JP5074761B2 - ガラスペースト、及び、プラズマディスプレイパネルの製造方法 - Google Patents

ガラスペースト、及び、プラズマディスプレイパネルの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、効率よくプラズマディスプレイパネルを製造することができるガラスペースト、及び、該ガラスペーストを用いてなるプラズマディスプレイパネルの製造方法に関する。
プラズマディスプレイパネル(以下、PDPともいう)は、前面ガラス基板と背面ガラス基板との間に備えられた放電空間内で電極間にプラズマ放電させ、放電空間内に封入されているガスから発生した紫外線を放電空間内の蛍光体に当てることにより発光を得るものである。
背面ガラス基板にはプラズマから電極を保護する目的で電極上に誘電体層が形成され、更にその表面に蛍光体層を塗工するガラスリブが形成されている。また、蛍光体層の表面積を稼ぐために、ガラスリブは、サンドブラストを用いて凹型ストライプ状に成形されている。背面ガラス基板表面に誘電体層とガラスリブとが形成されたものを背面板という。
従来、PDPの生産プロセスでは、特許文献1に開示されているように、背面ガラス基板の表面に誘電体層用ペーストを塗工、乾燥した後、加熱して脱脂・焼成を行うことで誘電体層を形成し、更に誘電体層の表面に、アクリル樹脂やエチルセルロース樹脂等をバインダー樹脂とし、低融点ガラスを分散させ、溶剤を含有させたガラスリブ用ペーストを塗工し、次いでサンドブラストを用いて凹型ストライプ状に成形した後、加熱して脱脂・焼成を行うことでガラスリブを形成していた。このプロセスでは加熱して脱脂・焼成する工程が複数回必要となるため、熱エネルギーや製造タクト時間がかかるという問題がある。
このような問題に対して、背面ガラス基板表面に誘電体前駆層とガラスリブ前駆体とを形成した後にまとめて加熱することにより、1度のみの脱脂・焼成にて誘電体層及びガラスリブを製造することが検討されている。しかしながら、脱脂・焼成を行っていない誘電体前駆層の表面に従来のガラスリブ用ペーストを塗工すると、ペーストに含有される溶剤が誘電体層を破壊するシートアタックと呼ばれる現象が生じるという問題があった。
特許文献2には、背面ガラス基板表面に誘電体ペーストを塗工し、熱重合を用いて硬化させた誘電体前駆層にガラスリブ用ペーストを塗工し、誘電体前駆層とガラスリブ前駆体とを焼成し、誘電体層及びガラスリブを製造する方法が開示されているが、熱重合を短時間で完全に終了させることは難しく、また、硬化後溶剤を蒸発させることが難しいため、後のプロセスで基材からの剥がれや気泡が発生するという問題があった。
特開2002−133947号公報 特開2001−26477号公報
本発明は、上記現状に鑑み、効率よくプラズマディスプレイパネルを製造することができるガラスペースト、及び、該ガラスペーストを用いてなるプラズマディスプレイパネルの製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、少なくとも、単独重合体のガラス転移温度(Tg)が20℃以上のモノマーからなる(メタ)アクリル樹脂と、ガラス粉末と、比重が0.95以上1.35未満、かつ、沸点が140℃以上300℃未満の溶剤と、ポリビニルアセタール樹脂とを含有し、前記溶剤は炭酸プロピレンであるガラスペーストである。
以下に本発明を詳述する。
本発明者らは、鋭意検討の結果、ガラスペーストにおいて、一定温度以上のガラス転移温度を有する樹脂をバインダー樹脂とし、比重と沸点とが一定の範囲の溶剤を用いることにより、従来のようにプラズマディスプレイパネルを作製する際に誘電体前駆層の乾燥後とサンドブラストにて凹型形状形成後とに、それぞれ脱脂・焼成を行わなくてもシートアタックを生じることがないため、脱脂・焼成を減らすことができることから、効率よくプラズマディスプレイパネルを製造することができるということを見出し、本発明を完成させるに至った。
本発明のガラスペーストは、単独重合体のガラス転移温度(Tg)が20℃以上のモノマーからなる(メタ)アクリル樹脂を含有する。ここで、本発明における単独重合体のガラス転移温度とは、重量平均分子量が5000以上の単独重合体のガラス転移温度である。
ガラス転移温度が20℃未満であると、サンドブラスト時に問題が発生することがある。また、塗工できるほどの粘度を得るために大量の樹脂を必要とするため、脱脂・焼成の際に時間がかかる。
上記(メタ)アクリル樹脂としては特に限定されず、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、n−ステアリル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、及び、ポリオキシアルキレン構造を有する(メタ)アクリレートモノマーからなる群より選択される少なくとも1種からなる重合体が好適に用いられる。ここで、例えば(メタ)アクリレートとは、アクリレート又はメタクリレートを意味する。
なかでも、少ない樹脂の量で高い粘度を得ることができることから、ガラス転移温度(Tg)が高く、かつ、低温で速やかに脱脂できることから、メチルメタクリレートの共重合体であるポリメチルメタクリレート(Tg108℃)が好適である。
上記(メタ)アクリル樹脂のポリスチレン換算による重量平均分子量としては特に限定されないが、好ましい下限は5000、好ましい上限は20万である。5000未満であると、本発明のガラスペーストに充分な粘度が得られず、20万を超えると、樹脂の凝集力が高く、サンドブラストにて成形しにくくなったり、塗工時に延糸が発生したりしてガラスペーストの塗工作業に悪影響を与えることがある。より好ましい上限は3万、更に好ましい上限は2万である。
