JP5066527B2 - 歯ブラシ - Google Patents

歯ブラシ Download PDF

Info

Publication number
JP5066527B2
JP5066527B2 JP2008535375A JP2008535375A JP5066527B2 JP 5066527 B2 JP5066527 B2 JP 5066527B2 JP 2008535375 A JP2008535375 A JP 2008535375A JP 2008535375 A JP2008535375 A JP 2008535375A JP 5066527 B2 JP5066527 B2 JP 5066527B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
hair
toothbrush
bristle
resin
sectional area
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2008535375A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2008035713A1 (ja
Inventor
祐輔 袴田
利彰 小林
孝夫 加藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Lion Corp
Original Assignee
Lion Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Lion Corp filed Critical Lion Corp
Priority to JP2008535375A priority Critical patent/JP5066527B2/ja
Publication of JPWO2008035713A1 publication Critical patent/JPWO2008035713A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5066527B2 publication Critical patent/JP5066527B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A46BRUSHWARE
    • A46DMANUFACTURE OF BRUSHES
    • A46D1/00Bristles; Selection of materials for bristles
    • A46D1/04Preparing bristles
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A46BRUSHWARE
    • A46BBRUSHES
    • A46B15/00Other brushes; Brushes with additional arrangements
    • A46B15/0002Arrangements for enhancing monitoring or controlling the brushing process
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A46BRUSHWARE
    • A46BBRUSHES
    • A46B15/00Other brushes; Brushes with additional arrangements
    • A46B15/0002Arrangements for enhancing monitoring or controlling the brushing process
    • A46B15/0004Arrangements for enhancing monitoring or controlling the brushing process with a controlling means
    • A46B15/001Arrangements for enhancing monitoring or controlling the brushing process with a controlling means with means indicating the remaining useful life of brush
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A46BRUSHWARE
    • A46DMANUFACTURE OF BRUSHES
    • A46D1/00Bristles; Selection of materials for bristles
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A46BRUSHWARE
    • A46BBRUSHES
    • A46B2200/00Brushes characterized by their functions, uses or applications
    • A46B2200/10For human or animal care
    • A46B2200/1066Toothbrush for cleaning the teeth or dentures

Landscapes

  • Brushes (AREA)

