JP5108437B2 - 非鉛系ガラス微粒子分散ペースト組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、非鉛系ガラス封着材に使用した場合に、好適に塗布することができ、焼結後の残留炭素が少なく、かつ、低温雰囲気下であっても脱脂処理が可能な非鉛系ガラス微粒子分散ペースト組成物に関する。
近年、導電性粉末、セラミック粉末、ガラス粉末等の無機微粒子をバインダー樹脂に分散させた無機微粒子分散ペースト組成物が、様々な形状の焼成体を得るために用いられている。例えば、セラミック粉末やガラス粉末を分散させたセラミックペーストやガラスペーストは、プラズマディスプレイパネル(以下、PDPともいう)の誘電体層や積層セラミックコンデンサの製造等に用いられている。
特に、半導体、PDP、蛍光表示管等の電子部品の封着剤としては、電子部品の損傷を防止するため、可能な限り低温で封着可能であることが要求されることから、鉛を含有する低融点ガラス粉末を用いたガラスペーストが広く用いられてきた。
しかしながら、近年、環境問題への懸念や作業者の安全面から、鉛を含まない低融点ガラス粉末を用いたガラスペーストが強く求められており、これに対して、ビスマス系等の非鉛系ガラス粉末を用いたガラスペーストについて検討がなされている。
現在、非鉛系ガラス封着材に使用されるバインダー樹脂としては、エチルセルロースが多く用いられている。実際には、エチルセルロースからなるバインダー樹脂を有機溶剤に溶かしたビヒクルと、非鉛系ガラス粉末とを混合したペーストを、ディスペンサを用いて塗布した後、脱脂し、その後焼成することで封着を行っている。
しかしながら、非鉛系ガラスは低融点であるため、脱脂温度とガラスの溶融温度とが近くなり、単調に温度を高めて焼成するプロセスでは、ガラスに樹脂残渣が残る現象が発生する。その結果、ガラス焼結体表面に気泡が生じたり、接着強度が低下したりする問題があった。
これに対して、バインダー樹脂の脱脂温度を低下させることが検討されているが、エチルセルロースは熱分解性が悪いため、そのような低温では脱脂ができなかった。
そこで、低温で脱脂可能なバインダーとして、ニトロセルロースを用いることが検討されているが、非鉛系ガラスフリットと同時に使用する場合、金属不純物が混入すると不具合が発生するという問題があった。
従って、300℃で1時間保持した場合に99.5重量%以上が分解されるような低温分解性を有し、非鉛系ガラス封着材のバインダーとして好適に使用できる樹脂が求められていた。
特開平11−71132号公報
本発明は、非鉛系ガラス封着材に使用した場合に、好適に塗布することができ、焼結後の残留炭素が少なく、かつ、低温雰囲気下であっても脱脂処理が可能な非鉛系ガラス微粒子分散ペースト組成物を提供することを目的とする。
本発明は、非鉛系ガラス封着材に使用する非鉛系ガラス微粒子分散ペースト組成物であって、イソブチルメタクリレートに由来するセグメントを40〜95重量%、ポリオキシアルキレンエーテルモノメタクリレートに由来するセグメントを5〜40重量%含有するバインダー樹脂と、有機溶剤と、軟化点が280〜400℃のビスマス系ガラス微粒子又はリン酸系ガラス微粒子からなる非鉛系ガラス微粒子とを含有する非鉛系ガラス微粒子分散ペースト組成物である。
以下に本発明を詳述する。
本発明者らは鋭意検討した結果、イソブチルメタクリレート及びポリオキシアルキレンエーテルモノメタクリレートを共重合体とし、これらの比率を所定の範囲内とした場合、驚くべきことに、悪化が予測されていた熱分解性に顕著な改善が見られ、特に300℃で加熱保持した場合における分解時間が大幅に短縮されることを見出した。加えて、このような構成のバインダー樹脂を用いた場合、燃焼時における煤の発生が抑制され、焼結後の残留炭素を低減させることが可能となることを見出した。
