JP5071300B2 - 燃料噴射制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、燃料噴射制御装置に関し、更に詳しくは、内燃機関の吸気経路に燃料を噴射する吸気経路燃料噴射弁および内燃機関の筒内に燃料を噴射する筒内燃料噴射弁を備える燃料噴射制御装置に関する。
内燃機関の燃料噴射制御装置には、吸気経路に燃料を噴射する吸気経路燃料噴射弁および筒内に燃料を噴射する筒内燃料噴射弁の2つの燃料噴射弁を備えるものがある。このような燃料噴射制御装置では、燃料噴射量の燃料を吸気経路燃料噴射弁、あるいは筒内燃料噴射弁の少なくともいずれか一方により噴射し、内燃機関に供給する。ここで、内燃機関の始動時における吸気経路燃料噴射弁および筒内燃料噴射弁による燃料の噴射制御には、吸気経路燃料噴射弁のみにより設定された燃料噴射量の燃料を噴射する始動時吸気経路噴射制御と、筒内燃料噴射弁のみにより設定された燃料噴射量の燃料を圧縮行程において1回で噴射する始動時筒内噴射制御とが考えられる。
ところで、吸気経路燃料噴射弁による燃料噴射では、燃料性状のばらつきを考慮して、通常燃料使用時ではエミッションの最適点よりも筒内の均質混合気がリッチ側となるように燃料噴射量が設定されるため、燃料噴射量がエミッションの最適点に対応した燃料噴射量よりも増加する。特に、内燃機関の始動時(始動開始直後から、あるいは始動開始後所定時間経過後)に始動時吸気経路噴射制御のみを行う場合は、重質燃料における霧化・気化性の悪化や吸気経路に付着する燃料の増加、すなわちポートウェットの増加により燃焼に寄与する燃料が減少するため、内燃機関の始動性を確保するためには、さらに燃料噴射量が増加するという問題がある。
一方、筒内燃料噴射弁による燃料噴射、特に設定された燃料噴射量の燃料を筒内燃料噴射弁により圧縮行程において1回で噴射する場合においては、成層燃焼となるため筒内に、点火プラグ近傍領域の混合気が筒内の他の領域の混合気よりもリッチ側となる成層混合気が形成されるので、点火プラグ近傍領域の混合気が可燃範囲を超えてリッチとならないように、筒内全体がリーンとなるように燃料噴射量が設定されるが、エミッションが悪化、ここではHC(炭化水素)の排出が増加するという問題がある。また、内燃機関の始動時(始動開始後所定時間経過後)に始動時筒内噴射制御のみを行う場合は、ピストンの表面に付着する燃料が増加、すなわちピストンウェットの増加により、エミッションが悪化、ここではスモーク(黒煙)の排出が増加するという問題がある。
また、従来では、特許文献1に示すように、内燃機関の始動時に第1回目または数回目までは始動時筒内噴射制御を行い、それ以降は始動時吸気経路噴射制御を行う燃料噴射制御装置が提案されている。特許文献1に示す燃料噴射制御装置は、内燃機関の始動時に始動時筒内噴射制御のみを行った場合の燃圧低下に基づいた失火等を抑制し、内燃機関の始動時に始動時吸気経路噴射制御のみを行った場合の始動性の悪化を抑制するものである。
特開2005−113693号公報
しかしながら、特許文献1に示す燃料噴射制御装置では、始動時筒内噴射制御のみを行った場合の燃圧低下に基づいた失火等の抑制を考慮した結果、始動時吸気経路噴射制御を行うものであり、始動時吸気経路噴射制御による燃料噴射量の増加による燃費の悪化や、エミッションの悪化などが考慮されておらず、燃費悪化およびエミッションの悪化の抑制が十分ではなかった。
そこで、本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、少なくとも始動性を確保しつつ、燃費の向上およびエミッションの悪化の抑制を図ることができる燃料噴射制御装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明では、内燃機関の吸気経路に燃料を噴射する吸気経路燃料噴射弁および前記内燃機関の筒内に燃料を噴射する筒内燃料噴射弁による前記燃料の噴射制御を行う燃料噴射制御装置において、前記内燃機関の始動開始時に、前記燃料を前記内燃機関の圧縮行程における前記筒内燃料噴射弁のみによる噴射により、前記内燃機関に供給する始動時筒内噴射制御を行い、前記始動時筒内噴射制御後に、前記燃料を前記吸気経路燃料噴射弁による噴射、および前記圧縮行程における前記筒内燃料噴射弁による噴射により前記内燃機関に供給する分割噴射制御を行い、前記内燃機関の始動中に前記吸気経路における負圧の上昇が当該内燃機関の始動中における通常の前記負圧の上昇よりも遅れる負圧上昇遅れ状態である場合は、前記噴射制御を設定された燃料噴射の燃料を前記内燃機関の圧縮行程における前記筒内燃料噴射弁のみによる噴射により前記内燃機関に供給する筒内圧縮行程噴射制御を行うことを特徴とする。
また、上記燃料噴射制御装置において、前記負圧上昇遅れ状態である場合は、前記噴射制御を前記筒内圧縮行程噴射制御に所定期間維持した後に前記分割噴射制御に切り替えることが好ましい。
また、本発明では、内燃機関の吸気経路に燃料を噴射する吸気経路燃料噴射弁および前記内燃機関の筒内に燃料を噴射する筒内燃料噴射弁による前記燃料の噴射制御を行う燃料噴射制御装置において、前記内燃機関の燃料噴射量を設定する燃料噴射量設定手段と、前記設定された燃料噴射量のうち、前記吸気経路燃料噴射弁に対応する燃料噴射量を増量補正する増量補正手段と、を備え、前記内燃機関の始動開始時に、前記燃料を前記内燃機関の圧縮行程における前記筒内燃料噴射弁のみによる噴射により、前記内燃機関に供給する始動時筒内噴射制御を行い、前記始動時筒内噴射制御後に、前記設定された燃料噴射量の燃料を前記吸気経路燃料噴射弁による噴射、および前記圧縮行程における前記筒内燃料噴射弁による噴射により前記内燃機関に供給する分割噴射制御を行い、前記増量補正手段は、前記分割噴射制御時に前記増量補正を行い、かつ前記内燃機関の始動中に前記吸気経路における負圧の上昇が当該内燃機関の始動中における通常の前記負圧の上昇よりも遅れる負圧上昇遅れ状態である場合、前記吸気経路燃料噴射弁に対応する燃料噴射量が前記負圧上昇遅れ状態でない場合と比較して多くなるように前記増量補正を行うことを特徴とする。
