JP5075129B2 - 糖尿病の治療又は予防のためのジペプチジルペプチダーゼ−4阻害剤としての縮合アミノピペリジン - Google Patents

糖尿病の治療又は予防のためのジペプチジルペプチダーゼ−4阻害剤としての縮合アミノピペリジン Download PDF

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Description

本発明は、ジペプチジルペプチダーゼ−4酵素の阻害剤(DPP−4阻害剤)であり、ジペプチジルペプチダーゼ−4酵素が関与する疾患、例えば糖尿病及び特に2型糖尿病の治療又は予防において有用な新規な置換縮合アミノピペリジンに関する。本発明はまた、これらの化合物を含む医薬組成物、及び、ジペプチジルペプチダーゼ−4が関与する疾患の治療又は予防におけるこれらの化合物及び組成物の使用にも関する。
糖尿病は、複数の原因となる因子に由来する疾患過程であり、絶食時又は経口グルコース耐性試験中のグルコース投与後における、高血漿グルコース濃度、または高血糖を特徴とする。持続的な高血糖又は放置されている高血糖は、高い早期の罹患率及び死亡率と関連がある。異常なグルコースホメオスタシスは、脂質、リポタンパク及びアポリポタンパクの代謝の変化、他の代謝病並びに血行力学的疾患と直接的にも間接的にも関連することが多い。したがって、2型真性糖尿病患者は、冠動脈性心疾患、発作、末梢血管疾患、高血圧、腎症、神経障害及び網膜症を含めて、大血管及び微小血管の合併症のリスクが特に高い。したがって、グルコースホメオスタシス、脂質代謝及び高血圧の治療管理は、真性糖尿病の臨床管理及び治療にきわめて重要である。
一般に認められている糖尿病の形態には2つある。1型糖尿病、すなわちインスリン依存性糖尿病(IDDM)においては、患者はグルコース利用を調節するホルモンであるインスリンをほとんど又はまったく産生しない。2型糖尿病、すなわち非インスリン依存性糖尿病(NIDDM)においては、患者は、非糖尿病性対象と同じか、又はむしろそれよりも高い血漿インスリン濃度を有する場合が多い。しかし、これらの患者は、主要なインスリン感受性組織である、筋肉、肝臓及び脂肪組織において、グルコース及び脂質代謝に対するインスリン刺激作用に対する抵抗性を示し、血漿インスリン濃度が高くても、顕著なインスリン抵抗性を克服するには不十分なものとなる。
インスリン抵抗性は、主としてインスリン受容体の数が減少するためではなく、いまだ解明されていないポストインスリン受容体結合の欠陥によるものである。このインスリン応答性への抵抗性は、筋肉におけるグルコースの取り込み、酸化及び貯蔵のインスリンによる活性化が不十分になり、脂肪組織における脂質分解及び肝におけるグルコースの産生並びに分泌のインスリンによる抑制が不適当なものとなる。
2型糖尿病に対して利用可能な治療は、長年実質的に変わっておらず、限界のあることが認識されている。運動及び食餌カロリーの低減は糖尿病の症状を劇的に改善するが、この治療のコンプライアンスは、定着してしまった座りがちの生活習慣及び、特に多量の飽和脂肪酸を含有する食物の過剰消費に、極めて不良である。膵臓β細胞を刺激してより多くのインスリンを分泌させるスルホニル尿素(例えばトルブタミド及びグリピジド)又はメグリチニドを投与して、及び/又はスルホニル尿素又はメグリチニドが効果的でなくなった場合にインスリンを注射して、インスリンの血漿中濃度を上昇させることによって、インスリン抵抗性組織を刺激するのに十分高いインスリン濃度を得ることができる。しかし、インスリン又はインスリン分泌促進物質(スルホニル尿素又はメグリチニド)の投与によって血漿グルコースが危険なほど低レベルになる恐れがあり、さらに高い血漿インスリン濃度のためにインスリン抵抗性の上昇が生じる恐れがある。ビグアニドはインスリン感受性を増大させ、高血糖をある程度改善する。しかしながら、2種のビグアニド、すなわちフェンホルミン及びメトホルミンは乳酸アシドーシス及び吐き気/下痢を惹起する場合がある。メトホルミンはフェンホルミンよりも副作用が少なく、2型糖尿病の治療に処方されることが多い。
グリタゾン(すなわち、5−ベンジルチアゾリジン−2,4−ジオン)は、より最近になって報告されたクラスの化合物であり、2型糖尿病の多くの症状を改善する可能性がある。これらの薬剤は2型糖尿病の数種の動物モデルにおいて筋肉、肝臓及び脂肪組織におけるインスリン感受性を実質的に増大させ、低血糖を起こすことなく高い血漿グルコース濃度を部分的又は完全に是正する。現在販売されているグリタゾンはペルオキシソーム増殖因子活性化受容体(PPAR)、主にPPAR−ガンマサブタイプのアゴニストである。PPARガンマアゴニスト作用は一般的にグリタゾンで観察される改善されたインスリン感受性が原因であると考えられている。2型糖尿病の治療に関して試験されているより新しいPPARアゴニストは、アルファ、ガンマ又はデルタサブタイプのアゴニスト又はそれらの組合せであり、多くの場合においてグリタゾンとは化学的に異なっている(すなわち、チアゾリジンジオンではない)。グリタゾンの一部、例えばトログリタゾンでは重篤な副作用(例えば肝臓毒性)が生じている。
この疾患を治療する別の方法がなお検討中である。最近導入された、又はいまだ開発中の新しい生化学的手法は、アルファ−グルコシダーゼ阻害剤(例えばアカルボース)及びタンパクチロシンホスファターゼ−1B(PTP−1B)阻害剤を用いた治療などが挙げられる。
ジペプチジルペプチダーゼ−4(DPP−4)酵素の阻害剤である化合物もまた、糖尿病、特に2型糖尿病の治療において有用であると考えられる薬剤として研究されている。例えば、WO97/40832、WO98/19998、米国特許第5,939,560号、Bioorg.Med.Chem.Lett.,6:1163−1166(1996)、及びBioorg.Med.Chem.Lett.,6:2745−2748(1996)を参照されたい。2型糖尿病の治療におけるDPP−4阻害剤の有用性は、DPP−4がin vivoで容易にグルカゴン様ペプチド−1(GLP−1)及び胃抑制ペプチド(GIP)を不活性化するという事実に基づいている。GLP−1及びGIPはインクレチンであり、食物が消費されると産生される。インクレチンはインスリンの産生を刺激する。DPP−4の阻害によって、インクレチンの不活性化が低減し、そしてこれは膵臓によるインスリンの産生の刺激においてインクレチンの有効性を高める。従って、DPP−4の阻害は、血清インスリン濃度の上昇をもたらす。有利なことに、インクレチンは食物が消費される場合のみに体によって産生されるため、DPP−4の阻害は、食間などの不適当なときにインスリンレベルを上昇させて過度の低血糖(低血糖症)をもたらすことはないと予想される。従って、DPP−4の阻害はインスリン分泌促進物質の使用に関連する危険な副作用である低血糖症の危険性を増大させることなくインスリンを上昇させると期待される。
DPP−4阻害剤は、本明細書において考察するとおり、他の治療上の有用性も有している。DPP−4阻害剤は特に糖尿病以外の有用性については、これまで十分研究されていなかった。糖尿病及び潜在的には他の疾患及び症状の治療に対して改善されたDPP−4阻害剤を発見することができるように、新しい化合物が必要とされている。2型糖尿病の治療のためのDPP−4阻害剤の治療上の可能性は、D.J.Drucker.,Exp.Opin.Invest.Drugs,12:87−100(2003)及びK.Augustyns,et al.,Exp.Opin.Ther.Patents,13:499−510(2003)によって考察されている。
本発明は、ジペプチジルペプチダーゼ−4酵素の阻害剤(DPP−4阻害剤)であり、そしてジペプチジルペプチダーゼ−4酵素が関与する疾患、例えば糖尿病及び特に2型糖尿病の治療又は予防において有用な新規な置換縮合アミノピペリジンに関する。本発明はまた、これらの化合物を含む医薬組成物、及びジペプチジルペプチダーゼ−4酵素が関与する疾患の治療又は予防におけるこれらの化合物及び組成物の使用に関する。
本発明はジペプチジルペプチダーゼ−4の阻害剤として有用な置換縮合アミノピペリジンに関する。本発明の化合物は下記構造式I:
Figure 0005075129
[式中、
各nは、独立して0、1、2又は3であり、
Arは、未置換であるか、又は1乃至5のR置換基で置換されたフェニルであり、
各Rは、
ハロゲン、
シアノ、
ヒドロキシ、
1−6アルキル(該アルキルは未置換であるか、又は1乃至5のハロゲンで置換されている)、及び、
1−6アルコキシ(該アルコキシは未置換であるか、又は1乃至5のハロゲンで置換されている)
からなる群より独立して選択され;
W、X、Y及びZは各々独立してN又はCRであり、ただし(a)XがNである場合は、W、Y又はZの1つはNでなければならず、そして(b)YがNである場合は、W、X又はZの1つがNでなければならず;
各Rは、
水素、
ヒドロキシ、
ハロゲン、
シアノ、
ニトロ、
1−10アルコキシ(該アルコキシは未置換であるか、又はハロゲン若しくはヒドロキシから独立して選択される置換基で1乃至5置換されている)、
1−10アルキル(該アルキルは未置換であるか、又はハロゲン若しくはヒドロキシから独立して選択される置換基で1乃至5置換されている)、
(CH−アリール(該アリールは未置換であるか、又はヒドロキシ、ハロゲン、シアノ、COH、C1−6アルキルオキシカルボニル、C1−6アルキル及びC1−6アルコキシから独立して選択される置換基で1乃至5置換されており、該アルキル及び該アルコキシは未置換であるか、又は1乃至5のハロゲンで置換されている)、
(CH−ヘテロアリール(該へテロアリールは未置換であるか、又はヒドロキシ、ハロゲン、シアノ、COH、C1−6アルキルオキシカルボニル、C1−6アルキル及びC1−6アルコキシから独立して選択される置換基で1乃至3置換されており、該アルキル及び該アルコキシは未置換であるか、又は1乃至5のハロゲンで置換されている)、
(CH−ヘテロシクリル(該へテロシクリルは未置換であるか、又はオキソ、ヒドロキシ、ハロゲン、シアノ、COH、C1−6アルキルオキシカルボニル、C1−6アルキル及びC1−6アルコキシから独立して選択される置換基で1乃至3置換されており、該アルキル及び該アルコキシは未置換であるか、又は1乃至5のハロゲン置換されている)、
(CH−C3−6シクロアルキル(該シクロアルキルは未置換であるか、又はハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、COH、C1−6アルキルオキシカルボニル、C1−6アルキル及びC1−6アルコキシから独立して選択される置換基で1乃至3置換されており、該アルキル及び該アルコキシは未置換であるか、又は1乃至5のハロゲン置換されている)、
(CH−COOH、
(CH−COOC1−6アルキル、
(CH−NR
(CH−CONR
(CH−OCONR
(CH−SONR
(CH−SO
(CH−SOR
(CH−SR
(CH−NRSO
(CH−NRCONR
(CH−NRCOR、及び、
(CH−NRCO
からなる群より独立して選択され;
ここで、(CHにおける任意の独立したメチレン(CH)炭素原子は未置換であるか、又は、ハロゲン、ヒドロキシ、C1−4アルキル及びC1−4アルコキシから独立して選択される基1又は2置換されており、該アルキル及び該アルコキシは未置換であるか、又は1乃至5のハロゲンで置換されており;
及びRは、
水素、
(CH−フェニル、
(CH−C3−6シクロアルキル、及び、
1−6アルキル
からなる群より各々独立して選択され;
ここでアルキルは未置換であるか、又はハロゲン及びヒドロキシから独立して選択される1乃至5の置換基で置換されており、ここでフェニル及びシクロアルキルは未置換であるか、又はハロゲン、ヒドロキシ、C1−6アルキル及びC1−6アルコキシから独立して選択される1乃至5の置換基で置換されており(該アルキル及び該アルコキシは未置換であるか、又は1乃至5のハロゲンで置換されている)、
