JP5073843B1 - 透明導電膜の成膜方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡便なプロセスで透明導電膜を成膜することができ、該透明導電膜は、光透過率およびヘイズ率が高く、かつシート抵抗が低いという優れた性能を示す。
【解決手段】本発明の透明導電膜の成膜方法は、透明基板7を510℃以上に加熱するステップと、該透明基板7に対し、成膜原料溶液1の液滴5を噴霧することにより、透明基板7上に透明導電膜を成膜するステップとを含み、該透明導電膜を成膜するステップは、12nm/sec以上の成膜速度で透明導電膜を成膜することを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、透明導電膜およびその成膜方法に関し、より特定的には、薄膜太陽電池の透明基板上に設ける透明導電膜およびその成膜方法に関する。
近年、エネルギー問題や、環境問題が盛んに取り上げられており、これらの問題の解決策が様々な方面から模索されている。これらの諸問題の対策の1つとして、太陽光を利用してクリーンなエネルギーを供給し得る太陽電池が注目されており、中でも省資源で作製できる薄膜太陽電池が注目を集めている。
薄膜太陽電池は、透明基板上に透明導電膜を形成した上で、その上にさらに光電変換層などを形成することによって作製される。しかし、薄膜太陽電池は、他の電源に比して数倍以上も発電コストが高く、しかも生産コストも高いというデメリットがある。これらのデメリットを解消するために、光電変換効率を高めるとともに、製造方法を簡略化する必要がある。
製造方法を簡略化する方法として、たとえば特許文献1には、スプレー熱分解法を用いて、上記の透明導電膜を簡便に作製する方法が開示されている。特許文献1の方法によれば、ガラス基板上に下地層やバッファ層を形成することなく、透明導電膜を作製することができるため、2段階に分けて成膜する必要がなく成膜方法を簡略化することができる。
ところで、薄膜太陽電池の光電変換効率を高めるためには、上記の透明導電膜のシート抵抗を低くする一方で、光透過率およびヘイズ率を高める必要がある。具体的には、透明導電膜のシート抵抗を10Ω/□以下とし、光透過率を80%以上とし、かつヘイズ率を7〜15%とする必要がある。これらの3特性の調整を図るのは極めて難しく、たとえば透明導電膜の膜厚を厚くすると、シート抵抗を下げることはできるが、光透過率も下がってしまう。
これらの特性を満たす材料として、酸化スズ、酸化亜鉛、酸化インジウムなどを透明導電膜に用いることが検討されている。中でも、酸化スズは、低価格で化学的にも安定性が高い材料であるため、薄膜太陽電池の透明導電膜に多用されている。たとえば特許文献2には、所望の特性が得られるように配合した成膜原料溶液を高温に調整した上で、スプレー熱分解法によってフッ素ドープ酸化スズ(FTO)からなる透明導電膜を作製する方法が開示されている。
特許文献2の成膜方法では、移動噴霧機構によって透明導電膜を成膜するため、結晶配向性に関係なく結晶性が高い透明導電膜を大面積で成膜することができる。ここで、特許文献2は、結晶配向性に関係なく透明導電膜を成膜することを開示しているが、一般的に結晶配向性と透明導電膜の表面形状とは相関関係があり、たとえば非特許文献1には、結晶配向性が揃った結晶粒同士が結合して巨大化すると、その表面凹凸の影響によってヘイズが高くなることが報告されている。
特開平07−330336号公報 国際公開第2008/117605号
K.Murakami et al.Thin Solid Films 515(2007)8632-8636
上記の特許文献2に開示される透明導電膜は、光透過率、ヘイズ率、およびシート抵抗の各特性が十分ではなく、さらなる性能の向上が求められている。その点、非特許文献1では、基板温度を高温にして結晶粒同士を結合させることにより、透明導電膜の結晶性がよくなり、光透過率を高めることができる。しかも、透明導電膜の結晶粒のサイズが大きくなるため、ヘイズ率を高めることもできる。
したがって、特許文献2の成膜方法によって成膜される透明導電膜は、光透過率およびヘイズ率が高いという点では所望の特性を満たしていた。しかし、その反面、特許文献2では、透明導電膜を成膜するときの温度が高温であることに起因して、フッ素が蒸発してしまい、透明導電膜中のキャリア密度が低下し、シート抵抗が増大してしまうという問題があった。