また、重量平均分子量が1万〜2万であると、サンドブラスト作業も良好であり、塗工、乾燥後のガラスペーストの表面も平滑であり、糸曳性も優れているので特に好ましい。
なお、ポリスチレン換算による重量平均分子量の測定は、カラムとして例えばSHOKO社製カラムLF−804を用いてGPC測定を行うことで得ることができる。
また、本発明のガラスペーストに用いるバインダー樹脂として(メタ)アクリル樹脂重合反応の後の反応溶液をそのまま用いる場合には、重合後の重合溶液には、モノマーやオリゴマー等の低分子量成分が実質的に含まれていないことが好ましい。
上記(メタ)アクリル樹脂の分子量分布(重量平均分子量/数平均分子量=Mw/Mn)としては特に限定されないが、好ましい上限は3である。分子量分布が3を超えると、重合溶液中のオリゴマー等の低分子量成分が可塑剤となり、ガラスペーストに充分な粘度が得られなかったり、また高分子量成分が糸曳性を悪化させる場合がある。より好ましい上限は2.5である。
本発明のガラスペーストにおける上記(メタ)アクリル樹脂の含有量としては特に限定されないが、好ましい下限は5重量%、好ましい上限は25重量%である。5重量%未満であると、ガラス粉末を充分に分散させることができないことがあり、塗工、乾燥後のガラスペーストの表面が平滑でなくなる場合があり、25重量%を超えると、サンドブラスト時に悪影響を及ぼす場合がある。
本発明のガラスペーストは、ガラス粉末を含有する。
上記ガラス粉末の組成としては特に限定されず、例えば、ケイ酸塩ガラス、鉛ガラス、CaO・Al・SiO系無機ガラス、MgO・Al・SiO系無機ガラス、LiO・Al・SiO系無機ガラス等の各種ガラスが挙げられる。特に、融点が600℃以下の低融点ガラスであることが好ましい。
また、上記ガラス粉末に対して、ガラス以外の無機微粒子を併用してもよい。無機微粒子としては特に限定されず、例えば、銅、銀、ニッケル、パラジウム、アルミナ、ジルコニア、酸化チタン、チタン酸バリウム、窒化アルミナ、窒化ケイ素、窒化ホウ素、BaMgAl1017:Eu、ZnSiO:Mn、(Y、Gd)BO:Eu等の蛍光体、カーボンブラック、金属錯体等が挙げられる。
本発明のガラスペーストにおける上記ガラス粉末及び無機微粒子の含有量としては特に限定されないが、好ましい下限が10重量%、好ましい上限が80重量%である。10重量%未満であると、粘度が充分に得られないことがあり、ガラス粉末等に対して樹脂が多いためにサンドブラスト時に悪影響があることがある。80重量%を超えると、ガラス粉末等を分散させることが困難になることがある。
本発明のガラスペーストは、比重が0.95以上1.35未満、かつ、沸点が140℃以上300℃未満の溶剤を含有する。
上記溶剤は、比重が0.95以上、1.35未満である。比重がこの範囲から外れると、シートアタックが生じたり、塗工しにくくなることがある。ここで比重とは、4℃又は20℃における水の密度と20℃又は25℃におけるその溶剤の密度との比を意味する(編者:浅原照三、「溶剤ハンドブック」、講談社、1996年1月20日第14刷)。
下記に例示として挙げられている溶剤のなかには、従来公知のものも挙げられるが、実際に脱脂・焼成工程を考慮すると、比重が0.95以上、1.35未満の溶剤は蒸発しにくいため用いられていないのが現状であった。しかし、本発明者らはこのような比重かつ沸点の溶剤をあえて用いることにより、シートアタックを防ぐことができるということを初めて見出した。
上記溶剤は、沸点が140℃以上、300℃未満である。沸点が140℃未満であると、本発明のガラスペーストを塗工する際に溶剤が揮発してしまうため、粘度が変わり安定した塗工ができず、300℃以上であると、塗工後、ペースト中の溶剤を乾燥させる段階で多大な時間や熱エネルギーが必要となる。好ましくは280℃以下である。
上記比重が0.95以上1.35未満、かつ、沸点が140℃以上300℃未満の溶剤としては特に限定されず、例えば、エチレングリコールジアセテート(比重1.1063(溶剤20℃/水20℃)、沸点190.2℃)、炭酸プロピレン(比重1.2069(溶剤20℃/水20℃)、沸点242℃)、ジエチレングリコール(比重1.1164(溶剤20℃/水4℃)、沸点244.8℃)、1,2−エタンジオール(比重1.1135(溶剤20℃/水4℃)、沸点197.85℃)、1,2−プロパンジオール(比重1.0381(溶剤20℃/水20℃)、沸点187.3℃)、1,3−プロパンジオール(比重1.0554(溶剤20℃/水20℃)、沸点214℃)、1,2−ブタンジオール(比重1.0024(溶剤20℃/水4℃)、沸点190.5℃)、1,3−ブタンジオール(比重1.0053(溶剤20℃/水4℃)、沸点207.5℃)、1,4−ブタンジオール(比重1.069(溶剤20℃/水4℃)、沸点229.2℃)、1,5−ペンタンジオール(比重0.9938(溶剤20℃/水4℃)、沸点242.4℃)、2−ブテン−1,4−ジオール(比重1.080(溶剤20℃/水4℃)、沸点235℃)等のジオール類、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート(比重1.0096(溶剤20℃/水20℃)、沸点217.4℃)、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート(比重0.9810(溶剤20℃/水20℃)、沸点246.8℃)、2−フェノキシエチルアセテート(比重1.1084(溶剤20℃/水20℃)、沸点259.7℃)、2−エトキシエチルアセテート(比重0.9730(溶剤20℃/水4℃)、沸点156.3℃)、2−メトキシエチルアセテート(比重1.0049(溶剤20℃/水4℃)、沸点144.5℃)、γ−ブチロラクトン(比重1.1254(溶剤25℃/水4℃)、沸点204℃)、ジメチルスルホキシド(比重1.0958(溶剤25℃/水4℃)、沸点189℃)、N−メチルピロリドン(比重1.0279(溶剤25℃/水4℃)、沸点202℃)、N−メチルホルムアミド(比重0.9988(溶剤25℃/水4℃)、沸点180℃)、ホルムアミド(比重1.13339(溶剤20℃/水4℃)、沸点210.5℃)等が挙げられる。
