JP5070428B2 - 電子コンパス及び方位測定方法 - Google Patents

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Description

本発明は、3軸方向の地磁気を検出して被測定体の3次元的な方位を測定する電子コンパス及び方位測定方法に関し、特に、被測定体の着磁等による外乱磁場に伴い生じる方位測定誤差を補正する電子コンパス及び方位測定方法に関するものである。
従来より、2軸方向の地磁気を検出して被測定体の2次元的な方位を測定する電子コンパスは開発されている。
そして、かかる電子コンパスにおいては、地磁気ベクトルの2軸成分を検出して、方位円の中心を基準にその方位を表示する。この方位円は、被測定体の旋回によって2軸成分データが描く円であり、方位を測定するにはまず方位円の中心を求める必要がある。そして、方位円がずれた場合にこれを校正する必要がある。
例えば、引用文献1には、2つのデータを結ぶ線分の二等分線を算出し、算出された垂直二等分線の傾きによって複数個のセクターに分類し全てのセクターにデータが格納されると各セクターの代表からの距離の自乗和が最小となるポイントを算出して、円の中心を算出する技術が開示されている。
また、引用文献2には、地磁気方位センサによる所定数の測定値に基き、最小2乗法を用いて出力円として楕円を決定するパラメータを求め、これにより真円上のデータに変換して方位円の中心を求める旨が記載されている。
しかし、これらの方法では、方位円の校正に時間がかかり、精確な方位測定を適切に行えないという問題がある。
そして、引用文献3には、中心演算手段と最小2乗法演算手段とを備えた、方位円の中心を校正する校正手段を有する電子コンパスが開示されている。これによれば、中心演算手段により素早く方位円の中心を校正し、更に、長期的には最小2乗法演算手段により、より高精度の校正を行うことができる。
なお、方位円の詳細については、引用文献3に記載されている。
しかしながら、上記電子コンパスは、あくまでも、地磁気ベクトルの2軸成分を検出して方位測定をおこなうため、2次元的な方位測定しかできない。それ故、例えば、上記電子コンパスを携帯電子機器等に搭載して3次元的な方位測定を行うことはできない。
かかる3次元的な方位測定を行うためには、3個の磁気検出部(磁気センサ)を直交する3軸方向に配置して、地磁気成分を検出するよう構成することが考えられる。
しかし、測定誤差を校正する際には、上述した方位円の中心を求める代わりに、図6に示すような3次元的な「方位球」の中心を求める必要がある。ここで、方位球とは、被測定体の3次元的な姿勢変化によって3軸成分データが描く球であり、その中心が方位測定の基準となるものである。
この方位球の中心を求めるに当って、上記特許文献3の発明と同様な方法を利用しようとすると、互いに直交する3つの平面における方位円を求めると共にそれぞれの中心を求め、これらを重ね合わせて、方位球の中心を求めなければならない。そうすると、極めて複雑な校正方法となるという問題がある。
特開平6−58758号公報 特開平9−68431号公報 特開2006−234581号公報
本発明は、かかる従来の問題点に鑑みてなされたもので、3次元的な方位測定誤差の校正を容易に行うことができ、3次元的な方位を精確に測定することができる電子コンパス及び方位測定方法を提供しようとするものである。
第1の発明は、携帯電子機器の姿勢方位と共に変化する地磁気ベクトルの3軸成分を直交する3軸成分データ(X1、Y1、Z1)、(X2、Y2、Z2)、・・・(Xi、Yi、Zi)として検出する直交配置された3つの磁気検出部をもつ地磁気方位検出器と、
上記3軸成分データ(Xi、Yi、Zi)から上記携帯電子機器の姿勢方位を算出する方位演算手段と、
磁界の正常・異常を判定する磁界判定手段と、
該磁界判定手段が異常と判定したとき、上記携帯電子機器の姿勢変化によって上記3軸成分データ(Xi、Yi、Zi)が描く方位球の中心を校正する校正手段と、を有し、
該校正手段は、少なくとも4つの上記3軸成分データ(Xi、Yi、Zi)から上記方位球の中心を算出する中心演算手段と、
所定数の上記3軸成分データ(Xi、Yi、Zi)から最小2乗法を用いて上記方位球を算出する最小2乗法演算手段と、を備え、
上記磁界判定手段は、所定の時間間隔を置いて取得された2つの上記3軸成分データから、その各成分の変化量の2乗の和が所定の閾値以上か否かにより、磁界の正常・異常を判定し、
