JP5065555B2 - コリン配合輸液剤 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、静脈栄養施行時に使用するコリン配合輸液剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、経口摂取が不能あるいは不十分な患者に対して、静脈内に水、糖、電解質、アミノ酸、ビタミン、微量元素、等を注入することにより栄養補給が行われてきた。しかしながら、この栄養補給法は問題点として、食事と異なる栄養組成物を血管内に持続的に投与する非生理的な栄養補給法のために代謝異常が発現することが、これまでに明らかにされている(池田義和ら、外科治療、30、1975;青木靖雄、日外会誌、79、1978;織田良雄ら、外科と代謝・栄養、19、1985)。この代謝異常には、高血糖や肝機能障害等が知られており、肝機能障害についてはGOT、GPT等の血中肝障害指標の上昇や脂肪肝が比較的頻繁に認められている。肝機能障害については、静脈栄養法の開始早期から認められる場合も多く、肝臓の代謝適応から一過性に終わる場合も多いとされるが、肝障害が重症化する場合もあり注意が必要となる。肝機能障害が認められた場合の処置としては、一般的には投与量の減量あるいは投与の中断がなされるが(佐藤博ら、図解高カロリー輸液、医学書院)、これらの方法では患者の栄養管理が犠牲となり臨床上の大きな問題となっていた。
【0003】
WO9409769には、静脈栄養施行時に血漿コリン濃度が低下した患者あるいは脂肪肝を発現した患者に対して、コリン配合輸液剤を投与することにより、コリン濃度の正常化と脂肪肝を軽減させる方法が開示されている。
【0004】
メチオニンはATPと縮合してS-アデノシルメチオニンを生成する(上代淑人訳、ハーパー・生化学、丸善株式会社、1988)。コリンは、S-アデノシルメチオニンに由来するメチル基を含む化合物の一つであり、神経伝達物質であるアセチルコリン生合成のための前駆物質でもある。メチオニン、コリンはともに生体内でメチル基供与体として、細胞膜の浸透圧調節や抗脂肝因子作用等の重要な働きをしている。コリン欠乏食を摂取した多くの動物は、十分量のメチオニンを投与しても肝障害や腎障害、成長阻害を起こすことが知られている(Shronts EP、JADA、97、1997)。また、コリンはメチオニンの代謝を円滑にする働きがあることが報告されている。さらに、コリン欠乏食を摂取したラットの肝臓コリン濃度は、摂取開始3日後にはコントロールの約60%に低下する(Zeisel SH、Biochem J、259、1989)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、静脈栄養施行時におけるGOT、GPT等の血中肝障害指標の上昇を未然に防ぎ、投与量の減量あるいは投与の中断をすることなく患者への栄養補給を円滑に行える輸液剤を提供する点にある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、以下の(1)〜(9)により上記課題を解決するものである。
(1) 低栄養、異化亢進状態に陥った患者に対して、栄養状態の改善を目的とし、静脈栄養施行開始時に投与するための輸液剤であって、
該輸液剤はメチオニンを含むアミノ酸およびコリンを含有し、
アミノ酸濃度が37〜50g/Lであり、且つ
メチオニン含量(g)に対するコリン含量(mg)の比が250〜4000であるコリン配合輸液剤。
(2)メチオニンを0.1〜2.5g/L含有する上記(1)に記載のコリン配合輸液剤。
(3)上記輸液剤は、アミノ酸含量(g)に対するコリン含量(mg)の比が8〜140であり、好ましくは8〜30である上記(1)または(2)に記載のコリン配合輸液剤。
(4) 上記輸液剤は、メチオニン以外のアミノ酸として、イソロイシン、ロイシン、リジン、フェニルアラニン、スレオニン、トリプトファン、バリン、アルギニン、ヒスチジン、プロリン、セリン、アスパラギン酸、グルタミン酸、チロシン、システイン、アラニン、グルタミンより選ばれるアミノ酸の遊離型、誘導体または塩をそれぞれ下記の範囲で含有するものである(1)〜(3)のいずれかに記載のコリン配合輸液剤。