なかでも、特にシートアタックを生じにくいことから誘電率が25以上であることが好ましく、誘電率が25以上の溶剤としては、1,2−エタンジオール、1、2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、ジエチレングリコール、炭酸プロピレン、γ−ブチロラクトン、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン、N−メチルホルムアミド、ホルムアミドが挙げられる。特に、200℃以下で乾燥させることができるため、炭酸プロピレン、γ−ブチロラクトン、1,2−エタンジオール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオールが好適である(「溶剤ハンドブック」参照)。
なお、これらの溶剤は単独で用いられてもよいし、2種以上が併用されてもよい。
また、本発明のガラスペーストは、誘電体層やサンドブラスト処理のパターニングに必要なドライフィルムレジスト(DFR)との密着性を向上させるために、更にポリビニルアセタール樹脂を含有することが好ましい。
本発明のガラスペーストがポリビニルアセタール樹脂を含有する場合には、ポリビニルアセタール樹脂をガラスペーストに充分に溶解させることができることから、上記溶剤としては、1,2−エタンジオール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオールが好適に用いられる。
上記ポリビニルアセタール樹脂の水酸基価としては特に限定されないが、上記溶剤への溶解性を確保するため、40mol%以上であることが好ましい。40mol%未満であると、上記溶剤に対して、充分に溶解しなくなることがある。
上記ポリビニルアセタール樹脂のポリスチレン換算による重量平均分子量としては特に限定されないが、好ましい下限が5000、好ましい上限が10万である。5000未満であると、ポリビニルアセタール樹脂を用いることによる密着性、強靱性向上等の効果が充分に得られないことがあり、10万を超えると、上記溶剤に対する溶解性が低下するおそれがある。より好ましい下限は1万、より好ましい上限は5万である。
本発明のガラスペーストにおける上記ポリビニルアセタール樹脂の含有量としては特に限定されないが、好ましい下限は0.1重量%、好ましい上限は6重量%である。0.1重量%未満であると、上記ポリビニルアセタール樹脂を用いることによる密着性、強靱性向上等の効果が充分に得られないことがあり、6重量%を超えると、脱脂を行うために高温での焼成が必要となってしまうおそれがある。
本発明のガラスペーストは、塗工後のレベリングを促進させる目的でノニオン系界面活性剤を含有することが好ましい。
上記ノニオン系界面活性剤としては特に限定されないが、HLB値が6以上16以下のノニオン系界面活性剤であることが好ましい。ここで、HLB値とは、界面活性剤の親水性、親油性を表す指標として用いられるものであって、計算方法がいくつか提案されており、例えば、エステル系の界面活性剤について、鹸化価をS、界面活性剤を構成する脂肪酸の酸価をAとし、HLB値を20(1−S/A)等の定義がある。具体的には、脂肪鎖にアルキレンエーテルを付加させたものが好適であり、具体的には例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル等が好適に用いられる。なお、上記ノニオン系界面活性剤は、熱分解性がよいが、大量に添加するとガラスペーストの熱分解性が低下することがあるため、含有量の好ましい上限は5重量%である。
本発明のガラスペーストの作製方法としては特に限定されず、従来公知の攪拌方法が挙げられ、具体的には例えば、(メタ)アクリル樹脂と、ガラス粉末と、溶剤と、必要に応じて加えた他の成分とを3本ロールミル等で攪拌する方法等が挙げられる。
本発明のガラスペーストの応用として、分散させるガラス粉末の代わりに、セラミック粉末を用いたときのセラミックペースト組成物、蛍光体粉末を用いたときの蛍光体ペースト組成物、導電性粉末を用いたときの導電ペースト組成物、ガラス粉末又はセラミックス粉末を用いたときのグリーンシートとして用いることもできる。このような用途で用いることにより、エチルセルロースをバインダー樹脂として用いたグリーンシートと重ね合わせて同時に脱脂・焼成することができる。
すなわち、シートアタックを生じないという特徴を活かし、今まで個別に焼結プロセスが必要であったグリーンシート上に導電ペーストでパターンを描く工程、電極シート上に誘電体ペーストをカバーする工程、リブシート上に蛍光体ペーストをスクリーン印刷する工程等を簡略化することが可能である。
また、未焼結リブ上にインクジェットで蛍光体ペーストを印刷したり、オフセット印刷で電極を印刷した上に誘電体層をスクリーン印刷する等、異なる印刷法を組み合わせるときにも応用することができる。例えば、サンドブラストレジストパターンをフォトリソ工程で描く工程をスクリーン印刷に置き換える等である。
