JP5063002B2 - 電子エミッタ - Google Patents

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本発明は、電界放射により電子放出する、電界放射型の電子エミッタに関する。この電子エミッタは、電界放射型ディスプレイ、電界放射型ランプ、液晶表示装置用バックライト、電子ビーム露光機、マイクロ波進行波管、撮像素子、電子顕微鏡、等の様々な電子エミッタ内蔵装置に利用することができる。
上記電界放射型の電子エミッタには、いわゆるスピント型と呼ばれるタイプの電子エミッタがある(特許文献1参照)。スピント型の電子エミッタは、通常、微小な円錐状のティップ(エミッタ)を備えたものであり、その形状により優れた電界放射特性を提供することができる。スピント型の電子エミッタにあっては、先端に微小な円錐状のティップを備える必要があり、繁雑な微細加工技術が要求されるなどして製造コストが高くつという課題があることで知られる。しかし、スピント型の電子エミッタでのより大きな課題は、動作圧力に敏感なことである。すなわち、ティップの酸化等の変質を極力防止するために電子エミッタの配置空間である真空容器内を10-8ないし10-9torrといった超高真空とする必要があり、それ以下に配置空間の真空度が例えば10-5torrの中高真空に低下すると空気中のガス分子等が付着して例えばティップ表面の仕事関数が急激に大きく変わるなどして電界放射しなくなり、そのことが製造の困難さ、製造コストの高騰を招いている。例えば、電子エミッタの配置空間であるガラス等からなる真空容器の内部を超高真空に長期に安定して密封するには、製造設備、製造工程が煩雑化するなど製造が困難である。特に真空容器内を超高真空に排気するために高価な真空ポンプ例えばターボ分子ポンプ等を用いる必要があるなどにより製造価格が高くつく。
特開2005−332735
本発明により解決すべき課題は、超高真空の配置空間が要求されるスピント型の電子エミッタとは全く相違し、電子エミッタの配置空間における真空度が中高真空ないしこれ以下の低真空の環境でも優れた性能を安定して発揮することが可能な電子エミッタを得ることである。
本発明により解決すべき他の課題は、このことにより、電子エミッタの配置空間の真空引きでは拡散ポンプ等の安価なポンプの使用が可能といった安価な製造設備により製造しても電界放射特性が劣化せず高性能で安定動作することが可能な電子エミッタを提供することである。
(1)本発明による電界放射型の電子エミッタは、電界放射型の電子エミッタにおいて、基板面上に一定の台高さの成膜用台を設け、この台上に、先端に向けて細くなる針形状の針状炭素膜が形成されていることを特徴とするものである。
上記針状炭素膜にはその膜下部から膜中途に至りまとわりつく形態の壁状炭素膜が成膜されていることが好ましい。
上記「基板」はその形状に限定されるものではなく、板状、ワイヤ状等の形状を含むことができる。板状やワイヤ状の断面形状は何でも良い。例えば、板状では平板状を含み、ワイヤ状は断面円形、半円形、楕円形、半楕円形、等を含む。
この「先端に向けて細くなる針形状」とは、その基部から先端のすべてにわたって細くなるに限定する意味ではなく、炭素膜の任意の途中部分から先端に向けて細くなる針形状でよい。
上記「成膜用台」はその材料に限定されず、金属材でも半導体材でもよい。
上記「成膜用台」はその製法や構造に限定されず、例えば実施の形態のように基板自体から例えばエッチング等により作ることや、あるいは、基板表面に設けたμm厚の蒸着金属薄膜から作ることができる。あるいは成膜用台の金型を用いて基板上に転写することにより作ることもできる。
本発明において、第1の特徴は、基板面上に一定の台高さの成膜用台を設けたこと、第2の特徴は、この台上に、先端に向けて細くなる針形状の針状炭素膜が形成されていること、にある。そして、これら2つの特徴が不離一体となって、従来のスピント型では実現が不可能であった、真空度が中高真空ないしこれ以下の低真空の環境でも優れた性能を安定して発揮することが可能な電子エミッタを得ることができるようになったことである。
すなわち、本発明の電子エミッタでは、電界放射する先端が従来のスピント型の金属ティップやシリコンティップではなく、成膜用台上に成膜された針状炭素膜がティップとなって電界放射するようにしたから、その配置環境が10-8ないし10-9torrといった超高真空ではなく中高真空等の真空で若干の残留ガス分子等が付着しても安定した電界放射が可能となっている。その結果、従来のスピント型の電子エミッタとは異なって、電子エミッタを内蔵させる真空容器内を価格が安い拡散ポンプ等により真空引きして電子エミッタ内蔵装置を製造することが可能であり、また、電子エミッタを内蔵するガラス等からなる真空容器の耐圧も低く済むなどにより、電子エミッタ内蔵装置の安価な量産化を促進することができ、その製造コストを大幅に低減させることができる。
