JP5072480B2 - 液晶表示装置 - Google Patents

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Description

この発明は、液晶表示装置に係り、特に、ホモジニアス配向した液晶分子を含む液晶層を備えた透過型の液晶表示装置に関する。
ツイステッドネマティック(TN)モードの液晶表示装置と同様に正面から見た場合の表示特性が優れている垂直配向(VA;Vertically Aligned)モードの液晶表示装置において、視野角補償用位相差フィルムを適用することで、広視野角化を実現しようとする技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、STN(Super Twisted Nematic)モードなどの液晶表示装置において適用可能な2軸性の複屈折フィルムを製造する技術が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特開2005−099236号公報 特開2005−181451号公報
近年、一対の基板間にホモジニアス配向した液晶分子を含む液晶層を保持することによって構成された液晶表示装置においては、さらなるコントラストの向上及び視野角の拡大といった表示品位の改善が要求されている。また、その一方で、装置全体の薄型化及び低コスト化が要求されている。
この発明は、上述した問題点に鑑みなされたものであって、その目的は、薄型化及び低コスト化が可能であるとともに、表示品位の良好な液晶表示装置を提供することにある。
この発明の態様による液晶表示装置は、
互いに対向して配置された第1基板と第2基板との間にホモジニアス配向した液晶分子を含む液晶層を保持した液晶表示パネルと、
前記液晶表示パネルの一方の外面に設けられ、第1偏光板と、この第1偏光板と前記液晶表示パネルとの間に配置されその進相軸及び遅相軸を透過する所定波長の光の間に所定の位相差を与えるとともにネマティック液晶分子を法線方向に沿ってハイブリッド配向した状態で固定化させた第1位相差板と、前記第1偏光板と前記第1位相差板との間に配置され負の2軸の屈折率異方性を有する第2位相差板と、を有する第1光学素子と、
前記液晶表示パネルの他方の外面に設けられ、第2偏光板と、この第2位相差板と前記液晶表示パネルとの間に配置されその進相軸及び遅相軸を透過する所定波長の光の間に所定の位相差を与えるとともに1軸の屈折率異方性を有する第3位相差板と、を有する第2光学素子と、を備え、
前記第1光学素子及び前記液晶表示パネルを透過した光の偏光状態は、前記第2光学素子を透過した光と略同一の楕円率を有する直線偏光であることを特徴とする。
この発明によれば、薄型化及び低コスト化が可能であるとともに、表示品位の良好な液晶表示装置を提供することができる。
以下、この発明の一実施の形態に係る液晶表示装置について図面を参照して説明する。ここでは、バックライト光を利用して(選択的に透過して)画像を表示する透過型の液晶表示装置を例に説明する。
図1及び図2に示すように、液晶表示装置は、アクティブマトリクスタイプのカラー液晶表示装置であって、透過型の液晶表示パネルLPNを備えている。この液晶表示パネルLPNは、アレイ基板(第1基板)ARと、アレイ基板ARと互いに対向して配置された対向基板(第2基板)CTと、これらのアレイ基板ARと対向基板CTとの間に保持された液晶層LQと、を備えて構成されている。
また、この液晶表示装置は、液晶表示パネルLPNの一方の外面(すなわちアレイ基板ARの液晶層LQと対向する面とは反対側の外面)に設けられた第1光学素子OD1、及び、液晶表示パネルLPNの他方の外面(すなわち対向基板CTの液晶層LQと対向する面とは反対側の外面)に設けられた第2光学素子OD2を備えている。さらに、このように透過型の液晶表示装置は、第1光学素子OD1側から液晶表示パネルLPNを照明するバックライトユニットBLを備えている。
このような液晶表示パネルLPNは、画像を表示する表示領域DSPを備えている。表示領域DSPは、m×n個のマトリクス状に配置された複数の画素PXによって構成されている。
アレイ基板ARは、ガラス板や石英板などの光透過性を有する絶縁基板10を用いて形成されている。すなわち、このアレイ基板ARは、表示領域DSPにおいて、画素毎に配置されたm×n個の画素電極EP、これらの画素電極EPの行方向に沿ってそれぞれ形成されたn本の走査線Y(Y1〜Yn)、これらの画素電極EPの列方向に沿ってそれぞれ形成されたm本の信号線X(X1〜Xm)、各画素PXにおいて走査線Yと信号線Xとの交差部を含む領域に配置されたm×n個のスイッチング素子Wなどを有している。
アレイ基板ARは、さらに、表示領域DSPの周辺の駆動回路領域DCTにおいて、n本の走査線Yに接続された走査線ドライバYDを構成する少なくとも一部、及び、m本の信号線Xに接続された信号線ドライバXDを構成する少なくとも一部を備えている。走査線ドライバYDは、コントローラCNTによる制御に基づいてn本の走査線Yに順次走査信号(駆動信号)を供給する。また、信号線ドライバXDは、コントローラCNTによる制御に基づいて各行のスイッチング素子Wが走査信号によってオンするタイミングでm本の信号線Xに映像信号(駆動信号)を供給する。これにより、各行の画素電極EPは、対応するスイッチング素子Wを介して供給される映像信号に応じた画素電位にそれぞれ設定される。
各スイッチング素子Wは、例えば、nチャネル薄膜トランジスタであり、絶縁基板10上に配置された半導体層12を備えている。この半導体層12は、例えば、ポリシリコンやアモルファスシリコンなどによって形成可能であり、ここではポリシリコンによって形成されている。半導体層12は、チャネル領域12Cを挟んだ両側にそれぞれソース領域12S及びドレイン領域12Dを有している。この半導体層12は、ゲート絶縁膜14によって覆われている。