本発明のガラスペーストを用いることにより、プラズマディスプレイパネルを作製する際に、背面ガラス基板表面に誘電体前駆層とガラスリブ前駆体とを形成した後にまとめて脱脂・焼成を行ってもシートアタックを生じないため、従来のように熱エネルギーや製造タクト時間がかかるという問題がない。
背面ガラス基板にセルロース樹脂をバインダー主成分とする誘電体層用ペーストを塗工し、乾燥させることにより誘電体前駆層を形成させる誘電体前駆層形成工程と、脱脂工程を行わずに上記誘電体前駆層の表面に本発明のガラスペーストを塗工し、乾燥させることによりガラスリブ前駆体を形成させるガラスリブ前駆体形成工程と、サンドブラストにより上記ガラスリブ前駆体に凹型形状を形成させる凹型形状形成工程と、上記誘電体前駆層及び上記ガラスリブ前駆体を加熱して脱脂・焼成する脱脂・焼成工程とを有するプラズマディスプレイパネルの製造方法もまた、本発明の1つである。
また、背面ガラス基板に本発明のガラスペーストを塗工し、乾燥させることにより誘電体前駆層を形成させる誘電体前駆層形成工程と、脱脂工程を行わずに上記誘電体前駆層の表面にセルロース樹脂をバインダー主成分とするガラスリブ用ペーストを塗工し、乾燥させることによりガラスリブ前駆体を形成させるガラスリブ前駆体形成工程と、サンドブラストにより上記ガラスリブ前駆体に凹型形状を形成させる凹型形状形成工程と、上記誘電体前駆層及び上記ガラスリブ前駆体を加熱して脱脂・焼成する脱脂・焼成工程とを有するプラズマディスプレイパネルの製造方法もまた、本発明の1つである。
ここで、上記セルロース樹脂とは、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシセルロース、ニトロセルロース等が挙げられる。
本発明のプラズマディスプレイパネルの製造方法は、上述したように特定の溶剤を含有する本発明のガラスペーストを用いることにより、従来のようにプラズマディスプレイパネルを作製する際に誘電体前駆層の乾燥後とサンドブラストにて凹型形状形成後とに、それぞれ脱脂・焼成工程を行わなくてもシートアタックを生じることがないため、脱脂・焼成工程を減らすことができることから、効率よくプラズマディスプレイパネルを製造することができる。
なお、各工程については、本発明のガラスペーストを用いることと、脱脂工程を減らすこと以外は、従来のプラズマディスプレイパネルの製造方法と同様の操作を行うことができる。また、上記誘電体層用ペースト、ガラスリブ用ペーストとしては、本発明のガラスペーストに含有される溶剤と反応しにくいものであれば特に限定されず、従来公知のものを用いることができる。
本発明によれば、効率よくプラズマディスプレイパネルを製造することができるガラスペースト、及び、該ガラスペーストを用いてなるプラズマディスプレイパネルの製造方法を提供することができる。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
(実施例1)
攪拌機、冷却器、温度計、湯浴、及び、窒素ガス導入口を備えた2Lセパラブルフラスコに、メチルメタクリレート(MMA)100重量部、連鎖移動剤としてドデシルメルカプタン、溶剤として炭酸プロピレン100重量部を混合し、モノマー混合液を得た。
得られたモノマー混合液を、窒素ガスを用いて20分間バブリングすることにより溶存酸素を除去した後、セパラブルフラスコ系内を窒素ガスで置換し攪拌しながら湯浴が沸騰するまで昇温した。重合開始剤を酢酸エチルで希釈した溶液を加えた。また重合中に重合開始剤を含む酢酸エチル溶液を数回添加した。
重合開始から7時間後、室温まで冷却し重合を終了させた。これにより、メタクリル樹脂の炭酸プロピレン溶液を得た。得られた重合体について、カラムとしてSHOKO社製カラムLF−804を用い、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによる分析を行ったところ、ポリスチレン換算による重量平均分子量は表1のとおりであった。
このようにして得られた(メタ)アクリル樹脂の炭酸プロピレン溶液に対し、表1に記載した組成比になるように炭酸プロピレンを更に添加し、高速分散機で分散させてバインダー樹脂組成物を作製した。
得られたバインダー樹脂組成物に対して、ノニオン系界面活性剤としてBL−2(日光ケミカル社製)、ガラスフリットとして低融点ガラス微粒子ABX−169F(東カンマテリアルテクノロジー社製)を表1に記載した組成比になるよう添加し、高速撹拌装置を用いて充分混練し、3本ロールミルにてなめらかな状態に達するまで処理を行い、ガラスペーストを作製した。
(実施例2〜3)
連鎖移動剤の添加量を調整したこと以外は、実施例1と同様に重合を行い、メタクリル樹脂の炭酸プロピレン溶液を得た。重量平均分子量は、表1のとおりであった。表1の組成比になるように各成分を調整し、実施例1と同様にしてバインダー樹脂組成物、及び、ガラスペーストを作製した。
(実施例4)
用いるモノマーをイソブチルメタクリレート(IBMA)に変えたこと以外は、実施例1と同様にしてバインダー樹脂組成物、及び、ガラスペーストを作製した。
(実施例5)
用いるモノマーをシクロヘキシルメタクリレート(CHMA)に変えたこと以外は、実施例1と同様にしてバインダー樹脂組成物、及び、ガラスペーストを作製した。
(実施例6)
用いるモノマーをメチルメタクリレート80重量部、ラウリルメタクリレート(LMA)20重量部の2種のモノマーを用いたこと以外は、実施例1と同様にしてバインダー樹脂組成物、及び、ガラスペーストを作製した。
(実施例7)
用いるモノマーをメチルメタクリレート80重量部、プロピレンオキサイドユニットを持つアクリルモノマー(日本油脂社製、ブレンマーPP1000)20重量部の2種のモノマーを用いたこと以外は、実施例1と同様にしてバインダー樹脂組成物、及び、ガラスペーストを作製した。