本発明にかかる燃料噴射制御装置は、内燃機関の始動時にまず始動時筒内噴射制御を行うことで機関回転数を上昇し、吸気圧力が低下した後に、分割噴射制御を行うので、吸気経路燃料噴射弁により噴射された燃料が筒内に確実に導入され、筒内燃料噴射弁により噴射された燃料とともに、点火プラグ近傍領域の混合気を筒内の他の領域の混合気よりもリッチ側としつつ、筒内全体で弱リーンな弱成層混合気(均質混合気よりも点火プラグ近傍領域の混合気がリッチ側であり、成層混合気よりも筒内の他の領域の混合気がリーン側である)を生成することができる。つまり、内燃機関の始動時における燃焼形態が成層燃焼から弱成層燃焼に切り替わる。従って、点火プラグの点火時には、点火プラグ近傍領域の混合気が確実に着火し、筒内全体の混合気を確実に燃焼させることができる。これにより、点火プラグ近傍領域の混合気が可燃範囲を超えてリッチ側となることを抑制できるので、筒内全体の混合気がリーン側となることを抑制でき、HC(炭化水素)の排出の増加を抑制することができる。また、設定された燃料噴射量の燃料を吸気経路燃料噴射弁と筒内燃料噴射弁とで分割して噴射するので、始動時筒内噴射制御のみの場合と比較して、ピストンウェットの増加を抑制でき、エミッションが悪化、ここではスモーク(黒煙)の排出の増加を抑制することができる。また、始動時筒内噴射制御のみの場合と比較して、筒内燃料噴射弁に供給される燃料の圧力の低下を抑制することができ、分割噴射制御時において設定された燃料噴射量のうち筒内燃料噴射弁に対応する燃料噴射量の燃料を筒内燃料噴射弁により確実に噴射することができる。また、設定された燃料噴射量の燃料を吸気経路燃料噴射弁と筒内燃料噴射弁とで分割して噴射するので、始動時吸気経路噴射制御のみの場合と比較して、重質燃料における霧化・気化性の悪化による影響を抑制でき、ポートウェットの増加を抑制することができる。これらにより、始動性を確保しつつ、燃費の向上およびエミッションの悪化の抑制を図ることができるという効果を奏する。
また、本発明にかかる燃料噴射制御装置は、負圧上昇遅れ状態である場合は、通常、噴射制御を始動時筒内噴射制御から分割噴射制御に切り替えるところを筒内圧縮行程噴射制御とする。つまり、筒内燃料噴射弁のみの噴射による内燃機関への燃料の供給を維持する。ここで、負圧上昇遅れ状態である場合は、吸気経路燃料噴射弁により噴射された燃料のうち、吸気経路に付着する燃料が増加、すなわちポートウェットが増加し、吸気経路燃料噴射弁により噴射された燃料のうち筒内に導入される量が減少することで、燃焼が悪化する虞がある。しかしながら、本発明では、負圧上昇遅れ状態である場合に、筒内圧縮行程噴射制御を行い、吸気経路燃料噴射弁による燃料の噴射を行わないので、燃焼が悪化することを抑制することができるという効果を奏する。
また、本発明にかかる燃料噴射制御装置は、負圧上昇遅れ状態である場合は、吸気経路燃料噴射弁に対応する燃料噴射量が負圧上昇遅れ状態でない場合と比較して多くなるので、ポートウェットが増加しても、吸気経路燃料噴射弁により噴射された燃料のうち筒内に導入される量が減少することを抑制することができ、燃焼が悪化することを抑制することができるという効果を奏する。
以下、本発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、下記の実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記の実施の形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの或いは実質的に同一のものが含まれる。
[実施の形態1]
図1は、実施の形態1にかかる内燃機関の構成例を示す図である。同図に示すように、実施の形態1にかかる内燃機関1−1は、燃料供給装置2と、複数の気筒30a〜30d(実施の形態1では、直列4気筒)により構成される内燃機関本体3と、バルブ装置4と、内燃機関本体3に接続される吸気経路5と、内燃機関本体3に接続される排気経路6と、内燃機関1−1の運転を制御する制御装置であるECU7とにより構成されている。なお、8は、図示しない運転者が操作するアクセルペダルの開度であるアクセル開度を検出し、ECU7に出力するアクセル開度センサである。
燃料供給装置2は、燃料タンク23内に貯留されている燃料、例えばガソリンを内燃機関1−1に供給するものである。燃料供給装置2は、吸気経路燃料噴射弁21と、筒内燃料噴射弁22と、燃料タンク23と、低圧燃料ポンプであるPFI燃料ポンプ24と、高圧燃料ポンプであるDI燃料ポンプ25と、PFI燃料ポンプ24と吸気経路燃料噴射弁21とを接続するPFI燃料配管26と、PFI燃料配管26とDI燃料ポンプ25とを接続する分岐配管27と、DI燃料ポンプ25と筒内燃料噴射弁22とを接続するDI燃料配管28と、DI燃料圧力センサ29とにより構成されている。
筒内燃料噴射弁22(以下、単に「DI22」と称することがある。)は、内燃機関本体3の各気筒30a〜30dにそれぞれ対応して設けられており、各気筒30a〜30dの筒内、すなわち燃焼室AにPFI燃料ポンプ24およびDI燃料ポンプ25により加圧された燃料タンク23の燃料をそれぞれ噴射することで、内燃機関1−1に燃料を供給するものである。各DI22は、ECU7とそれぞれ接続されており、DI22による燃料噴射量や噴射時期などの制御、すなわち噴射制御がECU7により行われる。
吸気経路燃料噴射弁21(以下、単に「PFI21」と称することがある。)は、内燃機関本体3の各気筒30a〜30dにそれぞれ対応して設けられており、内燃機関1−1の吸気経路5、ここでは、各気筒30a〜30dにそれぞれ対応してシリンダヘッド32に形成された吸気ポート37にPFI燃料ポンプ24により加圧された燃料タンク23の燃料をそれぞれ噴射することで、内燃機関1−1に燃料を供給するものである。各PFI21は、ECU7とそれぞれ接続されており、PFI21による燃料噴射量や噴射時期などの制御、すなわち噴射制御がECU7により行われる。
燃料タンク23は、燃料を貯留するものである。燃料タンク23に貯留されている燃料は、PFI燃料ポンプ24により加圧され、PFI燃料としてPFI燃料配管26に吐出される。従って、PFI燃料は、PFI燃料配管26を介して各PFI21に供給され、PFI燃料配管26および分岐配管27を介してDI燃料ポンプ25に供給される。
DI燃料ポンプ25は、PFI燃料をさらに加圧するものである。DI燃料ポンプ25は、例えばバルブ装置4のインテークカムシャフト43に取り付けられた図示しないポンプ用駆動カムが回転することによって駆動するものである。インテークカムシャフト43は、クランクシャフト35の回転に連動して回転するものである。つまり、DI燃料ポンプ25は、内燃機関1−1の出力によって駆動するものである。
DI燃料ポンプ25には、図示しない電磁スピル弁が備えられており、電磁スピル弁により、DI燃料ポンプ25に流入するPFI燃料の流入量を調整し、DI燃料ポンプ25により加圧され、DI燃料としてDI配管28に吐出されるDI燃料の圧力を調整するものである。ここで、電磁スピル弁は、ECU7と接続されており、ECU7によりデューディ比が制御される。従って、DI燃料ポンプ25から吐出されるDI燃料の圧力などの制御、すなわち圧力制御は、図示しない電磁スピル弁を用いてECU7により行われる。
DI燃料圧力センサ29は、圧力検出手段であり、DI燃料の圧力であるDI燃料圧力Pを検出するものである。DI燃料圧力センサ29は、DI燃料配管28に設けられており、DI燃料配管28を介してDI燃料ポンプ25により加圧され各DI22に供給されるDI燃料を検出することができる。DI燃料圧力センサ29は、ECU7と接続されており、検出されたDI燃料圧力PがECU7に出力される。