Description

本発明は、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)樹脂からなる用毛を用いた歯ブラシに関する。
本願は、2006年9月19日に出願された日本国特許出願第2006−252676号に対して優先権を主張し、その内容をここに援用する。
歯ブラシの用毛には、一般に、ナイロン樹脂(6−12ナイロン、6−10ナイロン)やポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂などの合成樹脂が用いられており、一部には豚毛のような天然毛も用いられている。
また、近年、用毛として、ポリエステル樹脂であるポリトリメチレンテレフタレート(PTT)樹脂からなるモノフィラメントを用いた歯ブラシ(例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3参照)や、透明性と柔軟性、耐久性を兼ね備えたポリトリメチレンテレフタレート系モノフィラメントからなる歯ブラシが提案されている(例えば、特許文献4、特許文献5参照)。用毛としてPTT樹脂を用いた歯ブラシは、屈曲回復性や柔軟性に優れているため、ナイロン樹脂やPBT樹脂を用いた場合と比較して、用毛が広がりにくく、高い清掃力を長期間維持できる。
しかし、PTT樹脂からなる用毛を用いた歯ブラシは、用毛が広がりにくく歯ブラシの取替え時期が不明確であるため、長期間使用されることになり、用毛に繰り返し力が加わり続けるので、用毛の裂けや折れといった機械的破断が発生することがある。
PTT樹脂からなる用毛が破断することのない歯ブラシを提供するために、PTT樹脂とポリエステル系樹脂とからなる合成樹脂製モノフィラメントを用毛とした歯ブラシが提案されている(例えば、特許文献6参照)。
また、PTT樹脂からなる用毛を用いた歯ブラシにおいて劣化状態を表示するために、用毛に用いるPTT毛を二重の芯鞘構造とし、磨耗によって用毛の色または色の濃さが変化するものが提案されている(特許文献7参照)。特許文献7に記載の技術では、毛先の開き具合によることなしに、歯ブラシの取替え時期を知らせることができる。
一方、歯ブラシの用毛として、ブラシ毛の周囲および切断端面全域に凹凸を形成し、歯の清掃及び歯肉のマッサージを良好とするものがある(特許文献8参照)。また、PTT樹脂を用いた歯ブラシとして、PTT繊維からなる芯材の周囲に細糸を製紐加工により編みこんだ製紐ブリッスルが植設された歯ブラシもある(特許文献9参照)。
特開平8−173244号公報 国際公開01/75200号パンフレット 特表2001−511379号公報 特開2006−2256号公報 特開2006−37273号公報 特開2005−270366号公報 特開2005−103184号公報 実開昭61−177027号公報 特開2004−81647号公報
しかしながら、従来のPTT樹脂を用いた用毛を備えた歯ブラシは、いずれも用毛が広がりにくいために長期間使用される場合があり、用毛の裂けや折れといった機械的破断を十分に防止することはできなかった。
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、用毛の裂けや折れといった機械的破断が生じにくく、用毛の広がり具合により、歯ブラシの取替え時期を明確にした歯ブラシを提供することを目的とする。
本発明者は、PTT用毛の機械的破断について以下に示すように検討し、本発明の歯ブラシを想到した。
すなわち、歯ブラシにPTT用毛を植設した場合、高い屈曲回復性により毛が開きにくいため、ナイロン樹脂やPBT樹脂を用いた場合と比較して、長期間使用される。そのため刷掃による用毛への負荷も長期間持続することになる。通常、歯ブラシの用毛はストレート形状であり、刷掃時に用毛にかかる応力が用毛の根元(植毛台に植設されたつけ根部分)に集中し、用毛の根元には大きな負荷がかかる。このため、用毛の裂けや折れといった機械的破断は、用毛の根元で起こる。