又は、R及びRはそれらが結合している窒素原子と一緒になってアゼチジン、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン及びモルホリンから選択される複素環を形成し、ここで該複素環は未置換であるか、又はハロゲン、ヒドロキシ、C1−6アルキル及びC1−6アルコキシから独立して選択される置換基で1乃至3置換されており(該アルキル及び該アルコキシは未置換であるか、又は1乃至5のハロゲンで置換されている);
各Rは独立してC1−6アルキル(該アルキルは未置換であるか、又はハロゲン及びヒドロキシから独立して選択される1乃至5の置換基で置換されている)であり;
は水素又はRである]及びその薬学的に許容される塩により記載される。
本発明の化合物の1つの実施形態において、各Rは独立してフッ素、塩素、メチル及びトリフルオロメチルからなる群より選択される。
本発明の化合物の第2の実施形態において、WはNであり、X、Y及びZはCRである。
本発明の化合物の第3の実施形態において、ZはNであり、W、X及びYはCRである。
本発明の化合物の第4の実施形態において、W及びYはNであり、X及びZはCRである。
本発明の化合物の第5の実施形態において、X及びZはNであり、W及びYはCRである。
本発明の化合物の第6の実施形態において、W及びXはNであり、Y及びZはCRである。
本発明の化合物の第7の実施形態において、X及びYはNであり、W及びZはCRである。
本発明の化合物の第8の実施形態において、Y及びZはNであり、W及びXはCRである。
本発明の化合物の第9の実施形態において、W及びZはNであり、X及びYはCRである。
本発明の化合物の第10の実施形態において、*を付した立体中心の炭素原子2個においてAr及びNH置換基がトランス配置の立体化学配置を有する、下記構造式Ia及びIb:
Figure 0005075129
[式中Ar、W、X、Y及びZは前記した通りである]の化合物が提供される。
この第10の実施形態のクラスにおいて、*を付した立体中心の炭素原子2個においてAr及びNH置換基がトランス配置の絶対立体化学配置を有する、下記構造式Ia:
Figure 0005075129
[式中Ar、W、X、Y及びZは前記した通りである]の化合物が提供される。
ジペプチジルペプチダーゼ−4阻害剤として有用な本発明の化合物の非限定的な例は、立体中心となる縮合ピペリジン炭素原子2個において示した絶対立体化学配置を有する以下の構造:
Figure 0005075129
及びその薬学的に許容される塩である。
本明細書においては、以下の定義を適用する。
「アルキル」及びアルコキシ、アルカノイルなどの接頭語「アルク(alk)」を有する他の基は、炭素鎖を特に定義しない限り、直鎖又は分枝鎖であってよい炭素鎖及びその組合せを意味する。アルキル基の例としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、sec−及びt−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル等が挙げられる。指定炭素原子数が例えば、C3−10である場合は、アルキルという用語はシクロアルキル基及びシクロアルキル構造と組み合わせた直鎖又は分枝鎖のアルキル鎖の組合せをも含む。炭素原子の数を特定しない場合は、C1−6を意図する。
「シクロアルキル」とはアルキルのサブセットであり、特定の数の炭素原子を有する飽和の炭素環を意味する。シクロアルキルの例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル等が挙げられる。シクロアルキル基は一般的に、特段の記載が無い限り、単環である。シクロアルキル基は、特段の記載が無い限り飽和である。
「アルコキシ」という用語は特定の炭素原子数(例えば、C1−10アルコキシ)又はこの範囲内の任意の数の直鎖又は分枝鎖のアルコキシドを指す[すなわち、メトキシ(MeO−)、エトキシ、イソプロポキシ等]。
「アルキルチオ」という用語は特定の炭素原子数(例えば、C1−10アルキルチオ)又はこの範囲内の任意の数の直鎖又は分枝鎖のアルキルスルフィドを指す[すなわち、メチルチオ(MeS−)、エチルチオ、イソプロピルチオ等]。
「アルキルアミノ」という用語は特定の炭素原子数(例えば、C1−6アルキルアミノ)又はこの範囲内の任意の数の直鎖又は分枝鎖のアルキルアミンを指す[すなわち、メチルアミノ、エチルアミノ、イソプロピルアミノ、t−ブチルアミノ等]。
「アルキルスルホニル」という用語は特定の炭素原子数(例えば、C1−6アルキルスルホニル)又はこの範囲内の任意の数の直鎖又は分枝鎖のアルキルスルホンを指す[すなわち、メチルスルホニル(MeSO−)、エチルスルホニル、イソプロピルスルホニル等]。
「アルキルオキシカルボニル」という用語は特定の炭素原子数(例えば、C1−6アルキルオキシカルボニル)又はこの範囲内の任意の数の本発明のカルボン酸誘導体の直鎖又は分枝鎖のエステルを指す[すなわち、メチルオキシカルボニル(MeOCO−)、エチルオキシカルボニル又はブチルオキシカルボニル]。
「アリール」とは、炭素環原子を含む単環又は多環の芳香族環系を意味する。好ましいアリールは単環又は2環の6乃至10員の芳香族環系である。フェニル及びナフチルが好ましいアリールである。最も好ましいアリールはフェニルである。
「ヘテロシクリル」という用語はO、S及びNから選択されるヘテロ原子少なくとも1つを含有する飽和又は不飽和の、非芳香族の環又は環系を指し、さらに硫黄の酸化型、すなわちSO及びSO2をも含む。へテロシクリルの例としては、テトラヒドロフラン(THF)、ジヒドロフラン、1,4−ジオキサン、モルホリン、1,4−ジチアン、ピペラジン、ピペリジン、1,3−ジオキソラン、イミダゾリジン、イミダゾリン、ピロリン、ピロリジン、テトラヒドロピラン、ジヒドロピラン、オキサチオラン、ジチオラン、1,3−ジオキサン、1,3−ジチアン、オキサチアン、チオモルホリン、ピロリジノン、オキサゾリジン−2−オン、イミダゾリジン−2−オン、ピリドン等が挙げられる。
「ヘテロアリール」とは、O、S及びNから選択される環ヘテロ原子少なくとも1つを含有する芳香族又は部分芳香族の複素環を意味する。ヘテロアリールは又、アリール、シクロアルキル及び芳香族ではない複素環のような他の種の環に縮合したヘテロアリールを包含する。ヘテロアリール基の例としては、ピロリル、イソキサゾリル、イソチアゾリル、ピラゾリル、ピリジニル、2−オキソ−(1H)−ピリジニル(2−ヒドロキシ−ピリジニル)、オキサゾリル、1,2,4−オキサジアゾリル、1,3,4−オキサジアゾリル、チアジアゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、フリル、トリアジニル、チエニル、ピリミジニル、ピラジニル、ベンズイソキサゾリル、ベンゾキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾチアジアゾリル、ジヒドロベンゾフラニル、インドリニル、ピリダジニル、インダゾリル、イソインドリル、ジヒドロベンゾチエニル、インドリジニル、シンノリニル、フタラジニル、キナゾリニル、ナフチリジニル、カルバゾリル、ベンゾジオキソリル、キノキサリニル、プリニル、フラザニル、イソベンジルフラニル、ベンズイミダゾリル、ベンゾフラニル、ベンゾチエニル、キノリル、インドリル、イソキノリル、ジベンゾフラニル、イミダゾ[1,2−α]ピリジニル、[1,2,4−トリアゾロ][4,3−α]ピリジニル、ピラゾロ[1,5−α]ピリジニル、[1,2,4−トリアゾロ][1,5−α]ピリジニル、2−オキソ−1,3−ベンゾキサゾリル、4−オキソ−3H−キナゾリニル、3−オキソ−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−α]−2H−ピリジニル、5−オキソ−[1,2,4]−4H−オキサゾリル、2−オキソ−[1,3,4]−3H−オキサジアゾリル、2−オキソ−1,3−ジヒドロ−2H−イミダゾリル、3−オキソ−2,4−ジヒドロ−3H−1,2,4−トリアゾリル等が挙げられる。ヘテロシクリル及びヘテロアリール基に関しては、炭素原子3乃至15個を含有し、1乃至3環を形成するような環及び環系も包含される。
「ハロゲン」とは、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素を指す。塩素及びフッ素が一般的に好ましい。ハロゲンがアルキル又はアルコキシ基上で置換される場合にはフッ素が最も好ましい(例えば、CFO及びCFCHO)。
本発明の化合物は不斉中心1つ以上を含有し、従って、ラセメート、ラセミ混合物、単一のエナンチオマー、ジアステレオマー混合物及び個々のジアステレオマーとして存在することができる。特に、本発明の化合物は式Ia及びIbにおいて*を付した立体中心の炭素原子において不斉中心を有する。追加的な不斉中心は分子の種々の置換基の性質に応じて存在してよい。そのような不斉中心の各々は独立して2つの光学異性体を形成し、そして混合物としての、及び純粋又は部分的に精製された状態の可能な光学異性体及びジアステレオマーの全てが本発明の範囲に包含されることを意図している。本発明はこれらの化合物の全てのそのような異性体形態を包括するものとする。
本明細書に記載した化合物の一部はオレフィン性二重結合を含有し、特段の記載が無い限りE及びZの幾何異性体の両方を包含するものとする。
本明細書に記載した化合物の一部は互変異体として存在してよく、これは二重結合シフト1つ以上を伴う異なる水素結合点を有する。例えば、ケトン及びそのエノール型はケト−エノール互変異体である。個々の互変異体並びにその混合物が本発明の化合物に包含される。
式Iは化合物のクラスの構造を示しており、好ましい立体化学は標記していない。式Ia及びIbは、シクロヘキサン環上においてNH及びAr基が結合している立体形成性炭素原子における好ましい立体化学を示している。
これらのジアステレオマーの独立した合成又はそのクロマトグラフィー分離は本明細書に開示した方法の適切な変更により当該分野で知られる通り行うことができる。その絶対的な立体化学は、既知絶対配置の不斉中心を含有する試薬で必要に応じて誘導体化した結晶性の生成物又は結晶性の中間体のX線結晶学的分析により調べることができる。
所望により、個々のエナンチオマーが単離されるように化合物のラセミ混合物を分離することができる。分離は当該分野で良く知られている方法、例えば、エナンチオマー的に純粋な化合物への化合物のラセミ混合物のカップリングによりジアステレオマー混合物を形成し、その後、標準的な方法、例えば分別結晶又はクロマトグラフィーにより個々のジアステレオマーの分離を行うことにより実施することができる。カップリング反応はエナンチオマー的に純粋な酸又は塩基を用いた塩の形成である場合が多い。次に、付加されたキラル残基の切断によりジアステレオマー誘導体を純粋なエナンチオマーに変換してよい。化合物のラセミ混合物はまた、当該分野で良く知られているキラル固定相を利用したクロマトグラフィー法により直接分離することもできる。
或いは、化合物の任意のエナンチオマーは、当該分野で良く知られている方法により光学的に純粋な出発物質又は既知配置の試薬を用いながら、立体選択的な合成により得ることができる。
本明細書においては、構造式Iの化合物に言及する場合は、薬学的に許容される塩、及び遊離の化合物又はそれらの薬学的に許容される塩の前駆体として、又は他の合成操作において使用される場合の薬学的に許容されない塩も包含するものとする。