スイッチング素子Wのゲート電極WGは、走査線Yに接続されている(あるいは走査線Yと一体的に形成されている)。ゲート電極WG及び走査線Yは、ともにゲート絶縁膜14上に配置されている。これらのゲート電極WG、及び、走査線Yは、層間絶縁膜16によって覆われている。
スイッチング素子Wのソース電極WS及びドレイン電極WDは、層間絶縁膜16上においてゲート電極WGの両側に配置されている。ソース電極WSは、信号線Xに接続される(あるいは信号線Xと一体に形成される)とともに、半導体層12のソース領域12Sにコンタクトしている。ドレイン電極WDは、画素電極EPに接続される(あるいは画素電極EPと一体に形成される)とともに、半導体層12のドレイン領域12Dにコンタクトしている。これらのソース電極WS、ドレイン電極WD、及び信号線Xは、有機絶縁膜18によって覆われている。
画素電極EPは、有機絶縁膜18上に配置され、有機絶縁膜18に形成されたコンタクトホールを介してドレイン電極WDと電気的に接続されている。この画素電極EPは、インジウム・ティン・オキサイド(ITO)などの光透過性を有する導電材料によって形成されている。すべての画素PXに対応した画素電極EPは、配向膜20によって覆われている。
一方、対向基板CTは、ガラス板や石英板などの光透過性を有する絶縁基板30を用いて形成されている。すなわち、この対向基板CTは、表示領域DSPにおいて、対向電極ETなどを備えている。対向電極ETは、複数の画素PXに対応して画素電極EPに対向するように配置されている。この対向電極ETは、インジウム・ティン・オキサイド(ITO)などの光透過性を有する導電材料によって形成されている。また、この対向電極ETは、配向膜36によって覆われている。
カラー表示タイプの液晶表示装置は、各画素に対応して液晶表示パネルLPNの内面に設けられたカラーフィルタ層34を備えている。図2に示した例では、カラーフィルタ層34は、対向基板CTに設けられている。カラーフィルタ層34は、互いに異なる複数の色、例えば赤色、青色、緑色といった3原色にそれぞれ着色された着色樹脂によって形成されている。赤色着色樹脂、青色着色樹脂、及び緑色着色樹脂は、それぞれ赤色画素、青色画素、及び緑色画素に対応して配置されている。なお、このようなカラーフィルタ層34は、アレイ基板AR側に配置しても良い。
また、各画素PXは、図示しないブラックマトリクスによって区画されている。このブラックマトリクスは、アレイ基板ARに設けられた走査線Yや信号線X、スイッチング素子Wなどの配線部に対向するように配置されている。
このような対向基板CTと、上述したようなアレイ基板ARとをそれぞれの配向膜20及び配向膜36を対向するように配置したとき、両者の間に配置された図示しないスペーサ(例えば樹脂材料によって形成された柱状スペーサ)により、所定のギャップが形成される。液晶層LQは、これらのアレイ基板ARの配向膜20と対向基板CTの配向膜36との間に形成されたギャップに封入された液晶分子40を含む液晶組成物によって構成されている。この実施の形態では、液晶層LQは、ツイスト角が0deg(ホモジニアス配向)の液晶分子40を含んでいる。
この実施の形態に係る液晶表示装置においては、図3に示すように、第1光学素子OD1及び第2光学素子OD2は、これらを通過した光の偏光状態を制御する。すなわち、第1光学素子OD1は、楕円偏光あるいは略直線偏光の偏光状態を有する光が入射するように自身を通過する光の偏光状態を制御する。したがって、第1光学素子OD1に入射したバックライト光の偏光状態は、第1光学素子OD1を通過した際に所定の偏光状態に変換される。その後、第1光学素子OD1から出射されたバックライト光は、所定の偏光状態を保って液晶層LQに入射する。そして、液晶表示パネルLPNから出射された出射光は、直線偏光の偏光状態を有している。
また、第2光学素子OD2は、液晶層LQに直線偏光(あるいは限りなく直線偏光に近い楕円偏光)の偏光状態を有する光が入射するように自身を通過する光の偏光状態を制御する。したがって、第2光学素子OD2に入射した光の偏光状態は、第2光学素子OD2を通過した際に所定の状態すなわち直線偏光に変換される。
つまり、第1光学素子OD1及び液晶表示パネルLPNを透過した光の偏光状態は、第2光学素子OD2を透過した光と略同一の楕円率(=短軸方向の振幅Es/長軸方向の振幅Ep)を有する直線偏光である。このような構成により、液晶表示パネルLPNの法線方向におけるコントラストの向上が可能となるとともに、視野角の拡大が可能となる。
以下に、より具体的に各構成を説明する。
第1光学素子OD1は、1つの第1偏光板51と、第1偏光板51と液晶表示パネルLPNとの間に配置された第1位相差板RF1及び第2位相差板RF2と、を備えて構成されている。図3に示した例では、第1位相差板RF1は、第1偏光板51と液晶表示パネルLPN(アレイ基板AR)との間に配置されている。また、第2位相差板RF2は、第1偏光板51と第1位相差板RF1との間に配置されている。
第2光学素子OD2は、1つの第2偏光板52と、第2偏光板52と液晶表示パネルLPNとの間に配置された第3位相差板RF3と、を備えて構成されている。
ここで適用される第1偏光板51及び第2偏光板52は、光の進行方向に直交する平面内において、互いに直交する吸収軸及び透過軸を有している。このような偏光板は、ランダムな方向の振動面を有する光から、透過軸と平行な1方向の振動面を有する光すなわち直線偏光の偏光状態を有する光を取り出すものである。
ここで適用される第1位相差板RF1は、光学的に異方性を有する位相差板であり、光学的に正の1軸性の屈折率異方性を有するネマティック液晶分子61を液晶状態において法線方向(すなわち位相差板の厚み方向)に沿ってハイブリッド配向した状態で固定化させた液晶フィルム層60を有している。