また、PTT用毛の機械的破断を防止するためには、歯ブラシの取替え時期を明確にし、歯ブラシの取替えを促し、PTT用毛に機械的破断が生じる前に歯ブラシを取替えることが考えられる。歯ブラシの取替え時期を明確にするためには、用毛径を細くして用毛を広がりやすくし、視覚的に判断させることが考えられる。しかし、単に用毛径を細くすると、用毛が柔らかくなって刷掃力の低下や、用毛の強度が低くなって用毛の折れが発生することがある。
そこで、本発明者は、鋭意研究を重ね、PTT用毛の形状を、歯磨きによって用毛にかかる応力が用毛の根元のみに集中せず、しかも、用毛の広がり具合(植毛部開き率)が用毛の劣化状態に対応する形状とすることで、十分な耐久性を確保しつつ歯ブラシの取替え時期を明確にし、PTT用毛の機械的破断を防止できる本発明の歯ブラシを見出した。
本発明の歯ブラシは、PTT樹脂からなる用毛を束ねた毛束を植毛面に植設した歯ブラシであって、前記用毛の表面には、複数の凹部が形成されており、前記凹部が形成された位置での前記用毛の最小断面積は、前記用毛の最大断面積の40%以上80%以下であることを特徴とする。
このように、用毛の表面に複数の凹部が形成されていると、刷掃時に用毛にかかる応力が、複数の凹部に分散されるので、刷掃時の応力が用毛の根元に集中しなくなり、用毛の表面に凹部が形成されていない場合と比較して、用毛の根元にかかる応力が軽減される。
また、用毛の表面に凹部が形成されていると、刷掃時に負荷される凹部への応力によって用毛が広がりやすくなるので、歯ブラシの取換え時期を視覚的に明確にすることができ、用毛に機械的破断が生じる前に歯ブラシの取換えを促すことができる。したがって、本発明によれば、用毛の裂けや折れが生じにくく、取換え時期の明確な歯ブラシが実現できる。
また、本発明の歯ブラシでは、前記凹部は、前記用毛の伸長方向のピッチが0.3mm以上1.2mm以下、前記伸長方向の長さが0.1mm以上0.8mm以下、深さが用毛径の0.1倍以上0.5倍以下であるものとすることができる。
前記凹部のピッチ、伸長方向の長さ、深さを上記の範囲とすることで、PTT用毛の植毛部開き率がより良好なものとなり、なおかつ、高い機械的強度を確保することができる。
なお、ここでいう用毛径とは、用毛断面形状が円形の時は直径を意味し、用毛断面形状が正三角形や正方形などの正多角形のときは1辺の長さを示す。
本発明によれば、用毛の根元にかかる応力集中を軽減することにより、用毛の裂けや折れを防ぐことが可能となる。そして、視覚的にも取替え時期を明確にすることができる。
図1は、本発明の歯ブラシの一例を示した側面図である。 図2は、図1に示す歯ブラシを構成する用毛のうちの1本を拡大して示した拡大斜視図である。 図3は、図2に示す用毛の側面図である。 図4は、図2に示す用毛の断面図であり、凹部が形成されている部分の断面図である。
符号の説明
1 用毛、 2 凹部、 10 歯ブラシ、 11 ヘッド部、 12 植毛面、 13 ハンドル部、 15 毛束、 21,22 凹部ユニット、 A ピッチ、 B 伸長方向の長さ(幅)、 C 深さ、 D 用毛径(太さ)、 E 中心軸、 S1 最小断面積、 S2 最大断面積。
次に、図面を用いて本発明の実施の形態を詳細に説明する。なお、本発明は、以下に説明する実施の形態に限定されるものではない。
図1は、本発明の歯ブラシの一例を示した側面図である。また、図2は、図1に示す歯ブラシを構成する用毛のうちの1本を拡大して示した拡大斜視図である。図3は、図2に示す用毛の側面図、図4は、図2に示す用毛の凹部が形成されている部分の断面図である。
図1に示す歯ブラシ10は、植毛面12を有するヘッド部11と、ヘッド部11の後端から延びるハンドル部13とを備えている。ハンドル部13は、歯ブラシ10を把持するためのものであり、歯ブラシ10を用いた刷掃操作に適切な任意の形状とすることができる。