更に、鋭意検討した結果、このような構成のバインダー樹脂を非鉛系ガラス封着材用のペースト組成物に用いた場合、ペースト組成物が充分な粘度を有し、ディスペンサ等を用いて塗布する場合に過剰に拡がることなく、好適に塗布することができることを見出し、本発明を完成させるに至った。
本発明の非鉛系ガラス微粒子分散ペースト組成物は、非鉛系ガラス封着材に使用されるものである。本発明の非鉛系ガラス微粒子分散ペースト組成物は、焼結後の残留炭素が少なく、かつ、低温雰囲気下であっても脱脂処理が可能であることから、非鉛系ガラス封着材に用いた場合、焼成工程後にガラス焼結体表面に気泡が生じたり、接着強度が低下したりすることがない。また、充分な粘度を有することから、ディスペンサ等を用いて塗布する場合に過剰に拡がることなく、好適に塗布することができる。
本発明の非鉛系ガラス微粒子分散ペースト組成物は、イソブチルメタクリレートに由来するセグメント、及び、ポリオキシアルキレンエーテルモノメタクリレートに由来するセグメントを有するバインダー樹脂を含有する。上記2種類のセグメントを有し、かつ、各セグメントの含有量を所定量とすることで、無機微粒子分散ペースト組成物のバインダー樹脂として用いた場合に、低温での脱脂を実現しつつ、焼結後の残留炭素の低減を図ることが可能となる。
なお、本明細書において、低温脱脂とは、窒素置換等を行わない通常の空気雰囲気下において、300℃で1時間保持した際にバインダー樹脂の初期重量の99.5重量%以上が分解されることを意味する。
上記バインダー樹脂は、ポリオキシアルキレンエーテルモノメタクリレートに由来するセグメントを有する。上記ポリオキシアルキレンエーテルモノメタクリレートに由来するセグメントを有することで、上記バインダー樹脂は、脱脂工程において、200℃程度の温度で分解するため、バインダー樹脂の体積を大幅に減少させることができる。
上記ポリオキシアルキレンエーテルモノメタクリレートとしては特に限定されず、例えば、ポリメチレングリコール、ポリアセタール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリトリメチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリブチレングリコールのモノメタクリレート等が挙げられ、なかでも、ポリエチレングリコールモノメタクリレート、ポリプロピレングリコールモノメタクリレート、ポリテトラメチレングリコールモノメタクリレートが好ましい。また、繰り返し単位がPPOである場合、繰り返し単位がPEOである場合と比較して分解性が良好となり、低温で分解可能となることから、ポリプロピレングリコールモノメタクリレートを用いることがより好ましい。更に、複数のポリアルキレンエーテルが共重合されたものを用いてもよい。
上記バインダー樹脂中のポリオキシアルキレンエーテルモノメタクリレートに由来するセグメントの含有量の下限が5重量%、上限が40重量%である。5重量%未満であると、熱分解温度が高くなる。また、ポリオキシアルキレンエーテルモノメタクリレートに由来するセグメントの分解は燃焼に起因するため、40重量%を超えると、焼結後の残留炭素が多くなる。好ましい下限は5重量%、好ましい上限は20重量%である。
上記バインダー樹脂は、イソブチルメタクリレートに由来するセグメントを有する。
上記イソブチルメタクリレートに由来するセグメントを有することで、メチルメタクリレートに由来するセグメントが本来有する低温分解特性を充分に発揮することができる。
また、一般にアクリル側鎖の炭素数が多くなると、樹脂の熱分解温度は高くなるが、メチルメタクリレートに由来するセグメントとイソブチルメタクリレートに由来するセグメントとを組み合わせることで、アクリル側鎖の炭素数が少なくなり、熱分解温度を低下させることができる。
