JP5072244B2 - カーボンナノコイル製造用触媒粒子およびその製造方法ならびにカーボンナノコイルの製造方法 - Google Patents

カーボンナノコイル製造用触媒粒子およびその製造方法ならびにカーボンナノコイルの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、カーボンナノコイル製造用触媒粒子およびその製造方法ならびにカーボンナノコイルの製造方法に関するものである。
カーボンナノコイルは、導電性を有しかつコイル形状であることから高性能な電磁波吸収材料としての利用が期待されるとともに、ナノメートルオーダーの大きさであることから、マイクロマシンのスプリングやアクチュエーターの材料としても注目されている。
カーボンナノコイルの製造方法については、1994年にアメリンクス等により初めて、Fe、Co、Ni等の金属触媒を微小粉末に調製し、この金属触媒の近傍を600℃〜700℃に加熱し、この触媒に接触するようにアセチレン等のガスを流しカーボンナノコイルを生成する方法が報告されている。
しかし、この方法は、グラファイト構造からなる線状、曲線状、コイル状等の様々な形状のカーボン生成物が生成するものであった。以来、コイル状のカーボン生成物であるカーボンナノコイルの生成率が高く、工業的に利用できる触媒、製造方法等について多くの報告がなされている。
カーボンナノコイルの生成率が高い触媒としては、本発明者らによる、インジウム・スズ・鉄系の触媒についての報告がある(例えば、特許文献1ないし5等参照。)。
特許文献1および2にはインジウム・スズ・鉄からなる3成分系の触媒やその製造方法が初めて開示されている。特許文献3には、粉体触媒を反応炉に粒子状に分散させてカーボンナノコイルを製造する方法が記載されている。また、特許文献4には、Fe・Sn等の2成分系触媒でもカーボンナノコイルを製造することができることが記載されている。特許文献5には、均一な形状のカーボンナノコイルを製造することを目的として、触媒粒子の大きさを制御する技術が開示されている。
特開2001−192204(平成13年7月17日公開) 特開2001−310130(平成13年11月6日公開) 特開2003−26410(平成15年1月19日公開) 特開2003−200053(平成15年7月15日公開) 特開2004−261630(平成16年9月24日公開)
しかしながら、上記従来のカーボンナノコイル用の触媒は、いずれも工業的に利用するには不十分である。
すなわち、カーボンナノコイルの大量合成のために、また、膜状触媒でできる余分なカーボン生成物を減少させるために、触媒を反応炉中に浮遊させ触媒表面にカーボンナノコイルを大量合成する方法(気相合成法)が望ましいが、上記従来の触媒では、触媒粒子を分散させたときにカーボンナノコイルの生成率が下がるという問題点がある。また、気相合成法では、短時間でカーボンナノコイルが生成する必要がある。
また、上述したように、触媒に関する研究が進み、種々の触媒が報告されているが、製造プロセスが複雑で、また粉体を高温で焼成する必要があり、より簡単に触媒を製造する方法が望まれる。
さらに、従来の2成分系の触媒では、高価なインジウムを用いる必要がないという利点があるが、カーボンナノコイルの生成率が低いという問題がある。カーボンナノコイルの効率的な製造のためには、成長するカーボン生成物中のコイルの割合を向上させる触媒の開発が望まれる。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、気相合成法を用いる場合もカーボンナノコイルの生成率が高く、短時間でカーボンナノコイルが成長し、より簡単に製造することができる2成分系のカーボンナノコイル製造用触媒粒子およびその製造方法ならびにカーボンナノコイルの製造方法を実現することにある。
本発明者らは上記課題に鑑み鋭意検討した結果、カーボンナノコイルを化学的気相成長法により製造するための触媒粒子が特定の構造を有するときに、触媒粒子を反応炉内で分散させてカーボンナノコイルを合成したときでもカーボンナノコイルの生成率が高いことを始めて見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明にかかるカーボンナノコイル製造用触媒粒子は、外直径が1000nm以下であるカーボンナノコイルを化学的気相成長法により製造するためのカーボンナノコイル製造用触媒粒子であって、該カーボンナノコイル製造用触媒粒子は、SnOの一次粒子または二次粒子である中心部と、該中心部の周囲に付着する、遷移金属の一次粒子もしくは二次粒子、または、遷移金属の酸化物の一次粒子もしくは二次粒子とからなることを特徴としている。
上記の構成によれば、触媒を反応炉中に浮遊させ触媒表面にカーボンナノコイルを合成する気相合成法においても、カーボンナノコイルを高い生成率で製造することができる。
上記中心部であるSnOの一次粒子または二次粒子の粒子径は、50nm以上1000nm以下であることが好ましい。
上記の構成によれば、触媒を反応炉中に浮遊させ触媒表面にカーボンナノコイルを合成する気相合成法においても、カーボンナノコイルを高い生成率で製造することができる。
上記遷移金属は、Fe、CoまたはNiであることが好ましく、上記遷移金属の酸化物はFeであることが好ましい。
本発明にかかるカーボンナノコイル製造用触媒粒子の製造方法は、遷移金属の金属塩または金属水酸化物をポリオール中で加熱して当該遷移金属の金属微粒子または金属酸化物微粒子を合成する金属微粒子合成工程と、合成された金属微粒子または金属酸化物微粒子を分離しまたは分離しないで洗浄して当該金属微粒子または当該金属酸化物微粒子の有機溶剤分散液を得る精製工程と、得られた金属微粒子または金属酸化物微粒子の有機溶剤分散液にSnO粉末を混合するSnO混合工程とを含んでいることを特徴としている。
上記の構成によれば、粉体を高温で焼成する必要がなく、より簡単に触媒を製造することが可能となる。また、上述したSnOの粒子である中心部と、該中心部の周囲に付着する、遷移金属または遷移金属の酸化物の粒子とからなるカーボンナノコイル製造用触媒粒子を好適に製造することができる。
上記の構成によれば、触媒を反応炉中に浮遊させ触媒表面にカーボンナノコイルを合成する気相合成法では、1個のカーボンナノコイル製造用触媒粒子から1本のナノコイルが得られる。それゆえ、得られたカーボンナノコイルを容易に回収することができる。
また、本発明にかかるカーボンナノコイル製造用触媒粒子は、上記方法によって得られるカーボンナノコイル製造用触媒粒子であってもよい。
また、本発明にかかるカーボンナノコイル製造用触媒粒子の他の製造方法は、遷移金属の金属塩または金属水酸化物とSnO粉末とをポリオール中で加熱して当該遷移金属の金属微粒子または金属酸化物微粒子とSnOとの複合体を合成する複合体合成工程と、合成された金属微粒子または金属酸化物微粒子とSnOとの複合体を分離しまたは分離しないで洗浄して該複合体の有機溶剤分散液を得る精製工程とを含んでいることを特徴としている。
上記の構成によれば、粉体を高温で焼成する必要がなく、より簡単に触媒を製造することが可能となる。また、上述したSnOの粒子である中心部と、該中心部の周囲に付着する、遷移金属または遷移金属の酸化物の粒子とからなるカーボンナノコイル製造用触媒粒子を好適に製造することができる。
