S550)。
そして、運転席を示していると判断すると(S550:Yes)、自車が走行中であるかを判断し(S555)、自車が走行中であると判断すると(S555:Yes)、操作情報を破棄して識別処理を終える。一方、自車が走行中でないと判断すると(S555:No)、入力された操作情報に対応する運転席用の命令コードを特定する(S565)。そして、S530に移行し、上述した処理を、ECU60に実行させるか自装置にて実行することで、入力された操作情報に対応する処理であって、運転席に対応する処理を実現する。
その後、識別処理を終える。
また、座席情報が運転席のコードを示していないと判断した場合(S550:No)、制御装置50は、更に、座席情報が助手席のコードを示しているかを判断する(S570)。
そして、座席情報が助手席のコードを示していると判断すると(S570:Yes)、入力された操作情報に対応する助手席用の命令コードを特定して(S575)、S535に移行し、上述した処理を、ECU60に実行させるか自装置にて実行することで、入力された操作情報に対応する処理であって、助手席に対応する処理を実現する。
また、座席情報が助手席のコードを示していないと判断すると(S570:No)、制御装置50は、入力された操作情報に対応する後部座席用の命令コードを特定して(S580)、S535に移行し、上述した処理を、ECU60に実行させるか自装置にて実行することで、入力された操作情報に対応する処理であって、後部座席に対応する処理を実現する。
以上に説明したように、本実施例におけるユーザ識別システム1は、走行中においては、運転者の入力操作を禁止する機能を実現している。また、ユーザが座席に応じた動作を所望するときに、ユーザが自らの座席を特定する情報を入力装置に入力する手間をかけさせない。
そして、このユーザ識別システム1では、受信転送装置40を接地せず、信号生成出力装置10−受信転送装置40間の信号伝送路として、ユーザの身体を通じて、非閉回路の伝送路が形成されているようにしている。即ち、接地により信号生成出力装置10−受信転送装置40間に閉ループを形成することなく、信号生成出力装置10−受信転送装置40間で人体通信を実現するようにしている。従って、このユーザ識別システム1によれば、リモコン20を入力装置として適用できる。また、リモコン20とインパネ30との両方に同じ受信転送装置40を組み込むことで、両方とも同じ手法によって識別ができ、装置の構成が簡潔になる。
尚、ここで、非閉回路構成の伝送路による人体通信を実施するための参考文献を二つ紹介する。これらの文献を必要に応じて参考にすれば、非閉回路構成の伝送路による人体通信は実施可能である。
一つ目は以下の通りである。蜂須賀啓介、寺内祐介、岸慶憲、佐々木健、廣田輝直、保坂寛、藤井勝之、高橋応明、伊藤公一、「Simplified circuit modeling and fabrication of intrabody communication devices」、Sensors and Actuators A: Physical、(オランダ)、エルゼビア(Elsevier)、2006年6月27日、第130−131巻、p322-330。
二つ目は以下の通りである。藤井勝之、高橋応明、伊藤公一、蜂須賀啓介、寺内祐介、岸慶憲、佐々木健、板生清、「Study on the Transmission for Wearable Device Using the Human Body as a Transmission Channel」、IEICE-Transactions on Communications、(英国)、オックスフォード大学出版局(Oxford University Press)、2005年6月、第6号、第E88-B巻、p2401-2410。
次に、実施例2を説明する。図6は、本実施例のユーザ識別システム2が自動車に搭載される様子を、上から示した模式図である。この自動車は、運転席、助手席および後部座席と、オーディオ装置やエアコン装置などの車載装置(図示せず)と、これら車載装置を制御する複数のECU60と、これら車載装置に対して各種指令を入力するための入力装置であるリモコン22及びインパネ32と、ユーザ識別システム2とを備える。そして、ユーザ識別システム2は、信号生成出力装置12、受信転送装置42及び制御装置52から成る。
リモコン22及びインパネ32は、人体通信を利用して、制御装置52に情報を送信するものである。また、インパネ32は、各種情報表示用の表示装置31と、各種操作キーとを有する。また、インパネ32は、自身が有する操作キーを通じて入力されたユーザの操作情報を、人体通信を利用して、制御装置52に送信可能に構成されている。人体通信を利用した情報の送信についての詳細は、後述する。