イソロイシン 0.5〜4.5g/L
ロイシン 0.5〜7.0g/L
リジン 0.5〜5.0g/L
フェニルアラニン 0.5〜5.0g/L
スレオニン 0.1〜3.5g/L
トリプトファン 0.1〜1.0g/L
バリン 0.5〜5.0g/L
アラニン 0.5〜5.0g/L
アルギニン 0.5〜6.0g/L
アスパラギン酸 0.1〜2.5g/L
システイン 0.05〜1.0g/L
グルタミン酸 0.1〜4.0g/L
ヒスチジン 0.5〜4.0g/L
プロリン 0.5〜4.0g/L
セリン 0.5〜3.0g/L
チロシン 0.05〜0.3g/L
グルタミン 0.01〜3.0g/L
(5)上記輸液剤は、グルコース、フルクトース、キシリトール、ソルビトール、マルトース、グリセロールより選ばれる少なくとも1種類以上の糖を含有し、糖の総量が75〜350g/Lである上記(1)〜(4)のいずれかに記載のコリン配合輸液剤。
(6)上記輸液剤は、ナトリウム、クロール、カリウム、カルシウム、リン、マグネシウム、亜鉛、鉄、マンガン、銅、ヨウ素、セレンより選ばれる少なくとも2種類以上を含有する上記(1)〜(5)のいずれかに記載のコリン配合輸液剤。
(7)上記輸液剤は、ビタミンA、D、E、K、B1、B2、B6、B12、C、ニコチン酸、パントテン酸、葉酸、ビオチンより選ばれる少なくとも1種類以上を含有する上記(1)〜(6)のいずれかに記載のコリン配合輸液剤。
(8)上記輸液剤は、バッグ類に予め充填されている上記(1)〜(7)のいずれかに記載のコリン配合輸液剤。
(9)上記輸液剤は、コリンが塩化コリンである上記(1)〜(8)のいずれかに記載のコリン配合輸液剤。
【0007】
なお、本発明のコリンとしては、塩化コリン、重酒石酸コリン、重炭酸コリン、コリンリン酸塩、クエン酸二水素コリンが挙げられるが、好ましくは塩化コリンである。
【0008】
【発明の実施の形態】
エネルギーならびに窒素源の摂取不足により、低栄養、異化亢進状態に陥った患者に対して、栄養状態の改善を目的とした高カロリー輸液を施行すると、血中肝障害指標が著しく上昇する。肝障害指標の上昇を改善するためには投与量の減量あるいは投与の中断が必要であり、患者の栄養管理が犠牲となる。本発明者らは鋭意研究を重ねた結果、低栄養状態の患者に対して、静脈栄養開始時よりメチオニン投与量に見合う特定量のコリンを配合した輸液剤を投与することにより、肝障害指標の上昇を劇的に抑制できるという新しい事実を発見した。本発明は上記知見に基づいて完成されたものである。
本発明によれば、静脈栄養開始時から、コリン配合輸液剤を経静脈的に投与することにより、血中GOT、GPT上昇等の肝機能障害を防止することができる。
【0009】
われわれは肝機能障害発現の原因について、低栄養状態のラットを用いて、アミノ酸投与量に着目して検討した。その結果、エネルギー所要量を充たす条件下では、健常ラットのアミノ酸所要量の50%以上を投与すると、脂肪肝が発現し、肝障害指標が上昇することを明らかにした。また、肝障害指標の上昇の程度はアミノ酸投与量の増加に伴い大きくなることを発見した。
これまでに、静脈栄養開始時に発現する肝機能障害の予防効果は知られていない。これに対してわれわれは、低栄養状態の患者に、本発明に係るコリン配合輸液剤を静脈栄養開始時から投与することにより、血中肝障害指標の上昇を未然に防止出来ることを見いだした。従って、静脈栄養施行時に投与量の減量あるいは投与の中断をすることなく、患者への栄養補給を円滑に行える。
【0010】
コリン欠乏状態においては、S-アデノシルメチオニン合成のためのメチオニン利用は制限される(Biochem J 259,1989)、また、メチオニンが必要量以上に投与されていても、コリンが欠乏していれば肝細胞内のコリン代謝物やリン脂質低下は改善されない(J Cell Biochem 64,1997)、さらに、肝への発ガン物質に対する阻害作用はメチオニンあるいはコリンそれぞれ単独よりも併用した方が強い(Nutrition and Cancer 14,1990)との報告があることから、われわれは、肝機能障害の予防には、メチオニン投与量に対して適当な比率でコリンを配合する必要があると考えた。
【0011】