ヘッド部11やハンドル部13は、例えば、硬質樹脂などの樹脂による一体成形により形成したものとすることができる。なお、ハンドル部13を構成する樹脂には、把持しやすくするために、エラストマーなどの柔軟な樹脂を少なくとも一部に用いてもよい。
ヘッド部11やハンドル部13の材料としては、具体的には、ポリスチレン樹脂(PS)、ポリプロピレン樹脂(PP)、ポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)、アクリロニトリルブタジエンスチレン樹脂(ABS)、セルロースプロピオネート樹脂(CP)、ポリアリレート樹脂、飽和ポリエステル樹脂(PCTA、PCTG)、ポリカーボネート樹脂(PC)、アクリロニトリルスチレン樹脂(AS)、ポリアセタール樹脂(POM)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、生分解性樹脂等の素材を単独又は、混合して利用できる。また、これらの樹脂同士や熱可塑性エラストマー、シリコン樹脂などと組み合わせた多色成形ハンドルとすることも好ましい。なお、ヘッド部11やハンドル部13の材料は上記記載の制限を受けない。
ヘッド部11の植毛面12には、用毛を束ねた毛束15が複数植設されている。毛束15をヘッド部11に固定する植毛方法としては、従来技術の方法で固定することが出来、例えば平線(真鍮、ステンレス等の金属の他、生分解性プラスチックをはじめ、硬質プラスチックなどの抜け止め部材)で毛束15を2つ折りにして植毛する平線植毛、毛束15の一端を熱等の手段により結合し、結合部が金型内にある状態でヘッド部11となる樹脂を充填し固定するインモールド植毛(例えば特開昭61−268208、特表平9−512724)、毛束15の一端とヘッド部11を熱等の手段で溶融結合する熱融着植毛(例えば、特開昭60−241404)等の方法により行なうことが出来る。
また、植毛面12に形成されている植毛穴の形状は、通常の円や角穴または略楕円形、略長円形、略長方形など長径と短径の異なる形状としてもよい。また植毛穴は通常は格子状や千鳥状に配列されるが、植毛穴形状の組合せや配列の組み合わせを目的機能に応じて適宜選択できる。また、ヘッド部11は、形状、大きさデザインとも何ら制限を受けるものではなく、例えば、ヘッド部11の最小厚みとして、平線を用いる植毛方法あるいは平線を用いない植毛方法によって若干違いが見られるが2mm程度〜6mm程度の厚みとすることができる。
図1に示す歯ブラシ10の毛束15を構成する用毛1は、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)樹脂からなるものである。なお、用毛1となるモノフィラメントは、用毛1の特性を大きく損なわない範囲内で改質することができる。具体的には、例えば、モノフィラメントとなるPTT樹脂に、熱や光に対する安定化剤、難燃剤、フィラー、表面潤滑剤、帯電防止剤、殺菌素材(抗菌素材)などの改質材、他の硬質樹脂やエラストマーなどを一種または2種以上適宜配合したり、モノフィラメントに塗布したりしても良い。
また、用毛1は、透明(ナチュラル) 用毛のまま用いることも出来るし、顔料や染料による透明系着色用毛あるいは、不透明着色(白を含む)用毛として用いることもでき、歯ブラシ10の外観の商品性を考慮して適宜選択される。透明用毛、透明系着色用毛、不透明着色(白を含む)用毛は、必要に応じて、それらの2種あるいはそれ以上を、毛束単位や毛束内で組み合わせて使用しても良い。
透明系着色用毛や不透明着色(白を含む)用毛などの着色用毛は、一般に用いられるように、紡糸する際の樹脂そのものを着色する方法や、紡糸後あるいは紡糸工程に付随して、表面から着色する方法などによって製造することが出来る。また、歯ブラシ10へ植毛する前のカットピース状態(25〜35mm程度の用毛長さの束)で、または植毛後に、用毛1の先端部分のみ、あるいは用毛1の全部に着色することも出来る。