一方、ユーザ識別システム2を構成する各信号生成出力装置12は、リモコン22及びインパネ32の内部に備えられている。また、受信転送装置42は、各座席内部に設けられており、制御装置52に情報を転送可能に構成されている。
また、制御装置52は、実施例1で説明した制御装置50と、基本的に同一構成にされている。但し、この制御装置52については、制御装置50に対して相違点がある。それは、リモコン22及びインパネ32からではなく、受信転送装置42からボデーを介して操作情報および座席情報を取得するように構成されている点である。従って、インパネ32に、赤外線を受光する受光部は設けられておらず、制御装置52は、受光部を通じて操作情報および座席情報を取得する構成にはされていない。
また、図7は、ユーザが座席に座りながら、リモコン22を操作している様子を表した図である。この図7においては、情報の伝達経路が、点線の矢印によって、模式的に示されている。詳述すると、このユーザ識別システム2においては、ユーザがリモコン22を手に持っていることを前提として、信号生成出力装置12から、ユーザの身体を介して、座席内の受信転送装置42に、リモコン22にユーザが入力した操作情報が伝わる。そして、座席内の受信転送装置42から、ボデーを介して制御装置52に、ユーザがリモコン22の操作キーを操作することにより入力される操作情報が送信されると共に、座席情報が転送される。
また、ユーザがインパネ32の操作キーを操作している場合には(図示せず)、信号生成出力装置12からユーザを介して座席内の受信転送装置42に、上記操作情報が伝わる。そして、座席内の受信転送装置42から制御装置52に、ボデーを通じて、ユーザがインパネ32の操作キーを操作することにより入力される操作情報が入力されると共に、座席情報が転送される。
制御装置52は、このようにして入力される座席情報及び操作情報に基づいて、車載装置を制御し、例えば、車両の走行中には、運転者から入力された操作情報を破棄して、操作情報に基づく車載装置の動作を禁止する。
ところで、受信転送装置42は、座席内部ではなく、シートベルトに設けられてもよい。この様子は、図3において、信号生成出力装置10を受信転送装置42に読み替えることで表される。この場合、受信転送装置42から制御装置52に、情報を転送することになる。この経路として車内ネットワークやボデーを使うために、シートベルトの表面または内部に配線を取り回して実現してもよい。また、赤外線や電波によって送信するようにしてもよい。
次に、図8を用いて、上述したユーザ識別システム2の構成およびその動作を詳しく説明する。図8は、本発明が適用されたユーザ識別システム2の概略構成を表したブロック図である。
信号生成出力装置12は、上述したようにリモコン22とインパネ32とに組み込まれており、二つ存在するが、リモコン22及びインパネ32の夫々に設けられる信号生成出力装置12は、出力インタフェースが異なる以外、基本的に同一構成である。従って、図8では、リモコン22及びインパネ32の夫々に設けられる信号生成出力装置12を共通して一つのみ示す。
また、受信転送装置42は、上述したように各座席に対応して設けられているので複数存在するが、各座席の受信転送装置42は、基本的に同一構成であるので、図8では、省略して一つのみ示す。
まず、信号生成出力装置12の構成要素から説明する。信号生成出力装置12は、操作信号発生回路121、基準発振回路123、変調回路125、フィルタ回路127、増幅回路129及びコイル131から構成される。
続いて、信号生成出力装置12の各構成要素の動作を説明する。操作信号発生回路121は、ユーザから操作キーを介して操作情報を取得すると、取得した操作情報を含む電気信号を、操作信号として発生させる。また、基準発振回路123は、搬送波としての基準信号を発振する。
変調回路125は、操作信号発生回路121から入力される操作信号で、基準発振回路123から入力される基準信号を、変調(周波数変調や振幅変調等)することで、変調信号を生成する。そして、変調信号は、フィルタ回路127に送られる。フィルタ回路127は、バンドパスフィルタであり、変調信号に含まれる所定範囲の周波数成分(ノイズ成分)を減衰させる。
フィルタ回路127を通った変調信号は、増幅回路129に送られる。そして、増幅回路129は受け取った変調信号を増幅し、コイル131に送る。コイル131は、受け取った変調信号を、送信信号として、コイル131の周囲に生じる磁界の形態に変換する。
各コイル131は、各操作キーに隣接して設けられている。また、信号生成出力装置12においては、操作キーを操作している身体部位(例えば指先)に磁界が伝播するように、コイル131から出力される磁界の出力強度、コイルの位置および送信信号の周波数が設計されている。従って、操作キーを操作するユーザの身体表面には、コイル131の周囲に生じる磁界が伝播することになる。