(比較例1〜2)
エチルセルロース(シグマアルドリッチ社製STD46又はSTD100)の10重量%テルピネオール(比重0.93(溶剤20℃/水4℃))溶液を作製し、表2に記載した組成比になるよう各成分を調整し、実施例1と同様にしてバインダー樹脂組成物、及び、ガラスペーストを作製した。
(比較例3)
連鎖移動剤の添加量を調整し、溶剤としてテルピネオールを用いたこと以外は、実施例1と同様に重合を行い、メタクリル樹脂(ポリメチルメタクリレートPMMA)を得た。重量平均分子量は、表2のとおりであった。表2の組成比になるように各成分を調整し、実施例1と同様にしてバインダー樹脂組成物、及び、ガラスペーストを作製した。
(比較例4)
エチルセルロース(シグマアルドリッチ社製STD100)の10重量%炭酸プロピレン溶液を作製し、表2に記載した組成比になるよう各成分を調整し、実施例1と同様にしてバインダー樹脂組成物、及び、ガラスペーストを作製した。
しかし、エチルセルロース樹脂が溶剤に溶解しなかったためペーストを作製できなかった。
<評価>
実施例1〜7及び比較例1〜3で得られたバインダー樹脂組成物、及び、ガラスペーストについて以下の評価を行った。結果を表1〜表3に示した。
(1)耐シートアタック性
比較例1と同じ方法で作製したガラスペーストを10ミルに設定したアプリケーターを用いてガラス基板(2cm×5cm)上に塗工した。120℃オーブンで30分養生してペーストに含まれるテルピネオールを蒸発させ、エチルセルロース含有誘電体前駆層を形成した。厚みは10ミクロンで緻密でガラスペーストの塗工表面は平滑であった。
実施例1〜7及び比較例1〜3の界面活性剤及びガラス粉末を含まない、バインダー樹脂組成物を5ミルに設定したアプリケーターを用いて誘電体前駆層に塗工した。120℃オーブンで30分養生して溶剤成分を蒸発させ誘電体前駆層の状態を顕微鏡観察して確認した。誘電体前駆層に穴が見られた場合を×、変化がなかった場合を○とした。
(2)リブ表面性、サンドブラスト性
比較例1と同じ方法で作製したガラスペーストを7ミルに設定したアプリケーターを用いてガラス基板(2cm×5cm)上に塗工した。120℃オーブンで30分養生してペーストに含まれるテルピネオールを蒸発させ、エチルセルロース含有誘電体前駆層を形成した。厚みは50ミクロンで緻密でガラスペーストの塗工表面は平滑であった。実施例1〜7及び比較例1〜3のガラスペーストを誘電体前駆層上に塗工後、ナイフコーターで400ミクロンの厚みに成形し、120℃オーブンで1時間乾燥させ厚み180ミクロンのガラスリブ前駆体を成形した。
ガラスリブ前駆体上にサンドブラスト用ドライフィルムレジスト(東京応化工業社製、BF603)を50℃でラミネート後、露光マスクをセットし、300mJ/cmで露光した。0.2%炭酸ナトリウム水溶液で現像し、幅100ミクロン幅のライン&スペースのパターンを形成した。
ガラスリブ前駆体上へのドライレジストフィルムの密着が良好な場合をリブ表面性○とし、細かな気泡が抜けなかった場合をリブ表面性×とした。
パターンを形成した面に不二製作所社製サンドブラスト機(ニューマブラスターSMC−1ADE−NE−401)を用い、研磨剤(不二製作所製S4#1000)を噴出圧力0.15MPaで吹き付け、サンドブラスト処理を行った。
切削が速やかに進み、リブ形状にも問題がなかった場合を◎、誘電体前駆層まで切削が進んだ場合を○、切削が終了する前にドライフィルムレジストが剥がれた場合を△、底まで切削が進まなかった場合を×とした。
Figure 0005074761
Figure 0005074761
Figure 0005074761
(実施例8)
(ポリビニルアセタール樹脂の合成)
重合度360、けん化度98mol%のポリビニルアルコール180gを純水3000mLに加え、90℃で約2時間攪拌し、溶解させた。この溶液を28℃まで冷却し、35重量%の塩酸200gとn−ブチルアルデヒド110gとを添加し、液温を15℃に下げ、この温度を保持してアセタール化反応を行い、反応生成物を析出させた。その後、液温を30℃に5時間保持して反応を完了させ、中和、水洗、及び、乾燥を経てポリビニルアセタール樹脂の白色の粉末を得た。
得られたポリビニルアセタール樹脂をDMSO−d(ジメチルスルホキサイド)に溶解し、13C−NMR(核磁気共鳴スペクトル)を用いてアセタール化度(ブチラール化度)を測定したところ、アセタール化度(ブチラール化度)は38mol%であった。また、用いたポリビニルアルコール樹脂の水酸基価は98mol%であるため、得られたポリビニルアセタール樹脂のアセタール化反応後の残された水酸基は60mol%である。
(メタクリル樹脂の合成)
攪拌機、冷却器、温度計、湯浴、及び、窒素ガス導入口を備えた2Lセパラブルフラスコに、メチルメタクリレート(MMA)30重量部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(2−HEMA)(単独重合体のTg55℃)70重量部、連鎖移動剤としてメルカプトプロパンジオール、溶剤として1,2−エタンジオール100重量部を混合し、モノマー混合液を得た。
得られたモノマー混合液を、窒素ガスを用いて20分間バブリングすることにより溶存酸素を除去した後、セパラブルフラスコ系内を窒素ガスで置換し攪拌しながら湯浴が沸騰するまで昇温した。重合開始剤を酢酸エチルで希釈した溶液を加えた。また重合中に重合開始剤を含む酢酸エチル溶液を数回添加した。