上記の構成によれば、より短時間でカーボンナノコイルが成長するため、気相合成法に好適に用いることができる。
また、本発明にかかるカーボンナノコイル製造用触媒粒子は、上記方法によって得られるカーボンナノコイル製造用触媒粒子であってもよい。
上記遷移金属は、Fe、CoまたはNiであることが好ましく、上記金属酸化物微粒子は、Fe微粒子であることが好ましい。
上記カーボンナノコイル製造用触媒粒子を構成しているFe微粒子は、粒子径が8nm以上15nm以下の一次粒子が凝集して形成された粒子径が30nm以上300nm以下の二次粒子であることが好ましい。
また、本発明にかかるカーボンナノコイルの製造方法は、炭素源となる分子の気体または該気体と不活性なキャリアガスとの混合気体が流れる反応炉内部に、上記カーボンナノコイル製造用触媒粒子を浮遊させ、該カーボンナノコイル製造用触媒粒子の表面にカーボンナノコイルを成長させることを特徴としている。
上記の構成によれば、触媒を反応炉中に浮遊させ触媒表面にカーボンナノコイルを合成する気相合成法においても、カーボンナノコイルを高い生成率で製造することができる。
本発明にかかるカーボンナノコイル製造用触媒粒子は、以上のように、SnOの一次粒子または二次粒子である中心部と、該中心部の周囲に付着する遷移金属の一次粒子もしくは二次粒子、または、遷移金属の酸化物の一次粒子もしくは二次粒子とからなる構成を備えているので、カーボンナノコイルの生成率が高いという効果を奏する。
本発明にかかるカーボンナノコイル製造用触媒粒子の製造方法は、以上のように、遷移金属の金属塩または金属水酸化物をポリオール中で加熱して当該遷移金属の金属微粒子または金属酸化物微粒子を合成する金属微粒子合成工程と、合成された金属微粒子または金属酸化物微粒子を分離しまたは分離しないで洗浄して当該金属微粒子または当該金属酸化物微粒子の有機溶剤分散液を得る精製工程と、得られた金属微粒子または金属酸化物微粒子の有機溶剤分散液にSnO粉末を混合するSnO混合工程とを含んでいるので、粉体を高温で焼成する必要がなく、より簡単に触媒を製造することが可能となるという効果を奏する。また、上述したSnOの粒子である中心部と、該中心部の周囲に付着する、遷移金属または遷移金属の酸化物の粒子とからなるカーボンナノコイル製造用触媒粒子を好適に製造することができる。
本発明にかかるカーボンナノコイル製造用触媒粒子の製造方法は、以上のように、遷移金属の金属塩または金属水酸化物とSnO粉末とをポリオール中で加熱して当該遷移金属の金属微粒子または金属酸化物微粒子とSnOとの複合体を合成する複合体合成工程と、合成された金属微粒子または金属酸化物微粒子とSnOとの複合体を分離しまたは分離しないで洗浄して該複合体の有機溶剤分散液を得る精製工程とを含んでいるので、粉体を高温で焼成する必要がなく、より簡単に触媒を製造することが可能となるという効果を奏する。また、上述したSnOの粒子である中心部と、該中心部の周囲に付着する、遷移金属または遷移金属の酸化物の粒子とからなるカーボンナノコイル製造用触媒粒子を好適に製造することができる。
本発明について図1ないし図9に基づいて説明すると以下の通りである。
(1)カーボンナノコイル製造用触媒粒子
本発明にかかるカーボンナノコイル製造用触媒粒子は、外直径が1000nm以下であるカーボンナノコイルを化学的気相成長法により製造するためのカーボンナノコイル製造用触媒粒子であって、前記カーボンナノコイル製造用触媒粒子は、SnOの粒子である中心部と、前記中心部の周囲に付着する遷移金属または遷移金属の酸化物の粒子とからなっている。
本発明にかかるカーボンナノコイル製造用触媒粒子は、外直径が1000nm以下であるカーボンナノコイルを化学的気相成長法により製造するために用いられるものである。ここでカーボンナノコイルとは、炭素原子をらせん状に巻回成長させたカーボンコイルであり、その外直径が1000nm以下のものであればよい。したがって、らせん状に巻回成長する炭素原子は、内部が中空であるカーボンナノチューブであってもよいし、内部が中実のカーボンファイバーであってもよい。また、カーボンナノコイルは、複数のカーボンナノチューブや中実のカーボンファイバーがらせん状に巻回して形成されているものであってもよい。
本発明にかかるカーボンナノコイル製造用触媒粒子は、上述したカーボンナノコイルを化学的気相成長法により製造するために用いられる触媒である。ここで、化学的気相成長法とは、炭素源となる分子の気体またはこれと不活性なキャリアガスとの混合気体を、反応炉内部で触媒と共存させ、高温のプロセス温度でカーボンナノコイルを成長させる方法であれば特に限定されるものではない。
したがって、本発明にかかるカーボンナノコイル製造用触媒粒子が用いられる化学的気相成長法によるカーボンナノコイルの製造において、炭素源となる分子、触媒の支持の仕方、装置の構造、反応温度、反応圧力、反応時間、キャリアガス等は特に限定されるものではない。例えば、炭素源となる分子としては、アセチレン、エチレン、メタン等の炭化水素が用いられる。また、反応温度は通常400℃〜800℃である。
本発明にかかるカーボンナノコイル製造用触媒粒子は、上記カーボンナノコイルを化学的気相成長法により製造するためのカーボンナノコイル製造用触媒粒子であって、SnOの一次粒子または二次粒子である中心部と、前記中心部の周囲に付着する遷移金属の一次粒子もしくは二次粒子、または、遷移金属の酸化物の一次粒子もしくは二次粒子とからなっている。図1に本発明にかかるカーボンナノコイル製造用触媒粒子を模式的に示す。図1に示すように、本発明にかかるカーボンナノコイル製造用触媒粒子は、SnOの粒子である中心部2と、前記中心部2の周囲に付着する遷移金属または遷移金属の酸化物の粒子3とからなっている。ここで、中心部2となっているSnOの粒子は、SnOの一次粒子であってもよいし、SnOの一次粒子1が複数凝集することにより形成された二次粒子であってもよい。また、遷移金属または遷移金属の酸化物の粒子3も、遷移金属またはその酸化物の一次粒子であってもよいし、遷移金属または遷移金属の酸化物の一次粒子4が複数凝集することにより形成された二次粒子であってもよい。
SnOとFe、CoまたはNiの酸化物とからなる2成分系の触媒を用いて、化学的気相成長法により、カーボンナノコイルを製造することができることは、上述した特許文献4で、本発明者らにより報告されているが、かかる場合、成長するカーボン生成物は、カーボンナノコイル、カーボンナノチューブ、カーボンナノツイスト等を含む混合物であり、そのうち生成するカーボンナノコイルの割合(生成率)が未だ低いという問題がある。本発明のカーボンナノコイル製造用触媒粒子は、上記構造を有することにより、得られるカーボン生成物中のカーボンナノコイルの割合を向上させることを可能とする。
上記遷移金属は特に限定されるものではなく、遷移金属であればどのような金属でもよいが、中でも上記遷移金属は、Fe、Co、Ni等であることがより好ましく、Feであることがさらに好ましい。これにより、カーボンナノコイルの割合がより高いカーボン生成物を製造することができる。
