JP5066146B2 - プリント配線板の接続構造およびその製造方法 - Google Patents
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Description
上述のプリント配線板の使用のされ方をしない場合でも、一方のプリント配線板がフライングリードを持ち、他のプリント配線板の導体と導電接続をする場合が多くある。
本発明は、一方のプリント配線板のフライングリードと他方のプリント配線板の導体配線(基板パッド)とを電気的に接続しながら十分高い接続強度を簡単に得ることができる、プリント配線板の接続構造およびその製造方法を提供することを目的とする。
上記の構成によれば、導体とフライングリードとは、その幅の端において、一方の対向面と他方の側面とで角部を形成する。この角部は次の2種類がある。
(C1)導体の側面とフライングリードの対向面とで形成される下向きの角部
下向きの角部では、離型フィルムがフライングリード間に押し込まれにくくなり、また、フライングリードは下向きの角部に対して傘または庇の役割を果たし、離型フィルムが導体間のスペースに入り込むのを阻止する。この結果、ACFはフライングリードの傘のもとに、十分な量、当該下向きの角部および基材上に溜められる。
(C2)導体の対向面とフライングリードの側面とで形成される上向きの角部
上向きの角部では、角部は上向きにフライングリードの側面に位置し、基材/導体/フライングリード、にステップ(段差)構造を形成する。このステップ構造の突部(空間側の角)は、押し込まれる離型フィルムに対して障害となり、凹部(角部)および平坦部(対向面および基材上)におけるACFが押されるのを防ぐ。この結果、ACFは、凹部(角部)および平坦部(対向面および基材上)に、十分な量、溜められる。
熱圧着工程を経て、上記の(C1)および(C2)の両方の角部によって、ACFは、十分な量、角部に溜まり、(導体/フライングリード)の導電接続部に連続してその導電接続部を分厚く補強することができる。この結果、上記の接続強度を向上させることができる。なお、(導体/フライングリード)の導電接続部に連続する溜まったACFは、導電性を発現しないことは言うまでもない。
第1のプリント配線板10では、絶縁性の基材11の上に、たとえば銅箔が貼着されてエッチングによりパターニングされた導体配線(以下、導体と記す)15が所定の間隔をあけて並行している。プリント配線板10において絶縁性の基材11上に配置されている露出した導体15は、接続のための部分であり、基板パッドと呼ばれる場合もある。
ACF33は、導電粒子33pを含む熱硬化性または熱可塑性樹脂等による接着剤であり、導体15とフライングリード25とは、ACF33により導電接続されており、他の部分では、導電性が発現されていない。導体15とフライングリード25との導電接続は、両者の間隔を短くして、熱硬化性または熱可塑性の接着樹脂中の導電粒子33pのサイズと同程度にすることで、発現する。導電接続される導体15とフライングリード25との間隔は、たとえば1μmであり、これより大きくても小さくてもよく、0.1μm〜5μmの範囲にあればよい。図1(b)では、導体15とフライングリード25とは、直接、接触しているように表示しているが、ACF33が間に介在しており、とくに導電粒子33pが導電接続をしている。導電粒子33pは、ニッケル、銀、などどのような金属でもよいし、樹脂粒に金めっき、銀めっき、ニッケルめっきしたものでもよい。形状も球状、粒状、針状などどのような形態であってもよい。
これは、下向きの角部Kの場合は、フライングリード25は傘または庇のように導体15の側部上方に突き出ており、その庇の長さが、薄い法の厚みの半分以上とするのがよいためである。
また、上向きの角部Kの場合は、フライングリード25の突部25kおよび導体15の突部15kは、軟化して押し込まれる離型フィルム(図1には図示せず)に対して阻止作用を有する。また、上記の突部25k,15kの離型フィルムの押し込み阻止によって、ACF33は、導体15間のスペースに、さらに(導体15/フライングリード25)間のスペースDにも、十分な量、溜まりやすくなる。