用毛1の表面に凹部2を設けると、刷掃時に用毛にかかる応力が凹部2に集中するので、用毛1の根元にかかる応力が軽減されるとともに、用毛1が広がりやすくなる。しかし、用毛1の裂けや折れを十分に防止するためには、用毛1の表面に凹部2を設けさえすればよいものではなく、凹部2が形成された位置での用毛1の最小断面積S1が、用毛1の最大断面積S2の40%以上80%以下である必要がある。
ここでいう最小断面積S1とは図4に示すように凹部において用毛の長手方向に対して垂直に切断した時に最小となる用毛断面積である(図中、斜線部)。また、最大断面積S2は用毛に形成された凹部前後の最外側を結んで得られる線を外挿して得られた用毛断面積である。
最小断面積S1が用毛1の最大断面積S2の40%未満((S1/S2)×100<40(%))であると凹部2が形成された部分の機械的強度が著しく低下し、用毛1としての本来の強度が発揮できず、曲げ強度が著しく低下してしまう。また、歯磨きによる用毛1の広がりが一般的なナイロン用毛と同程度となり、PTT用毛のもつ曲げ耐久性の良さが消失してしまう。一方、最小断面積S1が用毛1の最大断面積S2の80%を超える((S1/S2)×100>80(%))と、PTT樹脂の優れた曲げ耐久性のため、歯磨きによる用毛1の開きが不十分となり、取替え時期が不明確となるばかりか、継続使用による用毛1の折れが発生することがある。
また、図3に示す凹部2のピッチAは0.3mm以上1.2mm以下であることが好ましく、より好ましくは0.5mm以上1.0mm以下が良い。なお、ここでの凹部2のピッチAとは、用毛1の伸長方向に隣接する凹部2間の距離を意味する。また、隣接する凹部2間の距離とは、凹部2における用毛1の伸長方向中心位置間の距離のことをいう。
また、凹部2の伸長方向の長さB(幅)は0.1mm以上0.8mm以下であることが好ましく、より好ましくは0.2mm以上0.5mm以下であることが良い。
また、図3および図4に示す凹部3の最外側を結んで得られる線から凹部2の谷底までの距離である深さCは、用毛径Dの0.1倍以上0.5倍以下であることが好ましく、より好ましくは0.1倍以上0.3倍以下が良い。
また、用毛1の太さとしては、3〜10mil(0.076〜0.254mm)、好ましくは5〜8mil(0.125〜0.203mm)のものが好ましく、使用性、刷掃感、清掃効果、耐久性など考慮して、1つの歯ブラシを構成する用毛として太さの異なる複数の用毛を組み合わせて利用してもよい。特に、植毛面12に多数の植毛穴を配置した仕様では、外側から中央に向かって用毛の強度を硬くする、または変化させる(太さ、材質、長さ、色、断面形状)ことが使用感、外観差別状の上でも好ましい。
さらに、用毛の断面形状は、円形、楕円形や三角形、四角形などの多角形、星型、三つ葉や四つ葉のクローバー形など直線同士、曲線同士、さらには直線と曲線を組み合わせた不定形としても良い。
このような用毛1となるモノフィラメントの製造方法は、特に限定されないが、例えば、通常の共押し出しモノフィラメントを製造する方法等を用いて製造することができる。
また、用毛1の表面に備えられた凹部2の形成方法も特に限定されるものではないが、例えば、モノフィラメントを製造する際における延伸工程やアニーリング工程等の前または後において、例えば凹部2の形状に対応する断面視コ字状の凸部を有するローラーを上下または左右に対向配置し、対向配置されたローラー間にモノフィラメントを通過させることによって形成することができる。なお、凹部2は、対向配置されたローラーの間にモノフィラメントを通過させる際に、熱処理を施しながら対向配置されたローラーの間にモノフィラメントを通過させることにより形成することもできる。
また、凹部2の形成位置については、上記実施形態に限定されるものではない。例えば、上記実施形態においては、用毛1の表面に2列の凹部ユニット21、22を備えていたが、凹部ユニットは1列であってもよい。また、上記実施形態においては、2列の凹部ユニット21、22が用毛1の中心軸Eに対して対称に配置されていたが、用毛1の伸長方向における凹部ユニット21の凹部の位置が、凹部ユニット22の隣り合う凹部の中心になるように配置されていてもよい。
