JP5072032B2 - 転写箔用積層ポリエステルフィルム - Google Patents
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Description
これらの滑剤粒子を用い高光沢を有するフィルム表面性状を実現するためフィルムの積層構成およびその外層に添加する粒子種の選定や適正な平均粒子径とその含有量を組み合わせて二軸延伸フィルムの表面設計を確立することが望まれる。
ポリエステルフィルムは転写箔の印刷層を反対面から印刷色(色合わせ)を確認することがあるため、透明性が高い方が好ましい。また本発明のフィルムには、目的に応じ、接着性を向上するプライマー層を設けてもよく、また逆に、離型性を向上するプライマー層を設けてもよい。さらに転写箔の性能を向上させるため転写面の裏面側に帯電防止性能を兼ね備えたコート剤を塗布してもよい。
これらの共重合体の典型的な例としては、メタクリル酸とジビニルベンゼン、スチレンとジビニルベンゼン、メタクリル酸とエチレングリコールジメタクリレートの共重合体を挙げることができるが、本発明においては、化合物(a)および(b)を複数用いて架橋高分子粒子を得ても構わない。
島津製作所製遠心沈降式粒度分布測定装置(SP−CP3型)で測定した。
本発明において平均粒径とは、その形状の如何にかかわらず等価球形分布の積算体積分率50%の粒径を平均粒径(d)とした。
平均粒径の測定法と同様にして粒度分布を求めた。等価球分布における大粒子側から積算を行い、下記式から粒度分布比(r)を算出した。
(r)=粒子積算重量が25%のときの粒径/粒子積算重量が75%のときの粒径
透過型電子顕微鏡(TEM)によるフィルム断面の観察にて行った。すなわち、フィルムサンプルの小片を、エポキシ樹脂に硬化剤、加速剤を配合した樹脂に包埋処理し、ウルトラミクロトームにて厚み約200nmの切片を作成し、観察用サンプルとした。得られたサンプルを、日立(株)製透過型電子顕微鏡(H−9000)を用いて断面の顕微鏡写真を撮影し、表層の厚みを測定した。ただし、加速電圧は300KV、倍率は表層厚みに応じ、1万倍〜10万倍の範囲で設定した。厚み測定は50点行い、測定値の厚い方から10点、薄い方から10点を削除して30点を平均して測定値とした。
ポリエステルフィルムの生産において、最終製品のロール巻き取りで製品外観の不良率を考慮し以下の基準で判定を行った。
◎:不良品発生率が極めて少なく、製造上に支障がない
○:不良品が若干あるが、製造上に大きな支障とはならない
×:不良品の発生が多く、製造上に大きく支障をきたす
ポリエステルフィルムに離型層、印刷層および接着層からなる層を形成し転写箔を作成した。該転写箔を、オスメス金型を用いて、底面直径50mm、深さ5mmの円筒状に100個/分の速度で連続成形した。得られた成形品表面を目視観察し、以下の基準で判定した。
◎:十分な光沢感があり、加工品の表面には凹凸等の欠陥が観察されなかったもの
○:光沢性はやや劣るが実用上問題ないレベルのもの
×:光沢感が不十分で加工品の表面に凹凸等の欠陥が見られた(不合格)
JIS K 7136に従い、全光線透過率Tt(%)と散乱光透過率Td(%)を求め、ヘーズ((Td/Tt)×100)(%)を算出し、以下の基準で判定した。
◎:ヘーズが2.0%以下で良好
○:ヘーズが2.1〜4.5%であるが実用上問題ないレベルにある
×:4.6%以上であり色合わせ等に支障をきたす(不合格)
〔架橋高分子微粉体の製造〕
メタクリル酸メチル100部、ジビニルベンゼン25部、エチルビニルベンゼン22部、過酸化ベンゾイル1部およびトルエン100部の均一溶液を水700部に分散させた。次に窒素雰囲気下で8時間撹拌しながら80℃に加熱し、重合を行った。得られたエステル基を有する架橋高分子粒状体の平均粒径は約0.1mmであった。該粒状体を脱塩水で水洗し、500部のトルエンで3回抽出して少量の未反応モノマーおよび線状ポリマーを除去した。次に高分子粒状体をアトライターで2時間、さらに五十嵐機械(株)製サンドグラインダーで5時間粉砕することにより平均粒径が0.6μmの架橋高分子微粉体を得た。次いでスーパーデカンターで大粒子を除去した後、さらに2400メッシュフィルターを用いて粒度分布(r)が3.1、平均粒径が0.5μmの架橋高分子微粉体を得た。
ジメチルテレフタレート100部、エチレングリコール70部および酢酸マグネシウム0.06部を反応器にとり、エステル交換反応を行った。4時間後、実質的にエステル交換反応の終了したこの反応生成物に、リン酸0.030部、三酸化アンチモン0.04部および上記方法で得た該架橋高分子微粉体0.20部を加え、常法に従って重合を行い、4時間後極限粘度0.65のポリエチレンテレフタレート(A)を得た。また、上記と同様な方法で得られた添加粒子を含まないポリエチレンテレフタレートとしてはポリエステル(B)を得た。
これらポリエチレンテレフタレートの原料チップを170℃で3時間乾燥後、ポリエステル(A)層の原料チップとして架橋高分子粒子を含有するポリエステル(A)と添加粒子含まないポリエステル(B)を、架橋高分子粒子の含有量が0.05重量%となるよう所定量配合しサブ押出機に、ポリエステル(B)層の原料チップとしてポリエステル(B)をメイン押出機に供給し、溶融温度280〜300℃で溶融し、サブ押出機の溶融ポリマーをフィルムの表裏2層に分岐した後、ギヤポンプフィルターを介して、メイン押出機からの溶融ポリマーとフィードブロックで分流させ、ダイを通してキャスティングドラムに引き取り、未延伸フィルムとした。かくして得られた2種3層の積層未延伸フィルムを縦延伸ロールに送り込み、まずロール温度100℃で3.1倍延伸した後、テンターに導き130℃で横方向に4.2倍に延伸して二軸配向フィルムを得た。次いで、得られた二軸配向フィルムを熱固定ゾーンに導き、235℃で熱固定した。なお、ポリエステルA層の厚みは、サブ押出機のギヤポンプの吐出量を調整することでコントロールした。得られた積層フィルムの全厚さは38μmでポリエステル(A)層の厚さは4.6μmであり、全厚さの比(R)は0.12であった。
架橋高分子粒子の粒度分布(r)、平均粒径(d)、ポリエステル層(A)の含有量およびポリエステル層(A)の厚さをフィルム全厚さ比として第1表に示すように変えた。他は実施例1と同様にして、ポリエステルフィルムを製造した。
実施例1において粒度分布3.1、平均粒径0.5μmの架橋高分子を用いる代わりに粒度分布2.7、平均粒径0.7μmの炭酸カルシウム粒子を用いた。他は実施例1と同様にして、ポリエステルフィルムを得た。かくして得られたフィルムの特性、転写後の特性を表1示す。
平均粒径が2.5μmからなる粒度分布7.5の非晶質シリカ粒子を用い、上記ポリエステルフィルムの製造によりポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムの特性と転写後の特性を1に示す。
Claims (1)
- 実質的に粒子を含まないポリエステル層(B)の少なくとも片面に、粒度分布が2.0〜5.0、平均粒径が0.2〜1.0μmの架橋高分子粒子を0.01〜0.15重量%を含有するポリエステル層(A)を有し、ポリエステル層(A)の厚さが全フィルム厚さの1〜30%の範囲であることを特徴とする転写箔用積層ポリエステルフィルム。
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