一方、塩化コリン8g/dayを経静脈的に投与すると、軽度の悪心、頭痛、発汗を起こすと報告されている(Clin Pharmacol Ther 55、1994)ことから1日当りの輸液剤投与量を考慮してコリンの配合量を設定することが望ましい。また、メチオニンが制限された条件でコリン含量の高い食事を摂取すると、コリンオキシダーゼ活性が上昇する(British J Nutr 63,1990)との報告がある。これらのことから、われわれはメチオニン投与量に対するコリン配合量の比率が一定以上になると、副作用の発現やコリン利用率の低下が起こると考えた。
以上のことから、われわれは肝機能障害の予防には、輸液剤中のメチオニン(g)に対するコリン(mg)の比率として250〜4000、好ましくは250〜1000が適当であることを見いだした。また、輸液剤中のアミノ酸(g)に対するコリン(mg)の比率として、8〜140、好ましくは8〜30が適当であることを見いだした。
【0012】
【実施例】
以下に実施例を用いて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
(参考例1〜4)栄養状態の回復を目的とした静脈栄養において、アミノ酸投与量と肝障害指標の変動を検討する目的で、表1〜3に記載した組成の市販高カロリー輸液用基本液、総合アミノ酸製剤、総合ビタミン剤を表4に記載した用量で調製した。総合ビタミン剤は、1バイアルを4mLの注射用蒸留水に溶解して用いた。
【0013】
【表1】
【0014】
【表2】
【0015】
【表3】
【0016】
【表4】
【0017】
(試験例1)参考例1〜4で調製した静脈投与用輸液を用いて、動物実験を行った。実験群として、エネルギー投与量は270kcal/kg/dayの一定条件下で、アミノ酸所要量の25%であるエネルギー(C、単位はkcal)/窒素(N、単位はg)比C/N:640、50%であるC/N:320、100%であるC/N:160ならびに200%であるC/N:80の4群を設定した。低栄養モデルとして、2週間無蛋白食を自由摂取させたラットを用いた。これらのラットの静脈内にカテーテルを留置して、無拘束下で輸液剤を持続投与した。投与終了後、エーテル麻酔下で腹大動脈より全採血を行い、血清を分離してGOT、GPTを測定した。図1、2に結果を示した。アミノ酸投与量の増加に伴い体重増加率は良好な値を示した。一方、血中肝障害指標はアミノ酸投与量の増加に伴い高値を示し、参考例4(C/N:80)では著しい高値を示した。この試験例結果から、低栄養状態において、エネルギー270kcal/kg/dayの条件下で、アミノ酸所要量の50%を越える輸液を投与すると血中肝障害指標が上昇し、その上昇の程度はアミノ酸投与量に依存することが明らかとなった。また、肝障害指標を上昇させないアミノ酸投与量(所要量の50%以下)では、体重増加は低値となり、栄養効果が犠牲となることが明らかとなった。
【0018】
(実施例1)血中肝障害指標の上昇を抑制できるコリン配合量を明らかにする目的で、C/N:160(遊離アミノ酸配合量37.0g/L、メチオニン配合量1.3g/L)の条件下で、表5に記載した塩化コリン500mg/L配合(コリンとして372mg/L、コリン(mg)/メチオニン(g)比は286、コリン(mg)/アミノ酸(g)比は10)の輸液剤を調製して、輸液バッグに充填した。
【0019】
【表5】
【0020】
(実施例2)C/N:160(遊離アミノ酸配合量37.0g/L、メチオニン配合量1.3g/L)の条件下で、表6に記載した塩化コリン1000mg/L配合(コリンとして744mg、コリン(mg)/メチオニン比は572、コリン(mg)/アミノ酸(g)比は20)の輸液剤を調製して、輸液バッグに充填した。
【0021】
【表6】
【0022】
(比較例1)C/N:160(遊離アミノ酸配合量37.0g/L、メチオニン配合量1.3g/L)の条件下で、表7に記載したコリン無配合の輸液剤を調製して、輸液バッグに充填した。
【0023】
【表7】
【0024】
(比較例2)C/N:160(遊離アミノ酸配合量37.0g/L、メチオニン配合量1.3g/L)の条件下で、表8に記載した塩化コリン250mg/L配合(コリンとして186mg、コリン(mg)/メチオニン(g)比は143、コリン(mg)/アミノ酸(g)比は5)の輸液剤を調製し、輸液バッグに充填した。