重合開始から7時間後、室温まで冷却し重合を終了させた。これにより、メタクリル樹脂の1,2−エタンジオール溶液を得た。得られた重合体について、カラムとしてSHOKO社製カラムLF−804を用い、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによる分析を行ったところ、ポリスチレン換算による重量平均分子量は表4のとおりであった。
このようにして得られたメタクリル樹脂の1,2−エタンジオール溶液に対し、表4に記載した組成比になるように1,2−エタンジオールを更に添加し、高速分散機で分散させてバインダー樹脂組成物を作製した。
得られたポリビニルアセタール樹脂とメタクリル樹脂に対して、ノニオン系界面活性剤としてBL−9EX(日光ケミカル社製)、ガラス粉末として低融点ガラス微粒子ABX−169F(東カンマテリアルテクノロジー社製)を表4に記載した組成比になるよう添加し、高速撹拌装置を用いて充分混練し、3本ロールミルにてなめらかな状態に達するまで処理を行い、ガラスペーストを作製した。
(実施例9〜10)
メチルメタクリレート(MMA)と2−ヒドロキシエチルメタクリレート(2−HEMA)との組成比を表4の組成比になるように変更し連鎖移動剤の添加量を調整したこと以外は、実施例1と同様に重合を行い、メタクリル樹脂を得た。重量平均分子量は表4のとおりであった。
また、n−ブチルアルデヒドの添加量、反応温度、反応時間を調整し、実施例8と同様に反応−中和−乾燥を行い、ポリビニルアセタール樹脂を得た。用いたポリビニルアルコールの水酸基価はいずれも98mol%であり、重合度は表4のとおりであった。また、得られたポリビニルアセタール樹脂の水酸基価は表4のとおりであった。
表4の組成比になるように各成分を調整し、実施例8と同様にしてバインダー樹脂組成物、及び、ガラスペーストを作製した。
(比較例5)
溶剤をテルピネオールに変えたこと以外は、実施例9と同様にしてバインダー樹脂組成物、及び、ガラスペーストを作製した。
<評価>
実施例8〜10及び比較例5で得られたバインダー樹脂組成物、並びに、ガラスペーストについて実施例1〜7、比較例1〜3と同様の評価を行った。結果を表4〜表5に示した。
Figure 0005074761
Figure 0005074761
ポリビニルアセタール樹脂を添加した結果、いずれの評価も良好な結果を示した。特にサンドブラスト時には、切削時間の大幅な短縮が確認できた。
比較例5については、溶剤としてテルピネオールを用いたため、耐シートアタック性の評価において誘電体前駆層に亀裂が見られ、サンドブラスト性の評価においてもガラスリブ前駆体下部まで切削を進めることができない領域が生じた。
(実施例11〜12)
実施例8と同様のメチルメタクリレート(MMA)と2−ヒドロキシエチルメタクリレート(2−HEMA)の組成比を用いて重合溶液を調整し、連鎖移動剤の添加量を調整して、実施例8と同様に重合を行い、メタクリル樹脂を得た。重量平均分子量は、表6のとおりであった。
n−ブチルアルデヒドの添加量、反応温度、反応時間を調整し、実施例8と同様に反応−中和−乾燥を行い、ポリビニルアセタール樹脂を得た。用いたポリビニルアルコールの水酸基価はいずれも98mol%であり、重合度は表6のとおりであった。また、得られたポリビニルアセタール樹脂の水酸基価は表6のとおりであった。得られたポリビニルアセタール樹脂を用い、表6の組成比になるように各成分を調整し、実施例8と同様にしてポリビニルアセタール樹脂を得た。
表6の組成比になるように各成分を調整し、実施例8と同様にしてバインダー樹脂組成物、及び、ガラスペーストを作製した。
(比較例6)
n−ブチルアルデヒドの添加量、反応温度、反応時間を調整し、実施例8と同様に反応−中和−乾燥を行い、ポリビニルアセタール樹脂を得た。用いたポリビニルアルコールの水酸基価はいずれも98mol%であり、重合度は表6のとおりであった。また、得られたポリビニルアセタール樹脂の水酸基価は表6のとおりであった。バインダー樹脂としてエチルセルロースSTD100(シグマアルドリッチ社製)と得られたポリビニルアセタール樹脂とを用い、表6の組成比になるように各成分を調整し、実施例8と同様にしてバインダー樹脂組成物、及び、ガラスペーストを作製した。
<評価>
実施例11〜12及び比較例6で得られたバインダー樹脂組成物、並びに、ガラスペーストについて以下の評価を行った。結果を表6〜表7に示した。
(3)耐シートアタック性
実施例11〜12、及び、比較例6で作成したガラスペーストを10ミルに設定したアプリケーターを用いてガラス基板(2cm×5cm)上に塗工した。120℃オーブンで30分養生してペーストに含まれる溶剤を蒸発させ、誘電体前駆層を形成した。厚みは10ミクロンで緻密でガラスペーストの塗工表面は平滑であった。
比較例6と同じ方法で作製した、界面活性剤及びガラス粉末を含まないバインダー樹脂組成物を5ミルに設定したアプリケーターを用いて誘電体前駆層上に塗工した。120℃オーブンで30分養生して溶剤成分を蒸発させ誘電体前駆層の状態を顕微鏡観察した。誘電体前駆層に穴が見られた場合を×、変化がなかった場合を○とした。
(4)リブ表面性、サンドブラスト性
実施例11〜12、及び、比較例6で作製したガラスペーストを10ミルに設定したアプリケーターを用いてガラス基板(2cm×5cm)上に塗工した。120℃オーブンで30分養生してガラスペーストに含まれる溶剤を蒸発させ、誘電体前駆層を形成した。厚みは10ミクロンで緻密でガラスペーストの塗工表面は平滑であった。
比較例6と同じ方法で作製した、ガラスペーストを誘電体前駆層上に塗工後、ナイフコーターで400ミクロンの厚みに成形し、120℃オーブンで1時間乾燥させ厚み180ミクロンのガラスリブ前駆体を成形した。