受信転送装置42は、このようにして、ユーザの身体表面に生じる磁界の形態で、信号生成出力装置12から送信されてくる送信信号を受信する。
ここから受信転送装置42の説明に移る。本実施例の受信転送装置42は、増幅回路421、フィルタ回路423、局部発振回路425、周波数変換回路427、増幅回路429、検波回路431、合成回路433、コイル435及び座席信号発生回路437から構成される。以下、順に各構成要素の動作を説明していく。
コイル435が、ユーザに身体表面に生じている磁界の形態の送信信号を受信すると共に、電気信号の形態の受信電気信号に変換する。増幅回路421は、この受信電気信号を増幅して、フィルタ回路423に送る。フィルタ回路423は、バンドパスフィルタとして構成されており、受け取った受信電気信号の所定の周波数成分(ノイズ成分)を減衰させ、周波数変換回路427に送る。
一方、局部発振回路425は、局部発振信号を発振し、周波数変換回路427に送る。そして、周波数変換回路427は、受信電気信号と局部発振信号とを受け取ると、受信電気信号から局部発振信号を引き、中間周波信号を生成し、これを増幅回路429に送る。
増幅回路429は、周波数変換回路427から入力される中間周波信号を増幅して、検波回路431に送る。検波回路431は、増幅回路429から入力される信号を復調して、受信信号(詳細には中間周波信号)に含まれる操作信号を抽出し、合成回路433に送る。
一方、座席信号発生回路437は、各座席に固有のコードを含む電気信号を、座席信号として生成し、これを合成回路433に入力する。
そして、合成回路433は、検波回路431から入力される操作信号と、座席信号発生回路437から入力される座席信号とを合成して通知信号を生成する。そして、合成回路433は、通知信号を、ボデーを介して周知の技法で、制御装置52に送る。
また、ボデーではなく配線を介して通知信号を送信するようにしてもよい。この場合だと、各座席に固有のコードを割り当てなくてもよい。通知信号が、どの座席に備えられた受信転送装置42から送られてきたかは、配線を基に判断できるからである。具体的には、座席毎に個別の配線を用意して、これを受信転送装置42に接続するようにすればよい。
制御装置52は、このようなプロセスで受信転送装置42から送信されてくる通知信号をボデー又は配線を通じて受信し、この通知信号を受信すると、実施例1で説明した図5に示す処理と同様の識別処理を実行する。但し、S505においては、受信転送装置42から受信した通知信号を、座席信号と操作信号とに分離し、座席信号から座席情報(コード)を読み取ると共に、操作信号から操作情報を読み取るものとする。
ちなみに、本実施例においては、実施例1とは異なり、ユーザと受信転送装置42とが離れた状態での、ユーザが操作キーを操作することによる誤動作を懸念する必要はない。なぜなら、そのような状態では、リモコン22又はインパネ32から制御装置52へは、操作信号と座席情報との両方共が伝達しないからである。
以上に説明した実施例2のユーザ識別システム2は、信号生成出力装置12−受信転送装置42間の非閉回路構成の伝送路による人体通信にて操作元の着座位置を識別するので、実施例1のユーザ識別システム1と同等な効果を奏することが可能である。また、実施例2の特徴は、リモコン22が赤外線によって通信をしていない点である。つまり、本実施例には、リモコン22を通じて車載装置を操作するに当たって、リモコン22を制御装置52の赤外線受光部に向ける必要がない。従って、本実施例のユーザ識別システム2によれば、特に後部座席に座っている乗員にとって、リモコン22を通じて車載装置を操作する際の操作性が向上する。
次に、実施例3を説明する。図9は、本実施例のユーザ識別システム3が自動車に搭載される様子を、上から示した模式図である。この自動車は、運転席、助手席および後部座席と、オーディオ装置やエアコン装置などの車載装置(図示せず)と、これら車載装置を制御する複数のECU60と、これら車載装置に対して各種指令を入力するための入力装置であるリモコン24及びインパネ34と、ユーザ識別システム3とを備える。そして、ユーザ識別システム3は、信号生成出力装置14、受信転送装置44及び制御装置54から成る。
リモコン24は、赤外線による無線通信によって、制御装置54に情報を送信すると共に、受信転送装置44に、ウェークアップ情報を、ユーザを介して人体通信により送信するものである。また、インパネ34は、リモコン24が発信する赤外線を受光する受光部33と、各種情報表示用の表示装置31と、各種操作キーと、を有する。また、インパネ34は、自身が有する操作キーを通じて入力されたユーザの操作情報を、有線によって、制御装置54に送信可能に構成されている。