また、本発明の電子エミッタでは、電子エミッタを内蔵させるガラス等の真空容器の内圧を超高真空に維持する必要がないから、内圧の低下により電界放射の安定性が急激に劣化することもなく、電界放射を長期にわたり安定して確保することができる。
また、本発明の電子エミッタにおいては特に、針状炭素膜を用いるとともに、壁状炭素膜を備えた場合では、針状炭素膜を成膜用台上に高い機械強度で電気的に接続させることができる結果、長期にわたり安定した電界放射特性を維持することができるものとなる。
また、本発明の電子エミッタにおいては特に、先端に向けて直径が変化しないカーボンナノチューブ等の炭素膜とは異なり、先端に向けて細くなる形状を有する針状炭素膜を用いるので、基板側を陰極としこれと対向する陽極との間の印加電圧が上昇しても電界放射が飽和しにくく、効率的な電界放射特性を長期に維持することができる。
また、本発明の電子エミッタにおいては、成膜用台上に針状炭素膜を配置したから、他の成膜用台上に成膜された炭素膜や、成膜用台上ではなく基板面上に直接成膜された他の炭素膜に対して、互いに電界放射を阻害しないように容易に制御することができる。
また、本発明の電子エミッタにおいては、成膜用台上に針状炭素膜を成膜するから、針状炭素膜の先端における基板面からの高さを成膜用台の高さ調整で任意に調整することができるようになる。
以上の本発明の電子エミッタにおいては、成膜用台の台高さが、針状炭素膜の先端に対する閾値電界で当該成膜用台が電界放射しない高さ以下に設定されていることが好ましい。閾値電界とは電界放射が起こり始める電界のことである。この設定により、成膜用台が電界放射することがなくて好ましい。
本発明の電子エミッタにおいては、上記成膜用台が一定間隔で複数配置されていることが好ましい。
本発明の電子エミッタにおいては、成膜用台の配置間隔が、各成膜用台それぞれの針状炭素膜の先端における電界放射を互いに阻害しない値以上に設定されていることが好ましい。
本発明の電子エミッタにおいては、上記成膜用台の側面形状が概ね台形形状であることが好ましい。
本発明の電子エミッタにおいては、上記針状炭素膜が、ファウラノルドハイムの式における電界集中係数βが、当該炭素膜の途中任意の部分から先端までの高さをhx、その任意の部分の半径をrxとして、hx/rxの式で表される形状を有することが好ましい。
(2)本発明による電子エミッタは、基板へのエッチングにより複数の成膜用台が一定間隔で形成され、これら成膜用台上に先端に向けて細くなる高アスペクト比の針状炭素膜が成膜されていることを別の特徴とするものである。
本発明の電子エミッタにおいて、大きな特徴は、
第1に、成膜用台の配置数を制御することにより電子放出点(発光サイト)の数を任意に制御することができること、
第2に、成膜用台の配置間隔の大きさを制御することにより発光サイトの密度を任意に制御することができること、
第3に、成膜用台の配置位置を制御することにより発光サイトの位置を任意の位置に設定することができることである。
以上の第1ないし第3の特徴に加えて、
第4として、上記(1)で説明したように、配置環境の圧力を中高真空に設定しても優れた電界放射特性を安定して発揮することができる電子エミッタを安価に製造することができること、である。
上記の場合、上記針状炭素膜にはその膜下部から膜中途に至りまとわりつく形態の壁状炭素膜が成膜されていることが好ましい。上記針状炭素膜は、ファウラノルドハイムの式における電界集中係数βが、当該炭素膜の任意の部分から先端までの高さをhx、その任意の部分の半径をrxとして、hx/rxの式で表されて、当該任意の部分から先端になるほど細くなる形状を有することが好ましい。
(3)本発明による電子エミッタは、基板上に一定の台高さの成膜用台を複数設け、これら成膜用台上に、針状に延びる針状炭素膜と、針状炭素膜の膜下部から膜中途に至りまとわりつく壁状炭素膜とが成膜され、針状炭素膜は、先端に向けて細くなる形状を有し、かつ、各成膜用台それぞれは、各成膜用台それぞれの針状炭素膜の電界放射が他の針状炭素膜の電界放射を阻害しない一定の間隔で配置されていることをさらに別の特徴とするものである。