本発明の化合物は薬学的に許容される塩の形態で投与してよい。「薬学的に許容される塩」という用語は無機又は有機の塩基及び無機又は有機の酸を包含する薬学的に許容される非毒性の塩基又は酸から調製される塩を指す。「薬学的に許容される塩」という用語に包含される塩基性化合物の塩は適当な有機又は無機の酸に遊離の塩基を反応させることにより、一般的に調製される本発明の化合物の非毒性の塩を指す。本発明の塩基性化合物の代表的な塩は、限定しないが、以下のもの、すなわち、酢酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、重炭酸塩、重硫酸塩、重酒石酸塩、ホウ酸塩、臭化物、カムシル酸塩、炭酸塩、塩化物、クラブラン酸塩、クエン酸塩、2塩酸塩、エデト酸塩、エジシル酸塩、エストール酸塩、エシル酸塩、フマル酸塩、グルセプト酸塩、グルコン酸塩、グルタミン酸塩、グリコリルアルサニル酸塩、ヘキシルレゾルシン酸塩、ヒドラバミン、臭化水素酸塩、塩酸塩、ヒドロキシナフトエ酸塩、ヨウ化物、イソチオン酸塩、乳酸塩、ラクトビオン酸塩、ラウリン酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マンデル酸塩、メシル酸塩、メチル臭化物、メチル硝酸塩、メチル硫酸塩、ムコ酸塩、ナプシル酸塩、硝酸塩、N−メチルグルカミンアンモニウム塩、オレイン酸塩、シュウ酸塩、パモ酸塩(エンボン酸塩)、パルミチン酸塩、パントテン酸塩、リン酸塩/2リン酸塩、ポリガラクツロン酸塩、サリチル酸塩、ステアリン酸塩、硫酸塩、塩基性酢酸塩、コハク酸塩、タンニン酸塩、酒石酸塩、テオクル酸塩、トシル酸塩、トリエチオジド及び吉草酸塩を包含する。更にまた、本発明の化合物が酸性の部分を担持している場合は、その適当な薬学的に許容される塩は、限定しないが、アルミニウム、アンモニウム、カルシウム、銅、第二鉄、第一鉄、リチウム、マグネシウム、第二マンガン、第一マンガン、カリウム、ナトリウム、亜鉛等を包含する無機の塩基から誘導された塩を包含する。特に好ましいものはアンモニウム、カルシウム、マグネシウム、カリウム及びナトリウム塩である。薬学的に許容される有機非毒性の塩基から誘導された塩は1級、2級及び3級アミン、環状アミン、及び塩基性イオン交換樹脂、例えばアルギニン、ベタイン、カフェイン、コリン、N,N−ジベンジルエチレンジアミン、ジエチルアミン、2−ジエチルアミノエタノール、2−ジメチルアミノエタノール、エタノールアミン、エチレンジアミン、N−エチルモルホリン、N−エチルピペリジン、グルカミン、グルコサミン、ヒスチジン、ヒドラバミン、イソプロピルアミン、リジン、メチルグルカミン、モルホリン、ピペラジン、ピペリジン、ポリアミン樹脂、プロカイン、プリン、テオブロミン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、トリプロピルアミン、トロメタミン等の塩を包含する。
更にまた、カルボン酸(−COOH)又はアルコール基が本発明の化合物中に存在する場合は、メチル、エチル又はピバロイルオキシメチルのようなカルボン酸誘導体、又はO−アセチル、O−ピバロイル、O−ベンゾイル及びO−アミノアシルのようなアルコールのアシル誘導体の薬学的に許容されるエステルを使用することができる。包含されるものは、除放性又はプロドラッグの製剤として使用するために溶解度又は加水分解特性を変更するための当該分野で知られるエステル及びアシル基である。
構造式Iの化合物の溶媒和物、及び特に水和物も本発明に包含される。
本発明を例示すれば、実施例及び本明細書に開示している化合物の使用が挙げられる。
本発明の化合物は、化合物の有効量の投与を含むジペプチジルペプチダーゼ−4酵素の阻害が必要な哺乳類のような患者における該阻害の方法において有用である。本発明は、ジペプチジルペプチダーゼ−4酵素活性の阻害剤としての本明細書に開示する化合物の使用に関する。
ヒトのような霊長類に加えて、種々の他の哺乳類を本発明の方法により治療することができる。例えば、ウシ、ヒツジ、ヤギ、ウマ、イヌ、ネコ、モルモット、ラット又は他のウシ科、ヒツジ科、ウマ科、イヌ科、ネコ科、げっ歯類又はネズミ類の種を包含するが、これらに限定されない哺乳類を治療することができる。しかしながら、この方法はまた鳥類(例えばニワトリ)のような他の種においてもまた実施することができる。
本発明は更に、薬学的に許容される担体又は希釈剤と本発明の化合物を組み合わせることを含むヒト及び動物におけるジペプチジルペプチダーゼ−4酵素活性を阻害するための医薬の製造のための方法に関する。特に本発明は哺乳類における高血糖症、2型糖尿病、肥満及び脂質障害からなる群より選択される症状の治療における使用のための医薬の製造における構造式Iの化合物の使用に関し、ここで脂質障害は脂質異常症、高脂血症、高トリグリセリド血症、高コレステロール血症、低HDL及び高LDLからなる群より選択される。
本発明の方法により治療される対象は一般的に、ジペプチジルペプチダーゼ−4酵素活性の阻害が望まれる哺乳類、好ましくは人間の男性又は女性である。「治療有効量」という用語は研究者、獣医師、医師又は他の臨床担当者により探求されている組織、系、動物又はヒトの生物学的又は医学的応答を誘発する本化合物の量を意味する。
「組成物」という用語は本明細書においては、特定の量の特定の成分を含む生成物、並びに、特定の量の特定の成分の組合せから直接又は間接的に得られる任意の生成物を包含することを意図している。医薬組成物に関連したこのような用語は活性成分及び担体を構成する不活性成分とを含む生成物、並びに任意の2種以上の成分の組合せ、複合体化若しくは凝集により、又は、成分1つ以上の解離により、又は、1つ以上の成分の他の型の反応又は相互作用により、直接又は間接的に得られる任意の生成物を包含することを意図している。従って、本発明の医薬組成物は本発明の化合物及び薬学的に許容される担体を添加混合することにより製造される任意の組成物を包含する。「薬学的に許容される」という用語は、担体、希釈剤又は賦形剤が製剤の他の成分と適合しなければならず、そしてそのレシピエントに対して有害であってはならないことを意味する。
化合物の「投与」及び「投与すること」という用語は、治療を必要としている個体に本発明の化合物又は本発明の化合物のプロドラッグを提供することを意味すると理解すべきである。
ジペプチジルペプチダーゼ−4酵素活性の阻害剤としての本発明による化合物の有用性は、当該分野で知られた方法により証明することができる。阻害定数は以下の通り求められる。DDP−4によって切断されて、蛍光AMC脱離基を放出する基質Gly−Pro−AMCを用いた連続蛍光定量アッセイを使用する。この反応を説明する速度パラメーターは以下の通り、すなわち、Km=50μM、kcat=75s−1、kcat/Km=1.5x10−1−1。典型的な反応は約50pMの酵素、50μMのGly−Pro−AMC及び緩衝液(100mMHEPES、pH7.5、0.1mg/mlBSA)を総反応容量100μl中に含有する。AMCの放出は励起光波長360nm及び発射光波長460nmを用いながら96穴プレート蛍光計において連続的にモニタリングする。これらの条件下において、約0.8μMのAMCが25℃において30分内に生成する。これらの試験で使用した酵素はバキュロウィルス発現系(Bac−To−Bac、Gibco BRL)内で産生された可溶性(膜貫通領域、及び細胞質拡張は除外)ヒトタンパクであった。Gly−Pro−AMC及びGLP−1の加水分解に関する速度定数はネイティブの酵素に関する文献報告値に準じたものであることがわかった。化合物の解離定数を測定するために、DMSO中の阻害剤の溶液を酵素及び基質を含有する反応物に添加した(最終DMSO濃度は1%)。全ての実験は上記した標準的な反応条件を用いながら室温において実施した。解離定数(Ki)を求めるために、反応速度は、競合的阻害に関するMichaelis−Mentonの式への非線形回帰によりフィットさせた。解離定数の再現性に関する誤差は典型的には二倍未満であった。
特に、以下の例の化合物は一般的に約1μM未満のIC50において、上記した試験におけるジペプチジルペプチダーゼ−4酵素の阻害における活性を有していた。このような結果は、ジペプチジルペプチダーゼ−4酵素活性の阻害剤としての使用における化合物の固有の活性を示している。
ジペプチジルペプチダーゼ−4酵素(DPP−4)は広範な生物学的機能に関与が示唆されている細胞表面タンパクである。これは広範な組織分布(腸、腎臓、肝臓、膵臓、胎盤、胸腺、脾臓、上皮細胞、血管内皮細胞、リンパ様及び骨髄様細胞、血清)及び異なる組織及び細胞型の発現レベルを有する。DPP−4はT細胞活性化マーカーCD26と同一であり、多くの免疫調節性ペプチド、内分泌ペプチド及び神経ペプチドをin vitroで分解することができる。これはヒト又は他の種における種々の疾患過程におけるこのペプチダーゼの潜在的役割を示唆している。
従って、本発明の化合物は以下の疾患、障害及び症状の予防又は治療のための方法において有用である。
2型糖尿病:インクレチンGLP−1及びGIPがDPP−4によりin vivoで急速に不活性化されることは十分明らかにされている。DPP−4(−/−)欠損マウスを用いた試験及び前臨床治験によれば、DPP−4の阻害によりGLP−1及びGIPの定常状態濃度が上昇し、改善されたグルコース耐性がもたらされることを示している。GLP−1及びGIPと類似して、グルコース調節に関与する他のグルカゴンファミリーのペプチドもDPP−4により不活性化されると考えられる(例えばPACAP)。DPP−4によるこれらのペプチドの不活性化はまた、グルコースのホメオスタシスにおいても役割を果たしていると考えられる。従って本発明のDPP−4阻害剤は2型糖尿病の治療において、及び、2型糖尿病に伴う場合が多い多くの症状、例えばX症候群(メタボリック症候群としても知られている)、反応性低血糖症及び糖尿病性脂質異常症の治療及び予防において有用性を有している。前記考察した肥満は本発明の化合物を用いた治療に応答すると考えられる2型糖尿病と共に頻見される別の症状である。
以下の疾患、障害及び症状、すなわち、(1)高血糖症、(2)低グルコース耐性、(3)インスリン抵抗性、(4)肥満、(5)脂質障害、(6)脂質異常症、(7)高脂血症、(8)高トリグリセリド血症、(9)高コレステロール血症、(10)低HDL濃度、(11)高LDL濃度、(12)アテローム性動脈硬化症及びその続発症、(13)血管再狭窄、(14)過敏性腸症候群、(15)炎症性腸疾患、例えばクローン病及び潰瘍性結腸炎、(16)他の炎症性症状、(17)膵臓炎、(18)腹部肥満、(19)神経変性疾患、(20)網膜症、(21)腎症、(22)神経障害、(23)X症候群、(24)卵巣アンドロゲン過剰症(多嚢胞性卵巣症候群)、及びインスリン抵抗性が要素となる他の障害が2型糖尿病に関連しており、従って、本発明の化合物の投与により治療、制御又は場合により予防される。メタボリック症候群としても知られているX症候群においては、肥満はインスリン抵抗性、糖尿病、脂質異常症、高血圧及び増大した心臓血管の危険性を誘発すると考えられている。従って、DPP−4阻害剤はこの症状に関連する高血圧を治療するためにも有用である。
肥満:DPP−4阻害剤は肥満の治療に有用である。これはGLP−1及びGLP−2の食物摂取及び胃空虚化に対する抑制作用の観察に基づいている。ヒトにおけるGLP−1の外部からの投与は食物摂取を有意に低減させ、胃内容排出を遅延させている(Am.J.Physiol.,277:R910−R916(1999))。ラット及びマウスにおけるGLP−1のICV投与もまた食物摂取に対して顕著な作用を示している(Nature Medicine,2:1254−1258(1996))。このような摂餌抑制はGLP−1R(−/−)マウスでは観察されず、これらの作用が脳GLP−1受容体により媒介されることを示している。GLP−1との類似性から、GLP−2もまた、DPP−4により調節されると考えられる。GLP−2のICV投与もまた、GLP−1で観察された作用と類似して食物摂取を抑制する(Nature Medicine,6:802−807(2000))。更にまた、DPP−4欠損マウスを用いた試験によれば、これらの動物は食餌誘導肥満及び関連する病態(例えば高インスリン血症)に対して抵抗性であることを示唆している。
心臓血管疾患:GLP−1は急性心筋梗塞後に患者に投与した場合に有益であり、血管系生後の改善された左心室機能及び一次血管形成後の低減された死亡率をもたらしている(Circulation,109:962−965(2004))。GLP−1投与はまた拡張性心筋症及び虚血誘導性左心室機能不全を有するイヌにおいて左心室収縮期機能不全の治療のためにも有用であり、そのため、心疾患の患者の治療に有用であることがわかっている(US2004/0097411)。DPP−4阻害剤は内因性GLP−1を安定化させるそれらの能力を介して同様の作用を示すと期待される。