本発明は、上記のような現状に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、ヘイズ率および光透過率が高く、かつシート抵抗が低い透明導電膜を提供すること、および該透明導電膜を簡便に成膜する方法を提供することにある。
本発明の透明導電膜の成膜方法は、透明基板を510℃以上に加熱するステップと、該透明基板に対し、成膜原料溶液の液滴を噴霧することにより、透明基板上に透明導電膜を成膜するステップとを含み、該透明導電膜を成膜するステップは、1nm/sec以上30nm/sec以下の成膜速度で透明導電膜を成膜し、成膜原料溶液は、スズおよびフッ素の化合物を含むことを特徴とする。
本発明は、上記のような構成を有することにより、簡便なプロセスで透明導電膜を成膜することができる。上記の成膜方法で成膜された透明導電膜は、光透過率およびヘイズ率が高く、かつシート抵抗が低いという優れた性能を示す。
本発明の透明導電膜の成膜方法を用いる成膜装置の模式的な断面図である。 各実施例および比較例の透明導電膜の結晶構造解析を行なったときのX線回折プロファイルである。
以下、本発明の透明導電膜の成膜方法について図面を用いて説明する。なお、本発明の図面において、同一の参照符号は、同一部分または相当部分を表わすものである。また、長さ、幅、厚さ、深さなどの寸法関係は図面の明瞭化と簡略化のために適宜に変更されており、実際の寸法関係を表わすものではない。
<透明導電膜の成膜方法>
図1は、本発明の透明導電膜の成膜方法を用いる成膜装置の模式的な断面図である。本発明の透明導電膜の成膜方法は、典型的には図1に示される成膜装置を用いて成膜する。以下においては、図1の成膜装置を参照しつつ、本発明の透明導電膜の成膜方法を説明する。図1における成膜装置は、成膜材料を含む成膜原料溶液1と、成膜原料溶液1を搬送するための送液ポンプ2と、成膜原料溶液1を液滴5に代える液滴発生部6と、表面上に透明導電膜を成膜するための透明基板7と、透明基板7を加熱する加熱部8とを有する。上記液滴発生部6は、ノズルヘッド4にキャリアガス3が導入され、キャリアガスによって液滴5が透明基板7に噴き付けられる。
本発明の透明導電膜の成膜方法は、透明基板7を510℃以上に加熱するステップと、該透明基板7に対し、成膜原料溶液1の液滴5を噴霧することにより、透明基板7上に透明導電膜を成膜するステップとを含み、該透明導電膜を成膜するステップは、12nm/sec以上の成膜速度で透明導電膜を成膜することを特徴とする。このような高速の成膜レートで成膜することにより、光透過率およびヘイズ率が高く、かつシート抵抗が低い透明導電膜を成膜することができる。以下において、上記各ステップを説明する。
<透明基板を加熱するステップ>
本発明の成膜方法は、透明基板7を510℃以上に加熱するステップを含むことを特徴とする。このような温度に透明基板7を加熱することにより、成膜中に透明導電膜の内部にフッ素が取り込まれても、成膜中または成膜後の冷却過程で透明導電膜の結晶性を向上させるため、光透過率を向上させることができる。
上記の透明基板7は、510℃以上に加熱することが好ましく、より好ましくは530℃以上である。透明基板7の温度が510℃未満であると、噴霧された成膜原料溶液によって温度が低下することにより透明導電膜の結晶性が低下するため好ましくない。一方、上記の透明基板7の加熱温度の上限は、700℃より低い温度であることが好ましい。透明基板の加熱温度が700℃を超えると、成膜原料溶液からなる液滴が基板の表面まで到達しにくくなり、成膜レートが低下することになるため好ましくない。このように透明基板7の温度を調整するために、加熱部8の上面に透明基板7を配置する。以下においては、透明基板7および加熱部8を説明する。
(透明基板)
本発明において、透明基板7としては、光電変換層の吸収域において透明な材料であれば、いかなるものをも用いることができ、たとえばガラス基板、樹脂材料基板等を用いることができる。特に光電変換層の吸収領域の波長において透明性を示す材料であることが好ましく、このような材料として無アルカリガラスを用いることが好ましい。
(加熱部)
本発明において、加熱部8は、上記の透明基板を510℃以上に加熱するために設けられるものである。かかる加熱部8は、透明基板7を所定の温度まで加熱することができるものであれば、特に制限はなく用いることができる。このような加熱部8は、ホットプレートにより直接伝導伝熱で加熱する方式、内部が加熱された炉による対流伝熱で加熱する方式、赤外ランプ等を照射する放射伝熱で加熱する方式のうちのいずれの加熱方式をも用いることができる。図1においては、ホットプレートによって透明基板を直接伝導伝熱で加熱方式を示している。