一方、ユーザ識別システム3を構成する各信号生成出力装置14は、リモコン24及びインパネ34に内蔵されている。また、受信転送装置44は、各座席内部に設けられており、制御装置54に座席情報を送信するように構成されている。
この他、制御装置54は、実施例1の制御装置50と基本的に同一構成にされ、表示装置31及び受光部33に接続されている。但し、この制御装置54については、制御装置50に対して異なる点が二つある。一つ目の相違点は、上述したように、リモコン24だけでなく、受信転送装置44からも情報を取得可能に構成されている点である(詳細後述)。また、二つ目の相違点は、識別処理の内容である。この識別処理の詳細については、本実施例の説明の最後の辺りで述べる。
図10は、ユーザが座席に座りながら、リモコン24を操作している様子を表した図である。この図10においては、情報の伝達経路が、点線の矢印によって、模式的に示されている。詳述すると、このユーザ識別システム3においては、ユーザがリモコン24を手に持っていることを前提として、信号生成出力装置14から、赤外線の形態で、制御装置54に、リモコン24にユーザが入力した操作情報が伝わる。
一方、信号生成出力装置14から、座席内の受信転送装置44へは、ユーザを介して、ウェークアップ信号が伝わる。受信転送装置44は、受信転送装置44からウェークアップ信号が入力されると、ボデーを介して、座席情報を、制御装置54に送信する。
また、ユーザがインパネ34の操作キーを操作している場合には(図示せず)、信号生成出力装置14から、有線によって、制御装置54に、インパネ34にユーザが入力した操作情報が伝わる。一方、信号生成出力装置14から、座席内の受信転送装置44へは、ユーザを介して、ウェークアップ信号が伝わる。そして、ウェークアップ信号が伝わった受信転送装置44から制御装置54へは、ボデーを介して、座席情報が送信される。
制御装置54は、このようにして入力される座席情報及び操作情報に基づいて、車載装置を制御し、例えば、車両の走行中には、運転者から入力された操作情報を破棄して、操作情報に基づく車載装置の動作を禁止する。
尚、受信転送装置44は、実施例2と同様、シートベルトに設けられてもよい。図3において、信号生成出力装置10を受信転送装置44に読み替えることで、この様子は表される。
次に、図11を用いて上述したユーザ識別システム3の構成およびその動作を詳しく説明する。図11は、本発明が適用されたユーザ識別システム3の概略構成を表したブロック図である。
信号生成出力装置14は、上述したようにリモコン24とインパネ34とに内蔵されており、二つ存在するが、リモコン24及びインパネ34の夫々に設けられる信号生成出力装置14は、出力インタフェースが異なる以外、基本的に同一構成である。従って、図11では、リモコン24及びインパネ34の夫々に設けられる信号生成出力装置14を、共通して一つのみ示す。
また、受信転送装置44は、上述したように各座席に対応して設けられているので複数存在するが、各座席の受信転送装置44は、基本的に同一構成であるので、図11では、省略して一つのみ示す。
まず、信号生成出力装置14の構成要素から説明する。信号生成出力装置14は、ウェークアップ信号発生回路141、基準発振回路143、変調回路145、フィルタ回路147、増幅回路149、コイル151及び操作信号発生回路153から構成される。
続いて、信号生成出力装置14の各構成要素の動作を説明する。操作信号発生回路153は、ユーザから操作キーを介して操作情報を取得し、取得した操作情報を含む電気信号を操作信号として発生させ、この操作信号を、リモコン24の場合は赤外線の形態で、インパネ34の場合は有線内部を伝達する電気信号の形態で、制御装置54に送る。
一方、ウェークアップ信号発生回路141は、何れかの操作キーが操作されたことを検出可能に構成されており、これを検出すると、ウェークアップ情報を含むウェークアップ信号を発生し、変調回路145に送る。一方、基準発振回路143は、搬送波としての基準信号を発振し、変調回路145に送る。そして、変調回路145は、ウェークアップ信号発生回路141から入力されるウェークアップ信号で、基準発振回路143から入力される基準信号を、変調して、変調信号を生成する。この変調信号は、フィルタ回路147に送られる。フィルタ回路147は、バンドパスフィルタであり、変調回路145から入力される変調信号に含まれる所定範囲の周波数成分(ノイズ成分)を減衰させる。
また、フィルタ回路147を通った変調信号は、増幅回路149に送られる。増幅回路149は、フィルタ回路147から入力される変調信号を増幅し、増幅後の変調信号をコイル151に送る。コイル151は、増幅回路149から入力される変調信号を、送信信号として、コイル151の周囲に生じる磁界の形態に変換する。また、各コイル151は、各操作キーに隣接して設けられている。従って、操作キーを操作するユーザの身体表面へは、コイル151の周囲に生じる磁界が伝播することになる。