成長ホルモン不全:DPP−4の阻害は、前下垂体からの成長ホルモンの放出を刺激するペプチドである成長ホルモン放出因子(GRF)はin vivoでDPP−4酵素により分解されるという仮説に基づけば、成長ホルモン不全の治療に有用である(WO 00/56297)。以下のデータはGRFが内因性の基質であるという証拠を与えるものである。(1)GRFはin vitroで効率的に切断されて不活性生成物GRF[3−44]を生成する(BBA 1122:147−153(1992))、(2)GRFは血漿中で急速に分解されてGRF[3−44]となるが、これはDPP−4阻害剤ジプロチンAにより予防される、及び(3)GRF[3−44]はヒトGRFトランスジェニックブタの血漿中に存在する(J.Clin.,Invest.83:1533−1540(1989))。従って、DPP−4阻害剤は成長ホルモン分泌促進物質に関して検討されていた適応症と同じ範囲に対して有用であろう。
腸傷害:腸傷害の治療にDPP−4阻害剤を使用することに関する潜在性は、DPP−4の推定内因性基質であるグルカゴン様ペプチド−2(GLP−2)が腸上皮に対して栄養作用を示すと考えられることを示す試験の結果により示唆されている(Regulatory Peptides,90:27−32(2000))。GLP−2の投与は、げっ歯類において小腸重量増大をもたらし、結腸炎及び腸炎のげっ歯類モデルにおいて腸傷害を減衰させる。
免疫抑制:DPP−4の阻害は、T細胞活性化及びケモカインプロセシングにおけるDPP−4酵素の関与を示唆する試験、及び、疾患のin vivoモデルにおけるDPP−4阻害剤の薬効に基づけば、免疫応答のモジュレーションに有用であると考えられる。DPP−4は活性化免疫細胞に関する細胞表面マーカーであるCD26と同一であることがわかっている。CD26の発現は免疫細胞の分化及び活性化の状態により調節される。CD26はT細胞活性化のin vitroモデルにおける同時刺激分子として機能することが一般的に受け入れられている。多くのケモカインは、恐らくは非特異的なアミノペプチダーゼによる分解から自身を保護するために、最後から2番目の位置にプロリンを含有している。これらの多くはDPP−4によりin vitroでプロセシングされることがわかっている。一部の場合においては(RANTES、LD78−ベータ、MDC、エオタキシン、SDF−1アルファ)、切断により化学走性及びシグナリング試験における活性が改変される。受容体選択性もまた一部の場合(RANTES)において変更されると考えられる。DPP−4加水分解の推定産物を含む多くのケモカインの多重N末端トランケーション型がin vitroの細胞培養系において発見されている。
DPP−4阻害剤は、移植及び関節炎の動物モデルにおいて有効な免疫抑制剤であることがわかっている。DPP−4の非可逆的阻害剤であるプロジピン(Pro−Pro−ジフェニルホスホネート)は第7から第14日まで、ラットにおける心臓自家移植片生存を倍増することがわかっている(Transplantation,63:1495−1500(1997))。DPP−4阻害剤はラットにおけるコラーゲン及びアルキルジアミン誘導の関節炎において試験されており、このモデルにおいて後肢浮腫の統計学的に有意な減衰をもたらしている[Int.J.Immunopharmacology,19:15−24(1997)及びImmunopharmacology,40:21−26(1998)]。DPP−4は慢性関節リウマチ、多発性硬化症、グレーブス病及びハシモト甲状腺炎を包含する多くの自己免疫疾患においてアップレギュレートされる(Immunology Today,20:367−375(1999))。
HIV感染:DPP−4の阻害はHIV細胞進入を抑制するケモカインの多くがDPP−4に対する潜在的基質であることから、HIV感染すなわちAIDSの治療又は予防に有用であると考えられる(Immunology Today 20:367−375(1999))。SDF−1アルファの場合においては、分解により抗ウィルス活性が低下する(PNAS,95:6331−6(1998))。すなわち、DPP−4の阻害を介したSDF−1アルファの安定化はHIV感染性を低減すると期待される。
造血:DPP−4の阻害はDPP−4が造血に関与する可能性があるため造血の治療又は予防に有用であると考えられる。DPP−4阻害剤であるVal−Boro−Proはシクロホスファミド誘導好中球減少症のマウスモデルにおいて造血を刺激している。
神経障害:種々の神経過程において関与が示唆されているペプチドの多くがDPP−4によりin vitroで分解されるため、DPP−4の阻害は種々の神経又は精神の障害の治療又は予防に有用であると考えられる。すなわち、DPP−4阻害剤は神経障害の治療において治療上の利益を有すると考えられる。エンドモルヒン−2、ベータ−カソモルヒン及びサブスタンスPは全て、DPP−4のin vitro基質であることがわかっている。全ての場合において、in vitroの分解は高度に効率的であり、kcat/Kmは約10−1−1以上である。ラットにおける痛覚消失の電気ショックジャンプ試験モデルにおいて、DPP−4阻害剤は外因性エンドモルヒン−2の存在とは無関係な有意な作用を示した(Brain Research,815:278−286(1999))。DPP−4阻害剤の神経保護及び神経再生作用はまた、興奮毒性の細胞死から運動ニューロンを保護し、MPTPと同時に投与された場合にドーパミン作用性のニューロンの線条体神経支配を保護し、MPTP投与後の治療的態様において投与された場合に線条体神経支配密度の回復を保護する阻害剤の能力によっても明らかにされた[Yong−Q.Wu,et al.,”Neuroprotective Effects of Inhibitors of Dipeptidyl Peptidase−4 In Vitro and In Vivo,” Int.Conf.On Dipeptidyl Aminopeptidases:Basic Science and Clinical Applications,September 26−29,2002(Berlin,Germany)を参照]。
不安:DPP−4を生来欠損しているラットは抗不安の表現型を有する(WO 02/34243、Karl et al.,Physiol.Behav.2003)。DPP−4欠損マウスはまた,Porsolt及び明/暗モデルを用いた場合に抗不安表現型を有する。従って、DPP−4阻害剤は不安及び関連の障害を治療するために有用であることがわかっている。
記憶及び認知:GLP−1アゴニストはDuring等により明らかにされている通り、学習(受動的回避、Morris水迷路)及びニューロン傷害(カイニン酸誘発ニューロンアポトーシス)のモデルにおいて活性化される(Nature Med.9:1173−1179(2003))。結果は学習及び神経保護におけるGLP−1の生理学的役割を示唆している。DPP−4阻害剤によるGLP−1の安定化は同様の作用を示すことが予測される。
心筋梗塞:GLP−1は急性心筋梗塞後の患者に投与した場合に有利であることがわかっている(Circulation,109:962−965(2004))。DPP−4阻害剤は内因性GLP−1を安定化させるそれらの能力を介して同様の作用を示すと予測される。
腫瘍の侵襲及び転移:DPP−4の阻害は、DPP−4を包含する数種のエクトペプチダーゼの発現の増大又は低減が正常細胞から悪性表現型への変換の間に観察されていることから、腫瘍の侵襲及び転移の治療又は予防に有用であると考えられる(J.Exp.Med.,190:301−305(1999))。これらのタンパクのアップ及びダウンレギュレーションは組織及び細胞の型に特異的であると考えられる。例えば、上昇したCD26/DPP−4発現はT細胞リンパ腫、T細胞急性リンパ芽球性白血病、細胞由来甲状腺癌、基底細胞癌及び乳癌において観察されている。すなわち、DPP−4阻害剤はそのような癌腫の治療において有用であると予測される。
良性前立腺肥大:DPP−4の阻害は、増大したDPP−4活性が良性前立腺肥大患者由来の前立腺組織において観察されていることから、BPHの治療のために有用であると考えられる(Eur.J.Clin.Chem.Clin.Biochem.,30:333−338(1992))。
***運動性/男性避妊:***中において、***運動性に重要な前立腺由来小器官であるプロスタトソームが極めて高水準のDPP−4活性を保有しているため、DPP−4の阻害は***の運動性を改変するため、及び男性避妊のために有用であると考えられる(Eur.J.Clin.Chem.Clin.Biochem.,30:333− 338(1992))。
歯肉炎:DPP−4活性が歯肉溝液中、及び歯周病の重症度に相関する一部の試験において活性であることがわかっているため、DPP−4の阻害は歯肉炎の治療に有用であると考えられる(Arch.Oral Biol.,37:167−173(1992))。
骨粗鬆症:GIP受容体が骨芽細胞に存在するため、DPP−4の阻害は骨粗鬆症の治療又は予防に有用であると考えられる。
幹細胞移植:ドナー幹細胞上のDPP−4の阻害はその骨髄のホーミング効率及び定着の増強及び生存率の上昇をマウスにおいてもたらすことがわかっている(Christopherson,et al.,Science,305:1000−1003(2004))。すなわち、DPP−4阻害剤は骨髄移植において有用であると考えられる。
本発明の化合物は以下の症状又は疾患、すなわち、(1)高血糖症、(2)低グルコース耐性、(3)インスリン抵抗性、(4)肥満、(5)脂質障害、(6)脂質異常症、(7)高脂血症、(8)高トリグリセリド血症、(9)高コレステロール血症、(10)低HDL濃度、(11)高LDL濃度、(12)アテローム性動脈硬化症及びその続発症、(13)血管再狭窄、(14)過敏性腸症候群、(15)炎症性腸疾患、例えばクローン病及び潰瘍性結腸炎、(16)他の炎症性症状、(17)膵臓炎、(18)腹部肥満、(19)神経変性疾患、(20)網膜症、(21)腎症、(22)神経障害、(23)X症候群、(24)卵巣アンドロゲン過剰症(多嚢胞性卵巣症候群)、(25)2型糖尿病、(26)成長ホルモン不全、(27)好中球減少症、(28)神経障害、(29)腫瘍転移、(30)良性前立腺肥大、(32)歯肉炎、(33)高血圧、(34)骨粗鬆症、(35)不安、(36)記憶欠損、(37)認知欠損、(38)卒中、(39)アルツハイマー病、及びDPP−4の阻害により治療又は予防される他の症状の1つ以上を治療又は予防する場合に有用性を有する。
本発明の化合物は更に、他の薬剤と組み合わせた上記した疾患、障害及び症状の予防又は治療のための方法において有用である。
本発明の化合物は、式Iの化合物又は他の薬剤が有用性を有する疾患又は症状の治療、予防、抑制又は緩解における他の薬剤1つ以上と組み合わせて使用してよく、その場合薬剤の組合せは共に任意の薬剤単独の場合よりも更に安全で効果的となる。従って、そのような他の薬剤は一般的に使用されている経路及び量において、式Iの化合物と同時又は逐次的に投与してよい。式Iの化合物が他の薬剤1つ以上と同時に投与される場合は、そのような他の薬剤及び式Iの化合物を含有する単位剤型における医薬組成物が好ましい。しかしながら、複合療法はまた、式Iの化合物及び他の薬剤1つ以上が異なる重複スケジュールにおいて投与される治療も包含してよい。他の活性成分1つ以上と組み合わせて使用される場合に、本発明の化合物及び他の活性成分は各々が単独で使用される場合よりも低用量において使用してよいことも意図している。従って、本発明の医薬組成物は、式Iの化合物に加えて他の活性成分1つ以上を含有するものを包含する。
式Iの化合物と組み合わせて投与してよい、そして別個に、又は同じ医薬組成物において投与しうる他の活性成分の例は、これらに限定しないが、以下のものが含まれる:
(a)他のジペプチジルペプチダーゼIV(DPP−4)阻害剤、