また、上記遷移金属の酸化物も特に限定されるものではないが、Fe、Co、Ni等の酸化物であることがより好ましい。かかる酸化物としては、具体的には、例えば、FeO、Fe、Fe、Co、CoO、NiO、Ni、NiO等を挙げることができる。中でも上記酸化物はFeの酸化物であることがより好ましく、Feであることがさらに好ましい。Feの酸化物を用いることにより、触媒を安定にする(酸化しない)ことができる。また、Feは、従来からカーボンナノコイル用粉体触媒に用いられているFeよりも触媒活性がより高いと考えられるため好ましい。
本発明のカーボンナノコイル製造用触媒粒子において、上記中心部2は、1つのSnOの一次粒子またはSnOの一次粒子1が複数凝集することにより形成された二次粒子である。上記中心部であるSnOの一次粒子または二次粒子の粒子径、言い換えれば、中心部2が1つの一次粒子でできているときの当該一次粒子の粒子径または中心部2が二次粒子でできているときの当該二次粒子の粒子径は、50nm以上1000nm以下であることが好ましい。上記中心部であるSnOの一次粒子または二次粒子の粒子径がかかる範囲内であると、カーボンナノコイルを好適に製造することができるため好ましい。また、上記中心部であるSnOの一次粒子または二次粒子の粒子径は、50nm以上700nm以下であることがより好ましく、50nm以上200nm以下であることがさらに好ましい。上記中心部であるSnOの一次粒子または二次粒子の粒子径が上記範囲内であることにより、カーボンナノコイルをより好適に生成させることができる。
なお、本明細書において、他に特に規定する場合を除き、粒子径とは以下の方法で決定された値をいう。まず、試料となる粒子の分散液の数箇所から試料を採取する。それぞれの試料について、透過型電子顕微鏡による観察を行い、数箇所から採取した試料全体で、合計50個以上の触媒粒子に対して、それぞれ、対象となる粒子1つの長軸径、すなわち、粒子の形状の最も寸法の大きい方向の寸法を、顕微鏡写真から計測する。計測した50個以上の値のうち、計測値数にして、上下各20%を除いた、全計測値数の60%の計測値を平均した値を本発明における粒子径とする。
本発明のカーボンナノコイル製造用触媒粒子において、中心部2の周囲に付着する遷移金属または遷移金属の酸化物の粒子3も、一次粒子または二次粒子である。中心部2の周囲に付着する遷移金属または遷移金属の酸化物の一次粒子または二次粒子の粒子径、言い換えれば、粒子3が1つの一次粒子でできているときの当該一次粒子の粒子径または粒子3が二次粒子でできているときの当該二次粒子の粒子径は、30nm以上300nm以下であることが好ましい。これによりカーボンナノコイルをより好適に生成させることができる。例えば、後述するポリオールを用いる方法によりカーボンナノコイル製造用触媒粒子を製造する場合、遷移金属の酸化物Feの粒子3は8nm以上15nm以下、より好ましく10nm前後の一次粒子から形成される30nm以上300nm以下の二次粒子である。
また、ここで、SnOからなる中心部2の周囲に付着する遷移金属またはその酸化物の二次粒子3の数は特に限定されるものではない。したがって、上記中心部の周囲を多数の遷移金属または遷移金属その酸化物の粒子が取り囲んで外皮部を形成する構成であってもよいし、上記中心部の周囲に複数の遷移金属またはその酸化物の粒子が隙間のある状態で付着していてもよいし、上記中心部の周囲に少数の遷移金属またはその酸化物の粒子が付着していてもよい。
さらに、SnOからなる中心部2の周囲に付着する遷移金属またはその酸化物の粒子3の数は複数であることが好ましいが、遷移金属またはその酸化物の粒子の外側にさらにSnOの粒子が接するような、SnO−遷移金属またはその酸化物−SnO構造となっていないことを条件に、遷移金属またはその酸化物の粒子3の数は1個であってもよい。かかる場合にもカーボンナノコイルを生成させることが可能である。
また、SnOからなる中心部2の周囲に付着する遷移金属またはその酸化物の粒子3の数が複数である場合にも、カーボンナノコイル製造用触媒粒子は、互いに独立して存在し、遷移金属またはその酸化物の粒子の外側にさらにSnOの粒子が接するような、SnO−遷移金属またはその酸化物−SnO構造となっていないことが好ましい。SnO−遷移金属またはその酸化物−SnO構造が存在すると、カーボンナノコイルが成長しなくなるため好ましくない。
上述したカーボンナノコイル製造用触媒粒子の構造は、透過型電子顕微鏡によって確認することができる。また、透過型電子顕微鏡像中の粒子が特定の粒子であることは組成分析(EDAX:エネルギー分散型蛍光X線分析)により確認することができる。
(2)カーボンナノコイル製造用触媒粒子の製造方法
本発明にかかるカーボンナノコイル製造用触媒粒子の製造方法は、上述した構造を有するカーボンナノコイル製造用触媒粒子を製造することができる方法であれば特に限定されるものではなくどのような方法であってもよいが、例えば、遷移金属の金属塩または金属水酸化物をポリオール中で加熱することにより金属微粒子または金属酸化物微粒子を合成する工程を含む方法を好適に用いることができる。
かかる方法は、金属塩や金属水酸化物をポリオール中で還元することにより、ナノおよびマイクロメーターサイズの金属微粒子を合成するために好適な手法として知られているポリオール法を応用したものである。ポリオール法における金属微粒子の合成は、金属塩、金属水酸化物等の前駆物質のポリオールへの溶解、溶解した前駆物質のポリオールによる還元、溶液中における金属粒子の核形成および成長という過程で進行する。本発明者らは、かかるポリオール法を、触媒の大量生産に利用することができないかと考え、実際にFe塩を用いて製造を試みたところ、金属酸化物微粒子を合成できることを見出し、そして、かかる金属酸化物粒子をSnO粉末と混合することによって得られる粒子が、上述したようなSnOからなる中心部と、かかる中心部の周囲に付着する金属酸化物粒子とからなる構造を有し、高効率にカーボンナノコイルを製造可能であることを見出した。またかかる知見より、ポリオール法を用いて得られる金属微粒子についても同様の構造を有するカーボンナノコイル製造用触媒粒子を製造できると考えられる。
以下、本発明にかかるカーボンナノコイル製造用触媒粒子を製造する方法の一例として、遷移金属の金属塩または金属水酸化物をポリオール中で加熱することにより金属微粒子または金属酸化物微粒子を合成する工程を含む方法について2つの実施形態を挙げ説明する。
(2−1)
まず第1の実施形態では、遷移金属の金属塩または金属水酸化物をポリオール中で加熱することによりこれらの金属微粒子または金属酸化物微粒子を合成し、得られた金属微粒子または金属酸化物微粒子をSnO粉末と混合することによって本発明にかかるカーボンナノコイル製造用触媒粒子を製造する。なお、本実施形態にかかる製造方法によって製造されたカーボンナノコイル製造用触媒粒子を、便宜上以下、適宜「混合触媒」と称する。
すなわち、本実施形態にかかるカーボンナノコイル製造用触媒粒子の製造方法は、遷移金属の金属塩または金属水酸化物をポリオール中で加熱してこれらの金属微粒子または金属酸化物微粒子を合成する金属微粒子合成工程と、合成された金属微粒子または金属酸化物微粒子を分離しまたは分離せずに洗浄して前記金属微粒子または金属酸化物微粒子の有機溶剤分散液を得る精製工程と、得られた金属微粒子または金属酸化物微粒子の有機溶剤分散液にSnO粉末を混合するSnO混合工程と含んでいればよい。