用毛1の凹部2の形状は用毛1の伸長方向の断面視コ字状やV字状やU字状、C字状であってもよい。さらに、用毛1の有する全ての凹部の形状が同じとされていてもよいし、一部または全部が異なっていてもよい。さらに、用毛の凹部は、用毛の全周に渡って設けられた溝であってもよい。また、用毛の凹部は、特に用毛の全長に渡って施すことが好ましいが、凹部の大きさ、用毛の断面形状、用毛径などにより適宜選択されればよい。
このような形状を有する凹部を形成する場合、用毛となるモノフィラメントを通過させるローラーとして、半球状や略多角形(長方形、三角形)、略長円形等の形成したい凹部の形状に対応する凸部を有するローラーを用いることにより、上記実施形態の用毛1と同様にして形成することができる。
また、表面に凹部2を備えた用毛1の他の例としては、例えば、用毛1を紡糸する際に予めマスターバッチに無機物を入れておき、これを用いて紡糸された用毛の表面析出分を溶解させることによって得られた表面にランダムな凹部の付与された用毛を挙げることができる。
さらに、用毛を酸またはアルカリ薬剤に溶解させる化学的方法や、歯ブラシに植毛した後に毛先を機械研磨する研磨方法などにより毛先をテーパー状にしても良い。研磨方法としては、例えば、第一の回転軸に沿って回転しつつ、第一の回転軸を支持する軸受が第二の回転軸に沿って回転する研磨体によって、刷毛の剪定面と植設面との間を滑らかなテーパー状に加工する製造する装置を用いる方法を挙げることができる。
なお、毛先をテーパー状にした場合における凹部の深さとは、テーパー部に形成された凹部前後の最外側を結んで得られる線から凹部の谷底までの距離をいう。
さらに、紡糸後の用毛を歯ブラシ10の製造方法の違いによって、所定本数づつ束ねてスプールへ巻き取った状態としたり、一定の長さにカットして直線上に数cmから10cm程度の直径に束ね、紙やフィルムで巻いた状態としたりした後で、用毛の残留ひずみを一層低減するために、例えば60℃から160℃で数分間から数日間のオフライン熱処理を行うこともできる。
また、歯ブラシ10の端部の毛切り(あるいはプロファイル)形状と用毛長は、任意に設定することができ、例えば、単一平面状としたり、山切り状としたり、凹凸形状としてもよいし、外側と内側、先端部と後端部などで異なった形状としても良い。
以下に実施例を示して本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
「実施例1〜実施例10、比較例1〜比較例3」
表1または表2に示すPTT樹脂からなる用毛を束ねた毛束が23個の植毛穴を有する植毛面に植設され、ヘッド部およびハンドル部がPCTA樹脂からなる歯ブラシを製造した。
「比較例4」
ナイロン樹脂からなる用毛を用いたことを除いて、実施例1〜実施例10、比較例1〜比較例3と同様にして歯ブラシを製造した。
表1または表2に、実施例1〜実施例10、比較例1〜比較例4の歯ブラシに用いた用毛の側面図、側面図に示した矢印の位置における断面図、最小断面積S1に対する最大断面積S2の割合((S1/S2)×100(%))、用毛寸法(ピッチ、深さ、幅)、用毛径を示す。なお、表1および表2の断面図において、斜線で示された部分の面積が最小断面積S1であり、点線で囲まれた部分が最大断面積S2である。
実施例1〜実施例10、比較例1〜比較例4の歯ブラシを用いて、以下に示す(1)用毛耐久性試験と(2)官能評価とを行なった。その結果を表3に示す。
(1)用毛耐久性試験
実施例1〜実施例10、比較例1〜比較例4の歯ブラシをモデル耐久性試験機にセットして、以下に示すように、植毛部開き率と用毛折れの試験を行なった。試験方法は、歯ブラシのヘッド部を、金属製の波板上に位置して用毛先端が波板表面に接するようにして波板と平行に対向配置し、歯ブラシのヘッド部と波板の全体を35℃の温水中に浸漬させる。そして、歯ブラシのヘッド部に400gの荷重をかけた状態で、ヘッド部を波板の波と直行する向きに、往復速度150回/分、刷掃ストローク40mmで10万回往復運動させて刷掃し、歯ブラシの植毛部開き率および用毛折れを評価した。