このような液晶フィルム層60において、例えば、アレイ基板AR側の界面近傍では、液晶分子61Aが界面に対して比較的小さなチルト角をなすように配向している(すなわち液晶分子61Aが界面とほぼ平行に配向している)のに対して、第2位相差板RF2側の海面近傍では、液晶分子61Bが界面に対して比較的大きなチルト角をなすように配向している(すなわち液晶分子61Bが界面に対してほぼ垂直に配向している)。このような第1位相差板RF1としては、NHフィルム(新日本石油(株)製)を適用可能である。このような液晶フィルムは、液晶層LQに含まれる液晶分子40の配向により視角に依存して変化する液晶層LQのリタデーションを光学的に補償する機能を有しており、視野角拡大機能を有した位相差板に相当する。
屈折率異方性を有する液晶分子40の配列が印加電圧に応じて変化する液晶層LQや、屈折率異方性を有する位相差板において、複屈折を議論する上では、相対的に屈折率の大きな軸が遅相軸に対応し、相対的に屈折率の小さな軸が進相軸に対応する。遅相軸は、異常光線の振動面と一致するものとする。進相軸は、常光線の振動面と一致するものとする。液晶層LQを通過する常光線及び異常光線の屈折率をそれぞれno及びneとし、それぞれの光線の進行方向に沿った液晶層LQの厚さをdとしたとき、液晶層LQの位相差値(リタデーション値)は、Δn・d(nm)=(ne・d−no・d)で定義される(つまり、Δn=ne−no)。また、位相差板については、互いに直交する3つの軸に対応した主屈折率を適用し、位相差板の面内での互いに直交する軸に対応した主屈折率をそれぞれnx及びnyとし、その法線方向(すなわち位相差板の厚み方向)の軸に対応した主屈折率をnzとしたとき、位相差板の厚みをdとすると、位相差板の正面位相差値(正面リタデーション値)は、R=(nx−ny)・dで定義される。
第1光学素子OD1に含まれる第1位相差板RF1及び第2位相差板RF2、及び、第2光学素子OD2に含まれる第3位相差板RF3は、それぞれ互いに直交する遅相軸及び進相軸を有している。
すなわち、この第1位相差板RF1は、上述した視野角拡大機能のほかに、液晶分子61の配向方位(ダイレクター)を遅相軸とし、それに直交する方位を進相軸とし、これらをそれぞれ透過する所定波長(例えば550nm)の光の間に所定の位相差(λを波長とし、mを正数としたとき、λ/mの位相差)を与える位相差板としての機能を有している。
第2位相差板RF2は、負の2軸の屈折率異方性を有している。この第2位相差板RF2は、その面内に進相軸及び遅相軸を有し、これらの進相軸及び遅相軸を透過する所定波長(例えば550nm)の光の間に所定の位相差(λを波長とし、nを正数としたとき、λ/nの位相差)を与える位相差板としての機能を有している。
第3位相差板RF3は、1軸の屈折率異方性を有している。この第3位相差板RF3は、ポジティブAプレートに相当する屈折率異方性(nx>ny=nz)を有している。つまり、第3位相差板RF3は、Nz=(nx−nz)/(nx−ny)で与えられるNz係数が1.0である。このような第3位相差板RF3は、その面内に進相軸及び遅相軸を有し、進相軸及び遅相軸を透過する所定波長(例えば550nm)の光の間に所定の位相差(λ/nの位相差)を与える位相差板としての機能を有している。
このような第2位相差板RF2及び第3位相差板RF3としては、ゼオノア((株)オプテス製)や、アートン(JSR製)などが適用可能である。
第1光学素子OD1においては、第1偏光板51の吸収軸A1、第1位相差板RF1の面内の遅相軸D1、及び、第2位相差板RF2の面内の遅相軸D2がそれぞれ所定の角度の関係を有するように各構成要素が配置されている。すなわち、第2位相差板RF2は、その遅相軸D2が第1偏光板51の吸収軸A1に対して略45°をなすように第1偏光板51上に配置されている。第1位相差板RF1は、その遅相軸D1が第2位相差板RF2の遅相軸D2に対して略90°をなすように第2位相差板RF2上に配置されている。第1光学素子OD1を液晶表示パネルLPNに配置する場合には、第1光学素子OD1は、視野角拡大機能を有する第1位相差板RF1の遅相軸D1が液晶層LQの液晶分子40のダイレクター(アレイ基板AR側の配向膜20のラビング方向)と略平行となり、かつ、第1位相差板RF1において液晶分子61がハイブリッド配向する方向とアレイ基板AR側の配向膜20のラビング方向とが逆方向になるように配置されている。
また、第2光学素子OD2においては、第3位相差板RF3は、その面内の遅相軸D3が第2偏光板52の吸収軸A2に対して略90°をなすように第2偏光板52上に配置されている。第2光学素子OD2を液晶表示パネルLPNに配置する場合には、第2光学素子OD2は、第3位相差板RF3の遅相軸D3が液晶層LQの液晶分子40のダイレクター(アレイ基板AR側の配向膜20のラビング方向)と略45°をなし、かつ、第2偏光板52の吸収軸A2と第1偏光板51の吸収軸A1とが直交するように配置されている。
このような構成により、第1光学素子OD1は、所定の楕円率を有する楕円偏光あるいは略直線偏光に変換する機能及び視野角を拡大する機能を有している。また、第2光学素子OD2は、第1光学素子OD1と液晶表示パネルLPNとを透過した光の楕円率と略同等の楕円率を有する略直線偏光に変換する機能を有している。
次に、更なる良好な光学特性を得るための手法、特に黒表示時の光学補償について説明する。まず、第1光学素子OD1における第1位相差板RF1の正面位相差値R(RF1)及び第2位相差板RF2の正面位相差値R(RF2)と、黒表示における液晶層LQの残留位相差値R(LQ)との関係について検討する。