内燃機関本体3は、シリンダブロック31と、シリンダブロック31に固定されたシリンダヘッド32と、各気筒30a〜30dにそれぞれ対応して設けられたピストン33および連結するコンロッド34と、クランクシャフト35と、気筒30a〜30dごとに設けられる点火プラグ36とにより構成されている。ここで、内燃機関本体3の各気筒30a〜30dには、ピストン33と、シリンダブロック31と、シリンダヘッド32とにより燃焼室Aがそれぞれ形成されている。シリンダヘッド32には、各気筒30a〜30dにそれぞれ対応して吸気ポート37および排気ポート38が形成されており、それぞれ吸気経路5および排気経路6に接続されている。各ピストン33は、コンロッド34に回転自在に支持されており、各コンロッド34は、クランクシャフト35に回転自在に支持されている。つまり、クランクシャフト35は、各ピストン33が筒内、すなわち燃焼室A内の吸入空気と燃料とからなる混合気が燃焼することにより、シリンダブロック31内を往復運動することで、回転するものである。なお、各吸気ポート37は吸気経路5の一部を構成し、各排気ポート38は排気経路6の一部を構成する。
点火プラグ36は、各気筒30a〜30dに対応してそれぞれ設けられており、点火し、各気筒30a〜30dの燃焼室A内の混合気を着火させるものである。各点火プラグ36は、ECU7にそれぞれ接続されており、点火時期などの制御、すなわち点火制御がECU7により行われる。なお、39は、クランクシャフト35の角度であるクランク角度(CA)を検出し、ECU7に出力するクランク角度センサである。なお、ECU7は、クランク角度センサ39により検出されたクランク角度から内燃機関1−1の機関回転数の算出や各気筒30a〜30dの気筒の判別を行う。
バルブ装置4は、吸気バルブ41および排気バルブ42の開閉を行うものである。バルブ装置4は、各気筒30a〜30dにそれぞれ対応して設けられた吸気バルブ41および排気バルブ42と、インテークカムシャフト43と、エキゾーストカムシャフト44と、吸気バルブタイミング機構45とにより構成されている。各吸気バルブ41は、吸気ポート37と燃焼室Aとの間に配置され、インテークカムシャフト43が回転することにより開閉が行われる。また、各排気バルブ42は、排気ポート38と燃焼室Aとの間に配置され、エキゾーストカムシャフト44が回転することにより開閉が行われる。インテークカムシャフト43およびエキゾーストカムシャフト44は、タイミングチェーンなどの伝達手段を介してクランクシャフト35に連結されており、このクランクシャフト35の回転に連動して回転するものである。
吸気バルブタイミング機構45は、インテークカムシャフト43とクランクシャフト35との間に配置されている。吸気バルブタイミング機構45は、連続可変バルブタイミング機構であり、インテークカムシャフト43の位相を連続的に変化させるものである。また、バルブ装置4には、インテークカムポジションセンサ46が備えられており、インテークカムシャフト43の回転位置を検出し、ECU7に出力する。また、このバルブ装置4は、吸気バルブタイミング機構45により、吸気バルブ41の開閉時期を調整するが、これに限定されるものではなく、例えば排気バルブ42の開閉時期を調整する排気バルブタイミング機構をも備えても良い。
吸気経路5は、外部から空気を吸気し、吸入された空気を内燃機関本体3の各気筒30a〜30dの燃焼室Aに導入するものである。吸気経路5は、エアクリーナ51と、エアフロメータ52と、スロットルバルブ53と、エアクリーナ51から各気筒30a〜30dの吸気ポート37までを連通する吸気通路54とにより構成されている。エアクリーナ51により粉塵が除去された吸入空気は、吸気通路54および各吸気ポート37を介して、各気筒30a〜30dの各燃焼室Aに導入される。エアフロメータ52は、吸入空気量検出手段であり各気筒30a〜30dに導入、すなわち吸気経路5から吸入される吸入空気量を検出し、ECU7に出力するものである。スロットルバルブ53は、上記吸気経路5から吸気される吸入空気量を調整するものである。スロットルバルブ53は、ステッピングモータなどのアクチュエータ53aにより駆動されるものである。アクチュエータ53aは、ECU7と接続されており、スロットルバルブ53のバルブ開度の制御、すなわちバルブ開度制御は、ECU7により行われる。また、スロットバルブ53には、スロットルバルブセンサ53bが設けられている。スロットバルブセンサ53bは、スロットバルブ53のバルブ開度を検出し、ECU7に出力するものである。
また、排気経路6は、触媒61と、図示しない消音装置と、各気筒30a〜30dの排気ポート38から触媒61を介して消音装置までを連通する排気通路62と、A/Fセンサ63とにより構成されている。触媒61は、排気通路62を介して吸入された排気ガスに含まれる有害物質、例えば窒化酸化物(NOx)、一酸化炭素(CO)、炭化水素(HC)を浄化するものである。また、触媒61は、排気ガスに含まれる硫黄(S)を吸着することができるものである。触媒61の硫黄吸着能力、すなわち最大硫黄吸着量は、触媒温度Tの上昇によって低下するものである。なお、有害物質が浄化された排気ガスは、触媒61から排気通路および図示しない消音装置を介して外部に排気される。
A/Fセンサ63は、空燃比検出手段であり、排気通路62のうち触媒61の上流側に配置されるものである。A/Fセンサ63は、各燃焼室Aから排気経路6に排気された排気ガスのうち、触媒61に吸入される前の排気ガスの排気ガス空燃比を検出し、ECU7に出力するものである。なお、ECU7は、A/Fセンサ63により検出された排気ガス空燃比に基づいて、内燃機関1−1の空燃比、すなわち燃焼室A内の混合気における空気と燃料との比を算出する。つまり、A/Fセンサ63は、内燃機関1−1の空燃比を検出することができるものである。
ECU7は、内燃機関1−1を運転制御することで、内燃機関1−1を運転するものである。また、ECU7は、燃料噴射制御装置でもあり、後述する燃料噴射制御方法を実行するものである。ECU7は、内燃機関1−1が搭載された車両の各所に取り付けられたセンサから、各種入力信号が入力される。具体的には、DI燃料圧力センサ29により検出されたDI燃料圧力P、クランク角度センサ39により検出されたクランク角度、インテークカムポジションセンサ46により検出されたインテークカムシャフト43の回転位置、エアフロメータ52により検出された吸入空気量、アクセル開度センサ8により検出されたアクセル開度、A/Fセンサ63により検出された排気ガス空燃比、などがある。
ECU7は、これら入力信号および記憶部73に格納されている吸入空気量およびアクセル開度に基づいた燃料噴射量マップなどの各種マップに基づいて各種出力信号を出力する。具体的には、各PFI21および各DI22の噴射制御を行う噴射信号、各点火プラグ36の点火制御を行う点火信号、スロットルバルブ53のバルブ開度制御を行うバルブ開度信号などである。