<金属微粒子合成工程>
上記金属微粒子合成工程は、遷移金属の金属塩または金属水酸化物をポリオール中で加熱してこれらの金属微粒子または金属酸化物微粒子を合成する方法であれば特に限定されるものではない。なお、遷移金属の金属塩のポリオール中における加熱は塩基の存在下で行うことが好ましい。これにより、微粒子合成の前駆体となる金属水酸化物の生成を誘発し、金属微粒子または金属酸化物微粒子の合成が効率よく行なわれるようになると考えられる。
ここで上記遷移金属は、遷移金属であればよく特に限定されるものではないが、Fe、Co、Ni等であることがより好ましい。また、遷移金属の金属塩も特に限定されるものではないが、Fe、Co、Ni等の金属塩であることがより好ましい。かかる金属塩としては、具体的には、例えば、FeCl、FeCl、CoCl、CoCl、NiCl、NiCl等の塩化物;Fe(NO、Fe(NO、Co(NO、Ni(NO等の硝酸塩;FeSO、CoSO、NiSO等の硫酸塩;酢酸鉄、酢酸コバルト、酢酸ニッケル等の酢酸塩;鉄アセチルアセトナート、コバルトアセチルアセトナート、ニッケルアセチルアセトナート等のアセチルアセトナート等またはこれらの水和物を挙げることができる。中でも上記金属塩はFeClまたはその水和物、FeSOまたはその水和物等であることがより好ましい。また、遷移金属の金属水酸化物も特に限定されるものではないが、Fe、Co、Ni等の金属水酸化物であることがより好ましい。
また、上記ポリオールとは、分子中に2個以上のアルコール性水酸基を有する化合物をいい、上記金属塩または金属水酸化物と加熱したときに金属微粒子または金属酸化物微粒子が生成するものであれば特に限定されるものではないが、具体的には、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール等のブタンジオール、1,5−ペンタンジオール等のペンタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール等を挙げることができる。また上記ポリオールとしては、これらの化合物を単独で用いてもよいし2種類以上を混合して用いてもよい。中でも上記ポリオールはエチレングリコールであることがより好ましい。本工程においてポリオールを用いる理由は、ポリオールは沸点が他の溶媒に比べて高く微粒子合成時に微粒子が結晶化しやすいこと、還元力があり金属微粒子の合成が可能であることである。
また、上記金属塩または金属水酸化物は上記ポリオールに溶解できるものであることが好ましいが、溶解しない場合には、上記ポリオール中に分散させて反応させればよい。
上記ポリオールに対して用いる上記金属塩または金属水酸化物の量は、ポリオール1Lに対して、0.05mol以上0.5mol以下であることが好ましく、0.05mol以上0.2mol以下であることがより好ましい。上記ポリオールに対して用いる上記金属塩または金属水酸化物の量がポリオール1Lに対して、0.05mol未満であると所定の微粒子が合成されないため好ましくない。また、0.5molより大きいと微粒子の粒子径が大きくなりすぎるため好ましくない。
なお、上記塩基は、特に限定されるものではないが、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等を挙げることができる。中でも、上記塩基は水酸化ナトリウムであることがより好ましい。ここで、加える塩基の量としては、金属塩または金属水酸化物のポリオール溶液1Lに対して、0.5mol以上1.5mol以下であればよい。塩基の量が、金属塩または金属水酸化物のポリオール溶液1Lに対して、0.5mol未満であると微粒子が合成されないので好ましくない。また、1.5molを超えると塩基がポリオール溶液に溶けずに残ってしまうので好ましくない。
本工程において、ポリオール中で、上記金属塩または金属水酸化物を加熱するときの温度は、本工程を常圧で行う場合、150℃以上であることが好ましい。なお、ポリオールを沸騰させながら反応を行うことで、ポリオールの沸点に相当する温度で反応を行えばよい。
<精製工程>
精製工程では合成された金属微粒子または金属酸化物微粒子を分離しまたは分離せずに洗浄して当該金属微粒子または金属酸化物微粒子の有機溶剤分散液を得る。精製工程は、どのような方法を用いてもよいが、例えば、合成された金属微粒子または金属酸化物微粒子を含むポリオール溶液から金属微粒子または金属酸化物微粒子を分離し、分離した金属微粒子または金属酸化物微粒子を有機溶剤で洗浄し最終洗浄のときに前記金属微粒子または金属酸化物微粒子の有機溶剤分散液を得る方法を好適に用いることができる。ここで、金属微粒子または金属酸化物微粒子を含むポリオール溶液から金属微粒子または金属酸化物微粒子を分離する方法は特に限定されるものではなく、例えば、通常のデカンテーションを用いればよい。また、FeやFeのように磁性を持つ金属微粒子または金属酸化物微粒子に対しては、磁石を用いて金属微粒子または金属酸化物微粒子を分離することができる。かかる場合は、例えば、磁石を用いて、金属微粒子または金属酸化物微粒子を容器の底部に集め、上澄みを取り除いた後、後述する洗浄用の有機溶剤を加えて金属微粒子または金属酸化物微粒子をそのまま洗浄することもできる。このような磁石を用いた分離方法により、金属微粒子または金属酸化物微粒子を効率よく容易に分離することができる。
上記有機溶剤としては、特に限定されるものではないが、沸点が比較的低い化合物であることがより好ましい。沸点が低い化合物を用いることにより、揮発が容易となる。
上記有機溶剤としては、具体的には、例えば、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、イソブチルアルコール、イソペンチルアルコール等のアルコール;アセトン、2−ブタノン、3−ペンタノン、メチルイソプロピルケトン、メチルn−プロピルケトン、3−ヘキサノン、メチルn−ブチルケトン等のケトン;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン等のエーテル;ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン等の低級飽和炭化水素;酢酸エチルエステル等のエステル;ジメチルスルホキシド(DMSO);N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、ヘキサメチルリン酸トリアミド(HMPA)等のアミド;アセトニトリル等のニトリル等を挙げることができる。
<SnO粉末混合工程>
SnO粉末混合工程では、得られた前記金属微粒子または金属酸化物微粒子の有機溶剤分散液にSnO粉末を混合する。ここで、混合するSnO粉末は、市販品を用いてもよいし、公知の合成方法を用いて合成したものであってもよい。また、本工程で用いるSnO粉末の粒子径は特に限定されるものではないが、例えば、50nm以上1000nm以下であることが好ましい。
ここで、混合するSnO粉末と金属微粒子または金属酸化物微粒子との割合は、特に限定されるものではなく、化学的気相成長法を用いたカーボンナノコイルの合成における、カーボンナノコイル製造用触媒粒子の導入方法等に応じて適宜選択すればよい。