上記の上向きの角部Kおよび下向きの角部Kの作用効果については、製造方法の説明のあとでさらに詳しく説明する。
第2のプリント配線板20において、導体配線であるフライングリード25は、一方の端を絶縁性基材21から延在させて、他方の端を絶縁性基材21に進入させている。一方の端と他方の端の間では裸の状態である。フライングリード25は、図3に示すように、両端側において絶縁性基材21に進入して配線を形成する場合でも、他端側は裸の状態のまま終端する形態であってもよい。フライングリードの領域が複数箇所に分かれていて、その領域が、並置されていても、千鳥状(3つ以上の領域の場合)に配列していてもよい。
ずらしδを維持したまま、図5(d)に示すように、厚み50μm程度のPTFEの離型フィルム35をフライングリード25上に配置する、次いで、図5(e)に示すように、その上から熱圧着ツールまたは押し具41によって加熱・加圧する。圧着条件は、ACF33の部分が200℃−15秒間保持されるように加熱された超硬合金製の押し具41により、3MPaの圧力を付加するのがよい。
ACF33は、図4および図5(e)に示すように、導体15とフライングリード25との間に、並行するすべての導体15にわたって交差するように配置する。したがって、ACF33は、圧力をかけられるフライングリード25と導体15との間でのみ導電性を発揮して、(導体15/フライングリード25)の間に位置するACFでは導電性は発現しない。熱圧着条件は、ACF33が温度100℃〜300℃で時間5秒間〜45秒間を経過するようにして、圧力1MPa〜9MPaを付加する。たとえばACF33の温度200℃−時間15秒間保持して、圧力3MPaを付加するのがよい。
ACF33は、上述のように、導電粒子33pに加えて、熱硬化性樹脂または熱可塑性樹脂を主成分に含む。熱硬化性樹脂の場合、硬化温度にいたる過渡温度域において溶融または半溶融状態を経過する。また熱可塑性樹脂の場合は高温で溶融または半溶融状態になる。この溶融または半溶融状態に圧力を付加して、導体15/フライングリード25の部分を薄くして、導電粒子がACF33内部で導通するようにする。また、圧力を加えられないその他の部分では、導電性が発現しない。
圧力の負荷には、フライングリード25が露出している長さの範囲に収まる幅寸法の押し具(熱圧着ツール)41を用いるのがよい、押し具41とフライングツール25との間には、離型フィルム35を介在させる。離型フィルム35は、ACFが押し具41に粘着するのを防止するために配置する。
ここで問題になるのは、離型フィルムのPTFEやシリコンゴムシートは、温度上昇して軟化するため、押し具41に押されて、フライングリード25間のスペースD2に、さらには導体15間のスペースD1にまで入り込む場合が多いことである。図4において、点線は、押し具41の熱圧着の圧力印加の位置を示している。フライングリード25間に押し込まれたPTFEフィルムまたはシリコンゴムシートは、直下に位置するACF33に圧力をかける。
図7は、フライングリード125と、基材111上の導体115とが平面的に見て合致している場合の従来の接続構造150を示す。図7に示すように、導電粒子133pを含むACF133は、フライングリード125と導体115とが平面的に見て合致する場合、圧力を受けて流動して、その多くが導体115間の側方開口から外に流出していた。
(C1)導体15の側面とフライングリード25の対向面とで形成される下向きの角部K
下向きの角部Kでは、離型フィルム35がフライングリード25間のスペースD2に押し込まれにくくなり、また、フライングリード25は下向きの角部Kに対して傘または庇の役割を果たし、離型フィルム35が導体15間のスペースD1に入り込むのを阻止する。この結果、ACF33はフライングリード25の傘のもとに、十分な量、下向きの角部Kおよび基材11上に溜められる。
(C2)導体15の対向面とフライングリード25の側面とで形成される上向き角部
上向きの角部Kでは、角部Kは上向きにフライングリード25の側面に位置し、基材11/導体15/フライングリード25、にステップ(段差)構造を形成する。このステップ構造の突部(空間側の角)15k,25kは、押し込まれる離型フィルム35に対して障害となり、凹部(角部)および平坦部(導体15の対向面および基材11上)におけるACF33が押されるのを防ぐ。この結果、ACF33は、凹部(角部)15k,25kおよび平坦部(導体15の対向面および基材11上)に、十分な量、溜められる。