上記方位演算手段は、上記磁界判定手段が正常と判定したとき、上記3軸成分データ(Xi、Yi、Zi)から算出した上記姿勢方位を出力し、上記磁界判定手段が異常と判定したとき、上記校正手段で校正された上記方位球の中心を用いて順次上記姿勢方位を算出して出力することを特徴とする電子コンパスにある(請求項1)。
次に、本発明の作用効果につき説明する。
上記電子コンパスにおいては、上記磁界判定手段で異常と判定され、上記方位球の中心を校正する必要があるときのみ、上記中心演算手段で少なくとも4つの3軸成分データ(Xi、Yi、Zi)から方位球の中心を算出し、その中心を方位球の暫定中心として上記方位演算手段で方位を求めるので、短時間に比較的誤差の少ない方位を表示することができる。
その後、上記最小2乗法演算手段で所定数の3軸成分データから方位球の中心を求め、上記方位演算手段で方位を求めるので、最終的には高精度の方位を表示することができる。したがって、着磁に起因する測定誤差の発生を抑制して、精確な3次元方位を測定することができる。
このように、上記校正手段における中心演算手段は、4つの3軸成分データ(Xi、Yi、Zi)から方位球の中心を算出することにより、3次元的な方位測定誤差を短時間で精確に校正して、上記方位球の中心を校正することができる。
以上のごとく、本発明によれば、3次元的な方位測定誤差の校正を容易に行うことができ、3次元的な方位を精確に測定することができる電子コンパスを提供することができる。
第2の発明は、携帯電子機器の姿勢方位と共に変化する地磁気ベクトルの3軸成分を直交する3軸成分データ(X1、Y1、Z1)、(X2、Y2、Z2)、・・・(Xi、Yi、Zi)として検出する3軸成分データ検出ステップと、
上記3軸成分データ検出ステップで検出された上記3軸成分データ(Xi、Yi、Zi)から上記携帯電子機器の該姿勢方位を算出する方位演算ステップと、
磁界の正常・異常を判定する磁界判定ステップと、
該磁界判定ステップが異常と判定したとき、上記携帯電子機器の姿勢変化によって上記3軸成分データ(Xi、Yi、Zi)が描く方位球の中心を校正する校正ステップと、
を有し、
該校正ステップは、少なくとも4つの上記3軸成分データ(Xi、Yi、Zi)から上記方位球の中心を算出する中心演算ステップと、
所定数の上記3軸成分データ(Xi、Yi、Zi)から最小2乗法を用いて上記方位球を算出する最小2乗法演算ステップと、を備え、
上記磁界判定ステップにおいては、所定の時間間隔を置いて取得された2つの上記3軸成分データから、その各成分の変化量の2乗の和が所定の閾値以上か否かにより、磁界の正常・異常を判定し、
上記方位演算ステップは、上記磁界判定ステップが正常と判定したとき、上記3軸成分データ(Xi、Yi、Zi)から算出された上記携帯電子機器の姿勢方位を出力し、上記磁界判定ステップが異常と判定したとき、上記校正ステップで校正された上記方位球の中心を用いて順次上記姿勢方位を算出して出力することを特徴とする方位測定方法にある(請求項5)。
本発明によれば、3次元的な方位測定誤差の校正を容易に行うことができ、3次元的な方位を精確に測定することができる方位測定方法を提供することができる。
上記第1の発明(請求項1)及び上記第2の発明(請求項5)に係る電子コンパス及び方位測定方法の被測定体は、例えば携帯電話器等の携帯電子機器ある。また、上記姿勢方位とは、被測定体である携帯電子機器の姿勢によって定まる3次元的な方位であって、例えば、携帯電話器の表示画面の上下方向が向く3次元的な方位等がこれに該当する。
また、上記磁気検出部は、±3mGの検出精度を有することが好ましい(請求項2)。
この場合には、地磁気ベクトルの3軸成分を充分な精度で検出することができる。これにより、姿勢方位の測定を精確に行うことができる。また、上記中心球の中心の校正を精確に行うことができるため、精確な測定を確保することができる。
また、地磁気の大きさが300〜350mGであることを考慮すると、方位が1°ずれたときに特定方位における検出誤差が3〜4mGとなる。それ故、上記磁気検出部が±3mGの検出精度を有することにより、方位検出として、±1°の検出精度を得ることができる。
また、方位測定を1m秒以下の間隔で行うことが好ましい(請求項3、請求項6)。