例えば、化学的気相成長法を用いたカーボンナノコイルの合成において、カーボンナノコイル製造用触媒粒子の濃縮分散液を例えば基板上に膜状に塗布し乾燥させる場合のように、カーボンナノコイル製造用触媒粒子が密度の高い状態で導入される場合は、(遷移金属またはその酸化物の重量/SnOの重量)は、0.5以上の有限値であることがより好ましく、1.5以上であることがさらに好ましい。(遷移金属またはその酸化物の重量/SnOの重量)が0.5未満であると、触媒中で隣接したSnO粒子同士の相互作用により、カーボンナノコイルの生成率が減少する場合がある。
また、例えば、触媒を反応炉中に浮遊させ触媒表面にカーボンナノコイルを合成する場合、触媒粒子の希薄液を基板上に滴下してスピンコートする場合等のように分散した状態で導入される場合は、(遷移金属またはその酸化物の重量/SnOの重量)は、0以上2以下であることがより好ましく、0以上1.5以下であることがさらに好ましい。これにより、化学的気相成長法を用いたカーボンナノコイルの合成において、カーボンナノコイル製造用触媒粒子を分散して導入した場合にも、SnOの粒子である中心部と、前記中心部の周囲に付着する遷移金属またはその酸化物の粒子とからなるカーボンナノコイル製造用触媒粒子がより高い割合で形成される。
また、従来カーボンナノコイル製造に触媒粒子を用いる場合は、高温での焼成が必要であったが、本実施形態にかかるカーボンナノコイル製造用触媒粒子の製造方法用いることにより、ポリオール中でその沸点付近の温度で加熱することにより、結晶性の高い触媒粒子を製造することができる。それゆえ、焼成工程が不要で、簡単に触媒粒子を得ることができる。また溶液法を用いて触媒粒子を生産する方法であることから大量生産にも適している。
(2−2)
次に第2の実施形態では、遷移金属の金属塩または金属水酸化物とSnO粉末とをポリオール中で加熱することによって本発明にかかるカーボンナノコイル製造用触媒粒子を製造する。なお、本実施形態にかかる製造方法によって製造されたカーボンナノコイル製造用触媒粒子を、便宜上以下、適宜「複合触媒」と称する。
すなわち、本実施形態にかかるカーボンナノコイル製造用触媒粒子の製造方法は、遷移金属の金属塩または金属水酸化物とSnO粉末とをポリオール中で加熱して遷移金属の金属微粒子または金属酸化物微粒子とSnOとの複合体を合成する複合体合成工程と、合成された金属微粒子または金属酸化物微粒子とSnOとの複合体を分離しまたは分離せずに洗浄してその有機溶剤分散液を得る精製工程とを含んでいればよい。
<複合体合成工程>
上記複合体合成工程は、遷移金属の金属塩または金属水酸化物とSnO粉末とをポリオール中で加熱して遷移金属の金属微粒子または金属酸化物微粒子とSnOとの複合体を合成する方法であればよい。なお、遷移金属の金属塩を用いる場合、ポリオール中における加熱は、(2−1)で説明した理由と同様の理由より塩基の存在下で行うことが好ましい。
ここで上記遷移金属の金属塩または金属水酸化物、上記ポリオール、上記ポリオールに対して用いる上記金属塩または金属水酸化物の量、上記塩基、上記塩基の量、加熱の温度、SnO粉末は、(2−1)で説明したとおりであるのでここでは説明を省略する。
また、上記金属塩または金属水酸化物とSnO粉末とは上記ポリオールに溶解できるものであることが好ましいが、溶解しない場合には、上記ポリオール中に分散させて反応させればよい。
また、混合するSnO粉末と金属塩または金属水酸化物との割合は特に限定されるものではなく、得られるカーボンナノコイル製造用触媒粒子のSnO粉末と金属微粒子または金属酸化物微粒子との割合も特に限定されるものではない。SnO粉末と金属微粒子または金属酸化物微粒子との割合は、化学的気相成長法を用いたカーボンナノコイルの合成における、カーボンナノコイル製造用触媒粒子の導入方法等に応じて適宜選択すればよい。
例えば、触媒を反応炉中に浮遊させ触媒表面にカーボンナノコイルを合成する場合、触媒粒子の希薄液を基板上に滴下してスピンコートする場合等のように分散した状態で導入される場合は、(遷移金属またはその酸化物の重量/SnOの重量)は、特に限定されるものではないが、0.4以上2以下であることがより好ましく、0.7以上1.5以下であることがさらに好ましい。これにより、化学的気相成長法を用いたカーボンナノコイルの合成において、カーボンナノコイル製造用触媒粒子を分散して導入した場合にも、SnOの粒子である中心部と、前記中心部の周囲に付着する遷移金属またはその酸化物微粒子の粒子とからなるカーボンナノコイル製造用触媒粒子がより高い割合で形成される。
また、従来カーボンナノコイル製造に触媒粒子を用いる場合は、高温での焼成が必要であったが、本実施形態にかかるカーボンナノコイル製造用触媒粒子の製造方法用いることにより、ポリオール中でその沸点付近の温度で加熱することにより、結晶性の高い触媒粒子を製造することができる。それゆえ、焼成工程が不要で、簡単に触媒粒子を得ることができる。また溶液法を用いて触媒粒子を生産する方法であることから大量生産にも適している。
<精製工程>
精製工程では、合成された金属微粒子または金属酸化物微粒子とSnOとの複合体を分離しまたは分離せずに洗浄してその有機溶剤分散液を得る。精製工程についても(2−1)で説明したとおりであるのでここでは説明を省略する。
(3)カーボンナノコイルの製造方法
上述したように、本発明にかかるカーボンナノコイル製造用触媒粒子は、カーボンナノコイル製造用触媒粒子が、例えば、触媒を反応炉中に浮遊させ触媒表面にカーボンナノコイルを合成する場合、触媒粒子の希薄液を基板上に滴下してスピンコートする場合等のように分散した状態で導入される場合にも、高い生成率でカーボンナノコイルを成長させることができる。かかる、触媒を反応炉中に浮遊させ触媒表面にカーボンナノコイルを合成する気相合成法は、カーボンナノコイルの大量合成のために、また、膜状触媒でできる余分なカーボン生成物を減少させるために非常に望ましい方法である。
したがって、本発明には、炭素源となる分子の気体または該気体と不活性なキャリアガスとの混合気体が流れる反応炉内部に、本発明にかかるカーボンナノコイル製造用触媒粒子を浮遊させ、該カーボンナノコイル製造用触媒粒子の表面にカーボンナノコイルを成長させるカーボンナノコイルの製造方法も含まれる。
ここで、炭素源となる分子は、(1)で説明したとおりであるのでここでは説明を省略する。また、キャリアガスとしては、不活性ガスであれば特に限定されるものではないが、例えば、窒素、アルゴン、ヘリウム等を好適に用いることができる。また、反応炉の構造も特に限定されるものではなく、どのようなものであってもよい。
本発明にかかるカーボンナノコイル製造用触媒粒子を浮遊させる方法も特に限定されるものではないが、例えば、噴霧ノズルから本発明にかかるカーボンナノコイル製造用触媒粒子の希薄分散液を噴霧する方法等を挙げることができる。
なお、本発明にかかるカーボンナノコイルの製造方法はこれに限定されるものではなく、カーボンナノコイル製造用触媒粒子の反応炉への導入方法は、基板上にカーボンナノコイル製造用触媒粒子を分散する方法であってもよいし、基板上にカーボンナノコイル製造用触媒粒子の膜を形成する方法であってもよい。