<透明導電膜を成膜するステップ>
上記の透明基板7に対し、成膜原料溶液1の液滴を噴霧することにより、透明基板7上に透明導電膜を成膜する。本ステップでは、12nm/sec以上の成膜速度で透明導電膜を成膜することを特徴とする。このような高速の成膜レートで透明導電膜を成膜することにより、ドーパントが再蒸発することなく透明導電膜内に取り込まれ、もって透明導電膜のシート抵抗を低減させることができる。上記の成膜速度は、12nm/sec以上であることが好ましく、より好ましくは15nm/sec以上である。一方、上記の透明基板7の成膜速度の上限は、30nm/sec以下であることが好ましく、より好ましくは20nm/sec以下である。20nm/secを超える成膜速度で透明導電膜を成膜すると、基板温度が低下すること等により結晶配向性といった膜質が劣化するという問題があるため好ましくない。
ここで、成膜原料溶液1から液滴5を形成する方法としては、成膜原料溶液1を0.1μm以上数十μm以下の平均粒子径の液滴5にするものであれば、どのような方法を用いてもよく、たとえばスプレー方式、超音波方式等を用いることができる。図1においては、成膜原料溶液1に高圧状態のガスを印加して微細スリットノズルから微細液滴にするスプレー方式の液滴発生部6を示している。
スプレー方式は、液体およびキャリアガスの2流体を混合して、スプレーノズル先端部から液滴を噴出す2流体スプレー方式を用いることが好ましい。スプレー方式では、成膜原料溶液が透明基板の直前で液滴発生部を通して液滴となるため、スプレーノズル先端まで成膜原料溶液のままで搬送される。このとき液滴は、高圧のキャリアガスによって形成されることから、透明基板には液滴およびキャリアガスが噴き付けられる。
また、液滴の搬送方向に指向性を持たせるために、キャリアガスを用いてもよい。かかるキャリアガスとしては、圧縮空気、N2、H2、水蒸気、O2、またはこれらの1種以上の混合物を用いることができる。
このようなスプレーノズルは、成膜原料溶液の種類やキャリアガス、成膜原料溶液の噴出時の印加圧力に耐え得る材料であれば、いかなる材料をも用いることができ、たとえば金属および樹脂材料によって作製することができる。
超音波方式は、溶液ボトルに取り付けられた液滴発生部6から成膜原料溶液1に超音波を印加することによって、透明基板7から液滴を発生させるものであるが、液滴自体には運動エネルギーがないため、キャリアガスによって液滴を搬送する。かかるキャリアガスとしては、上述のスプレー方式に用いるものと同様のものを用いることができる。
超音波霧化を用いて液滴を発生させる場合、超音波振動子によって液滴を発生させることが好ましい。超音波振動子は、比較的均一な平均粒子径の液滴を噴霧することができるため、液滴同士が凝集しにくくなるという利点がある。
(送液ポンプ)
図1に示される成膜装置において、送液ポンプ2は成膜原料溶液1をノズルヘッド4に供給するだけでなく、その供給量を調整する機能を有していることが好ましい。
図1における成膜装置を用いて透明導電膜を成膜する場合、かかる透明導電膜は、透明基板7または液滴発生部6のいずれか一方もしくは両方を走査させることによって、透明基板7上の全面に成膜される。かかる透明導電膜は、図1に示されるように、1つの液滴発生部6によって成膜されてもよいし、2以上の液滴発生部6によって成膜されるものであってもよい。2以上の液滴発生部を透明基板の上面の全面に配列して液滴噴霧する場合、必ずしも透明基板7および液滴発生部6のいずれも走査しなくてもよい。
(成膜原料溶液)
本発明で用いられる成膜原料溶液1は、亜鉛、スズ、インジウム、カドミウム、ストロンチウム等の無機材料の有機金属または金属ハロゲン系化合物からなる成膜材料を1種または2種以上溶媒に溶解させたものである。かかる成膜原料溶液1は、上記有機金属または金属ハロゲン系化合物を、0.1〜3mol/Lの濃度で溶解させることが一般的であるが、この濃度に限定されるものではない。上記の成膜原料溶液1としては、スズおよびフッ素の化合物を含むことが好ましく、スズを含む有機金属化合物を含み、かつドーパント剤としてフッ素の化合物を含むものを用いることがより好ましい。ここで、成膜原料溶液に含まれるフッ素の化合物としては、フッ化水素、フッ化アンモニウム等を挙げることができる。また、成膜原料溶液に含まれるスズとしては、四塩化スズ、二塩化スズ、ジブチルスズジアセテート、テトラブチルスズを挙げることができる。