ここで、液晶層LQの残留位相差値R(LQ)について説明する。液晶層LQに黒表示のための電圧(黒表示電圧)を印加した場合、液晶層LQの断面において、基板界面から離れた中央部(ミッドプレーン)に位置する液晶分子40は、電界の方向にその長軸方向がほぼ平行となるように配列している。このため、液晶層LQのミッドプレーンの正面位相差値は実質的にゼロ(nm)とみなすことができる。しかしながら、基板界面に隣接して配向した液晶分子40は、界面の配向規制力(アンカリング)の影響を受け、電圧に対する応答が鈍く、ほぼ初期の配向状態を維持している。このため、液晶層LQの基板界面近傍での正面位相差値はゼロ(nm)とはならない。したがって、黒表示のために十分に高い黒表示電圧を液晶層LQに印加しても、基板界面のアンカリングの影響により液晶層LQには正面位相差が残ることになる。これを一般に残留位相差と称している。
本実施の形態においては、(1)適用される液晶層LQ、第1位相差板RF1、及び、第2位相差板RF2は、いずれも正の位相差を有していること、(2)液晶層LQにおける液晶分子40のダイレクターと第1位相差板RF1の遅相軸D1とがほぼ平行に設定されること、(3)第1位相差板RF1の遅相軸D1と第2位相差板RF2の遅相軸D2とが略90度の角度に設定されることから、第1光学素子OD1における位相差値と、液晶層LQの残留位相差値とを合わせたトータルの位相差値R(total)は以下の式で表すことができる。
R(total)=R(LQ)+R(RF1)−R(RF2)
ここで、第1位相差板RF1の正面位相差値をR(RF1)とし、第2位相差板RF2の正面位相差値をR(RF2)とし、液晶層LQの残留位相差値をR(LQ)とした。
この式において、R(total)がゼロとなること、つまり、R(LQ)+R(RF1)=R(RF2)となるように各々の位相差値を設定することにより、第1光学素子OD1と液晶層LQとの間で光学補償を実現することが可能となる。すなわち、この実施の形態においては、第1光学素子OD1のみでバックライト光の偏光状態を略直線偏光に変換するのではなく、液晶層の残留位相差値を考慮して液晶表示パネルLPNから出射された出射光の偏光状態を略直線偏光(楕円率<0.1)に変換するものである。
つまり、液晶層LQの残留位相差値R(LQ)と第1位相差板RF1の正面位相差値R(RF1)との和が第2位相差板RF2の正面位相差値R(RF2)と略等しくなるように設定することにより、バックライトユニットBLからのバックライト光が第1光学素子OD1及び黒表示時の液晶層LQを透過した後に、限りなく直線偏光に近い偏光状態(楕円率<0.1)を有する光に変換することが可能となる。したがって、白表示の場合のみならず、黒表示の場合であっても第1光学素子OD1及び液晶層LQを通過した光の偏光状態を極めてゼロに近い楕円率を有するような直線偏光に近づけることができる。
続いて、第2光学素子OD2の最適化について検討する。
すなわち、この実施の形態で適用される偏光板は、図4に示すような視野角特性を有している。つまり、全方位について等方的な特性が得られず、45°−225°方位や、135°−315°方位において、視角の増大に伴って急激にコントラストが低下する。第3位相差板RF3は、このような視野角特性を有する偏光板を適用したときに、偏光板の視野角特性を改善する機能を有している。これにより、第2光学素子OD2は、視角にかかわらず、自身を透過した光を限りなく直線偏光に近い偏光状態(楕円率<0.1)を有する光に変換することが可能となる。
上述したような第1光学素子OD1及び液晶表示パネルLPNの組み合わせと、第2光学素子OD2とを適用したとき、以下のように動作する。ここでは、第2光学素子OD2が透過可能な直線偏光の振動面をY軸と平行な方向とし、このY軸と直交する方向をX軸として規定する。
すなわち、液晶層LQに電圧を印加しない時(あるいは液晶層LQに低電圧を印加した時)、第1光学素子OD1及び液晶表示パネルLPNを透過した光の偏光状態は、Y軸と平行な長軸を有する楕円偏光あるいはY軸と平行な直線偏光となる。このため、液晶表示パネルLPNを透過した光は、第2光学素子OD2を透過する。これにより、白表示が得られる。
一方、液晶層LQに電圧を印加した時(あるいは液晶層LQに高電圧を印加した時)、第1光学素子OD1及び液晶表示パネルLPNを透過した光の偏光状態は、X軸と平行な直線偏光となる。このとき、液晶表示パネルLPNを透過した光の楕円率は、第2光学素子OD2を透過可能な光の楕円率と略同等である。つまり、液晶表示パネルLPNを透過した直線偏光(X軸と平行)の振動面は、第2光学素子OD2を透過可能な直線偏光(Y軸と平行)の振動面と直交する。このため、液晶表示パネルLPNを透過した光は、第2光学素子OD2を透過しない。これにより、十分に透過率が低い黒表示が得られる。よって、コントラストを向上することが可能となる。
また、第1光学素子OD1及び液晶表示パネルLPNの組み合わせは、第1位相差板RF1及び第2位相差板RF2の適用によって光学補償がなされ、特に黒表示時において、視角にかかわらず、略一定の楕円率の直線偏光が得られるように構成されている。また、第2光学素子OD2は、第3位相差板RF3の適用によって光学補償がなされ、特に黒表示時において、視角にかかわらず、第1光学素子OD1及び液晶表示パネルLPNの組み合わせで得られる直線偏光と略同等且つ略一定の楕円率の直線偏光が得られるように構成されている。よって、高コントラスト領域(特に、コントラスト比が10:1以上の領域)の視野角を拡大することが可能となる。
次に、第1光学素子OD1及び第2光学素子OD2の液晶表示パネルLPNへの配置の具体例について検討する。