(b)インスリン増感剤、例えば(i)PPARγアゴニスト、例えばグリタゾン(例えばトログリタゾン、ピオグリタゾン、エングリタゾン、MCC−555、ロシグリタゾン、バラグリタゾン等)及び他のPPARリガンド、例えばPPARα/γ二重アゴニスト、例えばKRP−297、ムラグリタザール、ナベグリタザール、テサグリタザール、TAK−559、PPARαアゴニスト、例えばフェノブリン酸誘導体(ジェムフィブロジル、クロフィブレート、フェノフィブレート及びベザフィブレート)及び選択的PPARγモジュレーター(SPPARγM’s)、例えばWO 02/060388、WO 02/08188、WO 2004/019869、WO 2004/020409、WO 2004/020408、及びWO 2004/066963に開示されているもの、(ii)ビグアニド、例えばメトホルミン及びフェンホルミン、及び(iii)タンパクチロシンホスファターゼ−1B(PTP−1B)阻害剤、
(c)インスリン又はインスリンミメティック、
(d)スルホニル尿素及び他のインスリン分泌促進物質、例えばトルブタミド、グリブリド、グリピジド、グリメピリド及びメグリチニド、例えばナテグリニド及びレパグリニド、
(e)α−グルコシダーゼ阻害剤(例えば、アカルボース及びミグリトール)、
(f)グルカゴン受容体拮抗剤、例えばWO 97/16442、WO 98/04528,WO 98/21957、WO 98/22108、WO 98/22109、WO 99/01423,WO 00/39088,及びWO 00/69810、WO 2004/050039、及びWO 2004/069158に開示されているもの、
(g)GLP−1,GLP−1類縁体又はミメティック、及びGLP−1受容体アゴニスト、例えばエキセンジン−4(エキセナチド)、リラグルチド(NN−2211)、CJC−1131,LY−307161及びWO 00/42026及びWO 00/59887に開示されているもの、
(h)GIP及びGIPミメティック、例えばWO 00/58360に開示されているもの及びGIP受容体アゴニスト、
(i)PACAP、PACAPミメティック及びPACAP受容体アゴニスト、例えばWO 01/23420に開示されているもの、
(j)コレステロール低下剤、例えば(i)HMG−CoAレダクターゼ阻害剤(ロバスタチン、シンバスタチン、プラバスタチン、セリバスタチン、フルバスタチン、アトロバスタチン、イタバスタチン及びロスバスタチン及び他のスタチン類)、(ii)封鎖剤(コレスチルアミン、コレスチポール及び交差結合デキストランのジアルキルアミノアルキル誘導体)、(iii)ニコチニルアルコール、ニコチン酸又はその塩、(iv)PPARαアゴニスト、例えばフェノフィブリン酸誘導体(ジェムフィブロジル、クロフィブレート、フェノフィブレート及びベザフィブレート)、(v)PPARα/γ二重アゴニスト、例えばナベグリタザール及びムラグリタザール、(vi)コレステロール吸収の抑制剤、例えばベータ−シトステロール及びエゼチミブ、(vii)アシルCoA:コレステロールアシルトランスフェラーゼ阻害剤、例えばアバシミブ、及び(viii)抗酸化剤、例えばプロブコール、
(k)PPARδアゴニスト、例えばWO 97/28149に開示されているもの、
(l)抗肥満化合物、例えばフェンフルラミン、デキスフェンフルラミン、フェンテルミン、シブトラミン、オリスタット、ニューロペプチドY又はY拮抗剤、CB1受容体逆アゴニスト及び拮抗剤、β3アドレナリン作用性受容体アゴニスト、メラノコルチン受容体アゴニスト、特にメラノコルチン−4受容体アゴニスト、グレリン拮抗剤、ボンベシン受容体アゴニスト(例えばボンベシン受容体サブタイプ−3アゴニスト)、コレシストキニン1(CCK−1)受容体アゴニスト及びメラニン濃縮ホルモン(MCH)受容体拮抗剤、
(m)回腸胆汁酸トランスポーター阻害剤、
(n)炎症症状における使用を意図する薬剤、例えばアスピリン、非ステロイド抗炎症剤(NSAIDs)、グルココルチコイド、アズルフィジン及び選択的シクロオキシゲナーゼ−2(COX−2)阻害剤、
(o)抗高血圧剤、例えばACE阻害剤(エナラプリル、リシノプリル、カプトプリル、キナプリル、タンドラプリル)、A−II受容体ブロッカー(ロサルタン、カンデサルタン、イルベサルタン、バルサルタン、テルミサルタン及びエプロサルタン)、ベータブロッカー及びカルシウムチャンネルブロッカー、
(p)グルコキナーゼ活性化剤(GKAs)、例えばWO 03/015774、WO 04/076420、及びWO 04/081001に開示されているもの、
(q)11β−ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ1型の阻害剤、例えば米国特許第6,730,690号、WO 03/104207、及びWO 04/058741に開示されているもの、
(r)コレステリルエステル輸送タンパク(CETP)の阻害剤、例えばトルセトラピブ、及び、
(s)フラクトース1,6−ビスホスファターゼ、例えば米国特許第6,054,587号、第6,110,903号、第6,284,748号、第6,399,782号、及び第6,489,476号に開示されているもの、
を包含する。
構造式Iの化合物と組み合わせることができるジペプチジルペプチダーゼ−4阻害剤は米国特許第6,699,871号、WO 02/076450(2002年10月3日)、WO 03/004498(2003年1月16日)、WO 03/004496(2003年1月16日)、EP 1 258 476(2002年11月20日)、WO 02/083128(2002年10月24日)、WO 02/062764(2002年8月15日)、WO 03/000250(2003年1月3日)、WO 03/002530(2003年1月9日)、WO 03/002531(2003年1月9日)、WO 03/002553(2003年1月9日)、WO 03/002593(2003年1月9日)、WO 03/000180(2003年1月3日)、WO 03/082817(2003年10月9日)、WO 03/000181(2003年1月3日)、WO 04/007468(2004年1月22日)、WO 04/032836(2004年4月24日)、WO 04/037169(2004年5月6日)、及びWO 04/043940(2004年5月27日)に、開示されているものを包含する。特定のDPP−4阻害剤化合物はイソロイシンチアゾリジド(P32/98)、NVP−DPP−728、ビルダグリプチン(LAF237)、P93/01、及びサキサグリプチン(BMS477118)を包含する。
構造式Iの化合物と組み合わせることができる抗肥満化合物は、フェンフルラミン、デキスフェンフルラミン、フェンテルミン、シブトラミン、オリスタット、ニューロペプチドY又はY拮抗剤、カンナビノイドCB1受容体拮抗剤又は逆アゴニスト、メラノコルチン受容体アゴニスト、特にメラノコルチン−4受容体アゴニスト、グレリン拮抗剤、ボンベシン受容体アゴニスト及びメラニン濃縮ホルモン(MCH)受容体拮抗剤を包含する。構造式Iの化合物と組み合わせることができる抗肥満化合物に関しては、S.Chaki et al.,”Recent advances in feeding suppressing agents:potential therapeutic strategy for the treatment of obesity,” Expert Opin.Ther.Patents,11:1677−1692(2001)、D.Spanswick and K.Lee,”Emerging antiobesity drugs,” Expert Opin.Emerging Drugs,8:217−237(2003)、及びJ.A.Fernandez−Lopez,et al.,”Pharmacological Approaches for the Treatment of Obesity,” Drugs,62:915−944(2002)を参照できる。
構造式Iの化合物と組み合わせることができるニューロペプチドY5拮抗剤は米国特許第6,335,345号(2002年1月1日)及びWO 01/14376(2001年3月1日)に開示されているもの、及びGW 59884A、GW 569180A、LY366377、及びCGP−71683Aとして識別される特定の化合物を包含する。
式Iの化合物と組み合わせることができるカンナビノイドCB1受容体拮抗剤はPCT公開WO 03/007887、米国特許第5,624,941号、例えばリモナバント、PCT公開WO 02/076949、例えばSLV−319、米国特許第6,028,084号、PCT公開WO 98/41519、PCT公開WO 00/10968、PCT公開WO 99/02499、米国特許第5,532,237号、米国特許第5,292,736号、PCT公開WO 05/000809、PCT公開WO 03/086288、PCT公開WO 03/087037、PCT公開WO 04/048317、PCT公開WO 03/007887、PCT公開WO 03/063781、PCT公開WO 03/075660、PCT公開WO 03/077847、PCT公開WO 03/082190、PCT公開WO 03/082191、PCT公開WO 03/087037、PCT公開WO 03/086288、PCT公開WO 04/012671、PCT公開WO 04/029204、PCT公開WO 04/040040、PCT公開WO 01/64632、PCT公開WO 01/64633、及びPCT公開WO 01/64634に開示されているものを包含する。
本発明において有用なメラノコルチン−4受容体(MC4R)アゴニストは、参照により全体が本明細書に組み込まれるUS6,294,534、US6,350,760、6,376,509、6,410,548、6,458,790、US6,472,398、US5837521、US6699873、米国特許出願公開US2002/0004512、US2002/0019523、US2002/0137664、US2003/0236262、US2003/0225060、US2003/0092732、US2003/109556、US2002/0177151、US2002/187932、US2003/0113263、及びWO 99/64002、WO 00/74679、WO 02/15909、WO 01/70708、WO 01/70337、WO 01/91752、WO 02/068387、WO 02/068388、WO 02/067869、WO 03/007949、WO 2004/024720、WO 2004/089307、WO 2004/078716、WO 2004/078717、WO 2004/037797、WO 01/58891、WO 02/070511、WO 02/079146、WO 03/009847、WO 03/057671、WO 03/068738、WO 03/092690、WO 02/059095、WO 02/059107、WO 02/059108、WO 02/059117、WO 02/085925、WO 03/004480、WO 03/009850、WO 03/013571、WO 03/031410、WO 03/053927、WO 03/061660、WO 03/066597、WO 03/094918、WO 03/099818、WO 04/037797、WO 04/048345、WO 02/018327、WO 02/080896、WO 02/081443、WO 03/066587、WO 03/066597、WO 03/099818、WO 02/062766、WO 03/000663、WO 03/000666、WO 03/003977、WO 03/040107、WO 03/040117、WO 03/040118、WO 03/013509、WO 03/057671、WO 02/079753、WO 02//092566、WO 03/−093234、WO 03/095474及びWO 03/104761に開示されているものを包含するがこれらに限定されない。