受信転送装置44は、このようにして、ユーザの身体表面に生じる磁界の形態で、信号生成出力装置14から送信されてくる送信信号を受信する。
ここから受信転送装置44の説明に移る。本実施例の受信転送装置44は、増幅回路441、フィルタ回路443、局部発振回路445、周波数変換回路447、増幅回路449、検波回路451、座席信号発生回路453及びコイル455から構成される。以下、順に各構成要素の動作を説明していく。
まず、コイル455が、ユーザの身体表面に生じている磁界の形態で、信号生成出力装置から送信される送信信号を受信し、受信した磁界を電気信号の形態の信号である受信電気信号に変換する。増幅回路441は、コイル455から入力される受信電気信号を増幅して、これをフィルタ回路443に送る。フィルタ回路443は、バンドパスフィルタとして構成されており、増幅回路441から入力される受信電気信号の所定の周波数成分を減衰させ、これを周波数変換回路447に送る。
一方、局部発振回路445は、局部発振信号を発振し、周波数変換回路447に送る。そして、周波数変換回路447は、フィルタ回路443から入力される受信電気信号から局部発振信号を引いて、中間周波信号を生成し、これを、増幅回路449に送る。増幅回路449は、周波数変換回路447から入力される中間周波信号を増幅して、検波回路451に送る。検波回路451は、増幅回路449から入力される信号を復調して、受信信号(詳細には中間周波信号)に含まれるウェークアップ信号を抽出し、ウェークアップ信号を抽出できた場合には、これを座席信号発生回路453に送る。
また、座席信号発生回路453は、検波回路451からウェークアップ信号が入力されると、各座席に固有のコードを含む電気信号を座席信号として発生させると共に、この座席信号を、ボデー又は配線を介して制御装置54に通知信号として送信する。従って、当該ユーザ識別システム3においては、ユーザがリモコン24及びインパネ34の操作キーに接触し、ウェークアップ信号を含む送信信号をコイル455が受信すると、制御装置54に通知信号として座席信号が送信されることになる。
制御装置54は、このようなプロセスで受信転送装置44から送信されてくる通知信号をボデー又は配線を通じて受信する。
また、本実施例の制御装置54は、受光部33又はインパネ34から操作信号を受信すると、実施例1で説明した図5に示す処理と同様の識別処理を実行する。尚、図12は、本実施例において、制御装置54が実行する識別処理を表すフローチャートである。
図12に示すように、本実施例の識別処理は、実施例1の識別処理に対して若干異なる内容にされている。この点について詳述すると、本実施例では、S505に示す処理に代えて、図12に示すように、S502及びS504に示す処理を実行する。
即ち、本実施例では、識別処理を開始すると、信号生成出力装置14から入力された操作信号から操作情報を取得する(S502)。また、受信転送装置44から座席信号が入力されたか否かを判断する(S504)。
そして、座席信号が入力されている場合には、S504でYesと判断して、S510に移行し、実施例1における識別処理と同様の後続処理を実行する。
一方、座席信号が入力されていない場合には、S504でNoと判断して、当該識別処理を終了する。
尚、このように識別処理の内容を実施例1に対して変更する理由は次の通りである。ユーザと受信転送装置44とが離れてしまい、受信転送装置44がウェークアップ信号を受信できない状態で、そのユーザがリモコン24を操作することが考えられるが、その場合、制御装置54は、操作信号だけを受信し、座席信号を受信できない。そこで、上述した場合には誤動作を避けるために、受信した操作信号を受け付けずに何もしないように制御装置54を構成する必要がある。そのために、識別処理を、上述したように、実施例1に対して変更しているのである。
以上に説明した実施例3のユーザ識別システム3は、信号生成出力装置14−受信転送装置44間の非閉回路構成の伝送路による人体通信にて操作元の着座位置を識別するので、実施例1のユーザ識別システム1と同等な効果を奏することが可能である。また、実施例1及び実施例2にはない実施例3の特徴は、合成回路を備えてない点である。つまり、操作信号と座席信号とを合成して、その後に分離する、という過程を経ないので、ユーザ識別システム3を簡潔に構成できる。また、実施例1及び実施例2では、座席信号発生回路が、常に動作する必要があった。それに対して、本実施例で説明したどの回路も、操作キーが操作されることをトリガとして動作し始めるので、電力を節約できる。