ここでは、対向基板CT側から液晶表示装置を観察した図5に基づき説明する。アレイ基板AR(または対向基板CT)の主面に平行な平面内において、便宜上、互いに直交するX軸及びY軸を定義し、この平面の法線方向をZ軸と定義する。面内とは、X軸及びY軸で規定される平面内に相当する。ここで、例えば、X軸は画面の水平方向に対応し、Y軸は画面の垂直方向に対応するものとする。また、X軸の正(+)の方向(0°方位)が画面の右側に対応し、X軸の負(−)の方向(180°方位)が画面の左側に対応するものとする。さらに、Y軸の正(+)の方向(90°方位)が画面の上側に対応し、Y軸の負(−)の方向(270°方位)が画面の下側に対応するものとする。
液晶表示パネルLPNにおいては、アレイ基板AR側の配向膜20のラビング方向は、X軸に対して45°の方位に設定されている。
第1光学素子OD1の液晶表示パネルLPNへの配置は、配向膜20のラビング方向に基づいて設定される。すなわち、第1位相差板RF1は、その遅相軸D1が配向膜20のラビング方向とほぼ平行となるように45°−225°の方位を向くように配置される。このとき、第1位相差板RF1に含まれる液晶分子のハイブリッド方向は、配向膜20のラビング方向とは逆方向となる225°の方位を向いている。また、第2位相差板RF2の遅相軸D2は、第1位相差板RF1の遅相軸D1とほぼ直交する(つまり、135°の方位を向く)ように配置される。さらに、第1偏光板51は、その吸収軸A1が第1位相差板RF1及び第2位相差板RF2の遅相軸に対しそれぞれ略45°の角度をなすように、例えば90°−270°の方位を向くように配置される。
一方、第2光学素子OD2の液晶表示パネルLPNへの配置については、例えば黒表示時の液晶層LQを透過した直線偏光の方位(この場合にはX軸と平行な方位)に基づいて設定される。すなわち、第2光学素子OD2においては、第2偏光板52は、その吸収軸A2が第1光学素子OD1及び液晶層LQを透過した後の直線偏光の長軸方向に対して略平行となるように配置される。すなわち、第2偏光板52は、その吸収軸A2が0°−180°の方位を向くように配置される。また、第3位相差板RF3は、その遅相軸D3が第2偏光板52の吸収軸A2に対して略直交するように90°の方位を向くように配置される。
ここで、上述した構成の液晶表示装置における最適条件について説明する。
まず、負の2軸の屈折率異方性を有する第2位相差板RF2において、Nz係数の最適範囲について検討する。第2位相差板RF2のNz係数以外は全て同一条件の液晶表示装置についてコントラスト比の視野角依存性をシミュレーションしたところ、図6及び図7に示すような結果が得られた。
ここで、図6及び図7においては、中心が液晶表示パネルLPNの法線方向に相当し、法線方向を中心とした同心円は、法線に対する倒れ角度(視角)が20°、40°、60°、及び、80°に相当する。ここで示した特性図は、各方位について等コントラスト比の領域を結ぶことで得られたものである。また、後述するコントラスト比の視野角依存性に関するシミュレーション結果についても同様である。
ここに示したシミュレーション結果から、Nz係数が1.2以上1.8未満である第2位相差板RF2を適用することにより、ほぼ全方位にわたり70°以内の視角範囲においてコントラスト比10:1が得られることが確認された。また、上記範囲のNz係数を有する第2位相差板RF2を適用した場合、画面の上下左右の4方位について50°以内の視角範囲においてコントラスト比100:1が得られた。
より望ましくは、Nz係数が1.5以上1.6以下である第2位相差板RF2を適用することにより、コントラスト比10:1の領域が略全方位にわたって拡大し、ほぼ全方位にわたり80°以内の視角範囲においてコントラスト比10:1が得られることが確認された。また、上記範囲のNz係数を有する第2位相差板RF2を適用した場合、コントラスト比100:1の領域が全方位にわたって拡大し、ほぼ全方位にわたり50°以内の視角範囲においてコントラスト比100:1が得られた。
なお、Nz係数が0.9以下である第2位相差板RF2を適用した場合には、画面の180°方位(画面左側)及び270°方位(画面下側)では、コントラスト比10:1の領域が視角範囲80°に満たないことがわかる。また、Nz係数が1.8以上である第2位相差板RF2を適用した場合には、画面の0°方位(画面右側)及び90°方位(画面上側)では、コントラスト比10:1の領域が視角範囲80°に満たないことがわかる。
よって、第2位相差板RF2のNz係数の最適範囲は、1.2以上1.8未満、より望ましくは1.5以上1.6以下である。このような第2位相差板RF2を適用することにより、第1光学素子OD1及び液晶表示パネルLPNを透過する光に対する光学補償がなされ、特に黒表示時において、視角にかかわらず、略一定の楕円率の直線偏光が得られる。これにより、視野角の拡大が可能となる。
続いて、液晶層LQへの印加電圧と、残留位相差R(LQ)との関係に基づき、第1位相差板RF1における液晶分子の平均傾斜角の最適範囲について検討する。すなわち、図8に示すように、ホモジニアス配向した液晶分子を含む液晶層LQに対しては、比較的高い電圧(例えば6V)を印加しても残留位相差R(LQ)がゼロにはならない。したがって、液晶層LQの残留位相差R(LQ)を加味した光学補償がなされる。つまり、黒表示のときの最適化を考えると、液晶層LQに比較的高い黒表示用電圧を印加したとき、液晶分子は比較的高チルト角で配向するため、残留位相差値は小さくなる。このように配向した液晶分子に対しては、比較的小さなチルト角でハイブリッド配向した液晶分子を含む第1位相差板RF1によって光学補償がなされる。また、液晶層LQに比較的低い黒表示用電圧を印加したとき、液晶分子は比較的低チルト角で配向するため、残留位相差値は大きくなる。このように配向した液晶分子に対しては、比較的大きなチルト角でハイブリッド配向した液晶分子を含む第1位相差板RF1によって光学補償がなされる。