また、ECU7は、上記入力信号や出力信号の入出力を行う入出力部(I/O)71と、処理部72と、燃料噴射量マップなどの各種マップなどを格納する記憶部73とにより構成されている。処理部72は、メモリおよびCPU(Central Processing Unit)により構成されている。処理部72は、少なくとも燃料噴射量設定部74と、始動時筒内噴射制御部75と、分割噴射制御部76と、増量補正部78と、負圧上昇判定部79としての機能を有している。処理部72は、内燃機関1−1の運転方法、特にECU7による燃料噴射制御方法などに基づくプログラムをメモリにロードして実行することにより、ECU7による燃料噴射制御方法などを実現させるものであっても良い。また、記憶部73は、フラッシュメモリ等の不揮発性のメモリ、ROM(Read Only Memory)のような読み出しのみが可能なメモリ、あるいはRAM(Random Access Memory)のような読み書きが可能なメモリ、あるいはこれらの組み合わせにより構成することができる。
燃料噴射量設定部74は、燃料噴射量設定手段であり、内燃機関1−1の燃料噴射量、実施の形態1では気筒30a〜30dごとに燃料噴射量Qを設定するものである。つまり、燃料噴射量設定部74は、各気筒30a〜30dにそれぞれ対応するPFI21あるいはDI22の少なくともいずれかによる燃料噴射量Qを設定する。燃料噴射量設定部74は、基本的には、検出されたクランク角度に基づいて機関回転数Neおよび検出されたアクセル開度に基づいて設定されるものである。
始動時筒内噴射制御部75は、内燃機関1−1の始動開始時に、内燃機関1−1の圧縮行程において各DI22のみを噴射させることで、燃料噴射量設定部74により設定された燃料噴射量Qの燃料を内燃機関1−1に供給する噴射制御である始動時筒内噴射制御を行うものである。実施の形態1では、始動時筒内噴射制御は、設定された燃料噴射量QであるDI噴射量Q2の燃料をDI22による1回噴射で内燃機関1−1に供給する噴射制御である。始動時筒内噴射制御部75は、各点火プラグ36の点火制御を行うものでもあり、始動時筒内噴射制御時に、点火時期が通常時に対して進角するように点火制御を行う。始動時筒内噴射制御部75は、スロットルバルブ53のバルブ開度制御を行うものでもあり、始動時筒内噴射制御時に、バルブ開度が始動時筒内噴射制御に最適なバルブ開度となるようにバルブ開度制御を行うものである。なお、始動時筒内噴射制御部75は、内燃機関1−1の圧縮行程においてDI22のみにより設定された燃料噴射量Qの燃料が噴射できるように、DI22の噴射時期を設定する。また、始動時筒内噴射制御における設定された燃料噴射量Qは、一定値である。
ここで、実施の形態1では、始動時筒内噴射制御部75は、DI燃料圧力センサ29により検出されたDI燃料圧力Pが予め設定された所定圧力P1以上となると、始動時筒内噴射制御を行う。ここで、所定圧力P1は、始動時筒内噴射制御時において、少なくとも設定された燃料噴射量Qの燃料を各DI22により噴射することができる圧力以上である。つまり、始動時筒内噴射制御部75は、始動時筒内噴射制御時において設定された燃料噴射量Qの燃料を各DI22により噴射することができるようになると、内燃機関1−1の始動開始時であるとして、始動時筒内噴射制御を行う。
分割噴射制御部76は、上記始動時筒内噴射制御部75による始動時筒内噴射制御後に、内燃機関1−1の例えば吸気行程において各PFI21を、圧縮行程において各DI22を噴射させることで、燃料噴射量設定部74により設定された燃料噴射量Qの燃料を内燃機関1−1に供給する噴射制御である分割噴射制御を行うものである。つまり、分割噴射制御は、設定された燃料噴射量Qの燃料をPFI21とDI22とにより分割して噴射させる噴射制御である。実施の形態1では、分割噴射制御は、設定された燃料噴射量QのうちPFI21に対応する燃料噴射量であるPFI噴射量Q1の燃料を、PFI21による1回噴射で内燃機関1−1に供給するとともに、設定された燃料噴射量QのうちDI22に対応する燃料噴射量であるDI噴射量Q2の燃料をDI22による1回噴射で内燃機関1−1に供給する噴射制御である。分割噴射制御部76は、各点火プラグ36の点火制御を行うものでもあり、分割噴射制御時に、点火時期が通常時に対して進角するように点火制御を行う。分割噴射制御部76は、スロットルバルブ53のバルブ開度制御を行うものでもあり、分割噴射制御時に、バルブ開度が分割噴射制御に最適なバルブ開度となるようにバルブ開度制御を行うものである。なお、分割噴射制御部76は、内燃機関1−1の吸気行程においてPFI21によりPFI噴射量Q1の燃料が各燃焼室Aに到達できるように各PFI21の噴射時期を設定するとともに、内燃機関1−1の圧縮行程においてDI22によりDI噴射量Q2の燃料が噴射できるように、DI22の噴射時期を設定する。
ここで、実施の形態1では、分割噴射制御部76は、切替条件が成立すると、始動時筒内噴射制御から分割噴射制御に切り替え、分割噴射制御を行う。ここで、切替条件は、吸気経路5の吸気圧力(各燃焼室A内の筒内圧力)あるいは吸気圧力に影響を与える物理量の少なくともいずれかに基づいて設定されるものである。実施の形態1では、切替条件として、吸気圧力に影響を与える物理量である内燃機関1−1の機関回転数を用い、検出された機関回転数Neが第1所定回転数Ne1以上であると切替条件が成立したとする。なお、吸気圧力に影響を与える物理量は、機関回転数に限定されるものではなく、DI22の燃料の噴射回数(噴射回数の増加により機関回転数が上昇し、吸気圧力が低下)や、DI22による燃料の噴射開始からの経過時間(時間経過により、噴射回数が増加し、機関回転数が上昇し、吸気圧力が低下)であっても良い。この場合は、噴射回数が第1所定噴射回数以上であると、あるいはDI22による燃料の噴射開始から第1所定時間以上経過すると、切替条件が成立したとする。ここで、第1所定回転数、第1所定噴射回数、第1所定時間は、吸気経路5に十分に負圧が発生しており、各PFI21により噴射された燃料が各燃焼室A内に流入することができる値に設定されている。また、切替条件は、上記複数の条件が成立した場合に成立したとしても良い。
筒内圧縮行程噴射制御部77は、上記始動時筒内噴射制御部75による始動時筒内噴射制御後に、内燃機関1−1の圧縮行程において各DI22のみを噴射させることで、燃料噴射量設定部74により設定された燃料噴射量Qの燃料を内燃機関1−1に供給する噴射制御である筒内圧縮行程噴射制御を行うものである。実施の形態1では、筒内圧縮行程噴射制御は、設定された燃料噴射量QであるDI噴射量Q2の燃料をDI22による1回噴射で内燃機関1−1に供給する噴射制御である。筒内圧縮行程噴射制御部75は、各点火プラグ36の点火制御を行うものでもある。筒内圧縮行程噴射制御部77は、スロットルバルブ53のバルブ開度制御を行うものでもあり、筒内圧縮行程噴射制御時に、バルブ開度が筒内圧縮行程噴射制御に最適なバルブ開度となるようにバルブ開度制御を行うものである。なお、筒内圧縮行程噴射制御部77は、内燃機関1−1の圧縮行程においてDI22のみにより設定された燃料噴射量Qの燃料が噴射できるように、DI22の噴射時期を設定する。また、筒内圧縮行程噴射制御における設定された燃料噴射量Qは、例えば、エアフロメータ52により検出され、ECU7に出力された吸入空気量に基づいて設定される。