続いて、実施例4について説明する。図13は、本実施例のユーザ識別システム4が自動車に搭載される様子を、上から示した模式図である。本実施例は、実施例1のユーザ識別システム1の構成を若干変更した程度のものである。従って、以下では、実施例1のユーザ識別システム1と同一構成の部位についての説明を、適宜省略する。
尚、本実施例と実施例1との違いは、信号生成出力装置10が、運転席の座席内部又はシートベルトのみに設けられていることである。また、本実施例の受信転送装置40は、座席信号が入力されず、操作信号だけが入力される場合に、操作信号だけを、合成回路413を通じて制御装置50に送信するように構成されている。
この他、図14は、本実施例の制御装置50が実行する識別処理を表すフローチャートである。本実施例の識別処理では、実施例1と同様にS505の処理を実行した後、S516に移行し、S516では、通知信号に座席信号が含まれていたか否かを判断する。そして、通知信号に座席信号が含まれていたと判断すると(S516:Yes)、操作元のユーザの着座位置が運転席であると認識し、車内ネットワークから車両情報を取得して、自動車が走行中であるか否かを判断する(S520)。
そして、自動車が走行中であると判断すると(S520:Yes)、制御装置50は、リモコン20又はインパネ30の操作キーを通じて入力された操作情報を破棄して識別処理を終える。
一方、自動車が走行中でないと判断すると(S520:No)、入力された操作情報に対応する命令コードを特定する(S525)。そして、その特定した命令コードを命令対象のECU60に送信する(S530)ことで、上記操作情報に対応する処理を、ECU60に実行させ、識別処理を終える。
これに対し、通知信号に座席信号が含まれていないと判断すると(S516:No)、制御装置50は、操作元のユーザの着座位置が運転席外であると認識して、入力された操作情報に対応する命令コードを特定し(S533)、特定した命令コードを命令対象のECUに送信する(S535)ことで、上記操作情報に対応する処理を、ECU60に実行させる。
次に、操作補助機能がユーザによって予め「作動要」に設定されているかを判断する(S540)。操作補助機能がユーザによって予め「作動要」に設定されていると判断すると(S540:Yes)、操作補助機能を作動させ(S545)、識別処理を終える。また、操作補助機能がユーザによって予め「作動不要」に設定されていると判断すると(S540:No)、操作補助機能を作動させずに識別処理を終える。
以上に、実施例4のユーザ識別システム4の構成及び動作について説明したが、本実施例によれば、信号生成出力装置10の数を減らすことができ、システムを安価に構成できる。
続いて、実施例5について説明する。図15は、本実施例のユーザ識別システム5が自動車に搭載される様子を、上から示した模式図である。本実施例は、実施例3のユーザ識別システム3の構成を若干変更した程度のものである。従って、以下では、実施例3のユーザ識別システム3と同一構成の部位についての説明を、適宜省略する。
尚、本実施例と実施例3との違いは、受信転送装置44が、運転席の座席内部又はシートベルトのみに設けられていること、及び、制御装置54が実行する識別処理の内容が、図16に示すようになっていることである。
図16は、本実施例において制御装置54が実行する識別処理を表すフローチャートである。本実施例において、制御装置54は、上記識別処理を開始すると、まず、S508にて、信号生成出力装置14から入力された操作信号から操作情報を取得する。そして、S518に進む。また、S518では、受信転送装置44から座席信号を受信したか否かを判断する。そして、受信転送装置44から座席信号を受信したと判断すると(S518:Yes)、操作元のユーザの着座位置が運転席であると認識し、車内ネットワークから車両情報を取得して自動車が走行中であるか否かを判断する(S520)。
そして、自動車が走行中であると判断すると(S520:Yes)、制御装置54は、リモコン24又はインパネ34の操作キーを通じて入力された操作情報を破棄して識別処理を終える。
一方、自動車が走行中でないと判断すると(S520:No)、入力された操作情報に対応する命令コードを特定する(S525)。そして、その特定した命令コードを命令対象のECU60に送信する(S530)ことで、上記操作情報に対応する処理を、ECU60に実行させ、識別処理を終える。
一方、受信転送装置44から座席信号を受信していないと判断すると(S518:No)、制御装置54は、操作元のユーザの着座位置が運転席外であると認識し、入力された操作情報に対応する命令コードを特定して(S533)、特定した命令コードを命令対象のECUに送信する(S535)ことで、上記操作情報に対応する処理を、ECU60に実行させる。