ここで、第1位相差板RF1の平均傾斜角に着目する。平均傾斜角とは、深さ方向の主屈折率nzが法線方向に対してなす角度として定義し、簡易的には〔(高チルト角+低チルト角)/2+低チルト角〕で与えられる値として定義する。上述した第1位相差板RF1において、例えば、図3に示したように、「高チルト角」とはハイブリッド配向した液晶分子のうちアレイ基板主面に対して最も大きな傾きを持って立ち上がった液晶分子61Bのチルト角(主面に対する傾き)に相当し、また、「低チルト角」とはハイブリッド配向した液晶分子のうちアレイ基板主面に対して最も小さな傾きを持って立ち上がった液晶分子61Aのチルト角に相当する。
液晶層LQの残留位相差値R(LQ)が50nm以上となるような黒表示電圧を設定したとき、このような残留位相差値を有する液晶層LQの光学補償に必要な第1位相差板RF1の液晶分子の平均傾斜角は35度以上である。このような設定により、比較的低電圧駆動が可能となり、汎用性の高い低コストの駆動回路を適用することが可能である。
続いて、第3位相差板RF3の最適化について検討する。この第3位相差板RF3は、第1偏光板51及び第2偏光板52による視野角特性(図4)を補償するものである。このため、第3位相差板RF3の遅相軸D3は、第2偏光板52の吸収軸A2に対し、0°もしくは90°のいずれかに設定されるべきものである。第3位相差板RF3としてNz係数=0.5の位相差板を使用することで、遅相軸D3を0°に配置する場合と90°に配置する場合とでは等価であると考えられるが、Nz係数=0.5の位相差板は高コストであるとともに厚みも100ミクロンと厚いため、低コスト化及び薄型化の要望に対して不向きである。
これに対して、本実施形態では、第3位相差板RF3として、Nz係数=1.0の位相差板を適用している。このような第3位相差板RF3については、遅相軸D3は吸収軸A2に対して90°に設定することにより、偏光板の視野角特性を補償することができる。また、Nz係数=1.0の位相差板は、汎用性が高いため低コスト化が可能であるとともに、Nz係数=0.5の位相差板と比較して厚みが30ミクロンと薄いため、薄型化が可能である。このような第3位相差板RF3の適用により、視野角の拡大が可能となる。
(実施例)
次に、この実施の形態に係る液晶表示装置の実施例について説明する。この液晶表示装置は、例えば、以下のようにして設計される。
液晶表示パネルLPNについて、液晶層LQは、ホモジニアス配向した液晶分子を含む液晶組成物で構成されており、例えば、液晶組成物としてMJ041113(メルク社製、Δn=0.065)を適用した。このとき、液晶分子40のダイレクター(液晶分子の長軸方向)は、アレイ基板AR側の配向膜20のラビング方向によって規制され、X軸に対して45°の角度をなすように設定した。また、液晶層LQにおけるギャップは4.9μmに設定した。なお、黒表示を実現するために液晶層LQに印加する黒表示用電圧は4.0(V)に設定され、この時、液晶層LQの残留位相差値R(LQ)は60(nm)であった。
液晶分子40に起因する複屈折を補償するために、アレイ基板ARの外面に配置すべき第1光学素子OD1について、第1位相差板RF1の遅相軸D1(すなわち第1位相差板RF1を構成する液晶分子61の配向方位)を逐次補償の関係になるようにアレイ基板ARのラビング方向とほぼ逆平行な方位(225°の方位)に設定する。なお、第1位相差板RF1の正面位相差値R(RF1)は、100nmに設定した。また、第1位相差板RF1を構成する液晶分子の平均傾斜角は、35度に設定した。このような第1位相差板RF1としては、NHフィルム(新日本石油(株)製)を適用した。
第2位相差板RF2の遅相軸D2は、液晶分子40及び第1位相差板RF1の遅相軸D1とほぼ垂直な方位(135°の方位)に設定する。なお、第2位相差板RF2の正面位相差値R(RF2)は、液晶層LQの残留位相差値R(LQ)と第1位相差板RF1の正面位相差値R(RF1)との和に相当するように、160nmに設定した。したがって、R(LQ)+R(RF1)=R(RF2)を満足することになるので、正面の黒表示においては、第1光学素子OD1だけで液晶層LQを光学的に補償できることになる。また、この第2位相差板RF2のNz係数は、1.6に設定した。このような第2位相差板RF2としては、ゼオノア((株)オプテス製)を適用した。
第1偏光板51を通過した直線偏光を所望の楕円偏光あるいは直線偏光に変換し、液晶層LQへ入射させるために、第1偏光板51の吸収軸A1は、第1位相差板RF1の遅相軸D1及び第2位相差板RF2の遅相軸D2とほぼ45°で交差するような方位(90°の方位)に設定する。
一方、対向基板CT側の外面に配置すべき第2光学素子OD2の第2偏光板52の吸収軸A2は、第1偏光板51の吸収軸A1とほぼ直交するような方位(0°の方位)に設定する。
第1偏光板51及び第2偏光板52による偏光板の視野角特性を改善するために、第3位相差板RF3の遅相軸D3は、第2偏光板52の吸収軸A2に対しほぼ直交する方位(90°の方位)に設定する。また、第3位相差板RF3のNz係数は、1.0に設定した。このような第3位相差板RF3としては、ゼオノア((株)オプテス製)を適用した。
上述した位相差板の遅相軸の方位及び偏光板の吸収軸の方位は、図5に示したように、X軸との成す角度で規定している。なお、液晶層LQの残留位相差板R(LQ)、第1位相差板RF1の位相差値R(RF1)、及び、第2位相差板RF2の位相差値R(RF2)は、これらの値に限定されるものではなく、R(LQ)+R(RF1)=R(RF2)の関係を満足するものであれば、全てにおいて同様な結果となる。