増量補正部78は、増量補正手段であり、分割噴射制御部76による分割噴射制御時に、設定された燃料噴射量Qのうち、各PFI21に対応する燃料噴射量であるPFI噴射量Q1を増量補正するものである。ここで、補正量αは、各PFI21の初回噴射時に、吸気経路5に付着する燃料、すなわちポートウェットに基づいて設定される。ここで、増量補正部78は、補正量を分割噴射制御開始時に設定された基準補正量から時間経過に応じて減少させて設定する。
負圧上昇判定部79は、内燃機関1−1が負圧上昇遅れ状態であるか否かを判定するものである。負圧上昇判定部79は、内燃機関1−1の始動中に吸気経路5における負圧の上昇が内燃機関1−1の始動中における通常の負圧の上昇よりも遅れているか否かにより、内燃機関1−1が負圧上昇遅れ状態であるか否かを判定するものである。実施の形態1では、負圧上昇判定部79は、スロットバルブセンサ53bにより検出され、ECU7に出力されたスロットバルブ53のバルブ開度に基づいて内燃機関1−1が負圧上昇遅れ状態であるか否かを判定するものである。負圧上昇判定部79は、検出されたバルブ開度に基づいてスロットルバルブ53の異常を判定することで、内燃機関1−1が負圧上昇遅れ状態であるか否かを判定する。ここで、内燃機関1−1の始動中におけるスロットルバルブ53のバルブ開度が内燃機関1−1の始動中における通常のバルブ開度よりも大きいと、吸気経路5における負圧の上昇が内燃機関1−1の始動中における通常の負圧の上昇よりも遅れることとなる。従って、負圧上昇判定部79は、内燃機関1−1の始動中において検出されたバルブ開度が内燃機関1−1の始動時における通常の検出されるバルブ開度よりも大きいと判定することで、内燃機関1−1が負圧上昇遅れ状態であると判定する。
次に、実施の形態1にかかる内燃機関1−1の運転方法、すなわち燃料噴射制御装置であるECU7による燃料噴射制御方法について説明する。図2は、実施の形態1にかかる燃料噴射制御装置の動作フローを示す図である。なお、ECU7による燃料噴射制御方法は、ECU7の制御周期ごとに行われるものである。
まず、図2に示すように、ECU7の処理部72は、内燃機関1−1の始動要求があるか否かを判定する(ステップST101)。ここでは、処理部72は、例えば、運転者により図示しないイグニッション(スタートスイッチ)のON/OFFで内燃機関1−1の始動要求があるか否かを判定する。
次に、処理部72は、内燃機関1−1の始動要求があると判定する(ステップST101肯定)と、DI燃料の昇圧を開始する(ステップST102)。ここで、処理部72は、まず図示しないスタータ(ハイブリッド車両の場合電動機)を駆動制御して、スタータとクランクシャフト35が連結している内燃機関1−1を強制的に回転させる。これにより、DI燃料ポンプ25が駆動する。次に、処理部72は、駆動するDI燃料ポンプ25の圧力制御(一定のデューディ比で図示しない電磁スピル弁を制御)を行い、DI燃料ポンプ25によりPFI燃料を加圧し、DI燃料配管28に吐出し、DI燃料を昇圧する。ここで、DI燃料の昇圧は、クランク角度センサ39により検出され、内燃機関1−1のクランク角度が確定する前から行い、始動のために内燃機関1−1のスタータにより回転開始から素早くDI燃料圧力を上昇させる。なお、処理部72は、内燃機関1−1の始動要求がないと判定する(ステップST101否定)と、現在の制御周期を終了し、次の制御周期に移行する。
次に、処理部72は、DI燃料圧力Pが所定圧力P1以上であるか否かを判定する(ステップST103)。ここでは、処理部72は、DI燃料圧力センサにより検出され、ECU7により取得されたDI燃料圧力Pが所定圧力P1以上であるか否かを判定することで、内燃機関1−1の始動開始時であるか否かを判定する。なお、処理部72は、DI燃料圧力Pが所定圧力P1未満であると判定する(ステップST103否定)と、DI燃料ポンプ25によりDI燃料圧力Pが所定圧力P1以上となるまで、DI燃料を昇圧する。
次に、処理部72は、DI燃料圧力Pが所定圧力P1以上であると判定する(ステップST103肯定)と、切替条件が成立しているか否かを判定する(ステップST104)。ここでは、処理部72は、検出された機関回転数Neが第1所定回転数Ne1以上であるか否かを判定することで切替条件が成立しているか否かを判定する。
次に、始動時筒内噴射制御部75は、切替条件が成立していないと判定される(ステップST104否定)と、始動時筒内噴射制御を行う(ステップST105)。ここでは、始動時筒内噴射制御部75は、DI燃料圧力Pが所定圧力P1以上であり、切替条件が成立していない、すなわち検出された機関回転数Neが第1所定回転数Ne1未満であると、始動時筒内噴射制御を行う。つまり、始動時筒内噴射制御部75は、燃料噴射量設定部74により設定された燃料噴射量QであるDI噴射量Q2の燃料を内燃機関1−1の圧縮行程における各DI22による1回噴射で内燃機関1−1に供給する噴射制御を行う。従って、各燃焼室Aに成層混合気が生成され、成層燃焼が行われ、各燃焼室A内での爆発により内燃機関1−1の機関回転数Neが増加する。なお、処理部72は、始動時筒内噴射制御部75が始動時筒内噴射制御を行うと、現在の制御周期を終了し、次の制御周期に移行する。
また、負圧上昇判定部79は、切替条件が成立していると判定される(ステップST104肯定)と、内燃機関1−1が負圧上昇遅れ状態であるか否かを判定する(ステップST106)。ここでは、負圧上昇判定部79は、スロットルバルブセンサ53bにより検出され、ECU7により取得されたバルブ開度が内燃機関1−1の始動時における通常のバルブ開度よりも大きいか否か、すなわちスロットルバルブ53が異常か否かを判定することにより、内燃機関1−1が負圧上昇遅れ状態であるか否かを判定する。つまり、負圧上昇判定部79は、始動時筒内噴射制御を維持している状態で、内燃機関1−1が負圧上昇遅れ状態であるか否かを判定する。
次に、分割噴射制御部76は、負圧上昇判定部79により負圧上昇遅れ状態でないと判定される(ステップST106否定)と、増量補正部78によるPFI噴射量Q1の増量補正を行い、増量補正が行われたPFI噴射量Q1に基づいて分割噴射制御を行う(ステップST107)。つまり、分割噴射制御部76は、切替条件が成立し、スロットルバルブ53が正常であり、内燃機関1−1の始動時に吸気経路5における負圧の上昇が内燃機関1−1の始動時における通常の負圧の上昇である場合、分割噴射制御を行う。ここでは、増量補正部78は、PFI噴射量Q1に加算する補正量αを設定する。分割噴射制御部76は、増量補正部78により設定された補正量αが加えられたPFI噴射量Q1の燃料をPFI21による1回噴射で内燃機関1−1に供給するとともに、DI噴射量Q2の燃料をDI22による1回噴射で内燃機関1−1に供給する噴射制御を行う。従って、各燃焼室A内には、PFI21により噴射された燃料と、DI22により噴射された燃料とにより、点火プラグ36近傍領域の混合気を燃焼室A内の他の領域混合気よりもリッチ側としつつ、燃焼室A全体で弱リーンな弱成層混合気(均質混合気よりも点火プラグ36近傍領域の混合気がリッチ側であり、成層混合気よりも燃焼室A内の他の領域の混合気がリーン側である)が生成され、弱成層燃焼が行われ、各燃焼室A内での爆発により内燃機関1−1の機関回転数Neが増加する。また、ポートウェットにより燃焼室Aに導入されるPFI21により噴射された燃料が減少する状態であっても、PFI21により燃料を燃焼室A内に、設定された燃料噴射量Qのうち各PFI21に対応する燃料であるPFI噴射量Q1の燃料を確実に導入させることができる。なお、処理部72は、分割噴射制御部76が分割噴射制御を行うと、現在の制御周期を終了し、次の制御周期に移行する。