上記バインダー樹脂中のイソブチルメタクリレートに由来するセグメントの含有量の下限は40重量%、上限は95重量%である。40重量%未満であると、焼結後の残留炭素が多くなり、95重量%を超えると、熱分解温度が高くなる。好ましい下限は45重量%、好ましい上限は80重量%である。
上記バインダー樹脂は、更に、メチルメタクリレートに由来するセグメントを有することが好ましい。
上記メチルメタクリレートは本来低温で分解する樹脂であるが、その高次構造が分解温度を高める働きをもたらすため、イソブチルメタクリレートと共重合させることでメチルメタクリレートの高次構造が解消され、低温分解特性を充分に発揮することができ、より低温での脱脂を実現することが可能となる。
なお、メチルメタクリレートに由来するセグメント及びイソブチルメタクリレートに由来するセグメントは、解重合で熱分解され、分解揮発物はそれぞれのモノマーとなる。
また、メチルメタクリレートには、ポリオキシアルキレンエーテルモノメタクリレートと共重合を行う際に発生する分解ガスの分子量を小さくする働きがあり、脱脂後の無機粒子表面への分解物の吸着を抑える働きを有すると考えられる。
上記メチルメタクリレートに由来するセグメントを、イソブチルメタクリレート及びポリオキシアルキレンエーテルモノメタクリレートに由来するセグメントと組み合わせることに加えて、各セグメントの含有量を所定量とすることで、メチルメタクリレートに由来するセグメントが本来有する低温分解特性を充分に発揮することができ、より低温での脱脂を実現することが可能となる。
上記バインダー樹脂中のメチルメタクリレートに由来するセグメントの含有量は好ましい下限が15重量%、好ましい上限が45重量%である。15重量%未満であると、焼結後の残留炭素が多くなることがあり、45重量%を超えると、熱分解温度が高くなることがある。
上記バインダー樹脂は、上記イソブチルメタクリレートに由来するセグメント、ポリオキシアルキレンエーテルモノメタクリレートに由来するセグメント、及び、メチルメタクリレートに由来するセグメントに加えて、所望の機能性を付加するため、本発明の効果を損なわない範囲で、極性基を有するモノマーに由来するセグメントを有していてもよい。
上記極性基を有するモノマーとしては、例えば、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、メタクリル酸、グリシジルメタクリレート、グリセロールモノメタクリレート等が挙げられる。
上記極性基を有するモノマーに由来するセグメントを有する場合、上記極性基を有するモノマーに由来するセグメントの含有量は5重量%未満であることが好ましい。5重量%以上であると、低温での熱分解性が損なわれたり、無機微粒子に付着する煤が多くなり、焼結体の残留炭素が多くなったりすることがある。
上記バインダー樹脂は、分子末端のみに水素結合性官能基を少なくとも1個以上有することが好ましい。上記水素結合性官能基が分子末端のみに存在することで、低温熱分解性等の本発明の効果を損なうことなく、無機微粒子分散ペースト組成物とした場合に、多量に配合しなくても適度な粘度を確保することができる。
上記水素結合性官能基としては特に限定されず、例えば、水酸基、カルボキシル基、アミノ基等が挙げられる。なかでも、熱分解時の影響が少ない等の理由から、水酸基、カルボキシル基が好適である。また、上記水素結合性官能基は少なくとも1個有すればよいが、多いほど相分離構造は安定化し、無機微粒子分散ペースト組成物の無機微粒子の分散性が向上する。
上記バインダー樹脂は、ポリスチレン換算による重量平均分子量の好ましい下限が2万、好ましい上限が20万である。重量平均分子量が上記範囲であると、上記バインダー樹脂の添加量を減らすことができ、かつ、充分な粘度を得ることができるので、ディスペンサを用いて塗布した際のペーストの拡がりを防止することができる。2万未満であると、無機微粒子分散ペースト組成物とした場合に充分な粘度が得られないことがあり、20万以上であると、粘度が大きくなりすぎ、ディスペンサを用いた塗布ができなくなることがある。より好ましい下限は5万、更に好ましい下限は8万である。