【0025】
【表8】
【0026】
(試験例2)実施例1、2、比較例1、2で調製した静脈栄養用輸液を用いて、動物実験を行った。2週間無蛋白食を自由摂取させたラットの静脈内にカテーテルを留置して、無拘束下で3日間輸液を持続投与した。投与条件は、エネルギー270kcal/kg/day、窒素1.69gN/kg/day、C/N:160、液量は300mL/kg/dayに設定した。投与終了後、エーテル麻酔下で腹大動脈より全採血を行い、血清を分離してGOT、GPTを測定した。図3に結果を示した。比較例1ならびに2の輸液剤投与により、血清GOT、GPTは著しく上昇したが、実施例1ならびに2の輸液剤投与では上昇は抑制された。従って、C/N:160の条件下では、塩化コリン500mg/L以上の配合により肝障害指標の上昇が抑制できた。肝障害指標の上昇を抑制するには、メチオニン(g)に対するコリン含量(mg)の比としては143では不十分であり、250〜600の範囲で著明な効果が得られることが確認された。また、アミノ酸(g)に対するコリン含量(mg)の比としては、5では不十分であり10〜20の範囲で著明な効果が得られることが確認された。
【0027】
(実施例3)アミノ酸投与量とコリン配合量の関係を明らかにするために、C/N:80(遊離アミノ酸配合量50g/L、メチオニン配合量1.75g/L)の条件下で、表9に記載した塩化コリン1000mg/L配合(コリンとして744mg、コリン(mg)/メチオニン(g)比は425、コリン(mg)/アミノ酸(g)比は14.9)の輸液剤を調製して、輸液バッグに充填した。
【0028】
【表9】
【0029】
(比較例3)C/N:80(遊離アミノ酸配合量50g/L、メチオニン配合量1.75g/L)の条件下で、表10に記載した塩化コリン500mg/L配合(コリンとして372mg、コリン(mg)/メチオニン(g)比は213、コリン(mg)/アミノ酸(g)比は7.4)の輸液剤を調製して、輸液バッグに充填した。
【0030】
【表10】
【0031】
(試験例3)実施例3、比較例3で調製した静脈投与用輸液を用いて、動物実験を行った。2週間無蛋白食を自由摂取させたラットの静脈内にカテーテルを留置して、無拘束下で3日間持続投与した。投与条件はエネルギー270kcal/kg/day、窒素3.38gN/kg/day、C/N:80、液量は445mL/kg/dayに設定した。投与終了後、エーテル麻酔下で腹大動脈より全採血を行い、血清を分離してGOT、GPTを測定した。図4に結果を示した。比較例3の輸液剤投与により、血清GOT、GPTは高値を示したが、実施例3の輸液剤投与では低値を維持した。上記試験例2のC/N:160の条件では、コリン500mg/Lの配合により血中肝障害指標の上昇抑制効果が得られたが、本例におけるC/N:80の条件下では500mg/Lの配合では不十分であり、1000mg/Lの配合により効果が得られた。このことから、メチオニンあるいはアミノ酸投与量の増加に伴いコリン要求量は増加し、メチオニンあるいはアミノ酸投与量に見合ったコリン配合量が必要であることが明らかになった。肝障害指標の上昇を抑制するためには、メチオニン(g)に対するコリン(mg)の比率として250〜4000、アミノ酸(g)に対するコリン(mg)の比率として8〜140が好ましいと考えられた。
【0032】
(実施例4)実施例1とアミノ酸組成の異なる輸液剤を用いて、コリン配合による血中肝障害指標の上昇抑制効果を明らかにするために、C/N:160(遊離アミノ酸含量37g/L、メチオニン配合量1.4g/L)の条件下で、表11に記載した塩化コリン500mg/L配合(コリンとして372mg、コリン(mg)/メチオニン比は266、コリン(mg)/アミノ酸(g)比は10)の輸液剤を調製して、輸液バッグに充填した。
【0033】
【表11】
【0034】
(比較例4)C/N:160(遊離アミノ酸配合量37g/L、メチオニン配合量1.4g/L)の条件下で、表12に記載したコリン無配合の輸液剤を調製して、輸液バッグに充填した。
【0035】
【表12】
【0036】