ガラスリブ前駆体上にサンドブラスト用ドライフィルムレジスト(東京応化工業社製、BF603)を50℃でラミネート後、露光マスクをセットし、300mJ/cmで露光した。0.2%炭酸ナトリウム水溶液で現像し、幅100ミクロン幅のライン&スペースのパターンを形成した。
ガラスリブ前駆体上へのドライフィルムレジストの密着が良好な場合をリブ表面性○とし、細かな気泡が抜けなかった場合をリブ表面性×とした。
パターンを形成した面に不二製作所社製サンドブラスト機(ニューマブラスターSCM−1ADE−NE−401)を用い、研磨剤(不二製作所製S4#1000)を噴出圧力0.15MPaで吹き付け、サンドブラスト処理を行った。
切削が速やかに進み、リブ形状にも問題がなかった場合を◎、誘電体前駆層まで切削が進んだ場合を○、切削が終了する前にドライフィルムレジストが剥がれた場合を△、底まで切削が進まなかった場合を×とした。
Figure 0005074761
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誘電体前駆層に得られたガラスペーストを用いた結果、実施例11〜12ではいずれの評価も良好な結果を示し、誘電体前駆層とガラスリブ前駆体間で樹脂成分の移行が無いため、サンドブラスト性は、問題が発生しなかった。
比較例6については溶剤にテルピネオールを用いたため、耐シートアタック性の評価において誘電体前駆層に亀裂が見られ、サンドブラスト性の評価においてもガラスリブ前駆体下部まで切削を進めることができない領域が生じた。
(実施例13)
(メタクリル樹脂合成)
攪拌機、冷却器、温度計、湯浴、及び、窒素ガス導入口を備えた2Lセパラブルフラスコに、メチルメタクリレート(MMA)100重量部、連鎖移動剤としてメルカプトプロパンジオール、溶剤として炭酸プロピレン50重量部を混合し、モノマー混合液を得た。
得られたモノマー混合液を、窒素ガスを用いて20分間バブリングすることにより溶存酸素を除去した後、セパラブルフラスコ系内を窒素ガスで置換し攪拌しながら湯浴が沸騰するまで昇温した。重合開始剤を酢酸エチルで希釈した溶液を加えた。また重合中に重合開始剤を含む酢酸エチル溶液を数回添加した。
重合開始から7時間後、室温まで冷却し重合を終了させた。これにより、メタクリル樹脂の炭酸プロピレン溶液を得た。得られた重合体について、カラムとしてSHOKO社製カラムLF−804を用い、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによる分析を行ったところ、ポリスチレン換算による重量平均分子量は表8のとおりであった。
このようにして得られたメタクリル樹脂の炭酸プロピレン溶液に対し、表8に記載した組成比になるように炭酸プロピレンを更に添加し、高速分散機で分散させてバインダー樹脂組成物を作製した。
バインダー樹脂組成物に対して、ノニオン系界面活性剤としてBL−2(日光ケミカル社製)、ガラス粉末として低融点ガラス微粒子ABX−169F(東カンマテリアルテクノロジー社製)を表8に記載した組成比になるよう添加し、高速撹拌装置を用いて充分混練し、3本ロールミルにてなめらかな状態に達するまで処理を行い、ガラスペーストを作製した。
(実施例14)
連鎖移動剤をメルカプトコハク酸に変更し、添加量を調整した以外は、実施例13と同様にして重合を行い、メタクリル樹脂の炭酸プロピレン溶液を得た。重量平均分子量は、表8のとおりであった。表8の組成比になるように各成分を調整し、実施例13と同様にしてバインダー樹脂組成物、及び、ガラスペーストを作製した。
(比較例7)
溶剤にテルピネオールを用い、連鎖移動剤をドデシルメルカプタンに変更し、添加量を調整したこと以外は、実施例13と同様に重合を行い、メタクリル樹脂のテルピネオール溶液を得た。重量平均分子量は、表8のとおりであった。表8の組成比になるように各成分を調整し、実施例13と同様にしてバインダー樹脂組成物、及び、ガラスペーストを作製した。
<評価>
実施例13〜14及び比較例7で得られたバインダー樹脂組成物、及び、ガラスペーストについて実施例1〜7、比較例1〜3と同様の評価を行った。結果を表8〜表9に示した。
Figure 0005074761
Figure 0005074761
ポリビニルアセタール樹脂を添加した結果、いずれの評価も良好な結果を示した。また、メタクリル樹脂のポリマー末端を極性基で修飾したため、バインダー樹脂量を低減しても、基板及びドライフィルムレジストへの密着性は良好であった。特にサンドブラスト時には、切削時間の大幅な短縮が確認できた。
比較例7については、溶剤にテルピネオールを用い樹脂分子量を高め、バインダー樹脂量を低減したが耐シートアタック性の評価において誘電体前駆層に亀裂が見られ、基板及びドライフィルムレジストの剥がれが見られ、サンドブラスト性評価においてリブ形状崩れが見られた。
(実施例15)
実施例8にて作製したガラスペーストをガラス基板(2cm×5cm)上に10ミルに設定したアプリケーターを用いてガラス基板上に塗工した。120℃オーブンで30分養生してペーストに含まれる溶剤を蒸発させ、メタクリル樹脂及びポリビニルアセタール樹脂含有誘電体前駆層を形成した。厚みは10ミクロンで緻密でガラスペーストの塗工表面は平滑であった。テルピネオールの10重量%エチルセルロース(STD46)溶液を乾燥した誘電体前駆層上に13ミルに設定したアプリケーターを用いて塗工し、オーブンで120℃、30分乾燥させた。
(実施例16)
(メタクリル樹脂合成)