この場合には、上記校正手段において方位球の中心の校正を充分に精確に行うことができる。即ち、校正を行うに当って、4つ以上の3軸成分データを取得して、方位球の中心を求める必要があるが、方位測定を1m秒以下の間隔で行えるということは、3軸成分データを短時間で多数取得することができるということとなり、短時間で方位球の中心の校正を行うことができる。それ故、精確な校正を行うことができ、精確な3次元的な姿勢方位の検出が可能となる。
また、人間の通常の動作によって被測定体である携帯電子機器の姿勢を1°変化させるのに要する時間が約1m秒以上であることを考慮すると、方位測定を1m秒以下の間隔で行えれば、1°の姿勢変化を充分に検出できることとなる。
また、上記磁気検出部は、マグネトインピーダンス磁気センサであることが好ましい(請求項4)。
マグネトインピーダンス磁気センサは、超小型であり、地磁気方位検出器を小型化することができる。したがって、地磁気方位検出器を例えば携帯電子機器等に内蔵することが容易となる。また、マグネトインピーダンス磁気センサは、高感度の磁気センサとすることができるため、地磁気ベクトルの3軸成分データ(Xi、Yi、Zi)を特に高精確に測定することができる。これにより、3次元的な姿勢方位を精確に検出することができると共に、上記校正手段における3次元的な方位測定誤差の校正を精確に行うことができる。
本発明の実施例にかかる電子コンパス及びこれを用いた方位測定方法につき、図1〜図6を用いて説明する。
本例の電子コンパス10は、図1に示すごとく、以下の地磁気方位検出器1と方位演算手段32と磁界判定手段31と校正手段33とを有する。
地磁気方位検出器1は、図2に示すごとく、被測定体の姿勢方位と共に変化する地磁気ベクトルの3軸成分を直交する3軸成分データ(X1、Y1、Z1)、(X2、Y2、Z2)、・・・(Xi、Yi、Zi)として検出する直交配置された3つの磁気検出部11x、11y、11zをもつ。
方位演算手段32は、上記3軸成分データ(Xi、Yi、Zi)から被測定体の姿勢方位を算出する。
磁界判定手段31は、磁界の正常・異常を判定する。
校正手段33は、磁界判定手段31が異常と判定したとき、被測定体の姿勢変化によって上記3軸成分データ(Xi、Yi、Zi)が描く方位球(図6)の中心を校正する。なお、図6には、外乱磁場等により方位球が偏移する様子を示した図であって、実線にて表した球が偏移する前の方位球であり、破線にて表した球が偏移した後の方位球である。
校正手段33は、少なくとも4つの上記3軸成分データ(Xi、Yi、Zi)から上記方位球の中心を算出する中心演算手段331と、所定数の上記3軸成分データ(Xi、Yi、Zi)から最小2乗法を用いて上記方位球を算出する最小2乗法演算手段332とを備えている。
上記方位演算手段32は、上記磁界判定手段31が正常と判定したとき、3軸成分データ(Xi、Yi、Zi)から算出した姿勢方位を出力し、磁界判定手段31が異常と判定したとき、校正手段33で校正された上記方位球の中心を用いて順次姿勢方位を算出して出力する。
具体的には、本例の電子コンパス10は、図1に示すように、感度軸が直交配設され、地磁気ベクトルのX成分とY成分を直交する3軸成分データ(X1、Y1、Z1)、(X2、Y2、Z2)、・・・(Xi、Yi、Zi)として検出する3つの磁気検出部11x、11y、11zをもつ地磁気方位検出器1と、磁気検出部11x、11y、11zの出力を所定の頻度でデジタル信号に変換するAD変換器2と、デジタル信号を受けてソフトウエアにより移動体の方位を演算するマイクロコンピュータ3と、演算された方位を表示する表示手段4を備えている。
地磁気方位検出器1として、パーマロイコアに直交して巻回された2つのコイルを磁気検出部11x、11y、11zとする従来の検出器を用いてもよいが、マグネトインピーダンス磁気センサを磁気検出部11x、11y、11zとする磁気検出器を用いることが好ましい。マグネトインピーダンス磁気センサ(以後、「MIセンサ」という)は、例えば、直径20μm、長さ1mmのアモルファス(FeCoSiB)ワイヤと、このワイヤに巻回された検出コイルとからなり、磁界の強さに比例したアナログ電圧を出力する、超小型・高感度の磁気センサである。したがって、地磁気方位検出器1を、図2に示すように、2つのMIセンサを互いに直角に配設し(11x、11y、11zとし)、駆動回路12と共に、縦約3.5mm、横約3.5mmのIC用パッケージに封入したものとすることができる。
また、磁気検出部11x、11y、11zは、±3mGの検出精度を有する。