なお、ポリスチレン換算による重量平均分子量の測定は、カラムとして例えばSHOKO社製カラムLF−804を用いてGPC測定を行うことで得ることができる。
本発明の非鉛系ガラス微粒子分散ペースト組成物におけるバインダー樹脂の含有量としては特に限定されないが、好ましい下限が0.01重量%、好ましい上限が10重量%である。0.5重量%未満であると、粘度が低くなるため塗布する際に扱い難くなり、10重量%を超えると、粘度が高くなるため、ペーストを作製しにくくなる。より好ましい下限は0.05重量%、より好ましい上限は5重量%である。
上記バインダー樹脂の製造する方法としては特に限定されず、例えば、メチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート及びポリオキシアルキレンエーテルモノメタクリレートを原料モノマーとし、連鎖移動剤及び有機溶剤等を含有するモノマー混合液を調製した後、該モノマー混合液に重合開始剤を添加し、上記原料モノマーを共重合させる方法が挙げられる。
本発明の非鉛系ガラス微粒子分散ペースト組成物は、有機溶剤を含有する。
上記有機溶剤としては特に限定されず、例えば、エチレングリコールエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソブチルエーテル、トリメチルペンタンジオールモノイソブチレート、ブチルカルビトール、ブチルカルビトールアセテート、テルピネオール、テルピネオールアセテート、ジヒドロテルピネオール、ジヒドロテルピネオールアセテートテキサノール、イソホロン、乳酸ブチル、ジオクチルフタレート、ジオクチルアジペート、ベンジルアルコール、フェニルプロピレングリコール、クレゾール等が挙げられる。
なかでも、テルピネオールアセテート、ジヒドロテルピネオール、ジヒドロテルピネオールアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソブチルエーテル、ブチルカルビトール、ブチルカルビトールアセテート、テキサノールが好ましく、テルピネオール、テルピネオールアセテート、ジヒドロテルピネオール、ジヒドロテルピネオールアセテートがより好ましい。なお、これらの有機溶剤は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記有機溶剤は、沸点が100℃以上であることが好ましい。100℃未満であると、印刷プロセス中に溶剤が揮発してしまい、ペーストの粘度が高まり、塗布できなくなることがある。
また、上記有機溶剤は、20℃での蒸気圧が0.001mmHg以上であることが好ましい。0.001mmHg未満であると、バインダー樹脂を分解させる際に、有機溶剤が残ってしまうことがある。
本発明の無機微粒子分散ペースト組成物における上記有機溶剤の含有量としては特に限定されないが、好ましい下限は5重量%、好ましい上限は60重量%である。上記有機溶剤の含有量が、この範囲を外れると、無機微粒子を分散させることが困難となったりすることがある。
本発明の非鉛系ガラス微粒子分散ペースト組成物は、非鉛系ガラス微粒子を含有する。
上記非鉛系ガラス微粒子としては、鉛を含まないガラス微粒子であれば特に限定されず、例えば、ビスマス、酸化ビスマス等を含有するビスマス系ガラス微粒子や、リン酸等を含有するリン酸系ガラス微粒子等が挙げられる。
上記非鉛系ガラス微粒子は、融点の好ましい上限が400℃、好ましい下限が280℃である。280℃未満であると、バインダー樹脂の持つ低温分解特性を充分に発揮できないことがある。