<植毛部開き率>
刷掃前(用毛耐久性試験前)にヘッド部に植毛された植毛群の植毛部幅(ハンドル長手方向に対して直角方向の用毛群の毛先位置での全幅)を測定し、モデル耐久性試験機で所定回数(10万回)刷掃した後、再度植毛部幅を測定し、その差を刷掃前の植毛部幅で除して100倍してパーセント表示したものである。なお、植毛部幅は、最も外側を向いた毛束を含む位置で計測した。また、植毛部開き率は、以下の基準で評価した。
植毛部開き率(%)=((刷掃後の植毛部幅−刷掃前の植毛部幅)/(刷掃前の植毛部幅))×100
○:30%以上60%未満
△:20%以上30%未満または60%以上80%未満
×:20%未満または80%以上
<用毛折れ>
所定回数刷掃後、用毛根元の折れの発生の有無を目視観察し、以下の基準で評価した。
○:用毛折れなし
×:用毛折れ発生
(2)官能評価
歯ブラシの毛開き状態と、取替え時期とがリンクしているかどうかを、刷毛耐久性試験終了後の歯ブラシを用いて専門パネラー20名による7段階官能評価を実施し、以下の基準で評価した。
1:全くリンクしていない 2:かなりリンクしていない
3:あまりリンクしていない 4:どちらともいえない
5:ややリンクしている 6:かなりリンクしている
7:非常にリンクしている
○:平均点が6点以上
△:平均点が4点超6点未満
×:4点以下
総合評価は、植毛部開き率、用毛折れ、官能評価の結果を基に判断した。
○:すべてが「○」
△:評価が「○」または「△」で「×」はない
×:いずれかに「×」がある
表1〜表3に示すように、用毛の表面に複数の凹部が形成されており、用毛の最小断面積S1が用毛の最大断面積S2の40%以上80%以下である実施例1〜実施例10では、用毛折れの評価が全て○となり、総合評価が○または△となった。
これに対して、用毛に凹部が形成されていない比較例1と、凹部の深さが好ましい範囲よりも浅く、最小断面積S1に対する最大断面積S2の割合が80%を超える比較例2では、植毛部開き率が非常に低く、植毛部開き率の評価が×となった。また、比較例1および比較例2は、官能評価も×であり、用毛の広がり具合(植毛部開き率)が歯ブラシの取替え時期に対応していないことがわかった。また、比較例1および比較例2では、用毛折れの評価も×であり、総合評価も×となった。
また、最小断面積S1に対する最大断面積S2の割合が40%未満である比較例3と、ナイロン樹脂からなる用毛を用いた比較例4では、用毛折れはなかったが、植毛部開き率が非常に高く、植毛部開き率の評価が×となった。
次に本考案の他の例を示す。
「実施例11〜実施例18」
表3に示すPTT樹脂からなる用毛を用いたことを除いて、実施例1〜実施例10、比較例1〜比較例4と同様にして歯ブラシを製造した。
表4に、実施例11〜実施例18の歯ブラシに用いた用毛の側面図、側面図に示した矢印の位置における断面図、最小断面積S1に対する最大断面積S2の割合((S1/S2)×100(%))、用毛寸法(ピッチ、深さ、幅)、用毛径を示す。なお、表4の断面図において、斜線で示された部分の面積が最小断面積S1であり、点線で囲まれた部分が最大断面積S2である。
実施例11〜実施例18の歯ブラシを用いて、実施例1〜実施例10、比較例1〜比較例4と同様にして(1)用毛耐久性試験と(2)官能評価とを行なった。その結果を表5に示す。
表4および表5に示すように、用毛の表面に複数の凹部が形成されており、用毛の最小断面積S1が用毛の最大断面積S2の40%以上80%以下である実施例11〜実施例18では、用毛折れの評価が全て○となり、総合評価が○または△となった。
本発明の歯ブラシは、用毛の根元にかかる応力集中を軽減することにより、用毛の裂けや折れを防ぐことができる。また、本発明により、視覚的に取替え時期を明確にできる歯ブラシを提供することが可能になる。