AD変換器2としては、分解能が14ビット程度のものを用いるとよい。これにより、被測定体の方位測定分解能を満たすことができると共に、被測定体の磁化による地磁気方位検出器1の周辺の磁界が地磁気より大きくなっても信号が飽和することがない。
マイクロコンピュータ3は、磁界の正常・異常を判定する磁界判定手段31と、被測定体の姿勢方位を算出する方位演算手段32と、磁界判定手段31が異常と判定したとき、方位円の中心を校正する校正手段33と、を有している。また、校正手段33は、中心演算手段331と、最小2乗法演算手段332と、を備えている。なお、磁界判定手段31、方位演算手段32、及び校正手段33は、ソフトウエアにより構成されている。
3つの磁気検出部11x、11y、11zにおいて、所定時間ごとに、3軸成分データ(Xi、Yi、Zi)を順次取得し、AD変換器2を介してマイクロコンピュータ3に入力する。マイクロコンピュータ3の磁界判定手段31は、所定の時間間隔を置いて取得された2つの3軸成分データから、その各成分の変化量の2乗の和(ΔX2+ΔY2+ΔZ2)を閾値と比較する。ここで、閾値は例えば100mGとすることができる。この100mGは、3軸成分データの測定精度を考慮して導き出せる閾値である。
即ち、磁界判定手段31は、以下の不等式が成り立つか否かを判定し、成り立つ場合には以上と判断し、成り立たない場合には正常と判断する。
Figure 0005070428
磁界判定手段31の動作を図3のフローチャートを使って説明する。ステップS11で3軸成分データ(Xi、Yi、Zi)の取得を行い、ステップS12でΔX2+ΔY2+ΔZ2を演算し、100mGとの大小関係を比較し、ΔX2+ΔY2+ΔZ2≧100mGのときY(異常)と判定し、ΔX2+ΔY2+ΔZ2<100mGのときN(正常)と判定する。異常と判定されると、ステップS13に進む。
ステップS13においては、マイクロコンピュータ3に蓄積されている所定時間の4つ以上の3軸成分データ(Xi、Yi、Zi)を用いて、方位球の中心の座標を求める。ここでは、4つの3軸成分データを用い、それぞれの3軸成分データを(X1、Y1、Z1)、(X2、Y2、Z2)、(X3、Y3、Z3)、(X4、Y4、Z4)として説明する。
上記3軸成分データを、下記の(数2)に示す球の方程式に代入して4つの式を得、それらの連立方程式を解くことにより偏移後の方位球の中心(a、b、c)を求めることができる。(数2)において、Rは方位球の半径である。
Figure 0005070428
しかし、ここで、変数を減らすために、上記4つの3軸成分データにおける4点目の点(X4、Y4、Z4)に原点を移動して、4点の座標を、それぞれ(X1−X4、Y1−Y4、Z1−Z4)、(X2−X4、Y2−Y4、Z2−Z4)、(X3−X4、Y3−Y4、Z3−Z4)、(0、0、0)とする。
これらの座標を新たに、(X1、Y1、Z1)、(X2、Y2、Z2)、(X3、Y3、Z3)、(0、0、0)と定義しなおす。そして、これらの座標を改めて、下記の(数3)に示す球の方程式に代入して、以下の(数4)に示す3個の方程式が得られる。
Figure 0005070428
Figure 0005070428
これらの式を行列に書き直すと、以下の(数5)のようになる。
Figure 0005070428
Figure 0005070428
と置くと、(数5)は、下記の(数7)となる。
Figure 0005070428
(数7)の両辺に逆行列M-1をかけて、以下の(数8)を得る。
Figure 0005070428
そして、このこの逆行列M-1を求めることで、連立方程式の解(a’、b’、c’)を計算できる。
そして、座標原点を元に戻して、解(a、b、c)は、(a’+X4、b’+Y4、c’+Z4)により求められる。
次に、ステップS14においては、この解と、元から設定されていた方位球の中心座標(a、b、c)との間の3次元的なズレ量(Δa2+Δb2+Δc21/2を所定の閾値と比較する。閾値としては、例えば20mGとする。即ち以下の不等式(数9)が成り立つか否かを判断する。この20mGは、地磁気の測定環境による誤差を考慮して導き出せる閾値である。また、上記MIセンサの検出精度が±3mGであることから、このズレ量20mGは充分に検出することができる。
Figure 0005070428
上記不等式が成り立つ場合には異常と判断し校正手段33へ進み、不等式が成り立たない場合には正常と判断し方位演算手段32へ進む。
そして、校正手段33によって、元から設定されていた方位球の中心座標(a、b、c)を、新たに求めた方位球の中心座標に設定しなおす。