また、筒内圧縮行程噴射制御部77は、負圧上昇判定部79により負圧上昇遅れ状態であると判定される(ステップST106肯定)と、筒内圧縮行程噴射制御を行う(ステップST108)。ここでは、筒内圧縮行程噴射制御部77は、切替条件が成立しても、負圧上昇遅れ状態である場合、通常分割噴射制御部76による分割噴射制御を行うところを筒内圧縮行程噴射制御を行う。つまり、負圧上昇遅れ状態である場合は、通常、噴射制御を始動時筒内噴射制御から分割噴射制御に切り替えるところを始動時筒内噴射制御から筒内圧縮行程噴射制御に切り替えることで、DI22のみの噴射による内燃機関への燃料の供給を維持する。なお、筒内圧縮行程噴射制御部77は、筒内圧縮行程噴射制御を所定期間維持する。ここで、所定期間とは、例えば検出された機関回転数Neが第2所定回転数Ne2(上記第1所定回転数Ne1よりも高い値)となるまで、あるいは、負圧上昇判定部79により負圧上昇遅れ状態であると判定されたのちDI22の燃料の噴射回数が第2所定噴射回数(例えば、数回程度)となるまでをいう。
次に、分割噴射制御部76は、筒内圧縮行程噴射制御を行った後、増量補正部78によるPFI噴射量Q1の増量補正を行い、増量補正が行われたPFI噴射量Q1に基づいて分割噴射制御を行う(ステップST107)。ここでは、分割噴射制御部76は、負圧上昇判定部79により負圧上昇遅れ状態であると判定され(ステップST106肯定)、筒内圧縮行程噴射制御を行った後にも、分割噴射制御を行う。つまり、負圧上昇遅れ状態である場合は、筒内圧縮行程噴射制御を所定期間維持した後に分割噴射制御を行う。
以上のように、実施の形態1にかかる燃料噴射制御装置であるECU7では、内燃機関1−1の始動時にまず始動時筒内噴射制御を行うことで機関回転数Neを上昇し、吸気圧力が低下、すなわち筒内負圧が上昇した後に、分割噴射制御を行うので、PFI21により噴射された燃料が燃焼室A内に確実にそれぞれ導入され、DI22による噴射された燃料とともに、燃焼室A内に弱成層混合気を生成することができ、内燃機関の始動時における燃焼形態が成層燃焼から弱成層燃焼に切り替わる。従って、点火プラグ36の点火時には、点火プラグ36近傍領域の混合気が確実に着火し、燃焼室A内全体の混合気を確実に燃焼させることができる。これにより、点火プラグ36近傍領域の混合気が可燃範囲を超えてリッチ側となることを抑制できるので、燃焼室A内全体の混合気がリーン側となることを抑制でき、HC(炭化水素)の排出の増加を抑制することができる。また、設定された燃料噴射量の燃料を各PFI21とDI22とで分割して噴射するので、始動時筒内噴射制御のみの場合と比較して、ピストンウェットの増加を抑制でき、エミッションが悪化、ここではスモーク(黒煙)の排出の増加を抑制することができる。また、始動時筒内噴射制御のみの場合と比較して、DI22に供給される燃料の圧力の低下を抑制することができ、分割噴射制御時においてDI噴射量Q2の燃料をDI22により確実に噴射することができる。また、分割噴射制御時には、設定された燃料噴射量Qの燃料をPFI21とDI22とで分割して噴射するので、始動時吸気経路噴射制御のみの場合と比較して、重質燃料における霧化・気化性の悪化による影響を抑制でき、ポートウェットの増加を抑制することができる。これらにより、始動性を確保しつつ、燃費の向上およびエミッションの悪化の抑制を図ることができるという効果を奏する。
また、分割噴射制御によりPFI21とDI22とで分割して燃料を噴射する場合は、始動時筒内噴射制御後に分割噴射制御を行う代わりに筒内圧縮行程噴射制御によりDI22のみにより燃料を噴射する場合と比較して、実際の燃料噴射量が設定された燃料噴射量Qに対して変動(例えば±20%程度)しても、燃料噴射量に対する内燃機関1−1で発生するトルクの変動を抑制でき、HC(炭化水素)の排出の増加を抑制することができる。従って、ロバスト性を向上することができる。
また、負圧上昇遅れ状態である場合は、通常、噴射制御を始動時筒内噴射制御から分割噴射制御に切り替えるところを、筒内圧縮行程噴射制御を行うことで、DI22のみによる燃料の噴射を維持し、PFI21による燃料の噴射を行わないので、燃焼が悪化することを抑制することができる。
また、負圧上昇判定部79は、負圧上昇遅れ状態を吸気経路5の圧力を検出せずに判定するので、圧力センサなど必要とせずに、燃焼が悪化することを抑制することができる。
[実施の形態2]
次に、実施の形態2にかかる内燃機関1−2について説明する。図3は、実施の形態2にかかる内燃機関の構成例を示す図である。図3に示す実施の形態2にかかる内燃機関1−2が、図1に示す実施の形態1にかかる内燃機関1−1と異なる点は、負圧上昇遅れ状態である場合に、PFI21に対応する燃料噴射量であるPFI噴射量Q1を負圧上昇遅れ状態でない場合と比較して多くなるように増量補正して分割噴射制御を行う点である。ここで、図3に示す実施の形態2にかかる内燃機関1−2の基本的構成において、図1に示す実施の形態1にかかる内燃機関1−1の基本的構成と同一部分は、その説明を省略する。
増量補正部78は、分割噴射制御部76による分割噴射制御時に、PFI噴射量Q1を増量補正するが、負圧上昇遅れ状態であるか否かで、異なる補正量をPFI噴射量Q1に加える。増量補正部78は、負圧上昇遅れ状態である場合における補正量βを負圧上昇遅れ状態でない場合における補正量αよりも多くする。つまり、増量補正が行われたPFI噴射量Q1は、負圧上昇遅れ状態である場合が負圧上昇遅れ状態でない場合よりも多く設定される。
次に、実施の形態2にかかる内燃機関1−2の運転方法、特に燃料噴射装置であるECU7による燃料噴射制御方法について説明する。図4は、実施の形態2にかかる燃料噴射制御装置の動作フローを示す図である。なお、図4に示す実施の形態2にかかる燃料噴射制御方法のうち、図2に示す実施の形態にかかる燃料噴射制御方法と、同一部分あるいはほぼ同一部分については簡略化して説明する。
まず、図4に示すように、ECU7の処理部72は、内燃機関1−2の始動要求があるか否かを判定する(ステップST201)。
次に、処理部72は、内燃機関1−2の始動要求があると判定する(ステップST201肯定)と、DI燃料の昇圧を開始する(ステップST202)。
次に、処理部72は、DI燃料圧力Pが所定圧力P1以上であるか否かを判定する(ステップST203)。