本発明の電子エミッタでは、各成膜用台それぞれに配置した針状炭素膜が他の成膜用台上の針状炭素膜や、あるいは成膜用台上ではなく、成膜に際して基板上に成膜された針状炭素膜等に影響されずに、安定した電界放射を行うことができるので、上記(1)(2)の作用効果をより効果的に発揮することができるようになる。
本発明の電子エミッタによれば、安価に製造することができる構造でありながら、その配置空間の圧力が中高真空以下でも長期にわたり安定良好に電界放射を行うことができる電子エミッタを提供することができる。
以下、添付した図面を参照して本発明の実施の形態に係る電子エミッタを詳細に説明する。
図1を参照して、実施の形態の電界放射型の電子エミッタを説明すると、この電子エミッタ10は、基板12上に一定の台高さの成膜用台14を複数備える。これら成膜用台14上に、針状に延びる針状炭素膜16と、針状炭素膜16の膜下部から膜中途に至りまとわりつく壁状炭素膜18とが成膜されている。なお、基板12上にもこれら炭素膜16,18が成膜されている場合があるが、図解の都合で図示を略している。
針状炭素膜16は、ファウラノルドハイム(Fowler−Nordheim)の式における電界集中係数βが、当該炭素膜16の途中任意の部分から先端までの高さをhx、その任意の部分の半径をrxとして、hx/rxの式で表されて、当該任意の部分から先端になるほど細くなる形状を有している。ファウラノルドハイムの式は、I=sAF2/φexp(−B3/2/F)、F=βVで与えられる。ただし、Iは電界放射電流、sは電界放射面積、Aは定数、Fは電界強度、φは仕事関数、Bは定数、βは電界集中係数、Vは印加電圧である。電界集中係数βは、印加電圧Vを、先端の形状や素子の幾何学的形状により電界強度F(V/cm)を変換する係数である。電界放射電流Iは、仕事関数φが小さい材料ほど、また、電界集中係数βが大きいほど、強くなり、電界放射電流Iが増大する。電子は仕事関数φであるポテンシャル障壁により固体中に閉じ込められている。固体表面に電界が強く集中し、ポテンシャル障壁が1nm以下程度にまで薄くなると、電子はトンネリング現象により固体から真空に放射される確率が急増する。電界集中により電子が真空に放射される現象を電界放射という。ファウラノルドハイムの式は、電界放射電流Iを、ポテンシャル障壁に衝突する電子の入射密度と、ポテンシャル障壁をトンネリングする確率との積を全エネルギー領域で積分することにより求めることができることを表している。
各成膜用台14それぞれの配置間隔(D)は、各成膜用台14それぞれの針状炭素膜16の先端での電界放射が他の成膜用台14の針状炭素膜16の先端での電界放射を阻害しないようになっていることが好ましい。
成膜用台14の基板面12aからの高さ(H)は、針状炭素膜16の先端に対する閾値電界で当該成膜用台14が電界放射しない高さ以下に設定されている。成膜用台14の高さ(H)は数μm、例えば、2ないし3μmとすることができる。また、成膜用台14の配置間隔(D)は数μm、例えば、1ないし5μmとすることができる。
成膜用台14は側面視台形形状の切頭円錐形状になっている。成膜用台14はこの形状だけに限定されず、円柱形状でもよく、あるいは切頭角錐形状でも実施することができる。成膜用台14は基板12と同一材から形成されたものであり、例えば、モリブデン、鉄、ニッケル、等の金属材で構成されている。成膜用台14が基板12と同一材で無い場合、基板12は、金属材以外でもよく、例えば、ガラス、シリコン、セラミック等の絶縁材でもよい。
針状炭素膜16は、アスペクト比が100〜数万程度であり、直径が2〜200nm、長さが数十〜数万nmである。
壁状炭素膜18は、針状炭素膜16の成膜用台14の台表面14a上での姿勢の安定化に貢献し、これによって安定した電界放射を行うことができ、また、成膜用台14の台表面14a上に機械的に強固に支持され、電子エミッタとしての安定性が向上し、また、針状炭素膜16を成膜用台14の台表面14aと良好な電気的コンタクトを可能とする。
図2に、図1の電子エミッタ10を陰極とし、これと図上で上方に位置する陽極との間に電圧(陽陰極間電圧V)を印加したときの針状炭素膜16の先端の周りの等電位面20の変化を示す。この等電位面20の変化に示すように、針状炭素膜16の先端に電界が強く集中し、その先端から電界放射することができるようになっている。
なお、説明の理解のために、図3、図4に電子エミッタの一部の斜視図、平面図を示す。成膜用台14の配置間隔をD1,D2で示している。これら配置間隔はD1=D2でもD1≠D2でもよい。なお、図4に成膜用台14の台表面14aの面積Sが示されているが、この面積Sの大きさを制御することにより針状炭素膜16の成膜数を制御することが可能である。