その上で、方位演算を行う。
中心演算手段331の動作の機能は図4のフローチャートによるソフトウエアで行われる。このフローチャートは磁界判定手段31が異常と判定したとき起動する。ステップS21でデータ点(Xi、Yi、Zi)を取得し、ステップS22でそのデータを順次ストアする。次にステップS23で互いに所定距離以上離れたデータ点を4つ取り出す。ここで、所定距離以上離れたデータ点の条件としては、たとえば、3つのデータ点の距離が互いに200mG以上離れていて、4つめのデータ点が、上記3つのデータ点によって定まる平面からの距離が50mG以上離れている状態に設定することができる。
次いで、ステップS24において、上記の4つの3軸成分データから、上述した計算方法によって方位球の中心を求め、その結果をステップS25で方位演算手段32に渡す。
最小2乗法演算手段332の機能は、図5のフローチャートによるソフトウエアで行われる。このフローチャートは、磁界判定手段31が異常と判定したとき、中心演算手段331と同時に起動する。ステップS31でデータ点を取得し、ステップS32でそのデータ点を順次ストアする。次に、ステップS33において、所定数のデータ点を取りだし、ステップS34において、最小2乗法演算により方位球を推定し、この方位球の中心位置(a、b、c)を算出する。なお、ここで、データ点を取り出す所定数とは、40のことである。ここで求められた中心位置(a、b、c)は、ステップS35で方位演算手段32へ渡される。
この最小2乗法演算手段332による中心位置(a、b、c)の演算は、所定のデータ点数が集まるまである程度の時間が必要であり、中心演算手段331よりも遅れて完了する。方位演算手段32は、図1に示すように、最小2乗法演算手段332から中心位置(a、b、c)データが渡されると、これを新たな方位球の中心位置として入れ替え、その後の姿勢方位を算出し、表示手段4で精度の高い方位を表示する。
また、校正手段33が、中心演算手段331で求められた方位球の中心位置(a、b、c)と、最小2乗法演算手段332で求められた方位球の中心位置(a、b、c)の平均を演算する平均演算手段をさらに有していてもよい。
この平均演算手段によって、上記二つの手段によって求めた方位球の中心位置の平均を求め、この平均値を方位演算手段32において用いることにより、精確な方位演算を行うこともできる。
なお、本例の電子コンパスは、例えば、携帯電話器等の携帯電子機器に用いることができる。そして、例えば、携帯電子機器を3次元的に動かしたときに、校正手段33による校正が行われるように構成することもできる。
また、磁界判定手段31の作動条件として、例えば、所定の加速度が生じたときや、電話がかかったときなどの条件によって作動させることもできる。
即ち、地磁気方位検出器1において3軸成分データを取得し続け、そのデータをメモリ内に記憶させるが、使用しないデータは順次消去していくこととなる。そして、磁界判定手段31において、上記のような作動条件が整ったとき、所定の過去のデータまで遡ってデータを比較し、磁界の正常、異常の判定を行うことができる。なお、所定の加速度については、被測定体に加速度センサをも併設することにより、検出することができる。また、この加速度センサも、MIセンサを用いた小型、高精度のものを採用することができる。
次に、本例の作用効果につき説明する。
上記電子コンパス10においては、磁界判定手段31で異常と判定され、方位球の中心を校正する必要があるときのみ、中心演算手段331で少なくとも4つの3軸成分データ(Xi、Yi、Zi)から方位球の中心を算出し、その中心を方位球の暫定中心として上記方位演算手段32で方位を求めるので、短時間に比較的誤差の少ない方位を表示することができる。
その後、最小2乗法演算手段332で所定数の3軸成分データから方位球の中心を求め、方位演算手段32で方位を求めるので、最終的には高精度の方位を表示することができる。したがって、着磁に起因する測定誤差の発生を抑制して、精確な3次元方位を測定することができる。
このように、上記校正手段33における中心演算手段331は、4つの3軸成分データ(Xi、Yi、Zi)から方位球の中心を算出することにより、3次元的な方位測定誤差を短時間で精確に校正して、上記方位球の中心を校正することができる。
以上のごとく、本例によれば、3次元的な方位測定誤差の校正を容易に行うことができ、3次元的な方位を精確に測定することができる電子コンパスを提供することができる。