図9は、本実施例において液晶層LQに黒表示用電圧(4.0V)を印加した時に、バックライト光が上述した構成の第1光学素子OD1及び液晶層LQを透過した後の光の偏光状態を示したものである。このように、黒表示の状態では第1光学素子OD1及び液晶層LQを透過した後の光は、その長軸方向の振幅(Ep)に対して短軸方向の振幅(Es)が限りなく小さく、その楕円率は0.017程度であり、直線偏光の偏光状態を有することが確認された。また、この直線偏光の長軸方向はほぼ0°の方位(X軸)になるため、品位良好な黒画像を表示するためには、第2偏光板2の吸収軸A2は0°の方位に設定される。
また、バックライト光が第1光学素子OD1及び液晶層LQを透過した後の光の偏光状態と、外光が第2光学素子OD2を透過した後の光の偏光状態と、の一致性について解析した。
図10は、本実施例において、液晶層LQに黒表示用電圧(=4.0V)を印加したときに、画面の上下方向における両者の一致性を示した特性図である。横軸は画面の上下方向での視角(つまり法線に対するなす角度)であり、縦軸は偏光状態を示すパラメーターとして波長550nmにおける楕円率を設定した。また、図中の「A」はバックライト光が第1光学素子OD1及び液晶層LQを透過した後の光の偏光状態に対応し、「B」は外光が第2光学素子OD2を透過した後の光の偏光状態に対応している。
なお、液晶層LQの液晶分子方位は45度に設定されているので、図10においては画面の上下方向の視野角特性を示しているが、画面の左右方向においても同様の視野角特性を示す。良好な視野角補償を実現するためには、バックライト光が第1光学素子OD1及び液晶層LQを透過した後の光の偏光状態と、外光が第2光学素子OD2を透過した後の光の偏光状態とがほぼ一致していることが重要である。
図10より明らかなように、本実施例では、視角にかかわらず両者がほぼ一致していることがわかる。また、本実施例では、概ね楕円率が0.1未満となるほぼ直線偏光であり、画面の正面の偏光状態は、楕円率がほぼゼロとなる直線偏光であることがわかる。つまり、本実施例においては、主として直線偏光(あるいは比較的小さな楕円率の楕円偏光)を利用しており、このように、第1光学素子OD1及び液晶層LQを透過した後の光の偏光状態を直線偏光化することは視野角特性において有利となることが確認された。
上述したような実施例によれば、コントラスト比の視野角依存性をシミュレーションしたところ、図11に示すような結果が得られた。すなわち、等コントラスト比10:1の視野角範囲は、画面のほぼ全方位で160°と十分な広視野角化を実現できていることが確認できた。また、等コントラスト比100:1の高コントラスト領域も全方位について拡大していることが確認できた。
次に、比較例について説明する。
比較例1は、バックライト光が第1光学素子OD1と液晶層LQを透過した後の光の偏光状態が楕円率=0.791となるほぼ円偏光に近い状態となるように構成されたものである。この比較例1においては、第2位相差板RF2が第2光学素子OD2に含まれていることを除けば、他のパラメーターは全て本実施例の構成と同一である。
図12には、比較例1におけるコントラスト比の視野角依存性のシミュレーション結果を示す。すなわち、比較例1では、等コントラスト比10:1及び100:1の領域がいずれも実施例と比較して狭いことがわかる。これは、楕円率が視角に依存して変化し、しかも、第1光学素子OD1及び液晶層LQを透過した後の楕円偏光の楕円率と、外光が第2光学素子OD2を透過した後の楕円偏光の楕円率とが、視角の増大に伴って乖離することが原因である。
比較例2の液晶表示装置は、第3位相差板RF3の遅相軸D3を第2偏光板の吸収軸A2に対して平行に設定したことを除いて、他のパラメーターは全て本実施例の構成と同一である。図13には、比較例2におけるコントラスト比の視野角依存性のシミュレーション結果を示す。すなわち、比較例2では、等コントラスト比10:1及び100:1の領域がいずれも実施例と比較して狭いことがわかる。
比較例3の液晶表示装置は、第2位相差板RF2のNz係数を1.0に設定したことを除いて、他のパラメーターは全て本実施例の構成と同一である。図14には、比較例3におけるコントラスト比の視野角依存性のシミュレーション結果を示す。すなわち、比較例3では、等コントラスト比10:1の領域は比較例1及び比較例2より拡大しているが、等コントラスト比100:1の領域は実施例と比較して狭いことがわかる。
比較例4の液晶表示装置は、第3位相差板RF3を適用しないことを除いて、他のパラメーターは全て本実施例の構成と同一である。図15には、比較例4におけるコントラスト比の視野角依存性のシミュレーション結果を示す。すなわち、比較例4では、比較例3と同様に、等コントラスト比10:1の領域は比較例1及び比較例2より拡大しているが、等コントラスト比100:1の領域は実施例と比較して狭いことがわかる。
以上のシミュレーション結果から、等コントラスト比10:1の領域だけでなく、等コントラスト比100:1の領域も全方位にわたって拡大するためには、バックライト光が第1光学素子OD1及び液晶層LQを透過した後の光の偏光状態がほぼ直線偏光(楕円率<0.1)であること、偏光板の視野角補償として第3位相差板RF3を適用し且つ遅相軸D3を第2偏光板2の吸収軸A2に対し90°の角度に設定すること、2軸の屈折率異方性を有する第2位相差板RF2を適用し望ましくはNz係数を1.5〜1.6に設定すること、が望ましい。
なお、この発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、その実施の段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。更に、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合わせてもよい。