熱圧着工程を経て、上記の(C1)および(C2)の角部Kによって、ACF33は、十分な量、角部Kに溜まり、(導体15/フライングリード25)の導電接続部に連続してその導電接続部を分厚く補強することができる。この結果、上記の接続強度を向上させることができる。
ACF33は、溶融または半溶融状態で、フライングリード25の側面に粘着するので、図1(b)に示すように、(導体15/フライングリード25)間のスペースDにおいてフラットな表面を呈さず、側面から中間部へと垂れ下がり、粘性流体特有の表面形状を呈する。図1(b)に示すようにACF33の溜まり量が多いと、フライングリード25の上部にまで届く。ACF33は、(C1)および(C2)のように段差のついた(導体15/フライングリード25)の側面の上部、すなわちフライングリード25にまで充満して、接続強度向上に寄与することができる。図7に示すように(導体15/フライングリード25)が平面的に見て合致すると、ACF33はフライングリード25の上部にまで届かず、(導体15/フライングリード25)接続面の側面の被覆厚みが薄くなり、接続強度は低くなる。
第1のプリント配線板10は補強をしなくてもよいが、補強をする場合は裏面から補強するのがよい。裏面から補強するとき、適度な厚みを持つ、ガラスエポキシ板、ポリイミド板、ポリエチレンテレフタート(PET)板、ステンレス板、等を貼り合わせるのがよい。
上記は、ACF33に熱硬化性接着剤を用いた場合について詳しく説明したが、熱可塑性樹脂を用いてもよいことは、上記のとおりである。
Claims (2)
- 基材上に導体を有する第1のプリント配線板と、
前記第1のプリント配線板の上に位置し、フライングリードを有する第2のプリント配線板と、
前記第1のプリント配線板の導体と前記第2のプリント配線板のフライングリードとを接続する異方導電性接着剤とを備え、
前記導体と前記フライングリードとは同じ幅であって平面的に見てずれており、一方の端における前記導体の対向面と前記フライングリードの側面とで形成される上向き角部と、他方の端における前記導体の側面と前記フライングリードの対向面とで形成される下向き角部とが生じており、
前記上向きおよび下向き角部を形成する対向面のはみだし幅、または、ずれ、は、前記導体および前記フライングリードのうち薄いほうの厚みの1/2以上であり、
かつ、
前記上向き角部には前記異方導電性接着剤が溜まり、前記下向き角部には前記異方導電性背着剤が溜まり、該異方導電性接着剤が溜まった、上向き角部と下向き角部とが順番に繰り返して配列していることを特徴とする、プリント配線板の接続構造。 - 導体が基材上に位置する、第1のプリント配線板を準備する工程と、
前記第1のプリント配線板上に異方導電性接着剤フィルムを配置する工程と、
前記異方導電性接着剤フィルム上に、フライングリードを有する第2のプリント配線板を準備する工程と、
前記第2のプリント配線板を、前記第1のプリント配線板の導体に対して前記フライングリードをずらして配置する工程と、
前記第2のプリント配線板の上から、離型フィルムを介在させて熱圧着ツールで圧力をかけて熱圧着する工程とを備え、
前記ずらし配置工程におけるずらしは、前記導体および前記フライングリードのうち薄いほうの厚みの1/2以上とし、前記ずらしによって前記導体と前記フライングリードとにおいて、一方の端における前記導体の対向面と前記フライングリードの側面とによる上向き角部と、他方の端における前記導体の側面と前記フライングリードの対向面とによる下向き角部と、を形成し、
前記熱圧着工程において、前記上向き角部に前記異方導電性接着剤を溜め、前記下向き角部に前記異方導電性背着剤を溜め、該異方導電性接着剤を溜めた、上向き角部と下向き角部とを順番に繰り返して配列することを特徴とする、プリント配線板の接続構造の製造方法。
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