本発明について、実施例および図2〜9に基づいてより具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。当業者は本発明の範囲を逸脱することなく、種々の変更、修正、および改変を行うことができる。
〔実施例1: カーボンナノコイル製造用触媒粒子(混合触媒)の製造〕
FeCl・4HOをエチレングリコール中で加熱することによりFe微粒子を合成し、得られたFe微粒子をSnO粉末と混合することによって本発明にかかるカーボンナノコイル製造用触媒粒子を製造した。
<Fe合成工程>
30mlのエチレングリコールにFeCl・4HOを0.003mol(0.583g)加えて、塩化鉄が完全に溶解するまで室温で攪拌した。このようにして、Fe2+イオンの0.1mol/Lエチレングリコール溶液を30ml用意した。
得られたエチレングリコール溶液を攪拌しながら、このエチレングリコール溶液に1.4〜1.5gの水酸化ナトリウム粉末を加えた。水酸化ナトリウムを加えた直後にエチレングリコール溶液は濃緑色となった。この濃緑色の溶液を、時間をおかずに100℃まで加熱し、水酸化ナトリウムが完全に溶解するまで100℃で攪拌した。
水酸化ナトリウムが完全に溶解したエチレングリコール溶液を、急速に、100℃から沸点まで数分で加熱して沸騰させた。沸騰している溶液の温度はエチレングリコールの沸点である195℃程度であったと考えられる。
沸騰している溶液を攪拌しながらさらに数分〜5分間沸騰させると、濃緑色の液体が黒色になった。これにより、Fe微粒子が合成されたことが示された。得られた黒色の溶液を攪拌しながら室温まで冷却した。鉄イオンが完全に反応したと仮定すると、得られたFe微粒子は0.001mol(0.23065g)である。
<精製工程>
磁石を用いて、得られたFe微粒子のエチレングリコール溶液を、Fe微粒子と溶媒(エチレングリコール+ナトリウムイオン+塩素イオン+未反応のOH)とに分離した。具体的には、ビーカーを磁石の上に置くことにより、磁性体であるFe微粒子をビーカーの底部に集めた。
ビーカー内の上澄み液を取り除いて、ビーカーにエタノール(100mlのビーカーに対して50ml程度)を加えてFe微粒子を洗浄した。これにより、ナトリウムイオン、塩素イオンおよび未反応のOHイオンを取り除いた。
同様の操作を2〜3回繰り返してFe微粒子を洗浄し、最後に上澄み液を取り除かずに、Fe微粒子をエタノール中に分散させた分散液を得た。
<SnO混合工程>
得られた分散液に、市販のSnO粉末(キシダ化学社製)1.15gを加えて、プラスティックさじ等で「弱く」攪拌することによりカーボンナノコイル製造用触媒粒子を得た。なお、ここでは、超音波やホモジナイザーによる分散は、触媒構造を崩すので用いない。Fe:SnOの重量比は1:5((Feの重量/SnOの重量)=0.2)であった。
<Fe微粒子の同定>
上記精製工程後に得られたFe微粒子を乾燥し、X線回折を行った。X線回折は、RINT2500(リガク社製)を用いて、CuKα線(λ=0.154nm)を用いて行った。図2に、X線回折の結果を示す。図2に示すように、得られた回折パターンより、合成された微粒子がスピネル構造を持つ微粒子であることが判った。図2中アスタリスクで示したピークがFeのパターンである。また、微粒子の色が黒色であることから、合成された微粒子はFe微粒子であると断定できた。
<Fe微粒子の走査型電子顕微鏡による観察>
得られたFe微粒子の形状、粒子径を、走査型電子顕微鏡により観察した。走査型電子顕微鏡による観察は、JSM−7401F(日本電子製)を用い、試料として、Fe微粒子をエタノール中に分散させた分散液を用いて行った。
図3に得られたFe微粒子の走査型電子顕微鏡による観察結果を示す。なお図3中のスケールバーは100nmを示す。この走査型電子顕微鏡写真中から無作為に50個以上の粒子をサンプリングし、その粒子の直径(球の場合)または長軸径(球でない場合)の寸法を電子顕微鏡写真から計測した。その結果、得られたFe微粒子は、粒子の直径が数十nm〜250nmの間で広く分布していた。
<カーボンナノコイル製造用触媒粒子の透過型電子顕微鏡による観察>
得られたカーボンナノコイル製造用触媒粒子を、透過型電子顕微鏡により観察した。透過型電子顕微鏡による観察は、HF−2000(日立製)を用い、試料として、得られたカーボンナノコイル製造用触媒粒子のエタノール分散液1mLを100mL以上のエタノール中に滴下して「弱く」攪拌した希釈エタノール分散液を1滴、グリッドの表面に載置して行った。
まず、Fe微粒子の形状、凝集体の有無を観察した。図4(a)、(b)に、Fe微粒子を観察した結果を示す。なお図4(a)中のスケールバーは50nmを示し、(b)中のスケールバーは10nmを示す。(a)は、Fe微粒子のみが集まった部分を、(b)はFeとSnOとが共存している部分を示す。(b)に示される観察結果(50万倍)より、(a)に示されているFe微粒子は、粒子径が数nmの一次粒子から構成された二次粒子であることが判った。
なお、透過型電子顕微鏡像中の粒子がFe原子で構成された粒子(ここではFe微粒子)であること、またはSn原子で構成された粒子(ここではSnO粒子)であることは、透過型電子顕微鏡に備え付けのEDAX(エネルギー分散型蛍光X線分析)による組成分析により確認された。
図4(a)、(b)に示されるように、得られたカーボンナノコイル製造用触媒粒子には、Fe微粒子のみが集まった部分と、FeとSnOとが共存している部分が存在し、FeとSnOとが共存している確率が高かった。
図5(a)、(b)に、FeとSnOとが共存している部分の透過型電子顕微鏡による観察結果を示す。なお図5(a)、(b)中のスケールバーは100nmを示す。図5(a)、(b)に示すように、SnOの一次粒子が凝集して粒子径数百nm(平均500nm程度)の二次粒子を形成していることが確認された。SnOの二次粒子の周囲には、粒子径が約200nmのFe二次粒子が付着している。後述するように、得られたカーボンナノコイル製造用触媒粒子の希釈エタノール分散液を分散させて、化学的気相成長法によりカーボンナノコイルを製造する場合には、このSnOの二次粒子の周囲にFe二次粒子が付着している構造を1つの触媒粒子とすると、単独の触媒粒子からそれぞれカーボンナノコイルが成長することが判った。
〔実施例2:化学的気相成長法によるカーボンナノコイルの合成〕
<カーボンナノコイル製造用触媒粒子の準備>
操作の手順を図6に示す。実施例1で得られたカーボンナノコイル製造用触媒粒子のエタノール分散液1mLを100mL以上のエタノール中に滴下して「弱く」攪拌し、希釈エタノール分散液を調製した。
1cm角のSi基板をスピンコーターにセットした。スピンコーターにセットされたSi基板上に、調製したカーボンナノコイル製造用触媒粒子の希釈エタノール分散液を数滴滴下して、1500rpmで2分間スピンコートし、カーボンナノコイル製造用触媒粒子が分散したSi基板を得た。なお、Si基板を用いる理由は、基板が切り出しやすいことおよび走査型電子顕微鏡による観察が容易であるためである。
<カーボンナノコイルの合成>