(試験例4)実施例4、比較例4で調製した静脈投与用輸液を用いて、動物実験を行った。2週間無蛋白食を自由摂取させたラットの静脈内にカテーテルを留置して、無拘束下で3日間持続投与した。投与条件はエネルギー270kcal/kg/day、窒素1.69gN/kg/day、C/N:160液量は300mL/kg/dayに設定した。投与終了後、エーテル麻酔下で腹大動脈より全採血を行い、血清を分離してGOT、GPTを測定した。図5に結果を示した。比較例4の輸液剤投与により、血清GOT、GPTは著しい高値を示したが、実施例4の輸液剤投与では低値を維持した。従って、コリン配合による血中肝障害指標の上昇抑制効果はアミノ酸組成に影響を受けないことが明らかとなった。
【0037】
【発明の効果】
本発明のコリン配合輸液剤は、メチオニン含量(g)に対するコリン含量(mg)の比が250〜4000、好ましくはさらにアミノ酸含量(g)に対するコリン含量(mg)の比が8〜140となるように配合されたものであり、例えば低栄養状態の患者に対して、静脈栄養開始時に経静脈的に投与することにより、血中GOT上昇等の肝機能障害を未然に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】体重増加率(試験例1)
【図2】肝障害指標(試験例1)
【図3】肝障害指標(試験例2)
【図4】肝障害指標(試験例3)
【図5】肝障害指標(試験例4)
Claims (9)
- 低栄養状態に陥った患者に対して、栄養状態の改善を目的とし、静脈栄養施行開始時に投与するための輸液剤であって、該輸液剤はメチオニンを含むアミノ酸およびコリンを含有し、アミノ酸濃度が37〜50g/Lであり、且つメチオニン含量(g)に対するコリン含量(mg)の比が250〜4000であるコリン配合輸液剤。
- メチオニンを0.1〜2.5g/L含有する請求項1に記載のコリン配合輸液剤。
- 上記輸液剤は、アミノ酸含量(g)に対するコリン含量(mg)の比が8〜140である請求項1または2に記載のコリン配合輸液剤。
- 上記輸液剤は、メチオニン以外のアミノ酸として、イソロイシン、ロイシン、リジン、フェニルアラニン、スレオニン、トリプトファン、バリン、アルギニン、ヒスチジン、プロリン、セリン、アスパラギン酸、グルタミン酸、チロシン、システイン、アラニン、グルタミンより選ばれるアミノ酸の遊離型、誘導体または塩をそれぞれ下記の範囲で含有するものである請求項1〜3のいずれかに記載のコリン配合輸液剤。
イソロイシン 0.5〜4.5g/L
ロイシン 0.5〜7.0g/L
リジン 0.5〜5.0g/L
フェニルアラニン 0.5〜5.0g/L
スレオニン 0.1〜3.5g/L
トリプトファン 0.1〜1.0g/L
バリン 0.5〜5.0g/L
アラニン 0.5〜5.0g/L
アルギニン 0.5〜6.0g/L
アスパラギン酸 0.1〜2.5g/L
システイン 0.05〜1.0g/L
グルタミン酸 0.1〜4.0g/L
ヒスチジン 0.5〜4.0g/L
プロリン 0.5〜4.0g/L
セリン 0.5〜3.0g/L
チロシン 0.05〜0.3g/L
グルタミン 0.01〜3.0g/L - 上記輸液剤は、グルコース、フルクトース、キシリトール、ソルビトール、マルトース、グリセロールより選ばれる少なくとも1種類以上の糖を含有し、糖の総量が75〜350g/Lである請求項1〜4のいずれかに記載のコリン配合輸液剤。
- 上記輸液剤は、ナトリウム、クロール、カリウム、カルシウム、リン、マグネシウム、亜鉛、鉄、マンガン、銅、ヨウ素、セレンより選ばれる少なくとも2種類以上を含有する請求項1〜5のいずれかに記載のコリン配合輸液剤。
- 上記輸液剤は、ビタミンA、D、E、K、B1、B2、B6、B12、C、ニコチン酸、パントテン酸、葉酸、ビオチンより選ばれる少なくとも1種類以上を含有する請求項1〜6のいずれかに記載のコリン配合輸液剤。
- 上記輸液剤は、バッグ類に予め充填されている請求項1〜7のいずれかに記載のコリン配合輸液剤。
- 上記輸液剤は、コリンが塩化コリンである請求項1〜8のいずれかに記載のコリン配合輸液剤。
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