次に、操作補助機能がユーザによって予め「作動要」に設定されているかを判断する(S540)。操作補助機能がユーザによって予め「作動要」に設定されていると判断すると(S540:Yes)、操作補助機能を作動させ(S545)、識別処理を終える。また、操作補助機能がユーザによって予め「作動不要」に設定されていると判断すると(S540:No)、操作補助機能を作動させずに識別処理を終える。
以上に、実施例5のユーザ識別システム5の構成及び動作について説明したが、本実施例によれば、受信転送装置44の数を減らすことができ、システムを安価に構成できる。
[対応関係]
明細書に記載の各手段と、実施例の識別処理における各ステップとの対応関係は、次の通りである。即ち、本実施例において、処理実行手段は、S530及びS535の処理によって実現され、判定手段は、S520及びS555の処理によって実現され、禁止手段は、S515及びS520、並びに、S550及びS555の処理によって実現されている。
その他]
以上、本発明の実施例について説明したが、本発明の実施の形態は、以上に説明したものに限られない。例えば、信号生成出力装置または受信転送装置は、シートベルトの表面に、脱着が簡単なように設けられてもよい。こうすると、例えば、子供が座っている座席のシートベルトから信号生成出力装置または受信転送装置を外すことで、その子供からは、車載装置を操作不能にすることができ、保護者には都合がよい。
また、送信信号を、電界または電流としてもよいし、磁界、電界および電流を組み合わせて信号を形成するようにしてもよい。また、発明を適用する入力装置をインパネ又はリモコンのどちらかだけにしてもよい。
また、受信転送装置が、操作信号を制御装置50に転送するのを、適宜したりしなかったりするように構成されてもよい。例えば、実施例2において、運転席に設けられた受信転送装置42が、車内ネットワークから情報を取得し、走行中は操作情報を転送せずに破棄するようにしてもよい。このようにすれば、車載装置を制御する制御装置50の処理負荷を軽くすることができる。
また、信号生成出力装置10、受信転送装置42及び受信転送装置44は、上記各実施例において、座席の背もたれ部に埋め込まれているが、これらは、臀部を乗せる腰掛け部に埋め込まれても良いし、その他の部位に埋め込まれてもよい。また、送信信号を送受信するものは、コイルでなくても、電極等、人体に信号を伝えられるものであればよい。
また、識別処理におけるS545の操作補助機能は、運転者に向けても実行可能なように構成されてもよい。具体的には、S530の後に、S540及びS545と同様な処理をするように構成されればよい。このように構成されれば、運転者が入力装置の操作に慣れていない場合に、運転者の操作を補助できて便利である。
また、実施例4において、運転席のみでなく任意の席に対応させて、信号生成出力装置10を設けてもよい。また、実施例5において、運転席のみでなく任意の席に対応させて、受信転送装置44を設けてもよい。
また、本発明は、カラオケのリモコンに適用されてもよい。また、本発明は、座席に限らず、特定の場所に位置するユーザの操作を禁止する目的で活用されてもよく、コンピュータゲーム又は危険な作業現場における機械の操作パネルなどに適用してもよい。
ユーザ識別システム1が自動車に搭載された様子を表す図である。 ユーザ識別システム1における、情報の伝達経路を模式的に示した図である。 信号生成出力装置がシートベルトに設置された様子を示す図である。 ユーザ識別システム1の概略構成を表すブロック図である。 制御装置50が実行する識別処理を表すフローチャートである。 ユーザ識別システム2が自動車に搭載された様子を表す図である。 ユーザ識別システム2における、情報の伝達経路を模式的に示した図である。 ユーザ識別システム2の概略構成を表すブロック図である。 ユーザ識別システム3が自動車に搭載された様子を表す図である。 ユーザ識別システム3における、情報の伝達経路を模式的に示した図である。 ユーザ識別システム3の概略構成を表すブロック図である。 制御装置54が実行する識別処理を表すフローチャートである。 ユーザ識別システム4が自動車に搭載された様子を表す図である。 ユーザ識別システム4の識別処理を表すフローチャートである。 ユーザ識別システム5が自動車に搭載された様子を表す図である。 ユーザ識別システム5の識別処理を表すフローチャートである。
符号の説明
1,2,3,4,5…ユーザ識別システム、10,12,14…信号生成出力装置、20,22,24…リモコン、30,32,34…インパネ、31…表示装置、33…受光部、40,42,44…受信転送装置、50,52,54…制御装置、101,437,453…座席信号発生回路、103,123,143…基準発振回路、105,125,145…変調回路、107,127,147…フィルタ回路、109,129,149…増幅回路、111,131,151,415,435,455…コイル、121…操作信号発生回路、141…ウェークアップ信号発生回路、401,421,441…増幅回路、403,423,443…フィルタ回路、405,425,445…局部発振回路、407,427,447…周波数変換回路、409,429,449…増幅回路、411,431,451…検波回路、413,433,453…合成回路