実施例における、電子コンパスのブロック図。 実施例における、MIセンサを用いた地磁気方位検出器の概略構成図。 実施例における、磁界判定手段のフローチャート。 実施例における、中心演算手段のフローチャート。 実施例における、最小2乗法演算手段のフローチャート。 実施例における、外乱磁場により方位球が偏移する様子を示した図。
符号の説明
1 地磁気方位検出器
10 電子コンパス
11a、11b、11c 磁気検出部(マグネトインピーダンス磁気センサ)
31 磁界判定手段
32 方位演算手段
33 校正手段
331 中心演算手段
332 最小2乗法演算手段

Claims (6)

  1. 携帯電子機器の姿勢方位と共に変化する地磁気ベクトルの3軸成分を直交する3軸成分データ(X1、Y1、Z1)、(X2、Y2、Z2)、・・・(Xi、Yi、Zi)として検出する直交配置された3つの磁気検出部をもつ地磁気方位検出器と、
    上記3軸成分データ(Xi、Yi、Zi)から上記携帯電子機器の姿勢方位を算出する方位演算手段と、
    磁界の正常・異常を判定する磁界判定手段と、
    該磁界判定手段が異常と判定したとき、上記携帯電子機器の姿勢変化によって上記3軸成分データ(Xi、Yi、Zi)が描く方位球の中心を校正する校正手段と、を有し、
    該校正手段は、少なくとも4つの上記3軸成分データ(Xi、Yi、Zi)から上記方位球の中心を算出する中心演算手段と、
    所定数の上記3軸成分データ(Xi、Yi、Zi)から最小2乗法を用いて上記方位球を算出する最小2乗法演算手段と、を備え、
    上記磁界判定手段は、所定の時間間隔を置いて取得された2つの上記3軸成分データから、その各成分の変化量の2乗の和が所定の閾値以上か否かにより、磁界の正常・異常を判定し、
    上記方位演算手段は、上記磁界判定手段が正常と判定したとき、上記3軸成分データ(Xi、Yi、Zi)から算出した上記姿勢方位を出力し、上記磁界判定手段が異常と判定したとき、上記校正手段で校正された上記方位球の中心を用いて順次上記姿勢方位を算出して出力することを特徴とする電子コンパス。
  2. 請求項1において、上記磁気検出部は、±3mGの検出精度を有することを特徴とする電子コンパス。
  3. 請求項1又は2において、方位測定を1m秒以下の間隔で行うことを特徴とする電子コンパス。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項において、上記磁気検出部は、マグネトインピーダンス磁気センサであることを特徴とする電子コンパス。
  5. 携帯電子機器の姿勢方位と共に変化する地磁気ベクトルの3軸成分を直交する3軸成分データ(X1、Y1、Z1)、(X2、Y2、Z2)、・・・(Xi、Yi、Zi)として検出する3軸成分データ検出ステップと、
    上記3軸成分データ検出ステップで検出された上記3軸成分データ(Xi、Yi、Zi)から上記携帯電子機器の該姿勢方位を算出する方位演算ステップと、
    磁界の正常・異常を判定する磁界判定ステップと、
    該磁界判定ステップが異常と判定したとき、上記携帯電子機器の姿勢変化によって上記3軸成分データ(Xi、Yi、Zi)が描く方位球の中心を校正する校正ステップと、
    を有し、
    該校正ステップは、少なくとも4つの上記3軸成分データ(Xi、Yi、Zi)から上記方位球の中心を算出する中心演算ステップと、
    所定数の上記3軸成分データ(Xi、Yi、Zi)から最小2乗法を用いて上記方位球を算出する最小2乗法演算ステップと、を備え、
    上記磁界判定ステップにおいては、所定の時間間隔を置いて取得された2つの上記3軸成分データから、その各成分の変化量の2乗の和が所定の閾値以上か否かにより、磁界の正常・異常を判定し、
    上記方位演算ステップは、上記磁界判定ステップが正常と判定したとき、上記3軸成分データ(Xi、Yi、Zi)から算出された上記携帯電子機器の姿勢方位を出力し、上記磁界判定ステップが異常と判定したとき、上記校正ステップで校正された上記方位球の中心を用いて順次上記姿勢方位を算出して出力することを特徴とする方位測定方法。
  6. 請求項5において、方位測定を1m秒以下の間隔で行うことを特徴とする方位測定方法。
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