次に、処理部72は、DI燃料圧力Pが所定圧力P1以上であると判定する(ステップST203肯定)と、切替条件が成立しているか否かを判定する(ステップST204)。ここでは、処理部72は、DI燃料ポンプ25により上昇したDI燃料圧力が所定圧力P1以上となると、実施の形態2では、各DI22の噴射回数が第1所定噴射回数(例えば1回)以上であるか否か、すなわちDI22による噴射開始から内燃機関1−2の1サイクルが終了したか否かを判定することで切替条件が成立しているか否かを判定する。
次に、始動時筒内噴射制御部75は、切替条件が成立していないと判定される(ステップST204否定)と、始動時筒内噴射制御を行う(ステップST205)。
また、負圧上昇判定部79は、切替条件が成立していると判定される(ステップST204肯定)と、内燃機関1−2が負圧上昇遅れ状態であるか否かを判定する(ステップST206)。負圧上昇判定部79は、始動時筒内噴射制御を維持している状態で、内燃機関1−2が負圧上昇遅れ状態であるか否かを判定する。
次に、分割噴射制御部76は、負圧上昇判定部79により負圧上昇遅れ状態でないと判定される(ステップST206否定)と、増量補正部78によるPFI噴射量Q1の増量補正を行い、増量補正が行われたPFI噴射量Q1に基づいて分割噴射制御を行う(ステップST207)。ここでは、増量補正部78は、PFI噴射量Q1に加算する補正量αを設定する。分割噴射制御部76は、増量補正部78により設定された補正量αが加えられたPFI噴射量Q1(Q1=Q1+α)の燃料をPFI21による1回噴射で内燃機関1−2に供給するとともに、DI噴射量Q2の燃料をDI22による1回噴射で内燃機関1−2に供給する噴射制御を行う。なお、処理部72は、分割噴射制御部76が分割噴射制御を行うと、現在の制御周期を終了し、次の制御周期に移行する。
また、分割噴射制御部76は、負圧上昇判定部79により負圧上昇遅れ状態であると判定される(ステップST206肯定)と、増量補正部78によるPFI噴射量Q1の増量補正を負圧上昇遅れ状態でない場合に増量補正されたPFI噴射量Q1よりも多くなるように行い、増量補正が行われたPFI噴射量Q1に基づいて分割噴射制御を行う(ステップST208)。ここでは、増量補正部78は、PFI噴射量Q1に加算する補正量βを設定する。分割噴射制御部76は、増量補正部78により設定された補正量βが加えられたPFI噴射量Q1(Q1=Q1+β)の燃料をPFI21による1回噴射で内燃機関1−2に供給するとともに、DI噴射量Q2の燃料をDI22による1回噴射で内燃機関1−2に供給する噴射制御を行う。ここで、補正量βは、上記補正量αよりも大きな値であり、負圧上昇遅れ状態である場合において、増量補正する前のPFI噴射量Q1を燃焼室Aに導入できるように設定されている。つまり、補正量βと補正量αとの差分が負圧上昇遅れ状態の場合と負圧上昇遅れ状態でない場合とでのポートウェットの差分となるように、補正量βが設定されている。なお、処理部72は、分割噴射制御部76が分割噴射制御を行うと、現在の制御周期を終了し、次の制御周期に移行する。
以上のように、実施の形態2にかかる燃料噴射制御装置であるECU7では、上記実施の形態1と同様に、始動性を確保しつつ、燃費の向上およびエミッションの悪化の抑制を図ることができるという効果を奏する。また、ロバスト性を向上することができる。
また、負圧上昇遅れ状態である場合は、PFI21に対応する燃料噴射量であるPFI噴射量Q1が負圧上昇遅れ状態でない場合と比較して多くなるので、ポートウェットが増加しても、PFI21により噴射された燃料のうち筒内に導入される量が減少することを抑制することができ、燃焼が悪化することを抑制することができる。
また、負圧上昇判定部79は、負圧上昇遅れ状態を吸気経路5の圧力を検出せずに判定するので、圧力センサなど必要とせずに、燃焼が悪化することを抑制することができる。
なお、実施の形態1,2では、処理部72は、終了条件が成立すると、分割噴射制御を終了し、噴射制御として通常制御を行うようにしても良い。通常制御は、例えば始動が完了した内燃機関1−1,1−2の運転を維持できる燃料噴射量の燃料を内燃機関1−1,1−2に供給することができる噴射制御である。ここで、終了条件は、内燃機関1−1,1−2の始動が完了したと判断できる物理量あるいは分割噴射制御を行うことができないと判断できる物理量の少なくともいずれかに基づいて設定されるものである。実施の形態1,2では、終了条件として、例えば、内燃機関1−1,1−2の始動が完了したと判断できる物理量である内燃機関1−1,1−2の機関回転数を用い、検出された機関回転数Neが第3所定回転Ne3(上記第1所定回転数Ne1および第2所定回転数Ne2よりも高い値)以上であると終了条件が成立したとする。内燃機関1−1,1−2の始動が完了したと判断できる物理量は、機関回転数に限定されるものではなく、DI22の燃料の噴射回数(噴射回数の増加により機関回転数が上昇し、内燃機関1−1,1−2の始動が完了したと判断できる)や、DI22による燃料の噴射開始からの経過時間(時間経過により、噴射回数が増加し、機関回転数が上昇し、内燃機関1−1,1−2の始動が完了したと判断できる)であっても良い。この場合は、噴射回数が第3所定噴射回数(上記第1所定噴射回数および第2所定噴射回数よりも高い値)以上であると、あるいはDI22による燃料の噴射開始から第2所定時間(上記第1所定時間よりも高い値)以上経過すると、終了条件が成立したとする。ここで、第3所定回転数Ne3、第3所定噴射回数および第2所定時間は、内燃機関1−1,1−2の始動が完了したと判断できる値に設定されている。また、終了条件として、分割噴射制御を行うことができないと判断できる物理量である負荷率、すなわち筒内充填効率を用い、例えば検出された機関回転数Neおよび検出された吸入空気量に基づいて推定された負荷率が所定値以下であると終了条件が成立したとしても良い。分割噴射制御を行うことができないと判断できる物理量は、負荷率に限定されるものではなく、燃料噴射量設定部74により設定された燃料噴射量Qのうち、DI22に対応する燃料噴射量であるDI噴射量Q2、あるいは燃料噴射量設定部74により設定された燃料噴射量Qのうち、PFI21に対応する燃料噴射量であるPFI噴射量Q1であっても良い。この場合は、DI噴射量Q2がDI22の最低噴射量未満であると、あるいはPFI噴射量Q1がPFI21の最低噴射量未満であると、終了条件が成立したとしても良い。また、終了条件は、上記複数の条件が成立した場合に成立したとしても良い。
また、上記実施の形態1,2では、切替条件が成立すると、増量補正部78によりPFI噴射量の増量補正を行うが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば切替条件が成立して増量条件が成立すると、増量補正を開始するようにしても良い。ここで、増量条件として、各PFI21の噴射回数が第4所定噴射回数(例えば3回)以下であると増量条件が成立したとする。なお、増量条件として、内燃機関1−1,1−2の冷却水の水温を用い、例えば図示しない水温センサにより検出され、ECU7に出力された水温が所定温度以下である、あるいは各DI22による燃料の噴射開始からの経過時間を用い、各DI22による燃料の噴射開始から第3所定時間以上経過すると、増量条件が成立したとする。また、増量条件は、上記複数の条件が成立した場合に成立したとしても良い。