Claims (9)

  1. 複数の座席が設けられた空間に設置され、物理的な接触により操作される入力装置、を操作するユーザの位置を識別するためのユーザ識別システムであって、
    前記入力装置の周囲に設けられ、送信信号を生成すると共に、前記生成した送信信号を、近接するユーザの身体に出力する信号生成出力手段と、
    近接するユーザの身体を介して前記送信信号を受信する受信手段と、
    前記受信手段の受信結果に基づき、前記入力装置を操作するユーザの位置を、識別する識別手段と、
    を備え、
    前記信号生成出力手段と前記受信手段との間には、前記送信信号の伝送路として、前記入力装置を操作するユーザを介して、非閉回路構成の伝送路が形成されて、前記送信信号は、前記入力装置を操作するユーザを媒体とした前記非閉回路構成の伝送路を通じて、前記信号生成出力手段と前記受信手段との間で、送受信され、
    前記受信手段は、前記複数設けられた座席のうち、一部の座席に対応して設けられ、
    前記識別手段は、前記入力装置に対する操作がなされているときに、前記受信手段が前記送信信号を受信している場合には、前記入力装置を操作しているユーザが着座している座席が前記一部の座席であると識別し、前記受信手段が前記送信信号を受信していない場合には、前記入力装置を操作しているユーザが着座している座席が前記一部の座席以外の座席であると識別する構成にされている
    ことを特徴とするユーザ識別システム。
  2. 前記入力装置を通じて入力される操作情報に基づいた処理を実行する処理実行手段を備える請求項1に記載のユーザ識別システムであって、
    前記送信信号は、前記入力装置に対する操作情報を含むものであり、
    前記受信手段は、前記信号生成出力手段から前記ユーザの身体を介して受信した前記送信信号に含まれる操作情報を、前記処理実行手段に転送可能に構成されている
    ことを特徴とするユーザ識別システム。
  3. 前記複数の座席として、運転席及び運転席以外の座席を有する車両に設置される請求項1に記載のユーザ識別システムであって、
    前記識別手段により、前記入力装置を操作しているユーザが着座している座席が、運転席及び運転席以外の座席の何れであるかを識別可能な構成にされていることを特徴とするユーザ識別システム。
  4. 前記受信手段は、前記座席に取り付けられている
    ことを特徴とする請求項3に記載のユーザ識別システム。
  5. 前記車両は、前記各座席に対応したシートベルトを備えており、
    前記受信手段は、前記シートベルトに取り付けられている
    ことを特徴とする請求項3に記載のユーザ識別システム。
  6. 前記入力装置を通じて入力される操作情報に基づいた処理を実行する処理実行手段と、
    前記車両が走行中であるか否かを判定する判定手段と、
    を備える請求項3から請求項5の何れかに記載のユーザ識別システムであって、
    前記判定手段によって当該車両が走行中であると判定され、かつ、前記入力手段を操作しているユーザが着座している座席が運転席であると前記識別手段によって識別されている期間には、前記運転席に着座したユーザから入力された操作情報に基づく前記処理実行手段による処理を禁止する禁止手段
    を備えることを特徴とするユーザ識別システム。
  7. 前記入力装置は、電磁波による無線通信によって、自装置に入力された操作情報を、所定の遠隔操作対象に向けて送信するリモートコントローラである
    ことを特徴とする請求項1から請求項6までの何れかに記載のユーザ識別システム。
  8. 前記入力装置は、前記非閉回路構成の伝送路を通じて、自装置に入力された操作情報を、所定の遠隔操作対象宛に送信するリモートコントローラである
    ことを特徴とする請求項1〜請求項5の何れかに記載のユーザ識別システム。
  9. 前記信号生成出力手段は、基準信号を、特定のパターン信号で変調して前記送信信号を生成すると共に、近接するユーザの身体に出力する構成にされ、
    前記識別手段は、前記受信手段が受信した送信信号を復調して、前記復調結果に基づき、前記信号生成出力手段から出力された前記送信信号の受信を検知する構成にされている
    ことを特徴とする請求項1から請求項8の何れかに記載のユーザ識別システム。
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