実施例1で得られたカーボンナノコイル製造用触媒粒子を用いて化学的気相成長法でカーボンナノコイルの合成を行った。合成には図7に示すCVD装置を用いた。図7に示すように、長さ:1000mm、内径d:26mmまたは46mmの石英管11を反応炉として用い、当該反応炉を管状炉13(長さ:400mm)にセットした。
上述した方法で準備した触媒粒子を載せたSi基板12を、当該Si基板12が管状炉13の中心にくるようにセットした。反応炉とガスラインとを接続し、ヘリウムで15分間反応炉をパージした。ヘリウムの流量は、内径が26mmの石英管11の場合577sccm、内径が46mmの石英管の場合1740sccmであった。
続いて、反応炉を700℃まで加熱した。反応炉の温度が700℃で安定したら、アセチレン(C)ガスを流した。アセチレンガスの流量は、内径が26mmの石英管11の場合23sccm、内径が46mmの石英管11の場合60sccmであった。すなわち、トータルガス流量は内径が26mmの石英管の場合600sccm、内径が46mmの石英管の場合1800sccmであり、ヘリウムとアセチレンの混合ガス中のアセチレン濃度は3.3〜3.8%であった。
アセチレンガスを決められた時間流した後、反応炉を自然冷却した。反応炉が200℃以下となった時点でガスラインを外し、Si基板12を取り出した。
<得られたカーボンナノコイルの走査型電子顕微鏡による観察>
得られたカーボンナノコイルを、走査型電子顕微鏡により観察した。走査型電子顕微鏡による観察は、JSM−7401F(日本電子製)を用いて行った。
図8に実施例1で得られたカーボンナノコイル製造用触媒粒子を用いて、上述した方法で触媒粒子を分散させたSi基板に、上記方法で10分間アセチレンガスを流し、カーボンナノコイルの合成を行ったときに得られたSi基板を走査型電子顕微鏡により観察した結果を示す。なお、図8中のスケールバーは10μmを示す。図8に示すように、触媒粒子を基板に分散させる場合でも、SnOの二次粒子の周囲に、Fe二次粒子が付着している構造をとる単独の触媒粒子からカーボンナノコイルが成長することが判った。さらに、SnOの二次粒子の周囲にFe二次粒子が付着している構造を有する単独の触媒粒子から一本のカーボンナノコイルが成長していた。したがって、かかる触媒粒子は、これを用いてカーボンナノコイルを製造することによって得られるカーボンナノコイルを容易に回収することができるという利点を有している。
<カーボンナノコイルの生成率>
実施例1で得られたカーボンナノコイル製造用触媒粒子を用いて、上述した方法でカーボンナノコイルの合成を行ったときに得られたカーボンナノコイルの生成率を走査型電子顕微鏡による観察から求めた。
その結果、カーボンナノコイル製造用触媒粒子(SnOの二次粒子の周囲にFe二次粒子が付着している構造を有する単独の触媒粒子)全体の43%が反応し、何らかの長さが1μm以上のカーボン生成物が成長した。未反応のカーボンナノコイル製造用触媒粒子は全体の57%であった。そこで反応しているカーボンナノコイル製造用触媒粒子を下表1に示す3つのカテゴリーに分類し、カテゴリーIに属するカーボンナノコイル製造用触媒粒子のみをカーボンナノコイルを生成するカーボンナノコイル製造用触媒粒子として数えた。カテゴリーIとしたものは、長さが1μm以上であるカーボンナノコイルが少なくとも1本以上成長している、粒子径が500nm以下の触媒粒子であった。カテゴリーIに属する触媒粒子は全体の30%であった。反応しているカーボンナノコイル製造用触媒粒子43%のうち、カテゴリーIを除いた触媒粒子の内訳は、カテゴリーIIが全体の9%、カテゴリーIIIが全体の2%、500nm以上の凝集体が全体の2%であった。なお、カテゴリーIIとしたものは長さが1μm以上の線状(繊維状)カーボン生成物のみが成長している、粒子径が500nm以下の触媒粒子、カテゴリーIIIとしたものは長さが1μm以上の1本以上の二重螺旋状生成物(カーボンナノツイスト)のみ、あるいは二重螺旋状生成物と線状生成物が同時に成長している、粒子径が500nm以下の触媒粒子であった。
この結果より、何らかの長さが1μm以上のカーボン生成物が成長したカーボンナノコイル製造用触媒粒子全体の71%でカーボンナノコイルが成長しており、カーボンナノコイルの生成効率が非常に大きいことが判った。
また、この結果より、本実施例のようにカーボンナノコイル製造用触媒粒子の希薄液を基板上に滴下してスピンコートし、分散した状態で導入される場合に、カーボンナノコイルの生成効率が非常に大きいことから、触媒を反応炉中に浮遊させ、分散した状態で触媒表面にカーボンナノコイルを合成する場合にも同様にカーボンナノコイルの生成効率が大きいとかんがえられる。
〔実施例3: カーボンナノコイル製造用触媒粒子(複合触媒)の製造〕
FeCl・4HOとSnO粉末とをエチレングリコール中で加熱することによりFe微粒子とSnOとの複合体を合成することによって本発明にかかるカーボンナノコイル製造用触媒粒子を製造した。なお、本実施例では、Fe:SnOの重量比が異なる2種類(6:5および4:5)のカーボンナノコイル製造用触媒粒子を製造した。
<FeとSnOとの複合体の合成>
Fe2+イオン濃度が0.1mol/LであるFeCl・4HOのエチレングリコール溶液30mLを調製し、このエチレングリコール溶液を攪拌しながら市販のSnO粉末(キシダ化学社製)を加えた。Fe:SnOの重量比が6:5((Feの重量/SnOの重量)=1.2)のカーボンナノコイル製造用触媒粒子を製造する場合は、0.1917gのSnO粉末を、Fe:SnOの重量比が4:5((Feの重量/SnOの重量)=0.8)のカーボンナノコイル製造用触媒粒子を製造する場合は、0.2875gのSnO粉末を加えた。
SnO粉末を加えたエチレングリコール溶液を2時間以上攪拌した後、攪拌を続けながら、水酸化ナトリウム粉末を1.4g〜1.5g加えて、100℃まで加熱した。この溶液を水酸化ナトリウムが完全に溶解するまで、100℃で攪拌した。なお、溶液は、水酸化ナトリウムを加えた後、濃緑色となった。
水酸化ナトリウムが完全に溶解した後、溶液を急速に、100℃から沸点まで数分で加熱して沸騰させた。沸騰している溶液の温度はエチレングリコールの沸点である195℃程度であったと考えられる。
沸騰している溶液を攪拌しながらさらに数分〜5分間沸騰させると、濃緑色の液体が黒色になった。これにより、Fe微粒子が合成されたことが示された。得られた黒色の溶液を攪拌しながら室温まで冷却し、FeとSnOとの複合体のエチレングリコール溶液を得た。
<精製工程>
磁石を用いて、得られたFe微粒子とSnOとの複合体のエチレングリコール溶液を、FeとSnOとの複合触媒と溶媒とに分離した。具体的には、ビーカーを磁石の上に置くことにより、磁性体であるFe微粒子とSnOとの複合触媒をビーカーの底部に集めた。
ビーカー内の上澄み液を取り除いて、ビーカーにエタノール(100mlのビーカーに対して50ml程度)を加えてFe微粒子とSnOとの複合触媒を洗浄した。これにより、ナトリウムイオン、塩素イオンおよび未反応のOHイオンを取り除いた。
同様の操作を2〜3回繰り返してFe微粒子とSnOとの複合触媒を洗浄し、最後に上澄み液を取り除かずに、本発明にかかるカーボンナノコイル製造用触媒粒子である、Fe微粒子とSnOとの複合触媒をエタノール中に分散させた分散液を得た。