Claims (2)

  1. ポリトリメチレンテレフタレート樹脂からなる用毛を束ねた毛束を植毛面に植設した歯ブラシであって、
    前記用毛の表面には、複数の凹部が形成されており、前記凹部が形成された位置での前記用毛の最小断面積は、前記用毛の最大断面積の40%以上80%以下であることを特徴とする歯ブラシ。
  2. 前記凹部は、前記用毛の伸長方向のピッチが0.3mm以上1.2mm以下、前記伸長方向の長さが0.1mm以上0.8mm以下、深さが用毛径の0.1倍以上0.5倍以下であることを特徴とする請求項1に記載の歯ブラシ。
JP2008535375A 2006-09-19 2007-09-19 歯ブラシ Active JP5066527B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008535375A JP5066527B2 (ja) 2006-09-19 2007-09-19 歯ブラシ

Applications Claiming Priority (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006252676 2006-09-19
JP2006252676 2006-09-19
JP2008535375A JP5066527B2 (ja) 2006-09-19 2007-09-19 歯ブラシ
PCT/JP2007/068190 WO2008035713A1 (fr) 2006-09-19 2007-09-19 Brosse à dents

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2008035713A1 JPWO2008035713A1 (ja) 2010-01-28
JP5066527B2 true JP5066527B2 (ja) 2012-11-07

Family

ID=39200538

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008535375A Active JP5066527B2 (ja) 2006-09-19 2007-09-19 歯ブラシ

Country Status (4)

Country Link
JP (1) JP5066527B2 (ja)
KR (1) KR101320827B1 (ja)
CN (1) CN101516232B (ja)
WO (1) WO2008035713A1 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP2198744B1 (de) * 2008-12-19 2011-11-09 Braun GmbH Borstenbüschel und Zahnbürste mit Borstenbüschel
WO2017018340A1 (ja) * 2015-07-24 2017-02-02 ライオン株式会社 歯ブラシ

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6027726U (ja) * 1983-07-30 1985-02-25 八巻 力 歯ブラシ
JPS61177027U (ja) * 1985-04-24 1986-11-05
JPH02251670A (ja) * 1989-03-16 1990-10-09 Toray Ind Inc 凹凸のある繊維の製造方法
JP2001178542A (ja) * 1999-12-27 2001-07-03 Lion Corp 歯ブラシ
JP2006122275A (ja) * 2004-10-28 2006-05-18 Lion Corp 歯ブラシ
JP2007195962A (ja) * 2005-12-28 2007-08-09 Lion Corp 歯ブラシ

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0779294B2 (ja) * 1989-08-11 1995-08-23 日本電信電話株式会社 通信ケーブルの故障位置探知方法
JPH0372724U (ja) * 1989-08-22 1991-07-23

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6027726U (ja) * 1983-07-30 1985-02-25 八巻 力 歯ブラシ
JPS61177027U (ja) * 1985-04-24 1986-11-05
JPH02251670A (ja) * 1989-03-16 1990-10-09 Toray Ind Inc 凹凸のある繊維の製造方法
JP2001178542A (ja) * 1999-12-27 2001-07-03 Lion Corp 歯ブラシ
JP2006122275A (ja) * 2004-10-28 2006-05-18 Lion Corp 歯ブラシ
JP2007195962A (ja) * 2005-12-28 2007-08-09 Lion Corp 歯ブラシ

Also Published As

Publication number Publication date
CN101516232B (zh) 2012-02-08
JPWO2008035713A1 (ja) 2010-01-28
KR20090057013A (ko) 2009-06-03
CN101516232A (zh) 2009-08-26
WO2008035713A1 (fr) 2008-03-27
KR101320827B1 (ko) 2013-10-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5401154B2 (ja) 歯ブラシ及びその製造方法
WO2009084637A1 (ja) 歯ブラシ
JP6101702B2 (ja) テーパー用毛とその製造方法及びテーパー用毛を備えた歯ブラシ
JP6019111B2 (ja) 歯ブラシ
AU2009327195A1 (en) Toothbrush
TW201138674A (en) Core/sheath composite filament for toothbrushes, and toothbrush using same
CA3140827C (en) Head for an oral care implement and oral care implement
RU2567786C2 (ru) Интердентальный чистящий элемент и способ его изготовления
JP5066527B2 (ja) 歯ブラシ
JP5297722B2 (ja) 歯ブラシ用毛材の製造方法、歯ブラシ用毛材、歯ブラシ
JP2007006937A (ja) 歯ブラシ
JP2001169829A (ja) 歯ブラシ用毛材
JP2004202021A (ja) 歯ブラシ
JP4013553B2 (ja) 歯ブラシ
US20230143342A1 (en) Head for an oral care implement and oral care implement
JP3139296U (ja) 歯間ブラシ
JP4722639B2 (ja) 歯ブラシ
JP2011218088A (ja) ブラシ用毛材およびブラシ
JP4689295B2 (ja) 歯ブラシ
JP2007195962A (ja) 歯ブラシ
JP3128238U (ja) 歯ブラシ用毛材および歯ブラシ
JP2011125582A (ja) 歯ブラシ用毛材および歯ブラシ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100622

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120717

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120813

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5066527

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150817

Year of fee payment: 3

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350