糖尿病の治療のためのグルコキナーゼの安全で効果的な活性化剤(GKAs)の潜在的有用性は、J.Grimsby et al.,”Allosteric Activators of Glucokinase:Potential Role in Diabetes Therapy,”Science,301:370−373(2003)において考察されている。
本発明の化合物を他の薬剤1つ以上と同時に使用する場合は、本発明の化合物に加えてそのような他の薬剤を含有する医薬組成物が好ましい。従って、本発明の医薬組成物は本発明の化合物に加えて他の活性成分1つ以上も含有するものを包含する。
本発明の化合物の第2の活性成分に対する重量比は変動してよく、各成分の有効用量に応じたものとなる。一般的に、各々の有効用量を使用する。すなわち、例えば、本発明の化合物を他の薬剤と組み合わせる場合、本発明の化合物の他剤に対する重量比は一般的に約1000:1乃至約1:1000、好ましくは約200:1乃至約1:200の範囲となる。本発明の化合物と他の活性成分の組合せは、一般的に上記した範囲となるが、各々の場合において、各活性成分の有効用量を使用しなければならない。
そのような組み合わせにおいて、本発明の化合物及び他の活性剤は別個に、又は一緒に投与してよい。更にまた、1つの要素の投与は他剤の投与の前、同時又は後であってよい。
本発明の化合物は経口、非経口(例えば筋肉内、腹腔内、静脈内、ICV、嚢胞内の注射又は点滴、皮下注射又はインプラント)により、吸入スプレー、鼻内、膣内、直腸内、舌下又は局所の投与経路により投与してよく、そして、各投与経路に適する従来の非毒性の薬学的に許容される担体、アジュバント及びビヒクルを含有する適当な単位剤型において単独又はともに製剤してよい。マウス、ラット、ウマ、ウシ、ヒツジ、イヌ、ネコ、サル等の温血動物の治療に加えて、本発明の化合物はヒトにおける使用のためにも有効である。
本発明の化合物の投与のための医薬組成物は適切に単位剤型で提供してよく、そして、薬学分野のよく知られた方法のいずれかにより製造することができる。全ての方法は付加的成分1つ以上を構成する担体に活性成分を混合させる工程を包含する。一般的に、医薬組成物は液体担体又は微細分割固体担体又は両方に活性成分を均一緊密に混合させること、そして次に、必要に応じて生成物を所望の製剤に成型することにより製造する。医薬組成物において、活性な対象化合物は疾患の過程又は症状に対して所望の作用をもたらすために十分な量で包含させる。本明細書においては、「組成物」という用語は特性の量において特性の成分を含む生成物、並びに特定の量における特定の成分の組合せから直接又は間接的に生じる生成物を包含することを意図している。
活性成分を含有する医薬組成物は経口用に適する形態において、例えば錠剤、トローチ、ロゼンジ、水性又は油性の懸濁液、分散性粉末又は顆粒、エマルジョン、ハード又はソフトカプセル、又はシロップ又はエリキシルとして存在してよい。経口用を意図する組成物は医薬組成物の製造に関する当該分野で知られた何れかの方法に従って製造してよく、そして、そのような組成物は、薬品として優れた外観及び服用性を有する調製品とするために、甘味剤、フレーバー剤、着色剤及び保存料からなる群より選択される物質1つ以上を含有してよい。錠剤は、錠剤の製造に適する非毒性の薬学的に許容される賦形剤と混合された活性成分を含有する。これらの賦形剤は例えば不活性希釈剤、例えば炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、乳糖、リン酸カルシウム又はリン酸ナトリウム、顆粒化及び錠剤崩壊剤、例えばコーンスターチ又はアルギン酸、結合剤、例えば澱粉、ゼラチン又はアカシア、及び潤滑剤、例えばステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸または滑石であってよい。錠剤は未コーティングとするか、また、胃腸管内における崩壊及び吸収を遅延させるための知られた手法によりコーティングしてよく、これにより、長時間に渡る持続的作用を得てよい。例えば、時間遅延物質、例えばグリセリルモノステアレート又はグリセリルジステアレートを使用してよい。それらはまた、米国特許第4,256,108号、第4,166,452号、及び第4,265,874号に記載の手法によりコーティングすることにより、制御放出用の浸透性治療用錠剤を形成してもよい。
経口用製剤はまた、活性成分を不活性の固体希釈剤、例えば炭酸カルシウム、リン酸カルシウム又はカオリンと混合するハードゼラチンカプセル、又は、活性成分を水又は油性の媒体、例えばピーナツ油、流動パラフィン又はオリーブ油と混合するソフトゼラチンカプセルとして提示してもよい。
水性懸濁液は水性懸濁液の製造に適する賦形剤と混合された活性物質を含有する。そのような賦形剤は懸濁剤、例えばカルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、トラガカントゴム及びアラビアゴムであり、分散剤又は湿潤剤は天然に存在するホスファチド、例えばレシチン、又はアルキレンオキシドの脂肪酸との縮合生成物、例えばポリオキシエチレンステアレート、又はエチレンオキシドの長鎖脂肪族アルコールとの縮合生成物、例えばヘプタデカエチレンオキシセタノール、又はエチレンオキシドと脂肪酸及びヘキシトールから誘導された部分エステルとの縮合生成物、例えばポリオキシエチレンソルビトールモノオレエート、又はエチレンオキシドと脂肪酸及びヘキシトール無水物から誘導された部分エステルとの縮合生成物、例えばポリオキシエチレンソルビタンモノオレエートであってよい。水性懸濁液はまた、1種以上の保存料、例えばエチル又はn−プロピルp−ヒドロキシ安息香酸、1種以上の着色料、1種以上のフレーバー剤及び1種以上の甘味剤、例えばスクロース又はサッカリンも含有してよい。
油性懸濁液は活性成分を植物油、例えばピーナツ油、オリーブ油、ゴマ油又はココナツ油中に、又は鉱物油、例えば流動パラフィン中に懸濁することにより製剤してよい。油性懸濁液は増粘剤、例えば蜜蝋、固形パラフィン又はセチルアルコールを含有してよい。上記したもののような甘味剤及びフレーバー剤を添加することにより服用しやすい経口用調製品を得てよい。これらの組成物はアスコルビン酸のような抗酸化剤の添加により保存性を付与してよい。
水の添加による水性懸濁液の調製に適する分散性粉末及び顆粒は、分散剤又は湿潤剤、懸濁剤及び1種以上の保存料との添加混合物中に活性成分を提供する。適切な分散剤又は湿潤剤及び懸濁剤は上記した通り例示される。別の賦形剤、例えば甘味剤、フレーバー剤及び着色剤も存在してよい。
本発明の医薬組成物はまた水中油型エマルジョンの形体であってよい。油相は植物油、例えばオリーブ油又はピーナツ油、又は鉱物油、例えば流動パラフィン又はこれらの混合物であってよい。適切な乳化剤は天然のゴム類、例えばアラビアゴム又はトラガカントゴム、天然のホスファチド、例えば大豆、レシチン、及び脂肪酸とヘキシトール無水物から誘導されたエステル又は部分エステル、例えばソルビタンモノオレエート、及び該部分エステルのエチレンオキシドとの縮合生成物、例えばポリオキシエチレンソルビタンモノオレエートであってよい。エマルジョンはまた、甘味剤及びフレーバー剤を含有してよい。
シロップ及びエリキシルは甘味剤、例えばグリセロール、プロピレングリコール、ソルビトール又はスクロースを用いて製剤してよい。そのような製剤はまた粘滑剤、保存料及びフレーバー剤、及び着色剤を含有してよい。
医薬組成物は滅菌注射用水性又は油性懸濁液の形態であってよい。この懸濁液は上記した適当な分鎖剤又は湿潤剤及び懸濁剤を用いながら当該分野で知られる通り製剤してよい。滅菌注射用調製品はまた、非毒性の非経口許容の希釈剤又は溶媒中の滅菌注射用溶液又は懸濁液、例えば1,3−ブタンジオール中の溶液であってよい。使用してよい許容される媒体(vehicles)及び溶媒に属するものは、水、リンゲル溶液及び等張性の塩化ナトリウム溶液である。更にまた、滅菌固定油も溶媒又は懸濁媒体として好都合に使用される。この目的のためには、合成のモノ又はジグリセリドを包含する任意の銘柄の固定油を使用してよい。更にまた、オレイン酸のような脂肪酸を注射剤の製造において使用する。
本発明の化合物は薬剤の直腸内投与のための坐薬の形態で投与してもよい。これらの組成物は通常の温度では固体であるが、直腸の温度では液体となることにより直腸内で融解して薬剤を放出する適当な非刺激性の賦形剤に薬剤を混合することにより製造できる。そのような物質はカカオ脂及びポリエチレングリコールである。
局所用途のためには、本発明の化合物を含有するクリーム、軟膏、ゼリー、溶液又は懸濁液等が使用される。(この用途の目的のためには、局所適用はマウスウォッシュ及びうがい薬を包含する。)
本発明の医薬組成物及び方法は、上記した病理学的症状の治療に通常適用される本明細書に記載した別の治療活性化合物を更に含んでよい。
ジペプチジルペプチダーゼ−4酵素活性の阻害を要する症状の治療又は予防においては、適切な用量水準は一般的に一日当たり患者体重kg当たり、約0.01乃至500mgとなり、これは単回又は複数回において投与できる。好ましくは、用量水準は一日当たり約0.1乃至約250mg/kg、より好ましくは一日当たり約0.5乃至約100mg/kgである。適当な用量水準は一日当たり約0.01乃至約250mg/kg、一日当たり約0.05乃至100mg/kg、又は一日当たり約0.1乃至50mg/kgであってよい。この範囲内において、用量は一日当たり0.05乃至0.5、0.5乃至5又は5乃至50mg/kgであってよい。経口投与の場合、組成物は好ましくは活性成分1.0乃至1000mg、特に治療すべき患者への用量の症状に応じた調節のためには、活性成分1.0、5.0、10.0、15.0、20.0、25.0、50.0、75.0、100.0、150.0、200.0、250.0、300.0.400.0、500.0、600.0、750.0、800.0、900.0及び1000.0mgを含有する錠剤の形態で提供する。化合物は一日当たり1乃至4回、好ましくは一日当たり1回又は2回の用法において投与してよい。
真性糖尿病及び/又は高血糖症、又は高トリグリセリド血症又は本発明の化合物の適応症となる他の疾患を治療又は予防する場合、本発明の化合物を動物体重キログラム当たり約0.1mg乃至約100mgの一日当たり用量において、好ましくは単回一日当たり用量として、又は、一日当たり2乃至6回の分割した用量において、又は除放性形態において投与すれば一般的に満足できる結果が得られる。大部分の大型哺乳類に対しては、一日当たり総用量は約1.0mg/乃至約1000mg、好ましくは約1mg乃至約50mgである。70kgのヒト成人の場合、一日当たり総用量は一般的に約7mg乃至約350mgとなる。この用量用法は、最適な治療応答が得られるように調節してよい。
しかしながら、ある特定の患者に対する特定の用量水準及び投薬頻度は変動してよく、種々の要因、例えば使用する特定の化合物の活性、その化合物の代謝安定性及び作用持続時間、年齢、体重、全身状態、性別、食餌、投与の様式及び時間、排出速度、薬剤の組合せ、特定の症状の重症度、及び、治療を受ける宿主に応じたものとなると理解される。
本発明の化合物を製造するための合成方法を以下のスキーム及び実施例において説明する。出発物質は市販品とするか、又は、当該分野で知られた操作法に従って、又は本明細書に説明する通り、製造してよい。
本発明の化合物は式IIのような中間体及び式IIIのようなオルト−ハロアミノアレン又はオルト−ハロニトロアレンから、標準的なカップリング条件を用いながら、そしてその後の縮合及び脱保護により製造することができる。これらの中間体の製造は以下のスキームに記載されており、ここでArは上記の通り定義され、Pは適切な窒素保護基、例えばtert−ブトキシカルボニル(BOC)、ベンジルオキシカルボニル(Cbz)及び9−フルオレニルメトキシカルボニル(Fmoc)である。
Figure 0005075129