例えば、スイッチング素子Wがnチャネル薄膜トランジスタで構成された例について説明したが、同様の各種駆動信号を発生できる構成であれば、他の構成であっても良い。
また、上述した実施の形態において、第1位相差板RF1は、液晶フィルム層60のみによって構成することが望ましい。すなわち、実施例においては、第1位相差板RF1は、第2位相差板RF2及び液晶表示パネルLPNの外面(つまりアレイ基板ARを構成する絶縁基板10の外面)に接する液晶フィルム層60によって構成されている。NHフィルムのようなハイブリッド配向した液晶分子を含む液晶フィルム層を備えた位相差板は、ベースフィルム上に配向処理を施し、液晶材料を塗布した後に、液晶分子が所定の配向状態を維持した状態で硬化することによって得られる。ベースフィルムとしてはトリアセテートセルロース(TAC)が広く利用されている。しかしながら、ベースフィルム自身が位相差を有しており、良好な光学補償を実現するためにはこのベースフィルムの位相差も加味して補償する必要がある。そこで、上述した実施例のように、ベースフィルムレスのNHフィルムを適用することにより、簡単に光学補償を実現することができる。
図1は、この発明の一実施の形態に係る液晶表示装置の構成を概略的に示す図である。 図2は、図1に示した液晶表示装置の断面構造を概略的に示す図である。 図3は、図2に示した液晶表示装置に適用可能な第1光学素子及び第2光学素子の構成を概略的に示す図である。 図4は、偏光板の視野角特性を示す図である。 図5は、図3に示した各位相差板の遅相軸の方位及び各偏光板の吸収軸の方位を説明するための図である。 図6は、図3に示した第2位相差板のNz係数が異なる液晶表示装置についてコントラスト比の視野角依存性をシミュレーションした結果を示す図である。 図7は、図3に示した第2位相差板のNz係数が異なる液晶表示装置についてコントラスト比の視野角依存性をシミュレーションした結果を示す図である。 図8は、ホモジニアス配向した液晶分子を含む液晶層への印加電圧と、残留位相差値との関係を示す図である。 図9は、本実施例に係る液晶表示装置において、バックライト光が第1光学素子及び液晶層を透過した後の偏光状態を示した特性図である。 図10は、本実施例において、バックライト光が第1光学素子及び液晶層を透過した後の偏光状態の視角に依存した楕円率の変化と、外光が第2光学素子を透過した後の偏光状態の視角に依存した楕円率の変化とのマッチングを示した特性図である。 図11は、本実施例に係る液晶表示装置におけるコントラスト比の視野角依存性のシミュレーション結果を示す図である。 図12は、比較例1に係る液晶表示装置におけるコントラスト比の視野角依存性のシミュレーション結果を示す図である。 図13は、比較例2に係る液晶表示装置におけるコントラスト比の視野角依存性のシミュレーション結果を示す図である。 図14は、比較例3に係る液晶表示装置におけるコントラスト比の視野角依存性のシミュレーション結果を示す図である。 図15は、比較例4に係る液晶表示装置におけるコントラスト比の視野角依存性のシミュレーション結果を示す図である。
符号の説明
LPN…液晶表示パネル、AR…アレイ基板、CT…対向基板、LQ…液晶層、OD1…第1光学素子、OD2…第2光学素子、51…第1偏光板、RF1…第1位相差板、RF2…第2位相差板、52…第2偏光板、RF3…第3位相差板、BL…バックライトユニット、PX…画素

Claims (2)

  1. 互いに対向して配置された第1基板と第2基板との間にホモジニアス配向した液晶分子を含む液晶層を保持した液晶表示パネルと、
    前記液晶表示パネルの一方の外面に設けられ、第1偏光板と、この第1偏光板と前記液晶表示パネルとの間に配置されその進相軸及び遅相軸を透過する所定波長の光の間に所定の位相差を与えるとともにネマティック液晶分子を法線方向に沿ってハイブリッド配向し且つネマティック液晶分子の平均傾斜角が35度以上に設定された状態で固定化させた第1位相差板と、前記第1偏光板と前記第1位相差板との間に配置されその面内での互いに直交する方位の屈折率をそれぞれnx及びnyとし、その法線方向の屈折率をnzとしたときに、Nz=(nx−nz)/(nx−ny)で与えられるNz係数が1.5以上1.6以下に設定され負の2軸の屈折率異方性を有する第2位相差板と、を有する第1光学素子と、
    前記液晶表示パネルの他方の外面に設けられ、前記第1偏光板の吸収軸と直交する吸収軸を有する第2偏光板と、この第2位相差板と前記液晶表示パネルとの間に配置されその進相軸及び遅相軸を透過する所定波長の光の間に所定の位相差を与えるとともにNz係数が1.0の1軸の屈折率異方性を有する第3位相差板と、を有する第2光学素子と、を備え、
    前記第1光学素子及び前記液晶表示パネルを透過した光の偏光状態は、前記第2光学素子を透過した光と略同一の楕円率を有する直線偏光であり、
    前記第1光学素子において、前記第1偏光板の吸収軸と前記第2位相差板の遅相軸とのなす角度が略45度に設定され、前記第1位相差板の遅相軸と前記液晶層に含まれる液晶分子のダイレクターとが略平行に設定され、且つ、前記第1位相差板の遅相軸と前記第2位相差板の遅相軸とのなす角度が略90度に設定され、
    前記液晶層の残留位相差値と前記第1位相差板の正面位相差値との和は、前記第2位相差板の正面位相差値と略等しく、
    前記第2光学素子において、前記第2偏光板の吸収軸と前記第3位相差板の遅相軸とは略直交することを特徴とする液晶表示装置。
  2. さらに、前記第1光学素子側から前記液晶表示パネルを照明するバックライトユニットを備えたことを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
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