本発明の非鉛系ガラス微粒子分散ペースト組成物における上記非鉛系ガラス微粒子の含有量としては特に限定されないが、好ましい下限が10重量%、好ましい上限が90重量%である。上記非鉛系ガラス微粒子の含有量が10重量%未満であると、非鉛系ガラス微粒子分散ペースト組成物の粘度が充分に得られないことがある。上記非鉛系ガラス微粒子の含有量が90重量%を超えると、上記非鉛系ガラス微粒子分散ペースト組成物に非鉛系ガラス微粒子を分散させることが困難になることがある。
本発明の非鉛系ガラス微粒子分散ペースト組成物は、イソブチルメタクリレート及びポリオキシアルキレンエーテルモノメタクリレートに由来するセグメントを有し、かつ、これらのセグメントの含有量を所定の範囲内であるバインダー樹脂を含有することで、熱分解性を大幅に向上させることができることから、300℃未満のような低温プロセスでの脱脂が可能となり、かつ、燃焼時における煤の発生を防止して、焼結後の残留炭素を低減させることが可能となる。また、非鉛系ガラス封着材用のペースト組成物に用いた場合、ペースト組成物が充分な粘度を有し、ディスペンサ等を用いて塗布する場合に過剰に拡がることなく、好適に塗布することができる。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
(実施例1)
(バインダー樹脂の作製)
攪拌機、冷却器、温度計、湯浴及び窒素ガス導入口を備えた2Lセパラプルフラスコに、モノマーとしてイソブチルメタクリレート(IBMA)60重量部、ポリプロピレングリコールモノメタクリレート(日本油脂社製、ブレンマーPP1000)40重量部、連鎖移動剤としてメルカプトプロパンジオール0.05重量部、及び、有機溶剤としてテルピネオール100重量部とを混合し、モノマー混合液を得た。
得られたモノマー混合液を、窒素ガスを用いて20分間バブリングすることにより溶存酸素を除去した後、セパラブルフラスコ系内を窒素ガスで置換し攪拌しながら湯浴が沸騰するまで昇温した。重合開始剤を酢酸エチルで希釈した溶液を加え、重合を開始させた。また、重合中に重合開始剤を含む酢酸エチル溶液を数回添加した。
重合開始から7時間経過後、室温まで冷却して重合を終了させ、バインダー樹脂を得た。
(ビヒクル組成物の作製)
このようにして得られたバインダー樹脂5重量部に対して、テルピネオール95重量部を添加し、高速分散機で分散させてビヒクル組成物を作製した。
(非鉛系ガラス微粒子分散ペースト組成物の作製)
得られたビヒクル組成物10重量部に対して、非鉛系ガラス微粒子として軟化点350℃の酸化ビスマス含有非鉛低融点ガラスフリット90重量部を添加し、高速撹拌装置を用いて充分混練することにより、非鉛系ガラス微粒子分散ペースト組成物を作製した。
(実施例2)
実施例1の(バインダー樹脂の作製)において、モノマーとしてイソブチルメタクリレート(IBMA)95重量部、ポリプロピレングリコールモノメタクリレート(日本油脂社製、ブレンマーPP1000)5重量部、連鎖移動剤としてメルカプトコハク酸0.1重量部、及び、有機溶剤としてテルピネオール100重量部とを混合し、モノマー混合液を得た以外は実施例1と同様にしてバインダー樹脂、ビヒクル組成物及び非鉛系ガラス微粒子分散ペースト組成物を得た。
(実施例3)
実施例1の(バインダー樹脂の作製)において、モノマーとしてメチルメタクリレート(MMA)15重量部、イソブチルメタクリレート(IBMA)80重量部、ポリプロピレングリコールモノメタクリレート(日本油脂社製、ブレンマーPP1000)5重量部、連鎖移動剤としてメルカプトプロパンジオール0.05重量部、及び、有機溶剤としてテルピネオール100重量部とを混合し、モノマー混液を得た以外は実施例1と同様にしてバインダー樹脂、ビヒクル組成物及び非鉛系ガラス微粒子分散ペースト組成物を得た。
(実施例4)