また、上記実施の形態1,2では、負圧上昇判定部79により負圧上昇遅れ状態であると判定されると、始動時筒内噴射制御の継続後分割噴射制御あるいは増量補正を行った後分割噴射制御を行うが本発明はこれに限定されるものではなく、分割噴射制御を禁止して通常噴射制御にしても良い。また、吸気経路5に設けられた圧力センサにより検出され、ECU7に出力された吸気経路5の負圧に基づいて負圧上昇遅れ状態であるか否かを判定しても良い。
また、上記実施の形態1,2では、負圧上昇判定部79は、スロットルバルブ53のバルブ開度に基づいて負圧上昇遅れ状態であるか否かを判定するが本発明はこれに限定されるものではなく、負圧上昇遅れ状態であるか否かを判定できるものであればいずれであってもよい。
例えば、内燃機関1−1,1−2に、排気経路6の排気ガスの一部を吸気経路5に循環させるEGR装置が搭載されている場合は、吸気経路5に流入する排気ガス量を制御するEGR弁のEGR弁開度に基づいて負圧上昇遅れ状態を判定しも良い。この場合、負圧上昇判定部79は、検出されたEGR弁開度に基づいてEGR弁の異常を判定することで、内燃機関1−1,1−2が負圧上昇遅れ状態であるか否かを判定する。ここで、内燃機関1−1,1−2の始動中におけるEGR弁のEGR弁開度が内燃機関1−1,1−2の始動中における通常のEGR弁開度(通常、閉弁)よりも大きいと、吸気経路5における負圧の上昇が内燃機関1−1の始動中における通常の負圧の上昇よりも遅れることとなる。従って、負圧上昇判定部79は、内燃機関1−1,1−2の始動中において検出されたEGR弁開度が内燃機関1−1,1−2の始動中における通常の検出されるEGR弁開度よりも大きいと判定することで、内燃機関1−1,1−2が負圧上昇遅れ状態であると判定しても良い。
また、例えば、内燃機関1−1,1−2が搭載されている車両に制動力を作用させるブレーキ装置に吸気経路5の負圧より運転者の操作を補助するブレーキブースターが備えられている場合は、予め設けられたブレーキブースター内の圧力を検出する圧力センサにより検出され、ECU7に出力されたブレーキブースター負圧に基づいて負圧上昇遅れ状態を判定しても良い。ここで、内燃機関1−1,1−2の始動中におけるブレーキブースター負圧が内燃機関1−1,1−2の始動中における通常のブレーキブースター負圧よりも小さいと、運転者がブレーキ装置を操作することで、吸気経路5の負圧がブレーキブースターに用いられるので、吸気経路5における負圧の上昇が内燃機関1−1の始動中における通常の負圧の上昇よりも遅れることとなる。従って、負圧上昇判定部79は、内燃機関1−1,1−2の始動中において検出されたブレーキブースター負圧が内燃機関1−1,1−2の始動中における通常の検出されるブレーキブースター負圧よりも小さいと判定することで、内燃機関1−1,1−2が負圧上昇遅れ状態であると判定しても良い。
以上のように、燃料噴射制御装置は、内燃機関の吸気経路に燃料を噴射する吸気経路燃料噴射弁および内燃機関の筒内に燃料を噴射する筒内燃料噴射弁を備える燃料噴射制御装置および燃料噴射制御方法に有用であり、特に、始動性を確保しつつ、燃費の向上およびエミッションの悪化の抑制を図るのに適している。
実施の形態1にかかる内燃機関の構成例を示す図である。 実施の形態1にかかる燃料噴射制御装置の動作フローを示す図である。 実施の形態2にかかる内燃機関の構成例を示す図である。 実施の形態2にかかる燃料噴射制御装置の動作フローを示す図である。
符号の説明
1−1,1−2 内燃機関
2 燃料供給装置
21 吸気経路燃料噴射弁
22 筒内燃料噴射弁
3 内燃機関本体
4 バルブ装置
5 吸気経路
53 スロットルバルブ
53b スロットルバルブセンサ
6 排気経路
7 ECU(燃料噴射制御装置)
74 燃料噴射量設定部(燃料噴射量設定手段)
75 始動時筒内噴射制御部
76 分割噴射制御部
77 筒内圧縮行程噴射制御部
78 増量補正部(増量補正手段)
79 負圧上昇判定部
8 アクセル開度センサ
α、β 補正量

Claims (3)

  1. 内燃機関の吸気経路に燃料を噴射する吸気経路燃料噴射弁および前記内燃機関の筒内に燃料を噴射する筒内燃料噴射弁による前記燃料の噴射制御を行う燃料噴射制御装置におい
    て、
    前記内燃機関の始動開始時に、前記燃料を前記内燃機関の圧縮行程における前記筒内燃料噴射弁のみによる噴射により、前記内燃機関に供給する始動時筒内噴射制御を行い、
    前記始動時筒内噴射制御後に、前記燃料を前記吸気経路燃料噴射弁による噴射、および前記圧縮行程における前記筒内燃料噴射弁による噴射により前記内燃機関に供給する分割噴射制御を行い、
    前記内燃機関の始動中に前記吸気経路における負圧の上昇が当該内燃機関の始動中における通常の前記負圧の上昇よりも遅れる負圧上昇遅れ状態である場合は、前記噴射制御を設定された燃料噴射の燃料を前記内燃機関の圧縮行程における前記筒内燃料噴射弁のみによる噴射により前記内燃機関に供給する筒内圧縮行程噴射制御を行うことを特徴とする燃料噴射制御装置。
  2. 前記負圧上昇遅れ状態である場合は、前記噴射制御を前記筒内圧縮行程噴射制御に所定期間維持した後に前記分割噴射制御に切り替えることを特徴とする請求項1に記載の燃料噴射制御装置。
  3. 内燃機関の吸気経路に燃料を噴射する吸気経路燃料噴射弁および前記内燃機関の筒内に燃料を噴射する筒内燃料噴射弁による前記燃料の噴射制御を行う燃料噴射制御装置において、
    前記内燃機関の燃料噴射量を設定する燃料噴射量設定手段と、
    前記設定された燃料噴射量のうち、前記吸気経路燃料噴射弁に対応する燃料噴射量を増量補正する増量補正手段と、
    を備え、
    前記内燃機関の始動開始時に、前記燃料を前記内燃機関の圧縮行程における前記筒内燃料噴射弁のみによる噴射により、前記内燃機関に供給する始動時筒内噴射制御を行い、
    前記始動時筒内噴射制御後に、前記設定された燃料噴射量の燃料を前記吸気経路燃料噴射弁による噴射、および前記圧縮行程における前記筒内燃料噴射弁による噴射により前記内燃機関に供給する分割噴射制御を行い、
    前記増量補正手段は、前記分割噴射制御時に前記増量補正を行い、かつ前記内燃機関の始動中に前記吸気経路における負圧の上昇が当該内燃機関の始動中における通常の前記負圧の上昇よりも遅れる負圧上昇遅れ状態である場合、前記吸気経路燃料噴射弁に対応する燃料噴射量が前記負圧上昇遅れ状態でない場合と比較して多くなるように前記増量補正を行うことを特徴とする燃料噴射制御装置。
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