図5に以上の構成を備えた電子エミッタ10を陰極として、これに対向配置された陽極との間で電圧を印加した場合のエミッション特性を示す。横軸は電圧(V/μm)、縦軸はエミッション電流(mA/cm2)である。実施の形態の電子エミッタ10においては、図5で示すように、電圧2.0V/μmでエミッション電流は50ないし100mA/cm2の電界放射特性を有する電子エミッタを得ることができた。
図6を参照して実施の形態の針状炭素膜16の電界放射特性をカーボンナノチューブと比較して説明する。
実施の形態の針状炭素膜16では、図6(a)で示すように、電界集中係数βが、上記hx/rxの式で表され、かつ、基部から先端16aに向けて半径rxが小さくなる形状を有するから、図6(b)で示す(実線曲線は実施の形態の針状炭素膜により、二点鎖線曲線はカーボンナノチューブによる)ように、印加電圧Vが増大するにつれ先端16aから図6(a)の矢印Aのように電界放射し、さらに印加電圧Vが増大すると、先端16aから遠くなる部分16bからも図6(a)の矢印Bのように電界放射が起こり、さらに印加電圧Vが増大すると、先端16aからさらに遠くなる部分16cからも図6(a)の矢印Cのように電界放射が起こる。
このようにして実施の形態の針状炭素膜16では、印加電圧Vの増大により、電界放射電流Iが従来のように印加電圧VがV0を超えても、電界放射電流Iがカーボンナノチューブのように電流I0で飽和せず、それ以上に増大することができる炭素膜である。
図7ないし図9を参照して実施の形態の電子エミッタの製造方法を説明する。図7は成膜用台の製造工程、図8は、炭素膜の製造工程を示す。図9は図8の炭素膜の製造に用いる直流プラズマCVD装置を示す。
(成膜用台の製造工程)
図7(a)で示す基板12上に図7(b)で示すようにフォトレジスト22を塗布する。次いで図7(c)で示すようにフォトマスクのパターンを露光によりフォトレジスト22に転写し、次いで、図7(d)で示すように現像によりパターン以外のフォトレジスト22を除去し、図7(e)で示すようにエッチングし、最後にフォトレジスト22を除去することにより、図7(f)で示すように基板12に一体化された成膜用台14を形成する。以上のフォトリソグラフィー技術により基板12に成膜用台14を成形した後、次の炭素膜の製造工程に移行する。
(炭素膜の製造工程)
この炭素膜の成膜には図9で示す直流プラズマCVD装置を用いる。この直流プラズマCVD装置24は、真空チャンバ26と、この真空チャンバ26の内部に平行に対向配置した一対の第1、第2平板電極28,30とを備える。真空チャンバ26はガス導入口26aとガス排気口26bとを備える。直流電源32の負極側を上側の第1平板電極28に接続し、直流電源32の正極側を接地する。下側の第2平板電極30を接地する。
図8を参照して真空チャンバ26内にガス導入口26aから水素ガスを導入しその内圧を徐々に減圧し、真空チャンバ26の内圧を30torrにする。真空チャンバ26の内圧が30torrになると、その圧力を5ないし25分程度維持する。この場合、直流電源32の印加により、プラズマ34を発生させ、電流を2.5A程度にまで徐々に増加させ、チャンバ内圧が30torrになるときには電流を2.5Aに維持する。こうして基板12上の成膜用台14(図8では図示されず)の表面酸化物を除去する。
次いで、真空チャンバ26内に水素ガスとメタンガスとの混合ガスを導入し内圧を75torr程度にまで徐々に増大し、内圧が75torrになると、この内圧を2時間程度維持する。
なお、圧力としてはこれに限定されず、10ないし100torrでも実施することができる。このとき、同時に直流電源32により電流を2.5Aから6A程度にまで徐々に増加させ、6Aに到達すると、その電流を2時間維持する。
なお、メタンガスに代えて他の炭素を含むガス、例えば、アセチレン、エチレン、プロパン、プロピレン等のガス、等を用いることができる。
その結果、基板12上に発生するプラズマ34により、成膜用台の表面温度が900℃ないし1150℃程度となって、メタンガスが分解され、この成膜用台上に実施の形態の炭素膜が成膜される。
図10は、印加電圧3.0kV、倍率×4300のSEM写真である。このSEM写真には針状炭素膜16と、この針状炭素膜16にその膜下部から膜中途に至りまとわる形態で広がるように壁状炭素膜18が成膜されている状態が示されている。
図11は、実施の形態の電子エミッタをパイプ状の電界放射型の照明ランプに適用した例を示す。図11において、パイプ状の管体42は、ガラス好ましくはソーダライムガラスからなり内部が真空状態とされている。管体42は、直管形状ではなく、U字管形状でもよい。