式IIaの化合物は、スキーム1に記載した経路を用いて中間体から製造してよい。式の中間体は文献既知のものとするか、又は、当該分野で知られた種々の方法により好都合に製造してよい。W.H.Moos et al,J.Org.Chem.,46:5064−5074(1981)に記載されている1つの経路をスキーム1に示す。置換ベンズアルデヒドを1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(DBU)のような塩基の存在下にトリメチル又はトリエチルホスホノアセテートで処理することによりアリールエノエートが得られる。ナトリウムメトキシドの存在下にエチル又はメチルシアノアセテートのエノエートへのコンジュゲート付加により、各キラル中心における立体異性体の混合物としてが得られる。例えば、水素ガスと酸化白金(IV)触媒を用いた接触還元によりのニトリルを還元し、その後、生成アミンを塩基性メタノールで処理することにより、主にトランス立体異性体への立体異性体の環化及び平衡化を誘導する。その後、例えばトリメチルシリルジアゾメタンを用いた中間体の再エステル化により主にトランス異性体として化合物を得る。文献記載の条件(C.Henneuse,et.al. Synthesis,495(1996))に従って4,4’−ジメトキシベンズヒドロールでラクタムを保護することにより、対応するN−保護ラクタムを得る。次に、例えば水酸化リチウムを用いたメチルエステルの加水分解を行うことによりP=(4−MeOPh)CHである酸が得られる。次に、文献記載の条件(D.A.Evans,et al.J.Org.Chem,64:6411−6417(1999))に従って酸をCurtius転移に付すことにより対応するベンジルカーバメートとし、これをジ−t−ブチルジカーボネートの存在下に水素化条件下で脱保護して中間体が得られる。アセトニトリル及び水のような溶媒中の硝酸アンモニウムセリウム(CAN)のような酸化剤を用いたのラクタムの脱保護によりIIaが得られる。
Figure 0005075129
式Iの化合物はUがCl、Br、I又はトリフレートである上記中間体IIa及び中間体IIIaからスキーム2に説明する通り製造してよい。中間体IIIaは市販品又は文献既知物質である。中間体はA.Klapars,et.al.J.Am.Chem.Soc.124:7421−7428(2002)及びその引用文献に概説されている操作法に従って、トルエン又はエチレングリコールジメチルエーテル(DME)のような溶媒中、炭酸カリウム又はリン酸カリウムのような塩基の存在下、ヨウ化銅(I)のような銅塩及びN,N’−ジメチルエチレンジアミンの存在下にIIa及びIIIaを共に加熱することにより製造してよい。次に、のニトロ基を例えば、テトラヒドロフラン/水又はエタノールのような溶媒の存在下、ラニーニッケル及び水素ガスを用いて還元することにより、対応するアミノアレン10を得る。次に、トルエンのような溶媒中酢酸のような酸の存在下に加熱することにより、アミノアレン10を環化して縮合ベンズイミダゾール11が得られる。次に、11の保護基を例えば、トリフルオロ酢酸又はBocの場合はメタノール性塩化水素により除去し、所望のアミンIが得られる。生成物は必要に応じて結晶化、磨砕、分取用薄層クロマトグラフィー、例えばBiotage(登録商標)装置を用いるシリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィー又はHPLCにより、精製される。逆相HPLCにより精製された化合物は対応する塩として単離してよい。中間体の精製は同じ態様において達成される。
Figure 0005075129
或いは、中間体11は、UがCl、Br、I又はトリフレートである上記中間体IIa及びアミノアレンIIIbからスキーム3に説明する通り製造してよい。アミノアレンIIIbは市販品又は文献既知物質である。中間体11はA.Klapars,et.al.J.Am.Chem.Soc.,124:7421−7428(2002)及びその引用文献に概説されている操作法に従って、トルエン又はエチレングリコールジメチルエーテル(DME)のような溶媒中、炭酸カリウム又はリン酸カリウムのような塩基の存在下、ヨウ化銅(I)のような銅塩及びN,N’−ジメチルエチレンジアミンの存在下にII及びIIIbを共に加熱することにより製造してよい。次に、中間体11を上記スキーム2に記載した通り脱保護及び精製してよい。
Figure 0005075129
いくつかの場合において、上記スキームにおいて説明した生成物I又は合成中間体は更に、例えばAr又はR上の置換基を処理することにより修飾してよい。これらの処理は、限定しないが、当該分野で良く知られている還元、酸化、アルキル化、アリール化、アシル化及び加水分解反応を包含する。
そのような例の1つをスキーム4に示す。中間体12は、スキーム3に記載した条件を用いながらIIa及び2,4−ジクロロ−6−メチルピリジン−3−アミンの反応により製造してよい。中間体12を更に処理するには、Pd/Cのような触媒の存在下に水素で処理して化合物13としてよい。13の脱保護は例えばジクロロメタン又はジオキサンのような溶媒中、塩化水素又はトリフルオロ酢酸のような酸で処理して化合物Icとすることにより行ってよい。
Figure 0005075129
一部の場合において、上記した反応スキームを実施する順序は反応を促進するため、又は、望ましくない反応産物を回避するために変更してよい。以下の実施例は、本発明がより深く理解されるように提示する。これらの実施例は説明に過ぎず、本発明を如何なる面においても制限する意図はない。
Figure 0005075129
tert−ブチル[(3R,4R)−6−オキソ−4−(2,4,5−トリフルオロフェニル)ピペリジン−3−イル]カーバメート
工程A:エチル3−(2,4,5−トリフルオロフェニル)アクリレート
テトラヒドロフラン200ml中の2,4,5−トリフルオロベンズアルデヒド10g(62ミリモル)及びトリエチルホスホノアセテート14ml(70ミリモル)の溶液に、1,8−ジアゾビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン11ml(75ミリモル)を添加した。溶液を4時間室温で攪拌し、次に真空下に濃縮し、ヘキサン/酢酸エチルの10:1溶液800mLに溶解した。得られた溶液を1N塩酸、重炭酸ナトリウム飽和水溶液及び飽和食塩水(各200ml)で順次洗浄した。次に、有機層を硫酸マグネシウム上に乾燥し、濾過し、真空下に蒸発させ、粗製の油状物とした。次に、粗製の物質をBiotage Horizon(登録商標)システム上のフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、0乃至15%酢酸エチル/ヘキサン勾配)により精製し、エチル3−(2,4,5−トリフルオロフェニル)アクリレートを無色油状物として得た。H NMR(CDCl3):δ7.71(d、J=16.2Hz、1H)、7.37(ddd、J=17.1、8.7、1.8Hz、1H)、7.00(ddd、J=16.2、9.8、2、4Hz、1H)、6.46(d、J=16.2Hz、1H)、4.30(q、J=7.1Hz、2H)、1.36(t、J=7.1Hz、3H)。
工程B:ジメチル2−シアノ−3−(2,4,5−トリフルオロフェニル)ペンタンジオエート
メタノール200ml中のナトリウムメトキシド15ml(64ミリモル、メタノール中25%)の溶液に、メチルシアノアセテート5.5ml(62ミリモル)を添加し、30分間室温で攪拌した。この溶液に、メタノール50ml中の工程Aの生成物14g(62ミリモル)を添加し、得られた黄色混合物を6時間加熱還流した。次に、1N塩酸水溶液(100ml)を用いて、混合物を室温において慎重にクエンチングし、濃縮してメタノールを除去した。得られた混合物を酢酸エチル各300mlで3回抽出し、有機層を合わせ、1N塩酸、重炭酸ナトリウム飽和水溶液及び飽和食塩水(各100ml)で順次洗浄した。次に、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、真空下に蒸発させ、粘性油状物を得た。粗製の物質をBiotage Horizon(登録商標)システム上のフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、0乃至25%酢酸エチル/ヘキサン勾配)により精製し、立体異性体の混合物として表題化合物を得た。H ΝMR(CDCl):δ7.33−6.96(m、2H)、4.23−3.93(mのシリーズ、2H)、3.81−3.67(sのシリーズ、6H)、3.05−2.84(m、2H)。
工程C:メチル−トランス−6−オキソ−4−(2,4,5−トリフルオロフェニル)ピペリジン−3−カルボキシレート
0℃のメタノール450mlに、アセチルクロリド30mlを慎重に添加し、そして得られた溶液を30分間周囲温度において攪拌した。得られた溶液を工程Bのジメチル2−シアノ−3−(2,4,5−トリフルオロフェニル)ペンタンジオエート27g(86ミリモル)に添加し、次に、反応混合物を20時間水素50psiで酸化白金(IV)5.0gと共に振とうした。混合物をセライトパッドで濾過し、フィルターケーキをメタノール及びジクロロメタンで洗浄した。合わせた濾液と洗浄液を濃縮し、次に1:1メタノール/トルエン400ml中の炭酸カリウム(28g、200ミリモル)と共に溶解した。得られた混合物を4時間還流下に加熱し、次に0℃に冷却し、溶液がpH試験紙で酸性となるまで1N塩酸を用いて慎重にクエンチした。得られた溶液を、次に3:1クロロホルム/イソプロピルアルコール各300mlで6回抽出し、有機層を合わせ、飽和食塩水(300ml)で洗浄した。次に、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、真空下に蒸発させ、無色固体を得た。この粗製の物質を1:1ジエチルエーテル/メタノール500mlに溶解し、0℃に冷却した。この溶液にトリメチルシリルジアゾメタン溶液(ヘキサン中2M)75ml(150ミリモル)を少しずつ黄色が持続するまで添加した。室温に加温した後、溶液を更に2時間攪拌し、次に真空下濃縮した。無色結晶固体として得た表題化合物は更に精製することなく使用した。LC/MS288.3(M+1)。
工程D:メチル−トランス−1−[ビス(4−メトキシフェニル)メチル]−6−オキソ−4−(2,4,5−トリフルオロフェニル)ピペリジン−3−カルボキシレート
酢酸100ml中の工程Cの生成物6.6g(23ミリモル)の攪拌溶液に、4,4’−ジメトキシベンズヒドロール6.11g(25ミリモル)、次いで濃硫酸5mlを添加し、得られた溶液を18時間室温で攪拌した。次に溶液を濃縮し、0℃に冷却した後氷水(100ml)でクエンチした。得られた混合物を酢酸エチル各300mlで3回抽出し、有機層を合わせ、水、重炭酸ナトリウム飽和水溶液及び飽和食塩水(各200ml)で順次洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、真空下に蒸発させ、粘性油状物を得た。粗製の物質をBiotage Horizon(登録商標)システム上のフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、0乃至50%酢酸エチル/ヘキサン勾配)により精製し、無色固体としてメチル−トランス−1−[ビス(4−メトキシフェニル)メチル]−6−オキソ−4−(2,4,5−トリフルオロフェニル)ピペリジン−3−カルボキシレートを得た。LC/MS536.2(M+23)。
工程E:トランス−1−[ビス(4−メトキシフェニル)メチル]−6−オキソ−4−(2,4,5−トリフルオロフェニル)ピペリジン−3−カルボン酸
3:1テトラヒドロフラン/メタノール100ml中の工程Dの生成物5.9g(11.5ミリモル)の溶液に、1Nの水酸化リチウム水溶液30ml(30ミリモル)を添加し、得られた混合物を2時間60℃で攪拌した。溶液を濃縮し1N塩酸水溶液100mlで酸性化した。次に得られた混合物を酢酸エチル各250mlで3回抽出し、有機層を合わせ、1N塩酸及び飽和食塩水(各100ml)で順次洗浄した。有機層を硫酸マグネシウム上に乾燥し、濾過し、真空下に蒸発させ、無色泡状固体として得られた表題化合物を更に精製することなく使用した。LC/MS522.2(M+23)。