実施例1の(バインダー樹脂の作製)において、モノマーとしてメチルメタクリレート(MMA)45重量部、イソブチルメタクリレート(IBMA)50重量部、ポリプロピレングリコールモノメタクリレート(日本油脂社製、ブレンマーPP1000)5重量部、連鎖移動剤としてメルカプトコハク酸0.1重量部、及び、有機溶剤としてテルピネオール100重量部とを混合し、モノマー混合液を得た以外は実施例1と同様にしてバインダー樹脂、ビヒクル組成物及び非鉛系ガラス微粒子分散ペースト組成物を得た。
(実施例5)
実施例1の(バインダー樹脂の作製)において、モノマーとしてメチルメタクリレート(MMA)15重量部、イソブチルメタクリレート(IBMA)45重量部、ポリプロピレングリコールモノメタクリレート(日本油脂社製、ブレンマーPP1000)40重量部、連鎖移動剤としてメルカプトプロパンジオール0.05重量部、及び、有機溶剤としてテルピネオール100重量部とを混合し、モノマー混液を得た以外は実施例1と同様にしてバインダー樹脂、ビヒクル組成物及び非鉛系ガラス微粒子分散ペースト組成物を得た。
(実施例6)
実施例1の(バインダー樹脂の作製)において、モノマーとしてメチルメタクリレート(MMA)25重量部、イソブチルメタクリレート(IBMA)70重量部、ポリプロピレングリコールモノメタクリレート(日本油脂社製、ブレンマーPP1000)5重量部、連鎖移動剤としてメルカプトコハク酸0.1重量部、及び、有機溶剤としてテルピネオール100重量部とを混合し、モノマー混合液を得た以外は実施例1と同様にしてバインダー樹脂、ビヒクル組成物及び非鉛系ガラス微粒子分散ペースト組成物を得た。
(比較例1)
エチルセルロース10重量部をテルピネオール90重量部に溶かし、これをビヒクル組成物とした以外は実施例1と同様にして非鉛系ガラス微粒子分散ペースト組成物を得た。
(比較例2)
エチルセルロース1重量部をテルピネオール99重量部に溶かし、これをビヒクル組成物とした以外は実施例1と同様にして非鉛低融点ガラスペーストを得た。
(比較例3)
実施例1の(バインダー樹脂の作製)において、モノマーとしてポリプロピレングリコールモノメタクリレート(日本油脂社製、ブレンマーPP1000)100重量部、連鎖移動剤としてメルカプトプロパンジオール1.5重量部、及び、有機溶剤としてテルピネオール100重量部とを混合し、モノマー混合液を得た以外は実施例1と同様にしてバインダー樹脂、ビヒクル組成物及び非鉛系ガラス微粒子分散ペースト組成物を得た。
(比較例4)
実施例1の(バインダー樹脂の作製)において、モノマーとしてイソブチルメタクリレート(IBMA)100重量部、連鎖移動剤としてメルカプトコハク酸2重量部、及び、有機溶剤としてテルピネオール100重量部とを混合し、モノマー混合液を得た以外は実施例1と同様にしてバインダー樹脂、ビヒクル組成物及び非鉛系ガラス微粒子分散ペースト組成物を得た。
(比較例5)
実施例1の(バインダー樹脂の作製)において、モノマーとしてイソブチルメタクリレート(IBMA)50重量部、ポリプロピレングリコールモノメタクリレート(日本油脂社製、ブレンマーPP1000)50重量部、連鎖移動剤としてメルカプトプロパンジオール1.5重量部、及び、有機溶剤としてテルピネオール100重量部とを混合し、モノマー混合液を得た以外は実施例1と同様にしてバインダー樹脂、ビヒクル組成物及び非鉛系ガラス微粒子分散ペースト組成物を得た。
(比較例6)
実施例1の(バインダー樹脂の作製)において、モノマーとしてメチルメタクリレート(MMA)20重量部、イソブチルメタクリレート(IBMA)80重量部、連鎖移動剤としてメルカプトコハク酸2重量部、及び、有機溶剤としてテルピネオール100重量部とを混合し、モノマー混合液を得た以外は実施例1と同様にしてバインダー樹脂、ビヒクル組成物及び非鉛系ガラス微粒子分散ペースト組成物を得た。
(比較例7)