<カーボンナノコイル製造用触媒粒子の透過型電子顕微鏡による観察>
得られたFe:SnOの重量比が4:5のカーボンナノコイル製造用触媒粒子を、透過型電子顕微鏡により観察した。透過型電子顕微鏡による観察は、試料として、得られたカーボンナノコイル製造用触媒粒子のエタノール分散液1mLを100mL以上のエタノール中に滴下して「弱く」攪拌した希釈エタノール分散液を1滴、グリッドの表面に載置して行った。図9に透過型電子顕微鏡による観察結果を示す。なお図9中のスケールバーは100nmを示す。図9に示すように、SnOの粒子の周囲にFe二次粒子が付着している構造を有する触媒粒子が多数観察された。
〔実施例4:化学的気相成長法によるカーボンナノコイルの合成〕
<カーボンナノコイル製造用触媒粒子の準備(基板に分散させる場合)>
実施例2と同様にして、実施例3で得られたカーボンナノコイル製造用触媒粒子が分散したSi基板を得た。
<カーボンナノコイルの合成>
実施例2と同様にして、実施例3で得られたカーボンナノコイル製造用触媒粒子を用いて化学的気相成長法でカーボンナノコイルの合成を行った。なお、実施例3で得られたカーボンナノコイル製造用触媒粒子を用いた場合、3分間の反応でカーボンナノコイルを合成することができた。
<カーボンナノコイルの生成率>
実施例3で得られたカーボンナノコイル製造用触媒粒子を用いて、触媒粒子を基板に分散させ、上記方法で3分間アセチレンガスを流し、カーボンナノコイルの合成を行ったときに得られたカーボンナノコイルの生成率を、実施例2と同様にして、走査型電子顕微鏡による観察から求めた。
この結果より、何らかの長さが1μm以上のカーボン生成物が成長したカーボンナノコイル製造用触媒粒子全体に対するカーボンナノコイルが成長しているカーボンナノコイル製造用触媒粒子の割合は、Fe:SnOの重量比が6:5((Feの重量/SnOの重量)=1.2)の場合は35%、Fe:SnOの重量比が4:5((Feの重量/SnOの重量)=0.8)の場合は34%であった。
本発明のカーボンナノコイル製造用触媒粒子およびその製造方法ならびにカーボンナノコイルの製造方法を用いれば、気相合成法を用いる場合もカーボンナノコイルの高い生成率が実現でき、短時間でカーボンナノコイルを成長させることができる。また、カーボンナノコイル製造用触媒粒子をより簡単に製造することができる。それゆえ、本発明は、カーボンナノコイルの製造工業において利用可能であるのみならず、さらにはこれを組み込んだ各種製品を製造する電子機器製造工業等においても利用可能であり、しかも非常に有用であると考えられる。
本発明にかかるカーボンナノコイル製造用触媒粒子を模式的に示す図である。 実施例1において合成したFe微粒子のX線回折結果を示す図である。 実施例1において得られたFe微粒子の走査型電子顕微鏡による観察結果を示す図である。 (a)は実施例1において得られたカーボンナノコイル製造用触媒粒子のFe微粒子を透過型電子顕微鏡により観察した結果を示す図であり、(b)は実施例1において得られたカーボンナノコイル製造用触媒粒子のFe微粒子を透過型電子顕微鏡(50万倍)により観察した結果を示す図である。 (a)および(b)は実施例1において得られたカーボンナノコイル製造用触媒粒子を透過型電子顕微鏡により観察した結果を示す図である。 実施例2および4において、基板上にカーボンナノコイル製造用触媒粒子を分散させる工程を示す図である。 実施例2および4において、化学的気相成長法によるカーボンナノコイルの合成に用いた装置を示す模式図である。 実施例2において、基板上にFe:SnOの重量比が1:5のカーボンナノコイル製造用触媒粒子を分散してカーボンナノコイルの合成を行ったときに得られたSi基板を走査型電子顕微鏡により観察した結果を示す図である。 実施例3において得られたカーボンナノコイル製造用触媒粒子を透過型電子顕微鏡により観察した結果を示す図である。
符号の説明
1 SnOの一次粒子
2 中心部
3 遷移金属または遷移金属の酸化物の粒子
4 遷移金属または遷移金属の酸化物の一次粒子
11 石英管
12 Si基板
13 管状炉
14 温度コントローラー

Claims (9)

  1. 外直径が1000nm以下であるカーボンナノコイルを化学的気相成長法により製造するためのカーボンナノコイル製造用触媒粒子であって、
    該カーボンナノコイル製造用触媒粒子は、SnOの一次粒子または二次粒子である中心部と、
    該中心部の周囲に付着する、遷移金属の一次粒子もしくは二次粒子、または、遷移金属の酸化物の一次粒子もしくは二次粒子とからなり、
    上記遷移金属は、Fe、CoまたはNiであることを特徴とするカーボンナノコイル製造用触媒粒子。
  2. 上記中心部であるSnOの一次粒子または二次粒子の粒子径は、50nm以上1000nm以下であることを特徴とする請求項に記載のカーボンナノコイル製造用触媒粒子。
  3. 上記遷移金属の酸化物はFeであることを特徴とする請求項1または2に記載のカーボンナノコイル製造用触媒粒子。
  4. 遷移金属の金属塩または金属水酸化物をポリオール中で加熱して当該遷移金属の金属微粒子または金属酸化物微粒子を合成する金属微粒子合成工程と、
    合成された金属微粒子または金属酸化物微粒子を分離しまたは分離しないで洗浄して当該金属微粒子または当該金属酸化物微粒子の有機溶剤分散液を得る精製工程と、
    得られた金属微粒子または金属酸化物微粒子の有機溶剤分散液にSnO粉末を混合するSnO混合工程とを含んでおり、
    上記遷移金属は、Fe、CoまたはNiであることを特徴とするカーボンナノコイル製造用触媒粒子の製造方法。
  5. 遷移金属の金属塩または金属水酸化物とSnO粉末とをポリオール中で加熱して当該遷移金属の金属微粒子または金属酸化物微粒子とSnOとの複合体を合成する複合体合成工程と、
    合成された金属微粒子または金属酸化物微粒子とSnOとの複合体を分離しまたは分離しないで洗浄して該複合体の有機溶剤分散液を得る精製工程とを含んでおり、
    上記遷移金属は、Fe、CoまたはNiであることを特徴とするカーボンナノコイル製造用触媒粒子の製造方法。
  6. 上記金属酸化物微粒子は、Fe微粒子であることを特徴とする請求項4または5に記載のカーボンナノコイル製造用触媒粒子の製造方法。
  7. 上記カーボンナノコイル製造用触媒粒子を構成しているFe微粒子は、粒子径が8nm以上15nm以下の一次粒子が凝集して形成された粒子径が30nm以上300nm以下の二次粒子であることを特徴とする請求項に記載のカーボンナノコイル製造用触媒粒子の製造方法。
  8. 請求項4ないし6のいずれか1項に記載のカーボンナノコイル製造用触媒粒子の製造方法により製造されることを特徴とするカーボンナノコイル製造用触媒粒子。
  9. 炭素源となる分子の気体または該気体と不活性なキャリアガスとの混合気体が流れる反応炉内部に、請求項1、2、3または8に記載のカーボンナノコイル製造用触媒粒子を浮遊させ、該カーボンナノコイル製造用触媒粒子の表面にカーボンナノコイルを成長させることを特徴とするカーボンナノコイルの製造方法。
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