また、成膜原料溶液に用いられる溶媒は、水、有機溶剤、またはこれらの混合液を用いることができる。ここでの有機溶剤としては、たとえばメタノール、エタノール、アセトン、イソプロピルアルコール等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
さらに、成膜原料溶液は、上記の溶媒および成膜材料に加え、さらに添加物を含んでいてもよい。このような添加物としては、ドーパント剤、界面活性剤、pH調整剤等を挙げることができるが、これらの添加剤の2種以上を混合して用いることが好ましい。
ここで、ドーパント剤としては、Mg、Ga、Al、Te、Ag、Ge、Cu、Sr、B、Sb、F、As等を含む材料を挙げることができ、界面活性剤としては、低級有機化合物等を挙げることができる。pH調整剤としては、硝酸、酢酸、硫酸、フッ酸、過酸化水素、酪酸、塩酸、アンモニア等を挙げることができる。
(透明導電膜)
上記の成膜方法によって成膜された透明導電膜の膜厚は、シート抵抗、ヘイズ率、透過率の仕様を満たすために、600nm以上1200nm以下の範囲となる。
このような透明導電膜のX線回折パターンにおいて、(301)面の回折ピーク強度は、(301)面以外のいずれの結晶面の回析ピーク強度よりも大きいことを特徴とする。(301)面からのピークが大きいということは、フッ素を十分に取り込んだ結晶粒でも結晶性が高いことを示唆しており、低抵抗化と光透過率およびヘイズ率の仕様を満たす透明導電膜となる。
さらに、上記の透明導電膜のX線回折パターンにおいて、(301)面の回折ピーク強度の半値幅から算出した結晶粒の平均粒子径は、(301)面以外のいずれの結晶面の回析ピーク強度の半値幅から算出した結晶粒の平均粒子径よりも大きいことが好ましい。このことは、フッ素を十分に取り込んだ結晶粒が支配的に成長していることを示唆しており、より低抵抗で光透過率およびヘイズ率の仕様を満たす透明導電膜になっていることを意味する。
以下、実施例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1)
本実施例では、まず、成膜原料溶液1として、水200mLに対し、塩化スズ・5水和物の濃度を0.9mol/Lとし、フッ化アンモニウムの濃度を0.9mol/Lとなるように溶解させた。さらにpH調整剤として35%塩酸を20mL混合した。一方、加熱部8としてはホットプレートを用い、該ホットプレート上に、ガラス基板からなる透明基板7をセットした。そして、ホットプレートの温度を590℃に設定し、ガラス基板を加熱し、透明基板7の表面温度を513℃とした。なお、透明基板7の表面温度は、K熱電対によって測定した。
上記の成膜原料溶液1を送液ポンプ2によってノズルヘッド4に送り出し、高圧気体で圧縮して液滴化するスプレー方式によって液滴を発生させた。ノズルヘッド4からガラス基板に液滴を到着させるために、200L/分の流量の圧縮空気スプレーを噴出し方向に流した。そして、ガラス基板およびノズルヘッド4を固定したままで、搬送ステージを3mm/秒の速度で搬送させた。その後、ノズルヘッド4から透明基板7に向けて、ガラス基板に12mL/分の流量で成膜原料溶液の液滴を75秒間吹きつけることにより、ガラス基板上にSnO2からなる透明導電膜を成膜した。なお、このときにガラス基板上に透明導電膜が成膜されている時間は60秒であった。
(実施例2、比較例2)
実施例1に対し、下記の表1に示すように、成膜原料溶液の供給速度を変更して成膜速度を代えたことが異なる他は、実施例1と同様の方法によって実施例2および比較例2の透明導電膜を成膜した。
(実施例3、比較例1)
実施例1に対し、下記の表1に示すように、成膜原料溶液の供給速度および成膜速度を代えるとともに、成膜時のステージを静止させて60秒間成膜した。これらのことが異なる他は、実施例1と同様の方法によって実施例3および比較例1の透明導電膜を成膜した。
(実施例4)
実施例3に対し、下記の表1に示すように、基板温度、成膜原料溶液の供給速度および成膜速度を代えて60秒間成膜した。これらのことが異なる他は、実施例3と同様の方法によって実施例4の透明導電膜を成膜した。
(比較例3)
実施例1に対し、下記の表1に示すように、成膜時の透明基板の温度を代えたことが異なる他は、実施例1と同様の方法によって比較例3の透明導電膜を成膜した。
(比較例4)
実施例3に対し、下記の表1に示すように、成膜時の透明基板の温度を代えたことが異なる他は、実施例3と同様の方法によって比較例4の透明導電膜を成膜した。
<評価結果>