攪拌機、冷却器、温度計、湯浴、及び、窒素ガス導入口を備えた2Lセパラブルフラスコに、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(2−HEMA)100重量部、連鎖移動剤としてメルカプトプロパンジオール、溶剤として1,2−エタンジオール100重量部を混合し、モノマー混合液を得た。
得られたモノマー混合液を、窒素ガスを用いて20分間バブリングすることにより溶存酸素を除去した後、セパラブルフラスコ系内を窒素ガスで置換し攪拌しながら湯浴が沸騰するまで昇温した。重合開始剤を酢酸エチルで希釈した溶液を加えた。また重合中に重合開始剤を含む酢酸エチル溶液を数回添加した。
重合開始から7時間後、室温まで冷却し重合を終了させた。これにより、メタクリル樹脂の1,2−エタンジオール溶液を得た。得られた重合体について、カラムとしてSHOKO社製カラムLF−804を用い、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによる分析を行ったところ、ポリスチレン換算による重量平均分子量は表10のとおりであった。
このようにして得られたメタクリル樹脂の1,2−エタンジオール溶液に対し、表10に記載した組成比になるように1,2−エタンジオールを更に添加し、高速分散機で分散させてバインダー樹脂組成物を作製した。
得られたバインダー樹脂組成物に対して、ノニオン系界面活性剤としてBL−9EX(日光ケミカル社製)、ガラス粉末として低融点ガラス微粒子ABX−169F(東カンマテリアルテクノロジー社製)を表10に記載した組成比になるよう添加し、高速撹拌装置を用いて充分混練し、3本ロールミルにてなめらかな状態に達するまで処理を行い、ガラスペーストを作製した。得られたガラスペーストを実施例15と同様に誘電体前駆層になるよう塗工、乾燥し、エチルセルロース溶液を塗布、乾燥させた。
(比較例8)
テルピネオールのエチルセルロース(STD46)10重量%溶液を作製し、表10に記載した組成比になるよう各成分を調整し、実施例1と同様にしてバインダー樹脂組成物、及び、ガラスペーストを作製した。
このガラスペーストを用いて実施例15と同様に誘電体前駆層を形成し、エチルセルロース溶液を塗布した。
<評価>
実施例15〜16及び比較例8で得られた誘電体前駆層が塗工されたガラス基板の誘電体前駆層の状態を顕微鏡を用いて背面から光を透過させて、亀裂やボイドの有無を観察した。また、誘電体前駆層とエチルセルロース樹脂層の積層断面があらわれるように、ガラス基板を切断して、誘電体前駆層とエチルセルロース樹脂層間の断面を顕微鏡にて観察した。
結果を表10〜表11に示した。
Figure 0005074761
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実施例15〜16で得られた誘電体前駆層付きガラス基板は、エチルセルロース樹脂層とガラス粉末層は緻密で、ボイドや亀裂は見られなかった。また断面観察では誘電体前駆層とエチルセルロース樹脂層の境界線が明確で境界面が消失している箇所は観察されなかった。また、誘電体前駆層とエチルセルロース樹脂層との断面には、剥がれ等は見られず、密着力も良好であった。
誘電体前駆層にエチルセルロース樹脂を用いた比較例8は、背面から光をあてた観察では、誘電体前駆層に亀裂が発生しており、切断面観察では誘電体前駆層とエチルセルロース樹脂層の境界線は不明確で、エチルセルロース樹脂が誘電体前駆層を膨潤させていることが観察された。
本発明によれば、効率よくプラズマディスプレイパネルを製造することができるガラスペースト、及び、該ガラスペーストを用いてなるプラズマディスプレイパネルの製造方法を提供することができる。

Claims (5)

  1. 少なくとも、単独重合体のガラス転移温度(Tg)が20℃以上のモノマーからなる(メタ)アクリル樹脂と、ガラス粉末と、比重が0.95以上1.35未満、かつ、沸点が140℃以上300℃未満の溶剤と、ポリビニルアセタール樹脂を含有し、前記溶剤は炭酸プロピレンであることを特徴とするラスペースト。
  2. (メタ)アクリル樹脂は、ポリスチレン換算による重量平均分子量が5000〜20万であることを特徴とする請求項1記載のガラスペースト。
  3. ポリビニルアセタール樹脂は、水酸基価が40mol%以上、かつ、ポリスチレン換算による重量平均分子量が5000〜10万であることを特徴とする請求項記載のガラスペースト。
  4. 背面ガラス基板にセルロース樹脂をバインダー主成分とする誘電体層用ペーストを塗工し、乾燥させることにより誘電体前駆層を形成させる誘電体前駆層形成工程と、脱脂工程を行わずに前記誘電体前駆層の表面に請求項1、2又は3記載のガラスペーストを塗工し、乾燥させることによりガラスリブ前駆体を形成させるガラスリブ前駆体形成工程と、サンドブラストにより前記ガラスリブ前駆体に凹型形状を形成させる凹型形状形成工程と、前記誘電体前駆層及び前記ガラスリブ前駆体を加熱して脱脂・焼成する脱脂・焼成工程とを有することを特徴とするプラズマディスプレイパネルの製造方法。
  5. 背面ガラス基板に請求項1、2又は3記載のガラスペーストを塗工し、乾燥させることにより誘電体前駆層を形成させる誘電体前駆層形成工程と、脱脂工程を行わずに前記誘電体前駆層の表面にセルロース樹脂をバインダー主成分とするガラスリブ用ペーストを塗工し、乾燥させることによりガラスリブ前駆体を形成させるガラスリブ前駆体形成工程と、サンドブラストにより前記ガラスリブ前駆体に凹型形状を形成させる凹型形状形成工程と、前記誘電体前駆層及び前記ガラスリブ前駆体を加熱して脱脂・焼成する脱脂・焼成工程とを有することを特徴とするプラズマディスプレイパネルの製造方法。
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