管体42の内面には、蛍光体付き陽極44が形成されている。蛍光体付き陽極44は、電子線励起により白色に発光する蛍光体粉末から構成された層状の蛍光膜44aと、導電性に優れた金属好ましくはアルミニウムを蒸着して構成された層状の陽極膜44bとから構成されている。
管体42内にはその中央を長手方向にワイヤ状陰極46が配置されている。ワイヤ状陰極46は、蛍光体付き陽極44と上記長手方向で対向している。
ワイヤ状陰極46は、導電性のワイヤ46aとその表面に成膜された実施の形態の炭素膜(針状炭素膜16、壁状炭素膜18)46bとから構成されている。このワイヤ46aの材料は特には限定されないが、例えば、グラファイト、Ni、Fe、Co、等がある。
図12は、実施の形態の炭素膜をフラットパネル状の電界放射型の照明ランプに適用した例を示す。この電界放射型の照明ランプは、内部が真空とされたフラットパネル58,50と、一方のフラットパネル58の内面に設けられた蛍光体付き陽極54と、他方のフラットパネル50上に間隔を隔てて配置された複数のワイヤ状陰極56とを備える。ワイヤ状陰極56は、導電性ワイヤ56aと、その導電性ワイヤ56aの表面に形成された実施の形態の炭素膜(針状炭素膜16、壁状炭素膜18)56bとを含む。なお、本発明は、上述の実施の形態に限定されず、種々な変形が考えられる。
図1は本発明の実施の形態に係る電子エミッタの構成を示す図である。 図2は図1の電子エミッタにおいて等電位面を示す図である。 図3は図1の電子エミッタの一部の斜視図である。 図4は図1の電子エミッタの一部の平面図である。 図5は図1の電子エミッタのエミッション特性を示す図である。 図6は図1の電子エミッタが備える針状炭素膜の電界放射特性をカーボンナノチューブと比較して説明するための図である。 図7は図1の電子エミッタが備える成膜用台の製造工程図である。 図8は図1の電子エミッタが備える炭素膜の製造工程図である。 図9は図8の炭素膜の製造に用いる直流プラズマCVD装置を示す図である。 図10は図1の電子エミッタが備える炭素膜において倍率×4300でのSEM写真である。 図11は図1の電子エミッタをパイプ状の電界放射型の照明ランプに適用した例を示す図である。 図12は図1の電子エミッタをフラットパネル状の電界放射型の照明ランプに適用した例を示す図である。
符号の説明
10 電子エミッタ
12 基板
14 成膜用台
16 針状炭素膜
18 壁状炭素膜

Claims (8)

  1. 電界放射型の電子エミッタにおいて、基板面上に一定の台高さの成膜用台を設け、この台上に、基部から先端に向けて半径が小さくなりアスペクト比が100以上で直径が2〜200nmの針形状の針状炭素膜が形成され、更にこの針状炭素膜にはその膜下部から膜中途に至りまとわりつく形態の壁状炭素膜が成膜されている、ことを特徴とする電子エミッタ。
  2. 上記成膜用台の台高さは、針状炭素膜の先端に対する閾値電界で当該台が電界放射しない高さ以下であることを特徴とする請求項1に記載の電子エミッタ。
  3. 上記成膜用台が一定間隔で複数配置されている、ことを特徴とする請求項1または2に記載の電子エミッタ。
  4. 上記成膜用台の配置間隔は、各成膜用台それぞれの針状炭素膜の電界放射を互いに阻害しない値以上に設定されている、ことを特徴とする請求項3に記載の電子エミッタ。
  5. 上記成膜用台が、概ね切頭円錐形状である、ことを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の電子エミッタ。
  6. 上記成膜用台は、基板から作られたものである、ことを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の電子エミッタ。
  7. 上記成膜用台は、基板とは別材から作られたものである、ことを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の電子エミッタ。
  8. 電界放射型の電子エミッタにおいて、基板へのエッチングにより複数の成膜用台が一定間隔で形成され、これら成膜用台上に基部から先端に向けて半径が小さくなりアスペクト比が100以上で直径が2〜200nmの針状炭素膜が成膜され、更にこの針状炭素膜にはその膜下部から膜中途に至りまとわりつく形態の壁状炭素膜が成膜されている、ことを特徴とする電子エミッタ。
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