工程F:ベンジル[トランス−1−[ビス(4−メトキシフェニル)メチル]−6−オキソ−4−(2,4,5−トリフルオロフェニル)ピペリジン−3−イル]カーバメート
トルエン60ml中の工程Eの生成物5.4g(9.7ミリモル)にトリエチルアミン1.8ml(12ミリモル)、次いでジフェニルホスホリルアジド2.8ml(13ミリモル)を添加した。30分間室温で攪拌した後、反応混合物を30分間70℃に加温し、次に、更に2時間緩徐に還流温度まで加熱した。反応混合物を室温に冷却し、ベンジルアルコール3.2g(30ミリモル)を添加し、反応混合物を5時間還流下に加熱した。次に、溶液を室温に冷却し、1N塩酸水溶液(100ml)でクエンチングした。得られた混合物を酢酸エチル各150mlで3回抽出し、有機層を合わせ、1N塩酸、重炭酸ナトリウム飽和水溶液及び飽和食塩水(各100ml)で順次洗浄した。次に有機層を硫酸マグネシウム上に乾燥し、濾過し、真空下に蒸発させ、粘稠で粗製の油状物を得た。粗製の物質をBiotage Horizon(登録商標)システム上のフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、0乃至40%酢酸エチル/ヘキサン勾配)により精製し、無色結晶固体として表題化合物を得た。LC/MS605.6(M+1)。
工程G:tert−ブチル[(3R,4R)−6−オキソ−4−(2,4,5−トリフルオロフェニル)ピペリジン−3−イル]カーバメート
メタノール150ml中の工程Fの生成物8.5g(14ミリモル)にジ−t−ブチルジカーボネート4.4g(20ミリモル)を添加し、溶液を12時間水素1気圧下に水酸化パラジウム(炭素上20%)1.0gと共に振とうした。混合物をセライトパッドで濾過し、フィルターケーキをメタノール及びジクロロメタンで洗浄した。合わせた濾液及び洗浄液を濃縮し、Biotage Horizon(登録商標)システム上のフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、0乃至40%酢酸エチル/ヘキサン勾配)により精製し、無色結晶固体として表題化合物を得た。キラルHPLC分離(ChiralCel OD カラム、20%メタノール/二酸化炭素)により高移動性溶出化合物として3S,4SエナンチオマーA及び低移動性溶出化合物として3R,4RエナンチオマーBを得た。
0℃の5:1アセトニトリル/水溶液150ml中の上記3R,4Rエナンチオマー5.8g(10ミリモル)に、硝酸アンモニウムセリウム(IV)(CAN)15g(28ミリモル)を添加し、反応混合物を60分間0℃で攪拌した。次に反応混合物を飽和NaHSO3溶液(30ml)及び1N塩酸(100ml)を用いて室温でクエンチングした。得られた混合物を3:1クロロホルム/イソプロピルアルコール各200mlで4回抽出し、有機層を合わせ、1N塩酸(200ml)及び飽和食塩水(200ml)で洗浄した。次に、有機層を硫酸マグネシウム上に乾燥し、濾過し、真空下に蒸発させ、無色固体を得た。この粗製の物質を次にBiotage Horizon(登録商標)システム上のフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、0乃至100%酢酸エチル/ヘキサン勾配)により精製し、淡黄色固体として表題化合物を得た。LC/MS345.2(M+1)。
Figure 0005075129
tert−ブチル[(3R,4R)−6−オキソ−4−(2,5−ジフルオロフェニル)ピペリジン−3−イル]カーバメート
表題化合物は2,5−ジフルオロベンズアルデヒドを原料として中間体1に関して上記した通り製造した。LC/MS327.2(M+1)。
Figure 0005075129
(7R,8R)−2−メチル−7−(2,4,5−トリフルオロフェニル)−6,7,8,9−テトラヒドロピリド[3’,2’:4,5]イミダゾ[1,2−α]ピリジン−8−アミントリストリフルオロ酢酸塩
工程A:tert−ブチル[(7R,8R)−4−クロロ−2−メチル−7−(2,4,5−トリフルオロフェニル)−6,7,8,9−テトラヒドロピリド[3’,2’:4,5]イミダゾ[1,2−α]ピリジン−8−イル]カーバメート
中間体150mg(0.15ミリモル)、2,4−ジクロロ−6−メチルピリジン−3−アミン1,39mg(0.22ミリモル)、ヨウ化銅(I)2.5mg(0.013ミリモル)、炭酸カリウム35mg(0.25ミリモル)及び乾燥トルエン1.5mlを含有するオーブン乾燥したフラスコに、N,N’−ジメチルエチレンジアミン0.003ml(0.05ミリモル)を添加し、混合物を24時間還流下に加熱した。混合物を室温に冷却し、酢酸エチル10mlで希釈した。酢酸エチル溶液を重炭酸ナトリウム飽和溶液と飽和食塩水の1:1混合物5mlで洗浄した。層を分離させ、有機層を無水硫酸マグネシウム上に乾燥し、濾過し、真空下に蒸発させた。粗製の油状物をAnaltech(登録商標)1000ミクロンプレートを用いた分取用薄層クロマトグラフィー(50%ヘキサン/酢酸エチル)により精製し、粘稠な油状物として表題化合物を得た。LC/MS467.1(M+1)、469.0(M+2)。
工程B:tert−ブチル[(7R,8R)−2−メチル−7−(2,4,5−トリフルオロフェニル)−6,7,8,9−テトラヒドロピリド[3’,2’:4,5]イミダゾ[1,2−α]ピリジン−8−イル]カーバメート
メタノール4ml中の工程Aの生成物19mg(0.04ミリモル)に炭素上20%水酸化パラジウム10mgを添加した。反応混合物を水素ガスでパージし、1時間水素1気圧下に保持した。混合物をセライトパッドで濾過し、フィルターケーキをメタノール各4mlで3回連続して洗浄した。合わせた濾液及び洗浄液を濃縮し、更に精製することなく使用した。LC/MS433.1(M+1)。
工程C:(7R,8R)−2−メチル−7−(2,4,5−トリフルオロフェニル)−6,7,8,9−テトラヒドロピリド[3’ ,2’:4,5]イミダゾ[1,2−α]ピリジン−8−アミントリストリフルオロ酢酸塩
工程Bの生成物に1:1ジクロロメタン/トリフルオロ酢酸4mlを添加し、溶液を60分間攪拌し、次に真空下に濃縮した。残存物を逆相HPLC(YMCPro−C18カラム、勾配溶離、0%乃至65%アセトニトリル/水+0.1%TFA)により精製し、白色泡状物として表題化合物を得た。LC/MS333.1(M+1)。
Figure 0005075129
(7R,8R)−8−(2,4,5−トリフルオロフェニル)−6,7,8,9−テトラヒドロピリド[2’,3’:4,5]イミダゾ[1,2−α]ピリジン−7−アミン
表題化合物は3−ブロモピリジン−2−アミンを原料として、実施例1の操作法に本質的に従って製造した。LC/MS319.1(M+1)。
Figure 0005075129
(7R,8R)−7−(2,5−ジフルオロフェニル)−6,7,8,9−テトラヒドロピリド[1,2−e]プリン−8−アミン
表題化合物は4−ヨードピリミジン−5−アミンを原料として、そして中間体2を使用して、実施例1の操作法に本質的に従って製造した。LC/MS302.2(M+1)。
Figure 0005075129
(7R,8R)−8−(2,5−ジフルオロフェニル)−6,7,8,9−テトラヒドロピリド[2,1−f]プリン−7−アミン
表題化合物は5−ブロモピリミジン−4−アミンを原料として、そして中間体2を使用して、実施例1の操作法に本質的に従って製造した。LC/MS302.2(M+1)。
Figure 0005075129
(7R,8R)−7−(2,4,5−トリフルオロフェニル)−6,7,8,9−テトラヒドロピリド[2’,1’:2,3]イミダゾ[4,5−c]ピリダジン−8−アミン
表題化合物は3,5−ジクロロピリダジン−4−アミンを原料として、実施例1の操作法に本質的に従って製造した。
Figure 0005075129
(7R,8R)−7−(2,4,5−トリフルオロフェニル)−6,7,8,9−テトラヒドロピリド[1’,2’:1,2]イミダゾ[4,5−d]ピリダジン−8−アミン
表題化合物は5−クロロピリダジン−4−アミンを原料として、実施例1の操作法に本質的に従って、工程Bを省略して製造した。
Figure 0005075129
(7R,8R)−8−(2,4,5−トリフルオロフェニル)−6,7,8,9−テトラヒドロピリド[1’,2’:1,2]イミダゾ[4,5−c]ピリダジン−7−アミン
表題化合物は4−クロロピリダジン−3−アミンを原料として、実施例1の操作法に本質的に従って、工程Bを省略して製造した。
Figure 0005075129
(7R,8R)−7−(2,4,5−トリフルオロフェニル)−6,7,8,9−テトラヒドロピリド[1’,2’:1,2]イミダゾ[4,5−b]ピラジン−8−アミン
表題化合物は3,5−ジブロモピラジン−2−アミンを原料として、実施例1の操作法に本質的に従って製造した。

(医薬品製剤の実施例)
経口用医薬組成物の特定の実施形態として、100mg力価の錠剤を実施例1乃至8の何れか100mg、微結晶セルロース268mg、クロスカルメロースナトリウム20mg及びステアリン酸マグネシウム4mgより製造する。活性成分、微結晶セルロース及びクロスカルメロースを先ず混合する。次に、混合物をステアリン酸マグネシウムで潤滑性付与し、圧縮成型して錠剤が得られる。
本発明はその特定の実施形態を参照しながら記載説明してきたが、当業者の知る通り、操作法及びプロトコルの種々の適合、変更、改変、置換、消去又は付加が本発明の精神及び範囲を外れることなく実施される。例えば、上記した本発明の化合物の適応症の何れかに治療される哺乳類の応答の変動の結果として、本明細書に記載した特定の用量以外の有効量が適用可能である場合がある。観察される特定の薬理学的応答は、選択された特定の活性化合物、又は薬剤の担体が存在するか否か、又は、使用する製剤の種類及び投与様式に従って、及びそれらに相応して変動してよく、そして、そのような予測される結果の変動又は相違は、本発明の目的及び実施により意図されるものである。従って、本発明は添付する請求項の範囲により定義され、その請求項は合理的に広範に解釈されるべきであることを意図している。

Claims (5)

  1. 構造式I:
    Figure 0005075129
    [式中、
    Arは、未置換であるか、又は1乃至5のR置換基で置換されたフェニルであり;
    各Rは、ハロゲンからなる群より独立して選択され;
    W、X、Y及びZは、以下の群から選択され:
    WがNであり;X、Y及びZがCRである、
    ZがNであり;W、X及びYがCRである、
    W及びYがNであり;X及びZがCRである、
    X及びZがNであり;W及びYがCRである、
    W及びXがNであり;Y及びZがCRである、
    X及びYがNであり;W及びZがCRである、
    Y及びZがNであり;W及びXがCRである、
    W及びZがNであり;X及びYがCRである;
    各Rは、
    水素、又は
    1−10アルキル(該アルキルは未置換であるか、又はハロゲン若しくはヒドロキシから独立して選択される置換基で1乃至5置換されている)である]である化合物又はその薬学的に許容される塩。
  2. 各Rがフッ素である請求項1記載の化合物。
  3. *を付した立体中心となる炭素原子2個において標記した立体化学的配置を有する下記構造式Ia及びIb:
    Figure 0005075129
    である請求項1記載の化合物。
  4. *を付した立体中心となる炭素原子2個において標記した絶対的立体化学的配置を有する下記構造式Ia:
    Figure 0005075129
    である請求項3記載の化合物。
  5. Figure 0005075129
    からなる群より選択される請求項4記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
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