実施例1の(バインダー樹脂の作製)において、モノマーとしてメチルメタクリレート(MMA)10重量部、イソブチルメタクリレート(IBMA)40重量部、ポリプロピレングリコールモノメタクリレート(日本油脂社製、ブレンマーPP1000)50重量部、連鎖移動剤としてメルカプトプロパンジオール1.5重量部、及び、有機溶剤としてテルピネオール100重量部とを混合し、モノマー混合液を得た以外は実施例1と同様にしてバインダー樹脂、ビヒクル組成物及び非鉛系ガラス微粒子分散ペースト組成物を得た。
(評価)
実施例及び比較例で得られたバインダー樹脂及び非鉛系ガラス微粒子分散ペースト組成物について、以下の方法で評価を行った。結果を表1に示す。
(1)平均分子量測定
得られたバインダー樹脂について、カラムとしてSHOKO社製カラムLF−804を用い、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによる分析を行うことにより、ポリスチレン換算による重量平均分子量を測定した。
(2)分解温度(TG・DTA評価)
得られたバインダー樹脂を熱分解装置(TAインスツルメンツ社製、simultaneousSDT2960)を用いて空気雰囲気下にて昇温温度10℃/minで300℃まで加熱し、その状態を60分保持した場合の樹脂の分解性を評価した。60分以内に樹脂が全て分解した場合を「○」、95%以上分解した場合を「△」、熱分解が95%未満である場合を「×」として評価した。なお、60分以内に樹脂が全て分解した場合には、分解が終了した時間を示した。
(3)焼結性
得られた非鉛系ガラス微粒子分散ペースト組成物を、アプリケータを用いてガラス基板上に1.2mmの厚さで塗工し、150℃オーブン中で60分養生し、テルピネオールを蒸発させ、ガラス粒子層を得た。得られたガラス粒子層を、300℃のオーブンで90分加熱してバインダー樹脂を脱脂した。得られた粒子層を目視にて確認し、着色の有無を評価した。その後、更に480℃のオーブンで加熱し、完全にガラスフリットを溶解させ、得られたガラス板の光沢の有無を目視にて確認し、以下の基準で評価した。ガラス特有の光沢を有する場合を「○」、光沢を有しない場合を「×」とした。
(4)封着性能
得られた非鉛系ガラス微粒子分散ペースト組成物を、ディスペンサを用いてガラス基板上に塗布し乾燥させ、300℃で脱脂を行った後、2枚のガラス基板を貼り合わせた。その後、480℃にてガラスを完全に溶解させ、封着を行った。目視にて確認し、気泡、偏りなく封着できたものを○、気泡や偏りが生じたものを△、ディスペンサに詰まり等が生じ、塗布できなかったものを×とした。
Figure 0005108437
本発明によれば、非鉛系ガラス封着材に使用した場合に、好適に塗布することができ、焼結後の残留炭素が少なく、かつ、低温雰囲気下であっても脱脂処理が可能な非鉛系ガラス微粒子分散ペースト組成物を提供できる。

Claims (2)

  1. 非鉛系ガラス封着材に使用する非鉛系ガラス微粒子分散ペースト組成物であって、
    イソブチルメタクリレートに由来するセグメントを40〜95重量%、ポリオキシアルキレンエーテルモノメタクリレートに由来するセグメントを5〜40重量%含有するバインダー樹脂と、有機溶剤と、軟化点が280〜400℃のビスマス系ガラス微粒子又はリン酸系ガラス微粒子からなる非鉛系ガラス微粒子とを含有する
    ことを特徴とする非鉛系ガラス微粒子分散ペースト組成物。
  2. バインダー樹脂は、更に、メチルメタクリレートに由来するセグメントを有し、メチルメタクリレートに由来するセグメントを15〜45重量%、イソブチルメタクリレートに由来するセグメントを40〜80重量%、ポリオキシアルキレンエーテルモノメタクリレートに由来するセグメントを5〜40重量%含有することを特徴とする請求項1記載の非鉛系ガラス微粒子分散ペースト組成物。
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