各実施例および各比較例で作製した透明導電膜の膜厚を触針式表面形状測定器(製品名:DEKTAK(株式会社アルバック製))によって測定したところ、下記の表1に示される結果となった。ここで測定した膜厚を成膜時間で除することにより、成膜速度を算出した。また、透明導電膜のシート抵抗(Ω/□)を低抵抗率計(製品名:ロレスターGP(三菱化学アナリテック株式会社製))によって測定した。さらに、各実施例および各比較例で作製した透明導電膜のヘイズ率(%)および透過率(%)を分光ヘイズメーター(製品名:TC−1800H(有限会社東京電色製))によって測定した。これらの測定結果を以下の表1に示す。
Figure 0005073843
さらに、各実施例および比較例の透明導電膜に対し、Cu−Kα(λ=0.154nm)を線源に用いてX線回折による結晶構造解析をθ−2θ法にて行なった。そのX線回折プロファイルを図2に示す。図2は、各実施例および比較例の透明導電膜の結晶構造解析を行なったときのX線回折プロファイルである。図2に示されるX線回折プロファイルに基づいて、各ピークの位置(2θB)、強度およびその強度の半値幅(FWHM)、ならびに結晶粒のサイズtを算出した。その結果を表2に示す。
Figure 0005073843
なお、結晶粒のサイズtは、膜厚方向の結晶サイズを意味するものであり、以下のScherrerの式(1)に基づいて算出した。
t=0.9λ/BcosθB ・・・(1)
なお、上記式(1)中の各記号はそれぞれ、t:結晶サイズ(nm)、λ:線源波長(nm)、B:半値幅(ラジアン)、θB:ピーク位置2θB×1/2(deg)を示す。
<考察>
図2に示されるX線回析プロファイルから明らかなように、各実施例の透明導電膜は、(301)面が優先配向面となっている。一方、比較例の透明導電膜は(200)面が優先配向面となっている。また、表2に示される結果から明らかなように、各実施例の透明導電膜は、(301)面配向した結晶が最大の結晶粒径となっているのに対し、比較例1においては(200)面配向した結晶が膜中で最大の結晶粒径となっている。
表1に示される結果から明らかなように、実施例1〜3の透明導電膜は、ヘイズ率および透過率が高く、かつシート抵抗が低いという性質を示す。これに対し、比較例1の透明導電膜は、透過率は高いが、ヘイズ率が低く、またシート抵抗が高いという性質を示す。
以上の結果から、12nm/s以上の成膜速度で透明導電膜を成膜することにより、ヘイズ率および透過率が高く、かつシート抵抗が低い透明導電膜を成膜することができることが明らかとなった。この理由は、高速の成膜速度で成膜することによってフッ素の再蒸発を抑制し、(301)面に配向した透明導電膜を優先して形成したことによるものと考えられる。
以上のように本発明の実施の形態および実施例について説明を行なったが、上述の各実施の形態および実施例の構成を適宜組み合わせることも当初から予定している。
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明の成膜方法によって成膜される透明導電膜は、バッファ層および下地層を成膜しなくても、光透過率およびヘイズ率が高く、かつシート抵抗が低い透明導電膜を成膜することができる。このため、本発明の透明導電膜は、薄膜太陽電池、特に薄膜シリコン太陽電池用の透明電極として好適に使用することができる。
1 成膜原料溶液、2 送液ポンプ、3 キャリアガス、4 ノズルヘッド、5 液滴、6 液滴発生部、7 透明基板、8 加熱部。

Claims (4)

  1. 透明基板を510℃以上に加熱するステップと、
    前記透明基板に対し、成膜原料溶液の液滴を噴霧することにより、前記透明基板上に透明導電膜を成膜するステップとを含み、
    前記透明導電膜を成膜するステップは、15nm/sec以上30nm/sec以下の成膜速度で透明導電膜を成膜し、
    前記成膜原料溶液は、スズおよびフッ素の化合物を含む、透明導電膜の成膜方法。
  2. 前記透明導電膜を成膜するステップは、15nm/sec以上20nm/sec以下の成膜速度で透明導電膜を成膜する、請求項1に記載の透明導電膜の成膜方法。
  3. スプレー方式によって前記成膜原料溶液から前記成膜原料溶液の液滴を形成する、請求項1または2に記載の透明導電膜の成膜方法。
  4. 前記成膜原料溶液は、有機金属または金属ハロゲン系化合物を0.1〜3mol/Lの濃度で含む、請求項1〜3のいずれかに記載の透明導電膜の成膜方法。
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